JP2009270195A - ガス冷却装置およびガス冷却方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導入ガス流速を上昇させることなく小容量のブロワーを用いて、効率的にワーク等の冷却を行うことができるガス冷却装置およびガス冷却方法を提供する。
【解決手段】ガス冷却装置1は円筒状の冷却器10と、冷却器10の上部側方に設けられるガス導入路20と、冷却器10の下部側方に設けられるガス排出路30によって構成されている。ガス導入路20およびガス排出路30は冷却気10から同じ方向へ突出および開口しており、その方向は、冷却器10の外周接線方向である。なお、冷却時においてワーク40は冷却器10の内部中央に配置される。ガス冷却装置1を用いて、ワーク40の冷却を行う場合、冷却器10内の冷却ガスの流速が、導入する冷却ガスの流速とほぼ同じ速度であるため、効率よくワーク40を冷却することが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えばワーク等を冷却するガス冷却装置およびガス冷却方法に関するものである。
従来、ワーク等の冷却には、冷却ガスを用いる冷却装置が一般的に用いられる。このときの冷却装置の形状や冷却ガスの導入方法については、従来から様々なものが考案されてきている。
例えば、特許文献1においては、ダンパを利用して、冷却ガスを被冷却物の全体にわたって当てて、冷却を行う熱処理用の工業炉が公開されている。また、特許文献2には、複数のノズルを用いることでガスを被冷却物に効率よく循環させる熱処理用の工業炉が公開されている。
特開昭55−54528号公報 特開昭60−135517号公報
熱交換における熱の移動を式で表すと、次のようになる。
Q(watt/m)=h×(Twall−T∞) (ニュートンの冷却式)
ここで、Qは熱交換量、hは熱伝達率、Twallはワークの温度、T∞は冷却ガスの温度である。
熱伝達率hはガスの流速に依存するため、ワーク等の被処理物に対してガスによって迅速にかつ均一に熱交換を行う際には、ガスの流速を被処理物近傍において、速く均一な流速とする必要がある。
一方、ガス管等のガス導入機構から容積の大きい容器へガスが流入する場合には、そのガス流速は流入時に遅くなってしまうこととなる。以下に図面を参照して、従来技術におけるガス流速について説明する。
図1は、従来技術において、ガス導入部100から熱交換容器110へガスが流入する様子を示す模式図である。ガス導入部100の断面積をYとし、熱交換容器110の入口部の断面積をXとする場合に、ガス流速vでガス導入部100から流入したガスの流速は、熱交換容器110の入口部においては、v×Y/Xとなるため、図1のようにXがYよりはるかに大きいという関係であるときには、熱交換容器110内におけるガス流速はvよりもはるかに遅い流速となってしまう。即ち、断面積の積分であるΔSが小さいほど、ガス流速を保つためには好ましい。
そこで、熱交換容器110内におけるガス流速を上昇させるためには、ガスを導入する際の、元の流速を上昇させるか、あるいは、熱交換容器110の断面積を小さくする必要があることになる。しかし、導入するガス流速を上昇させるためにブロワー等の性能を向上させると、高コストとなってしまい、また、熱交換容器110の断面積を小さくし、ガス流路を狭くすると圧損が大きくなり、ブロワー等に負荷がかかり効率的ではない。
上記特許文献1においては、ガス流路に対する加熱室の断面積が広いため、加熱室におけるガス流速は、ガス供給管内のガス流速に比べて遅くなってしまい、ダンパを用いることによって、ガスをある程度広範囲に導入させることができるとしても、熱交換が十分に効率よく行われないという問題点があった。
また、上記特許文献2においても、複数のノズルを介して加熱室に導入された冷却ガスは、被冷却物に対してある程度均一に当たると思われるが、上記特許文献1同様、ノズルに対する加熱室の断面積が広いため、冷却ガスは加熱室において拡散され、その流速は遅くなってしまい、冷却の効率化が図れないという問題点があった。
そこで、上記問題点に鑑み、本発明の目的は、導入ガス流速を上昇させることなく小容量のブロワーを用いて、効率的にワーク等の冷却を行うことができるガス冷却装置およびガス冷却方法を提供することにある。
本発明によれば、ワークを冷却するガス冷却装置であって、円筒状の冷却器と、前記冷却器の上部側方と下部側方の一方に設けられる冷却ガス導入路と、他方に設けられる冷却ガス排出路とを備えることを特徴とするガス冷却装置が提供される。
前記冷却ガス導入路および前記冷却ガス排出路は、前記冷却器の外周接線方向に設けられ、かつ、給気方向と排気方向が同じ回転方向となるよう設けられていてもよい。
前記冷却器は、内筒部および外筒部によって構成され、前記冷却器の内筒部と外筒部の間に形成される円環状空間を上部空間および下部空間に仕切る仕切り板と、前記外筒部上部側方と下部側方の一方に設けられる冷却ガス導入路と、他方に設けられる冷却ガス排出路と、前記内筒部上方に設けられる1又は複数の上部内筒窓部と、前記内筒部下方に設けられる1又は複数の下部内筒窓部とを備えることとしても良い。
前記外筒部上部側方と下部側方の一方に設けられる冷却ガス導入路および冷却ガス排出路と、他方に設けられる冷却ガス導入路および冷却ガス排出路とを備えることとしても良い。
前記内筒部外周に冷却手段が設けられていても良い。
前記冷却手段は水冷パイプであっても良い。
前記冷却器の材質はステンレスであっても良い。
また、本発明によれば、ワークを円筒状の冷却器の内部中央に配置した後、冷却ガスを、前記冷却器の上部側方に設けられた冷却ガス導入路から前記冷却器内に導入し、前記冷却ガスにより前記ワークを冷却した後、前記冷却ガスを前記冷却器の下部側方に設けられた冷却ガス排出路から排出することを一定時間行う第一の工程と、前記冷却ガスを、前記冷却器の下部側方に設けられた冷却ガス導入路から前記冷却器内に導入し、前記冷却ガスにより前記ワークを冷却した後、前記冷却ガスを前記冷却器の上部側方に設けられた冷却ガス排出路から排出することを一定時間行う第二の工程と、を繰り返して行うことを特徴とするガス冷却方法が提供される。
本発明によれば、導入ガス流速を上昇させることなく効率的にワーク等の冷却を行うことができるガス冷却装置を提供することができる。
従来技術において、ガス導入部から熱交換容器へガスが流入する様子を示す模式図である。 第1の実施の形態にかかるガス冷却装置1を示し、(a)は斜視図、(b)は上方から見た断面図である。 第2の実施の形態にかかるガス冷却装置50の斜視図である。 実施例1で用いた内筒と治具の寸法および測定位置を示す斜視図である。 実施例2のワーク収容状態を示す斜視図である。 実施例2で行ったヒートパターンを示すグラフである。 実施例3で用いたワークを示す斜視図である。 実施例3のワーク収容状態を示す斜視図である。 実施例4のワーク収容状態を示す斜視図である。 実施例4のテストピースを示す斜視図である。 実施例4のテストピースの反りを示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素においては、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図2(a)は本発明の第1の実施の形態にかかるガス冷却装置1の斜視図である。また、図2(b)はガス冷却装置1を上方から見た断面図である。
図2に示すように、ガス冷却装置1、は円筒状の冷却器10と、冷却器10の上部側方に設けられるガス導入路20と、冷却器10の下部側方に設けられるガス排出路30によって構成されている。ガス導入路20およびガス排出路30は、いずれも中空の管によって構成される。図2(b)に示すように、ガス導入路20およびガス排出路30の軸方向が、いずれも冷却器10の外周接線方向となるようにガス導入路20およびガス排出路30は配置されている。また、ガス導入路20の給気方向およびガス排出路30の排気方向は、上から見た状態において同じ回転方向(図2(b)の例では時計回り)である。また、冷却時においてワーク40は冷却器10の内部中央に配置される。
以上のように構成されるガス冷却装置1において、高温で表面処理等を施したワーク40を冷却する際に、ワーク40を冷却器10の内部中央に配置し、冷却器10を密閉する。そして、ワーク40を酸化させないため、冷却器10の内部を図示しない真空ポンプによって真空状態とする。その後、図示しない冷却ガス導入口から冷却ガスを導入し、冷却器10内を冷却ガスで満たす。そして、図示しないブロワーから送風される冷却ガスを例えばガス導入路20より冷却器10へ導入させる。一方、ガス排出路30から排出される冷却ガスは、所定の温度に調整された後ブロワーへ送られ、その結果、冷却ガスはブロワーおよび冷却器10を循環することとなる。
このとき、図2に示すように、ガス導入路20、ガス排出路30の突出方向を同方向とし、開口方向を冷却器10の外周接線方向とすることで、冷却器10内における冷却ガスの流れは、上方から下方への螺旋状となる。
冷却器10内において、冷却ガスが螺旋状に流れる場合、その流速は、ガス導入路20における冷却ガス導入速度とほぼ同じ速度となる。これは、図1に示すような従来の熱交換容器100の場合には冷却ガスの流れる流路の断面積の変化が大きくなるのに対して、螺旋状の場合には冷却ガスの流路の断面積の変化が非常に小さいからである。
第1の実施の形態にかかるガス冷却装置1を用いて、ワーク40の冷却を行う場合、冷却器10内の冷却ガスの流速が、導入する冷却ガスの流速とほぼ同じ速度であるため、効率よくワーク40を冷却することが可能となる。また、冷却器10内の冷却ガスの流速を上昇させ、冷却能力を上昇させたい場合に、必要最低限のブロワー能力の上昇で済むため、従来技術と比較して、冷却コストの削減が可能となる。
なお、第1の実施の形態において、冷却器10の下方に冷却ガスが螺旋を保ちながら進むとき、徐々に円筒状の中心部に向かって広がるため、あるいはワーク40の抵抗のために、流速は低下するが、図1の従来例に同じ流速のガスを導入した場合と比べ格段に速く、ワーク40の冷却速度も非常に速いことを確認した。
図3は、本発明の第2の実施の形態にかかるガス冷却装置50の斜視図である。図3に示すように、ガス冷却装置50は円筒状の外筒60と、外筒60の内部に配置されて、外筒60の内径より小さい外径を有する内筒70によって構成されている。外筒60と内筒70は同程度の高さを有しており、両者の上端部には内部を密閉することが可能な開閉式の蓋65が備えられている。外筒60と内筒70の下端部は底面66によりふさがれている。
また、ガス冷却装置50内には、外筒60と内筒70によって挟まれる円環状の空間を上部空間Aと下部空間Bに仕切る円板状の仕切り板75が設けられている。ワーク40の冷却時には、ワーク40は、内筒70の内部空間C中央部に配置されることとなっている。
一方、上部空間Aの下方にガスを導入するガス導入路80aと、下部空間Bの上方にガスを導入するガス導入路80bがそれぞれ外筒60の外周部に設けられている。また、上部空間Aの上方よりガスを排出するガス排出路90bと、下部空間Bの下方よりガスを排出するガス排出路90aがそれぞれ外筒60の外周部に設けられている。なお、各ガス導入路および排出路は、各ガス導入路および排出路の軸方向が、上記第1の実施の形態同様、外筒60外周接線方向に沿うように配置される。また、ガス導入路80aの給気方向とガス排出路90aの排気方向は上から見た状態において同じ回転方向であり、ガス導入路80bの給気方向とガス排出路90bの排気方向についても同様である。
また、内筒70の上端外周部および下端外周部には、複数の窓部67が設けられており、これら複数の窓部67を通じて、冷却ガスが内筒70の内部空間Cと上部空間Aおよび下部空間Bを行き来できるようになっている。内筒70における上記窓部67が設けられている部分以外の外周には例えば水冷パイプである冷却手段85が巻きつけられている。なお、図3において、ガス冷却装置50の内部構造を示すために、冷却手段85の一部のみしか図示しないが、実際には内筒70の窓部67以外の外周部全体に巻きつけられている。
以上のように構成されるガス冷却装置50において、ワーク40を冷却する場合について以下に説明する。
ワーク40を冷却器10の上端部の蓋65を開いて内部中央に配置し、蓋65を閉じて冷却器10を密閉する。そして、ワーク40を酸化させないため、冷却器10の内部を図示しない真空ポンプによって真空状態とする。その後、図示しない冷却ガス導入口から冷却ガスを導入して冷却器10内を冷却ガスでパージする。
第1工程として、図示しないブロワーから送られる冷却ガスが、ガス導入路80aから上部空間Aに導入される。上部空間Aに導入される冷却ガスは、ガス導入路80aが外筒60の接線方向に設けられていることに加え、上部空間Aが円環状の空間であることから、螺旋状に上部空間A内を上昇する。
上部空間A内が冷却ガスで満たされると共に、冷却ガスは内筒70上端外周部に設けられる窓部67から内筒70の内部空間Cへ流入する。このとき、内部空間Cへ流入する冷却ガスは上部空間Aにおいて螺旋状の流れにされた冷却ガスであるため、同様に螺旋状の流れを保ちつつ、内部空間Cの下方へ流れていく。このとき、螺旋状に内部空間C内を流れる冷却ガスによってワーク40は冷却される。
内筒70下端外周部には、窓部67が設けられているため、内部空間Cの下方に到達した冷却ガスは、内筒70下端外周部の窓部67より下部空間Bへ流入し、その後、ガス排出路90aより冷却器10の外部に排出される。排出された冷却ガスは熱交換器により冷却、温度調整され、再びブロワーに戻して冷却ガスとして用いても良い。
ここで、冷却ガスが上部空間Aおよび内部空間Cを流れる際に、冷却ガスは冷却手段85によって常時冷却され、また冷却手段85によって冷却された内筒70に冷却されるため、冷却ガスの冷却能力は比較的保たれることとなる。
上記第1工程が一定時間行われる際に、ワーク40の上部における冷却ガスと、ワーク40の下部における冷却ガスの冷却能力には差が生まれる。これは、高温のワーク40上部と熱交換した後の冷却ガスがワーク40下部へ流れていくからである。
そこで、本実施の形態においては、第2工程として、以下に説明するガス冷却が一定時間行われ、第1工程および第2工程を一定時間ずつ繰り返し行うことでワーク40はより均一に冷却される。
第2工程として、図示しないブロワーから送られる冷却ガスが、ガス導入路80bから下部空間Bに導入される。そして、下部空間Bの下方へ螺旋状に流れる冷却ガスは、内筒70下端外周部に設けられる窓部67より内部空間Cへ流入し、上記第1工程の場合同様螺旋状に、内部空間Cを上方へ向かって流れることとなる。このとき、内部空間Cを流れる冷却ガスによってワーク40は冷却される。
一方、内筒70上端外周部には窓部67が設けられているため、冷却ガスは窓部67から上部空間Aへ流入し、その後ガス排出路90bより冷却器の外部に排出される。排出された冷却ガスは、第1工程と同様に、冷却ガスは再利用しても良い。
第1工程ではワーク40は上部から冷却され、第2工程ではワーク40は下部から冷却されるため、2つの工程を一定時間ずつ交互に行うことにより、ワーク40はより均等に冷却されることとなる。
第2の実施の形態にかかるガス冷却装置50を用いて、ワーク40の冷却を行う場合、ガス冷却装置50内の冷却ガスの流速が、導入する冷却ガスの流速とほぼ同じ速度であるため、効率よくワーク40を冷却することが可能となる。また、ガス冷却装置50内の冷却ガスの流速を上昇させ、冷却能力を上昇させたい場合に、上部空間Aおよび下部空間Bを設けることにより、冷却ガスの流れを極めて均一な螺旋状とすることができるため、必要最低限のブロワー能力の上昇で済み、従来技術と比較して、冷却コストの削減が可能となる。
また、金属からなる内筒70の外部が冷却手段85により冷却されているので、内筒70の内部(内壁)も冷却された状態である。よって、ワーク40は、面積の大きい内筒70の内壁によっても冷却される。
以上、本発明の好ましい実施の形態の一例を説明したが、本発明は図示の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、内筒に巻きつく冷却手段について、上記第2の実施の形態においては、冷却パイプの中に水を流す水冷式のものを用いるとしたが、これに限られるものではなく、例えば空冷式のものや他の冷却液を用いることも考えられる。
また、上記第2の実施の形態において、第1工程および第2工程を一定時間ずつ交互に行うとしたが、本発明はこれに限られるものではなく、冷却対象であるワークの形状や温度分布等の条件により、第1工程および第2工程の実施時間等を適宜設定することが望ましい。また、第1工程のみを行うといった、一方向のみの冷却を行うこととしてもよい。
以下、本発明の実施例を説明する。第2の実施形態で示したガス冷却装置において、図4に示すように、径が900mm、高さが2000mmの内筒70の内部の、底から400mm上がった位置に、径が740mm、高さが1100mmの治具41を入れた。治具41は、ワーク40を収容して各種処理や搬送を行うものである。窒素ガスを送風するブロワーの定格風力を180Nm/min、吐出圧を3.5kPaとした。なお、図4は説明を簡単にするため図3の一部を省略して表したものであり、実際の構造は上述の通り第2の実施形態(図3)と同様である。
本発明の実施例として、前述のようにガス導入路を外周接線方向に設けて、図3に示す上部空間A側のガス導入路80aからガスを導入して内筒70内を上から下へガスが流れるパターンと、下部空間B側のガス導入路80bからガスを導入して内筒70内を下から上へガスが流れるパターンで、窒素ガスの導入を行った。治具41にはワークを収容せずに、図4右下に示す治具41の1〜10の位置における風速を測定した。測定位置1〜5は、内筒70の上部空間、測定位置6〜10は、内筒70の下部空間となっている。なお、窓部67の総面積は、内筒70の断面積の約4分の1とした。また、比較例として、ガス導入路80aを内筒70の中心方向に向けた構造のものを作製し、中心方向に向けて窒素ガスを導入して、同様の測定を行った。結果を表1に示す。
Figure 2009270195
表1に示すように、実施例の風速は少なくとも比較例の1.4倍以上、平均風速で約3倍となり、導入ガスの風速が従来の方法に比較して極めて高く、冷却能力が高いことが確認された。
ワーク40として、W200mm×L200mm×H200m、60kgのダイス鋼(SKD11)と、W100mm×L100mm×H200mm、15kgのダイス鋼(SKD11)を2個ずつ、図5に示すように、治具41の上段、中段、下段にそれぞれ収容した。これを、図6に示すように、3.5時間かけて600℃および800℃の雰囲気予熱を行い、1020℃の塩浴を5時間行った後、実施例1と同様の冷却装置を用いてガス冷却を1時間行った。比較例は、冷却のみを、中心方向に向けてガスを導入する従来の方法とし、それ以外を実施例2と同じ条件とした。
冷却後に、各ワーク40のロックウェル硬度を測定した。実施例および比較例について、それぞれ各段のワークの平均硬度を表2に示す。
Figure 2009270195
本発明の実施例では、ワークが急速冷却されたので、狙い通りの焼き入れが行われ、硬度が60以上となったが、比較例では、焼き入れが不十分で、所定の硬度を得ることができなかった。すなわち、図6の点線で示す比較例の冷却速度に比べて、本発明によれば冷却速度が大きいことがわかった。
図7に示すように、径が200mm、高さ200mmの円柱状の鋼材43の中央に、φ20mmの空洞が水平方向に貫通し、その空洞と同じ形状のテストピース44を挿入したワーク42を、図8に示すように、治具41の中段の中央に収容した。冷却装置は実施例1と同じであり、実施例2と同じヒートパターン(図6)で雰囲気予熱、塩浴、冷却を行い、その後、170℃で焼き戻しを行った。比較例は、冷却のみを従来の方法とし、それ以外は実施例3と同じ条件とした。
焼き戻し終了後、テストピースの端から5mmごとにロックウェル硬度を測定したところ、実施例は58.3〜59.3、比較例は56.9〜58.9であった。したがって、実施例の方が平均して硬度が高く、焼き入れ性が良い、すなわち冷却能力が高いことがわかった。さらに、実施例の方は、テストピースの端部と中央部との硬度のばらつきが少なかった。
図9に示すように、実施例2の下段、中段と同様に治具41の下段にワーク40を収容し、中段のひとつのワークのみを、図10に示す寸法のテストピース45とした。実施例2と同様のヒートパターン(図6)で熱処理を行い、冷却時のガス導入の上下切り替え時間を30秒として、本発明による冷却を行った。比較例は、冷却のみを従来の方法とし、それ以外は実施例4と同じ条件とした。
冷却後に、図11に示す反り寸法Aを測定した。結果を表3に示す。
Figure 2009270195
表3に示すように、実施例の方が反り量が少なく、冷却能力が高いことがわかった。
本発明は、例えばワーク等を冷却するガス冷却装置に適用できる。
1 ガス冷却装置
10 冷却器
20 ガス導入路
30 ガス排出路
40 ワーク
50 ガス冷却装置
60 外筒
67 窓部
70 内筒
75 仕切り板
80 ガス導入路
85 冷却手段
90 ガス排出路
100 ガス導入部
110 熱交換容器

Claims (8)

  1. ワークを冷却するガス冷却装置であって、
    円筒状の冷却器と、
    前記冷却器の上部側方と下部側方の一方に設けられる冷却ガス導入路と、
    他方に設けられる冷却ガス排出路とを備えることを特徴とする、ガス冷却装置。
  2. 前記冷却ガス導入路および前記冷却ガス排出路は、前記冷却器の外周接線方向に設けられ、かつ、給気方向と排気方向が同じ回転方向となるよう設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のガス冷却装置。
  3. 前記冷却器は、内筒部および外筒部によって構成され、
    前記冷却器の内筒部と外筒部の間に形成される円環状空間を上部空間および下部空間に仕切る仕切り板と、
    前記外筒部上部側方と下部側方の一方に設けられる冷却ガス導入路と、
    他方に設けられる冷却ガス排出路と、
    前記内筒部上方に設けられる1又は複数の上部内筒窓部と、
    前記内筒部下方に設けられる1又は複数の下部内筒窓部とを備えることを特徴とする、請求項1または2に記載のガス冷却装置。
  4. 前記外筒部上部側方と下部側方の一方に設けられる冷却ガス導入路および冷却ガス排出路と、他方に設けられる冷却ガス導入路および冷却ガス排出路とを備えることを特徴とする、請求項3に記載のガス冷却装置。
  5. 前記内筒部外周に冷却手段が設けられていることを特徴とする、請求項3または4に記載のガス冷却装置。
  6. 前記冷却手段は水冷パイプであることを特徴とする、請求項5に記載のガス冷却装置。
  7. 前記冷却器の材質はステンレスであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のガス冷却装置。
  8. ワークを円筒状の冷却器の内部中央に配置した後、冷却ガスを、前記冷却器の上部側方に設けられた冷却ガス導入路から前記冷却器内に導入し、前記冷却ガスにより前記ワークを冷却した後、前記冷却ガスを前記冷却器の下部側方に設けられた冷却ガス排出路から排出することを一定時間行う第一の工程と、
    前記冷却ガスを、前記冷却器の下部側方に設けられた冷却ガス導入路から前記冷却器内に導入し、前記冷却ガスにより前記ワークを冷却した後、前記冷却ガスを前記冷却器の上部側方に設けられた冷却ガス排出路から排出することを一定時間行う第二の工程と、
    を繰り返して行うことを特徴とする、ガス冷却方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020248204A1 (en) * 2019-06-13 2020-12-17 Yang Kui A cold head with extended working gas channels
CN115838859A (zh) * 2023-02-28 2023-03-24 溧阳市永恒热处理有限公司 一种用于风力发电机行星架热处理的冷却设备及冷却方法

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