JP2009269859A - N−含有複素環化合物 - Google Patents

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和良 北野
Atsushi Matsubara
淳 松原
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Abstract

【課題】結核菌、多剤耐性結核菌及び非定型抗酸菌に対して優れた殺菌作用を有するN−含有複素環化合物を提供する。
【解決手段】N−含有複素環化合物は、一般式(1)
Figure 2009269859

[式中、R1は、(i)基
Figure 2009269859

(Aは低級アルキレン基を示す。)、または(ii)ウレイド低級アルキル基を示す。R2は、ハロゲン置換低級アルコキシ基を有するフェノキシ基を示す。]で表される。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なN−含有複素環化合物に関する。
抗酸菌の中で、ヒト結核菌(Mycobacterium tuberculosis)が広く知られており、人類の3分の1に感染しているといわれる。また、Mycobacterium africanum 及び Mycobacterium bovisが、ヒト結核菌と同様に結核菌群として知られ、ヒトに対して強い病原性を有するマイコバクテリアとして知られている。
これらの結核症に対しては、ファーストラインの薬として位置づけされているリファンピシン、イソニアジド及びエタンブトール(またはストレプトマイシン)の3剤、もしくはこれらにピラジナミドを加えた4剤を用いた治療が施されている。
しかし、結核症の治療には極めて長期に及ぶ服薬が必要であるため、コンプライアンスが悪くなり、治療に失敗することもまれではない。
また、リファンピシンには、肝障害、フルシンドローム、薬物アレルギー、P450関連の酵素誘導による他剤との併用禁忌、イソニアジドには末梢神経障害、リファンピシンとの併用で重篤な肝障害を誘発、エタンブトールには視神経障害による視力低下、ストレプトマイシンには第8脳神経障害による聴力の低下、ピラジナミドには肝障害、尿酸値上昇に伴う痛風発作、嘔吐等の副作用が報告されている(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3等)。
実際にこれらの副作用により標準の化学療法が実施できないケースが、全体(調査対象となった全入院患者228症例)の服薬中止症例(約23%、52症例)の70%を占めているという報告もある(非特許文献4)。
特に上記ファーストラインで併用使用されている5薬剤の内、リファンピシン、イソニアジド及びピラジナミドに共通する肝毒性は、最も頻発する副作用として知られている。
また一方において、抗結核剤に耐性を示す結核菌、多剤耐性となった結核菌等が増加しており、治療を更に困難にしている。
WHOの調査(1996年〜1999年)によると、世界で分離される結核菌の内、既存抗結核剤のどれかに耐性を示す割合は、19%に達し、多剤耐性結核菌も5.1%と発表されている。このような多剤耐性結核菌に感染している保菌者は、世界で6千万人に達しているであろうといわれており、今後益々多剤耐性結核菌の増加が懸念されている(非特許文献5)。
このような現状を踏まえ、望まれる抗結核剤のプロファイルとして、(1)多剤耐性結核菌にも有効なもの、(2)短期化学療法を可能にするもの、(3)副作用の少ないもの、(4)潜伏感染している結核菌(Latentな結核菌)に効力を示すもの、(5)経口投与可能なもの、等が挙げられる。
また、近年増加してきているMAC症(Mycobacterium avium-intracellulare complex症)の原因菌である Mycobacterium avium や Mycobacterium intracellulare、また、その他 Mycobacterium kansasii、Mycobacterium marinum、Mycobacterium simiae、Mycobacterium scrofulaceum、Mycobacterium szulgai、Mycobacterium xenopi、Mycobacterium malmoense、Mycobacterium haemophilum、Mycobacterium ulcerans、Mycobacterium shimoidei、Mycobacterium fortuitum、Mycobacterium chelonae、Mycobacterium smegmatis、Mycobacterium aurum等の非定型抗酸菌が、ヒトに病原性を有する菌として知られている。
今日、これらの非定型抗酸菌症に対して有望な治療薬は乏しく、抗結核剤であるリファンピシン、イソニアジド、エタンブトール、ストレプトマイシン、カナマイシン、一般細菌感染症治療薬であるニューキノロン剤、マクロライド系抗菌剤、アミノ配糖体系抗菌剤及びテトラサイクリン系抗菌剤が組み合わせて使用されているのが現状である。
しかしながら、非定型抗酸菌症の治療には、一般細菌による感染症に比較し、長期の服薬が強いられ、難治化し、死亡する症例も報告されている。このような現状を解決するために、より強い効力を示す薬剤の開発が望まれている。
例えば、WO2004/033463(特許文献1)やWO2005/042542(特許文献2)に開示の2,3−ジヒドロイミダゾ[2,1−b]オキサゾール化合物が抗結核剤として有用であることが開示されている。
しかしながら、上記特許文献に記載されている化合物は、本発明化合物とは基本的な骨格が異なり、化学構造上非類似の化合物である。
WO2004/033463 WO2005/042542 A Clinician's Guide To Tuberculosis, Michael D. Iseman 2000 by Lippincott Williams & Wilkins, printed in the USA ISBN 0-7817-1749-3 結核第2版, 久世文幸、泉 孝英、医学書院1992年 Kekkaku Vol.74 : 77-82, 1999 April 2001 as a supplement to the journal Tuberculosis, the "Scientific Blueprint for TB Drug Development"
本発明は、結核菌及び多剤耐性結核菌に対して優れた殺菌作用を有する化合物を提供することを課題とする。また、本発明は、非定型抗酸菌に対して優れた殺菌作用を有する化合物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、結核菌、多剤耐性結核菌及び非定型抗酸菌に対して優れた殺菌作用を有する新規N−含有複素環化合物の合成に成功した。本発明は、斯かる知見に基づき完成されたものである。
本発明は、一般式(1)
Figure 2009269859
[式中、R1は、
(i)基
Figure 2009269859
(ここで、R3は低級アルキル基、R4は水素原子、ヒドロキシ基またはオキソ基、R5はオキソ基またはイミノ基、R6は水素原子、ヒドロキシ基またはベンジルオキシ基、Aは低級アルキレン基を示す。)、または
(ii)ウレイド低級アルキル基(低級アルキル基上にヒドロキシ基を有していてもよい)を示す。
2は、ハロゲン置換低級アルコキシ基を有するフェノキシ基を示す。]
で表されるN−含有複素環化合物を提供する。
本明細書の以上及び以下の記述において、本発明の範囲に包含される種々の定義の好適な例及び実例を次に詳細に説明する。
低級アルキル基としては、特に断りのない限り、炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4)の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を挙げることができる。より具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、1−エチルプロピル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、1,2,2−トリメチルプロピル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、イソヘキシル、3−メチルペンチル基等が含まれる。
低級アルキレン基としては、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状アルキレン基を挙げることができる。より具体的には、メチレン、エチレン、トリメチレン、2−メチルトリメチレン、2,2−ジメチルエチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、1−メチルトリメチレン、メチルメチレン、エチルメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン基等が含まれる。
ウレイド低級アルキル基としては、低級アルキル部分が前記例示の低級アルキル基(好ましくは炭素数1〜6(より好ましくは炭素数1〜4)の直鎖または分枝鎖状アルキル基)であるウレイド低級アルキル基を挙げることができる。より具体的には、ウレイドメチル、1−(または2−)ウレイドエチル、1−(または2−または3−)ウレイドプロピル基、1−(または2−または3−)ウレイド−1−(または2−または3−)メチルプロピル基等が含まれる。
ハロゲン原子としては、特に断りのない限り、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
低級アルコキシ基としては、特に断りのない限り、炭素数1〜6(好ましくは炭素数1〜4)の直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基を挙げることができる。より具体的には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、イソヘキシルオキシ、3−メチルペンチルオキシ基等が含まれる。
ハロゲン置換低級アルコキシ基としては、特に断りのない限り、ハロゲン原子が1〜7個、好ましくは1〜3個置換した前記例示の低級アルコキシ基を挙げることができる。より具体的には、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、ブロモメトキシ、ジブロモメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、2−クロロエトキシ、3,3,3−トリフルオロプロポキシ、ヘプタフルオロプロポキシ、ヘプタフルオロイソプロポキシ、3−クロロプロポキシ、2−クロロプロポキシ、3−ブロモプロポキシ、4,4,4−トリフルオロブトキシ、4,4,4,3,3−ペンタフルオロブトキシ、4−クロロブトキシ、4−ブロモブトキシ、2−クロロブトキシ、5,5,5−トリフルオロペントキシ、5−クロロペントキシ、6,6,6−トリフルオロへキシルオキシ、6−クロロヘキシルオキシ基等が含まれる。
上記一般式(1)で表されるN−含有複素環化合物は、種々の方法により製造され得るが、その一例を示せば、例えば下記反応式−1〜反応式−6で示される方法により製造される。
反応式−1
Figure 2009269859
[式中、R2、R3、R6及びAは、前記に同じ。]
一般式(1)で表される化合物のうち、R1が(i)で示される基を示し、且つR4が水素原子、R5がオキソ基、R6が水素原子、ヒドロキシ基またはベンジルオキシ基を示す化合物(この化合物を「化合物(1a)」という)は、無溶媒又は不活性溶媒中で、一般式(2)で表される化合物と公知のホスゲン化合物とを反応させることにより製造される。
この反応は、通常、塩基性化合物の存在下で行われる。該反応で使用される塩基性化合物としては、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウム等)、アルカリ金属水素化物(例えば、水素化ナトリウム等)、アルカリ土類金属水素化物(例えば、水素化カルシウム等)、アルカリ金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等)、アルカリ土類金属アルコキシド(例えば、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド等)、トリアルキルアミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン等)、ピコリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等の公知の塩基性化合物を例示できる。これらの塩基性化合物は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
塩基性化合物の使用量は、一般式(2)の化合物1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.5〜6モルである。
不活性溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない慣用の溶媒、例えば、水;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルリン酸トリアミド、アセトニトリル等の極性溶剤等またはこれらの混合溶媒を挙げることができる。
ホスゲン化合物としては、例えば、ホスゲン、トリホスゲン等が挙げられる。ホスゲン化合物の使用量は、一般式(2)の化合物1モルに対して、通常0.3〜10モル、好ましくは0.3〜6モルである。
本反応は、常圧下、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことも、また加圧下でも行うことができる。
上記反応は、通常冷却下〜100℃、好ましくは0℃〜室温の温度条件下で行われ、一般に1〜30時間程度にて終了する。
反応終了後、常法によって処理することにより目的とする化合物(1a)を得ることができる。
化合物(1a)のうち、R6がヒドロキシ基を示す化合物は、対応するR6がベンジルオキシ基を示す化合物から、ベンジル基の脱離反応を行うことにより製造することもできる。この反応は、例えば、後述の実施例9と同様の反応条件下に行われる。
反応式−2
Figure 2009269859
[式中、R2、R3及びAは、前記に同じ。Xはハロゲン原子を示す。]
一般式(1)で表される化合物のうち、R1が(i)で示される基を示し、且つR4が水素原子、R5がイミノ基、R6が水素原子を示す化合物(この化合物を「化合物(1b)」という)は、無溶媒又は不活性溶媒中で、一般式(2a)で表される化合物と公知の一般式(3)で表される化合物とを反応させることにより製造される。
該反応は、通常、酢酸ナトリウムの存在下で行われる。酢酸ナトリウムは、一般式(2a)の化合物1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.5〜6モル使用される。
不活性溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない慣用の溶媒、例えば、水;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルリン酸トリアミド、アセトニトリル等の極性溶剤等またはこれらの混合溶媒を挙げることができる。
一般式(3)の化合物の使用量は、一般式(2)の化合物1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.5〜6モルである。
上記反応は、通常冷却下〜100℃、好ましくは室温〜100℃の温度条件下で行われ、一般に1〜30時間程度にて終了する。
反応終了後、常法によって処理することにより目的とする化合物(1b)を得ることができる。
反応式−3
Figure 2009269859
[式中、R2、R3及びAは前記に同じ。R7は低級アルコキシ基を示す。]
一般式(1)で表される化合物のうち、R1が(i)で示される基を示し、且つR4及びR5が共にオキソ基、R6が水素原子を示す化合物(この化合物を「化合物(1c)」という)は、無溶媒又は不活性溶媒中で、一般式(4)で表される化合物と公知の一般式(5)で表される化合物とを反応させることにより製造される。
不活性溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない慣用の溶媒、例えば、水;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルリン酸トリアミド、アセトニトリル等の極性溶剤等またはこれらの混合溶媒を挙げることができる。
一般式(5)の化合物の使用量は、一般式(4)の化合物1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは1〜6モルである。
上記反応は、冷却下〜100℃、好ましくは冷却下〜室温の温度条件下で行われ、一般に1〜30時間程度にて終了する。
反応終了後、常法によって処理することにより目的とする化合物(1c)を得ることができる。
反応式−4
Figure 2009269859
[式中、R2、R3、R7及びAは、前記に同じ。]
一般式(1)で表される化合物のうち、R1が(i)で示される基を示し、且つR4がオキソ基、R5がイミノ基、R6が水素原子を示す化合物(この化合物を「化合物(1d)」という)は、無溶媒又は不活性溶媒中で、一般式(4)で表される化合物と公知の一般式(6)で表される化合物とを反応させることにより製造される。
該反応は、通常、塩基性化合物の存在下で行われる。該反応で使用される塩基性化合物としては、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム、マグネシウム等)、アルカリ金属水素化物(例えば、水素化ナトリウム等)、アルカリ土類金属水素化物(例えば、水素化カルシウム等)、アルカリ金属アルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等)、アルカリ土類金属アルコキシド(例えば、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド等)、トリアルキルアミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン等)、ピコリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7等の公知の塩基性化合物を例示できる。これらの塩基性化合物は、1種単独で又は2種以上混合して使用される。
塩基性化合物の使用量は、一般式(4)の化合物1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.5〜6モルである。
不活性溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない慣用の溶媒、例えば、水;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルリン酸トリアミド、アセトニトリル等の極性溶剤等またはこれらの混合溶媒を挙げることができる。
一般式(6)の化合物の使用量は、一般式(4)の化合物1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.5〜6モルである。
本反応は、常圧下、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことも、また加圧下でも行うことができる。
上記反応は、通常冷却下〜100℃、好ましくは0℃〜室温の温度条件下で行われ、一般に1〜30時間程度にて終了する。
反応終了後、常法によって処理することにより目的とする化合物(1d)を得ることができる。
反応式−5
Figure 2009269859
[式中、R2、R3、R5、R6及びAは、前記に同じ。]
一般式(1)で表される化合物のうち、R1が(i)で示される基を示し、且つR4がヒドロキシ基を示す化合物(この化合物を「化合物(1f)」という)は、対応するR1が(i)で示される基を示し、且つR4がオキソを示す化合物(この化合物を「化合物(1e)」という)を還元することにより製造される。
還元反応には、公知の化学還元及び触媒還元の反応条件を適用することができる。
化学還元で使用される好適な還元剤としては、水素化物(例えば、水素化アルミニウムリチウム、水素化硼素ナトリウム、水素化シアノ硼素ナトリウム、水素化ジイソプロピルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等)、金属(例えば、錫、亜鉛、鉄)または金属化合物(例えば、塩化クロム、酢酸クロム)と有機または無機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、p-トルエンスルホン酸、塩酸、臭化水素酸)との組合わせ等を例示できる。
触媒還元で使用される好適な触媒としては、白金触媒(例えば、白金板、白金海綿、白金黒、コロイド状白金、酸化白金、白金線)、パラジウム触媒(例えば、パラジウム海綿、パラジウム黒、酸化パラジウム、パラジウム−カーボン、コロイド状パラジウム、パラジウム−硫酸バリウム、パラジウム−炭酸バリウム)、ニッケル触媒(例えば、還元ニッケル、酸化ニッケル、ラネーニッケル)、コバルト触媒(例えば、還元コバルト、ラネーコバルト)、鉄触媒(例えば、還元鉄、ラネー鉄)及び銅触媒(例えば、還元銅、ラネー銅、ウルマン銅)等の通常の触媒を用いた還元で使用される公知の触媒を例示できる。
通常、本反応は、反応に悪影響を及ぼさない慣用の溶媒、例えば、水;メタノール、エタノール、トリフルオロエタノール、エチレングリコール等のアルコール類;アセトン、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ピリジンまたは他の有機溶媒中またはそれらの混合物等の溶媒中で行われる。
還元反応の反応温度は特に限定されず、通常、冷却から加熱下、好ましくは、室温〜100℃の温度条件下で行われ、一般に0.5〜10時間程度で反応が完結する。
反応式−6
Figure 2009269859
[式中、R2、R3及びAは、前記に同じ。R1aは、ウレイドアミノ低級アルキル基(低級アルキル基上にヒドロキシ基を有していてもよい)を示す。]
一般式(1)で表される化合物のうち、R1が(ii)で示される基を示す化合物(この化合物を「化合物(1g)」という)は、無溶媒又は不活性溶媒中で、一般式(2a)で表される化合物と公知のシアン酸アルカリ金属物とを反応させることにより製造される。
該反応は、通常、酸の存在下で行われる。該反応で用いられる酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;及びギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、クエン酸、炭酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、グルタミン酸等の有機酸が挙げられる。これらの酸の中では、硫酸が好ましい。上記酸は、1種単独でまたは2種以上混合して使用される。
酸の使用量は、一般式(2a)の化合物1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.5〜6モルである。
不活性溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない慣用の溶媒、例えば、水;ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルリン酸トリアミド、アセトニトリル等の極性溶剤等またはこれらの混合溶媒を挙げることができる。
シアン酸アルカリ金属物としては、例えば、シアン酸カリウム等が挙げられる。シアン酸アルカリ金属物の使用量は、一般式(2a)の化合物1モルに対して、通常0.3〜10モル、好ましくは0.3〜6モルである。
本反応は、常圧下、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことも、また加圧下でも行うことができる。
上記反応は、通常冷却下〜100℃、好ましくは0℃〜室温の温度条件下で行われ、一般に1〜30時間程度にて終了する。
反応終了後、常法によって処理することにより目的とする化合物(1g)を得ることができる。
上記各反応式において出発原料として用いられる一般式(2a)及び一般式(4)の化合物は、種々の方法により製造され得るが、その一例を示せば、例えば下記反応式−7〜反応式−9で示す方法により製造できる。
反応式−7
Figure 2009269859
[式中、R2、R3及びAは、前記に同じ。Mは、アルカリ金属を示す。]
アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
一般式(2a)で表される化合物は、公知の一般式(7)で表される化合物と公知の一般式(8)で表される化合物を反応させ、次いで得られる一般式(9)で表される化合物を還元することにより製造される。
一般式(7)の化合物と一般式(8)の化合物との反応は、例えば、後述の参考例1と同様の反応条件下で行われる。
一般式(9)の化合物の還元は、例えば、後述の参考例2と同様の反応条件下で行われる。
反応式−8
Figure 2009269859
[式中、R2、R3及びAは、前記に同じ。R6aは、ヒドロキシ基またはベンジルオキシ基を示す。]
一般式(7)の化合物と公知の一般式(10)の化合物との反応は、例えば、後述の参考例5と同様の反応条件下で行われる。
反応式−9
Figure 2009269859
[式中、R2、R3、R7、A及びXは、前記に同じ。]
一般式(4)で表される化合物は、公知の一般式(11)で表される化合物と公知の一般式(12)で表される化合物とを反応させることにより製造される。該反応は、例えば、後述の参考例4と同様の反応条件下で行われる。
上記各反応式において用いられる原料化合物は、好適な塩であってもよく、また各反応で得られる目的化合物も好適な塩を形成していてもよい。それらの好適な塩は以下に例示されている化合物(1)の好適な塩が挙げられる。
化合物(1)の好適な塩は、薬理的に許容される塩であって、例えば、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等)等の金属塩、アンモニウム塩、炭酸アルカリ金属(例えば、炭酸リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム等)、炭酸水素アルカリ金属(例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等)、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等)等の無機塩基の塩;例えば、トリ(低級)アルキルアミン(例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N−エチルジイソプロピルアミン等)、ピリジン、キノリン、ピペリジン、イミダゾール、ピコリン、ジメチルアミノピリジン、ジメチルアニリン、N−(低級)アルキル−モルホリン(例えば、N−メチルモルホリン等)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1、8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)等の有機塩基の塩;塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸の塩;ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、炭酸塩、ピクリン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、グルタミン酸塩等の有機酸の塩等が挙げられる。
また、各反応式において示された原料及び目的化合物に溶媒和物(例えば、水和物、エタノレート等)が付加された形態の化合物も、各々の一般式に含まれる。好ましい溶媒和物としては水和物が挙げられる。
上記各反応式で得られる各々の目的化合物は、反応混合物を、例えば、冷却した後、濾過、濃縮、抽出等の単離操作によって粗反応生成物を分離し、カラムクロマトグラフィー、再結晶等の通常の精製操作によって、反応混合物から単離精製することができる。
本発明の一般式(1)で表される化合物には、幾何異性体、立体異性体、光学異性体等の異性体も当然に包含される。
上記一般式(1)の化合物に関して、以下の点に留意すべきである。即ち、一般式(1)のR1の定義が
Figure 2009269859
[式中、R3、R4、R5、R6及びAは、前記に同じ。]
で示される基である場合、R6が水素原子を示し、R4がオキソ基またはR5がイミノ基を示す時には、オキザゾリジン環の互変異性体を含んでいる。即ち、R6が水素原子を示し、R4がオキソ基を示す式(i')
Figure 2009269859
[式中、R3、R5及びAは前記と同じ。]の場合には、その互変異性体である式(i'')
Figure 2009269859
[式中、R3、R5及びAは前記と同じ。]で示すことができる。また、R6が水素原子を示し、R5がイミノ基を示す式(i''')
Figure 2009269859
[式中、R3、R4及びAは前記と同じ。]の場合には、その互変異性体である式(i'''')
Figure 2009269859
[式中、R3、R4及びAは前記と同じ。]で示すことができる。
このように、式(i')及び(i'')で示される基の群及び式(i''')及び式(i'''')で示される基の群は、ともに次の平衡式で示し得る互変異性平衡状態にある。
Figure 2009269859
[式中、R3、R4、R5及びAは前記と同じ。]
上記のような、オキサゾリジン化合物とジヒドロオキサゾール化合物との間のこの種の互変異性は技術上周知であり、両互変異性体が平衡しており相互に変換し得る状態にあることは当業者には明らかである。
従って、本発明の一般式(1)で表される化合物には、上記互変異性体も当然に含まれる。本明細書において、そのような互変異性体の化合物を含む目的及び出発化合物の構造式は、オキサゾリジン化合物の構造式を便宜上用いる。
本発明化合物を有効成分として含有する医療製剤について説明する。
上記医療製剤は、本発明化合物を通常の医療製剤の形態に製剤したものであって、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤等の希釈剤及び/又は賦形剤を用いて調製される。
このような医療製剤としては、治療目的に応じて種々の形態の中から選択でき、その代表的なものとして錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等が挙げられる。
錠剤の形態に成形する際に用いられる担体としては、公知のものを広く使用でき、例えば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、寒天末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等が挙げられる。
更に、錠剤は、必要に応じて通常の被覆物質を用いて被覆し、例えば、糖衣剤、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。
丸剤の形態に成形する際に用いられる担体としては、公知のものを広く使用でき、例えば、ブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナラン、寒天等の崩壊剤等が挙げられる。
坐剤の形態に成形する際に用いられる担体としては、公知のものを広く使用でき、例えば、ポリエチレングリコール、カカオ脂、高級アルコール、高級アルコールのエステル類、ゼラチン、半合成グリセライド等が挙げられる。
注射剤として調製される場合は、液剤、乳剤及び懸濁剤は殺菌され、かつ血液と等張であるのが好ましい。これらの液剤、乳剤及び懸濁剤の形態に成形する際に用いられる希釈剤としては、公知のものを広く用いられているものを使用することができ、例えば、水、エタノール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルベタン脂肪酸エステル類等が挙げられる。この場合、等張性の溶液を調製するのに十分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを医薬製剤中に含有させてもよく、また通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を、更に必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等、及び/又は他の医薬品を含有させてもよい。
医療製剤中に含有される本発明化合物の量は、特に限定されず広い範囲内から適宜選択することができるが、通常、医療製剤中に本発明化合物を1〜70重量%程度含有させるのが好ましい。
本発明に係る医療製剤の投与方法としては特に制限はなく、各種製剤形態、患者の年齢、性別、疾患の状態、その他の条件に応じた方法で投与される。例えば、錠剤、丸剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤及びカプセル剤の場合には経口投与される。また、注射剤の場合には、単独であるいはブドウ糖、アミノ酸等の通常の補液と混合して静脈内に投与したり、更には必要に応じて単独で筋肉内、皮内、皮下もしくは腹腔内に投与することができる。坐剤の場合には、直腸内に投与される。
上記医療製剤の投与量は、用法、患者の年齢、性別、疾患の程度、その他の条件に応じて適宜選択すればよく、通常、1日あたり体重1kgに対して0.001〜100mg程度、好ましくは0.001〜50mg程度を1回〜数回に分けて投与される。
上記投与量は、種々の条件で変動するので、上記範囲より少ない投与量で充分な場合もあるし、また上記範囲を超えた投与量が必要な場合もある。
本発明化合物は、特に抗酸菌等の結核菌(結核菌属、非定型抗酸菌属)に対して特異的効力を有している。本発明化合物は、多剤耐性結核菌に対して優れた効果を有している。本発明化合物は、嫌気性菌に対して抗菌作用を有している。
本発明化合物は、グラム陽性菌、グラム陰性菌等の一般細菌に対して幅広いスペクトラムを有している公知の抗菌剤に見られるような下痢症を誘発することもなく、既存薬と比べ副作用も少ないことから、長期間の服薬が可能な医療製剤になり得る。
本発明化合物は、抗酸菌感染症の主な感染臓器である肺組織に対し、良好に分布し得、薬効の持続時間が長い、安全性に優れている等の特性を有することから、高い治療効果が期待できる。
本発明化合物は、ヒト由来マクロファージ内寄生結核菌等の細胞内寄生菌に対しても既存の抗結核剤と比較して、強い殺菌力を示すことから、結核症の再燃率の低減、ひいては短期化学療法を可能にし、HIVと結核の混合感染が深刻な問題となっていることから行われている予防的投与薬の主軸としての使用も期待できるものである。
以下に参考例、実施例及び試験例を掲げて、本発明をより一層明らかにする。
参考例1
(R)−1−アジド−2−メチル−3−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシ}プロパン−2−オールの製造
89%含水メタノール45mlに1−[4−((R)−2−メチルオキシラニルメトキシ)フェニル)−4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン1.71g(4.0ミリモル)を懸濁し、塩化アンモニウム0.48g(8.9ミリモル)及びアジ化ナトリウム1.46g(20.2ミリモル)を加えて16時間加熱還流下撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下に濃縮した。残渣に酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水の順で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣を中圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘキサン:酢酸エチル=65:35)で精製した。精製物を減圧下に濃縮して、無色油状物の(R)−1−アジド−2−メチル−3−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシ}プロパン−2−オール1.84g(収率98%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.33(3H,s),1.80−2.25(4H,m),2.85−3.10(2H,m),3.25−3.50(4H,m),3.80(1H,d,J=9.1Hz),3.86(1H,d,J=9.1Hz),4.25−4.50(1H,m),6.50−7.00(6H,m),7.14(2H,d,J=9.6Hz)。
参考例2
(R)−1−アミノ−2−メチル−3−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシ}プロパン−2−オールの製造
(R)−1−アジド−2−メチル−3−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシ}プロパン−2−オール2.66g(5.7ミリモル)のエタノール溶液(50ml)に10%パラジウム炭素0.27gを加えて、室温常圧で接触還元した。反応混合物をセライト濾過して触媒を除去し、濾液を減圧下に濃縮乾固して、灰色無定形固体の(R)−1−アミノ−2−メチル−3−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシ}プロパン−2−オール2.07g(収率83%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.26(3H,s),1.80−2.25(4H,m),2.64(1H,d,J=12.9Hz),2.80−3.15(2H,m),2.98(1H,d,J=12.9Hz),3.25−3.40(2H,m),3.79(2H,s),4.30−4.50(1H,m),6.75−7.00(6H,m),7.13(2H,d,J=9.1Hz)。
参考例3
(R)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチルエステルの製造
(R)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオン酸503mg(2.75ミリモル)の無水エタノール溶液にp−トルエンスルホン酸一水和物52mg(0.275ミリモル)を加えて7時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下に濃縮した。残渣に酢酸エチルと炭酸水素ナトリウム水溶液とを加えて分液した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮して、淡黄色油状物の(R)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチルエステル481mg(収率83%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.33(3H,t,J=7.1Hz),1.54(3H,s),3.48(1H,d,J=10.3Hz),3.49(1H,s),3.70(1H,d,J=10.3Hz),4.22−4.37(2H,m)。
参考例4
(S)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシ}プロピオン酸エチルエステルの製造
(R)−3−ブロモ−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチルエステル16.8g(79.6ミリモル)及び4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル)フェノール25.6g(72.5ミリモル)の無水エタノール溶液(250ml)に20%ナトリウムエトキシドエタノール溶液32.5mlを加え、アルゴン雰囲気下90℃で16時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、氷−飽和塩化アンモニウム水溶液に反応液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣にジクロロメタン150mlを加えて撹拌し、不溶物を濾過して除去した。濾液を減圧下に濃縮し、残渣を中圧液体クロマトグラフィー(NHシリカゲル、n−ヘキサン:酢酸エチル=90:10→65:35)で精製した。精製物を減圧下に濃縮して、淡黄色褐色油状物の(S)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシ}プロピオン酸 エチル エステル312.8g(収率94%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.26(3H,t,J=7.1Hz),1.47(3H,s),1.80−2.20(4H,m),2.85−3.15(2H,m),3.25−3.45(2H,m),3.53(1H,s),3.93(1H,d,J=9.0Hz),4.15(1H,d,J=9.0Hz),4.25−4.50(2H,q,J=7.1Hz),6.70−7.00(6H,m),7.14(2H,d,J=9.9Hz)。
実施例1
(R)−5−メチル−5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}オキサゾリジン−2−オンの製造
(R)−1−アミノ−2−メチル−3−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシ}プロパン−2−オール30.0g(68ミリモル)の無水テトラヒドロフラン(THF)溶液(900ml)にトリエチルアミン19.0ml(136ミリモル)を加えて氷冷し、トリホスゲン8.22g(27.2ミリモル)を加えた。反応液に水を加えて減圧下にTHFを留去した。酢酸エチルで抽出し、有機層を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣を中圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘキサン:酢酸エチル=50:50→20:80)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、残渣の酢酸エチル溶液をn−ヘキサンに滴下して結晶化した。これを濾取し、イソプロピルエーテルから再結晶して、白色粉末の(R)−5−メチル−5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}オキサゾリジン−2−オン22.6gを得た。
融点:67−70℃。
実施例2
(R)−5−メチル−5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イルアミンの製造
(R)−1−アミノ−2−メチル−3−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシ}プロパン−2−オール4.89g(11ミリモル)の無水メタノール溶液(50ml)に酢酸ナトリウム2.03g(24.4ミリモル)及び臭化シアン1.49g(13.3ミリモル)を加えて室温で2.5時間撹拌し、さらに加熱還流下に3.5時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下に濃縮した。残渣に酢酸エチルと炭酸水素ナトリウム水溶液とを加えて分液した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣を中圧液体クロマトグラフィー(NHシリカゲル、ジクロロメタン:酢酸エチル=50:50→ジクロロメタン:酢酸エチル:メタノール=50:50:1→25:25:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、残渣を酢酸エチル−n−ヘキサン混合溶媒から再結晶して、白色粉末の(R)−5−メチル−5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イルアミン3.48g(収率67%)を得た。
融点:109−111℃。
実施例3
(R)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシ}プロピル)尿素の製造
(R)−1−アミノ−2−メチル−3−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシ}プロパン−2−オール23.3g(52.9ミリモル)を2N−硫酸106mlと水200mlとの混合溶媒に加えた。得られる混合物を100℃に加熱し、撹拌しながらシアン酸カリウム19.1g(212ミリモル)の水溶液(50ml)を滴下し、8時間加熱還流下撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、析出物を濾取して水で洗浄後、風乾した。得られた固体をジクロロメタン−メタノール混合溶媒に溶解してシリカゲルと混合して減圧下に濃縮した。残渣を中圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=50:1→10:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、残渣を酢酸エチル−イソプロピルエーテル混合溶媒から再結晶して、白色粉末の((R)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシ}プロピル)尿素24.96.9gを得た。
融点:151−153℃。
実施例4
(S)−5−メチル−5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}オキサゾリジン−2,4−ジオンの製造
(S)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシ}プロピオン酸エチルエステル12.1g(25.0ミリモル)を無水ジクロロメタン120mlに溶解し、氷冷下、トリクロロアセチルイソシアネート4.45ml(37.6ミリモル)を加えて1時間室温で撹拌した。反応混合物を氷冷下、メタノール30mlを加えて減圧下に濃縮した。残渣をメタノール120mlに溶解し、炭酸カリウム6.91g(50.0ミリモル)を加え、室温で16時間撹拌した。得られる混合物を減圧下に濃縮し、残渣に水とジクロロメタンとを加えて、6N−塩酸で中和した。中和物をジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣を中圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘキサン:酢酸エチル=80:20→10:90)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、残渣をイソプロピルエーテル−n−ヘキサン混合溶媒から再結晶して、白色粉末の(S)−5−メチル−5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}オキサゾリジン−2,4−ジオン7.54g(収率87%)を得た。
融点:95−97℃。
実施例5
(4R,5S)−4−ヒドロキシ−5−メチル−5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}オキサゾリジン−2−オン及び(4S,5S)−4−ヒドロキシ−5−メチル−5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}オキサゾリジン−2−オンの製造
(S)−5−メチル−5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}オキサゾリジン−2,4−ジオン12.8g(26.6ミリモル)のTHF溶液(300ml)を氷冷し、水素化リチウムアルミニウム1.10g(26.6ミリモル)を少量ずつ加えた。得られる混合物をアルゴン雰囲気下、室温で16時間撹拌し、次いで、これに氷冷下、酢酸エチル100mlを加え、30分間撹拌した。次いで、この混合物に20%クエン酸水溶液25mlを徐々に滴下し、さらに水15ml、20%クエン酸水溶液25mlの順で撹拌した。飽和食塩水と酢酸エチルを加えてセライト濾過し、濾液を分液した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣を中圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=40:1→20:1)で分離した。先に出たフラクションを集めて減圧下に濃縮し、残渣をジクロロメタン−メタノール−n−ヘキサン混合溶媒から再結晶して、白色粉末の(4R,5S)−4−ヒドロキシ−5−メチル−5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}オキサゾリジン−2−オン2.92gを得た。融点:148−152℃。
また、遅れて出てくるフラクションを集めて減圧下に濃縮し、残渣を含水イソプロピルアルコールから再結晶して、白色粉末の(4S,5S)−4−ヒドロキシ−5−メチル−5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}オキサゾリジン−2−オン3.70gを得た。融点:148−150℃。
実施例6
(S)−2−イミノ−5−メチル−5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}オキサゾリジン−4−オンの製造
グアニジン塩酸塩7.41g(77.6ミリモル)を無水エタノール50mlに懸濁し、アルゴン雰囲気下、氷冷下20%ナトリウムエトキシドエタノール溶液26.8mlを滴下して加えた。さらに、これに同温度で(S)−2−ヒドロキシ−2−メチル−3−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシ}プロピオン酸エチルエステル15.0gの無水エタノール溶液(100ml)を滴下して加えた。得られる混合物を室温で2日間撹拌した。反応混合物に氷を加えた後、6N−塩酸11mlを加えてpH5〜6とした。これに飽和塩化アンモニウム水溶液を加えてジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣をジクロロメタン−メタノール混合溶媒に溶解してシリカゲルと混合して減圧下に濃縮した。残渣を中圧液体クロマトグラフィー(NHシリカゲル、ジクロロメタン:メタノール=50:1→20:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、残渣をイソプロピルアルコールから再結晶して、白色粉末の(S)−2−イミノ−5−メチル−5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}オキサゾリジン−4−オン8.36gを得た。
融点:178−180℃。
実施例7
2−アミノ−5−メチル−5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}−4,5−ジヒドロ-オキサゾール−4−オールの製造
(S)−2−イミノ−5−メチル−5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}オキサゾリジン−4−オン4.20g(87.6ミリモル)のジクロロメタン溶液(200ml)を−40℃に冷却し、0.93mol/l水素化ジイソブチルアルミニウムのn−ヘキサン溶液28.3mlを0.5時間で滴下した。同温度で2時間撹拌後、0.93mol/l水素化ジイソブチルアルミニウムのn−ヘキサン溶液4.7mlを追加して2時間撹拌した。反応混合物にメタノール10mlを加えて放置し、室温まで昇温した。ジクロロメタン及び飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて濾過した。濾物を水に懸濁して酢酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。濾液を分液し、ジクロロメタン層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に濃縮した。残渣を中圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、ジクロロメタン:メタノール:28%アンモニア水=200:10:1→50:10:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮乾固して、白色無定形固体の2−アミノ−5−メチル−5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}−4,5−ジヒドロ-オキサゾール−4−オール3.46g(収率83%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.48(3H×1/2,s),1.52(3H×1/2,s),1.80−2.25(4H,m),2.80−3.10(2H,m),3.25−3.50(2H,m),3.50−4.75(3H,br),3.88(1H,d,J=9.8Hz),3.93(1H,d,J=9.8Hz),4.10(1H,d,J=10.5Hz),4.25(1H,d,J=10.5Hz),5.28(1H×1/2,s),5.37(1H×1/2,s),6.75−7.00(6H,m),7.14(2H,d,J=9.0Hz)。
参考例5
(R)−1−ベンジルオキシアミノ−2−メチル−3−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシ}プロパン−2−オールの製造
O−ベンジルヒドロキシルアミン2.95g(24ミリモル)のイソプロピルアルコール溶液(10ml)に 1−[4−((R)−2−メチルオキシラニルメトキシ)フェニル]−4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン2.03g(4.79ミリモル)を加えて、10時間加熱還流下に撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、減圧下に濃縮した。残渣を中圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1→1:1)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、微黄色油状物の(R)−1−ベンジルオキシアミノ−2−メチル−3−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシ}プロパン−2−オール2.46g(収率94%)を得た。
実施例8
(R)−3−ベンジルオキシ−5−メチル5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}オキサゾリジン−2−オンの製造
参考例5で得られた(R)−1−ベンジルオキシアミノ−2−メチル−3−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシ}プロパン−2−オール151mg(0.276ミリモル)の無水テトラヒドロフラン(THF)溶液(10ml)にトリエチルアミン0.08ml(0.55ミリモル)を加えて氷冷し、トリホスゲン33mg(0.111ミリモル)を加えた。反応混合物に水を加えて減圧下にTHFを留去した。濃縮物をジクロロメタンで抽出し、有機層を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下に濃縮した。残渣を中圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘキサン:酢酸エチル=90:10→70:30)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、無色油状物の(R)−3−ベンジルオキシ−5−メチル5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}オキサゾリジン−2−オン143mg(収率90%)を得た。
実施例9
(R)−3−ヒドロキシ−5−メチル−5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}オキサゾリジン−2−オンの製造
実施例8で得られた(R)−3−ベンジルオキシ−5−メチル5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}オキサゾリジン−2−オン1.88g(3.28ミリモル)のエタノール溶液(20ml)に10%パラジウム炭素190mgを加えて室温常圧で接触還元した。触媒をセライト濾過で除去し、濾液を減圧下に濃縮した。残渣を中圧液体クロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘキサン:酢酸エチル=80:20→30:70)で精製した。精製物を減圧下に濃縮し、無色無定形固体の(R)−3−ヒドロキシ−5−メチル−5−{4−[4−(4−トリフルオロメトキシフェノキシ)ピペリジン−1−イル]フェノキシメチル}オキサゾリジン−2−オン1.28g(収率81%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δppm:
1.57(3H,s),1.75−2.30(4H,m),2.80−3.20(2H,m),3.25−3.40(2H,m),3.49(1H,d,J=8.0Hz),3.81(1H,d,J=9.6Hz),3.84(1H,d,J=8.0Hz),3.93(1H,d,J=9.6Hz),4.30−4.50(1H,m),6.80(2H,d,J=9.1Hz),6.85−7.00(4H,m),7.13(2H,d,J=9.6Hz)。
試験例1
抗菌試験(寒天平板希釈法)
実施例2及び実施例8で得られた化合物について、結核菌属(M.tuberculosis H37Ra)に対する最小発育阻止濃度を、7H11培地(BBL社製)を用いて求めた。上記菌株は、予め7H9培地(BBL社製)で培養し、生菌数を算出し、−80℃で凍結保存した菌液を使用し、最終生菌数を約106CFU/mlに調製しておいた。このように調製した菌液を、試験化合物含有の7H11寒天培地に5μl接種し、37℃で14日間培養した後、最小発育阻止濃度を測定するための試験に供した。
M.tuberculosis H37Ra に対する最小発育阻止濃度は、実施例3及び8で得られた化合物は、いずれも12.5μg/mlであった。

Claims (1)

  1. 一般式(1)
    Figure 2009269859
    [式中、R1は、
    (i)基
    Figure 2009269859
    (ここで、R3は低級アルキル基、R4は水素原子、ヒドロキシ基またはオキソ基、R5はオキソ基またはイミノ基、R6は水素原子、ヒドロキシ基またはベンジルオキシ基、Aは低級アルキレン基を示す。)、または
    (ii)ウレイド低級アルキル基(低級アルキル基上にヒドロキシ基を有していてもよい)を示す。
    2は、ハロゲン置換低級アルコキシ基を有するフェノキシ基を示す。]
    で表されるN−含有複素環化合物。
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