JP2009269805A - 炭酸ガス回収方法およびその装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、原料ガスから炭酸ガスを効率的に回収できる炭酸ガス回収方法および炭酸ガス回収装置を提供する。
【解決手段】吸着塔2A(2B、2C)を復圧する復圧工程と、吸着塔2A(2B、2C)に原料ガスを導入して、昇圧する昇圧工程と、吸着塔2A(2B、2C)に原料ガスを導入して、原料ガスに含有されている炭酸ガスを吸着剤3に吸着させる吸着工程と、吸着塔2A(2B、2C)から炭酸ガス以外のガスを離脱させる洗浄工程と、吸着剤3から炭酸ガスを離脱させて吸着塔2A(2B、2C)から導出する回収工程とを行う。その際、洗浄工程において吸着塔2A(2B、2C)から導出したオフガスを、オフガス貯留部42に貯留させるようにした。このオフガス貯留部42に貯留したオフガスを復圧に用いるようにし、また、このオフガスを吸着塔2A(2B、2C)に導入する原料ガスに混合させることにより、その濃度を調節するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば製鐵所の熱風炉から排出される排ガス等から回収して、炭酸ガスを製造する炭酸ガス製造設備における炭酸ガス回収率向上のための炭酸ガスの回収方法およびその装置に関する。
製鐵所には、高炉に対して熱風を吹き込む熱風炉が設置されている(特許文献1、2参照)。熱風炉から排出される排ガスは、炭酸ガス(CO)、窒素ガス(N)、水蒸気(HO)、水素ガス(H)、酸素ガス(O)等を含有するが、特に炭酸ガスは、ドライアイスの原料等、各種工業用ガスとして有効に利用できるため、排ガス中から分離して回収するようにしている。
排ガスから炭酸ガスを回収する方法としては、PSA(圧力変動吸着;Pressure Swing Adsorption)法を用いるものが知られている(特許文献1、2参照)。この方法は、主に以下の工程によって構成されている。即ち、吸着塔に原料ガス(熱風炉の排ガス等)を導入して、原料ガスに含有されている炭酸ガスを吸着塔内の吸着剤に吸着させる吸着工程、吸着塔に洗浄用ガス(炭酸ガス)を導入して、吸着剤から炭酸ガス以外のガス(非炭酸ガス成分)を離脱(置換脱着)させ、吸着塔からオフガスとして導出させる洗浄工程、吸着剤に吸着された炭酸ガスを吸着剤から離脱(真空脱着)させ、回収ガス(製品ガス)として吸着塔内から導出させる回収工程(減圧工程)、真空脱着後の吸着塔内を復圧させる復圧工程(真空破壊)、によって構成されており、これらの工程を順番に繰り返すものである。かかるPSA法による回収を行う炭酸ガス回収装置(PSA装置)には、例えば2〜4つ程度の複数の吸着塔が設置される。即ち、各吸着塔が吸着工程、洗浄工程、回収工程、復圧工程を交互に行うことにより、炭酸ガスを連続的に回収できるようになっている。
また、熱風炉は通常1基の高炉に対して4基設けられており、これら4基の熱風炉に対して1つの炭酸ガス回収装置が設けられている。各熱風炉では、炉内で燃料ガスを燃焼させて蓄熱を行う燃焼工程、炉内に空気を送風して蓄熱により昇温させ、熱風として高炉に供給する送風工程、炉内を排気して減圧する排圧工程がこの順に行われる。また、4基の熱風炉のうち2基が排圧工程と燃焼工程を行う間、他の2基が送風工程を行うように制御される。即ち、高炉に対して常に2基の熱風炉(送風工程を行う熱風炉)から熱風が供給されるように、また、炭酸ガス回収装置には、常に2基の熱風炉(排圧工程と燃焼工程を行う熱風炉)から排ガスが供給されるようになっている。
ここで、吸着塔内において、吸着剤に吸着された炭酸ガスを吸着剤から離脱(真空脱着)させた後の復圧工程において、大気を導入する方法が知られている(特許文献3参照)。しかし、大気には炭酸ガスが多く含まれておらず、復圧時に吸着塔内の炭酸ガス濃度は低くなる。この状態で次の吸着工程で原料ガスを吸着塔内に導入した場合、吸着塔内が十分にパージされるまでは、炭酸ガス濃度は低い状態となってしまう。また、復圧時に大気中に含まれる水分が吸着塔に持ち込まれるため、炭酸ガスより吸着選択性の高い水分が吸着剤に吸着され、吸着工程初期においては、この吸着された水分を置換するまで原料ガスでのパージが必要となる。このため、以上のような大気で復圧させる方法では原料ガスが吸着工程初期でのパージのために余分に必要となってしまい、またパージをする分回収ガスの収率が落ちてしまうこととなる。
そこで、復圧工程において、大気より多少は炭酸ガス濃度の高い原料ガスを用いて復圧する方法が提案されている(特許文献4、5参照)。
特開平1−164715号公報 特開平1−164716号公報 特開平7−275634号公報 特開平10−101318号公報 特開平5−228326号公報
しかしながら、上記特許文献4、5で示される原料ガスを用いて復圧する方法では、原料ガスは吸着塔内に導入するもの、パージ用および復圧用のものとを必要とし、余分に原料ガスのコストがかかると共にそのための設備も必要となるため設備全体が巨大化してしまう恐れがある。さらに、復圧工程においては、回収ガス(製品ガス)によって復圧するという方法も考えられるが、製品の一部を使ってしまうことにより回収ガスの収率は当然低下してしまうこととなる。
本発明は、上記の問題点に鑑み、簡単な構成で、原料ガスから炭酸ガスを効率的に回収できる炭酸ガス回収方法および炭酸ガス回収装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明によれば、吸着剤を備える吸着塔を用いて、原料ガスから炭酸ガスを回収する炭酸ガス回収方法であって、
前記吸着塔に原料ガスを高圧で導入して、原料ガスに含有されている炭酸ガスを前記吸着剤に吸着させる吸着工程と、
前記吸着塔に洗浄用ガスを導入して、前記吸着剤から炭酸ガス以外のガスを離脱させる洗浄工程と、
減圧することにより前記吸着剤から炭酸ガスを離脱させて吸着塔から導出する回収工程と、
前記吸着塔を復圧させる復圧工程とを有し、
前記洗浄工程において前記吸着塔から導出したオフガスを、オフガス貯留部に貯留し、
前記復圧工程において、前記オフガス貯留部に貯留したオフガスを、前記吸着塔に導入することを特徴とする、炭酸ガス回収方法が提供される。
前記洗浄工程の前期においては、前記オフガスを外部に排出し、前記洗浄工程の後期においては、前記オフガスを前記オフガス貯留部に貯留してもよい。
また、前記オフガスの炭酸ガス濃度が60%未満である場合は、前記オフガスを外部に排出し、前記オフガスの炭酸ガス濃度が60%以上である場合は、前記オフガスを前記オフガス貯留部に貯留してもよい。
前記吸着工程において、前記オフガスを混合させることにより、前記吸着塔に導入する原料ガスの炭酸ガス濃度を調整してもよい。
また、原料ガスは、高炉に熱風を供給する熱風炉の排ガスであってもよい。
さらに、複数の吸着塔において、前記吸着工程、前記洗浄工程、前記回収工、前記復圧工程をそれぞれ異なるタイミングで行い、
前記複数の吸着塔から導出したオフガスを、前記オフガス貯留部に一括して貯留し、
前記オフガス貯留部に貯留したオフガスを原料ガスに混合させ、前記複数の吸着塔のうちの復圧工程を行う吸着塔に導入させてもよい。
また、本発明によれば、吸着剤を備える吸着塔を用いて、原料ガスから炭酸ガスを回収する炭酸ガス回収装置であって、
前記吸着塔に原料ガスを導入する原料ガス導入路と、前記吸着塔に洗浄用ガスを導入して、前記吸着剤から炭酸ガス以外のガスを離脱させる洗浄工程において前記吸着塔から排出されたオフガスを導出するオフガス導出路と、前記吸着剤に吸着された炭酸ガスを前記吸着塔から導出する回収ガス導出路と、前記吸着塔に洗浄用ガスを導入する洗浄用ガス導入路とを備え、
前記オフガス導出路によって導出したオフガスを外部に排出させるオフガス排出路と、前記オフガス導出路によって導出したオフガスを貯留するオフガス貯留部と、前記オフガス貯留部に貯留されたオフガスを前記吸着塔に導入する復圧ラインとを設けることを特徴とする、炭酸ガス回収装置が提供される。
前記オフガスを前記オフガス排出路によって排出する状態と前記オフガス貯留部に貯留する状態とを切り替えるオフガス導出切替部を備えることとしてもよい。
また、前記オフガス貯留部に貯留されたオフガスを前記復圧ラインによって前記吸着塔に導入させる状態と導入させない状態とを切り替える復圧切替部を制御する復圧制御部を設け、
前記復圧制御部は、前記回収ガス導出路によって前記吸着剤に吸着された炭酸ガスが導出された後、前記オフガス貯留部に貯留されたオフガスを前記復圧ラインにより前記吸着塔に導入させるように制御することとしてもよい。
さらに、前記オフガス導出切替部を制御するオフガス導出制御部を設け、
前記オフガス導出制御部は、前記洗浄用ガス導入路によって前記洗浄用ガスを前記吸着塔に導入する際、前記オフガスを前記オフガス貯留部に貯留するように制御することとしてもよい。
また、前記オフガス導出制御部は、前記洗浄用ガス導入路による前記洗浄用ガスの前記吸着塔への導入を開始してから所定時間が経過するまでは、前記オフガスを前記オフガス排出路によって排出させ、前記洗浄用ガス導入路による前記洗浄用ガスの導入を開始してから所定時間が経過したら、前記オフガスを前記オフガス貯留部に貯留するように制御することとしてもよい。
前記オフガス導出制御部は、前記オフガスの炭酸ガス濃度が60%未満である場合は、前記オフガスを前記オフガス排出路によって排出させ、前記オフガスの炭酸ガス濃度が60%以上である場合は、前記オフガスを前記オフガス貯留部に貯留するように制御することとしてもよい。
また、前記オフガス貯留部に貯留されたオフガスを前記原料ガス導入路によって導入される原料ガスに混合させるオフガス導入路と、前記オフガス貯留部に貯留されたオフガスを前記原料ガス導入路によって導入される原料ガスに混合させる状態と混合させない状態とを切り替えるオフガス導入切替部とを備えることとしてもよい。
さらに、前記吸着塔を複数備え、
前記オフガス貯留部は、前記複数の吸着塔から導出されたオフガスを一括して貯留することとしてもよい。
本発明によれば、洗浄工程において導出される炭酸ガス濃度が高いオフガスを利用して、回収ガスの回収工程を行った後の真空状態となった吸着塔内を復圧する復圧工程を行うことにより、復圧時の吸着塔内の炭酸ガス濃度の低下および吸着塔内への水分の持込を防止し、効率よく炭酸ガスの回収を行うことができる。
また、回収ガスを利用せずに、オフガスを有効に利用して、復圧工程を行うことができ、さらに、原料ガスの炭酸ガス濃度を調節することができるので、回収ガスの回収量が低下することを防止できる。従来は外部に排出されていたオフガスを、復圧工程において吸着塔に再度導入させ、さらに、原料ガスと共に吸着塔に再度導入させることで、オフガスに含有されている炭酸ガスを回収できる。従って、炭酸ガスの回収効率を向上させることができる。
さらに、例えば既存の炭酸ガス回収装置に対しては、オフガス貯留部、オフガス導出切替部、オフガス導入切替部等、簡単な構成を追加するだけで、大規模な工事や費用の高い工事を行うことなく、炭酸ガスの回収効率を容易に向上させることができる。また、新規に炭酸ガス回収装置を構築する場合も、設備費を抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態を、熱風炉から排出される排ガスから炭酸ガス(CO)を回収する炭酸ガス回収装置1(PSA装置)に基づいて説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図1に示すように、炭酸ガス回収装置1は、3つの吸着塔、即ち、第一の吸着塔2A、第二の吸着塔2B、第三の吸着塔2Cを備えている。各吸着塔2A、2B、2Cは、互いに同様の構成を有している。各吸着塔2A、2B、2Cの内部には、炭酸ガスを選択的に吸着する吸着剤3がそれぞれ備えられている。吸着剤3としては、例えばゼオライト、活性炭等が用いられる。
また、炭酸ガス回収装置1は、各吸着塔2A、2B、2Cに原料ガスを導入する原料ガス導入路11と、各吸着塔2A、2B、2Cからオフガス(導出ガス)を導出するオフガス導出路12を備えている。さらに、各吸着塔2A、2B、2C内の吸着剤3によって吸着された炭酸ガスを吸引して各吸着塔2A、2B、2Cから回収ガス(製品ガス)として導出する回収ガス導出路13と、各吸着塔2A、2B、2Cに洗浄用ガス(後述する回収ガス貯留部67に貯留されている回収ガス)を導入する洗浄用ガス導入路15を備えている。さらに、炭酸ガス回収装置1の各部を制御する制御部16が設けられている。
原料ガス導入路11は、1本の熱風炉側原料ガス流路21と、熱風炉側原料ガス流路21の下流側に設けられている3本の吸着塔側原料ガス流路22、22、22とを備えている。
熱風炉側原料ガス流路21の上流端は、原料ガスの供給源である4基の熱風炉F1、F2、F3、F4に接続されており、各熱風炉F1、F2、F3、F4から排出された排ガスが合流して、原料ガスとして1本の熱風炉側原料ガス流路21に導入される構成となっている。熱風炉側原料ガス流路21には、原料ガスを水洗および冷却する水洗塔23、原料ガスを下流側に向かって送風する原料ガスブロワー24、原料ガスの脱湿を行う脱湿器25、原料ガスの清浄化(異物除去)を行うフィルター機構26が、上流側からこの順に設けられている。さらに、フィルター機構26より下流側において、熱風炉側原料ガス流路21には、後述するオフガス導入路51の下流端が接続されている。
各吸着塔側原料ガス流路22の下流端は、各吸着塔2A、2B、2Cの入口に対してそれぞれ接続されている。各吸着塔側原料ガス流路22には、各吸着塔側原料ガス流路22も連通および遮断を行う原料ガス流路開閉弁27がそれぞれ設けられている。
オフガス導出路12は、3本の吸着塔側オフガス流路31、31、31と、吸着塔側オフガス流路31、31、31の下流側に設けられている1本の排出側オフガス流路32とを備えている。なお、オフガス導出路12によって導出されるオフガスは、吸着剤3によって吸着されにくい難吸着性ガス(例えばN(窒素)、H(水素)、O(酸素)等の非炭酸ガス成分)、吸着剤3によって吸着されなかった炭酸ガス等を含むガスである。
各吸着塔側オフガス流路31の上流端は、各吸着塔2A、2B、2Cの出口に対してそれぞれ接続されている。即ち、各吸着塔2A、2B、2Cの出口側からオフガスを導出するようになっている。各吸着塔側オフガス流路31には、各吸着塔側オフガス流路31の連通および遮断を行うオフガス流路開閉弁37がそれぞれ設けられている。
排出側オフガス流路32の下流側には、排出側オフガス流路32(オフガス導出路12)によって導出されるオフガスを炭酸ガス回収装置1の外部に排出させるオフガス排出路41と、排出側オフガス流路32によって導出されるオフガスをオフガス貯留部42に導入するオフガス貯留路43とが設けられている。
オフガス排出路41には、オフガス排出路41の連通および遮断を行う排出路開閉弁45が設けられている。オフガス排出路41の下流端は、煙突46に接続されている。オフガス貯留路43には、オフガス貯留路43の連通および遮断を行う貯留路開閉弁47が設けられている。オフガス貯留路43の下流端は、オフガス貯留部42に接続されている。
なお、本実施の形態においては、排出路開閉弁45と貯留路開閉弁47は、オフガスをオフガス排出路41によって排出する状態とオフガス貯留部42に貯留する状態とを切り替えるオフガス導出切替部50を構成している。オフガス導出切替部50の切替動作(排出路開閉弁45の開閉動作と貯留路開閉弁47の開閉動作)は、制御部16の制御命令によって制御される。即ち、制御部16は、オフガス導出切替部50を制御するオフガス導出制御部としての機能を有している。
オフガス貯留部42は、3つの吸着塔2A、2B、2Cからそれぞれ導出されたオフガスを一括して貯留するようになっている。オフガス貯留部42には、オフガス貯留部42内に貯留されているオフガスを各吸着塔2A、2B、2Cへ導入する復圧ライン100が接続されている。復圧ライン100には、オフガスを下流側に向かって送風する復圧用ブロワー101が設けられ、復圧ライン100の下流端は、各吸着塔2A、2B、2Cに対応してそれぞれ設けられた復圧ライン開閉弁102A、102B、102Cを介して、各吸着塔2A、2B、2Cに接続されている。これら各復圧ライン開閉弁102A、102B、102Cの開閉により、各吸着塔2A、2B、2Cに対する復圧ライン100の連通および遮断が行われる。
また、オフガス貯留部42には、オフガス貯留部42内に貯留されているオフガスを原料ガス導入路11によって吸着塔2A、2B、2Cに導入される原料ガスに対して混合させるオフガス導入路51が接続されている。オフガス導入路51には、オフガスを下流側に向かって送風するオフガスブロワー53が設けられている。オフガス導入路51の下流端は、熱風炉側原料ガス流路21(フィルター機構26よりも下流側)に対して接続されている。
なお、本実施の形態においては、復圧ブロワー101は、オフガス貯留部42に貯留されたオフガスを各吸着塔2A、2B、2Cへ導入させる状態と導入させない状態とを切り替える復圧切替部として機能する。また、オフガスブロワー53は、オフガス貯留部42に貯留されたオフガスを原料ガス導入路11によって導入される原料ガスに混合させる状態と混合させない状態とを切り替えるオフガス導入切替部として機能する。
復圧ブロワー用101およびオフガスブロワー53の動作は、制御部16の制御命令によって制御される。即ち、制御部16は、復圧切替部およびオフガス導入切替部を制御する復圧制御部およびオフガス導入制御部としての機能を有している。
回収ガス導出路13は、3本の吸着塔側回収ガス流路61、61、61と、3本の吸着塔側回収ガス流路61、61、61の下流側に設けられている1本の貯留部側回収ガス流路62とを備えている。
各吸着塔側回収ガス流路61の上流端は、各吸着塔2A、2B、2Cの入口に対してそれぞれ接続されている。各吸着塔側回収ガス流路61には、各吸着塔側回収ガス流路61の連通および遮断を行う回収ガス流路開閉弁65がそれぞれ設けられている。
貯留部側回収ガス流路62には、各吸着塔側回収ガス流路61内のガスおよび各吸着塔2A、2B、2C内のガスを強制的に吸引する真空ポンプ66が設けられている。貯留部側回収ガス流路62の下流端は、回収ガス貯留部67に接続されている。
回収ガス貯留部67には、回収ガス貯留部67内の回収ガスを回収ガス貯留部67から最終製品ガス貯留部71に送出する回収ガス送出路72の上流端と、洗浄用ガス導入路15(後述する貯留部側洗浄用ガス流路81)の上流端が接続されている。回収ガス送出路72には、回収ガスの脱酸素処理、脱湿、脱臭等の処理を行う回収ガス処理部73が設けられている。
洗浄用ガス導入路15は、1本の貯留部側洗浄用ガス流路81と、貯留部側洗浄用ガス流路81の下流側に設けられている3本の吸着塔側洗浄用ガス流路82、82、82とを備えている。
貯留部側洗浄用ガス流路81の上流端は、回収ガス貯留部67に接続されている。貯留部側洗浄用ガス流路81には、洗浄用ガスを下流側に向かって送風する洗浄用ガスブロワー83が設けられている。
各吸着塔側洗浄用ガス流路82の下流端は、各吸着塔2A、2B、2Cの入口に対してそれぞれ接続されている。各吸着塔側洗浄用ガス流路82には、各吸着塔側洗浄用ガス流路82の連通および遮断を行う洗浄用ガス流路開閉弁87がそれぞれ設けられている。
制御部16は、炭酸ガス回収装置1の各部(例えば、各原料ガス流路開閉弁27、オフガス流路開閉弁37、オフガス導出切替部50(排出路開閉弁45、貯留路開閉弁47)、復圧用ブロワー101、各復圧ライン開閉弁102A、102B、102C、オフガスブロワー53、回収ガス流路開閉弁65、洗浄用ガス流路開閉弁87等)の作動を制御することにより、後述する炭酸ガス回収方法(復圧工程SR1、昇圧工程SR2、吸着工程SR3、洗浄工程SR4、回収工程SR5からなる処理)を実現させる。制御部16は、例えばタイマー等を備え、シーケンス制御によって後述する炭酸ガス回収方法を行わせる構成としてもよい。
次に、以上のように構成された炭酸ガス回収装置1を用いたPSA(圧力変動吸着;Pressure Swing Adsorption)法による炭酸ガス回収方法について説明する。図2は、熱風炉F1〜F4が行う工程と、オフガス導入路51によるオフガスの導入との関係を示した表である。まず、原料ガスの供給源である4基の熱風炉F1、F2、F3、F4は、図2に示すように、炉内で燃焼ガスを燃焼させて蓄熱を行う燃焼工程SF1、炉内に空気を送風して蓄熱により昇温させ、熱風として図示しない高炉に供給する送風工程SF2、炉内を排気して減圧する排圧工程SF3を、この順に繰り返し行う。
例えば4基のうち2基の熱風炉F1、F2が燃焼工程SF1を行う間、他の2基の熱風炉F3、F4は、送風工程SF2を行い、高炉に対して熱風を供給する。燃焼工程SF1を行っている2基の熱風炉F1、F2は、炭酸ガス濃度が高い排ガス(燃焼排ガス)をそれぞれ排出し、これらの燃焼排ガスを合流させたガスを原料ガスとして、炭酸ガス回収装置1の原料ガス導入路11(熱風炉側原料ガス流路21)に対して供給する。
その後、燃焼工程SF1を終了した2基の熱風炉F1、F2が送風工程SF2を行い、高炉に対して熱風を供給する間、他の2基の熱風炉F3、F4は、排圧工程SF3を行う。排圧工程SF3を行っている2基の熱風炉F3、F4は、空気を多く含有する排圧ガス、即ち、燃焼工程SF1における排ガスよりも炭酸ガス濃度が低い排ガスをそれぞれ排出し、これらの排圧ガスを合流させたガスを原料ガスとして、炭酸ガス回収装置1の原料ガス導入路11に対して供給する。
さらに、2基の熱風炉F1、F2が送風工程SF2を継続して行っている間に、排圧工程SF3を終了した2基の熱風炉F3、F4は、燃焼工程SF1を行う。燃焼工程SF1を行っている2基の熱風炉F3、F4は、炭酸ガス濃度が高い燃焼排ガスをそれぞれ排出し、これらの燃焼排ガスを合流させたガスを原料ガスとして、炭酸ガス回収層置1の原料ガス導入路11に対して供給する。
その後、送風工程SF2を終了した2基の熱風炉F1、F2は排圧工程SF3を行い、燃焼工程SF1を終了した2基の熱風炉F3、F4は、再び送風工程SF2を行う。排圧工程SF3を行っている2基の熱風炉F1、F2は、空気を多く含有する排圧ガスをそれぞれ排出し、これらの排圧ガスを合流させたガスを原料ガスとして、炭酸ガス回収装置1の原料ガス導入路11に対して供給する。
以上のようにして、原料ガス導入路11には、熱風炉F1,F2または熱風炉F3、F4から、炭酸ガス濃度が高い原料ガス(燃焼排ガス)と炭酸ガス濃度が低い原料ガス(排圧ガス)が、交互に周期的に供給される。即ち、原料ガスの炭酸ガス濃度は、排圧工程SF3が行われる時だけ一時的に低下する。
そこで、洗浄工程SR4において導出される炭酸ガス濃度が高いオフガスを利用して、原料ガスの炭酸ガス濃度を調節することより、吸着塔内の炭酸ガス分圧を調節し、炭酸ガスを吸着剤に対して好適に吸着させ、炭酸ガスの回収効率の向上を図ることができる。上記のように原料ガスの炭酸ガス濃度が一時的に低下する場合でも、オフガスを混合することで、原料ガスの炭酸ガス濃度を設定濃度以上に高め、原料ガスの炭酸ガス濃度の均一化を図ることができる。そして、炭酸ガスを確実に回収できる。
また、原料ガスの炭酸ガス濃度を高めることで、吸着工程SR3の後に各吸着塔2A、2B、2C内に残留する非炭酸ガス成分の量を減少させることができる。洗浄工程SR4においては、洗浄用ガスの供給量を抑制しながらも、各吸着塔2A、2B、2Cから非炭酸ガス成分を十分に排出することができる。即ち、洗浄用ガス(回収ガス)の供給量を抑制することにより、回収ガスの回収量が低下することを防止できる。また、各吸着塔2A、2B、2Cから非炭酸ガス成分を十分に排出させることで、純度が高い回収ガスを得ることができる。
なお、図2に示すように、制御部16は、2基の熱風炉F1、F2(または熱風炉F3、F4)において後述する燃焼工程SF1が行われているときは、オフガスブロワー53の作動を停止させる状態、即ち、オフガス導入路51によるオフガスの導入を停止させる状態にし、2基の熱風炉F1、F2(または熱風炉F3、F4)において後述する排圧工程SF3が行われているときは、オフガスブロワー53を作動させる状態、即ち、オフガス導入路51によるオフガスの導入を行う状態にするように設定されている。このように、オフガス導入路51によるオフガスの導入を制御することで、オフガスを混合した後の原料ガス導入路11内の原料ガスの炭酸ガス濃度が設定濃度以上になるように調整する構成となっている。
熱風炉F1〜F4においては、燃料ガスとして例えばBFG(高炉ガス)、COG(コークス炉ガス)等が用いられる。この場合、燃焼排ガスの炭酸ガス濃度は、例えば約24%〜25%程度である。これに対して、排圧ガスの炭酸ガス濃度は、例えば約13%程度まで低下する。また、燃焼工程SF1が行われる時間(燃焼排ガスが排出される時間)は、例えば約45分間程度であり、排圧工程SF3が行われる時間(排圧ガスが排出される時間)は、例えば約18分程度である。
一方、炭酸ガス回収装置1においては、原料ガス導入路11に供給された原料ガスが、原料ガスブロワー24の作動により、熱風炉側原料ガス流路21内において通流させられる。即ち、水洗塔23において水洗され、例えば約40℃程度に冷却された後、脱湿器25において脱湿処理が行われ、原料ガス中の水分が除去される。さらに、フィルター機構26において清浄化される。
フィルター機構26の下流側においては、原料ガスの炭酸ガス濃度が設定温度よりも低い場合(原料ガスが排圧ガスである場合)は、オフガスブロワー53の作動により、オフガス貯留部42に貯留されているオフガスが、オフガス導入路51を通じて熱風炉側原料ガス流路21内に導入され、熱風炉側原料ガス流路21内の原料ガスに混合させられる。これにより、原料ガスの炭酸ガス濃度が設定濃度以上に高められ、例えば、燃焼排ガスと同程度の炭酸ガス濃度になるように調節させられる。こうして、炭酸ガス濃度が調節された原料ガスが、吸着塔2A、2B、2C側に送られる。
なお、原料ガスの炭酸ガス濃度が設定濃度以上である場合(原料ガスが燃焼排ガスである場合)は、オフガスブロワー53は作動させない。即ち、原料ガスにはオフガスが混合させられず、原料ガスはそのまま吸着塔2A、2B、2C側に送られる。
また、オフガスの混合は、必ずしも全ての排圧ガスに対して行わなくてもよい。即ち、排圧ガスの炭酸ガス濃度は、一般的に、排圧工程SF3の前期よりも、排圧工程SF3の後期(5分〜6分間程度)において大幅に低下する傾向がある。従って、例えば、排圧工程SF3の前期に排出される排圧ガスにはオフガスを混合させず、排圧工程SF3の後期に排出される排圧ガスにのみ、オフガスを混合するようにしてもよい。
こうして、設定濃度以上の炭酸ガス濃度を有する原料ガスが、熱風炉側原料ガス流路21から吸着塔側原料ガス流路22を通じて、第一の吸着塔2A、第二の吸着塔2B、第三の吸着塔2Cのいずれかに導入させられる。
図3は、炭酸ガス回収装置1において吸着塔2A〜2Cが行う工程と、オフガス導出切替部50の切替との関係を示した表である。炭酸ガス回収装置1での工程としては、先ず、回収ガスを回収し終えて、ほぼ真空に近い状態となった第一の吸着塔2Aにおいて、第一の吸着塔2Aの内部の圧力を大気圧程度まで復圧する復圧工程SR1を行う(図4参照)。即ち、第一の吸着塔2Aに接続されている復圧ライン100の復圧ライン開閉弁102Aを開き、第一の吸着塔2Aに接続されている吸着塔側原料ガス流路22の原料ガス流路開閉弁27、第一の吸着塔2Aに接続されている吸着塔側オフガス流路31のオフガス流路開閉弁37、第一の吸着塔2Aに接続されている吸着塔側回収ガス流路61の回収ガス流路開閉弁65、第一の吸着塔2Aに接続されている吸着塔側洗浄用ガス流路82の洗浄用ガス流路開閉弁87をそれぞれ閉じた状態にする。オフガス貯留部42に貯留されたオフガスが復圧ライン100を通じて第一の吸着塔2Aに導入され、第一の吸着塔2Aの内部は、オフガスによって復圧される。このように、第一の吸着塔2Aの内圧をオフガスによって復圧させることにより、従来の大気による復圧等と比べ、吸着塔内の炭酸ガス濃度低下および水分持込が低減および防止されることとなる。
第一の吸着塔2Aの内圧が大気圧程度まで復圧され、復圧工程SR1が終了したら、次に第一の吸着塔2Aの内部の圧力を所定の圧力に上昇させる昇圧工程SR2を行う(図5参照)。即ち、第一の吸着塔2Aに接続されている吸着塔側原料ガス流路22の原料ガス流路開閉弁27を開き、第一の吸着塔2Aに接続されている吸着塔側オフガス流路31のオフガス流路開閉弁37、第一の吸着塔2Aに接続されている吸着塔側回収ガス流路61の回収ガス流路開閉弁65、第一の吸着塔2Aに接続されている吸着塔側洗浄用ガス流路82の洗浄用ガス流路開閉弁87、第一の吸着塔2Aに接続されている復圧ライン100の復圧ライン開閉弁102Aをそれぞれ閉じた状態にする。原料ガスは、熱風炉側原料ガス流路21、吸着塔側原料ガス流路22を通じて、第一の吸着塔2Aの入口に導入され、第一の吸着塔2Aの内部は、原料ガスによって加圧される。このように、第一の吸着塔2Aの内圧を上昇させることにより、吸着剤3の吸着性能を高めることができる。
第一の吸着塔2Aの内圧が所定の圧力になり、昇圧工程SR2が終了したら、次に、原料ガスに含有されている炭酸ガスを吸着剤3に吸着させる吸着工程SR3を行う(図6参照)。即ち、第一の吸着塔2Aに接続されている吸着塔側オフガス流路31のオフガス流路開閉弁37を開き、第一の吸着塔2Aの出口からオフガスを導出させるようにする。吸着塔側原料ガス流路22を通じて第一の吸着塔2Aに導入された原料ガスは、入口側から出口側に向かって流れ、吸着剤3の内部を通過する。吸着剤3においては、原料ガス中の炭酸ガスが選択的に吸着される。吸着剤3に吸着されなかった残りのガス、即ち、窒素、水素、酸素等の非炭酸ガス成分を含むオフガスは、吸着塔側オフガス流路31を通じて、第一の吸着塔2Aから導出される。この吸着工程SR3において吸着塔側オフガス流路31に導出されるオフガスの炭酸ガス濃度は、平均値で約10%程度である。
第一の吸着塔2Aにおける吸着工程SR3が終了したら、洗浄用ガスを第一の吸着塔2Aに導入して、吸着剤3に付着している炭酸ガス以外のガス(窒素、水素、酸素等の非炭酸ガス成分)を吸着剤3から離脱(置換脱着)させる洗浄工程SR4を行う(図7参照)。即ち、第一の吸着塔2Aに接続されている吸着塔側原料ガス流路22の原料ガス流路開閉弁27、第一の吸着塔2Aに接続されている吸着塔側回収ガス流路61の回収ガス流路開閉弁65をそれぞれ閉じ、第一の吸着塔2Aに接続されている吸着塔側洗浄用ガス流路82の洗浄用ガス流路開閉弁87を開いた状態で、洗浄用ガスブロワー83を作動させる。すると、回収ガス貯留部67内にあらかじめ貯留されている回収ガス(炭酸ガス)の一部が、洗浄用ガスとして、貯留部側洗浄用ガス流路81、吸着塔側洗浄用ガス流路82を通じて、第一の吸着塔2Aの入口に導入される。こうして洗浄用ガスを吸着剤3に供給することにより、吸着剤3に吸着されている非炭酸ガス成分を、洗浄用ガスの炭酸ガス成分によって置換脱着させることにより、吸着剤3から離脱させ、洗浄用ガスによって吸着剤3から出口側に押し出し、第一の吸着塔2Aから排出させることができる。また、吸着剤3の周囲において第一の吸着塔2A内に残留している非炭酸ガス成分も、洗浄用ガスによって出口側に押し流し、第一の吸着塔2Aから排出させることができる。即ち、第一の吸着塔2Aの内部を洗浄用ガスによってパージし、内部の炭酸ガス濃度を高めることができる。オフガス(非炭酸ガス成分および洗浄用ガス)は、吸着塔側オフガス流路31を通じて第一の吸着塔2Aから導出される。
この洗浄工程SR4において吸着塔側オフガス流路31に導出されるオフガスの炭酸ガス濃度は、平均値で約15.7%程度であるが、洗浄用ガスの導入を開始してから時間が経過するに従い、次第に上昇する。なお、洗浄工程SR3の前期に導出されるオフガスは、吸着塔側オフガス流路31、排出側オフガス流路32、オフガス排出路41、煙突46を通じて外部に排出させられる。また、洗浄工程SR4の後期に導出されるオフガス(一回の洗浄工程SR4で塔内に供給される洗浄用ガスの全体積に対して、1割程度の体積のオフガス)は、吸着塔側オフガス流路31、排出側オフガス流路32、オフガス貯留路43を通じて、オフガス貯留部42に導入され、オフガス貯留部42内に貯留される。かかるオフガスの排出と貯留の切替については、後に詳細に説明する。
第一の吸着塔2Aにおける洗浄工程SR4が終了したら、吸着剤3によって吸着された炭酸ガスを吸引して離脱(真空脱着)させ、第一の吸着塔2Aから導出させる回収工程SR5(減圧工程)を行う(図8参照)。即ち、第一の吸着塔2Aに接続されている吸着塔側原料ガス流路22の原料ガス流路開閉弁27、第一の吸着塔2Aに接続されている吸着塔側オフガス流路31のオフガス流路開閉弁37、第一の吸着塔2Aに接続されている吸着塔側洗浄用ガス流路82の洗浄用ガス流路開閉弁87をそれぞれ閉じ、第一の吸着塔2Aに接続されている吸着塔側回収ガス流路61の回収ガス流路開閉弁65を開いた状態で、真空ポンプ66を作動させる。すると、貯留部側回収ガス流路62、吸着塔側回収ガス流路61内が減圧され、第一の吸着塔2A内のガスが、吸着塔側回収ガス流路61によって強制的に吸引される。即ち、塔内が減圧されて略真空状態にされる。第一の吸着塔2A内に残留していた洗浄用ガスは、第一の吸着塔2Aの入口側から導出され、吸着塔側回収ガス流路61、貯留部側回収ガス流路67に戻される。また、吸着剤3に吸着されていた炭酸ガスは、吸着剤3から真空脱着により離脱させられ、洗浄用ガスと共に第一の吸着塔2Aの入口側から導出され、回収ガス貯留部67に導入され、回収ガス(洗浄用ガス)として貯留される。こうして、第一の吸着塔2Aから約99%以上の炭酸ガス濃度を有する純度の高い炭酸ガスを吸引し、回収ガス貯留部67に集めることができる。
第一の吸着塔2Aにおける回収工程SR5が終了したら、上述した復圧工程SR1を再び行い、回収工程SR5において減圧され、略真空状態になった第一の吸着塔2A内の圧力を大気圧程度に戻す。そして、上述した昇圧工程SR2、吸着工程SR3、洗浄工程SR4、回収工程SR5を再び行う。以上のようにして、第一の吸着塔2Aにおいては、復圧工程SR1、昇圧工程SR2、吸着工程SR3、洗浄工程SR4、回収工程SR5からなる一連のプロセスを繰り返し行うことにより、炭酸ガスを連続的に回収することができる。
一方、第二の吸着塔2Bは、図3に示すように、第一の吸着塔2Aにおいて洗浄工程SR4を行っている間に、復圧工程SR1、昇圧工程SR2および吸着工程SR3をこの順に行い、第一の吸着塔2Aにおいて回収工程SR5を行っている間に、洗浄工程SR4を行い、第一の吸着塔2Aにおいて復圧工程SR1、昇圧工程SR2および吸着工程SR3を行っている間に、回収工程SR5を行う。なお、第二の吸着塔2Bにおける復圧工程SR1、昇圧工程SR2、吸着工程SR3、洗浄工程SR4、回収工程SR5は、上述した第一の吸着塔2Aにおいて行われるものとほぼ同様であるため、詳細な説明は省略する。
また、第三の吸着塔2Cは、図3に示すように、第一の吸着塔2Aにおいて回収工程SR5を行っている間(第二の吸着塔2Bにおいて洗浄工程SR4を行っている間)に、復圧工程SR1、昇圧工程SR2および吸着工程SR3をこの順に行い、第一の吸着塔2Aにおいて復圧工程SR1、昇圧工程SR2および吸着工程SR3をお行っている間(第二の吸着塔2Bにおいて回収工程SR5を行っている間)に、洗浄工程SR4を行い、第一の吸着塔2Aにおいて洗浄工程SR4を行っている間(第二の吸着塔2Bにおいて復圧工程SR1、昇圧工程SR2および吸着工程SR3を行っている間)に、回収工程SR5を行う。なお、第三の吸着塔2Cにおける復圧工程SR1、昇圧工程SR2、吸着工程SR3、洗浄工程SR4、回収工程SR5も、上述した第一の吸着塔2Aにおいて行われるものとほぼ同様であるため、詳細な説明は省略する。
こうして、第一の吸着塔2A、第二の吸着塔2B、第三の吸着塔2Cは、いずれか1つが復圧工程SR1、昇圧工程SR2および吸着工程SR3を行っている間に、ほかの1つは洗浄工程SR4を並行して行い、別の1つは回収工程SR5を並行して行うように制御される。したがって、熱風炉F1〜F4側から供給された原料ガスは、第一の吸着塔2A、第二の吸着塔2B、第三の吸着塔2Cのいずれかに導入され、昇圧工程SR2または吸着工程SR3に使用される。
ところで、上述したように、第一の吸着塔2A、第二の吸着塔2B、第三の吸着塔2Cからは、吸着工程SR3と洗浄工程SR4において、それぞれオフガスが導出される。このうち、吸着工程SR3において導出されるオフガスは、吸着剤3によって炭酸ガスが吸着されるため、低炭酸ガス濃度のガスになる。しかし、原料ガスの導入を開始してから時間が経過するに従い、吸着剤3に吸着可能な炭酸ガスの量が減少するので、吸着剤3の吸着性能は次第に低下し、オフガスの炭酸ガス濃度は次第に高くなる。また、洗浄工程SR4において導出されるオフガスは、吸着剤3から離脱された非炭酸ガス成分や、吸着剤3の周囲に残留していた非炭酸ガス成分を保有するため、低炭酸ガス濃度のガスになる。しかし、洗浄用ガスの導入を開始してから時間が経過するに従い、塔内の非炭酸ガス成分は次第に減少するので、オフガスの炭酸ガス濃度は次第に高くなり、吸着剤3に導入する前の洗浄用ガスの炭酸ガス濃度とほぼ同程度になる。そのため、排出側オフガス流路32に流入するオフガスの炭酸ガス濃度は、洗浄工程SR4を開始してから時間が経過するに従い、次第に高くなり、洗浄工程SR4の後期においては、60%以上になる。
即ち、例えば第一の吸着塔2Aにおいて洗浄工程SR4を行っている場合、洗浄工程SR4の前期(本実施の形態では、第一の吸着塔2Aに対する洗浄用ガスの導入を開始してから所定時間Twが経過するまでの間)に排出側オフガス流路32に流入するオフガスは、炭酸ガス濃度が60%未満の低炭酸ガス濃度のガスである。これに対し、洗浄工程SR4の後期(本実施の形態では、第一の吸着塔2Aに対する洗浄用ガスの導入を開始してから所定時間Twが経過した後、所定時間Twが経過するまで)において排出側オフガス流路32に流入するオフガス(即ち、洗浄工程SR4を行っている第一の吸着塔2Aから導出されるオフガスと、吸着工程SR3を行っている第二の吸着塔2Bから導出されるオフガスとの混合ガス)は、炭酸ガス濃度が60%以上の高炭酸ガス濃度のガスになる。同様に、第二の吸着塔2Bや第三の吸着塔2Cにおいて洗浄工程SR4を行っている場合も、洗浄工程SR4の前期に排出側オフガス流路32に流入するオフガスは、炭酸ガス濃度が60%未満の低炭酸ガス濃度のガスとなり、洗浄工程SR4の後期において排出側オフガス流路32に流入するオフガスは、炭酸ガス濃度が60%以上の高炭酸ガス濃度のガスになる。
このように排出側オフガス流路32に流入したオフガスのうち、炭酸ガス濃度が60%未満の低炭酸ガス濃度のガスは、オフガス排出路41によって外部に排出させる。一方、炭酸ガス濃度が60%以上の高炭酸ガス濃度のガスは、オフガ貯留部42に貯留させる。
即ち、第一の吸着塔2A、第二の吸着塔2B、第三の吸着塔2Cのいずれかに対して洗浄用ガスの導入を開始してから(いずれかの開閉弁65を開いてから)所定時間Twが経過するまでは、制御部16の制御により、排出路開閉弁45を開いて貯留路開閉弁47を閉じた状態にする。これにより、排出側オフガス流路32に流入したオフガス(炭酸ガス濃度が60%未満のガス)を、オフガス排出路41によって排出させる。その後、洗浄用ガスの導入を開始してから所定時間Twが経過したら、制御部16の制御により、排出路開閉弁45を閉じて貯留路開閉弁47を開いた状態にする。これにより、排出側オフガス流路32に流入したオフガス(炭酸ガス濃度が60%以上のガス)を、オフガス貯留路43に導入させ、オフガス貯留部42に貯留させる。その後、洗浄用ガスの導入を開始してから所定時間Twが経過したら、制御部16の制御により、洗浄用ガスの導入を停止させ、排出路開閉弁45を開いて貯留路開閉弁47を閉じた状態にする。これにより、オフガス貯留路43に対するオフガスの導入を停止させる。こうして、オフガス貯留部42には、炭酸ガス濃度が60%以上の高濃度のオフガスが集められる。オフガス貯留部42に貯留したオフガスは、上述したように、回収ガスの回収工程後の各吸着塔内を復圧するためのガスおよび原料ガスの炭酸ガス濃度を調整するためのガスとして用いられる。
一方、第一の吸着塔2A、第二の吸着塔2B、第三の吸着塔2Cからは、回収工程SR5において、それぞれ回収ガスが導出される。これらの回収ガスは、回収ガス貯留部67に順次導入され、一括して貯留される。回収ガス貯留部67内の回収ガスのうち一部は、上述したように、洗浄用ガスとして、第一の吸着塔2A、第二の吸着塔2B、第三の吸着塔2Cのいずれかに導入される。また、回収ガス貯留部67内の回収ガスのうち一部は、回収ガス送出路72を通じて、回収ガス処理部73に導入され、脱酸素、脱湿、脱臭等の処理が行われた後、最終製品ガス貯留部71に移送される。こうして、純度の高い(炭酸ガス濃度が高い)最終製品ガスを得ることができる。
以上説明したように、かかる炭酸ガス回収装置1および炭酸ガス回収方法によれば、洗浄工程SR4において導出される炭酸ガス濃度が高いオフガスを利用して、回収工程後の略真空状態となった各吸着塔内を復圧することができる。これにより、各吸着塔内への水分の持ち込みを防止するとともに、従来の大気による復圧と比べて昇圧工程開始時の吸着塔内の炭酸ガス濃度を高くすることができるため、炭酸ガスの回収効率の向上を図ることができる。
また原料ガスや回収ガス(製品ガス)を用いて復圧する場合と比較すると、両者の方法共に、復圧後の吸着塔内の炭酸ガス濃度はオフガス利用時同様に高くなるが、原料ガスまたは製品ガスを復圧に利用していて、その分回収される回収ガスの量が減ってしまうので、復圧にオフガスを利用したときのほうが、やはり炭酸ガスの回収効率は高くなる。
ところで、熱風炉から炭酸ガス回収装置に供給される排ガスは、炭酸ガス濃度が周期的に変動する。即ち、燃焼工程の排ガス(燃焼排ガス)は炭酸ガス濃度が高いが、排圧工程の排ガス(排圧ガス)は空気を多量に含有し、炭酸ガス濃度が低いものである。従って、排ガスの炭酸ガス濃度は、排圧工程が行われるときに一時的に低下する。
一方、吸着塔内に設けられている吸着剤は、吸着塔内の炭酸ガス分圧が高いほど、炭酸ガスの吸着効率が高くなる特性を有している。そのため、上記のように、原料ガス(排ガス)の炭酸ガス濃度が低くなると、吸着塔内の炭酸ガス分圧が低くなり、炭酸ガスの吸着効率が低下してしまう。また、原料ガスの炭酸ガス濃度が低くなると、吸着塔内に非炭酸ガス成分が残留しやすくなるので、洗浄工程においては、洗浄用ガスの供給量を増加させないと、吸着塔から非炭酸ガス成分を十分に排出させることができなくなる。その結果、回収工程において吸着塔内から導出される回収ガスに、非炭酸ガス成分が混入し、回収ガスの純度が低下する恐れがある。しかし、洗浄用ガスの供給量を増加させると、オフガスとして排出されてしまう洗浄用ガスの量も多くなる。この洗浄用ガスとしては、一般的に回収ガスの一部を使用するので、洗浄用ガスの供給量を増加させることは、回収ガスの回収量の低下を招くこととなり、望ましくない。
上記のような問題に対しては、従来、排圧工程における排ガスを炭酸ガス回収装置に供給せず、燃焼工程における炭酸ガス濃度が高い排ガスのみを炭酸ガス回収装置に供給するようにした構成が提案されている。しかし、そのような設備を適用する場合、熱風炉から排ガスを排出させる管路、管路を開閉する弁等を設置する工事が大規模なものになり、設備コストも高くなるという問題があった。
しかしながら、本実施の形態で説明した炭酸ガス回収装置1および炭酸ガス回収方法によれば、洗浄工程SR4において導出される炭酸ガス濃度が高いオフガスを利用して、原料ガスの炭酸ガス濃度を調節できる。これにより、吸着塔2A、2B、2C内の炭酸ガス分圧を調節し、炭酸ガスを吸着剤3に対して好適に吸着させ、炭酸ガスの回収効率の向上を図ることができる。例えば原料ガスの炭酸ガス濃度が一時的に低下する場合でも、オフガスを混合することで、原料ガスの炭酸ガス濃度を設定濃度以上に高めることができ、これにより、原料ガスの炭酸ガス濃度の均一化を図ることができる。したがって、炭酸ガスを確実に安定的に回収できる。
また、原料ガスの炭酸ガス濃度を高めることで、吸着工程SR3の後に吸着塔2A、2B、2C内に残留する非炭酸ガス成分の量を減少させることができる。洗浄工程SR4においては、洗浄用ガスの供給量を抑制しながらも、吸着塔2A、2B、2Cから非炭酸ガス成分を十分に排出させることができる。したがって、オフガスとして外部に排出されてしまう洗浄用ガスの量を抑えることができる。即ち、洗浄用ガスの供給量(回収ガス貯留部67内の回収ガスの消費量)を抑制することにより、回収ガスの回収量、最終製品ガスの回収量が低下することを防止できる。また、吸着塔2A、2B、2Cから非炭酸ガス成分を十分に排出させることで、純度が高い回収ガスを得ることができる。
また、回収ガス貯留部67内の回収ガス等を利用せずに、オフガスを有効に利用して、原料ガスの炭酸ガス濃度を調節することができる。したがって、回収ガスの回収量が低下することを防止できる。従来は外部に排出されていたオフガスを、原料ガスと共に吸着塔2A、2B、2Cに再度導入させ、オフガスに含有されている炭酸ガスを回収できる。したがって、炭酸ガスの回収効率をさらに向上させることができる。
さらに、かかる炭酸ガス回収装置1の構成によれば、例えば既存の炭酸ガス回収装置に対しては、オフガス貯留部42、オフガス貯留路43、オフガス導出切替部50、オフガス導入路51、オフガス導入切替部(オフガスブロワー53)、復圧ライン100、復圧用ブロワー101、復圧ライン開閉弁102A、102B、102C等、簡単な構成を追加するだけで、炭酸ガスの回収効率を容易に向上させることができる。大規模な工事や費用の高い工事を行うことなく、比較的小規模な工事、安価な改修費によって、炭酸ガス回収装置1の構成を実現できる。新規に炭酸ガス回収装置を構築する場合も、設備費を安価に抑えることができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態の一例を説明したが、本発明は図示の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、以上の実施の形態では、4基の熱風炉F1〜F4から原料ガスが供給されるとしたが、熱風炉の個数はかかるものに限定されず、例えば2基でもよい。また、原料ガスは、高炉に熱風を吹き込む熱風炉から排出される排ガスには限定されず、他の種類の燃焼炉(例えばボイラー等)や熱処理炉から排出される排ガス等であってもよい。要するに、本実施の形態は、様々な原料ガス(炭酸ガス含有ガス)から炭酸ガスを回収する方法および装置に応用できる。
さらに、例えば、本実施の形態では、炭酸ガス回収装置1は、3つの吸着塔2A、2B、2Cを備えるとしたが、吸着塔の個数は2つ以下としてもよいし、4つ以上の任意の複数としてもよい。
また、以上の実施の形態では、制御部16は、熱風炉F1〜F4で行われている工程に基づいて(即ち、原料ガスが熱風炉F1〜F4の排圧ガスであるか燃焼排ガスであるかに基づいて)、オフガス貯留部42に貯留されているオフガスを原料ガスに混合させる状態と混合させない状態を切り替える制御等を行うようにしたが、制御部16の制御の態様は、かかるものに限定されない。例えば図9に示すように、吸着塔2A、2B、2Cに導入する前の原料ガスの炭酸ガス濃度を検出する炭酸ガス濃度検出器91を、原料ガス導入路11(オフガス導入路51の下流端よりも上流側)に設け、かかる炭酸ガス濃度検出器91によって検出された検出器に基づいて、オフガス貯留部42に貯留されているオフガスを原料ガスに混合させるか否かを制御部16(オフガス導入制御部)において判断する構成としてもよい。
図9に示す実施の形態では、炭酸ガス濃度検出器91は水洗塔23よりも上流側において、熱風炉側原料ガス流路21に設けられており、炭酸ガス濃度検出器91から制御部16に対して検出値を送信するようになっている。制御部16は、炭酸ガス濃度検出器91によって検出した原料ガスの炭酸ガス濃度が、あらかじめ制御部16に記憶されている設定濃度未満である場合は、オフガスブロワー53を作動させ、オフガス貯留部42に貯留されているオフガスを原料ガス導入路11内の原料ガスに混合させる状態にする。一方、炭酸ガス濃度検出器91によって検出した原料ガスの炭酸ガス濃度が設定濃度以上である場合は、オフガスブロワー53を作動せず、オフガス貯留部42に貯留されているオフガスを原料ガス導入路11内の原料ガスに混合させない状態にする。
なお、制御部16は、炭酸ガス濃度検出器91によって検出した原料ガスの炭酸ガス濃度が設定濃度未満である場合、炭酸ガス濃度検出器91において炭酸ガス濃度を検出してから(即ち、炭酸ガス濃度検出器91から送信された検出値を受信してから)あらかじめ設定されている設定時間が経過した後、オフガスブロワー53を作動させるように制御する構成としてもよい。かかる時間設定は、原料ガスが炭酸ガス濃度検出器91からオフガス導入路51の下流端が接続している位置に移動するまでに要する経過時間と同一であってもよい。即ち、炭酸ガス濃度検出器91によって炭酸ガス濃度が検出された原料ガスが、オフガス導入路51の下流端の接続位置に到着したときに、オフガス導入路51から導入されるオフガスと合流できるような時間に設定すればよい。
かかる構成においては、熱風炉F1、F2または熱風炉F3、F4から排圧ガスが排出され、原料ガスとして熱風炉側原料ガス流路21に導入されると、炭酸ガス濃度検出器91において原料ガスの炭酸ガス濃度が検出され、制御部16において、原料ガスの炭酸ガス濃度が設定濃度未満であることが検知される。炭酸ガス濃度検出器91において炭酸ガス濃度が検出された後、原料ガスは水洗塔23、原料ガスブロワー24、脱湿器25、フィルター機構26を通過し、炭酸ガス濃度が検出されてから設定時間経過後、オフガス導入路51の下流端の接続位置に到着する。このとき、オフガスブロワー53の作動により、オフガス導入路51から熱風炉側原料ガス流路21に対してオフガスが導入され、原料ガスに混合される。こうして原料ガスの炭酸ガス濃度が設定濃度以上に高められた後、吸着塔2A、2B、2C側に送られる。一方、熱風炉F1、F2または熱風炉F3、F4から燃焼排ガスが排出され、原料ガスとして熱風炉側原料ガス流路21に導入されると、炭酸ガス濃度検出器91において原料ガスの炭酸ガス濃度が検出され、制御部16において、原料ガスの炭酸ガス濃度が設定濃度以上であることが検知される。炭酸ガス濃度が検出されてから設定時間経過後、原料ガスはオフガス導入路51の下流端の接続位置に到着するが、このときはオフガスが導入されず、原料ガスはそのまま吸着塔2A、2B、2C側に送られる。このような制御によれば、オフガスの混合をより適確に行い、原料ガスの炭酸ガス濃度をより確実に、精度よく行うことが可能である。
本発明は、例えば製鐵所の熱風炉から排出される排ガス等から炭酸ガスを製造する炭酸ガス製造設備における炭酸ガス回収率向上のための炭酸ガスの回収方法およびその装置に適用できる。
本実施の形態にかかる炭酸ガス回収装置の構成を説明する説明図である。 各熱風炉で行われる工程とオフガスを原料ガスに導入するタイミングとの関係を示した表である。 各吸着塔で行われる工程とオフガスを排出するタイミング、オフガスを貯留するタイミングとの関係を示した表である。 第一の吸着塔で復圧工程を行い、第二の吸着塔で回収工程を行い、第三の吸着塔で洗浄工程を行っている状態を示した説明図である。 第一の吸着塔で昇圧工程を行い、第二の吸着塔で回収工程を行い、第三の吸着塔で洗浄工程を行っている状態を示した説明図である。 第一の吸着塔で吸着工程を行い、第二の吸着塔で回収工程を行い、第三の吸着塔で洗浄工程を行っている状態を示した説明図である。 第一の吸着塔で洗浄工程を行い、第二の吸着塔で復圧工程、昇圧工程および吸着肯定を行い、第三の吸着塔で回収工程を行っている状態を示した説明図である。 第一の吸着塔で回収工程を行い、第二の吸着塔で洗浄工程を行い、第三の吸着塔で復圧工程、昇圧工程および吸着工程を行っている状態を示した説明図である。 別の実施の形態にかかる炭酸ガス回収装置の構成を説明する説明図である。
符号の説明
1…炭酸ガス回収装置
2A、2B、2C…吸着塔
3…吸着剤
11…原料ガス導入路
12…オフガス導出路
13…回収ガス導出路
15…洗浄用ガス導入路
16…制御部
41…オフガス排出路
42…オフガス貯留部
43…オフガス貯留路
50…オフガス導出切替部
53…オフガスブロワー
100…復圧ライン
101…復圧用ブロワー
102A、102B、102C…復圧ライン開閉弁

Claims (14)

  1. 吸着剤を備える吸着塔を用いて、原料ガスから炭酸ガスを回収する炭酸ガス回収方法であって、
    前記吸着塔に原料ガスを高圧で導入して、原料ガスに含有されている炭酸ガスを前記吸着剤に吸着させる吸着工程と、
    前記吸着塔に洗浄用ガスを導入して、前記吸着剤から炭酸ガス以外のガスを離脱させる洗浄工程と、
    減圧することにより前記吸着剤から炭酸ガスを離脱させて吸着塔から導出する回収工程と、
    前記吸着塔を復圧させる復圧工程とを有し、
    前記洗浄工程において前記吸着塔から導出したオフガスを、オフガス貯留部に貯留し、
    前記復圧工程において、前記オフガス貯留部に貯留したオフガスを、前記吸着塔に導入することを特徴とする、炭酸ガス回収方法。
  2. 前記洗浄工程の前期においては、前記オフガスを外部に排出し、前記洗浄工程の後期においては、前記オフガスを前記オフガス貯留部に貯留することを特徴とする、請求項1に記載の炭酸ガス回収方法。
  3. 前記オフガスの炭酸ガス濃度が60%未満である場合は、前記オフガスを外部に排出し、前記オフガスの炭酸ガス濃度が60%以上である場合は、前記オフガスを前記オフガス貯留部に貯留することを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の炭酸ガス回収方法。
  4. 前記吸着工程において、前記オフガスを混合させることにより、前記吸着塔に導入する原料ガスの炭酸ガス濃度を調整することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の炭酸ガス回収方法。
  5. 原料ガスは、高炉に熱風を供給する熱風炉の排ガスであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の炭酸ガス回収方法。
  6. 複数の吸着塔において、前記吸着工程、前記洗浄工程、前記回収工、前記復圧工程をそれぞれ異なるタイミングで行い、
    前記複数の吸着塔から導出したオフガスを、前記オフガス貯留部に一括して貯留し、
    前記オフガス貯留部に貯留したオフガスを原料ガスに混合させ、前記複数の吸着塔のうちの復圧工程を行う吸着塔に導入させることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の炭酸ガス回収方法。
  7. 吸着剤を備える吸着塔を用いて、原料ガスから炭酸ガスを回収する炭酸ガス回収装置であって、
    前記吸着塔に原料ガスを導入する原料ガス導入路と、前記吸着塔に洗浄用ガスを導入して、前記吸着剤から炭酸ガス以外のガスを離脱させる洗浄工程において前記吸着塔から排出されたオフガスを導出するオフガス導出路と、前記吸着剤に吸着された炭酸ガスを前記吸着塔から導出する回収ガス導出路と、前記吸着塔に洗浄用ガスを導入する洗浄用ガス導入路とを備え、
    前記オフガス導出路によって導出したオフガスを外部に排出させるオフガス排出路と、前記オフガス導出路によって導出したオフガスを貯留するオフガス貯留部と、前記オフガス貯留部に貯留されたオフガスを前記吸着塔に導入する復圧ラインとを設けることを特徴とする、炭酸ガス回収装置。
  8. 前記オフガスを前記オフガス排出路によって排出する状態と前記オフガス貯留部に貯留する状態とを切り替えるオフガス導出切替部を備えることを特徴とする、請求項7に記載の炭酸ガス回収装置。
  9. 前記オフガス貯留部に貯留されたオフガスを前記復圧ラインによって前記吸着塔に導入させる状態と導入させない状態とを切り替える復圧切替部を制御する復圧制御部を設け、
    前記復圧制御部は、前記回収ガス導出路によって前記吸着剤に吸着された炭酸ガスが導出された後、前記オフガス貯留部に貯留されたオフガスを前記復圧ラインにより前記吸着塔に導入させるように制御することを特徴とする、請求項7または8に記載の炭酸ガス回収装置。
  10. 前記オフガス導出切替部を制御するオフガス導出制御部を設け、
    前記オフガス導出制御部は、前記洗浄用ガス導入路によって前記洗浄用ガスを前記吸着塔に導入する際、前記オフガスを前記オフガス貯留部に貯留するように制御することを特徴とする、請求項7〜9のいずれかに記載の炭酸ガス回収装置。
  11. 前記オフガス導出制御部は、前記洗浄用ガス導入路による前記洗浄用ガスの前記吸着塔への導入を開始してから所定時間が経過するまでは、前記オフガスを前記オフガス排出路によって排出させ、前記洗浄用ガス導入路による前記洗浄用ガスの導入を開始してから所定時間が経過したら、前記オフガスを前記オフガス貯留部に貯留するように制御することを特徴とする、請求項10に記載の炭酸ガス回収装置。
  12. 前記オフガス導出制御部は、前記オフガスの炭酸ガス濃度が60%未満である場合は、前記オフガスを前記オフガス排出路によって排出させ、前記オフガスの炭酸ガス濃度が60%以上である場合は、前記オフガスを前記オフガス貯留部に貯留するように制御することを特徴とする、請求項10または11に記載の炭酸ガス回収装置。
  13. 前記オフガス貯留部に貯留されたオフガスを前記原料ガス導入路によって導入される原料ガスに混合させるオフガス導入路と、前記オフガス貯留部に貯留されたオフガスを前記原料ガス導入路によって導入される原料ガスに混合させる状態と混合させない状態とを切り替えるオフガス導入切替部とを備えることを特徴とする、請求項7〜12のいずれかに記載の炭酸ガス回収装置。
  14. 前記吸着塔を複数備え、
    前記オフガス貯留部は、前記複数の吸着塔から導出されたオフガスを一括して貯留することを特徴とする、請求項7〜13のいずれかに記載の炭酸ガス回収装置。
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