JP4835013B2 - 窒素酸化物除去装置およびその運転方法 - Google Patents

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Description

この発明は、室内または装置へ窒素酸化物の除去されたガスを導入するために用いられる装置で、窒素酸化物、特に二酸化窒素を除去するための吸着剤を搭載した除去装置とその運転方法および、窒素酸化物吸着剤の再生方法に関するものである。
従来大気中の窒素酸化物の除去技術として、排気ガス中の窒素酸化物を除去するために、コバルト錯体を主体とする触媒を用いた処理や、排気ガス中の窒素酸化物を触媒により還元する技術がある。一方、空調用の低濃度窒素酸化物の処理としては、シート状にした活性炭素繊維を円筒状に成形したNOx除去ローターを回転させるようにしたものもある。また、後者のような低濃度窒素酸化物処理装置においては、吸着剤に有機金属錯体を添着した活性炭を用い、その再生方法として窒素酸化物が付着した吸着剤を取り出し、PH8〜10の弱アルカリ性に調整した水溶液を用いて30分〜1時間程度の浸漬処理を行うようにしている例がある(例えば特許文献1)。
別の再生方法として、触媒を担持した吸着剤でNOx除去処理後、水素還元脱硝酸処理を行う例もある(例えば特許文献2)。
特開平10−33981号公報(〔0045〕〜〔0046〕、図3) 特開2000−111118号公報(表1他)
従来の窒素酸化物吸着剤の再生方法にあっては、吸着剤を定期的に取り外して薬品で処理することが必要になる。その結果、ユーザーの作業負担が増大するといった問題があった。また、アルカリ性の水溶液を用意する必要があるといったユーザーに経済負担も強いるといった問題があった。また、逆に、吸着剤を定期的に再生しない場合、吸着剤の性能を発揮できないといった問題があった。更に、吸着剤を再生する場合、1時間程度の再生時間が必要であり、その間は窒素酸化物の吸着除去を停止しなければならないといった問題があった。
また、水素還元脱硝酸処理では通常200℃以上に加温する必要があった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、自動的に窒素酸化物吸着剤を再生できる窒素酸化物吸着剤の再生方法、および安定して窒素酸化物を除去できる窒素酸化物除去装置およびその運転方法を得ることを目的としている。
この発明に係る窒素酸化物除去装置は、第1の切換え弁を介して窒素酸化物を含んだガスを供給するガス供給手段、該ガス供給手段により導入された窒素酸化物を含有したガスが流れるガス流路、該ガス流路に備えられ白金が添着された窒素酸化物吸着剤を具備する窒素酸化物吸着手段、前記窒素酸化物吸着手段に第2の切換え弁を介して不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段、窒素酸化物吸着手段に第3の切換え弁を介して水素を供給する水素供給手段を備え、第1の切換え弁、第2の切換え弁、第3の切換え弁の順序でそれぞれの切換え弁を開閉し、温度制御せずに20℃から40℃の室温で窒素酸化物吸着手段に吸着した窒素酸化物を脱離することを特徴とするものである。


また、この発明に係る窒素酸化物除去装置の運転方法は、窒素酸化物を含んだガスを装置内に導入し、白金またはパラジウムが添着された窒素酸化物吸着剤を具備し窒素酸化物吸着手段にガス中の窒素酸化物を吸着させるステップと、窒素酸化物吸着手段が備えられた吸着塔のガスを不活性ガスに置換させるステップと、窒素酸化物吸着手段に温度制御せずに20℃から40℃の室温で水素を供給して、窒素酸化物吸着剤に吸着した窒素酸化物を脱離するステップとを含むことを特徴とするものである。
また、この発明に係る窒素酸化物除去装置の運転方法は、窒素酸化物を含んだガスを装置内に導入し、白金またはパラジウムが添着された窒素酸化物吸着剤を具備し窒素酸化物吸着手段に前記ガス中の窒素酸化物を吸着させるステップと、窒素酸化物吸着手段が備えられた吸着塔の圧力を吸引ポンプによって低下させるステップと、窒素酸化物吸着手段に温度制御せずに20℃から40℃の室温で水素を供給して、窒素酸化物吸着剤に吸着した窒素酸化物を脱離するステップとを含むことを特徴とするものである。
この発明によれば、窒素酸化物を吸着する吸着剤に白金またはパラジウムを添着しておき、吸着剤を再生する場合に吸着剤表面に水素を供給し、その水素によって吸着していた窒素酸化物を吸着しない構造の物質に変換し、吸着剤表面から脱着させるようにしたことにより、取り込んだガスから窒素酸化物を安定的に除去できる効果がある。更に、水素を定期的に供給することにより窒素酸化物を吸着する吸着剤を自動的に再生することができるので、メンテナンス性が向上し、ユーザーの作業負担や経費負担を大幅に軽減できる効果がある、といった従来にない顕著な効果を奏するものである。
本発明は、100℃以下、特に室温において二酸化窒素を吸着した吸着剤に水素を供給して、一酸化窒素、亜酸化窒素、窒素として吸着剤に吸着しない物質にして脱離させることを利用したもので、特許文献2のように二酸化窒素として脱離させたり、400℃以上で動作させる三元触媒とは全く異なるものである。
すなわち、白金やパラジウムが添着された吸着剤にNOx(特にNO)が吸着されている。そこに、水素が供給されると、白金やパラジウムにより水素がラジカル化され、水素ラジカルが生成する。その水素ラジカルによってNOの酸素が奪われて、NOはNO、NO、Nなどに還元される。これらの物質は吸着剤への吸着容量がNOに比べて非常に小さいために、吸着剤に吸着されない。すなわち、吸着剤に吸着していたNOは一部還元されることにより、吸着剤から脱離されることになる。この脱離された窒素関連物質を排出することにより、吸着剤は再生される。換言すると、室内や特定装置へ導入される窒素酸化物を含有していた空気やガスから窒素酸化物を取り除き、その窒素酸化物を水素含有ガスに移動させるためのものである。その移動場が白金やパラジウムを添着した吸着剤の表面ということである。
通常触媒としての白金の動作温度は100℃以上であり、また本発明では脱硝処理のように完全な窒素化を目標とするものではないこともあり、100℃を越える高温を必要としない。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による窒素酸化物除去装置を示す構成図である。窒素酸化物を吸着する吸着剤2が充填された吸着塔1の下方に切換え弁6aを介して窒素酸化物を含んだガスを供給するためのガス供給手段4が接続されている。ここで、ガス供給手段4としては、例えば、ポンプ、ブロア、ファンなどを用いたものを挙げることができる。また、吸着塔1の下方には切換え弁6cを介して水素供給手段3が接続されている。ここで、水素供給手段としては、例えば、水電解装置、改質ガス製造装置、水素ボンベ及び水素吸蔵材などを用いたものを挙げることができる。吸着塔1の上方には、切換え弁6bを介してガス供給ライン5が備えられ、切換え弁6dを介して排気ガスライン7が備えられている。
図2は吸着剤の構成を示す図であるが、吸着剤2は、球状、ペレット状、あるいは粉状などに成形されたゼオライトや活性炭であり、その表面に窒素酸化物を還元するための白金、あるいはパラジウムが添着されたものである。なお、カリウムなどのアルカリ、カルシウムなどのアルカリ土類、ランタンなどの希土類を白金と同時に添着することにより、白金などの活性を維持し、窒素酸化物の還元効果を高めることができる。また、難燃性を高めるために、吸着剤に難燃剤を付加するようにしても良い。更に、吸着剤の内部を金属やセラミックなどの難燃物で形成し、その表面に白金を添着した吸着剤を付着させるようにしてもよいし、また、ゼオライトで内部を形成し、その表面に白金を添着した活性炭を付着するといったように吸着剤を層状に構成するようにしても良い。
次に動作について説明する。まず、窒素酸化物の吸着除去動作について説明する。この過程では、切換え弁6aおよび切換え弁6bを開き、切換え弁6cおよび切換え弁6dを閉める。ガス吸着手段4から吸着塔1に窒素酸化物を含んだ空気が供給され、吸着塔1内で窒素酸化物の吸着除去が行われる。窒素酸化物が除去されたガスは切換え弁6bを通ってガス供給ライン5に導かれる。
次に吸着剤2の再生操作について説明する。ある時間が経過して窒素酸化物の吸着除去動作が終了すると、切換え弁6aおよび切換え弁6bを閉じ、切換え弁6cおよび切換え弁6dを開き、吸着剤2の再生動作に移行する。水素供給手段3から吸着塔1に水素が供給され、吸着剤2表面に吸着した窒素酸化物を吸着しない構造の窒素酸化物や窒素に還元し、吸着剤2表面から脱離させる。脱離した窒素酸化物は切換え弁6dを通って排気ガスライン7に導かれる。なお、吸着剤2に吸着する窒素酸化物としては、例えば、二酸化窒素を挙げることができる。また、吸着剤2に吸着しない構造の窒素酸化物としては、例えば、一酸化窒素や亜酸化窒素を挙げることができる。
次に、白金を添着した吸着剤2での水素による再生効果を示した実験結果について説明する。図3は横軸を処理時間、縦軸を吸着塔1出口での窒素酸化物濃度とし、吸着操作および再生操作における吸着塔1出口の窒素酸化物濃度を示したものである。なお、本実験は30℃で行い、吸着操作時の吸着塔1入口の窒素酸化物濃度矢印で示したレベルにある。このように、吸着塔1出口の窒素酸化物濃度は、吸着操作開始時はゼロであるが、時間経過に伴って徐々に増加し、最終的には吸着塔1入口濃度に達してしまう。このときに水素を供給すると、吸着塔1出口の窒素酸化物濃度は急激に増加して最高濃度に達し、その後、徐々に低下し、ゼロになった。ここで再度吸着操作を開始すると、吸着塔1出口の窒素酸化物濃度は第一の吸着特性とほぼ同じ濃度曲線を描いて、吸着塔1入口濃度に達する。すなわち、第一回目の吸着特性と第二回目の吸着特性がほぼ同じであることから、水素による再生操作によって吸着剤2が完全に再生されていることがわかった。ここで、吸着塔出口の窒素酸化物濃度とは窒素酸化物吸着時はガス供給ライン5での濃度であり、水素による再生時は排気ガスライン7での濃度である。
図4は、図3の効果を実証するために実施した試験結果であり、吸着剤2から白金を除去し、図3と同様の実験を行った場合の試験結果である。吸着塔1出口の窒素酸化物濃度は、第一の吸着時は図3の吸着特性とほぼ同じであった。ここで水素を供給すると、吸着塔1出口の窒素酸化物濃度は増加することもなく、単調に低下し、ゼロになった。ここで再度吸着操作を行うと、吸着塔1出口の窒素酸化物濃度はすぐに吸着塔1入口の窒素酸化物濃度に達した。このことから、白金を取り除いた吸着剤では、水素を供給しても窒素酸化物の脱離は行われず、吸着剤の再生は全く行われないことが明らかになった。
また、この白金による再生効果は20℃と40℃で試験を行った場合も得ることができた。なお、温度により、再生に必要な水素量は若干異なることがわかった。以上のことから、吸着剤表面に白金を添着しておき、その吸着剤に水素を供給することにより、室温(40℃以下)で吸着剤の再生を行うことができることが証明された。
以上のことから、吸着剤表面に白金を添着しておき、その吸着剤に水素を供給することにより、室温で吸着剤の再生を行うことができることが証明された。なお、前述したように、本吸着再生方法は室温において二酸化窒素を吸着した吸着剤に水素を供給して、吸着剤に吸着しない物質すなわち一酸化窒素、亜酸化窒素、窒素として脱離させて吸着剤を再生するものである。
なお、上記図3と図4で説明される対比試験は吸着剤表面に白金を添着した例について説明したが、白金の代わりにパラジウムを添着しても同様な結果が得られた。
このように、この実施の形態1においては、吸着剤2表面に白金やパラジウムを添着しておき、その吸着剤2を再生する際に水素を供給するようにしたことにより、窒素酸化物を吸着除去する吸着剤2を自動的に再生することができるので、吸着剤の温度を高温にしたり吸着、再生工程で温度を制御したりすることもなく、メンテナンス性が飛躍的に向上し、ユーザーの作業負担や経費負担を大幅に軽減できる。
実施の形態2.
実施の形態2においては、窒素酸化物を除去したガスを連続的に供給する必要がある場合の装置構成の例について説明する。図5は本発明の実施の形態2による窒素酸化物除去装置を示す構成図である。このように吸着塔を二塔設け、窒素酸化物の吸着除去と窒素酸化物が吸着した吸着剤2の再生を同時にするようにしてもよい。第一の吸着塔1aで窒素酸化物の吸着除去を行っている間(三方切換え弁9aの吸着塔1a側,三方切換え弁9bの吸着塔1a側それぞれ開)、第二の吸着塔1bで吸着剤2の再生(三方切換え弁9cの吸着塔1b側,9dの吸着塔1b側それぞれ開)を行うようにし(図中の状態:三方弁黒が開)、次に第一の吸着塔1aで吸着剤2の再生を行っている間(三方切換え弁9cの吸着塔1a側,9dの吸着塔1a側それぞれ開)、第二の吸着塔1bで窒素酸化物の吸着除去吸着剤2の再生(三方切換え弁9aの吸着塔1b側,三方切換え弁9bの吸着塔1b側それぞれ開)を行うようにしたものである。
タイマーなどによって一定時間間隔で第一の吸着塔1aと第二の吸着塔1bの役割を交互に換えるようにしたものである。
この構成によれば、窒素酸化物の除去と吸着剤2の再生を同時に行うことができるので、窒素酸化物を含まないガスを連続的に供給することができる。また、吸着と再生の動作を自動的に切り換えることにより、利用者の作業を軽減することができる。
実施の形態3.
上記実施の形態2においては、第一の吸着塔1aで窒素酸化物の吸着除去を行い、第二の吸着塔1bで吸着剤2の再生を行うようにし、タイマーなどによって一定時間間隔で第一の吸着塔1aと第二の吸着塔1bの役割を交互に換えるように構成したが、吸着塔1の出口において窒素酸化物の濃度を測定し、この濃度情報に基づいて2つの吸着塔の動作を切り替えるようにしても良い。例えば、図6は本実施の形態3による窒素酸化物除去装置の構成を示す図であるが、吸着塔1の出口に設けられたガス供給ライン5上に窒素酸化物濃度測定器10を備えている。
この構成によれば、吸着塔1から排出されるガス中の窒素酸化物濃度を測定できることにより、ガス供給ライン5から出されるガス中の窒素酸化物濃度を一定濃度以下にすることができ、窒素酸化物の除去効率を高くすることができる。
また、実施の形態1における吸着塔が1つのものにおいても窒素酸化物濃度測定器10を設けて運転すれば同様の効果が得られることは言うまでもない。
実施の形態4.
上記実施の形態2においては、第一の吸着塔1aで窒素酸化物の吸着除去を行い、第二の吸着塔1bで吸着剤2の再生を行うようにし、タイマーなどによって一定時間間隔で第一の吸着塔1aと第二の吸着塔1bの役割を交互に換えるように構成したが、吸着塔が1つのものにおいても、ガス流路を仕切壁で分断し、2つの機能をもたせるようにしてもよい。
図7は本実施の形態4による吸着剤の構造を示す図、図8は図7の吸着剤を用いた窒素酸化物除去装置の構成を示す図である。吸着剤2をハニカム状吸着剤11に成形し、図8に示すようにハニカム状吸着剤11が二つの通路を遮るようにしても良い。例えば、仕切壁12により通路を吸着側、再生側に二分し、2つの通路13および通路14を形成し、軸方向にハニカム状吸着剤11を、吸着側通路13および再生側通路14を遮るように仕切壁12に貫設する。この吸着剤2は図8中の矢印に示すように回転させれば、吸着側通路13で窒素酸化物の吸着した吸着剤が順次再生側通路14で水素により再生処理されることになる。
この構成によれば、窒素酸化物の除去と吸着剤2の再生を同時に行うことができるので、窒素酸化物を含まないガスを連続的に供給することができる。
なお、ハニカム状吸着剤11は白金やパラジウムを添着した活性炭やゼオライトで構成するようにしても良いし、金属やセラミック、合成繊維類、紙類でハニカム構造を構築し、そのハニカム表面に白金やパラジウムを添着した吸着剤を付着するようにしても良い。
この場合、吸着剤は図7に示すような球形のものをつけても良いし、平板状のものをつけるようにしても良い。
また、合成繊維類や紙類でハニカム構造を構築する場合は、吸着時に発生する吸着熱による吸着剤の温度上昇に対応できるように、合成繊維類や紙類に難燃剤を含有させておく方が良い。
実施の形態5.
上記実施の形態1〜4においては、吸着剤での吸着再生処理を室温で行う例について示したが、本実施の形態においては温度条件を制御できるように吸着塔の外周部に温度制御部を設けた例について説明する。
図9は本実施の形態5による窒素酸化物除去装置の構成を示す図である。吸着塔1に充填された吸着剤2の温度を昇温するように、吸着塔1の外周部に温度制御部(ヒータ)21を取り付けている。
この構成によれば、吸着剤2の温度を高くできることにより、吸着剤2表面に吸着した窒素酸化物を吸着しない構造の窒素酸化物や窒素に還元する効率、すなわちNOx変換効率を高くすることができる。
なお、温度を高くするにはエネルギーを投入しなければならない。そこで、投入エネルギーを指標として最適な温度条件を調べた結果を図10に示す。図10は温度と投入エネルギーあたりの窒素酸化物変換効率の関係を調べたもので、横軸は温度、縦軸は前述のNOx変換効率(C.R.)、吸着塔1に投入するエネルギー(Q)、およびNOx変換効率/投入エネルギー(E.E.)である。このように、NOx変換効率(C.R.)は温度が高くなるほど増加する傾向にある。また、吸着塔1に投入するエネルギー(Q)は室温である30℃のときに最低となり、温度が高くなるにつれて大きくなる。更に、100℃以上になると投入エネルギーが大きく増加するために、NOx変換効率/投入エネルギー(E.E.)は減少することから、温度を100℃以下に設定することがエネルギー的に有効であることがわかった。以上のことから、投入エネルギー当たりのNOx変換効率を高く維持するには、吸着剤の温度を100℃以下にすることが有効であることが証明された。
なお、加熱することで吸着特性(吸着効率)は低下するが、再生効率は上述のとおり向上し、水素の使用量も低減するので、吸脱着(吸着-再生)サイクルを早くすればよい。
なお、上記説明では、図10において吸着塔1の外周部にヒータ21を取り付けて吸着剤2を昇温するものを示したが、吸着塔1内部に配置してもよく、同じ作用効果を奏することは言うまでもない。
実施の形態6.
図11に本実施の形態6による窒素酸化物除去装置の構成図を示す。図11は、吸着剤2の再生時に吸着塔1の圧力を低下するように吸引ポンプ31を設けたものである。排気ガスライン7に吸引ポンプ31を取り付け、吸着塔1での窒素酸化物の吸着除去が完了した後に、切換え弁6aおよび切換え弁6bが閉じ、切換え弁6dが開き、吸引ポンプ31が稼動し、吸着塔1からガスが吸引排出されて、吸着塔1内の圧力が低下する。一定圧力に低下した後に、切換え弁6cが開き、水素供給手段3から吸着塔1に水素が供給され、吸着剤2表面に吸着した窒素酸化物を吸着しない構造の窒素酸化物や窒素に還元し、吸着剤2表面から脱離させる。脱離した窒素酸化物は切換え弁6dを通って排気ガスライン7に導かれる。
この構成によれば、水素と酸素が反応して、水素が無効に消費されることを防ぐことができると共に、吸着している窒素酸化物の脱着スピードを早くできることにより、再生時間を短縮でき、効率的な運用が可能になる。
実施の形態7.
図12に本実施の形態7による窒素酸化物除去装置の構成図を示す。図12は、吸着剤2の再生時に吸着塔1のガスを水素と反応しにくいガスに置換するようにした例である。吸着塔1の下方に電磁弁42を介して不活性ガス供給装置41を備え、吸着塔1での窒素酸化物の吸着除去が完了した後に、切換え弁6aおよび切換え弁6bが閉じ、電磁弁42および切換え弁6dが開き、不活性ガス供給装置41稼動し、吸着塔1に不活性ガスが供給されて、吸着塔1のガスが不活性ガスに置換される。ここでいう不活性ガスは窒素、アルゴンなどのガスを示しているが、コストを考えると、窒素を不活性ガスとして使用することが有効である。一定時間経過後に、電磁弁42が閉じ、切換え弁6cが開き、水素供給手段3から吸着塔1に水素が供給され、吸着剤2表面に吸着した窒素酸化物を吸着しない構造の窒素酸化物や窒素に還元し、吸着剤2表面から脱離させる。脱離した窒素酸化物は切換え弁6dを通って排気ガスライン7に導かれる。
本発明における再生メカニズムは、上述のとおり白金やパラジウム表面で水素を水素ラジカルにして、その水素ラジカルが窒素酸化物からの酸素を奪って還元していると考えられる。そのため、水素ラジカルに窒素酸化物よりも還元されやすい(酸素を奪われやすい)物質が存在すると、水素ラジカルは窒素酸化物よりもその物質と反応しやすくなる。酸素は水素ラジカルと反応しやすい物質であると考えられるため、酸素が存在すると、窒素酸化物と水素ラジカルとの反応が減少する。したがって、本実施の形態のように、水素供給前に吸着剤の周囲ガス中の酸素をなくすように窒素置換を行うことで、窒素酸化物と水素ラジカルの反応を効率的に進め、吸着剤の再生を促進できる。
以上のように、この構成によれば、水素と酸素などと反応して、水素が無効に消費されることを防ぐことができると共に、吸着している窒素酸化物の脱着スピードを早くできることにより、再生時間を短縮でき、効率的な運用が可能になる。
実施の形態8.
図13に本実施の形態8による窒素酸化物除去装置の構成図を示す。図13は吸着時に吸着塔1に供給するガス中の窒素酸化物を吸着剤2に吸着しやすい構造の窒素酸化物に変換するようにした例である。吸着塔1とガス供給手段4の間にNO2変換器51を設け、吸着塔1に供給される窒素酸化物を吸着剤に供給しやすい窒素酸化物、すなわち、二酸化窒素に変換して供給する。ここでNO2変換器51はオゾナイザーなどが挙げられる。
この構成によれば、吸着塔1から漏れ出してくる窒素酸化物を更に低減でき、窒素酸化物含有濃度がより低いガスを生成することができる。
実施の形態9.
図14に本実施の形態9による窒素酸化物除去装置の構成図を示す。図14は、水素供給手段3として水電解装置61を用い、水素と同時に発生する酸素を用いてオゾンを発生させ、そのオゾンで窒素酸化物を酸化するようにした例である。吸着塔1とガス供給手段4の間にガス反応装置62を設け、水素供給手段3として水電解装置61を用い、水電解装置61に純水装置63から純水を供給し、水素を再生時に吸着塔1に供給する。同時に生成する酸素をオゾン発生器64に供給してオゾン化した後に、ガス反応装置62に供給する。
この構成によれば、吸着塔1から漏れ出してくる窒素酸化物を更に低減でき、窒素酸化物含有濃度がより低いガスを生成することができると共に、部品点数を減らすことができ、低コストのシステムを実現することができる。
なお、上記説明では、図14において水電解装置61に純水装置63から純水を供給する場について示したが、空気中の水分を水電解装置に送るようにしてもよく、同じ作用効果を奏することは言うまでもない。
本発明の実施の形態1による窒素酸化物除去装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態1による吸着剤を示す構成図である。 本発明の実施の形態1による吸脱着特性を示す図である。 図3の吸脱着特性と対比するために比較例として白金を添着しない吸着剤を用いた場合の吸脱着特性を示す図である。 本発明の実施の形態2による窒素酸化物除去装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態3による窒素酸化物除去装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態4による吸着剤を示す構成図である。図中(a)はハニカム状吸着剤に白金が担持されている状態を示し、図中(b)はハニカム構造体に図2の吸着剤が担持されている状態を示す。 本発明の実施の形態4による窒素酸化物除去装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態5による窒素酸化物除去装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態5による投入エネルギー当たりの窒素酸化物変換率と吸着塔温度の関係を示す図である。 本発明の実施の形態6による窒素酸化物除去装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態7による窒素酸化物除去装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態8による窒素酸化物除去装置を示す構成図である。 本発明の実施の形態9による窒素酸化物除去装置を示す構成図である。
符号の説明
1、1a、1b 吸着塔、 2 吸着剤、 3 水素供給手段、
4 ガス供給手段、 5 ガス供給ライン、 6a、6b、6c、6d 切換え弁、
7 排気ガスライン、 8 白金、 9a、9b、9c、9d 三方切換え弁、
10 窒素酸化物濃度測定器、 11 ハニカム状吸着剤、 12 仕切壁、
13 吸気側の通路、 14 排気側の通路、 21 温度制御手段(ヒータ)、
31 吸引ポンプ、 41 不活性ガス供給装置、 42 電磁弁、
51 NO2変換器、 61 水電解装置、 62 ガス反応装置、
63 純水装置、 64 オゾン発生器。

Claims (8)

  1. 第1の切換え弁を介して窒素酸化物を含んだガスを供給するガス供給手段、該ガス供給手段により導入された窒素酸化物を含有したガスが流れるガス流路、該ガス流路に備えられ白金が添着された窒素酸化物吸着剤を具備する窒素酸化物吸着手段、前記窒素酸化物吸着手段に第2の切換え弁を介して不活性ガスを供給する不活性ガス供給手段、前記窒素酸化物吸着手段に第3の切換え弁を介して水素を供給する水素供給手段を備え、第1の切換え弁、第2の切換え弁、第3の切換え弁の順序でそれぞれの切換え弁を開閉し、温度制御せずに20℃から40℃の室温で前記窒素酸化物吸着手段に吸着した窒素酸化物を脱離することを特徴とする窒素酸化物除去装置。
  2. 窒素酸化物吸着手段がハニカム構造体からなり、白金またはパラジウムを添着するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の窒素酸化物除去装置。
  3. ガス流路に仕切り壁を設けてガスの流れる方向に前記ガス流路を、窒素酸化物を含有したガスが流れるガス流路と水素ガスの流れるガス流路とに分別し、窒素酸化物吸着手段を前記2つのガス流路を跨ぐように配設しかつ、窒素酸化物の吸着した部位が順次前記水素ガスの流れる流路に晒されるように駆動する駆動機構とを備えたことを特徴とする請求項2に記載の窒素酸化物除去装置。
  4. ガス流路に窒素酸化物を含んだガスを導入する前段に二酸化窒素変換器を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の窒素酸化物除去装置。
  5. 窒素酸化物吸着手段通過後のガスの窒素酸化物濃度を測定する手段を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の窒素酸化物除去装置。
  6. 窒素酸化物吸着手段が備えられた吸着塔の圧力を低下させる吸引ポンプを備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の窒素酸化物除去装置。
  7. 窒素酸化物を含んだガスを装置内に導入し、白金またはパラジウムが添着された窒素酸化物吸着剤を具備し窒素酸化物吸着手段に前記ガス中の窒素酸化物を吸着させるステップと、前記窒素酸化物吸着手段が備えられた吸着塔のガスを不活性ガスに置換させるステップと、前記窒素酸化物吸着手段に温度制御せずに20℃から40℃の室温で水素を供給して、前記窒素酸化物吸着剤に吸着した窒素酸化物を脱離するステップとを含む窒素酸化物除去装置の運転方法。
  8. 窒素酸化物を含んだガスを装置内に導入し、白金またはパラジウムが添着された窒素酸化物吸着剤を具備し窒素酸化物吸着手段に前記ガス中の窒素酸化物を吸着させるステップと、前記窒素酸化物吸着手段が備えられた吸着塔の圧力を吸引ポンプによって低下させるステップと、前記窒素酸化物吸着手段に温度制御せずに20℃から40℃の室温で水素を供給して、前記窒素酸化物吸着剤に吸着した窒素酸化物を脱離するステップとを含む窒素酸化物除去装置の運転方法。
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