JP2009269371A - アーム型ラッチレバー付インクカートリッジ - Google Patents

アーム型ラッチレバー付インクカートリッジ Download PDF

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哲也 田口
Kunio Kaji
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Abstract

【課題】インクカートリッジを記録装置のホルダに安定的に収容し且つインクカートリッジに形成された情報記録装置の接点と記録装置のホルダに形成されたコネクタとを確実に接触させることができるインクカートリッジを提供することである。
【解決手段】上面3a、底面3b、前面3c、後面3d及びこれらをつなぐ1対の側面3e及び3fが主要面として構成された容器であって、後面3dに第1係止部材9及び第2係止部材10と、記録装置のホルダ100に備えられたコネクタ103と接続する情報記憶媒体の接点8と、第1係止部材9を前記ホルダ100に備えられたホルダ第1係止部材101と係止し、接点8が底面3bと前面3cとの稜部を含む前記前面3cに配置され、係止部材9の先端部近傍に前記ホルダ第2係止部材104と係止するラッチ爪10cが形成されていることを特徴とするインクカートリッジ1。
【選択図】図2

Description

本発明は、インクカートリッジを記録装置のホルダに安定的に収容し且つインクカートリッジに備えられる情報記憶媒体の接点と記録装置のインクカートリッジを収容するホルダに備えられたコネクタとを確実に接触できる第2係止部材を備えたインクカートリッジに関する。
インクジェット記録ヘッドを備えた記録装置のホルダに着脱可能にインクカートリッジを搭載した記録装置においては、印刷時のホルダの移動によるインクカートリッジのホルダからの抜け出しの防止及びインクカートリッジに備えられた情報記憶媒体の接点と記録装置のインクカートリッジを収容するホルダに備えられたコネクタとの確実な接触が必須であるとともに、外部操作により記録装置とインクカートリッジとの着脱を容易に行えるような係止機構が備えられている。
このような係止機構は、特許文献1において、インクジェット記録装置の走査キャリッジに搭載されたホルダに備えられたコネクタと、インク収納容器の底面と正面の稜部に形成された傾斜面に配置された接点とを、インク収納容器の回転動作を利用して接続させるための第2係合部6,306を備えた支持部材3、303を設けたインク収納容器に関して開示されている。該文献の図3及び図4には、正面下方に形成されて上方に湾曲して伸びる支持部材3突部が、図12には正面と上面の稜部に形成されて下方に湾曲して伸びる支持部材303突部が開示されている。
特許文献2には、特許文献1の支持部材をラッチレバーとして開示している。即ち、インクジェット用のインクタンクにおいて、インクタンクの使用状態で底となる部分に配されたインクを供給するためのインク供給口と、前記インクタンクの一側面の一部に設けられた、前記ホルダに形成された第1係止部と係合する第1係合部と、前記第1係合部が設けられた側面に対する他側面に対して弾性的に設けられた、前記ホルダに形成された第2係止部に係合する第2係合部を備えたラッチレバーと、を備えたことを特徴とするインクタンクが開示されている。また、特許文献2の〔0108〕には、「インクタンク30の他端側(ラッチレバー32aが設けられている側)の底壁をモノカラーホルダ60の開口に向けて付勢する付勢手段として、
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に示すようなポップアップバネ68を設け、そのバネ力を利用して、インクタンク30のラッチレバー32a側の端部を持ち上げてもよい。」と記載されている。
特許第4058436号公報 特許第2801149号公報
しかし、上記特許文献1の図4に見られるように、係止部材は記録装置への装着時に、図4bのようにインクカートリッジの内側へ、脱着時には図4cのように外側に屈曲し、その応力が係止部材の基部(壁との溶着部)にかかり、曲げ応力に弱い材料の場合は折損してしまうことがあった。その対策として、部材の厚みを厚くしたり剛性の大きい材料を使ったりした場合には、係止部材の反発力が強過ぎることによって、キャリッジとインク収納容器との間に拡開する方向の力がかかり、走査キャリッジに搭載されたホルダに備えられたコネクタとインク収納容器の底面と正面の稜部に形成された傾斜面に配置された接点とが接触不良を起こす可能性があった。図12のように突部が上方から下方に湾曲して伸びる場合も係止部材の付け根で折損したり、またキャリッジとインク収納容器との間に拡開する方向の力がかかる点で上記と同様である。
また、特許文献2の(0100)段には、「抜け止め爪32dとは反対側の外壁である他端面に、下端部を弾性的に支持されたラッチレバー32aが一体的に設けられている。ラッチレバー32aは、インクタンク30の外側上方に向かって傾斜し、……インクタンク30がモノカラーホルダ60に装着された状態では、ラッチレバーガイド溝60hに押圧されて
1210555815468_1
に示した矢印C方向にたわみ、ラッチレバー32aに形成されたラッチ爪32eが、ラッチレバーガイド溝60hに形成されたラッチ爪係合穴60jに係合される。」と記載されている。即ち、図23のように本インクカートリッジの記録装置への装着時あるいは脱着時には、ラッチレバーに応力がかかった状態であり、これを繰り返すことによって、ラッチレバーの基部(ラッチレバーと側壁との溶着部:以下同様)の折損の可能性があること及びカラーホルダ160とカラーインクタンク140のラッチレバーが形成された壁との間にラッチレバーのたわみ応力による拡開方向の力が働くことは上記文献1と同様である。更に特許文献2の(0108)段の記載から、インクタンクの装着状態においてはラッチ爪32eにポップアップバネ68の下方からの押圧力がかかり、その押圧力がラッチレバー32aの基部に集中してラッチレバー基部の折損の要因になること及び該インクタンク底壁とホルダーとの間にポップアップバネによる拡開方向の力が働くことになり、コネクタを備えたホルダとインク収納容器の底面と正面の稜部に形成された傾斜面に配置された接点を有するインクカートリッジの場合は、接点とコネクタとが接触不良を起こす可能性がある。
別の観点から検討すると、特許文献1のラッチレバーの構成は、成形品の精度に左右されるため、特許文献2のようにヘッドのインク供給管にインクカートリッジの供給部を当接せしめる程度は出来ても、特許文献1の場合のように複数の電気的接続を行う場合は、接点の製造精度がばらついたりするとコネクタを備えたホルダに対して、接点とコネクタとが接触不良を起こす場合が見られた。
本発明の主たる課題は、インクカートリッジ自体に新たな位置決め能力をもたらすことで、インクカートリッジを記録装置のホルダに安定的に収容し且つインクカートリッジを記録装置のホルダに装着するに際して、インクカートリッジに形成された情報記録装置の接点と記録装置のホルダに形成されたコネクタとを確実に接触させることができるアーム型ラッチレバー付(もしくは取り付け可能)インクカートリッジを提供することである。本発明の別の課題は、主たる課題に加えて、強度や弾性力あるいは押圧力をより効果的に実用化するための構造などを備えた新しきインクカートリッジを提供することである。また、さらに本発明の更なる課題は、ラッチレバーの強度を向上できる構成であり、その強度をさらに向上できる部分を備えた新しいインクカートリッジを提供することである。
本発明は、前記課題を達成するために発明されたもので、記録装置のホルダの係止部に係止するために概ね箱型のインクカートリッジの前面に設けられているラッチ構造体の係合部材を前面とは異なる面に支持させることで、片持ち梁状態のアームレバーの支持部からラッチ部までの距離を稼ぎ、その作用力を向上させ、あるいは、弾性力を向上させることが出来るという本発明者らの研究結果に基づいて完成したものである。具体的な例示構成は、インクカートリッジの情報記憶媒体の接点が配置される載置面に対して、その載置面を載置面に対応するホルダ側へ押圧せしめ、インクカートリッジを記録装置のホルダに安定的に収容し且つ上記情報記憶媒体の接点と記録装置のホルダに形成されたコネクタとが接触不良を発生しないことを特徴とするインクカートリッジである。そして、本発明の技術的特徴は、次のとおりである。
(1)上面、底面、前面、後面及びこれらをつなぐ1対の側面が主要面として構成された概ね箱型の容器であって、前記底面に位置するインク供給口と、前記後面側に位置する第1係止部材と、前記前面側に位置する第2係止部材と、前記底面と前記前面との稜部領域であって記録装置のホルダに備えられたコネクタと電気的に接続する接点を備える情報記憶媒体を載置するための載置面とを備え、前記第1係止部材を前記ホルダに備えられたホルダ第1係合部と係止し、前記第2係止部材を前記ホルダに備えられたホルダ第2係合部と係止して前記ホルダに装着され、前記情報記憶媒体の接点が前記コネクタと接続されるインクカートリッジにおいて、
前記第2係止部材が前記前面、及び前記底面とは異なる面に位置し片持ち支持する支持部および前記支持部から少なくとも前記上面の一部と前記前面の一部のそれぞれに沿って延在するアーム部を有していることを特徴とするインクカートリッジ。
(2)前記載置面が傾斜面であり、前記情報記憶媒体を載置していることを特徴とする上記(1)に記載のインクカートリッジ。
(3)前記第2係止部材は、ラッチ爪を外向きに備えていることを特徴とする上記(1)または(2)に記載のインクカートリッジ。
(4)前記第2係止部材のアーム部は、前記後面と前記上面との稜部近傍で屈曲し、更に前記前面と前記上面との稜部近傍で屈曲して形成されていることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
(5)前記上面は前記第2係止部材のアーム部が当接作用する突部を有することを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
(6)前記突部は、前記上面からの高さが0.2mm〜10mmであり、前記アーム部は、前記上面から離間していることを特徴とする上記(5)に記載のインクカートリッジ。
(7)前記上面と前記上面に延在する前記第2係止部材のアーム部との間隔が、前面近傍の方が後面近傍よりも大きいことを特徴とする上記(1)乃至(6)のいずれかに記載のインクカートリッジ。
(8)前記第2係止部材は、前記前面側に戻り防止突起を有し、前記箱型容器は、前記前面の前記戻り防止突起よりも上方に位置し、前記戻り防止突起の前記上面側への移動を阻止するする移動阻止部材を備えていることを特徴とする上記(1)乃至(7)のいずれかに記載のインクカートリッジ。
(9)前記第2係止部材は、前記インクカートリッジの着脱のための略直方体面状の操作部を備えていることを特徴とする上記(1)乃至(8)のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。










本発明請求項1によれば、前記コネクタと電気的に接続する接点を備える情報記憶媒体を載置するための載置面に対して、確実な作用力を与えることができるので、記録装置のホルダに安定的に収容できるインクカートリッジが提供され、特に前記載置面に電気的に接続する接点を備える情報記憶媒体を載置した場合は、この電気的接続を確実なものと出来るので、装着不良の無いインクカートリッジを提供できる。
また請求項2によれば、載置面が傾斜面であって且つ該傾斜面に記録装置のホルダに備えられたコネクタと電気的に接続する接点を備える情報記憶媒体を載置することによって
コネクタと情報記憶媒体との接触不良を改善できるインクカートリッジが提供される。
また請求項3によれば、ラッチ爪を外向きに備えていることによって、記録装置のホルダーをラッチ爪の外側に配置できるので嵩張らずコンパクトに包装することができ、取り扱いやすいインクカートリッジが提供される。
また請求項4によれば、第2係止部材のアーム部が、前記後面と前記上面との稜部近傍で屈曲し、更に前記前面と前記上面との稜部近傍で屈曲して形成されることによって、概ね箱型の容器壁面に近接して形成され、第2係止部材を含むインクカートリッジ全体が概ね箱型に形成でき、また外部から該アームに不用意な押圧力が加わり、該アームが容器壁面側に湾曲しても該アームが容器壁面に当接して支持され、該アームの折損を避けることができるインクカートリッジが提供される。
また請求項5によれば、インクカートリッジ上面に第2係止部材のアーム部が当接する突部を有することによって、インクカートリッジが記録装置のホルダに装着されたとき、上面側アームが湾曲し該アームの該突部への当接部位が支点となって該アームにホルダ第2係止部を引きあげる板バネ的な力が生じ、傾斜面におけるコネクタと情報記録媒体の接点との接触をより確実にすることができるインクカートリッジが提供される。
また請求項6によれば、インクカートリッジ上面に形成された第2係止部材のアーム部が当接する突部の高さを0.2mm〜10mmの範囲に設定することによって、傾斜面におけるコネクタと情報記録媒体の接点とが接触する力を適切な範囲に調節できるインクカートリッジが提供される。
また請求項7によれば、前記上面と前記上面に延在する前記第2係止部材のアーム部との間隔が、前面近傍の方を後面近傍よりも大きくすることによって、傾斜面におけるコネクタと情報記録媒体の接点の横方向の接触をより確実にすることができるインクカートリッジが提供される。
また請求項8によれば、第2係止部材のアーム部の前面側の上部に戻り防止突起が備えられ、前記前面に前記戻り防止突起の上面側への移動を阻止する移動阻止部材が備えられていることによって、後面、上面、前面に長く延在する該アームが、該アームの先端部に不用意に加えられる下方からの外力によっても容易に折損することが無く、記録装置のホルダに安定的に収容できるインクカートリッジが提供される。
また請求項9によれば、前記操作部が略直方体状に形成されていることによって、強度が向上できると共に該操作部に指の接圧がかかり易く着脱操作が容易に行うことのできるインクカートリッジが提供される。


本発明のインクカートリッジの1実施形態について図面を参照して説明するが、本発
明はこの事例に限られるものではない。
本発明のインクカートリッジ1は上面3a、底面3b、前面3c、後面3d及びそれらをつなぐ1対の側面3e及び3fからなる概ね箱型の容器であり、容器内部にはインクが収納される。上面3aには大気を導入する大気孔4及び大気孔4を密封する大気孔ゴム栓30とインク充填孔5及びインク充填孔を密封するゴム栓31、底面3bには記録装置(不図示、以下同じ)へインクを供給するインク供給口6が形成されシール材7が装填されている。底面3bと前面3cの稜部領域は本例では、傾斜面3gとして形成されている。この傾斜面3gには記録装置のホルダ100に備えられたコネクタと接続する複数の接点8を備えた情報記憶媒体が配置されている。後面3dの上部には本インクカートリッジ1を記録装置のホルダ100に係止固定するための、弾性復帰可能な剛性を有する第2係止部材10が形成されている。ここで、稜部領域とは、斜面でなくて前面あるいは底面あるいは、側面のいずれでも良いが、底面3bと前面3cの稜部近傍をいう。

第2係止部材10は、図2に示す位置関係を満足し、図に示したように、後面に第2係止部材の支持部10aを、上面側には上面側アーム部10bを、前面側にはラッチ爪10cとその上方に操作部10dとさらにこれらの上方に戻り防止突起10eが前面側アーム部10fに設けられていて、図に示されるように、これらは箱型容器の外形に沿って一部の接触を除いては小型容器から離間している。ここで、2つの屈曲部を、後面側屈曲部10g、前面側屈曲部10hとする。従って、この第2係止部材10は後面の上部10aに基点(本発明の支持部の一例)と、後面3dの一部から上面3aの全体及び前面3cの一部に沿って延在するアーム部を有し、その先端は前面3cの下部の傾斜面3gより手前で且つホルダ第2係止部104と係合できる位置まで伸びている構成をもつ。このホルダ第2係止部104は本例では突起であるが周知の開口や凹部でも良く、上記第2係止部材の係止は周知のラッチ爪としたが、ホルダ第2係止部104の構成に対応して、係合できるものであればどのような構成でも良い。尚、後面3dの下方にはホルダに形成されたホルダ第1係止部材101と係合する第1係止部材9が設けられている。このホルダ第1係止部101は本例では突起であるが周知の開口や凹部でも良く、上記第1係止部材は周知の突起としたが、ホルダ第1係止部101の構成に対応して、係合できるものであればどのような構成(たとえば後面に位置する第2係止部材の支持部10aを上面の中央部分に移動し、この第2係止部材の逆の構成にするか、特許文献1,2のラッチレバー構成そのもの等)でも良く、前記アーム部を下方まで延長して、ここに設けても良い。
さらに、上壁3aの中央部には上面アーム部10bを下方から支持する突部11が、前面10cの上方には移動阻止部材13が、第2係止部材10の先端部近傍には記録装置のホルダ第2係止部材104と係合する外向き(箱型容器から見て)のラッチ爪10cが、第2係止部材10のラッチ爪10c近傍の上部には本インクカートリッジ1の着脱のための操作部材10dが強度を高めることと操作面を確保するために前面略直方体状の形状に形成されている。ここで、突起11は箱型容器の上面に設けたが、上面アーム部自体が持っていても良く、これら両者がそれぞれ持っていても良い。無論突起形状でなく、厚みを変化させた滑らかな形状でも良い。
インクカートリッジ1を記録装置のホルダ100に挿入する手順は、まず第1係止部材9をホルダ第1係止部材101に係止させ、続いて上面側アーム部10bの前面3c側を下方へ押し込み、情報記憶媒体の接点8とホルダ100のコネクタ103を接触させた状態でラッチ爪10cとホルダ第2係止部材104を係止させる。
記録装置での走査時のインクカートリッジ1の激しい動きやインクカートリッジ装着時における正常位置からのわずかな傾きやずれなどによって、コネクタ104と情報記憶媒体8の接点との接続は、接触不良となることがある。この振動があっても本実施例においては、上記アーム部の構成があるので、情報記憶媒体の接点8は傾斜面3gに配置することによって、接点8は縦及び横の両方向からコネクタ103に対して押圧力を受けることが可能となり、コネクタ103と情報記憶媒体の接点8との接続がより一層確実となる。情報記憶媒体の接点8を前面3cに配置した場合は、横方向からの押圧力を受けるが、本実施例においては、上記アーム部の構成があるので、縦方向の移動をより確実に阻止できる。従って、本発明の上記載置面としては、縦及び横の両方向からの押圧力を受けやすくするため傾斜面が好ましく、複数の接点8を備える情報記憶媒体は傾斜面3gに配置されることが好ましい。
第2係止部材10は後面の上部10aに支持部を有し後面3dと上面3aの稜部近傍で屈曲して上面に沿って延在し、上面3aと前面3cの稜部近傍で再度屈曲し前面3cに沿って延在し、その先端は前面下部の傾斜面3gより手前で且つホルダ第2係止部材104と係合できる位置まで伸びている。第2係止部材10は、インクカートリッジの稜部で上面3a、後面3cに沿って屈曲することによって、概ね箱型のインクカートリッジの形状を保持でき、これを製品化する際に嵩張らない簡潔な包装形態に仕上げることができるので好ましい。
前面の頂部近傍には移動阻止部材13が容器の全幅に渡って板状突起として形成されている。この移動阻止部材13は容器の幅の少なくとも中央に存在することが好ましいが、後述する戻り防止突起10eの構成次第ではあるが、全幅でなくともよい。また前面アーム部10fの前面10c側の上部には、戻り防止突起10eが移動阻止部材13より下方に位置するように形成されている。このように形成することによって、インクカートリッジの脱着に際し、ホルダ第2係止係止部材104とラッチ爪10cの係止を外すと、前面アーム部10fは上面アーム部10bの板バネ的な復元力によって上方に引き上げられるが、移動阻止部材13に戻り防止爪10cが係合されて、上面アーム部10bと上面3aとは、それ以上離れることはなく、第2係止部材10を摘んでインクカートリッジ1全体をホルダ100から引き出すことができるという効果がある。同時に、これらの構成によって、過度の負荷が上向きにかかってもこれらの係合関係は外れることが無いので、ラッチ爪が損傷することが無い。本実施例の場合、移動阻止部材13が容器の全幅に渡って板状突起として形成されているので、第2係止部材10(後面の上部10aに基点(本発明の支持部の一例)と、後面3dの一部から上面3aの全体及び前面3cの一部に沿って延在するアーム部を有し、その先端は前面3cの下部の傾斜面3gより手前で且つホルダ第2係止部104と係合できる位置まで伸びている構成をもつ)は、側面からスライドして装着される部材であることが好ましい。
上壁3aには第2係止部材10を下方で支持する突部11が形成されている。インクカートリッジ1は記録装置のホルダへ装着時に第2係止部材10の上面側アーム部10bを下方に押しながら装着される。その際、突部11の頂部を支点として、上面側アーム部10bの前面側は下方への押圧力を受け、図3に示すように側面側アーム部10fが下方へ移動して、ラッチ爪10cがホルダの第2係止部材104に係止される。インクカートリッジ1の着脱時において、突部11の位置は、後面3d側に近づくほど上面側アーム部10の縦方向に移動する部分が長くなるために、ラッチ爪10cとホルダ第2係止部材104との係止力(弾性復帰力)は小さくなり、また前面側アーム部10fの横方向への移動距離は小さくなる。逆に突部11の位置が前面3c側に近づくほど上面側アーム部10の縦方向に移動する部分が短くなるために、ラッチ爪10cとホルダ第2係止部材104との係止力(弾性復帰力)は大きくなり、また前面側アーム部10fの前面側への移動距離は大きくなる。突部11の上面3b上の位置はどこであってもよく、また突部11は複数あってもよい。支持部の位置や数は上述を考慮して決定する設計事項である。
また突部11は無くてもよい。突部11がない場合は、インクカートリッジ1がホルダ100に装着された状態においては上面アーム部10bとインクカートリッジ1の移動阻止部材13の上部とが接触しその接触部が突部の役割を果たすが、設計段階で突部の位置を調整することが好ましいので、突部11を設けることが好ましい。
本インクカートリッジ1を記録装置のホルダ100へ装着した状態において、記録装置のホルダ100のホルダ第2係止部材側にインクカートリッジ1の前面3c側の底面3bを押し上げるようにポップアップバネが設けられている場合には、このポップアップバネによる下方からの押圧力を、ラッチ爪10cから上面アーム部10bおよび支持部10aに伝達され第2係止部材全体に分散されて受けることになり、ポップアップバネによる応力が一点に集中しないため第2係止部材の折損などの不具合が起こり難く、それによって安定的にインクカートリッジ1をホルダ100に保持できる。
剛性を有する材料(プラスチックや板材金属でも良い)からなる上面アーム部10bは板バネ的な性質を有する。図3に示すように、インクカートリッジ1が記録装置のホルダ100に装着されラッチ爪10cとホルダ第2係止部材104が係止された状態において、上面アーム部10bの板バネ的な性質により、ラッチ爪10cには上向き(図3のA)の係止力(弾性復帰力)が作用している。そのため、傾斜面3gにおいてホルダ100のコネクタ104には接点8に対して上向きの押圧力が働くことになる。
突部11の高さhは、高いほど前面アーム部10fの上下の移動距離が長くなるのでラッチ爪10cとホルダ第2係止部材104を係止させ易いが、上面アーム部10bが上壁3aから離れるので、第2係止部材10がインクカートリッジに固定し難くなる。また、高さhが低いほど前面アーム部10fの上下の移動距離が短くなるのでラッチ爪10cとホルダ第2係止部材104を係止できる範囲が狭くなり操作し難くなるが、上面アーム部10bが上壁3aと近接しているので、第2係止部材10はインクカートリッジに固定し易い。従って、高さhは0.2mm〜10mmであるが、より好ましくは1〜5mmである。
図4は、ホルダに装着前において上面側アーム部10bが、前面側の方が後面側より高い場合の、上面アーム部10bと前面アーム部10cの装着前後の状態を示している。装着前が図4の(10b−10e)であり装着後が(10b’―10e’)である。突部11は後面近傍に形成されており、図4のO点は突部11の位置を示す。係止前後における第2係止部材10の移動距離は、下方にL4、左方にL3である。第2係止部材は弾性復帰力のある部材なので、係止後(10b’―10e’)の状態においては上方にL4、右方にL3の力が働いている。即ち、傾斜面3gにおける接点8とコネクタ103は、第2係止部材によって、少なくとも上方にL4、右方にL3の力で押圧される。ホルダに装着前において上面側アーム部10bが上面3aと平行の状態にある場合、装着前後において図4の(10b’―10e’)から(10b’’―10e’’)に移動する。即ち、係止前後における第2係止部材の移動距離は、下方にL4、右方にL3であって、第2係止部材は係止後(10b’’―10e’’)の状態においては第2係止部材の弾性復帰力によって上方(接点8とコネクタの接触圧を強める方向)にL4、左方(接点8とコネクタの接触圧を弱める方向)にL3の力が働く。従って、本インクカートリッジ1においては、上面アーム部10bと上面3aとの間隔が、前面3a近傍の方が後面3d近傍よりも大きいことが好ましい。
前面アーム部10fのラッチ爪10cの上方にインクカートリッジの着脱のための操作部10dが形成されている。操作部10dは、前面アーム部10fの外側向きに形成された面状体であって、外側へ突起した直方体形状の方が指で操作し易いので好ましい。
第2係止部材基部10aにおいて、第2係止部材10と後面10dとが、インクカートリッジ1から取り外し可能に勘合して形成されている。本インクカートリッジ1を製品として包装する際、第2係止部材10をインクカートリッジ1から分離することによって、より自由な形状に包装できるという利点がある。
(その他の実施例)
上記本発明の最良の形態を用いながら、本発明の他の実施形態について説明する。本発明のアーム部を備えた第2係止部材は、インクカートリッジである箱型容器と別体にした装着部材とすることで、装着部にわずかな「ずれ」を発生させることができる。これは「カートリッジと一体成形したラッチレバーの付け根に集中して折れ曲がりを引き起こす応力」を分散或は拡散出来るので、好ましいものである。
図5及び図6に示すインクカートリッジ1aは本発明の他の実施形態によるインクカートリッジである。この実施例は、本発明のアーム部を備えた第2係止部材の支持部が、箱型容器の側面にした部分と、これを達成するためのアーム部の構成を開示したものである。図5でわかるように、上記第2係止部材10は、上面3a近傍の一対の側面3e及び3fの夫々に凹部として形成された支持部10aと、上面に沿っていると共に側面3e及び3fに沿って水平に伸び前面3c側で一体化する上面側アーム部10bと、前面3cに沿って下方に屈曲する前面側アーム部10fと、前面側アーム部10fの先端に形成され記録装置のホルダと係止するラッチ爪10cと、ラッチ爪10cの上方に形成された操作部10dとを備え、上記移動阻止部材としてはアームの水平部分を移動阻止部材10eとして備えている。この実施例は、箱型容器の上面に対しては、係合しない構成であるので、箱型容器の側面に上面側アーム10bの下方への移動を阻止する下方阻止部材32を上記突部(上面に設けたもの)の機能を持つもので、上記押圧力を得るために上記アーム部の変形をもたらすものである。無論上面に沿うと共に上面を覆うカバー部分をこの第2係止部材に付加した構成も本発明の実施例になることは言うまでも無い。他の部分変更した構成は、本発明の技術的範囲内の変更であれば可能であり、本発明に含まれるものである。

本発明のインクカートリッジ1の斜視図である。 本発明のインクカートリッジ1の側面透視図である。 本発明のインクカートリッジをホルダに装着した状態の側面透視図である。 本発明のインクカートリッジの第2係止部材の上面側アーム部と前面側ア−ム部10fの装着前後における移動状態の一例を示す模式図である。 本発明のインクカートリッジ1aの側面透視図である。 本発明のインクカートリッジ1aの平面図である。
符号の説明
1 インクカートリッジ
2 インク室
3a 上面
3b 底面
3c 前面
3d 後面
3g 傾斜面、載置面
4 大気孔
5 インク充填孔
6 インク供給口
7 シール部材
8、22 接点
9、23 第1係止部材
10 第2係止部材
10a 支持部
10b、10b’、10b’’ 上面側アーム部
10c ラッチ爪
10d 操作部
10e、10e’、10e’’ 戻り防止突起
10f 前面側アーム部
10g 後面屈曲部
10h 前面屈曲部
11 突部
12 貫通孔
13 移動阻止部材
30 大気孔ゴム栓
31 インク充填孔ゴム栓
32 下方阻止部材


100 ホルダ
101 ホルダ第1係止部材
102 インク導入口
103 コネクタ
104 ホルダ第2係止部材
h 突部11の高さ
L1 前面と前面アーム部との距離
L2 ホルダ装着後の前面と前面アーム部との距離
L3 横方向アーム部移動距離
L4 縦方向アーム部移動距離

Claims (9)

  1. 上面、底面、前面、後面及びこれらをつなぐ1対の側面が主要面として構成された概ね箱型の容器であって、前記底面に位置するインク供給口と、前記後面側に位置する第1係止部材と、前記前面側に位置する第2係止部材と、前記底面と前記前面との稜部領域であって記録装置のホルダに備えられたコネクタと電気的に接続する接点を備える情報記憶媒体を載置するための載置面とを備え、前記第1係止部材を前記ホルダに備えられたホルダ第1係合部と係止し、前記第2係止部材を前記ホルダに備えられたホルダ第2係合部と係止して前記ホルダに装着され、前記情報記憶媒体の接点が前記コネクタと接続されるインクカートリッジにおいて、
    前記第2係止部材が前記前面、及び前記底面とは異なる面に位置し片持ち支持する支持部および前記支持部から少なくとも前記上面の一部と前記前面の一部のそれぞれに沿って延在するアーム部を有していることを特徴とするインクカートリッジ。
  2. 前記載置面が傾斜面であり、前記情報記憶媒体を載置していることを特徴とする請求項1に記載のインクカートリッジ。
  3. 前記第2係止部材は、ラッチ爪を外向きに備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクカートリッジ。
  4. 前記第2係止部材のアーム部は、前記後面と前記上面との稜部近傍で屈曲し、更に前記前面と前記上面との稜部近傍で屈曲して形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
  5. 前記上面は前記第2係止部材のアーム部が当接作用する突部を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクカートリッジ。
  6. 前記突部は、前記上面からの高さが0.2mm〜10mmであり、前記アーム部は、前記上面から離間していることを特徴とする請求項5に記載のインクカートリッジ。

  7. 前記上面と前記上面に延在する前記第2係止部材のアーム部との間隔が、前面近傍の方が後面近傍よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクカートリッジ。
  8. 前記第2係止部材は、前記前面側に戻り防止突起を有し、前記箱型容器は、前記前面の前記戻り防止突起よりも上方に位置し、前記戻り防止突起の前記上面側への移動を阻止する移動阻止部材を備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のインクカートリッジ。
  9. 前記第2係止部材は、上面側に、前記インクカートリッジの着脱のための略直方体状の操作部を備えていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインクカートリッジ
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