JP2009269207A - 廃液回収体 - Google Patents

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Abstract

【課題】廃液を排出する装置に対して着脱交換が可能であると共に、装着時には容易に正確な装着状態にして装着することができる廃液回収体を提供する。
【解決手段】廃インクを排出する排出部97を備えたプリンタに着脱可能とされ、その装着状態において排出部から排出された廃インクを受容可能な廃インクタンク27であって、廃インクを吸収可能なインク吸収材45と、該インク吸収材45を収容スペース47に収容した状態でプリンタに対する着脱時に排出部97を挿抜可能とさせる接続口57とを備え、インク吸収材45には、接続口57に排出部97が挿抜された場合に該排出部97を予め設定した方向にガイドするガイド部として機能する切込み溝62を設けた。
【選択図】図4

Description

本発明は、廃液を排出する排出部を備えた装置に着脱可能とされ、該装置に対する装着状態において前記排出部から排出された廃液を受容可能な廃液回収体に関する。
従来、液体噴射ヘッドに形成されたノズル開口からターゲットに液体を噴射する液体噴射装置として、例えば、インクジェット式プリンタ(以下、単に「プリンタ」という。)が広く知られている。こうしたプリンタでは、通常、増粘したインク(液体)によるノズル開口の目詰まり抑制、及び記録ヘッド(液体噴射ヘッド)内のインク中に混入した気泡や塵埃の排出等を目的として、記録ヘッド内から増粘等したインクを廃インク(廃液)として強制的に吸引して排出する、所謂クリーニングが行われる。
そして、クリーニングにより記録ヘッド内から強制吸引された廃インクは、液体流路として機能する可撓性チューブを介してプリンタ内の所定箇所に配置された廃インクタンク(廃液回収体)に排出され、その廃インクタンク内に収容された廃インク吸収材(廃液吸収材)に吸収されるようになっている。ここで、廃インク吸収材の吸収能力には限界があり、その吸収能力が飽和した場合には、廃インクの吸収効率が低下してしまう。そこで、近時は、例えば特許文献1に記載されるように、こうしたプリンタに対して着脱交換可能とされた廃インクタンクが提案されている。
すなわち、この特許文献1に記載のプリンタには、廃インク吸収材に吸収された廃インクのインク溶媒を揮発可能とするように上方を開口した有底箱状の廃インクタンクがプリンタの内部に着脱可能に装着される。そして、記録ヘッド内から強制吸引された廃インクは吸引ポンプから下方を指向するように延設されたチューブの下流端(以下、「排出部」という。)から廃インクタンク内に排出されるようになっている。そして、廃インクタンク内に排出された廃インクは廃インク吸収材に吸収され、その廃インク吸収材の吸収能力が飽和した場合には、その廃インクタンクがプリンタから取り外されて新しい廃インクタンクと交換されるようになっている。
特開2007−130998号公報
ところで、こうした着脱交換タイプの廃インクタンクとして、プリンタ側の廃インクを排出する排出部を挿抜可能とする開口部が側壁に形成され、その開口部に対して排出部が挿抜される方向に沿って移動させられることでプリンタに着脱可能とされたものがある。そして、着脱時にはユーザが廃インクタンクの一部を把持し、その廃インクタンクを所定方向(すなわち、排出部の延びる方向)に移動させることで、排出部が開口部に対して挿抜されるようになっている。
しかしながら、一般に、廃インクタンクの装着位置は、装置の外面に設けられた着脱口から装置の内奥に入った位置に設定されているため、着脱口から差し入れた廃インクタンクを開口部に排出部が的確に挿入されるように移動させることには困難が伴う。そのため、廃インクタンクを装着する場合においては、開口部に対して排出部が予め設定された方向とは方向がずれて挿入されることにより、正確に装着できなくなるという虞があった。
本発明は、こうした事情に鑑みなされたものであり、その目的は、廃液を排出する装置に対して着脱交換が可能であると共に、装着時には容易に正確な装着状態にして装着することができる廃液回収体を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の廃液回収体は、廃液を排出する排出部を備えた装置に着脱可能とされ、該装置に対する装着状態において前記排出部から排出された廃液を受容可能な廃液回収体であって、前記廃液を吸収可能な廃液吸収材と、該廃液吸収材を内部空間に収容した状態で前記装置に対する着脱時に前記排出部を挿抜可能とさせる開口部とを備え、前記廃液吸収材には、前記開口部に前記排出部が挿抜された場合に該排出部を予め設定した方向にガイドするガイド部を設けた。
この構成によれば、廃液回収体は、その開口部に対して装置側の排出部が挿抜されるように移動させられることにより、装置に対して着脱可能とされる。そして、装着時には、開口部に排出部が挿入されると、該排出部を廃液吸収材に設けられたガイド部が予め設定された方向にガイドするので、開口部に対して排出部が適切な方向に挿入される。したがって、廃液回収体は廃液を排出する装置に対して着脱交換が可能であると共に、装着時には容易に正確な装着状態にして装着することができる。
また、本発明の廃液回収体において、前記ガイド部は、前記開口部側に向けて末広がり状をなすテーパ部を有している。
この構成によれば、排出部が開口部に挿入された段階において排出部の中心が挿抜方向と直交する方向で位置ずれしている場合でも、そうした排出部はガイド部において開口部側に位置するテーパ部により位置ずれが是正される。そのため、その後において排出部を容易に適切な方向に向けてガイドすることができる。
また、本発明の廃液回収体において、前記ガイド部は、前記開口部と対応する位置で前記排出部の挿抜方向に沿って延びるように設けられている。
この構成によれば、廃液回収体を装置に装着する際に、開口部に挿入される排出部に対してガイド部が長いガイド距離を確保できるため、排出部を的確にガイドすることができる。
また、本発明の廃液回収体において、前記ガイド部は、前記廃液吸収材に対して前記排出部の挿抜方向に沿って延びるように切り込み形成された溝又は穴により構成されている。
この構成によれば、廃液吸収材に溝又は穴を切り込み形成するという簡単な作業だけでガイド部が形成されるので、廃液回収体の製造効率を向上することができる。
また、本発明の液体噴射装置は、液体を噴射する液体噴射ヘッドと、該液体噴射ヘッドから廃液として吐出された液体を排出する排出部と、該排出部と対応する装着位置に対して着脱可能とされ、該装着位置に装着された状態において前記排出部から排出される液体を廃液として受容可能な上記構成の廃液回収体とを備えた。
この構成によれば、廃液回収体を着脱可能とした液体噴射装置において、上記した廃液回収体に係る発明と同様の作用効果を享受することができる。
(第1の実施形態)
以下、本発明を廃液回収体が着脱可能とされた廃液回収システムを備える液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンタに具体化した第1の実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。なお、以下の説明において「前後方向」、「上下方向」及び「左右方向」をいう場合は、特に説明がない限り、図1〜図3などにおいて矢印で示す「前後方向」、「上下方向」及び「左右方向」をいうものとする。
図1に示すように、本実施形態に係る液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、「プリンタ」という。)11は、平面視矩形状をなすフレーム12を備えている。フレーム12内にはプラテン13が左右方向に延設され、該プラテン13上には紙送りモータ14を有する紙送り機構により記録用紙Pが後方側から前方側に向かって給送されるようになっている。また、フレーム12内におけるプラテン13の上方には、該プラテン13の長手方向(左右方向)と平行に延びるガイド軸15が架設されている。
ガイド軸15には、キャリッジ16が、ガイド軸15の軸線方向(左右方向)に沿って往復移動可能に支持されている。また、フレーム12内の後面においてガイド軸15の両端部と対応する位置には、駆動プーリ17及び従動プーリ18が回転自在に支持されている。駆動プーリ17にはキャリッジ16を往復移動させる際の駆動源となるキャリッジモータ19が連結され、これら一対のプーリ17,18間には、キャリッジ16を固定支持したタイミングベルト20が掛装されている。従って、キャリッジ16は、キャリッジモータ19の駆動により、ガイド軸15にガイドされながらタイミングベルト20を介して左右方向に移動するようになっている。
図1に示すように、キャリッジ16の下面には液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド21が設けられている。一方、キャリッジ16上には記録ヘッド21に対して液体としてのインクを供給するための複数(本実施形態では5つ)のインクカートリッジ23が着脱可能に搭載されている。これら各インクカートリッジ23は記録ヘッド21の下面にて構成されるノズル形成面21a(図2参照)に形成された複数のノズル開口列(図示略)と個別に対応するものであり、記録ヘッド21内に形成されたインク流路(図示略)を介して対応するノズル列にインクを個別供給する構成とされている。
さらに、フレーム12内の一端部(図1では右端部)、すなわち、記録用紙Pが至らない非印刷領域には、プリンタ11の電源オフ時や記録ヘッド21をメンテナンスする場合にキャリッジ16を位置させるためのメンテナンス位置となるホームポジションHPが設けられている。そして、このホームポジションHPの下方となる位置には、記録ヘッド21からの記録用紙Pに対するインクの噴射が良好に維持されるように、各種のメンテナンス動作を行うメンテナンスユニット24が設けられている。
メンテナンスユニット24は、記録ヘッド21の下面(ノズル形成面)と対応した略矩形箱状をなすキャップ25と、キャップ25を昇降させるための昇降装置(図示略)を備えている。そして、キャリッジ16がホームポジションHPに移動した状態において昇降装置(図示略)の駆動に基づきキャップ25が上昇した場合には、記録ヘッド21の下面であるノズル形成面21aに対してキャップ25が各ノズル列を囲んだ状態で当接するようになっている。
また、図1及び図2に示すように、フレーム12内の一端部(図1では右端部)においてホームポジションHPの下方位置には、前後方向に沿った直方体状をなすハウジング部26が形成されている。ハウジング部26内には、廃液回収体としての廃インクタンク27と液体流路形成装置としてのチューブ支持機構28とを備えた廃液回収システム29を収容する収容室30が形成され、収容室30内の下部には廃インクタンク27の装着位置31が設定されている。なお、図2及び図10に示すように、収容室30内の高さ(底壁32と上壁33との間の距離)は収容室30内において廃インクタンク27の姿勢を傾けることができるように廃インクタンク27の高さよりも十分に高く設定されている。
ハウジング部26の前面側には、廃インクタンク27を収容室30内の装着位置31に着脱する際に通過させるための矩形状の着脱口34が形成されている。着脱口34には、着脱口34の上縁部両側に設けられた左右で一対の軸部35に上端部を回動自在に支持された開閉扉36が設けられている。そして、開閉扉36は、その前面に形成された摘み部36aが把持されて軸部35を中心に開閉操作されることにより、図2に実線で示した閉鎖位置と二点鎖線で示す開放位置との間で開閉動作するようになっている。
図2に示すように、ハウジング部26の収容室30内において、その底壁32の上面には、前後方向において前から後へ順に、前段面37、中段面38、及び後段面39が段差状をなすように形成されている。前段面37は、着脱口34の下縁部と同じ高さに形成され、その後端と中段面38の前端との間には前段面37よりも中段面38の方を低くする係止部としての係止段部40が左右方向に延びるように形成されている。
中段面38は、廃インクタンク27の前後方向長さよりも少し短い前後方向長さに形成され、この中段面38のほぼ全域と前段面37の後側半域とにより廃インクタンク27の装着位置31が構成されている。後段面39は、段差部41を介して中段面38よりも若干低く形成され、この後段面39上には吸引ポンプ42の駆動に伴いキャップ25内から廃インク(廃液)として強制吸引されたインクを廃インクタンク27内に排出するための可撓性チューブ43を支持したチューブ支持機構28が設置されている。
次に、廃インクタンク27とチューブ支持機構28とを備えてプリンタ11に設けられる廃液回収システム29について説明する。
まず、廃インクタンク27について説明する。
図3に示すように、廃インクタンク27は、上部が開口した有底箱状をなす合成樹脂製の容器部材44と、外形が容器部材44の開口形状に対応した形状に形成された不織布やフェルト等からなる複数枚(本実施形態では4枚)のインク吸収可能なインク吸収材(廃液吸収材)45a〜45dと、同じく外形が容器部材44の開口形状に対応した形状に形成された封止部材としてのフィルム部材46を備えている。容器部材44の内部空間は収容スペース47になっており、この収容スペース47内に各インク吸収材45a〜45dが積層状態に収容されている。そして、そのように各インク吸収材45a〜45dを収容した状態にある容器部材44の上端開口48を覆うように、容器部材44に対してフィルム部材46が貼着されることにより、容器部材44の上端開口48は封止されるようになっている。なお、図3及び図4に示すように、フィルム部材46には、その中央部よりも前端側となる一箇所に大気連通孔90が形成されている。
また、容器部材44の後側壁49及び左右各側壁50,51の各内壁面の複数箇所(後側壁49は2箇所、左右各側壁50,51は各々3箇所)には、薄板状をなすリブ52が上下方向に沿って形成されている。なお、図3には、後側壁49の一つのリブ52と右側壁51の三つのリブ52のみを図示している。そして、これらの各リブ52の位置と対応するように、各インク吸収材45a〜45dの外縁には切り込み53が形成されている。
また、容器部材44の内底面のほぼ中央となる位置には円柱状の柱54が立設され、この柱54と対応するように、各インク吸収材45のほぼ中央となる位置には柱54を嵌合可能とする嵌合孔としての円形の孔55がそれぞれ貫通形成されている。そして、各インク吸収材45a〜45dは、各切り込み53に対して各々対応するリブ52が入り込むと共に、孔55に柱54が挿入されるようにして、容器部材44の収容スペース47内に積層状態で収容されている。そして特に、各インク吸収材45a〜45dは、ほぼ中央部の孔55に嵌合された柱54に係止することにより、容器部材44内での各側壁の内壁面側への移動規制が図られている。
また、図3に示すように、容器部材44の後部左側のコーナ部には凹み部56が形成されている。その結果、後側壁49は、相対的に後方側に位置する主後側壁49aと相対的に前方側に位置する副後側壁49bに分離されると共に、左側壁50は、相対的に左側に位置する主左側壁50aと相対的に右側に位置する副左側壁50bとに分離されている。なお、凹み部56の上部には副後側壁49bと副左側壁50bとの間に平面視略三角形の板状をなす補強リブ56aが設けられている。
そして、主後側壁49aには円形状をなす開口部としての接続口57が貫通形成されると共に、副後側壁49bには断面横長円筒状の筒部58が後方に向けて突設され、その筒部58の長孔58aにより位置決め手段が構成されている。なお、筒部58は、副左側壁50bとの間が補強リブ58bにより連結されている。また、接続口57は、その内周面の径が内奥に向かうにつれて次第に小径となるように形成されており、外部から接続口57内に挿入される部材が接続口57の内周面に対して前後方向に摺接した場合には、該部材を接続口57の内奥中心に向けてガイドする機能を有している。また、主後側壁49aにおいて接続口57の周りには接続口57を囲繞するように環状をなすシール部91が膨出形成されており、シール部91の端面は主後側壁49aと平行な平滑平面状をなすように形成されている。
また、副左側壁50bの外面には、廃インクタンク27の容量等に関する各種の情報を記憶した回路基板(図示略)の接続端子(回収体側接続端子)59が取着されている。この接続端子59は、図2に示すように廃インクタンク27がプリンタ11の装着位置31に装着された場合には、その平面状をなす接触面59aが、図6(a)において二点鎖線で示すように、プリンタ11側のチューブ支持機構28に設けられた接続端子(装置側接続端子)87(図7〜図9参照)の接触面に対して面接触するようになっている。そして、そのように両接続端子59,87が適切な接続状態となることにより、廃インクタンク27側の回路基板とプリンタ11側の制御装置(図示略)との間で、廃インクに関する各種の情報(例えば、廃インクタンク27の使用開始日、クリーニングの実行回数、廃インクの排出量積算値等に関する情報)が授受されるようにしている。
また、図3,図5及び図6(a)に示すように、接続端子59は、廃インクタンク27において、接続口57と同じ主後側壁49aにではなく、これと直角に交わる副左側壁50bに、上下方向では接続口57及び筒部58(長孔58a)よりも下方となる位置に設けられている。すなわち、接続端子59は、有底箱状をなす容器部材44において、応力が加わった場合に変形しやすい上端開口48に近い上方側の位置ではなく、底部に近いために比較的剛性が高くて変形しにくい下方側の位置であって、且つ、接続口57の直下位置とはならない位置に設けられている。
そして、図6(a)に示すように、接続端子59は、主後側壁49aを正面にして見た場合に、その接触面59aが接続口57の中心57aから左斜め下方となる放射方向に向けて延びる直線Lに対して非垂直となるように、副左側壁50bの下方位置に設けられている。すなわち、接続端子59は、その接触面59aが鉛直平面に沿って且つ前後方向に沿って延びるように設けられている。また、図5に示すように、接続端子59は、廃インクタンク27において、前後方向では接続口57と筒部58(長孔58a)との間となる位置に設けられている。
さらに、容器部材44の外底面の前端よりもやや後端寄りの位置には、ハウジング部26の底壁32上に形成された係止段部40と前後方向に凹凸係合可能な係合部としての被係止段部60が左右方向に延びるように形成されている。また、図2〜図5に示すように、容器部材44における前端下部の左端位置からは、直方体状をなす凸部92が前方に向けて突設されている。その一方、プリンタ11における収容室30の着脱口34に開閉自在に設けられた開閉扉36の後面側には、この凸部92に対応する部材構成として、変位規制部としての突起部93が形成されている。そして、この突起部93は、収容室30内の装着位置31に廃インクタンク27が装着された場合において、開閉扉36が閉鎖位置になった際には、その廃インクタンク27の凸部92に対して僅かなクリアランスを介して上方に位置する規制位置状態となる一方、開閉扉36が開放位置になった際には、規制位置から離間した非規制位置状態となるようになっている。
また、図5に示すように、容器部材44の前端上部からは、この廃インクタンク27をユーザが着脱時に把持する部位となる把持部94が先端部を下方に屈曲させた断面L字状をなすように形成されている。すなわち、この把持部94は、容器部材44における前面の上下方向中途から下側部分が容器部材44の内側(この場合、後側)へ抉るように凹み形成されることにより、ユーザの手の指先で掴みやすい形状に形成されている。そして、その凹み部分の左右両側のうち左側に前述した凸部92が形成されている。
また、図3に示すように、各インク吸収材45a〜45dは、最下層の第1インク吸収材45aと最上層の第4インク吸収材45dが同じ厚さの同一形態に形成されると共に、下から2番目の第2インク吸収材45bと下から3番目の第3インク吸収材45cが同じ厚さとなるように形成されている。そして、第2インク吸収材45bと第3インク吸収材45cには各々における中央よりもやや後方寄りの各位置に正方形状をなす貫通孔61が形成されると共に、第3インク吸収材45cには後端縁から貫通孔61に向けて所定幅の接触部及びガイド部としての切り込み溝62が前後方向に切り込み形成されている。なお、第4インク吸収材45dと第2インク吸収材45bには、第3インク吸収材45cの切り込み溝62と対応する位置に切り込み溝が形成されていない。そして、これらの第4インク吸収材45dと第2インク吸収材45bは、容器部材44内の収容スペース47に第3インク吸収材45cを上下両側から挟む積層状態となって収容された場合に、第3インク吸収材45cの切り込み溝62を上下両側から塞ぐようになっている。
図4に示すように、この切り込み溝62は、その後端部の溝幅が、容器部材44の後側壁49の内壁面に接続口57を左右両側から挟むように形成された一対のリブ52の配置間隔に対応した幅広の溝幅に設定される一方、貫通孔61側となる前端側の溝幅は後端部の溝幅よりも幅狭となるように形成されている。そして、この幅狭の前端側溝部分と幅広の後端部の溝部分とを接続する位置に後端側へ末広がり状をなすテーパ部95が形成されている。
次に、チューブ支持機構28について説明する。
図7及び図8(a)(b)に示すように、チューブ支持機構28は、長方形状をなす左右両側壁の前端間が同じく長方形状をなす前壁で連結された平面視略コ字状の基体部63を有している。基体部63の前端下部からは矩形板状をなす水平板部64が前方に向けて延設され、その水平板部64には左右一対のねじ孔65が貫通形成されている。そして、基体部63は、水平板部64の各ねじ孔65に止めねじ66が各々螺合されることにより、ハウジング部26の底壁32における後段面39上に固着されるようになっている。
図7に示すように、基体部63の前壁には複数(本実施形態では3つ)の貫通孔67,68,69が上下方向に並ぶように形成されている。各貫通孔67〜69のうち、中央貫通孔68は、ハウジング部26の底壁32の後段面39上に基体部63が固着されたときに、収容室30内の装着位置31に装着される廃インクタンク27の接続口57と同軸の配置となる高さに形成されている。また、上側貫通孔67と下側貫通孔69の各孔の内周面の軸方向中途位置には内向きのフランジ部70(図8(a)(b)参照)が各々形成されている。さらに、基体部63における前壁の上端部略中央部には、可撓性チューブ43を挟み込み支持可能な略U字状をなすチューブ止め部71が形成されている。
また、図7及び図8(a)(b)に示すように、基体部63の前面側には可撓性チューブ43を直線状に支持するための支持部材72が組み付けられる。支持部材72は、廃インクタンク27の接続口57に対して挿抜可能な筒状体73を主体として形成された前後方向に所定長さの剛性を有する樹脂成型品であって、その筒状体73の軸方向中途位置よりも少し後側(基端側)寄りの位置には、矩形板状の鍔部74が一体形成されている。そして、支持部材72において、筒状体73の鍔部74よりも後側に突出するように形成された基端側筒状部(第2支持部)75は、その外径が基体部63の中央貫通孔68の口径よりも小さく、且つその内径が可撓性チューブ43を挿通可能な径となるように形成されている。
一方、支持部材72において、鍔部74の前面側には、廃インクタンク27のシール部91の外径よりも若干大きな直径の円形台座部96が筒状体73と同軸配置となるように膨出形成されている。そして、支持部材72において、筒状体73の鍔部74の円形台座部96よりも前側に突出するように形成された筒状部分は、廃インクタンク27が装着位置31に装着された場合に、廃インクタンク27内に廃インクを排出するために、接続口57内に可撓性チューブ43の下流端側を支持した状態で挿入される排出部97とされている。
この排出部97のうち、円形台座部96に連なる基端側部分は、廃インクタンク27の接続口57の内奥部の内径と外径が同一の嵌合筒部98とされている。そして、この嵌合筒部98よりも前側(先端側)の第2支持部となる所定長さ部分は、廃インクタンク27内に収容された第3インク吸収材45cの切り込み溝62の左右幅寸法よりも外径寸法が若干小さく、且つその第3インク吸収材45cの後端縁から貫通孔61の略中心までの距離寸法とほぼ同じ長さ寸法に形成されている。そして、この筒状体73の排出部97における嵌合筒部98よりも先端側の所定長さ部分は、可撓性チューブ43の下流端となる先端を内嵌合するために円筒状をなす相対的に短い先端側筒状部76を除き、該先端側筒状部76から後方の嵌合筒部98に至るまでの相対的に長い筒状部分が周壁の約半分をくり抜かれた非筒状部77となるように形成されている。なお、非筒状部77の内面には筒状体73の軸方向における複数箇所(本実施形態では3箇所)で互いに対をなす挟み爪(止着部)78が対向する相手方の挟み爪78との間隔が可撓性チューブ43の外径よりも若干小さくなる配置態様で突設されている。
そして、支持部材72は、筒状体73における基端側筒状部75を基体部63の中央貫通孔68内に遊挿した状態において、その基端側筒状部75の基端側開口から挿入された可撓性チューブ43における先端(下流端)を含む先端側の所定長さ部分を先端側筒状部76及び非筒状部77により支持するようになっている。すなわち、筒状体73における先端側筒状部76は、その内径が可撓性チューブ43の外径に等しく形成されていることから、可撓性チューブ43の先端を嵌合状態で支持すると共に、非筒状部77は、可撓性チューブ43の先端から基端側に連なる部分の複数箇所(本実施形態では3箇所)を各挟み爪78により側方から挟み込むように止着する。したがって、支持部材72の筒状体73により、可撓性チューブ43における先端側の所定長さ部分は、可撓性チューブ43の先端が指向する方向に沿って延びるように支持されることになる。
そして、このように可撓性チューブ43を支持した支持部材72における筒状体73の排出部97は、図4に二点鎖線で示すように、廃インクタンク27の接続口57から容器部材44内に挿入された状態で、筒状体73の先端側筒状部76の先端開口76aから廃インクを第2インク吸収材45bと第3インク吸収材45cに形成された貫通孔61内に排出するようになっている。したがって、この点で、本実施形態では、可撓性チューブ43を支持する支持部材72の排出部97における先端側筒状部76の先端開口76aにより、廃インクを排出する排出口が構成されている。
そして、図4に示すように、本実施形態の場合、廃インクタンク27の接続口57から筒状体73の排出部97が容器部材44内に挿入された装着状態では、排出部97における排出口としての先端開口76aと接続口57との間の距離Xよりも、先端開口76aと大気連通孔90との間の距離Yの方が長くなるように構成されている。そして、先端開口76aから排出された廃インクはインク吸収材45a〜45dに吸収され、インク吸収材45a〜45d内を浸透・拡散した後、インク溶媒を気化させ、そのインク溶媒をフィルム部材46の大気連通孔90から外部に蒸発させるようになっている。
また、支持部材72の鍔部74の前面における左側縁には、廃インクタンク27の筒部58の長孔58aに対して挿抜自在な相手側部材としてのピン85が前方に向けて突設されている。また、同様に鍔部74の前面の左側縁においてピン85よりも下方となる位置からは矩形板状をなす垂直板部86が前方に向けて突出形成されている。そして、この垂直板部86の一側面(右側面)には、廃インクタンク27の副左側壁50bに設けられた接続端子59と対応した接続端子(装置側接続端子)87が取り付けられ、その接続端子87は、図示しないハーネスを介してプリンタ11の制御装置(図示略)に接続されている。
一方、支持部材72の鍔部74の後面において基端側筒状部75の上側と下側の2箇所からは、基体部63の上側貫通孔67及び下側貫通孔69に対して各々挿通可能に形成された上下一対の円柱部79が後方に向けて平行に突設されている。そして、上下各円柱部79は、それぞれの周面に付勢手段として機能するコイルスプリング80を貫装した状態で、基体部63の対応する上側貫通孔67及び下側貫通孔69に挿入されるようになっている。なお、この場合において、コイルスプリング80は、前端が支持部材72の鍔部74の後面に当接すると共に、後端が上側貫通孔67及び下側貫通孔69の各内周面の中途に設けられたフランジ部70に当接するようになっている。また、各円柱部79の先端面には、ねじ穴(図示略)がそれぞれ形成されている。
また、図7及び図8(a)(b)に示すように、基体部63の後面側には支持部材72を基体部63に組み付けるための組み付け板81が配置される。組み付け板81は、平面視略コ字状の基体部63における左右両側壁の間に配置された状態において前壁の後面に当接可能な矩形板状をなすように形成され、その略中央部には基体部63の中央貫通孔68と対応した貫通孔82が形成されている。また、組み付け板81における貫通孔82の上側と下側で基体部63の上側貫通孔67及び下側貫通孔69と対応する2箇所には、ねじ挿通孔83が形成されている。そして、組み付け板81は、基体部63の上側及び下側の各貫通孔67,69から後方に向けて先端部を突出させた支持部材72の各円柱部79に対して、ねじ挿通孔83に挿通させた止めねじ84により螺着されている。
そこで次に、上記のように構成された廃液回収システム29及びプリンタ11の作用について以下説明する。
まず、廃液回収システム29において廃インクタンク27に廃インクを排出するための可撓性チューブ43をチューブ支持機構28により支持して液体流路を形成する場合の液体流路形成方法について説明する。
さて、記録ヘッド21から廃インク(廃液)として吐出されたインク(液体)を廃インクタンク27に排出するための液体流路を形成する場合には、まず、チューブ支持機構28における基体部63が収容室30内の後段面39上に止めねじ66により固着される。そして、キャップ25に基端(上流端)を接続された可撓性チューブ43の先端(下流端)が、組み付け板81の貫通孔82に後方側から挿通された後、基体部63の中央貫通孔68にも後方側から挿通され、さらに、その中央貫通孔68から前方にある程度引き出される。
次に、そのように基体部63の中央貫通孔68から前方に引き出された可撓性チューブ43の先端を、基体部63に対して未だ組み付け前の支持部材72の筒状体73内に挿入する。すなわち、可撓性チューブ43の先端を筒状体73における基端側筒状部75内に挿入すると共に、その挿入した可撓性チューブ43の先端を同じく筒状体73の先端側筒状部76の手前の非筒状部77から一旦外部に引き出す。
そして、その可撓性チューブ43における先端側の所定長さ部分に対して非筒状部77の外部において把持し易い程度の弛みを持たせ、その状態で可撓性チューブ43の先端を筒状体73における先端側筒状部76に後方側(基端側)から挿入する。すると、可撓性チューブ43は、その先端が筒状体73の先端側筒状部76の先端と前後方向において位置合わせされると共に、その先端側筒状部76により安定した状態に嵌合支持される。
すると次に、可撓性チューブ43の基端側を筒状体73の基端側筒状部75から引き出す方向に引っ張り、非筒状部77の側方外部にできている可撓性チューブ43の弛み部分をなくすようにする。そして、そのように弛みのほとんどなくなった可撓性チューブ43における先端側の所定長さ部分を非筒状部77の内面に対して先端側から順次に押し付けて、互いに対向する挟み爪78間に押し込む。すると、可撓性チューブ43は、その先端側の所定長さ部分が非筒状部77に沿って略直線状に延びるように挟み爪78により止着された安定支持状態となる。
以上のようにして可撓性チューブ43が支持部材72により支持された状態になると、次には、そのように可撓性チューブ43を支持した状態の支持部材72が基体部63に組み付けられる。すなわち、その時点で可撓性チューブ43の基端側を挿通した状態にある基体部63の中央貫通孔68に筒状体73の基端側筒状部75が遊挿されると共に、基体部63の上側貫通孔67及び下側貫通孔69に対して支持部材72の鍔部74から後方に突出した各円柱部79が挿入される。なお、その際には、各円柱部79に対してコイルスプリング80が前もって貫装される。
すると、各円柱部79に貫装されているコイルスプリング80が鍔部74の後面と上側及び下側の各貫通孔67,69内のフランジ部70とに挟まれて若干収縮すると共に、各円柱部79の先端が対応する貫通孔67,69から後方に突出した状態になる。そこで、各貫通孔67,69から頭出しするように突出した各円柱部79の先端に組み付け板81をねじ挿通孔83の位置合わせをしながら当接させ、止めねじ84により螺着する。そして、組み付け板81の貫通孔82から後方に引き出されている可撓性チューブ43の基端側の途中位置を基体部63の上部に設けられているチューブ止め部71により止着する。
これにより、チューブ支持機構28による可撓性チューブ43の支持作業が終了する。すると、図2及び図8(a)に示すように、チューブ支持機構28は、可撓性チューブ43を廃インクタンク27の装着位置31がある前方側に指向させた状態で支持しつつ、ホームポジションHPにおけるキャップ25の下方位置に設置される。また、その設置状態においては、支持部材72の各円柱部79に貫装されたコイルスプリング80が少し収縮した状態を維持し、その蓄圧力により鍔部74を前方側に向けて押圧するため、支持部材72は筒状体73が前方を指向した状態で前後方向への移動自在に保持される。
ここで、チューブ支持機構28の支持部材72は、各円柱部79に貫装されたコイルスプリング80が若干収縮した蓄圧状態にあり、そのコイルスプリング80の付勢力により前方側に付勢された状態にある。そのため、この支持部材72の鍔部74に対して前方側から後方側に向けて押圧力が加えられた場合には、その押圧力を受けて鍔部74が後方側に後退するため、図8(b)に示すように、支持部材72は、組み付け板81と共に可撓性チューブ43を支持した状態のまま、コイルスプリング80を更に収縮させつつ後方側に後退することになる。
また、チューブ支持機構28の支持部材72は、筒状体73の基端側筒状部75及び鍔部74から後方に突出した各円柱部79が、基体部63において対応する各貫通孔67,68,69に対して径方向に裕度を持って遊挿されている。そのため、この支持部材72の筒状体73(特に、先端側筒状部76)に対して、筒状体73の軸方向と交差する方向から外力が加えられた場合には、その外力を受けて支持部材72は基端側(具体的には、円柱部79におけるフランジ部70との当接部位)を支点として揺動することになる。
すなわち、筒状体73の先端側筒状部76に対して下方から上方に向かう外力が加えられた場合には、図9(a)に示すように、支持部材72は筒状体73の先端側筒状部76を上方に移動させるように揺動する。一方、筒状体73の先端側筒状部76に対して上方から下方に向かう外力が加えられた場合には、図9(b)に示すように、支持部材72は筒状体73の先端側筒状部76を下方に移動させるように揺動する。なお、図示はしないが、筒状体73の先端側筒状部76に対して左右方向から外力が加えられた場合には、支持部材72は筒状体73の先端側筒状部76を左右方向に移動させるように揺動する。このように、チューブ支持機構28において可撓性チューブ43を支持する支持部材72は基端側を支点として先端側が首振り自在な構成となっている。
次に、プリンタ11のハウジング部26の収容室30内に設けられた装着位置31に対して廃インクタンク27を着脱する方法について説明する。
さて、収容室30内の装着位置31に廃インクタンク27を装着する場合には、まず、ハウジング部26の前面側の開閉扉36を開放操作する。そして、開放された着脱口34に廃インクタンク27を接続口57の形成された後端側から差し入れ、装着位置31への装着方向となる後方側に向けて廃インクタンク27を移動させる。すると、図10に示すように、廃インクタンク27は、その全体が収容室30内に入りきる前段階で、主後側壁49aの接続口57内に、チューブ支持機構28における支持部材72の筒状体73の先端側筒状部76が挿入される。
ここで、着脱口34を介して廃インクタンク27を収容室30の内奥まで移動させる場合、通常、廃インクタンク27は、該廃インクタンク27の前端部の把持部94がプリンタ11の使用者により把持され、その使用者の手動により装着方向へ移動させられる。そのため、使用者により前端部の把持部94を把持された廃インクタンク27は、その全体が収容室30内に入りきる前段階では、容器部材44の姿勢が水平状態である場合は少なく、むしろ、図10に示すように、容器部材44の姿勢は前端部よりも後端部の方が低くなるように傾いていることが多い。したがって、チューブ支持機構28の支持部材72の筒状体73が水平方向を指向する状態に固定された構成である場合には、傾いた姿勢で装着方向に移動する廃インクタンク27の接続口57の内奥まで筒状体73の先端側筒状部76を挿入させることは困難になる。
しかし、この点、本実施形態のチューブ支持機構28は、支持部材72が基端側を支点として先端側が首振り自在な構成となっている。そのため、チューブ支持機構28の支持部材72は、その筒状体73の先端側筒状部76が姿勢を傾けた状態で移動してきた廃インクタンク27の接続口57に挿入されると、その傾きと対応するように先端側を揺動させる。したがって、支持部材72における筒状体73の先端側筒状部76は廃インクタンク27の接続口57の内奥まで支障なく挿入される。
また、チューブ支持機構28の支持部材72は、その筒状体73の先端側筒状部76が廃インクタンク27の接続口57に挿入される場合において、接続口57の中心57aから位置ずれしていることがあり得る。しかし、この点、本実施形態の廃インクタンク27における接続口57の内周面は接続口57の内奥側ほど口径が小さくなるテーパ面になっているので、支持部材72の筒状体73は接続口57内に挿入されるに従い接続口57の中心57aに向かって摺動ガイドされる。その結果、支持部材72の筒状体73は、その先端側筒状部76が廃インクタンク27内において接続口57と対応した位置に配置された第3インク吸収材45cの切り込み溝62内にスムーズに挟入される。
しかも、その切り込み溝62は、接続口57側となる後端側の部分に、前端側に向けて次第に幅狭となるテーパ部95が形成されていると共に、そのテーパ部95よりも前端側の部分の溝幅は排出部97の外径よりも若干だけ幅広に形成されている。また、この切り込み溝62が形成された第3インク吸収材45cは、その厚さが排出部97の外径よりも若干だけ厚い。そのため、排出部97は、その先端側筒状部76が切り込み溝62内に挿入されると、第3インク吸収材45cにおけるテーパ部95を含む切り込み溝62の左右溝内面と、この切り込み溝62を上下両側から塞ぐ第4インク吸収材45dの下面及び第2インク吸収材45bの上面により、挿入方向が貫通孔61に向かう方向(予め設定した方向)となるように摺動ガイドされる。
そして、図10に示す状態から、廃インクタンク27が更に収容室30の内奥側に向けて移動されると、廃インクタンク27の後側壁49(具体的には、シール部91の端面)と支持部材72の鍔部74(具体的には、円形台座部96)とが当接し、支持部材72の筒状体73は先端側筒状部76が第3インク吸収材45cに形成された貫通孔61の位置まで到達する。なお、この場合において、廃インクタンク27の後側壁49のシール部91と支持部材72の鍔部74の円形台座部96とが当接する際には、円形台座部96により接続口57がシール状態に閉塞される。この点で、円形台座部96はシール部91と当接することにより開口部としての接続口57を閉塞する閉塞部として機能する。しかも、シール部91は、接続口57を囲繞する環状に形成されているので、その平滑平面に形成された端面が円形台座部96の同じく平滑平面の対向面に面接触することにより、シール機能が容易に確保される。
また、同様に、廃インクタンク27の後側壁49のシール部91と支持部材72の鍔部74の円形台座部96とが当接する際には、支持部材72の鍔部74から突設されたピン85が廃インクタンク27の副後側壁49bに設けられた筒部58の長孔58a内に挿入されることにより、装着位置31に対する廃インクタンク27の上下方向及び左右方向並びに回転方向の位置決めがなされる。この点で、ピン85と長孔(位置決め手段)58aは、廃インクタンク27を装着位置31において上下方向及び左右方向並びに回転方向への移動を規制するように位置決め状態に保持する保持手段として機能する。
特に、プリンタ11に対する装着時においては、廃インクタンク27が、接続口57に挿入された筒状体73の排出部97の軸線を中心とした回転を伴いながらプリンタ11の装着位置31に向けて移動させられて装着されることがあり、廃インクタンク27側の接続端子59とプリンタ11側の接続端子87が回転方向に位置ずれした接続状態となることもあり得る。また、図6(b)の比較例に示すように、廃インクタンク27の接続端子59の接触面59aが接続口57の中心57aから放射方向に向けて延びる直線Lに対して垂直となるように設けられていると、廃インクタンク27の回転時に互いの接続端子59,87の接触面同士が回転方向に沿ってすれ違うように摺接して損傷し、接触不良を招くこともある。
この点、図6(a)に示すように、本実施形態では廃インクタンク27の接続端子59の接触面59aが接続口57の中心57aから放射方向に向けて延びる直線Lに対して垂直となるように設けられているので、廃インクタンク27の回転時に両接続端子59,87の接触面同士が回転方向に沿ってすれ違うように摺接することはない。すなわち、図6(a)において、廃インクタンク27が時計方向に回転した場合、廃インクタンク27の接続端子59はプリンタ11側の接続端子87から接触面59aを離間させるように移動する。逆に、図6(a)において、廃インクタンク27が反時計方向に回転した場合、廃インクタンク27の接続端子59はプリンタ11側の接続端子87に接触面59aを押し付ける方向に移動する。
また、この場合において、位置決め手段としての長孔58aは、その内周面99がピン85に当接して廃インクタンク27の回転規制を図る当接部として機能する。すなわち、長孔58aは、その内周面99のうち上側内面部位がピン85に当接することにより、廃インクタンク27の接続端子59がプリンタ11側の接続端子87から離間する反時計方向に回転することを規制する一方、その内周面99のうち下側内面部位がピン85に当接することにより、廃インクタンク27がその逆の時計方向に回転することを規制する。
そのため、廃インクタンク27は、接続口57に挿入された筒状体73の排出部97の軸線を中心とした回転を伴いながらプリンタ11の装着位置31に向けて移動させられて装着される場合にも、その接続端子59の接触面59aがプリンタ11側の接続端子87に対して接触面同士を回転方向に沿ってすれ違うように摺接させることはない。そして、長孔58aにピン85が挿入されると、そのピン85に長孔58aの内周面99の上側及び下側の各内面部位が当接することにより、回転止めがなされ、両接続端子59,87の接触面同士が適切に接触した接続状態となる回転位置に位置決めされる。
そして、その状態から、廃インクタンク27が更に支持部材72の鍔部74を押圧するように後方側に押し込まれると、支持部材72はコイルスプリング80を更に収縮させながら後退する。そして、支持部材72が鍔部74を基体部63の前壁に最も近接させた位置まで後退した時点で、図11に示すように、廃インクタンク27の姿勢を水平状態にし、廃インクタンク27における容器部材44の底面を収容室30内において装着位置31の一部を構成している中段面38上に面接触させる。なお、このとき、廃インクタンク27における容器部材44の底面に形成された被係止段部60は、収容室30内の装着位置31に形成された係止段部40よりも収容室30の内奥側に位置している。換言すると、この時点で、廃インクタンク27は収容室30内の装着位置31を装着方向において通り越した状態にある。つまり、廃インクタンク27の被係止段部60は装着方向への移動時にはプリンタ11側の係止段部40に係合しない形状に形成されている。
そして、図11に示す状態から、廃インクタンク27を装着方向に移動させるように作用していた力(例えば、使用者の手の力)が解放されると、廃インクタンク27は、蓄圧されたコイルスプリング80の付勢力により支持部材72の鍔部74が前進するため、この鍔部74により前方(つまり、廃インクタンク27の取り出し方向)へと押圧される。すなわち、支持部材72の鍔部74がコイルスプリング80の付勢力を押圧力とする押圧手段として機能し、容器部材44の後側壁49を被押圧部として、廃インクタンク27を取り出し方向に押圧する。そして、この押圧力を受けて廃インクタンク27が装着位置31の中段面38上を前方へとスライド移動し、図2に示すように、容器部材44の被係止段部60が装着位置31の係止段部40に係止する。すなわち、容器部材44の被係止段部60に対して廃インクタンク27が取り出し方向とは反対の装着方向に移動するときには係止不能であった係止段部40が、廃インクタンク27の取り出し方向へのスライド移動時には取り出し方向側から、廃インクタンク27の取り出し方向への移動を規制するように係止する係止手段として機能する。
そのため、廃インクタンク27は、後方からコイルスプリング80の付勢力を支持部材72の鍔部74を介して受けると共に、容器部材44の底面の被係止段部60に前方から装着位置31の係止段部40が係止することになり、図2に示すように、収容室30内の装着位置31に前後方向への移動不能に位置決めされる。この点で、付勢手段としてのコイルスプリング80と係止手段としての係止段部40は廃インクタンク27を装着位置31に位置決め状態に保持する保持手段として機能する。そして、着脱口34の開閉扉36を閉鎖位置に戻すと、廃インクタンク27の装着位置31への装着作業は完了する。
また、この図2に示す装着状態では、着脱口34の開閉扉36が閉鎖位置にあり、開閉扉36の裏面側の突起部93は廃インクタンク27の前端部の凸部92に近接した規制位置状態にある。そのため、プリンタ11が持ち運びされた場合などにおいて外部から衝撃が加わって廃インクタンク27が上方へ変位しようとしても、その場合には開閉扉36の突起部93が廃インクタンク27の凸部92に当接し、そのような上方への変位を規制する。したがって、プリンタ11の装着位置31に設けられた係止段部40に対する廃インクタンク27の被係止段部60の係合状態が解除されることもない。
そして、この図2に示す状態から、キャップ25が昇降装置(図示略)の駆動に基づき上昇して記録ヘッド21のノズル形成面21aに当接し、その後、吸引ポンプ42が駆動されると、キャップ25内に発生する負圧により記録ヘッド21内から増粘等したインクがノズル開口(図示略)を介してキャップ25内に廃インクとして強制的に吸引排出(吐出)される。そして、吸引ポンプ42の駆動が継続した状態でキャップ25内が大気開放されることにより大気を吸引する空吸引状態になると、キャップ25内から廃インクが可撓性チューブ43の先端である下流端まで導かれ、廃インクタンク27内に排出される。
なお、この場合において、排出部97の先端開口76aは廃インクタンク27の接続口57から第3インク吸収材45cの貫通孔61まで到達している。この第3インク吸収材45cの貫通孔61の下部には、第2インク吸収材45bの貫通孔61が配置され、それら2つの貫通孔61の上下を塞ぐようにして、第4インク吸収材45dと第1インク吸収材45aが配置されている。そして、その貫通孔61内に排出された廃インクは、その多くは貫通孔61の下部に位置する第1インク吸収材45aの上面から徐々に内部へと吸収され、第1インク吸収材45a全体へと浸透していくと共に、その過程でさらに上の他のインク吸収材45b〜45dへと浸透していき、各インク吸収材45a〜45d内に拡散して良好に吸収保持される。なお、一部のインクは貫通孔61の側面部や上面側から各インク吸収材45a〜45d内に吸収されることもある。
そのため、インク吸収材45a〜45dにおいては、排出部97の先端開口76aから廃インクが排出される貫通孔61の近傍箇所が最も廃インクの吸収量が多い箇所となる。その一方、インク吸収材45a〜45dにおいては、排出部97の先端開口76aから排出された廃インクが最も遅く浸透することになる第4インク吸収材45dが最もインク吸収量の少ない箇所となる。そして、一般に、インク吸収材45a〜45dに吸収された廃インクは、その吸収量が多い箇所から少ない箇所に向けて浸透・拡散しやすいという性質がある。
また、本実施形態の廃インクタンク27における容器部材44の上端開口48を封止するフィルム部材46に形成された大気連通孔90は、その形成位置が容器部材44における中央部よりも前端側となる位置に設定されている。すなわち、図4に示すように、廃インクを排出する排出部97の先端開口(排出口)76aと接続口57との距離Xよりも、その先端開口76aと大気連通孔90との間の距離Yの方が長くなっている。また、大気連通孔90は、各インク吸収材45a〜45dのうち最も上に位置する第4インク吸収材45dの上面よりも上に位置する。このため、廃インクは、前後方向では先端開口76aから離れた位置まで浸透してから、上下方向では最も上の吸収材まで浸透してから、つまりインク吸収材45a〜45d全体に廃インクが拡散してから、最上部のインク吸収材45dの上面から蒸発することとなる。
そのため、廃インクは、その浸透過程においてインク吸収材45a〜45d内から蒸発してインク吸収材45a〜45d内を目詰まりさせることなく、広い範囲に浸透することが可能となる。そのため、より多くの廃インク量を排出することが可能となる。そして、そのように広い範囲に亘る拡散領域から廃インクのインク溶媒の気化が促進され、インク吸収材45a〜45dの乾燥が促進される。なお、先端開口76aの位置は廃インクを排出する位置なので、距離Xを、廃インクを受ける廃液受け部としての貫通孔61と接続口57との間の距離としてもよく、距離Yを貫通孔61と大気連通孔90との間の距離としてもよい。
一方、図2に示すように収容室30内の装着位置31に対して装着状態にある廃インクタンク27をプリンタ11から取り外す場合には、再び着脱口34の開閉扉36が開放状態にされる。すると、開閉扉36の裏面側の突起部93は廃インクタンク27の凸部92に近接した規制位置から離間した非規制位置状態となり、廃インクタンク27の上方への変位を許容するようになる。そして、プリンタ11の使用者が着脱口34内に手を差し入れて廃インクタンク27の前端部の把持部94を把持し、その廃インクタンク27の前端部を上方に持ち上げるようにして廃インクタンク27の姿勢を傾けると、係止段部40と被係止段部60の係止状態が解除される。すると、その状態において、廃インクタンク27には支持部材72の鍔部74を介してコイルスプリング80の付勢力が押圧力となって取り出し方向(前方)に向けて作用しているので、その付勢力(押圧力)が取り出し方向への移動を助ける力となり、廃インクタンク27は着脱口34から容易に取り出される。
そして、その場合において、廃インクタンク27の接続口57から支持部材72における筒状体73の排出部97が抜かれるときには、その排出部97における嵌合筒部98よりも先端側の筒状部分に対して第3インク吸収材45cの切り込み溝62の左右溝内面と、この切り込み溝62を上下両側から塞ぐ第4インク吸収材45dの下面及び第2インク吸収材45bの上面が接触部としての機能を発揮して払拭するように摺接する。特に、インク吸収材45a〜45dの吸収能力が飽和した状態の廃インクタンク27を取り出す際には、インク吸収材45a〜45dが吸収している廃インクにより膨潤している。そのため、膨潤した第3インク吸収材45cは切り込み溝62の左右溝幅が狭まることになる。また、膨潤した第4インク吸収材45d及び第2インク吸収材45bは、第3インク吸収材45cの切り込み溝62を上下両側から塞ぐように対向する下面と上面との間隔(つまり、溝高さ)が狭まることになる。したがって、第3インク吸収材45cにおける切り込み溝62の左右溝内面、第4インク吸収材45dの下面、及び第2インク吸収材45bの上面による排出部97に対する接触圧も強まるので、排出部97に付着している廃インクが確実に払拭される。
その一方、インク吸収材45a〜45dにおける廃インクの吸収量がまだ少ない段階の廃インクタンク27を取り出す際には、そのような膨潤もしていないので切り込み溝62の左右溝内面と、第4インク吸収材45dの下面及び第2インク吸収材45bの上面による排出部97に対する接触圧は弱い。しかし、この場合は、インク吸収材45a〜45dの吸収能力がまだ高いので、弱い接触圧であっても排出部97に付着している廃インクは切り込み溝62の左右溝内面と、第4インク吸収材45dの下面及び第2インク吸収材45bの上面を介して容易にインク吸収材45a〜45dに吸収される。そのため、排出部97における嵌合筒部98よりも先端側の筒状部分は、廃インクタンク27の接続口57から抜き出されたときに付着している廃インクが第3インク吸収材45cにおける切り込み溝62の左右溝内面、第4インク吸収材45dの下面、及び第2インク吸収材45bの上面により払拭除去される。この点で、切り込み溝62が形成された第3インク吸収材45cと、この第3インク吸収材45cの切り込み溝62を上下両側から塞ぐ第4インク吸収材45d及び第2インク吸収材45bは払拭部材として機能する。
なお、旧い廃インクタンク27が取り出された後は、新しい廃インクタンク27が上記と同様の手順で収容室30内の装着位置31に装着される。このように、所定の装着位置31に対して廃インクタンク27が着脱可能とされているため、新旧の廃インクタンク27の交換作業は容易に行われる。また、廃インクを廃インクタンク27まで導く液体流路の主体は気液不透過性に優れるものの剛性のない可撓性チューブ43であるが、そのような可撓性チューブ43は剛性のある支持部材72の筒状体73により直線状に支持され、その筒状体73における排出部97と共に廃インクタンク27の接続口57に挿入される構成であるので、インク吸収材45a〜45dが積層収容された廃インクタンク27内の中央寄り位置(貫通孔61の位置)まで確実に挿入され得る。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)廃インクタンク27は、容器部材44を収容室30内の装着位置31に対して装着方向となる後方側又は取り出し方向となる前方側へ移動させることにより、接続口57に対して可撓性チューブ43の下流端側の所定長さ部分を支持した支持部材72における筒状体73の排出部97が挿抜され、接続口57が支持部材72により支持された可撓性チューブ43の下流端と接続又は接続解除されるため、新旧の廃インクタンク27の交換作業を簡単に行うことができる。
(2)プリンタ11の装着位置31に対して廃インクタンク27を装着する場合において、廃インクタンク27が接続口57に排出部97を挿入させつつ、排出部97の軸線を中心として回転した場合、廃インクタンク27の接続端子59は接触面59aがプリンタ11側の接続端子87に対して回転方向において接近又は離間するように移動する。すなわち、廃インクタンク27の回転時に、両接続端子59,87の接触面同士が回転方向に沿ってすれ違うように摺接することはなく、廃インクタンク27は、その回転途中で接続端子59の接触面59aをプリンタ11側の接続端子87に押し付けるように当接させたときに、両接続端子59,87を適切に接触させた接続状態を確保することができる。
(3)廃インクタンク27の接続端子59は有底箱状をなす容器部材44において剛性が比較的高い下方位置に設けられているため、もし仮に容器部材44に応力が加わった場合でも、その接続端子59の位置が変位する虞を低減でき、プリンタ11側の接続端子87に対する適切な接続状態を良好に維持することができる。
(4)その一方、排出部97が挿入される接続口57は接続端子59が設けられた位置よりも容器部材44において上方に位置しており、その高さ位置までは廃インクを貯留可能であるので、容器部材44における廃インクの貯留効率を向上することができる。
(5)廃インクタンク27は、その接続端子59が接続口57の直下に位置していないので、もし仮にプリンタ11の装着位置31に対する装着状態において接続口57から内部に収容している廃インク漏出したとしても、その漏出した廃インクにより接続端子59が汚れる虞を回避することができる。
(6)プリンタ11に対する廃インクタンク27の装着時において、接続口57に排出部97を挿入させた状態で廃インクタンク27を回転させたとき、接続端子59の接触面59aがプリンタ11側の接続端子87に当接すると、廃インクタンク27は、それ以上の回転がプリンタ11側の接続端子87がストッパとして機能することで規制される。そして、それらの両接続端子59,87の当接状態を維持しつつ廃インクタンク27を装着方向奥側に向けて移動させると、廃インクタンク27は、接続口57に排出部97が挿入されると共に、両接続端子59,87が互いの接触面同士を適切に接触させた接続状態となるので、プリンタ11に対する廃インクタンク27の装着作業を簡単且つ適切に行うことができる。
(7)プリンタ11の装着位置31に対して廃インクタンク27を装着する場合において、廃インクタンク27が接続口57に排出部97を挿入させつつ、排出部97の軸線を中心として回転した場合には、位置決め手段としての長孔58a内に相手側部材としてのピン85を挿入させるという簡単な操作により、その回転規制を図ることができる。すなわち、長孔58aに相手側部材としてのピン85が挿入されるように廃インクタンク27の姿勢を調整することにより、装着位置31に対して廃インクタンク27を接続端子59の接触面59aがプリンタ11側の接続端子87に対して適切に接触した接続状態に正確な位置決めして装着できる。
(8)また、その場合には、特に長孔58aの内周面99のうち、上側内面部位はピン85との当接により、廃インクタンク27の接続端子59がプリンタ11側の接続端子87から離間する方向への回転を規制するので、両接続端子59,87が接触不良となる方向へ廃インクタンク27が回転することを抑制できる。
(9)さらに、その場合において、ピン85が挿入される長孔58aの内周面99は、廃インクタンク27の接続口57に対する排出部97の挿抜方向に沿うように設けられている。そのため、廃インクタンク27を、接続口57に対して排出部97を挿入させつつ装着方向奥側に移動させた場合、長孔58aの内周面99とピン85との当接状態が維持されると共に、プリンタ11側の接続端子87に対する廃インクタンク27の接続端子59の接触状態も維持され、装着時における両接続端子59,87の接触状態を適切に確保することができる。
(10)また、廃インクタンク27は、プリンタ11に対する装着時に、まず接続口57に対して排出部97が挿入されることにより、接続口57の中心57aから放射方向への移動規制を図られつつ接続端子59がプリンタ11側の接続端子87に対して接触可能な位置状態とされる。そして、その状態において、次には位置決め手段としての長孔58aの位置決め機能に基づき、廃インクタンク27は両接続端子59,87の接触面同士が適切に接触した接続状態となるように位置決めされる。したがって、プリンタ11の装着位置31に対する廃インクタンク27の装着時には、両接続端子59,87が適切に接触した接続状態を確保することができる。
(11)収容室30内の装着位置31において廃インクタンク27の後側壁(被押圧部)49には取り出し方向に向けてコイルスプリング80の付勢力(押圧力)が作用するため、その付勢力により廃インクタンク27は取り出し方向へ移動しようとする。しかし、その場合には、装着位置31に設けられた係止段部40が廃インクタンク27の底面に設けられた被係止段部60に係止することにより取り出し方向への移動を規制するので、廃インクタンク27は装着位置31において位置決め状態に保持され、その装着位置31において安定した装着状態を確保できる。
(12)廃インクタンク27は、取り出し方向とは反対の方向となる装着方向に向けて移動する場合には、その底面の被係止段部60が装着位置31に設けられた係止段部40に係合することはない。そのため、プリンタ11に対する装着時には、係止段部40の存在に関わらず容易に廃インクタンク27の装着作業を実行できる。
(13)また、廃インクタンク27を装着位置31から取り外そうとする場合には、被係止段部60の係止段部40に対する係止状態が解除される方向へ廃インクタンク27の姿勢を変位させれば、廃インクタンク27を後側壁49に作用するコイルスプリング80の付勢力を助力として容易に取り外すことができる。
(14)また、廃インクタンク27は、装着位置31から取り出されるとき、ユーザにより把持部94を把持されて取り出し方向と交差する上方向へ持ち上げられて姿勢を変位させられると、装着位置31の係止段部40に対する被係止段部60の係合状態が簡単に解除されるので、プリンタ11からの取り外し作業を容易に行うことができる。
(15)その一方、廃インクタンク27の装着状態においてプリンタ11の姿勢が傾くなどして、廃インクタンク27が係止段部40から被係止段部60が係合解除される方向に変位した場合には、その係合解除方向と交差する前方に向けて突設された凸部92が開閉扉36の突起部93に当接する。そのため、廃インクタンク27は、係止段部40に対する被係止段部60の係合状態が解除される方向への変位が規制され、安定した装着状態を確保することができる。
(16)廃インクタンク27は、係止段部40から被係止段部60が係合解除される方向への変位に伴い凸部92が開閉扉36の突起部93に当接すると、その当接に伴い加えられる応力によって容器部材44が変形することがあり得る。そして、そのような場合、接続口57に対する排出部97の挿抜方向と直交する幅方向において接続口57から見た場合に凸部92が接続端子59とは反対側に位置していると、接続端子59が設けられた部位の変形度合いが大きくなってしまい、プリンタ11側の接続端子87に対して接触不良となる虞がある。この点、本実施形態においては、排出部97が挿抜される接続口57から見て、接続端子59は凸部92と同じ側に位置するため、開閉扉36の突起部93に凸部92が当接した場合にも容器部材44における接続端子59が設けられた部位の変形度合いを小さくでき、プリンタ11側の接続端子87に対して接触不良となる虞を低減できる。
(17)廃インクタンク27を装着位置31に装着した状態では変位規制部としての突起部93が規制位置に位置するように開閉扉36を閉鎖位置に位置させることにより廃インクタンク27が不用意に装着位置31から移動することを抑制できる。その一方、廃インクタンク27をプリンタ11の装着位置31から取り出す場合には変位規制部としての突起部93が非規制位置に位置するように開閉扉36を開放位置に位置させることにより廃インクタンク27を容易に取り出すことができる。
(18)廃インクタンク27は、容器部材44の上端開口48が封止部材としてのフィルム部材46により封止され、そのフィルム部材46の一箇所に形成された大気連通孔90を介してインク吸収材45a〜45dに吸収した廃インクのインク溶媒を外部に蒸発させる構成とされている。そのため、容器部材44の上端開口48が封止されずに開放された場合とは異なり、廃インクタンク27の内部に受容した廃インクの溶媒成分が過剰に蒸発・揮発することが抑制され、内部に積層収容したインク吸収材45a〜45dの表面に廃インクの残渣が堆積してしまうようなこともない。したがって、インク吸収材45a〜45dの吸収能力の低下を抑制することで、廃インクタンク27における廃インクの収容効率の低下を回避することができる。
(19)廃インクタンク27は、その接続口57にプリンタ11側の排出部97が挿入されると共にシール部91がプリンタ11側の支持部材72における鍔部74の円形台座部96に当接した装着状態において、排出部97の排出口となる先端開口76aから廃インクが排出されると、その廃インクはインク吸収材45a〜45dに吸収される。そしてインク吸収材45a〜45dに吸収された廃インクは、排出口たる先端開口76aの近傍箇所から接続口57よりも遠く離れた大気連通孔90の近傍箇所をも含むインク吸収材45a〜45d内の広範囲に亘る領域に拡散するようになる。その結果、インク吸収材45a〜45dにおいては廃インクの拡散領域が広く確保されることになり、こうした広範囲の拡散領域から廃インクのインク溶媒の気化が促進される。したがって、そのように広範囲の拡散領域で気化した溶媒成分が大気連通孔90を介して廃インクタンク27の外部に蒸発するので、廃インクタンク27は、内装したインク吸収材45a〜45dの吸収能力を良好に維持することができる。
(20)そして、この場合、大気連通孔90は、インク吸収材45a〜45dが収容された廃インクタンク27の内部空間である収容スペース47を最上層のインク吸収材45dの上面よりも上方となる位置で大気に連通する構成であるので、廃インクがインク吸収材45a〜45dに吸収能力を飽和させる程度まで吸収された場合でも、大気連通孔90から廃インクが外部に漏出する虞を低減することができる。
(21)また、フィルム部材46に大気連通孔90を形成した後、そのフィルム部材46をインク吸収材45a〜45dが内装された容器部材44の上端開口48に貼着するという簡単な作業で廃インクタンク27を製造することができる。
(22)廃インクタンク27の装着位置31からの取り外しに伴って容器部材44の接続口57から抜き出される液体流路の下流端側流路部分(支持部材72における筒状体73の排出部97)が容器部材44内で廃インクの付着により汚れていたとしても、そのような廃インクは第3インク吸収材45cの切り込み溝62の左右溝内面等が払拭するように摺接して除去する。すなわち、この場合、排出部97に対しては、最上層の第4インク吸収材45dの下面が排出部97に上側から接触すると共に、上から2番目の第3インク吸収材45cの切り込み溝62の左右溝内面が排出部97に左右両側から接触し、さらに上から3番目の第2インク吸収材45bの上面が排出部97に下側から接触する。つまり、これら3つのインク吸収材45b,45c,45dが排出部97に対して上下左右の各方向から挟み込むように接触する。したがって、廃インクタンク27がプリンタ11から取り外された状態において支持部材72における筒状体73の先端側筒状部76及び非筒状部77並びに非筒状部77において露出した可撓性チューブ43の部分(すなわち、排出部97)から廃インクが流れ落ちて、廃インクタンク27の接続口57周りや装着位置31を汚すようなことを抑制できる。
(23)特に、インク吸収材45a〜45dの吸収能力が飽和した状態の廃インクタンク27を取り出す際には、インク吸収材45a〜45dの体積が吸収している廃インクにより膨潤しているため、切り込み溝62の溝幅及び切り込み溝62を上下両側から塞ぐ第4インク吸収材45dの下面と第2インク吸収材45bの上面との間隔が狭くなっている。そのため、その第3インク吸収材45cにおける切り込み溝62の左右溝内面と、第4インク吸収材45dの下面及び第2インク吸収材45bの上面による排出部97に対する接触圧も強まるので、排出部97に付着している廃インクを確実に払拭して除去できる。
(24)一方、インク吸収材45a〜45dにおける廃インクの吸収量がまだ少ない段階の廃インクタンク27を取り出す際には、インク吸収材45a〜45dが膨潤しておらず、第3インク吸収材45cにおける切り込み溝62の左右溝内面と、第4インク吸収材45dの下面及び第2インク吸収材45bの上面による排出部97に対する接触圧は弱いものの、この場合にはインク吸収材45a〜45dの吸収能力が高い。そのため、そのように排出部97に対する接触圧が弱くても、排出部97に付着している廃インクを切り込み溝62の左右溝内面と、第4インク吸収材45dの下面及び第2インク吸収材45bの上面を介して容易にインク吸収材45a〜45dに吸収して除去できる。
(25)そして特に、排出部97に対しては第2インク吸収材45bの上面が重力方向の下側から接触している。したがって、排出部97においては、その外周面に付着した廃インクが確実に払拭されると共に、特に付着した廃インクが排出部97の外周面を重力に従って回り込むために最も廃インクの付着度合いが多いと考えられる排出部97の下側の面も第2インク吸収材45bの上面が確実に接触するため、接続口57から抜かれる排出部97に付着している廃インクの除去を効率良く行うことができる。
(26)そして、このように排出部97に付着している廃インクを除去するためには、インク吸収材45cに切り込み溝62を排出部97の挿抜方向に沿って延びるように形成するだけでよいため、廃インクタンク27の製造効率を向上することができる。
(27)また、廃インクタンク27の装着時には、接続口57に排出部97が挿入されると、その排出部97を第3インク吸収材45cの切り込み溝62の左右溝内面と、第4インク吸収材45dの下面及び第2インク吸収材45bの上面がガイド部として機能することにより予め設定された方向(すなわち、貫通孔61のある方向)にガイドするので、接続口57に対して排出部97が適切な方向に挿入される。したがって、廃インクタンク27を装着時には容易に正確な装着状態にして装着することができる。
(28)また、排出部97が接続口57に挿入された段階において排出部97の中心が挿抜方向と直交する方向で位置ずれしている場合でも、そうした排出部97はガイド部として機能する切り込み溝62において接続口57側に位置するテーパ部95により位置ずれが是正される。そのため、その後において排出部97を容易に適切な方向に向けてガイドすることができる。
(29)しかも、ガイド部として機能する切り込み溝62は、接続口57と対応する位置で排出部97の挿抜方向に沿って延びるように設けられているので、廃インクタンク27の装着時には接続口57に挿入される排出部97に対して長いガイド距離を確保でき、より的確に挿入方向をガイドすることができる。
(30)また、廃インクタンク27は、プリンタ11から取り出された状態において落とされた場合でも、容器部材44内に収容されているインク吸収材45b,45c,45dは移動規制部として機能する柱54が係止して内壁面に向かう移動が規制される。そのため、インク吸収材45b,45c,45dは、落下時に容器部材44の内壁面に対して強く圧接して圧縮されることがなく、その時点で内部に吸収している廃インク絞り出されることもない。したがって、廃インクタンク27はプリンタ11から取り出した状態で落とした場合でも、インク吸収材45b,45c,45dに吸収・保持されている廃インクが内部から漏出する虞を回避することができる。
(31)また、この場合において、移動規制部として機能する柱54はインク吸収材45b,45c,45dの嵌合孔としての孔55に対する柱54の嵌合深さ分だけインク吸収材45b,45c,45dに対する移動規制のための係止機能を確保できるため、インク吸収材45b,45c,45dが落下時に揺動する虞も低減することができる。
(32)そして、柱54は、容器部材44の内底面の略中央部に立設されているので、廃インクタンク27を落下させてしまった場合における容器部材44の姿勢向きが何れの方向に向いていても、内底面の略中央部に設けられた柱54は容器部材44の落下方向の下側となる内壁面に対する距離が略均一になる。そのため、たとえ落下時の衝撃でインク吸収材45b,45c,45dが落下方向に膨らむことがあっても、その落下時の姿勢向き如何によりインク吸収材45b,45c,45dの膨らみ部分が容器部材44の内壁面に強く圧接したりする虞を回避できる。
(33)廃インクを排出するための液体流路が可撓性チューブ43を主たる構成要素として形成される場合でも、可撓性チューブ43は剛性を有する支持部材72により直線状に支持された状態で廃インクタンク27における容器部材44の接続口57に対して挿抜されるため、廃インクタンク27の着脱作業を良好に行うことができる。
(34)廃インクタンク27内に廃インクを排出するための液体流路は、第1支持部としての先端側筒状部76と第2支持部としての基端側筒状部75及び非筒状部77とを備えた支持部材72の筒状体73により可撓性チューブ43を支持するだけで形成される。そして、そのように形成された液体流路の下流端となる可撓性チューブ43の下流端は、支持部材72における筒状体73の先端側筒状部76を含む排出部97によって装着位置31のある方向を指向した状態に支持される。したがって、挙動が不安定な可撓性チューブ43を主体とする液体流路を簡単な構成にて安定的に形成できる。
(35)廃インクを排出するための液体流路を形成する場合、可撓性チューブ43の下流端を支持部材72における円筒状の先端側筒状部(第1支持部)76に挿入すると、可撓性チューブ43の下流端は嵌合状態となって支持される。また、こうして可撓性チューブ43の下流端を支持する先端側筒状部76は支持部材72において所定長さを有する筒状体73の先端部に形成されているため、廃インクの実質的な排出口となる可撓性チューブ43の下流端も支持部材72における筒状体73の先端部に配置されることになり、廃インクの排出を良好に行うことができる。
(36)また、可撓性チューブ43は、その下流端が指向する方向に沿って下流端側の所定長さ部分が支持部材72の筒状体73により略直線状に支持されることになるため、例えば廃インクを廃インクタンク27内に排出する場合において、可撓性チューブ43の下流端を廃インクタンク27内の中央付近まで導くことが容易にできる。
(37)可撓性チューブ43は、その下流端が支持部材72における先端側筒状部76に嵌合状態で支持され、且つ、その下流端よりも所定長さだけ基端側の部位が支持部材72における基端側筒状部75に挿通状態で支持されると共に非筒状部77の挟み爪78により挟持される。そのため、可撓性チューブ43における下流端側の所定長さ部分を、支持部材72における筒状体73(先端側筒状部76、非筒状部77、基端側筒状部75)により安定状態に支持することができる。
(38)廃インクタンク27の着脱時において容器部材44の姿勢が傾いている場合でも、その傾きに対して容器部材44の接続口57に可撓性チューブ43を支持した状態で挿抜される支持部材72の筒状体73が追随するように首振りするので、廃インクタンク27の着脱作業を支障なく容易に行うことができるようになる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について図12に基づいて説明する。なお、この第2の実施形態は、第1の実施形態との対比において大気連通孔90の形成位置のみが相違しており、その他の点は同一構成であるため、以下では大気連通孔90について主に説明することにし、その他の同一構成については同一符号を付すことにして重複説明は省略する。
図12に示すように、本実施形態の廃インクタンク27においては、大気連通孔90がフィルム部材46の長手方向の略中央部に形成されている。そして、廃インクタンク27の接続口57から筒状体73の排出部97が容器部材44内に挿入された装着状態では、排出部97における排出口としての先端開口76aと接続口57との間の距離Xよりも、先端開口76aと大気連通孔90との間の距離Yの方が短くなるように構成されている。
そのため、本実施形態の場合は、排出部97の排出口となる先端開口76aから排出されてインク吸収材45a〜45dに吸収された廃インクの吸収量が最も多い箇所となる貫通孔61の近傍箇所から積極的に廃インクを蒸発させるので、インク吸収材45a〜45dの全体に浸透する前に吸収している廃インク量を減らすことが可能となる。その結果、インク吸収材45a〜45dに排出できる廃インク量を増やすことが可能となる。
したがって、この第2の実施形態では、第1の実施形態における(19)の効果に代えて次のような効果を得ることができる。
(39)廃インクタンク27は、廃インクを排出する排出部97の排出口たる先端開口76aの近傍に大気連通孔90が位置することにより、インク吸収材45a〜45dにおいて廃インクの吸収量が最も多い箇所となる貫通孔61の近傍箇所からの廃インクの溶媒成分の気化を促進することができ、内装したインク吸収材45a〜45dの吸収能力を良好に維持することができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 図13(a)〜(d)に示すように、廃インクタンク27における接続口57は、その接続口57に対して排出部97が挿入された装着状態において、排出部97との間に隙間100が形成されるように、非円形の形状に形成されたものであってもよい。なお、この場合は、支持部材72における鍔部74の円形台座部96及びこれに当接する廃インクタンク27におけるシール部91のうち少なくとも一方に前記隙間100を大気に連通させる連通路(図示略)が形成されている。
この場合には、接続口57に排出部97が挿入された装着状態においては、排出部97と接続口57の開口縁との間に形成される隙間100が大気連通孔90として機能するため、格別に大気連通孔90を廃インクタンク27の一部(フィルム部材46等)に形成することが不要となる。そして、この大気連通孔90として機能する隙間100を介して廃インクタンク27内に排出された廃インクの溶媒を蒸発させることができる。
また、この場合、接続口57は、その接続口57に排出部97が挿入されると、接続口57の開口縁が排出部97の嵌合筒部98の外周部と少なくとも3つの点P1,P2,P3で接触する。また、その少なくとも3つの点P1,P2,P3のうちの1点(例えば、P1)と排出部97の中心(接続口57の中心57a)とを結んだ直線L1により開口縁を二分したときに、前記1点(例えば、P1)以外の他の点(P2,P3)が直線L1により二分した開口縁の一方の縁上と他方の縁上にそれぞれ位置する。そのため、接続口57に排出部97が挿入された場合に、その排出部97が接続口57内で該接続口57への排出部97の挿抜方向と直交する方向に移動することを、開口縁における少なくとも3点(P1,P2,P3)が排出部97の嵌合筒部98の外周部に接触することにより規制する。
したがって、この図13(a)〜(d)に示す廃インクタンク27の場合は、大気連通孔90を格別に形成しなくても、接続口57において排出部97との間に形成される隙間100が大気連通孔90として機能するため、インクの回収効率を良好に維持することができる。
また、接続口57の開口縁が排出部97の嵌合筒部98の外周部と少なくとも3点(P1,P2,P3)で接触し、排出部97が挿抜方向と直交する方向に移動することを規制するので、格別に位置決め手段を設けなくても、接続口57により排出部97の位置決めを行うことができる。
なお、図13(a)〜(d)に示す変形例は、排出部97の嵌合筒部98が断面非円形(例えば、三角形や四角形などの多角形)の各筒状をなすように形成されると共に、これが挿入される廃インクタンク27における開口部としての接続口57の開口縁が円形状をなすように形成されていてもよい。このように構成した場合も、図13(a)〜(d)に示す変形例に関して説明した作用効果を同様に得ることができる。
・ 図14に示すように、廃インクタンク27の接続端子59は、容器部材44の右側壁51の下方位置に設けられていてもよい。このように構成した場合も、接続端子59は接続口57の中心57aを通る直線Lに対して接触面59aが非垂直となるので、各実施形態と同様の効果を奏する。
・ 図15に示すように、廃インクタンク27の接続端子59は、容器部材44の副左側壁50bにおいて接続口57の中心57aと同じ高さ位置に設けられていてもよい。この場合は、容器部材44の副左側壁50bに斜面を有する膨出部101を形成し、その斜面上に接続端子59を設けるようにすれば、接続口57の中心57aを通る直線Lに対して接触面59aが非垂直となるので、各実施形態と同様の効果を奏する。
・ 図16に示すように、位置決め手段は、筒部58を省略し、補強リブ56aにより当接部を形成するようにしてもよい。また、凹み部56の補強リブ56aとは別の板状の部材により当接部として機能する位置決め手段を構成してもよい。
・ 図17に示すように、廃インクタンク27の容器部材44は後側壁49を主後側壁49aと副後側壁49bに分離することなく、その後側壁49に接続口57を貫通形成すると共に、ピン85を挿入可能とする位置決め手段としての長方形穴102と、接続端子59の取り付け箇所となる矩形穴103を穿設してもよい。
・ 図18に示すように、廃インクタンク27は、容器部材44における接続口57が形成される主後側壁49aを容器部材44の内方へ後退させた形状にしてもよい。また、図19に示すように、廃インクタンク27は、容器部材44における接続口57が形成される主後側壁49aを平面状ではなく円弧面状に形成してもよい。
・ 図20に示すように、廃インクタンク27は、容器部材44における接続口57が形成される主後側壁49aにシール部91を形成しないようにしてもよい。
・ 図21に示すように、廃インクタンク27は、容器部材44の底面に形成される被係止段部60を底面から突設した突出部104により構成してもよい。
・ 図22(a)(b)に示すように、廃インクタンク27は、容器部材44の前端部に形成される把持部94を斜状シャフト94Aや水平シャフト94Bにて構成してもよい。なお、この場合、それらの斜状シャフト94Aや水平シャフト94Bに対して開閉扉36が閉鎖位置にあるときには突起部93が変位を規制する規制位置状態となって近接するようにしてもよく、その場合には凸部92が不要となる。
・ 図23(a)に示すように、大気連通孔90は、フィルム部材46の前端側を切除することにより形成してもよく、又は、図23(b)に示すように、容器部材44の上端開口48のうち一部(同図において点線で楕円状に示す部位)をフィルム部材46に接着しないようにすることで形成してもよい。さらには、図23(c)に示すように、フィルム部材46が貼着される容器部材44の上端開口48の一部に切り欠き部105を設けることで形成してもよい。
・ 図24(a)〜(d)に示すように、排出部97の付着インクを払拭する接触部及び挿入方向をガイドするガイド部は、切り込み溝62の代わりに、十字状などのスリット106をインク吸収材45cの端面から貫通孔61まで形成するようにしてもよい。あるいは、スリット106の代わりに排出部97の挿抜方向に延びる穴を形成してもよい。
・ 図25に示すように、インク吸収材45a〜45dの孔55に嵌合係止する柱54は、最上層のインク吸収材45dの上面よりも上方に位置する上端面から軸方向に大気連通孔90を形成し、その大気連通孔90の下部を柱54の下部で左右の各側壁の外方へと抜け溝107により連通させてもよい。
・ 廃インクタンク27は、その内部空間となる収容スペース47にインク吸収材45a〜45dを収容せず、その収容スペース47を廃インク貯留室として直接的に廃インクを貯留する構成であってもよい。
・インク吸収材45a〜45dの厚みは全て同じ厚みでもよいし、全て異なる厚みでも良い。厚みに関しては任意であり、その厚さに応じて、インク吸収材45a〜45dの枚数も変更してもよい。
・ プリンタ11は、記録ヘッドが記録用紙Pの搬送方向と交差する方向において記録用紙Pの幅全体と対応した全体形状をなす、いわゆるフルラインタイプのプリンタに具体化してもよい。
・ プリンタ11は、インクカートリッジ23をキャリッジ16上とは異なるプリンタ11内の所定箇所に装着し、それらの各インクカートリッジ23からインク供給チューブを介してインクを記録ヘッド21側へ加圧供給する、所謂オフキャリッジタイプのプリンタ11であってもよい。
・ 封止部材は、フィルム部材46以外に樹脂製板材などの蓋部材であってもよい。
・ 廃インクタンク27の容器部材44は、装着位置31に装着されるときに上端開口48が封止部材により封止される構成でもよい。すなわち、例えば容器部材44の上端開口48の後端縁を支点として開閉する蓋部材が容器部材44の装着方向への移動時に収容室30内に設けられた当接部材と摺接することにより装着完了時点では上端開口48を封止した状態に変位するようにしてもよい。
・ チューブ支持機構28は、コイルスプリング80を支持部材72の鍔部74と基体部63の前壁との間に配設してもよい。この場合には、鍔部74の後面側に円柱部79を設けない構成であってもよい。
・ 支持部材72における筒状体73の非筒状部77は、筒状体73の周壁をくり抜いて形成するのではなく、それぞれ円筒状をなす先端側筒状部76及び基端側筒状部75を個別に形成する2つの筒状体の間を連結する連結部材により構成してもよい。
・ 廃インクタンク27における容器部材44の接続口57の内周面に円環状に払拭部材を取り付けるようにしてもよい。
・ チューブ支持機構28は、可撓性チューブ43の下流端側の所定長さ部分を直線状の支持部材と共に、基体部63の上面などに前後方向へ間隔をおいて設けた複数のチューブ止め部71により支持するようにしてもよい。この場合、支持部材72は単なる筒状体又は非筒状部材のみからなる構成でもよい。
・ 支持部材72における筒状体73は、鍔部74よりも先端側が全て非筒状部で構成されていてもよい。この場合、その非筒状部には先端部にも止着部としての挟み爪78が設けられていることが望ましい。
・ 支持部材72における筒状体73は、基端側筒状部が非筒状部で構成されていてもよい。この場合、その非筒状部には基端部にも止着部としての挟み爪78が設けられていることが望ましい。
・ ピン85及び長孔58aは、廃インクタンク27の容器部材44側にピン85が設けられる一方、収容室30内の装着位置31に長孔58aが設けられる構成であってもよい。
・ チューブ支持機構28における支持部材72は基体部63に対して首振りしない水平状態に固定された構成であってもよい。
・ 装着位置31において廃インクタンク27に取り出し方向側から係止する係止手段は係止段部40以外に収容室30の底壁32から係止凸部を突出形成した構成であってもよい。また、係止手段は、廃インクタンク27における容器部材44の側壁50,51に対して側方から摩擦係止する構成であってもよい。
・ 係止段部40は、廃インクタンク27の後側壁49に係止する構成でもよい。
・ 上記実施形態では、液体噴射装置をインクジェット式プリンタに具体化したが、この限りではなく、インク以外の他の液体や、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体を噴射したり吐出したりする装置に具体化することもできる。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射する液状体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置、ゲル(例えば物理ゲル)などの流状体を噴射する流状体噴射装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の装置に本発明を適用することができる。なお、本明細書において「液体」には、例えば無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)等を含む他、液状体、流状体などが含まれる。
実施形態のインクジェット式プリンタの斜視図。 プリンタにおけるハウジング部の一部省略断面図。 第1の実施形態の廃インクタンクの分解斜視図。 第1の実施形態の廃インクタンクの一部破断平面図。 第1の実施形態の廃インクタンクの一部破断正面図。 (a)は第1の実施形態の廃インクタンクの後側側面図、(b)は比較例の廃インクタンクの後側側面図。 チューブ支持機構の分解斜視図。 (a)は通常状態のチューブ支持機構の一部破断正面図、(b)は支持部材が後退した状態を示すチューブ支持機構の一部破断正面図。 (a)は上方に揺動した状態を示すチューブ支持機構の一部破断正面図、(b)は支持部材が下方に揺動した状態を示すチューブ支持機構の一部破断正面図。 廃インクタンクを装着する際の収容室内の状態を示す一部省略断面図。 同じく、廃インクタンクを装着する際の収容室内の状態を示す一部省略断面図。 第2の実施形態の廃インクタンクの一部破断平面図。 (a)〜(d)は変形例の廃インクタンクの後側簡略側面図。 変形例の廃インクタンクの後側側面図。 変形例の廃インクタンクの後側側面図。 変形例の廃インクタンクの後側側面図。 変形例の廃インクタンクの後側側面図。 変形例の廃インクタンクの一部省略平面図。 変形例の廃インクタンクの一部省略平面図。 変形例の廃インクタンクの一部省略平面図。 変形例の廃インクタンクを収容したハウジング部の一部省略断面図。 (a)(b)は変形例の廃インクタンクの一部省略断面図。 (a)(b)は変形例の廃インクタンクの平面図、(c)は変形例の廃インクタンクの正面図。 (a)〜(d)は変形例のインク吸収材の斜視図。 変形例の廃インクタンクの一部破断正面図。
符号の説明
11…プリンタ(液体噴射装置)、21…記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、27…廃インクタンク(廃液回収体)、28…液体流路形成装置として機能するチューブ支持機構、29…廃液回収システム、31…装着位置、40…保持部として機能する係止段部(係止手段)、43…液体流路を構成する可撓性チューブ、44…容器部材、45,45a〜45d…払拭部材として機能するインク吸収材(廃液吸収材)、46…封止部材としてのフィルム部材、47…収容スペース(内部空間)、48…上端開口、49a…主後側壁(被押圧部)、54…柱(移動規制部)、57…接続口(開口部)、57a…接続口の中心、58a…保持部として機能する位置決め手段としての長孔、59…回収体側接続端子、59a…接触面、60…被係止段部(係合部)、62…切り込み溝(接触部、ガイド部)、72…支持部材、75…第2支持部として機能する基端側筒状部、76…第1支持部として機能する先端側筒状部、76a…排出口としての先端開口、77…第2支持部として機能する非筒状部、78…挟み爪(止着部)、80…保持部として機能するコイルスプリング(付勢手段)、85…保持部として機能する相手側部材としてのピン、87…装置側接続端子、90…大気連通孔、91…シール部、92…凸部、95…テーパ部、97…排出部、99…内周面(当接部)、100…隙間、L,L1…直線、X,Y…距離。

Claims (2)

  1. 廃液を排出する排出部を備えた装置に着脱可能とされ、該装置に対する装着状態において前記排出部から排出された廃液を受容可能な廃液回収体であって、
    前記廃液を吸収可能な廃液吸収材と、
    該廃液吸収材を内部空間に収容した状態で前記装置に対する着脱時に前記排出部を挿抜可能とさせる開口部とを備え、
    前記廃液吸収材には、前記開口部に前記排出部が挿抜された場合に該排出部を予め設定した方向にガイドするガイド部を設けたことを特徴とする廃液回収体。
  2. 前記ガイド部は、前記開口部側に向けて末広がり状をなすテーパ部を有していることを特徴とする請求項1に記載の廃液回収体。
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