JP2009268229A - マイクロ発電機 - Google Patents

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英樹 榎本
Katsumi Kakimoto
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Abstract

【課題】小型化及び薄型化が可能なマイクロ発電機を提供する。
【解決手段】コイル7a,7bが巻回された磁極6a,6bを有する磁性体からなる固定ヨーク6を備える固定子2と、磁極6a,6bの先端面に対し磁気ギャップを介して対向配置された永久磁石8を有し、弾性バネ3を介して磁極6a,6bとの対向方向と直交する方向に往復動自在に支持された可動子4と、可動子4の往復動に伴いコイル7a,7bに誘起される電力を取り出す電力取出部とを備え、弾性バネ3と可動子4が一体成形されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、携帯型情報端末,無線機器,自転車用LEDランプ,自動車用無線通信機,遠隔操作端末等の電子機器における電力源に適用して好適な、マイクロ発電機に関する。
従来より、可動子の振動に伴いコイルに誘起される電力を発電電力として出力するマイクロ発電機が知られている(特許文献1,2参照)。
特開平7-170713号公報 特開2007-267590号公報
従来のマイクロ発電機では、可動子はコイルの軸方向に振動する形態であるために、コイルの軸方向の小型化及び薄型化を実現することが困難であった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、コイルの軸方向に小型化及び薄型化が可能なマイクロ発電機を提供することにある。
本発明に係るマイクロ発電機は、コイルが巻回された磁極を有する磁性体からなる固定ヨークを備える固定子と、磁極の先端面に対し磁気ギャップを介して対向配置された永久磁石を有し、弾性バネを介して磁極との対向方向と直交する方向に往復動自在に支持された可動子と、可動子の往復動に伴いコイルに誘起される電力を取り出す電力取出部とを備え、弾性バネと可動子が一体成形されている。
本発明に係るマイクロ発電機によれば、可動子がコイルとの対向方向と直交する方向に往復動すると共に弾性バネと可動子が一体成形されているので、コイルの軸方向に小型化及び薄型化することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態となるマイクロ発電機の構成について説明する。
〔マイクロ発電機の構成〕
本発明の実施形態となるマイクロ発電機1は、図1,2に示すように、固定子2と、弾性バネ3を介して固定子2の長手方向(左右方向)に揺動自在に支持された可動子4と、固定子2に固定された可動子4を保護するためのカバー部材5(図1では図示を省略)を主な構成要素として備える。固定子2は、2つの磁極6a,6bを備える略コの字型形状の磁性体からなる固定ヨーク6と、磁極6a,6bに巻回されたコイル7a,7bを有する。本実施形態では、コイル7a,7bは、固定ヨーク6の磁極6a,6bに巻回されているが、図3に示すように固定ヨーク6の磁極6a,6b以外の領域に巻回してもよい。また固定子2は、図4に示すように、セラミック基板,LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)基板,テフロン(登録商標)基板,ガラスエポキシ基板等の基板が複数積層された積層基板からなり、コイル7a,7bはスクリーン印刷やインクジェット法等の手法を利用してパターンコイルにより形成されていることが望ましい。
可動子4は、磁気ギャップを介して磁極6a,6bの端面に対向配置され、固定子2の上面に固定された弾性バネ3を介して磁極6a,6bが並ぶ方向に往復動自在に支持されている。可動子2の磁極6a,6bとの対向面には、上下方向において異なる磁極を有する永久磁石8が設けられている。カバー部材5は、シリコン,ガラス,セラミックス等のウェハにより形成されている。本実施形態では、弾性バネ3は可動子4の往復動方向に変位しやすく、その他の方向では変位しない板バネ形状等の形状を有し、弾性バネ3と可動子4はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)プロセス等の半導体製造技術を利用してシリコンウェハにより一体成形されている。本実施形態では、弾性バネ3は、固定子2の上面に固定されているが、カバー部材5の左右方向内壁面に固定してもよい。また低コスト化を実現するために、永久磁石8はエアロゾルデポジション法,パルスレーザーデポジション法,メッキ法,スパッタリング法,スクリーン印刷法等の半導体製造技術を利用して形成することが望ましい。
〔マイクロ発電機の動作〕
このような構成を有するマイクロ発電機1では、可動子4が振動,風力,波動等によって図2に示すA方向及びB方向に往復動(振動)すると固定ヨーク6の磁束量が変化することから、固定ヨークの磁束量変化を抑える方向にコイル7a,7bに電圧,電流が発生する。すなわち、可動子4が図2に示すA方向に移動している期間は、磁極6a,6bをそれぞれS極及びN極に励磁する誘起電力がコイル7a,7bに発生する。一方、可動子4が図2に示すB方向に移動している期間は、磁極6a,6bをそれぞれN極及びS極に励磁する誘起電力がコイル7a,7bに発生する。従って、整流回路を介してマイクロ発電機1をコンデンサ,バッテリ,電気回路(例えばIC等)等に接続することにより、この誘起電力を発電電力として取り出し,利用することができる。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態となるマイクロ発電機1では、可動子4はコイル7a,7bとの対向方向と直交する方向に往復動すると共に弾性バネ3と可動子4がシリコンウェハにより一体成形されているので、コイル7a,7bの軸方向に小型化及び薄型化することができる。また本実施形態では、固定子2は積層基板により構成され、コイル7a,7bはパターンコイルにより形成されているので、コイル7a,7bの加工プロセスを省略することが可能になり、低コストで小型化することができる。
なお本実施形態では、永久磁石8は、可動子4表面に直接固定されているが、図5に示すように、磁性体からなる可動子ヨーク9を介して可動子4表面に固定してもよい。このような構成によれば、可動子4と磁極6a,6b間に閉ループの磁路を形成することができるので、マイクロ発電機1の発電効率を向上させることができる。またこの場合、図6に示すように、可動ヨーク9の磁極6a,6bとの対向面上には、磁極6a,6bの先端面に対し磁気ギャップを介して対向し、永久磁石8の厚さと略同じ高さを有する凸部9aを形成することが望ましい。このような構成によれば、可動子2と磁極6a,6b間の磁気ギャップを短くすることができるので、マイクロ発電機1の発電効率をさらに向上させることができる。またこの場合、図7に示すように、凸部9aを永久磁石8aにより形成することにより、マイクロ発電機1の発電効率をさらに向上させることができる。なお低コスト化を実現するために、固定ヨーク6及び/又は可動ヨーク9はスパッタリング法や蒸着法等の半導体製造技術を利用して形成することが望ましい。
また図1〜図7に示す実施形態では、固定ヨーク6は、略コの字型形状であったが、図8(a),(b),(c)に示すように、略E字型形状としてもよい。このような構成によれば、磁極数が多くなり、また閉ループの磁路を形成することができるので、マイクロ発電機1の発電効率を向上させることができる。またこの場合、図9に示すように、永久磁石を複数(2組又は2極)設けるようにしてもよい。このような構成によれば、永久磁石による磁束変化量を大きくすることができるので、マイクロ発電機1の発電効率を向上させることができる。また本実施形態では、可動子4は1軸方向にのみ往復動することとしたが、図10に示すように、可動子4と対向する面内方向に4つの磁極6a,6b,6c,6dを有する固定ヨーク6を設け、弾性バネ3a,3b,3c,3dを介して可動子4を固定子2と対向する面内方向に揺動自在に支持するようにしてもよい。このような構成によれば、XYの2軸方向への可動子4の変位に対し発電することが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
本発明の実施形態となるマイクロ発電機の構成を示す斜視図である。 図1に示すマイクロ発電機の構成を示す断面図である。 図1に示すコイルの変形例の構成を示す部分断面図である。 図1に示す固定子の構成を示す断面図である。 図1に示すマイクロ発電機の変形例の構成を示す断面図である。 図1に示すマイクロ発電機の変形例の構成を示す断面図である。 図1に示すマイクロ発電機の変形例の構成を示す断面図である。 図5,6,7に示すマイクロ発電機の変形例の構成を示す断面図である。 図8(a)に示すマイクロ発電機の変形例の構成を示す断面図である。 図1に示すマイクロ発電機の変形例の構成を示す分解斜視図である。
符号の説明
1:マイクロ発電機
2:固定子
3,3a,3b,3c,3d:弾性バネ
4:可動子
5:カバー部材
6:固定ヨーク
6a,6b,6c,6d:磁極
7a,7b:コイル
8,8a,8b,8c:永久磁石
9:可動ヨーク
9a:凸部

Claims (11)

  1. コイルが巻回された磁極を有する磁性体からなる固定ヨークを備える固定子と、
    前記磁極の先端面に対し磁気ギャップを介して対向配置された永久磁石を有し、弾性バネを介して前記磁極との対向方向と直交する方向に往復動自在に支持された可動子と
    前記可動子の往復動に伴いコイルに誘起される電力を取り出す電力取出部とを備え、
    弾性バネと可動子が一体成形されていること
    を特徴とするマイクロ発電機。
  2. 請求項1に記載のマイクロ発電機において、前記固定子が積層基板により構成され、前記コイルがパターンコイルにより形成されていることを特徴とするマイクロ発電機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のマイクロ発電機において、前記永久磁石が磁性体からなる可動ヨークを介して前記可動子に固定されていることを特徴とするマイクロ発電機。
  4. 請求項3に記載のマイクロ発電機において、前記可動ヨークの前記磁極との対向面上には、前記磁極の先端面に対し磁気ギャップを介して対向し、前記永久磁石の厚さと略同じ高さを有する凸部が形成されていることを特徴とするマイクロ発電機。
  5. 請求項4に記載のマイクロ発電機において、前記凸部が永久磁石により形成されていることを特徴とするマイクロ発電機。
  6. 請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1項に記載のマイクロ発電機において、前記固定ヨークは略E字型形状であることを特徴とするマイクロ発電機。
  7. 請求項6に記載のマイクロ発電機において、前記可動子が往復動方向に永久磁石を複数備えることを特徴とするマイクロ発電機。
  8. 請求項1乃至請求項7のうち、いずれか1項に記載のマイクロ発電機において、前記固定ヨークが前記可動子と対向する面内方向に4つの磁極を有し、前記可動子は弾性バネを介して前記固定子と対向する面内方向に揺動自在に支持されていることを特徴とするマイクロ発電機。
  9. 請求項3乃至請求項8のうち、いずれか1項に記載のマイクロ発電機において、前記固定ヨークと前記可動ヨークの少なくとも一方が半導体製造技術を利用して形成されていることを特徴とするマイクロ発電機。
  10. 請求項1乃至請求項9のうち、いずれか1項に記載のマイクロ発電機において、前記永久磁石が半導体製造技術を利用して形成されていることを特徴とするマイクロ発電機。
  11. 請求項1乃至請求項10のうち、いずれか1項に記載のマイクロ発電機において、
    前記弾性バネと可動子はシリコンウェハにより一体成形されていることを特徴とするマイクロ発電機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102010013625A1 (de) * 2010-04-01 2011-10-06 A. Raymond Seismischer Generator
CN105119461A (zh) * 2015-09-30 2015-12-02 江南大学 一种用于运输包装的振动能量采集器

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