JP2009268030A - 画像処理装置、画像処理方法およびコンピュータプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法およびコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】エッジのがたつきや欠けを抑制するように各印刷画素におけるドットの形成状態を決定することを可能とする。
【解決手段】画像処理装置は、画像を構成する複数の画素からドット色エッジ画素を検出し、画像の印刷の際にドット色エッジ画素に対して同一サイズのドットが形成されるように第2サイズのドットを割り当てる。さらに、画像を構成する複数の画素から細線部分に位置するドット色細線画素を検出し、前記ドット色エッジ画素であっても前記ドット色細線画素に該当する場合には、前記第2サイズよりもドットのサイズが大きい第1サイズのドットを割り当てる。
【選択図】図2

Description

本発明は、複数の画素から構成される画像を複数サイズのドットを利用して印刷する際のドットの形成状態を決定する画像処理に関する。
紙や布、フィルムなどの各種印刷媒体にドットを形成して画像を印刷する印刷装置として、インクジェットプリンタが知られている。インクジェットプリンタは、例えばシアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のインクを印刷媒体に向けて噴射して印刷媒体上にインクドットを形成することにより、印刷媒体上に画像を印刷する。インクジェットプリンタには、例えば大ドット(Lドット)、中ドット(Mドット)、小ドット(Sドット)のように、複数サイズのドットを形成可能なものがある。
インクジェットプリンタによる画像の印刷の際には、一般に、画像を表す画像データに基づき、各印刷画素におけるドットの形成状態を決定する処理(ハーフトーン処理と呼ばれる)が行われる(例えば特許文献1参照)。ここで、各印刷画素におけるドットの形成状態を決定するとは、各印刷画素にどの色のどのサイズのドットを形成するか(あるいはドットを形成しないか)を決定することである。
特開2007−118238号公報
ハーフトーン処理の際には、色のにじみの発生を抑制する等のために、印刷媒体の単位面積当たりの総インク量に制限が設けられる場合がある。このような場合には、例えば画像中の文字や線画におけるエッジの部分を構成する印刷画素に、異なるサイズのドットが混在して形成されたり、当該印刷画素の一部にドットが形成されなかったりする可能性があり、エッジのがたつきや欠けによって印刷画質が低下するおそれがあった。
なお、このような問題は、インクジェットプリンタによる画像の印刷に限らず、ドットを利用して画像を印刷する際の各印刷画素におけるドットの形成状態を決定する際に共通の問題であった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、印刷画質を向上させるように各印刷画素におけるドットの形成状態を決定することを可能とする技術を提供することを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明は、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1] 複数の画素から構成される画像を、第1サイズと前記第1サイズよりも小さい第2サイズとを少なくとも含む複数サイズのドットを利用して印刷する際のドットの形成状態を決定する画像処理装置であって、
前記複数の画素から、前記画像の印刷に用いられるドットの色の画素であって線幅が最小サイズとなる細線部分に位置するドット色細線画素を検出する細線検出部と、
前記複数の画素から、前記画像の印刷に用いられるドットの色の画素であって前記画像におけるエッジに位置するドット色エッジ画素を検出するエッジ検出部と、
前記画像の印刷の際に前記ドット色細線画素に対して前記第1サイズのドットが形成されるように、ドットを割り当てる第1のドット割り当て部と、
前記画像の印刷の際に前記ドット色細線画素に該当しない前記ドット色エッジ画素に対して前記第2サイズのドットが形成されるように、ドットを割り当てる第2のドット割り当て部と
を備える、画像処理装置。
この画像処理装置では、画像を構成する複数の画素からドット色エッジ画素が検出され、画像の印刷の際にドット色エッジ画素に対して同一サイズのドットが形成されるように第2サイズのドットが割り当てられるため、エッジのがたつきや欠けが抑制され、印刷画質を向上させることができる。さらに、画像を構成する複数の画素から細線部分(線幅が最小サイズ)に位置するドット色細線画素が検出され、前記ドット色エッジ画素であっても前記ドット色細線画素に該当する場合には、前記第2サイズのドットに換えて前記第2サイズよりもドットのサイズが大きい第1サイズのドットが割り当てられるため、細線部分に前記第2サイズが割り当てられて細く(薄く)なりすぎることを防止することができる。
[適用例2] 適用例1に記載の画像処理装置であって、前記第2サイズのドットは、前記複数サイズのドットの内の最小サイズのドットである、画像処理装置。この画像処理装置では、ドット色エッジ画素に対して最小サイズのドットが割り当てられることでより細くなり易いところを、確実に細くなりすぎることを防止することができる。
[適用例3] 適用例1または2に記載の画像処理装置であって、ハーフトーン処理によって、前記画像を構成する複数の画素の内の前記ドット色細線画素と前記ドット色エッジ画素のいずれにも該当しない画素に対してドットの形成状態を決定するハーフトーン処理部を備える、画像処理装置。
この画像処理装置では、ドット色細線画素とドット色エッジ画素のいずれにも該当しない画素に対してはハーフトーン処理によってドットの形成状態が決定されるため、上記いずれにも該当しない画素については印刷媒体の単位面積当たりの総インク量に制限を設けることができ、色のにじみの発生を抑制して印刷画質を向上させることができる。
[適用例4] 適用例1または2に記載の画像処理装置であって、前記複数の画素から、前記画像の印刷に用いられるドットの色の画素であって前記画像におけるエッジからの距離が所定の値以下である前記ドット色エッジ画素以外のドット色エッジ周辺画素を検出するエッジ周辺検出部と、前記画像の印刷の際に前記ドット色エッジ周辺画素に対して前記複数サイズのドットの内の前記第2サイズ以上のサイズのドットが形成されるように、ドットを割り当てる第3のドット割り当て部とを備える、画像処理装置。
この画像処理装置では、画像データを構成する画素からドット色エッジ周辺画素が検出され、画像の印刷の際にドット色エッジ周辺画素に対して複数サイズのドットの内の第2サイズ以上のサイズのドットが形成されるようにドットが割り当てられるため、エッジ部分におけるにじみや太りがより良好に抑制され、印刷画質をさらに向上させることができる。
[適用例5] 適用例4に記載の画像処理装置であって、ハーフトーン処理によって、前記画像を構成する複数の画素の内の前記ドット色細線画素と前記ドット色エッジ画素と前記ドット色エッジ周辺画素とのいずれにも該当しない画素に対してドットの形成状態を決定するハーフトーン処理部を備える、画像処理装置。
この画像処理装置では、ドット色細線画素とドット色エッジ画素とドット色エッジ周辺画素のいずれにも該当しない画素に対してはハーフトーン処理によってドットの形成状態が決定されるため、上記いずれにも該当しない画素については印刷媒体の単位面積当たりの総インク量に制限を設けることができ、色のにじみの発生を抑制して印刷画質を向上させることができる。
[適用例6] 適用例1ないし5のいずれかに記載の画像処理装置であって、前記画像は、白色と前記画像の印刷に用いられるドットの色の1つとのみにより構成された画像である、画像処理装置。この画像処理装置では、白色と画像の印刷に用いられるドットの色の1つとのみを用いた画像の印刷の際に、印刷画質を向上させることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、画像処理方法、ドット形成状態決定方法および装置、ドットデータ生成方法および装置、印刷データ生成方法および装置、印刷方法および装置、これらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、そのコンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号、等の形態で実現することができる。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下に説明する。
A.第1実施例:
A1.実施例の全体構成:
図1は、本発明の第1実施例における印刷システムの構成を概略的に示す説明図である。本実施例における印刷システム1000は、画像処理装置としてのパーソナルコンピュータ100と、パーソナルコンピュータ100に有線または無線によって接続されたプリンタ200と、を備えている。
パーソナルコンピュータ100は、プログラムを実行することにより種々の処理や制御を行うCPU110と、プログラムやデータ・情報を格納するメモリ120と、外部に接続される周辺機器との間でデータや情報のやりとりを行う入出力インタフェース(I/F)部130と、を備えている。メモリ120は、出力バッファ32を有している。パーソナルコンピュータ100は、さらに、キーボードやポインティングデバイスなどの入力装置、ディスプレイなどの表示装置、CD−ROMドライブ装置などの記録再生装置等を備えていてもよい。
パーソナルコンピュータ100には、アプリケーションプログラム10やプリンタドライバ20などのプログラムがインストールされている。アプリケーションプログラム10やプリンタドライバ20は、所定のオペレーティングシステム(図示せず)の下でCPU110により実行される。
アプリケーションプログラム10は、例えば画像編集機能を実現するためのプログラムである。ユーザは、アプリケーションプログラム10の提供するユーザインターフェースを介して、アプリケーションプログラム10により編集された画像を印刷する指示を与えることができる。アプリケーションプログラム10は、ユーザより印刷の指示を受けると、プリンタドライバ20に印刷の対象となる画像データを出力する。なお、本実施例では、画像データはRGBデータとして出力される。
プリンタドライバ20は、アプリケーションプログラム10から出力された画像データに基づき印刷データを生成する機能を実現するためのプログラムである。プリンタドライバ20は、CD−ROMなどの各種記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記録媒体等)に記憶されて配布されたり、またはインターネットなど各種通信手段を通じて配信されたりする。
プリンタドライバ20は、アプリケーションプログラム10から画像データを受け取り、画像データに基づき印刷データを生成し、生成された印刷データをプリンタ200に出力する。ここで、印刷データは、プリンタ200が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータとドットデータとを含む。コマンドデータは、プリンタ200に特定の動作の実行を指示するためのデータである。ドットデータは、印刷される画像(印刷画像)を構成する画素(印刷画素)におけるドットの形成状態を表すデータであり、具体的には、各印刷画素にどの色のどのサイズのドットを形成するか(あるいはドットを形成しないか)を示すデータである。ここで、「ドット」とは、プリンタ200から噴射されたインクが印刷媒体に着弾して形成される1つの領域をいう。
プリンタドライバ20は、アプリケーションプログラム10から出力された画像データを印刷データに変換するために、解像度変換処理部21と、細線判定部22と、エッジ判定部23と、色変換処理部24と、ハーフトーン処理部25と、第1のドット割り当て部26と、第2のドット割り当て部27と、ラスタライズ処理部28と、を含んでいる。細線判定部22は本発明における細線検出部に相当し、エッジ判定部23は本発明におけるエッジ検出部に相当する。
解像度変換処理部21は、アプリケーションプログラム10から出力された画像データの解像度をプリンタ200の印刷解像度に一致するように変換する解像度変換処理を行う。
細線判定部22は、画像データを構成する各画素について、黒色細線画素であるか否かを判定する。ここで、本実施例における「黒色細線画素」とは、黒色の画素であって線幅が最小サイズとなる細線部分に位置する画素である。「最小サイズ」とは、1画素の大きさ(値1)である。すなわち、線幅が最小サイズとなる細線部分に位置する画素とは、下記のi)、ii)の条件の少なくとも一方を満足する画素である。
i)当該画素の上方向に隣接する上方向隣接画素と当該画素の下方向に隣接する下方向隣接画素との双方が黒色以外の色であること。
ii)当該画素の左方向に隣接する左方向隣接画素と当該画素の右方向に隣接する右方向隣接画素との双方が黒色以外の色であること。
エッジ判定部23は、画像データを構成する各画素について、黒色エッジ画素であるか否かを判定する。ここで、本実施例における「黒色エッジ画素」とは、黒色の画素であって画像における黒色エッジに位置する画素である。また、黒色エッジに位置する画素とは、当該画素の上、下、左、右の方向に隣接する4つの隣接画素のうちの少なくとも一つが黒色以外の色である画素である。
色変換処理部24は、画像データを構成する画素の内、黒色細線画素でも黒色エッジ画素でもない画素(以下、「通常処理画素」と呼ぶ)を対象に、色変換処理を行う。本実施例で用いられるプリンタ200は、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色のインクを用いて印刷を行うプリンタである。そのため、色変換処理部24は、対象画素のそれぞれについて、RGB値で表された画素値をCMYK値に変換する。
ハーフトーン処理部25は、色変換処理部24による色変換処理後の画素値に基づきハーフトーン処理を行い、通常処理画素に対応した印刷画素におけるドットの形成状態を決定し、出力バッファ32に記録する。本実施例では、ハーフトーン処理部25は、印刷媒体の単位面積当たりの総インク量に制限を設けつつ、ディザマトリクスによる閾値処理によってハーフトーン処理を行う。なお、本実施例で用いられるプリンタ200は、小さいサイズの小ドット(以下「Sドット」とも呼ぶ)と中程度のサイズの中ドット(以下「Mドット」とも呼ぶ)と大きいサイズの大ドット(以下「Lドット」とも呼ぶ)との3種類のサイズのドットを形成可能なプリンタである。そのため、印刷画素におけるドットの形成状態としては、各インク色について、ドットを形成しない、Sドットを形成する、Mドットを形成する、Lドットを形成する、の計4つの選択肢が存在することとなる。
第1のドット割り当て部26は、画像データを構成する画素の内、黒色細線画素に対応した印刷画素にMドットを割り当てることにより、黒色細線画素に対応した印刷画素におけるドットの形成状態を決定し、出力バッファ32に記録する。この「Mドット」が本発明における第1サイズのドットに対応する。
第2のドット割り当て部27は、画像データを構成する画素の内、黒色エッジ画素に対応した印刷画素にSドットを割り当てることにより、黒色エッジ画素に対応した印刷画素におけるドットの形成状態を決定し、出力バッファ32に記録する。なお、第1のドット割り当て部26および第2のドット割り当て部27によるドットの割り当て方法については、後に詳述する。この「Sドット」が本発明における第2サイズのドットに対応する。
ラスタライズ処理部28は、出力バッファ32に記録された各印刷画素におけるドットの形成状態に基づきドットデータを生成すると共に、ドットデータをプリンタ200に転送すべき順序に並び替える。
本実施例のプリンタ200は、印刷媒体にインクドットを形成して画像を印刷するインクジェットプリンタである。プリンタ200は、プログラムを実行することによりプリンタ200全体の制御や各種処理を行うCPU210と、プログラムやデータ・情報を格納するメモリ220と、外部に接続されるパーソナルコンピュータ100との間でデータや情報のやりとりを行う入出力インタフェース(I/F)部230と、CPU210からの指示に従って各ユニットを制御するユニット制御回路240と、ヘッドユニット250と、キャリッジユニット260と、搬送ユニット270と、を備えている。
ヘッドユニット250は、印刷媒体にインクを噴射するためのヘッド(図示せず)を有している。ヘッドは、複数のノズルを有し、各ノズルから断続的にインクを噴射する。このヘッドはキャリッジ(図示せず)に搭載されており、キャリッジが所定の走査方向(主走査方向)に移動すると、ヘッドも主走査方向に移動する。ヘッドが主走査方向に移動している間にインクを断続的に噴射することにより、主走査方向に沿ったドットライン(ラスタライン)が印刷媒体上に形成される。
キャリッジユニット260は、ヘッドを搭載するキャリッジを主走査方向に往復移動させるための駆動装置である。キャリッジには、ヘッドの他、インクを収容するインクカートリッジも着脱可能に保持されている。
搬送ユニット270は、印刷媒体を印刷可能な位置に送り込み、印刷時に所定の搬送方向に所定の搬送量で印刷媒体を搬送させることによって副走査を行うための駆動装置である。搬送ユニット270は、例えば、給紙ローラ、搬送モータ、搬送ローラ、プラテン、及び排紙ローラ(図示せず)などによって構成される。
ユーザがアプリケーションプログラム10上で画像の印刷を指示すると、アプリケーションプログラム10からプリンタドライバ20に印刷命令が発せられる。この印刷命令には、アプリケーションプログラム10上で編集された画像データ(RGBデータ)が含まれる。
印刷命令を受領したプリンタドライバ20では、解像度変換処理部21が、印刷命令の中に含まれている画像データの解像度を、印刷解像度に一致するように変換する。続いて、画像データを構成する各画素について、細線判定部22が黒色細線画素であるか否かを判定するとともに、エッジ判定部23が黒色エッジ画素であるか否かを判定する。細線判定部22とエッジ判定部23により、黒色細線画素でも黒色エッジ画素でもない通常画素であると判定された画素については、色変換処理部24による色変換処理およびハーフトーン処理部25によるハーフトーン処理を介してドットの形成状態が決定される。
黒色細線画素と判定された画素については、第1のドット割り当て部26によりMドットにドットの形成状態が決定される。黒色エッジ画素と判定された画素については、第2のドット割り当て部27によりSドットにドットの形成状態が決定される。決定されたドットの形成状態は、出力バッファ32に記録される。ドットの形成状態を決定する処理については後に詳述する。ラスタライズ処理部28は、出力バッファ32に記録された各印刷画素におけるドットの形成状態に基づきドットデータを生成すると共に、ドットデータをプリンタ200に転送すべき順序に並び替え、ドットデータを含む印刷データを入出力インタフェース部130を介してプリンタ200に出力する。
プリンタ200は、パーソナルコンピュータ100から印刷データを受領すると、印刷処理を実行する。まず、CPU210は、パーソナルコンピュータ100から入出力インタフェース部230を介して印刷データを受領し、受領した印刷データに含まれる各種コマンドの内容を解析する。CPU210は、解析結果に基づき、ユニット制御回路240を介して搬送ユニット270を制御する。この制御により、搬送ユニット270は、印刷すべき紙(印刷媒体)をプリンタ200内に供給させ、印刷開始位置に紙を位置決めする。
次に、CPU210は、ユニット制御回路240を介してキャリッジユニット260を制御する。この制御により、キャリッジユニット260は、ヘッドを搭載したキャリッジを主走査方向に移動させる。また、CPU210は、ユニット制御回路240を介して印刷データに基づいてヘッドユニット250を制御する。この制御により、ヘッドユニット250は、主走査方向に沿って移動するヘッドから、印刷データに基づいてインクを断続的に噴射させ、噴射されたインク滴が紙上に着弾することにより紙上にドットを形成させる。さらに、CPU210は、搬送ユニット270を制御し、紙を搬送方向に搬送させて、ヘッドに対し相対的に移動させる。これにより、ヘッドは、先ほど形成されたドットの位置とは異なる位置にドットを形成することが可能になる。こうして、印刷するためのデータがなくなるまで、ドット形成や搬送などの処理を繰り返し、ドットから構成される画像を紙に印刷する。その後、印刷するためのデータがなくなれば、印刷処理が完了する。
A2.ドット形成状態の決定処理:
図2は、ドット形成状態の決定処理の流れを示すフローチャートである。ドット形成状態の決定処理は、解像度変換処理部21による解像度変換処理後の画像データに基づき、各印刷画素におけるドットの形成状態を決定し、出力バッファ32に記録する処理である。
図3は、解像度変換処理後の印刷対象画像の一例を示す説明図である。以下では、図3に示す印刷対象画像40に基づき印刷処理が行われるものとして説明する。図3に示す印刷対象画像40は、線画Aを含んでいる。線画Aは、横6×縦14個の黒色画素によって構成されている。印刷対象画像40の線画A以外の部分の画素はすべて白色画素である。すなわち、印刷対象画像40は、白色とインクドット色の1つである黒色とのみにより構成されたモノクロ画像である。なお、図3において、×印は後述する注目画素を示しており、実線矢印は注目画素が移動する軌跡を示している。
図4は、出力バッファ32(図1参照)の構成を示す説明図である。出力バッファ32は、印刷対象画像40の各画素に対応した印刷画素におけるドット形成状態が記録可能なように構成されている。図4に示した32Aの部分は、印刷対象画像40の線画Aに対応した部分である。なお、出力バッファ32は、必ずしも印刷対象画像40全体の各画素に対応した印刷画素におけるドット形成状態が記録可能に構成されている必要はなく、印刷処理をバンド(印刷対象画像40を複数の帯状領域に分割した分割画像)単位で実行する場合には、出力バッファ32はバンド内の各画素に対応した印刷画素におけるドット形成状態が記録可能に構成されていればよい。
図2に示すように、処理が開始されると、CPU110は、解像度変換処理部21による解像度変換処理後の画像データを読み込む(ステップS102)。次いで、CPU110は、印刷対象画像40における左上の画素を最初の注目画素として設定する(ステップS104)。
図5および図6は、注目画素の位置と出力バッファ32の状態とを対応付けて示す説明図である。図5および図6の上段には、印刷対象画像40上の線画A(図3参照)との関係における注目画素の位置(×マークで示す)を示しており、下段には、出力バッファ32における線画Aに対応した部分32A(図4参照)の状態を示している。図中の記号「S」は「Sドットを形成する」というドット形成状態を示している。同様に、図中の記号「M」は「Mドットを形成する」というドット形成状態を、記号「L」は「Lドットを形成する」というドット形成状態を、それぞれ示している。時間の経過と共に、図5の左端の状態(状態a)から右端の状態(状態e)、さらに図6の左端の状態(状態f)から右端の状態(状態j)へと推移するものとする。図5に示した状態aは、印刷対象画像40における左上の画素が最初の注目画素として設定されたときの状態を示している。
図2に戻って、CPU110は、ステップS104の実行後、ステップS106に処理を進めて、注目画素が黒色画素であるか否かを判定する。本実施例に用いられる印刷対象画像40は、線画A以外の部分はすべて白色であるため、図5の状態aにおいては注目画素は黒色画素ではないと判定される。注目画素は黒色画素ではないと判定された場合には(ステップS106:NO)、CPU110は、色変換処理部24(図1)により色変換処理を行うと共に、ハーフトーン処理部25によりハーフトーン処理を行う(ステップS108)。ハーフトーン処理の結果、図5の状態aにおいては、注目画素に対応した印刷画素のドット形成状態は「ドットを形成しない」という状態に決定される。
ステップS108の実行後、ステップS122(図2)において、CPU110は、注目画素が印刷対象画像40の右端の画素であるか否かを判定する。注目画素が印刷対象画像40の右端の画素ではないと判定された場合には(ステップS122:NO)、CPU110は、注目画素を右に1画素分移動する(ステップS124)。その後、処理はステップS106に戻る。
図5の状態aにおいて、注目画素に対応した印刷画素のドット形成状態が決定されると、注目画素が1画素分右に移動されることになる。この後、ステップS106において、再度、注目画素は黒色画素ではない判定される。そのため、この状態においても、色変換処理部24による色変換処理およびハーフトーン処理部25によるハーフトーン処理が実行され(ステップS108)、注目画素に対応した印刷画素のドット形成状態は「ドットを形成しない」という状態に決定される。このような処理が繰り返され、図5の状態aから注目画素が印刷対象画像40の右端まで移動すると、ステップS122において注目画素は右端であると判定される。このときには、CPU110が、注目画素は画像の下端の画素であるか否かを判定する(ステップS126)。注目画素は画像の下端の画素ではないと判定された場合には(ステップS126:NO)、CPU110が、注目画素を1ライン下の画像左端に移動する(ステップS128)。その後、処理はステップS106に戻る。
上述の処理が繰り返され、注目画素が図5の状態bに示す位置まで移動すると、ステップS106において注目画素は黒色画素であると判定される。このときには、CPU110は、細線判定部22により、線幅判定処理を実行する(ステップS110)。線幅判定処理は、注目画素を含む線分の線幅が値1であるか、値1を上回る大きさであるかを判定するものであり、細線判定部22により実行される。すなわち、線幅判定処理によれば、線幅が値1であるか否かを判定することにより、注目画素が黒色細線画素であるか否かを判定している。
図7は、線幅判定処理の流れを示すフローチャートである。図示するように、この線幅判定処理に処理が移行すると、CPU110は、注目画素の上方向に隣接する上方向隣接画素と、注目画素の下方向に隣接する下方向隣接画素との双方が、黒色以外の色(すなわち、モノクロ画像である場合、白色)であるか否かを判定する(ステップS202)。また、CPU110は、注目画素の左方向に隣接する左方向隣接画素と、注目画素の右方向に隣接する右方向隣接画素との双方が、黒色以外の色(すなわち、モノクロ画像である場合、白色)であるか否かを判定する(ステップS204)。
ステップS202でYES判定、すなわち、上方向隣接画素と下方向隣接画素との双方が白色であると判定されたとき、または、ステップS204でYES判定、すなわち、左方向隣接画素と右方向隣接画素とが白色であると判定されたときに、CPU110は、線幅が値1である旨を記憶する(ステップS206)。一方、ステップS202でNO判定され、かつ、ステップS204でNO判定されたとき、すなわち、上方向隣接画素と下方向隣接画素との双方が白色であるということはなく、かつ、左方向隣接画素と右方向隣接画素との双方が白色であるということはない場合に、CPU110は、線幅は値1より大きい旨を記憶する(ステップS208)。
注目画素が図5の状態bに示す位置では、注目画素の上方向隣接画素は白色画素であるが、下方向隣接画素は黒色画素であることから、ステップS202では、「NO」と判定される。注目画素の左方向隣接画素は白色画素であるが、右方向隣接画素は黒色画素であることから、ステップS204では、「NO」と判定される。ステップS202,S204共に「NO」と判定されることから、ステップS208で、線幅は値1より大きいと判定される。
図2に戻り、ステップS110の実行後、CPU110は、線幅判定処理の判定結果に基づいて、線幅は値1であるか否かを判定する(ステップS112)。ステップS112で、線幅が値1であると判定された場合には、CPU110は、Mドットを割り当てる(ステップS114)。このステップS114の処理は、第1のドット割り当て部26によるものである。
一方、ステップS112で、線幅が値1より大きいと判定された場合には、CPU110は、注目画素の上、下、左、右の方向に隣接する4つの隣接画素のうちの少なくとも一つが黒色以外の色(すなわち、モノクロ画像である場合、白色)であるか否かを判定する(ステップS116)。この判定の処理は、エッジ判定部23によるもので、黒色の画素であって画像における黒色エッジに位置する画素であるか否かを判定している。
注目画素が図5の状態bに示す位置では、前述したように線幅は値1より大きいことから、ステップS116に処理が移行して、上記の判定を行う。注目画素が図5の状態bに示す位置では、注目画素の上方向隣接画素と左方向隣接画素が共に白色画素であるため、「YES」と判定される。ステップS116で「YES」と判定されたとき、CPU110は、Sドットを割り当てる(ステップS117)。このステップS117の処理は、第2のドット割り当て部27によるものであり、この処理の結果、注目画素が図5の状態bに示す位置では、出力バッファ32の注目画素に対応した領域に「Sドットを形成する」というドットの形成状態を記録する。その後も、注目画素の移動と、注目画素および隣接画素の判定結果に応じた方法によるドット形成状態の決定とが繰り返し実行され、出力バッファ32の状態は図5の状態c、状態dに示したように遷移する。
注目画素が、図5の状態eに示す位置まで移動したとき、線幅は値1を上回り、注目画素の上、下、左、右の方向に隣接する4つの隣接画素は全て黒色画素であることから、ステップS112で「NO」、ステップS116で、「NO」と判定され、色変換処理部24による色変換処理とハーフトーン処理部25によるハーフトーン処理が行われる(ステップS120)。ハーフトーン処理の結果、注目画素に例えばMドットが割り当てられた場合には、出力バッファ32の注目画素に対応した領域に「Mドットを形成する」というドットの形成状態が記録される(図5の状態e参照)。その後も、注目画素の移動と、注目画素および隣接画素の判定結果に応じた方法によるドット形成状態の決定とが繰り返し実行され、出力バッファ32の状態は図6の状態f、状態g、状態hに示したように遷移する。
図6の状態hの後、注目画素が印刷対象画像40(図3)の2行目の右端まで移動すると、注目画素の右方向隣接画素が白色画素であるため、ステップS116でYES判定され、ステップS117でSドットが割り当てられる。この結果、注目画素が図6の状態iに示す位置では、出力バッファ32の注目画素に対応した領域に「Sドットを形成する」というドットの形成状態を記録する。その後も、注目画素の移動と、注目画素および隣接画素の判定結果に応じた方法によるドット形成状態の決定とが繰り返し実行され、出力バッファ32の状態は順に変化し、図6の状態jに示したように遷移する。状態jの後、注目画素が印刷対象画像40(図3)の右下端まで移動すると、図2のステップS126において注目画素は画像の下端であると判定され、処理が終了する。
図8は、上記構成のドット形成状態の決定処理により得られた出力バッファ32の状態を、従来例により得られるドットパターンと比較して示す説明図である。図8(a)は、印刷対象画像の一例である。印刷対象画像は、図3と同一の線画Aを備える。図8(b)は、従来の画像処理によって印刷対象画像を画像処理して得られたドットデータである。ここで言う「従来の画像処理」は、本実施例におけるハーフトーン処理部25により実行されるハーフトーン処理を全画素に対して施すものである。図8(c)は、本実施例のドット形成状態の決定処理により得られた出力バッファ32の状態である。この出力バッファ32の状態は、図6の状態jのものと同一である。
図8(b)のドットパターンにおける、最上列、最下列、最左列、最右列には、異なるサイズのドットが混在して形成されている。また、最右列の下から5行目、および最右列の最下行の位置は、ドット無しの形成状態となっている。これに対して、上記構成のドット形成状態の決定処理により得られた出力バッファ32の状態は、図8(c)に示すように、最上列、最下列、最左列、最右列の各画素は、Sドットの形成状態が記録される。これは、最上列、最下列、最左列、最右列の各画素は、上、下、左、右方向の少なくとも一方向の隣接画素は白色画素であることから、ステップS116でYES判定されて、ステップS117によりSドットが割り当てられるためである。
図9は、印刷対象画像が細線を示すものであるときの出力バッファ32の状態を、従来例により得られるドットパターンと比較して示す説明図である。図9(a)は、印刷対象画像が細線を示すものである場合の一例である。印刷対象画像340は、線画Bと線画Cとを含んでいる。線画Bは横1×縦6個の黒色画素によって構成され、線画Cは横2×縦6個の黒色画素によって構成される。図9(b)は、従来の画像処理によって印刷対象画像を画像処理して得られたドットデータである。図9(c)は、本実施例のドット形成状態の決定処理により得られた出力バッファ32の状態である。
上記構成のドット形成状態の決定処理により得られた出力バッファ32の状態は、図9(c)に示すように、線幅が値1である線画Bについては、Mドットの形成状態が記録され、線幅が値2である線画Cについては、Sドットの形成状態が記録されることになる。なお、仮に、ドット形成状態の決定処理(図2)において、ステップS110,S112,S114が無かったときには、線幅が値1である線画BについてもSドットの形成状態が記録されることになるが、本実施例では、線画BはMドットの形成状態が記録される。
A3.実施例の効果:
以上説明したドット形成状態の決定処理により、印刷対象画像40(図3、図8(a)参照)の線画Aの部分に対応した印刷画素のドット形成状態は、図8(c)に示したように決定される。この状態では、線画Aのエッジ部分、すなわち、線画Aの全周部分にSドットが強制的に割り当てられることになり、エッジの部分を構成する印刷画素に、異なるサイズのドットが混在して形成されたり欠けが生じたりすることをなくすことができる。したがって、プリンタ200による画像の印刷の際に、エッジのがたつきや欠けが抑制され、印刷画質を向上させることができる。
さらに、上記ドット形成状態の決定処理によれば、印刷対象画像340(図9(a)参照)の線幅が値1である線画Bの部分に対応した印刷画素のドット形成状態は、図9(c)に示したように決定される。このために、線幅が値1であるような細線部分にSドットが割り当てられることで、細線部分が細く(薄く)なりすぎることを防止することができる。この結果、印刷画質をより向上させることができる。
また、本実施例では、黒色細線画素と黒色エッジ画素のいずれにも該当しない通常画素に対してはハーフトーン処理によってドットの形成状態が決定されるため、通常画素については印刷媒体の単位面積当たりの総インク量に制限を設けることができ、色のにじみの発生を抑制して印刷画質を向上させることができる。
B.第2実施例:
本発明の第2実施例について説明する。第2実施例における印刷システムは、第1実施例における印刷システムと比較して、ハードウェア構成は同一であり、ソフトウェア構成の一部が相違するだけである。
図10は、第2実施例におけるドット形成状態の決定処理の流れを示すフローチャートである。このドット形成状態の決定処理は、第1実施例におけるドット形成状態の決定処理と比較して、ステップS118およびS119が追加されただけであり、その他の構成は同一である。ステップS116で、注目画素の上、下、左、右の方向の隣接画素のうちの少なくとも一つが白色でないと判定されると、CPU110はステップS118に処理を進める。
ステップS118では、CPU110は、注目画素の上、下、左、右の4方向のうちのいずれかにおいて、下記のa)、b)の条件の両方を満足するか否かを判定する。
a)注目画素からの距離が値1である隣接画素が黒色であること。
b)注目画素からの距離が値2である2画素離隔画素が白色であること。
図11は、注目画素、隣接画素、2画素離隔画素の関係を示す説明図である。図11に示すように、注目画素P0の上、下、左、右の各方向に隣接する4つの画素(P1〜P4)が上記隣接画素である。また、注目画素P0から上下左右の各方向に2画素分離れた画素(P5〜P8)を上記2画素離隔画素である。換言すれば、ステップS118では、(P1=黒色かつP5=白色)または(P2=黒色かつP6=白色)または(P3=黒色かつP7=白色)または(P4=黒色かつP8=白色)であるか否かを判定している。注目画素が黒色で、かつ2画素離隔画素が白色で、かつ隣接画素が黒色であるということは、注目画素が黒色エッジ周辺画素であるということを意味する。黒色エッジ周辺画素とは、画像におけるエッジからの距離が所定の値(ここでは“2”)以下である画素のうちのドット色エッジ画素以外の画素である。
ステップS118で「YES」と判定されたときには、CPU110は、Mドットを割り当てる(ステップS119)。この処理の結果、出力バッファ32の注目画素に対応した領域、すなわち黒色エッジ周辺画素の領域に「Mドットを形成する」というドットの形成状態を記録する。ステップS119の実行後、ステップS120に処理を進める。一方、 ステップS118で「NO」と判定されたときには、第1実施例と同一のステップS120に処理を進めて、色変換処理部24による色変換処理とハーフトーン処理部25によるハーフトーン処理を行う。
以上のように構成されたドット形成状態の決定処理により得られた出力バッファ32の状態を図12に示した。図12(a)は、印刷対象画像の一例である。印刷対象画像は、図3と同一の線画Aを備える。図12(b)は、従来の画像処理によって印刷対象画像を画像処理して得られたドットデータである。図12(c)は、本第2実施例のドット形成状態の決定処理により得られた出力バッファ32の状態である。
図12(c)に示すように、プリンタ200による画像の印刷の際に、黒色エッジ画素に対応した印刷画素にはSドットが形成され、黒色エッジ周辺画素に対応した印刷画素にはMドットが形成されることとなる。また、黒エッジからの距離が2より大きい通常処理画素に対応した印刷画素のドット形成状態は、通常のハーフトーン処理によって決定される。第1実施例の図8(c)と比較すると、黒色エッジ周辺画素に対応した印刷画素にはMドットが形成されることが相違する。
なお、印刷対象画像が細線を示すものであるときの出力バッファ32の状態は、本第2実施例でも、第1実施例と同じ図9に示したものとなる。
以上のように構成された第2実施例では、第1実施例と同一の効果を奏する。さらに、第2実施例では、黒色エッジ周辺画素に対応した印刷画素に、黒色エッジ画素に対応した印刷画素に割り当てられるドット(本実施例ではSドット)よりも大きいサイズのドット(本実施例ではMドット)が割り当てられるため、エッジ部分におけるにじみや太りがより良好に抑制され、印刷画質がさらに向上する。
C.変形例:
なお、この発明は上記の第1または第2実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
上記第1または第2実施例では、白色と黒色とのみにより構成された画像を対象に、黒エッジにおける印刷画質を向上させるためのドット形成状態の決定処理を説明したが、本発明は、白色と画像の印刷に用いられるドットの色の1つ(例えばシアンやマゼンタ、イエロー)とのみにより構成された画像を対象に、当該ドットの色のエッジにおける印刷画質を向上させるためのドット形成状態の決定処理にも適用可能である。さらには、中間色を含むカラー画像において、各色の画像データを画像処理する際にも各色の画像データ毎に本発明を適用する構成としてもよい。
C2.変形例2:
上記第1または第2実施例では、ハーフトーン処理部25は、ディザマトリクスによる閾値処理によってハーフトーン処理を行う構成であったが、これに換えて、濃度パターン法、誤差拡散法(ED法)等の他の手法によりハーフトーン処理を行う構成としてもよい。さらに、これらの周知のハーフトーン処理の手法に他の特異処理を加えることによりドットの形成状態を決定する構成をハーフトーン処理部としてもよい。
C3.変形例3:
上記第1または第2実施例では、第1のドット割り当て部26はMドットを割り当てる構成であったが、これに換えて、Lドットを割り当てる構成としてもよい。また、第2のドット割り当て部27は、Sドットを割り当てる構成であったが、これに換えてMドットを割り当てる構成としてもよい。なお、この場合には、第1のドット割り当て部26はMドットを割り当てる構成に換えて、Lドットを割り当てる構成とする必要がある。要は、第1のドット割り当て部の割り当てるドットのサイズを第1サイズとし、第2のドット割り当て部の割り当てるドットのサイズを第2サイズとしたとき、第1サイズ>第2サイズの関係を持つようなドットであれば、第1のドット割り当て部26および第2のドット割り当て部27はいずれのサイズのドットを割り当てる構成としてもよい。
C4.変形例4:
また、上記第2実施例では、黒色エッジ周辺画素に対応する印刷画素にMドットが割り当てられるとしているが、これに換えて、Sドットが割り当てられるとしてもよい。要は、第2のドット割り当て部27により割り当てられる第2サイズと同一のサイズ、もしくは第2サイズよりも大きいサイズであれば、どのようなサイズを割り当てても良い。また、黒色エッジ周辺画素については、全ての黒色エッジ周辺画素が同一のサイズに割り当てられる必要もなく、上記のサイズの条件を満たすものであれば、黒色エッジ周辺画素に対応する印刷画素の一部にはMドットが割り当てられ、残りの一部にはSドットが割り当てられるとしてもよい。
なお、黒色エッジ周辺画素に対応する印刷画素には、印刷に用いられる複数サイズのドットの内の最大サイズのドット(Lドット)以外のドットが割り当てられるのが好ましい。これによれば、エッジ部分におけるにじみや太りがより良好に抑制され、印刷画質がさらに向上する。
C5.変形例5:
上記第1または第2実施例では、エッジ判定部23は、注目画素の上、下、左、右の方向に隣接する4つの隣接画素のうちの少なくとも一つが白色であるか否かを判定することで、黒色エッジ画素であるか否かを判定しているが、これに換えて、注目画素の上、下、左、右、左上、左下、右上、右下の方向に隣接する8つの隣接画素のうちの少なくとも一つが白色であるか否かを判定する構成としてもよい。すなわち、図11における注目画素P0の上、下、左、右、左上、左下、右上、右下の各方向に隣接する8つの画素(P1〜P4、P9〜P12)のうちの少なくとも一つが白色であるか否かを判定する構成としてもよい。
C6.変形例6:
上記第1または第2実施例では、印刷対象画像40の全体において同一の方法でドット形成状態の決定処理を行っているが、印刷対象画像40における文字や線画(記号、図形、グラフ等)を含むテキスト領域のみを対象として上記第1または第2実施例の方法でドット形成状態の決定を行うとしてもよい。この場合には、例えば、画像データのRGB値に基づいてテキスト領域を検出してもよいし、画素の輝度値に基づいてテキスト領域を検出してもよい。
C7.変形例7:
上記第1または第2実施例では、画像データはRGBデータであるとしているが、画像データは必ずしもRGBデータである必要はない。また、上記第1または第2実施例では、プリンタ200はCMYKの4色のインクを用いて3種類のサイズのドットを形成することにより印刷を行うとしているが、プリンタ200はCMYK以外の他の色のインクを用いて印刷を行うとしてもよいし、2種類(あるいは4種類以上)のサイズのドットを形成することにより印刷を行うとしてもよい。
C8.変形例8:
上記第1または第2実施例では、画像処理装置がパーソナルコンピュータ100として構成されているが、本発明は、パーソナルコンピュータ100以外のドット形成状態を決定する画像処理を行う画像処理装置にも適用可能である。例えば、画像処理装置をプリンタ200として構成することも可能である。
また、上記第1または第2実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
C9.変形例9:
上記第1または第2実施例では、印刷媒体にインクを噴射するためのヘッドが主走査方向に移動するプリンタを例に説明したが、ヘッドを主走査方向に複数個並べて配置し、ヘッドは移動しないラインヘッドプリンタにも適用可能である。
本発明の第1実施例における印刷システム1000の構成を概略的に示す説明図である。 ドット形成状態の決定処理の流れを示すフローチャートである。 解像度変換処理後の印刷対象画像の一例を示す説明図である。 出力バッファ32の構成を示す説明図である。 注目画素の位置と出力バッファ32の状態とを対応付けて示す説明図である。 注目画素の位置と出力バッファ32の状態とを対応付けて示す説明図である。 線幅判定処理の流れを示すフローチャートである。 ドット形成状態の決定処理により得られた出力バッファ32の状態を、従来例により得られるドットパターンと比較して示す説明図である。 印刷対象画像が細線を示すものであるときの出力バッファ32の状態を、従来例により得られるドットパターンと比較して示す説明図である。 第2実施例におけるドット形成状態の決定処理の流れを示すフローチャートである。 注目画素、隣接画素、2画素離隔画素の関係を示す説明図である。 第2実施例におけるドット形成状態の決定処理により得られた出力バッファ32の状態を、従来例により得られるドットパターンと比較して示す説明図である。
符号の説明
10…アプリケーションプログラム
20…プリンタドライバ
21…解像度変換処理部
22…細線判定部
23…エッジ判定部
24…色変換処理部
25…ハーフトーン処理部
26…第1のドット割り当て部
27…第2のドット割り当て部
28…ラスタライズ処理部
32…出力バッファ
40…印刷対象画像
100…パーソナルコンピュータ
110…CPU
120…メモリ
130…入出力インタフェース部
200…プリンタ
210…CPU
220…メモリ
230…入出力インタフェース部
240…ユニット制御回路
250…ヘッドユニット
260…キャリッジユニット
270…搬送ユニット
340…印刷対象画像
1000…印刷システム

Claims (8)

  1. 複数の画素から構成される画像を、第1サイズと前記第1サイズよりも小さい第2サイズとを少なくとも含む複数サイズのドットを利用して印刷する際のドットの形成状態を決定する画像処理装置であって、
    前記複数の画素から、前記画像の印刷に用いられるドットの色の画素であって線幅が最小サイズとなる細線部分に位置するドット色細線画素を検出する細線検出部と、
    前記複数の画素から、前記画像の印刷に用いられるドットの色の画素であって前記画像におけるエッジに位置するドット色エッジ画素を検出するエッジ検出部と、
    前記画像の印刷の際に前記ドット色細線画素に対して前記第1サイズのドットが形成されるように、ドットを割り当てる第1のドット割り当て部と、
    前記画像の印刷の際に前記ドット色細線画素に該当しない前記ドット色エッジ画素に対して前記第2サイズのドットが形成されるように、ドットを割り当てる第2のドット割り当て部と
    を備える、画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記第2サイズのドットは、前記複数サイズのドットの内の最小サイズのドットである、画像処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像処理装置であって、
    ハーフトーン処理によって、前記画像を構成する複数の画素の内の前記ドット色細線画素と前記ドット色エッジ画素のいずれにも該当しない画素に対してドットの形成状態を決定するハーフトーン処理部
    を備える、画像処理装置。
  4. 請求項1または2に記載の画像処理装置であって、
    前記複数の画素から、前記画像の印刷に用いられるドットの色の画素であって前記画像におけるエッジからの距離が所定の値以下である前記ドット色エッジ画素以外のドット色エッジ周辺画素を検出するエッジ周辺検出部と、
    前記画像の印刷の際に前記ドット色エッジ周辺画素に対して前記複数サイズのドットの内の前記第2サイズ以上のサイズのドットが形成されるように、ドットを割り当てる第3のドット割り当て部と
    を備える、画像処理装置。
  5. 請求項4に記載の画像処理装置であって、
    ハーフトーン処理によって、前記画像を構成する複数の画素の内の前記ドット色細線画素と前記ドット色エッジ画素と前記ドット色エッジ周辺画素とのいずれにも該当しない画素に対してドットの形成状態を決定するハーフトーン処理部
    を備える、画像処理装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記画像は、白色と前記画像の印刷に用いられるドットの色の1つとのみにより構成された画像である、画像処理装置。
  7. 複数の画素から構成される画像を、第1サイズと前記第1サイズよりも小さい第2サイズとを少なくとも含む複数サイズのドットを利用して印刷する際のドットの形成状態を決定する画像処理方法であって、
    前記複数の画素から、前記画像の印刷に用いられるドットの色の画素であって線幅が最小サイズとなる細線部分に位置するドット色細線画素を検出し、
    前記複数の画素から、前記画像の印刷に用いられるドットの色の画素であって前記画像におけるエッジに位置するドット色エッジ画素を検出し、
    前記画像の印刷の際に前記ドット色細線画素に対して前記第1サイズのドットが形成されるように、ドットを割り当て、
    前記画像の印刷の際に前記ドット色細線画素に該当しない前記ドット色エッジ画素に対して前記第2サイズのドットが形成されるように、ドットを割り当てる、画像処理方法。
  8. 複数の画素から構成される画像を、第1サイズと前記第1サイズよりも小さい第2サイズとを少なくとも含む複数サイズのドットを利用して印刷する際のドットの形成状態を決定する画像処理のためのコンピュータプログラムであって、
    前記複数の画素から、前記画像の印刷に用いられるドットの色の画素であって線幅が最小サイズとなる細線部分に位置するドット色細線画素を検出する機能と、
    前記複数の画素から、前記画像の印刷に用いられるドットの色の画素であって前記画像におけるエッジに位置するドット色エッジ画素を検出する機能と、
    前記画像の印刷の際に前記ドット色細線画素に対して前記第1サイズのドットが形成されるように、ドットを割り当てる第1のドット割り当て部と、
    前記画像の印刷の際に前記ドット色細線画素に該当しない前記ドット色エッジ画素に対して前記第2サイズのドットが形成されるように、ドットを割り当てる機能と
    を、コンピュータに実現させる、コンピュータプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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