JP2009267772A - 列車内ネットワーク制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】列車の併結、分割によるネットワーク構成の変化に対応可能な、時分割伝送方式による列車内ネットワーク制御方法を提供する。
【解決手段】列車内ネットワークにおける列車内ネットワーク制御方法であって、1または複数のリーディングノード候補の中から編成内で1つのリーディングノードを決定する手順と、決定されたリーディングノードが、伝送路に接続されている各ノードの情報を取得し、各ノードおよびその送信順序の情報を設定したノードリストフレームを作成して一定周期で各ノードに対して送信する手順とを行い、各ノードは、ノードリストフレームを受信した際に、ノードリストフレームを受信した時刻とノードリストフレーム内の送信順序の情報とから、自ノードに割り当てられた送信タイミングを決定し、送信タイミングにおいてデータを送信することによって通信を行う。
【選択図】図1
【解決手段】列車内ネットワークにおける列車内ネットワーク制御方法であって、1または複数のリーディングノード候補の中から編成内で1つのリーディングノードを決定する手順と、決定されたリーディングノードが、伝送路に接続されている各ノードの情報を取得し、各ノードおよびその送信順序の情報を設定したノードリストフレームを作成して一定周期で各ノードに対して送信する手順とを行い、各ノードは、ノードリストフレームを受信した際に、ノードリストフレームを受信した時刻とノードリストフレーム内の送信順序の情報とから、自ノードに割り当てられた送信タイミングを決定し、送信タイミングにおいてデータを送信することによって通信を行う。
【選択図】図1
Description
本発明は、ネットワークの制御方法に関し、特に、編成の分割・併結に伴いネットワーク構成が変化する列車内の制御用ネットワークの制御方法に適用して有効な技術に関するものである。
列車を運行するために必要な車上機器を制御用ネットワークで接続し、当該制御用ネットワークを介した通信により各車上機器を制御する場合、制御のリアルタイム性を確保するために、各車上機器に対して一定時間以内に送信機会を与えること、およびデータが宛先の車上機器に到達するまでの遅延時間を保証する必要がある。その方法として、制御ネットワークや一般の計算機ネットワークでも使われている、リング型ネットワークやトークンパッシング方式、時分割伝送方式などが用いられてきた。
列車の運用では、複数の編成を連結して1つの編成にする併結と、1つの編成を複数の編成にする分割が発生する。列車内の制御用ネットワークは、併結と分割によりネットワーク構成に変化があってもデータの伝送が行えなくてはならない。この課題を解決する方法としては、リング型ネットワークに対しては特公平7−1962号公報(特許文献1)や特開平9−28001号公報(特許文献2)に開示されている方法などが提案され、トークンパッシング方式については特開2005−168126号公報(特許文献3)に開示されている方法などが提案されている。
特公平7−1962号公報
特開平9−28001号公報
特開2005−168126号公報
しかしながら、時分割伝送方式においては、併結によるノード数の増加や分割によるノード数の減少により、各ノードに割り当てられるタイムスロットが影響を受けるため、上述の従来技術に示すようなリング型ネットワークやトークンパッシング方式での方法をそのまま適用することはできない。
そこで本発明の目的は、列車の併結、分割によるネットワーク構成の変化に対応可能な、時分割伝送方式による列車内ネットワーク制御方法を提供することである。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
本発明の代表的な実施の形態による列車内ネットワーク制御方法は、列車内ネットワークに接続された各ノードにタイムスロットを割り当てるリーディングノードを、リーディングノード候補であるノードの中から各編成に一つ決定し、リーディングノードは、各ノードのタイムスロットの割り当て情報を含むノードリストフレームをブロードキャストし、ノードリストフレームを受信した各ノードは、ノードリストフレームの受信時刻とノードリストフレームの内容とから自ノードに割り当てられたタイムスロットを決定し、当該タイムスロットにおいてデータの送信を行うことを特徴とするものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
本発明の代表的な実施の形態によれば、時分割伝送方式による列車内ネットワークにおいて、ネットワーク構成の変化に伴うタイムスロットの変化を各ノードに伝達することができるため、編成の併結、分割にも対応することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
本発明の一実施の形態である列車内制御用ネットワークは、列車内制御用ネットワークに接続された各ノードにタイムスロットを割り当てるリーディングノードを各編成に設け、リーディングノードは、各ノードのタイムスロットの割り当て情報を含むノードリストフレームを一定周期でブロードキャストすることで、タイムスロットの基準時刻の管理と同時に、編成の併結や分割に伴うタイムスロットの変化を各ノードに伝達する列車内ネットワーク制御方法を実装している。
このとき、複数のノードをリーディングノード候補とすることで、編成の分割時やリーディングノード故障時に、自動的にリーディングノードの引継ぎを行い、また、併結前の一方の編成のリーディングノードが、併結後に、他方の編成でリーディングノードであったノードにノードリストフレームの内容を問い合わせることで、併結後のノードリストフレームの生成を自動化することにより、時分割伝送を継続してリアルタイム性を保証することを実現するものである。
<実施の形態>
図2は、本発明の一実施の形態である列車内制御用ネットワークを備えた編成例を示す図である。図2では、6両の車両200からなる1編成の列車の例を示している。各車両200には#1〜#6の車両番号が割り当てられているものとする。本編成は、車両番号#1〜#3の編成(以下「前部編成」と記載する)と、車両番号#4〜#6までの編成(以下「後部編成」と記載する)に分割可能となっている。
図2は、本発明の一実施の形態である列車内制御用ネットワークを備えた編成例を示す図である。図2では、6両の車両200からなる1編成の列車の例を示している。各車両200には#1〜#6の車両番号が割り当てられているものとする。本編成は、車両番号#1〜#3の編成(以下「前部編成」と記載する)と、車両番号#4〜#6までの編成(以下「後部編成」と記載する)に分割可能となっている。
列車内制御用ネットワークの伝送路201には、複数のノード203が接続されている。各ノード203には、図示しない1または複数の車上機器が接続されており、これらの車上機器の制御のために、各ノード203は伝送路201を介して相互に通信を行う。各ノード203にはノード番号が設定されており、このノード番号は同一編成内で一意であるものとする。
ノード番号の設定については、例えば、米国電気電子学会(IEEE)で定めるEUI−64(64-bit Extended Unique Identifier)やEUI−48(48-bit Extended Unique Identifier)を、ノード203の出荷時にあらかじめノード203に記録しておく方法や、ロータリースイッチなどの手段によりユーザが各ノード203に対して設定する方法が考えられるが、その他の方法で設定しても良い。本実施の形態では、ロータリースイッチにより、各ノード203に、当該ノード203が搭載されている車両200の車両番号(1〜15)を4bitで表現した数値と、シーケンス番号(1〜254)を8bitで表現した数値とを連結した12bitの数値をノード番号として設定するものとする。
伝送路201は、複数の中継器202を介して編成全体に配置されている。本実施の形態では、伝送路201はツイストペア線とし、中継器202は物理層で中継を行ういわゆるリピーターハブによって構成されるものとする。なお、伝送路201として同軸ケーブルを使用したり、中継器202としてMAC(Media Access Control)層で中継するいわゆるブリッジやLAN(Local Area Network)スイッチを用いてもよい。
伝送路201は、前部編成と後部編成との間で電気連結器204によって接続されている。電気連結器204が連結状態にあるか否かは、電気連結器204との接続を有する特定のノード203で把握可能である。図2の例では、ノードeとノードfが電気連結器204の状態を把握している。
次に、伝送路201上での時分割伝送方式について説明する。図1は、本実施の形態における時分割伝送方式のシーケンスの例を示す図である。1編成内の全ノード203の内の1台のノード203がリーディングノードとして機能する。その他のノード203はフォローイングノードと呼ぶ。リーディングノードは、一定周期(本実施の形態では20m秒)でノードリストフレームを伝送路201にブロードキャストする。
各フォローイングノードは、受信したノードリストフレームから当該ノード203に割り当てられた送信順序の情報を取得し、ノードリストフレームを受信した時刻から送信順序に応じた所定の時間待った後、データの送信を行う。送信順序に応じて他のノード203と重複しないように待ち時間を変えることで、送信されたフレームの伝送路201上での衝突や、中継器202での輻輳の発生を防いでいる。また、ノードリストフレームは周期的に送信されるので、各ノード203に対してノードリストフレームの送信周期につき1回ずつの送信機会が与えられることが保証される。
送信順序に応じた待ち時間は、ノードリストフレームを受信した各ノード203において以下に示す計算により求める。まず、伝送路201上での伝播遅延の最大値をTdとする。これは伝送路201の端から送信した信号がもう一方の端に届くまでの時間であり、信号が中継器202を経由することで生じる遅延時間である。また、最大長フレームの通信に必要な時間をTfとする。これはフレームの最大長を伝送路201の通信速度で割った値である。また、各ノード203が把握する時刻には誤差があり、これに送受信処理のオーバーヘッド時間を加えた時間をTeとする。
送信順序がn番目のノード203が、ノードリストフレームを受信してから送信を行うまでの待ち時間Tnは、リーディングノードが伝送路201の一端にある場合に、最も離れた他端のノード203に対するノードリストフレームの送信にかかる時間を考慮して、
Tn=(Td×2+Te+Tf)×n−Td−Tf …式1
の式により計算する。
Tn=(Td×2+Te+Tf)×n−Td−Tf …式1
の式により計算する。
例えば、Tdを30μ秒とし、最大フレーム長が512バイト、伝送路201の速度が10Mbps(Tf≒410μ秒)、Teを10μ秒とすると、Tn=480×n−440(μ秒)となる。各ノード203が、ノードリストフレームを受信してからこの式で計算されるTn(μ秒)だけ待って送信を行うことは、送信順序がn番目のノード203に対して、ノードリストフレームを受信してからTn(μ秒)後に480μ秒のタイムスロットが与えられていることと等価である。
以上に説明したような伝送路201上での通信を行うためには、その準備として、リーディングノード決定シーケンスとフォローイングノード初期化シーケンスをこの順で実行していなければならない。以下、この二つのシーケンスについて説明する。
まず、リーディングノード決定シーケンスについて説明する。リーディングノード決定シーケンスは、複数のノード203からリーディングノードを決定するシーケンスである。図3は、リーディングノード決定シーケンスの処理の例を示すシーケンス図である。ここで、各ノード203には、当該ノード203がリーディングノードの候補であるか否かの情報がレジスタやスイッチ等の手段によりあらかじめ設定されているものとする。
各ノード203は、電源投入(リブートあるいはリセットを含む)されると、自ノードがリーディングノード候補であるか否かを判断する(S301)。自ノードがリーディングノード候補ではない(すなわちフォローイングノードとなる)場合、リーディングノードが決定され、もしくは既に存在するリーディングノードにより、後述するフォローイングノード初期化シーケンスにおいてフォローイングノードとして自動検出されるのを待つ(S302)。
自ノードがリーディングノード候補の場合は、当該ノード203は、伝送路201の状態を一定時間監視する(S303、S305、S307)。監視する時間は、ノードリストフレームおよび後述するリーディングノード宣言フレームの送信周期よりも長いものとし、本実施の形態では100m秒とする。
通常の通信が行われている伝送路201、すなわちリーディングノードが既に存在する伝送路201に当該ノード203が新たに追加された場合は、監視期間(S303)内にリーディングノードから送信されたノードリストフレームを受信するため、後述するフォローイングノード追加シーケンスを実施することによって自ノードをフォローイングノードとして追加する(S304)。
伝送路201にリーディングノードがまだ存在しない状態で、監視期間(S305)内に他のリーディングノード候補からのリーディングノード宣言フレームを受信した場合は、自ノードはフォローイングノードとして動作することとし、リーディングノードが決定され、後述するフォローイングノード初期化シーケンスにおいてフォローイングノードとして自動検出されるのを待つ(S306)。すなわち、伝送路201上のノード203内に複数のリーディングノード候補がある場合、最初に電源を投入されてリーディングノード宣言フレームを送信したリーディングノード候補がリーディングノードに決定されることになる。
監視期間(S307)内にいずれのフレームも受信しなかった場合、当該ノード203は、リーディングノード候補として一定周期でリーディングノード宣言フレームの送信(ブロードキャスト)を開始する(S308)。本実施の形態では、ノードリストフレームの送信周期である20m秒をリーディングノード宣言フレームの送信周期とする。リーディングノード宣言フレームを送信した時に、伝送路201上でフレームの衝突があった場合は、次にリーディングノード宣言フレームを送信するまでの時間(本実施の形態では20m秒)にランダムな遅延時間を追加して、次回の送信時に他のノードの送信したフレームとの衝突を避ける。フレームの衝突が無かった場合は、一定時間(本実施の形態では20m秒)、伝送路201を監視する(S309)。
監視期間(S309)内に他のリーディングノード候補からのリーディングノード宣言フレームを受信した場合は、受信したリーディングノード宣言フレームの送信元ノード番号と自ノードのノード番号とを比較する(S310)。自ノードのノード番号が受信したリーディングノード宣言フレームの送信元ノード番号より大きければ、自ノードはフォローイングノードとして動作することとし、後述するフォローイングノード初期化シーケンスにおいてフォローイングノードとして自動検出されるのを待つ(S311)。自ノードのノード番号が受信したリーディングノード宣言フレームの送信元ノード番号より小さければ、そのまま伝送路201の監視を続ける(S307)。
リーディングノード宣言フレームの送信を一定回数(本実施の形態では3回)繰り返し、その間、自ノードのノード番号より小さいノード番号からのリーディングノード宣言フレームを受信しなければ、当該ノード203がリーディングノードとなる(S312)。以上がリーディングノード決定シーケンスである。
なお、本実施の形態では、S301にて各ノード203がリーディングノード候補であるか否かを判断する際に、各ノード203にレジスタやスイッチ等の手段によりあらかじめ外部から設定されている情報を参照するものとしているが、例えば、過去の通信実績についての統計情報やその他の情報などをもとに所定のアルゴリズムに基づいてリーディングノード候補であるか否かを各ノード203が動的に決定するような方法としてもよい。
次に、フォローイングノード初期化シーケンスについて説明する。フォローイングノード初期化シーケンスは、フォローイングノードの情報を収集し、送信順序を決定してノードリストを作成するシーケンスである。図4は、フォローイングノード初期化シーケンスの処理の例を示すシーケンス図である。
ここで、前述の通り、ノード番号は車両番号(4bit)と任意のシーケンス番号(8bit)によって構成され、同じ車両200内のノード203は、互いにシーケンス番号が異なる。ノード番号の上位4bitは車両番号であるため、同じ車両200内のノード203は、全てノード番号の上位4bitが一致する。したがって、同じ車両200内のノード203のノード番号は、下位8bitが全て異なることになる。なお、フォローイングノードは、リーディングノードから後述するノード問合せフレームまたはノードリストフレームを受信するまで一切送信を行わない。
まず、リーディングノードは、ノード番号の下位8bitで表される値が1、すなわち、各車両200におけるシーケンス番号が1であるフォローイングノードへ、ノード問合せフレームを送信(ブロードキャスト)する(S401)。各車両200にシーケンス番号が1であるノード203がある場合は、ノード問合せフレームに対する応答フレームを返信する(S404)。
このとき、複数の車両200から異なるノード203(シーケンス番号は同じ)が同時に応答フレームを送信してフレームの衝突を起こすことを避けるため、ノード問合せフレームを受信してから応答フレームを送信するまでの待ち時間Toを、
To=(Td×2+Te+Tf)×m−Td−Tf …式2
の式によって計算する(S402)。
To=(Td×2+Te+Tf)×m−Td−Tf …式2
の式によって計算する(S402)。
ここで、TdとTeは式1のものと同じである。また、mは車両番号であり、Tfはフレームの通信に必要な時間、すなわちノード問合せフレームおよび応答フレームの長さを伝送路201の通信速度で割った値である。例えば、ノード問合せフレームおよび応答フレームを85バイト、伝送速度を10MbpsとするとTf≒68μ秒となるため、Td、Teをそれぞれ30μ秒、10μ秒とすると、To=138×m−98(μ秒)となる。ノード問合せフレームを受信したフォローイングノードは、この待ち時間Toだけ待って(S403)、応答フレームを送信する(S404)。
以下同様に、リーディングノードは、各車両200におけるシーケンス番号が2、3であるフォローイングノードへの問合せ(S405〜S408、S409〜S412)、およびそれ以降のシーケンス番号のフォローイングノードへの問合せを続け、254番へのノード問合せフレームの送信で全てのフォローイングノードの問合せを終了する。なお、ノード問合せフレームの送信間隔は、1編成あたりの最大車両数から決まるToの最大値に応答フレームの到着までの最長時間(Td×2+Te+Tf)を加えた値より大きくなくてはならない。応答フレームには、ノード番号と、当該ノードがリーディングノード候補であるか否かの情報が含まれる。
リーディングノードは、各フォローイングノードからの応答フレームの情報をもとに、各フォローイングノードの送信順序を決定する(S413)。決定された各フォローイングノードの送信順序は、ノードリストフレームに設定され、20m秒周期でリーディングノードがノードリストフレームの送信(ブロードキャスト)を繰り返すことで(S414)、全てのノード203に送信順序の情報、すなわちタイムスロットの割り当て情報が伝えられる。
図5は、ノードリストフレームの構造の例を示す図である。ノードリストフレームは、フレームヘッダ501と、1または複数のノード情報502とから構成され、各ノード情報502は、対応する各ノード203の送信順序と同じ順序で配置されている。
図6は、フレームヘッダ501の構造の例を示す図である。フレームヘッダ501は、本実施の形態の列車内制御用ネットワークでの通信で送受信される各種フレームがヘッダ部分に共通で有する構造である。フレームヘッダ501は、フレームの宛先ノードに対応する宛先ノード番号601、フレームの送信元ノードに対応する送信元ノード番号602、各種フレームの種類を識別するための種類603、送信元のノードが1フレーム送信するたびに値を1ずつインクリメントするシーケンス番号であるSEQ#604、フレームヘッダの後に続くデータ部の長さをバイト単位で表すデータ長605を含む。
ノードリストフレームのフレームヘッダ501では、宛先ノード番号601にはブロードキャストを表す値が設定され、本実施の形態では0x0000が設定されるものとする。送信元ノード番号602には、当該ノードリストフレームを送信するリーディングノードのノード番号が設定される。種類603にはノードリストフレームであることを示す値が設定される。
図7は、ノード情報502の構造の例を示す図である。ノード情報502内には、対象となるノードのノード番号701が格納されている。ノード情報502とノード203との対応関係は、ノード情報502に格納されたノード番号701とノード203に設定されたノード番号との一致によって確認する。ノードリストフレームを受信したノード203では、ノードリストフレーム内のノード情報502のうち、自ノードのノード番号701が格納されているノード情報502が何番目のノード情報502であるかをカウントすることで、自ノードの送信順序を判断することができる。
ノード情報502内の無効フラグ702は、ノード番号701に対応するノード203がリーディングノードからのノード問合せに無応答となったり、一定時間送信を行っていない場合に、リーディングノードが当該ノード203について異常であると判断してONにする。ノード203が復旧して正常に稼動している状態で、リーディングノードから受信したノードリストフレーム内の、自ノードに対応するノード情報502の無効フラグ702がONになっている場合、リーディングノードに対してノード復帰通知を行う。リーディングノードがノード復帰通知フレームを正しく受信した場合、ノードリストフレーム内の該当するノード情報502の無効フラグ702をOFFにする。
ノード情報502内の候補フラグ703は、ノード番号701に対応するノード203がリーディングノード候補である場合にONにされ、リーディングノード候補ではない場合にOFFにされる。あるノード203がリーディングノード候補であるか否かの情報は、前述したフォローイングノード初期化シーケンスにおけるノード203からの応答フレーム内に設定されている。
次に、リーディングノード引継ぎシーケンスについて説明する。リーディングノード引継ぎシーケンスは、リーディングノードが故障などの要因により周期的にノードリストフレームを送信しなくなった場合、フォローイングノードとして動作している各リーディングノード候補から新たなリーディングノードを決定するシーケンスである。図8は、リーディングノード引継ぎシーケンスの処理の例を示すシーケンス図である。
リーディングノードがノードリストフレームを送信すると(S801)、フォローイングノードとして動作している各リーディングノード候補は、当該ノードリストフレームを受信してからの時間をカウントする(S802)。各リーディングノード候補において、ノードリストフレームを最後に受信してから所定の時間が経過しても次のノードリストフレームを受信しなかった場合、各リーディングノード候補は、リーディングノードに異常が発生したと判断してリーディングノードの引継ぎを開始する。本実施の形態では、ノードリストフレームの送信周期20m秒の3倍、すなわち60m秒が経過した時点で、リーディングノードに異常が発生したと判断する。
ノードリストフレームには、編成内の全ノード203のノード情報502が含まれているため、全てのノード203は、過去に受信したノードリストフレームにより、全てのリーディングノード候補とそのノード番号を把握していることになる。ノードリストフレームにおいて、無効フラグ702がOFFになっており、かつ候補フラグ703がONになっているノード情報502が、リーディングノード候補を表すノード情報502である。
リーディングノード候補を表すノード情報502から現在のリーディングノードに対応するノード情報502をのぞいた中で最も小さいノード番号701と、自ノードのノード番号とを比較し(S803)、一致する場合、すなわち自ノードがリーディングノード候補の中で最もノード番号が小さい場合は、当該リーディングノード候補が次のリーディングノードとなり、ノードリストフレームの周期的な送信を開始する(S804)。このとき、ノードリストフレームにおいて、引継ぐ前のリーディングノードに対応するノード情報502の無効フラグ702をONにする。
なお、新たなリーディングノードが、上述したフォローイングノード初期化シーケンスを行うことによってノードリストフレームを新たに作り直してもよいが、ノードリストフレームを作り直さず既存のノードリストフレームをそのまま送信することにより、より短時間でリーディングノードの引継ぎを行うことができる。
最も小さいノード番号を持つリーディングノード候補が同時に故障していた場合、各リーディングノード候補は、最後にノードリストフレームを受信してからの時間がリーディングノード異常を判定する時間の2倍、3倍、となるたびに上述したシーケンスを行うことによって、次のリーディングノード候補が新たなリーディングノードとなりノードリストフレームの送信を開始する。このとき同様に、故障していると判断されたリーディングノード候補に対応するノード情報502の無効フラグ702をONにする。
本実施の形態では、最後にノードリストフレームを受信してから60m秒後にリーディングノード異常の最初の判定が発生し、以後、いずれかのリーディングノード候補がリーディングノードになるまで、60m秒間隔で、上述したシーケンスにより新たなリーディングノード候補がリーディングノードを引継ぐ判断が行われる。なお、本実施の形態では、最もノード番号の小さいリーディングノード候補がリーディングノードになるものとしているが、決定方法はこれに限らず他の方法で決定してもよい。
リーディングノードがノードリストフレームを周期的に送信しなくなり、引継いだリーディングノードがノードリストフレームの周期的な送信を開始するまでの期間は、他のノード203は、最後のノードリストフレームの受信時刻からノードリストフレーム送信周期後の時刻(本実施の形態では20m秒後の時刻)にノードリストフレームを受信したと想定し、式1に基づく送信タイミングの計算を行って、伝送路201上での通常の通信を継続する。
リーディングノードと異なり、フォローイングノードが何らかの異常により送信を停止しても、他のノード203には影響を与えないため無視してもよい。ただし、アプリケーションレベルでの通信などによりフォローイングノードの異常を検出した場合には、ノードリストフレーム内の対応するノード情報502の無効フラグ702をONにしてもよい。
以上のように、リーディングノードが不在となった場合に他のリーディングノード候補が引継ぐ手順を設けておくことで、リーディングノードが故障等により停止した場合や、後述する編成の分割が発生した場合であっても、引継ぐリーディングノードが自動的に決定され、通信を継続することが可能となる。
次に、ネットワーク分割シーケンスについて説明する。ネットワーク分割シーケンスは、1編成の列車が複数の編成に分割される場合のシーケンスである。図9はネットワーク分割シーケンスの処理の例を示すシーケンス図である。
まず、列車の運転台から操作者により列車の分割の指示が出されると、運転台が接続されたノード203は、自ノードの送信順序に従ったタイミングで分割開始通知フレームを伝送路201にブロードキャストする(S901)。分割開始通知フレームを受信した各ノード203は、一時的に送信を停止する(S902)。
電気連結器204が開放され、列車内制御用ネットワークが電気的に分離すると、電気連結器204に接続されたノード203(図2の例ではノードeとノードf)に対して電気連結器204の開放の通知が送信され、電気連結器204に接続されたノード203では、電気連結器204が開放されたことを検知する(S903)。電気連結器204の開放が通知されたノードは、それぞれの編成の伝送路201に分割終了通知フレームを送信(ブロードキャスト)する(S904)。
分割終了通知フレームを受信したリーディングノードは、ノードリストフレームの周期的な送信を再開し(S905)、リーディングノードがある編成では通常の通信が再開される。なお、分割に際して、リーディングノードが分割後の編成(図2の例では前部編成と後部編成の2つの編成)のどちらに存在するかは不定である。リーディングノードがない方の編成では、各リーディングノード候補が分割終了通知フレームを受信した時刻から、リーディングノード引継ぎシーケンスと同様の手順を実行し(S906)、当該編成におけるいずれかのリーディングノード候補がリーディングノードになることによって、ノードリストフレームの周期的な送信を開始する。以上がネットワーク分割シーケンスであり、これにより、分割後の各編成とも通常の通信を自動的に再開することができる。
なお、図9の例では、運転台および電気連結器204が接続されたノードがフォローイングノードであるものとして説明しているが、運転台もしくは電気連結器204が接続されたノードがリーディングノードである場合でも同様の処理によりネットワーク分割シーケンスを行うことができる。また、分割後の各編成において、それぞれのリーディングノードが、上述したフォローイングノード初期化シーケンスを行うことによってノードリストフレームを新たに作り直してもよいが、ノードリストフレームを作り直さず既存のノードリストフレームをそのまま送信することにより、より短時間で通常の通信を再開することができる。
次に、ノード追加シーケンスについて説明する。ノード追加シーケンスは、新たなノード203を伝送路201に接続して通信を開始するためのシーケンスである。図10は、ノード追加シーケンスの処理の例を示すシーケンス図である。
伝送路201に追加されたノード203は、一定時間、伝送路201を監視する(S1001)。この一定時間は、ノードリストフレームの送信周期よりも長くなくてはならない。本実施の形態では300m秒とする。伝送路201では通常の通信が行われており、リーディングノードはノードリストフレームを送信するため(S1002)、新たに追加されたノード203は、伝送路201の監視中にリーディングノードから送信されたノードリストフレームを受信する。
追加されたノード203が初めて伝送路201に追加されるノード203の場合には、ノードリストフレーム内には当該ノード203に対応するノード情報502は存在しない。そこで、ノードリストフレームの末尾に当該ノード203のノード情報502が追加されたものと仮定して、送信を行うまでの待ち時間Tnを式1に基づいて計算する(S1003)。
このとき、伝送路201の速度とフレームの最大長、およびノードリストフレームの送信周期により、ノードリストフレームの送信周期内に送信機会が与えられるノード203の総数には上限がある。ノード203の総数の上限は、ノードリストフレームの送信周期をTcとした場合に、Tn≦Tcを満たす式1における最大のnから1を引いた値となる。本実施の形態では、上述の通りTn=480×n−440(μ秒)であり、Tc=20m秒であるため、Tn≦Tcを満たす最大のnは42となり、ノード数の上限は41となる。
新たなノード203を追加することにより伝送路201に接続されたノード数が上限を超える場合は、新たなノードは追加できない。ノードリストフレームに故障したノードの情報が含まれている場合やネットワーク構成が大きく変更された結果ノード数が上限を超えた場合には、例えば、前述したフォローイングノード初期化シーケンスを行って再初期化することにより、正しいノード数の把握をやり直してノードリストフレームを作り直すなどによって対応する。
新たなノード203を追加しても伝送路201に接続されたノード数の上限を超えない場合は、前述したようにノードリストフレームの末尾に新たなノード203のノード情報502が追加されたものと仮定した場合に計算された待ち時間Tnだけ待ち(S1004)、その後、新たに追加したノード203からリーディングノードに対して、ノード追加要求フレームを送信する(S1005)。ノード追加要求フレームには、当該ノード203のノード番号と、リーディングノード候補であるか否かの情報が含まれる。
リーディングノードは、受信したノード追加要求フレームの内容から新たなノード203のノード情報502を生成してノードリストフレームの末尾に追加し(S1006)、次回以降のノードリストフレーム送信では、新たなノード情報502が追加されたノードリストフレームを送信する(S1007)。新たに追加されたノード203は、ノードリストフレームに自ノードに関するノード情報502が追加されているか否かを確認し(S1008)、追加されていることが確認できた場合には通常の通信を開始できる。ノードリストフレームに自ノードに関するノード情報502が追加されていない場合は、上述のS1003以降の処理を再度繰り返す。
追加されたノード203が、過去に伝送路201に接続されており、例えば、一時的な故障や電源停止等により伝送路201に接続されていなかった状態から復帰したノード203である場合は、リーディングノードから最初に受信するノードリストフレームには、自ノードに関するノード情報502が、無効フラグ702がONになった状態で含まれている。この場合、ノードリストフレーム内の自ノードに関するノード情報502の格納されている順番から、送信を行うまでの待ち時間Tnを式1に基づいて計算し(S1009)、計算された待ち時間Tnだけ待って(S1010)、リーディングノードに対してノード復帰通知フレームを送信する(S1011)。
ノード復帰通知フレームには、該当するノード203のノード番号が格納されており、ノード復帰通知フレームを受信したリーディングノードは、ノードリストフレーム内の対応するノード情報502の無効フラグ702をOFFにし(S1012)、次回以降のノードリストフレーム送信では、修正されたノードリストフレームを送信する(S1013)。伝送路201に復帰したノード203は、ノードリストフレーム内の自ノードに該当するノード情報502の無効フラグ702がOFFになっているか否かを確認し(S1014)、無効フラグ702がOFFになっている場合には通常の通信を開始する。無効フラグ702がOFFになっていない場合は、上述のS1009以降の処理を再度繰り返す。
次に、ネットワーク併結シーケンスについて説明する。ネットワーク併結シーケンスは、2つ以上の編成が併結され、1編成の列車になる場合のシーケンスである。図11は、ネットワーク併結シーケンスの処理の例を示すシーケンス図である。ここで、図2における前部編成と後部編成が併結して1つの編成になるものとし、前部編成と後部編成では車両番号の重複はないものとする。図2の例では、前部編成の車両番号は#1〜#3、後部編成の車両番号は#4〜#6である。
まず、電気連結器204により2つの編成が連結されると、電気連結器204に接続されたノード203(図2の例ではノードeとノードf)に連結の通知が送信され、電気連結器204に接続されたノード203では、電気連結器204が連結したことを検知する(S1101)。この時点では、伝送路201はまだ前部編成と後部編成とに電気的に分離されている。
前部編成と後部編成は異なるタイミング(異なるノードリストフレームの送信タイミング)に基づいて通信を行っているため、この段階で前部編成の伝送路201と後部編成の伝送路201とを接続すると、フレームの衝突が起きる危険性がある。フレーム衝突の発生を回避するために、電気連結器204の連結を検知したノード203は、各編成の伝送路201で、併結発生通知フレームを送信(ブロードキャスト)する(S1102)。併結発生通知フレームを受信した各ノード203は、伝送路201上での送信を一時的に停止する(S1103)。また、運転台に接続されたノード203は、運転台の表示器での表示によって操作者に併結開始を通知する(S1104)。
全てのノード203が送信を中止した時点で、電気連結器204に接続されたノードは、電気連結器204を制御し、前部編成の伝送路201と後部編成の伝送路201とを電気的に接続する(S1105)。全てのノード203が送信を中止しているため、伝送路201を接続してもフレーム衝突は発生しない。
列車の操作者は、併結後の編成の運転台から併結処理の指令を発行する。この運転台は進行方向に対して前部編成の運転台であるものとする。運転台に接続されたノード203は、併結処理の指令を検知して(S1106)、前部編成のリーディングノードに対して併結処理開始要求フレームを送信する(S1107)。併結処理開始要求フレームを受信したリーディングノードは、ノードリスト問合せフレームを伝送路201に送信(ブロードキャスト)する(S1108)。
ブロードキャストを用いるので、前部編成のリーディングノードは、後部編成のリーディングノードのノード番号をあらかじめ知っている必要はない。また、リーディングノードの故障等によりリーディングノードの引継ぎが生じ得るので、後部編成のリーディングノードがどのノード203であるかを事前に知ることはできない。ノードリスト問合せフレームを受信した後部編成のリーディングノードは、後部編成での通信において送信していたノードリストフレームを前部編成のリーディングノードに送信する(S1109)。
後部編成のノードリストフレームを受信した前部編成のリーディングノードは、前部編成のノードリストフレーム内の全ノード情報502と後部編成のノードリストフレームの全ノード情報502とを結合して、併結後の編成で用いるノードリストフレームを生成する(S1110)。このとき、同じノード番号701を有するノード情報502が前部編成と後部編成両方のノードリストフレームに含まれていた場合、2つのノード情報502を1つにまとめる。2つのノード情報502の内容が同一である場合には、一方を破棄して他の一方を用いることで1つにまとめることができる。
無効フラグ702の値が2つのノード情報502で異なっている場合は、まとめたノード情報502における無効フラグ702をOFFにする。これは、例えば、過去に1編成であった列車が分割により2つの編成になり、再び併結された場合に、分割された時点では一方の編成のノード203は他方の編成からは確認できなくなるため、他方の編成において、当該ノード203に対応するノード情報502の無効フラグ702がONにされているという状況に対応するためである。
また、候補フラグ703の値が2つのノード情報502で異なっている場合は、まとめたノード情報502における候補フラグ703をONにする。通常、候補フラグ703の不一致が起こることはなく、不一致が起こるのは設定ミスなどが原因である。本来リーディングノード候補であるノード203に対応するノード情報502の候補フラグ703がOFFになっていると、前述したリーディングノード引継ぎシーケンスにおいて、他のリーディングノード候補が、ノードリストフレーム内のノード情報502を参照することにより自ノードがリーディングノードを引継ぐものと誤判断してしまう可能性がある。この場合、複数のノード203からのフレーム衝突が発生するため、安全を考慮して候補フラグ703をONにするものとする。
この処理により、本来リーディングノード候補ではないノード203に対応するノード情報502の候補フラグ703がONにされたとしても、リーディングノード引継ぎシーケンスにおいて、当該ノードは自ノードがリーディングノード候補ではないことが分かっているためリーディングノードとなることはなく、結果として他のリーディングノード候補がリーディングノードとなる。このとき、リーディングノード引継ぎシーケンスが完了するまでの時間は余計にかかるが、伝送路201においては致命的なフレーム衝突は起きない。
前部編成のリーディングノードは、併結後のノードリストフレームの生成が完了した後、一定周期でのノードリストフレームの送信を開始し(S1111)、併結後のリーディングノードとして動作する。以後は併結後の列車全体で伝送路201を用いた通常の通信が可能となる。このとき、各ノード203は、ノードリストフレーム内の自ノードに対応するノード情報502の候補フラグ703の値を確認し(S1112)、候補フラグ703の値が本来の設定とは異なっている場合は、当該ノード203は、リーディングノードに対してノード情報訂正要求フレームを送信する(S1113)。ノード情報訂正要求フレームには、訂正後の候補フラグ703の内容が含まれる。
ノード情報訂正要求フレームを受信したリーディングノードは、該当するノード情報502の候補フラグ703を訂正し(S1114)、次回以降のノードリストフレーム送信では、訂正されたノードリストフレームを送信する(S1115)。ノード情報訂正要求フレームを送信したノード203は、ノードリストフレームを受信すると、S1112〜S1113の処理と同様に、ノードリストフレーム内の自ノードに対応するノード情報502の候補フラグ703が訂正されていることを確認し、訂正されていない場合は、ノード情報訂正要求フレームの送信を繰り返す。
なお、本実施の形態では、前部編成のリーディングノードが併結後の編成でもリーディングノードとなるものとしているが、これに限るものではない。例えば、併結後の編成において、上述したリーディングノード初期化シーケンスとフォローイングノード初期化シーケンスを行うことによって、全てリセットして、新たにリーディングノードを決定し、ノードリストフレームを新たに作り直してもよい。ただし、本実施の形態のように、ノードリストフレームを作り直さず既存のノードリストフレームを結合してそのまま用いることにより、より短時間で通常の通信を再開することができる。
以上に説明したように、本実施の形態の列車内制御用ネットワークにおいて用いられている列車内ネットワーク制御方法によって、列車の分割、併結に伴うネットワーク構成の変化にも短時間で自動的に対応することができ、リアルタイム性を保証した時分割伝送方式による列車内制御用ネットワークが実現できる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明の列車内ネットワーク制御方法は、併結、分割という列車特有の運用下において、リアルタイム性を保証しつつ列車内の機器制御を行う列車内制御ネットワークに利用可能である。
200…車両、201…伝送路、202…中継器、203…ノード、204…電気連結器、
501…フレームヘッダ、502…ノード情報、
601…宛先ノード番号、602…送信元ノード番号、603…種類、604…SEQ#、605…データ長、
701…ノード番号、702…無効フラグ、703…候補フラグ。
501…フレームヘッダ、502…ノード情報、
601…宛先ノード番号、602…送信元ノード番号、603…種類、604…SEQ#、605…データ長、
701…ノード番号、702…無効フラグ、703…候補フラグ。
Claims (7)
- 列車内に配置された伝送路に接続された複数のノードが相互に通信を行う列車内ネットワークにおける列車内ネットワーク制御方法であって、
前記複数のノードの中の1または複数のリーディングノード候補が、前記リーディングノード候補の中から編成内で1つのリーディングノードを決定する手順と、
決定された前記リーディングノードが、前記伝送路に接続されている各ノードの情報を取得し、前記各ノードおよびその送信順序の情報を設定したノードリストフレームを作成して一定周期で前記各ノードに対して送信する手順とを行い、
前記伝送路に接続されている前記各ノードは、前記ノードリストフレームを受信した際に、前記ノードリストフレームを受信した時刻と、前記ノードリストフレーム内の前記送信順序の情報とから、自ノードに割り当てられた送信タイミングを決定し、前記送信タイミングにおいてデータを送信することによって通信を行うことを特徴とする列車内ネットワーク制御方法。 - 請求項1に記載の列車内ネットワーク制御方法において、
第1のリーディングノードから送信される前記ノードリストフレームに基づいて通信を行っている編成が複数の編成に分割された場合に、
前記第1のリーディングノードが存在しない編成においては、該編成内の1または複数の前記リーディングノード候補が、前記リーディングノード候補の中から新たな第2のリーディングノードを決定する手順を行い、決定された前記第2のリーディングノードから送信される前記ノードリストフレームに基づいて通信を継続し、
前記第1のリーディングノードが存在する編成においては、前記第1のリーディングノードから送信される前記ノードリストフレームに基づいてそのまま通信を継続する手順を行うことを特徴とする列車内ネットワーク制御方法。 - 請求項1に記載の列車内ネットワーク制御方法において、
第1の編成と第2の編成とが1つの編成に併結された場合に、
前記第1の編成における第1のリーディングノードが、前記第2の編成における第2のリーディングノードに対して、併結前の前記第2の編成における前記ノードリストフレームの内容を問い合わせ、
前記第1のリーディングノードが、前記第1の編成における第1のノードリストフレームの内容と、前記第2のリーディングノードから取得した第2のノードリストフレームの内容とに基づいて、併結後の編成における第3のノードリストフレームを生成し、
前記第1のリーディングノードが併結後の編成における前記リーディングノードとなり、前記第1のリーディングノードから送信される前記第3のノードリストフレームに基づいて通信を継続する手順を行うことを特徴とする列車内ネットワーク制御方法。 - 請求項1に記載の列車内ネットワーク制御方法において、
前記ノードリストフレームには、前記伝送路に接続された前記各ノードに関して、前記各ノードが正常に動作しているか否かを表す情報を含むことを特徴とする列車内ネットワーク制御方法。 - 請求項1に記載の列車内ネットワーク制御方法において、
前記ノードリストフレームには、前記伝送路に接続された前記各ノードに関して、前記各ノードが前記リーディングノード候補であるか否かを表す情報を含むことを特徴とする列車内ネットワーク制御方法。 - 請求項5に記載の列車内ネットワーク制御方法において、
第1のリーディングノードから送信される前記ノードリストフレームに基づいて通信を行っている編成において、前記第1のリーディングノードが不在となった場合に、
前記伝送路に接続された前記各ノードが、前記第1のリーディングノードから送信されるべき前記ノードリストフレームを所定の期間内に受信できないことにより、前記第1のリーディングノードが不在となったことを検知し、
前記編成内の1または複数の他の前記リーディングノード候補が、過去に前記第1のリーディングノードから受信した前記ノードリストフレーム内の前記リーディングノード候補の情報に基づいて、所定の基準によりそれぞれ自らが新たな前記リーディングノードとなるべきか否かを判断することによって新たな第2のリーディングノードを決定し、
決定された前記第2のリーディングノードから送信される前記ノードリストフレームに基づいて通信を継続する手順を行うことを特徴とする列車内ネットワーク制御方法。 - 請求項1に記載の列車内ネットワーク制御方法において、
前記伝送路に接続された前記各ノードは、前記各ノードが前記リーディングノード候補であるか否かの情報を外部から設定可能であることを特徴とする列車内ネットワーク制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008115093A JP2009267772A (ja) | 2008-04-25 | 2008-04-25 | 列車内ネットワーク制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008115093A JP2009267772A (ja) | 2008-04-25 | 2008-04-25 | 列車内ネットワーク制御方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2009267772A true JP2009267772A (ja) | 2009-11-12 |
Family
ID=41393057
Family Applications (1)
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JP2008115093A Pending JP2009267772A (ja) | 2008-04-25 | 2008-04-25 | 列車内ネットワーク制御方法 |
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JP (1) | JP2009267772A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013059210A (ja) * | 2011-09-08 | 2013-03-28 | Mitsubishi Electric Corp | 列車情報管理装置 |
JP2013099172A (ja) * | 2011-11-02 | 2013-05-20 | Mitsubishi Electric Corp | 列車情報管理装置及び列車情報管理方法 |
JP2016096397A (ja) * | 2014-11-12 | 2016-05-26 | 株式会社東芝 | 伝送局、データ伝送システム、伝送局の制御方法及びプログラム |
US9553931B2 (en) | 2012-01-04 | 2017-01-24 | Mitsubishi Electric Corporation | Train-information managing apparatus |
-
2008
- 2008-04-25 JP JP2008115093A patent/JP2009267772A/ja active Pending
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