以下に、本発明にかかるノード装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかるノード装置の構成を示す図である。ノード装置1は、双方向の伝送路でリング状に接続された双方向2重化リングネットワークを構成するノードであり、内側リング6によって後述の外側リング5、隣接する他のノード装置と接続される。
ノード装置1は、MAC(Medium Access Control)フレーム入出力制御部11、RPR(Resilient Packet Ring)インタフェース送信部12、RPRインタフェース受信部13、プロテクション部14、トポロジ管理部15、外側リング受信部16、外側リングDrop判定部17、外側リング送信部18、内側リング送信部19、内側リングDrop判定部20、内側リング受信部21、クロック切り換え指示部22、クロック切り換え部23、優先度変換部24、クロック異常検出部25、タイマ管理部26を備えている。
なお、ここでのRPRインタフェース送信部12が、特許請求の範囲に記載の制御フレーム生成部に対応する。また、ここでの外側リング受信部16、内側リング受信部21が特許請求の範囲に記載のフレーム受信部に対応し、ここでの外側リング送信部18、内側リング送信部19が特許請求の範囲に記載のフレーム送信部に対応する。また、ここでの外側リングDrop判定部17、内側リングDrop判定部20が特許請求の範囲に記載の転送制御部に対応する。また、ここでのクロック切り換え指示部22、優先度変換部24、プロテクション部14、トポロジ管理部15が特許請求の範囲に記載のマスタノード決定部に対応する。
外側リング受信部16は、外側リング5からSDHフレームを受信し、受信したSDHフレームからクロック(マスタクロック)を抽出してクロック切り替え部23に入力する。また、外側リング受信部16は、外側リング5からRPRデータフレームやRPR制御フレーム等のRPRフレーム(受信フレーム)を受信し、外側リングDrop判定部17に入力する。
内側リング受信部21は、内側リング6からSDHフレームを受信し、受信したSDHフレームからクロック(マスタクロック)を抽出してクロック切り替え部23に入力する。また、内側リング受信部21は、内側リング6からRPRデータフレームやRPR制御フレームを含むRPRフレーム(受信フレーム)を受信し、内側リングDrop判定部20に入力する。
外側リングDrop判定部17は、外側リング受信部16が受信した受信フレームを中継するかDropするかを判定する。外側リングDrop判定部17は、受信フレームを中継する場合に、受信フレームを外側リング送信部18(外側リングの伝送方向)に入力し、受信フレームをDropする場合に、受信フレームをRPRインタフェース受信部13に入力する。
内側リングDrop判定部20は、内側リング受信部21が受信した受信フレームを中継するかDropするかを判定する。内側リングDrop判定部20は、受信フレームを中継する場合に、受信フレームを内側リング送信部19(内側リングの伝送方向)に入力し、受信フレームをDropする場合に、受信フレームをRPRインタフェース受信部13に入力する。
外側リングDrop判定部17、内側リングDrop判定部20は、例えば受信フレーム内の宛先アドレスやRPRヘッダのTTL(Time To Live)に基づいて、受信フレームを中継(転送)するかDropするかを判定する。外側リングDrop判定部17、内側リングDrop判定部20は、受信フレームがRPR制御フレームである場合には、受信フレームを中継するとともにDropする。
外側リング送信部18は、外側リングへのフレームのAdd機能と外側リング受信部16が受信した受信フレームのTransit機能の両トラヒックをスケジューリングする。外側リング送信部18は、他のノード装置に同期クロック(同期通信の基準のクロックとなるマスタクロック)を提供する際には、クロックを付加したSDHフレームを外側リングに送信する。
内側リング送信部19は、内側リングへのフレームのAdd機能と内側リング受信部21が受信した受信フレームのTransit機能の両トラヒックをスケジューリングする。内側リング送信部19は、他のノード装置に同期クロックを提供する際には、クロックを付加したSDHフレームを内側リングに送信する。
MACフレーム入出力制御部11は、上位装置(図示せず)からノード装置1に入力されるMACフレームの送受信の制御、ノード装置1から上位装置に出力するMACフレームの送受信の制御を行う。
RPRインタフェース送信部12は、MACフレーム入出力制御部11が上位装置から受信したMACフレームにRPRヘッダを付与してRPRデータフレームやRPR制御フレームを生成する。また、RPRインタフェース送信部12は、クロック切り替え指示部22から通知される従属同期情報(マスタクロックに従属同期させるための制御情報)をRPR制御フレームに付与してRPR制御フレームを生成する。RPRインタフェース送信部12は、クロック切り替え指示部22からの指示に基づいて、生成したRPR制御フレームを内側リング6または外側リング5の何れにAddするかを選択する。
RPRインタフェース送信部12は、生成したRPR制御フレームを内側リング6にAddすると判断した場合に、RPR制御フレームを内側リング送信部19に入力する。また、RPRインタフェース送信部12は、生成したRPR制御フレームを外側リング5にAddすると判断した場合に、RPR制御フレームを外側リング送信部18に入力する。
RPRインタフェース受信部13は、外側リング受信部16、内側リング受信部21が受信した受信RPRフレームから、RPRデータフレームとRPR制御フレームを識別し、各機能モジュールに対応する種々の情報を各機能モジュールに通知する。RPRインタフェース受信部13は、RPR制御フレームをプロテクション部14、トポロジ管理部15に入力する。なお、RPRインタフェース受信部13は、RPR制御フレームのプロテクション情報(ネットワークシステム100内の障害に関する障害情報を通知するための情報)をプロテクション部14に入力し、RPR制御フレームのトポロジ情報(送信元アドレス、TTL)をトポロジ管理部15に入力してもよい。
また、RPRインタフェース受信部13は、RPR制御フレームを優先度変換部24に入力する。また、RPRインタフェース受信部13は、受信RPRフレームからMACフレームを抽出し、MACフレーム入出力制御部11に入力する。なお、RPRインタフェース受信部13は、RPR制御フレームから従属同期情報や送信元アドレスを抽出し、優先度変換部24に送信元アドレスと従属同期情報を入力してもよい。
プロテクション部14は、RPRインタフェース受信部13から入力されるRPR制御フレームのプロテクション情報に基づいて、リング上の障害状況を把握し、その障害情報(障害状況に関する情報)をトポロジ管理部15およびクロック切り替え指示部22に通知する。
トポロジ管理部15は、RPRインタフェース受信部13から入力されるRPR制御フレームのトポロジ情報に基づいて、リング上の宛先ノード装置までの中継ノード数(HOP数)を所定の情報テーブル(トポロジマップ)に登録(生成)し管理する。
優先度変換部24は、RPRインタフェース受信部13からのRPR制御フレーム内から送信元アドレスを抽出し、送信元アドレスをRPRネットワーク上において予め設定された変換ルールに基づいて、マスタノードを選択する際の優先度に変換する。優先度変換部24は、変換した優先度と従属同期情報を含むRPR制御フレームとをクロック切り替え指示部22に通知する。
クロック異常検出部25は、外部からの網同期クロック(3)と自走クロック(4)の異常管理を行い、クロックの異常検出時にはクロック切り替え指示部22にクロックの異常を通知する。
タイマ管理部26は、RPR制御フレームを受信した後の所定時間を測定するタイマ(図示せず)を備えている。タイマ管理部26は、タイマの停止中、起動中に関わらず、クロック切り替え指示部22からのタイマ起動要求に基づいて、予め設定されたタイマ値でタイマを起動(再始動)し、タイマの満了時にクロック切り替え指示部22タイマの満了を通知する。
クロック切り換え指示部22は、優先度変換部24から送られる従属同期情報が付与されたRPR制御フレーム、優先度変換部24で変換されたマスタノードを選択する際の優先度(RPR制御フレームの送信元アドレスに対応する優先度)を受け取る。クロック切り換え指示部22は、現在保持しているマスタノードの優先度と、優先度変換部24で変換された優先度を比較し、優先度の高い方のマスタノードの優先度と、このマスタノードに対応する送信元アドレス、HOP数をマスタノード情報として保持する。クロック切り換え指示部22は、トポロジ管理部15が記憶するトポロジマップに基づいて、優先度の高いマスタノードのHOP数を抽出し、マスタノード情報として保持する。
クロック切り換え指示部22は、マスタノードの優先度を比較して、現在保持しているマスタノードの優先度よりも高いマスタノードの優先度(優先度変換部24で変換された優先度)を保持する度に、タイマ管理部26へタイマの起動要求を出し、タイマを最初から再始動させる。クロック切り換え指示部22は、タイマ管理部26からタイマの満了通知を受け取った時点のマスタノード情報を用いてマスタノードを決定する(マスタノード選択機能)。
クロック切り換え指示部22は、ノード装置1がマスタ候補ノード(マスタノードの候補となるノード)に設定されているかスレーブノードに設定されているかの情報と、クロック異常検出部25からのクロック異常の通知の有無とに基づいて、ノード装置1がマスタ候補ノードとなるかスレーブノードとなるかを示す識別情報を含む従属同期情報を生成する。
クロック切り換え指示部22は、クロック異常検出部25からクロック異常の通知を受けていない場合(自ノードがクロック正常)、自ノードがマスタ候補ノードに設定されているかスレーブノードに設定されているかの情報に基づいて、従属同期情報(マスタ候補ノードに設定されている場合はマスタ候補ノードとなることを示す識別情報(マスタノード情報)、スレーブノードに設定されている場合はスレーブノードとなることを示す識別情報(スレーブノード情報))を生成する。
クロック切り換え指示部22は、クロック異常検出部25からクロック異常の通知を受けると(自ノードがクロック異常)、マスタ候補ノードに設定されている場合であってもスレーブノードを示す識別情報を従属同期情報に設定し、クロック異常検出部25からクロック異常の回復通知を受けると(自ノードがクロック正常)、再度、マスタ候補ノードを示す識別情報を従属同期情報に設定する。クロック切り換え指示部22は、生成した従属同期情報をRPRインタフェース送信部12に入力する。
クロック切り換え指示部22は、他のノード装置から送られる従属同期情報内のマスタノード情報、スレーブノード情報に基づいて、マスタノードとなるノード装置を決定する。ここでのクロック切り換え指示部22は、マスタノード情報の送信元であるノード装置の中からマスタノードを選択する。
クロック切り換え指示部22は、自ノード装置がクロックマスタであるかクロックスレーブであるかの判断結果に基づいて、クロックの切り換え指示をクロック切り替え部23に送る。
クロック切り換え指示部22は、自装置がマスタノードとなる場合には、外部装置(他のノード装置)へ同期クロックを供給するよう、RPRインタフェース送信部12に指示情報を送信する。
また、クロック切り換え指示部22は、プロテクション部14からのネットワーク障害通知、トポロジ管理部15内のトポロジマップから、障害箇所を特定し、従属同期方向パスの障害やマスタノードから離脱したノード装置を検出し、必要に応じてマスタノードの再選択を行なう。
クロック切り換え部23は、クロック切り替え指示部22からの使用クロック指示(使用するクロックを指定する指示情報)に基づいて、両系の受信クロック(内側リング6からのクロック(2)、外側リング5からのクロック(1))、外部クロック(網同期クロック(3))、自走クロック(4)のうち何れかのクロックをノード装置1の同期クロックとして選択し、自装置がマスタノードとなる場合には内部モジュールおよび外部装置(他のノード装置)へ同期クロックを供給する。
なお、ここでの内側リング6からのクロック(2)、外側リング5からのクロック(1)が、特許請求の範囲に記載の他のノード装置が管理するクロックに対応し、網同期クロック(3)、自走クロック(4)が特許請求の範囲に記載の自ノード装置が管理するクロックに対応する。
つぎに、複数のノード装置が接続されたネットワークシステム(リングネットワーク)の構成の一例について説明する。図2は、複数のノード装置が接続されたネットワークシステムの構成の一例を示す図である。
ネットワークシステム(双方向2重化リングネットワーク)100は、5台のノード装置1(ノードA〜E)が右回り(時計回り)方向にノードA、ノードB、ノードC、ノードD、ノードEの順番で2重リングネットワーク(外側リング5、内側リング6)上に配置されている。ネットワークシステム100では、各ノードにおいて送信元アドレスから変換されるマスタノードの優先度は、ノードAから右回り方向の順に、「3」、「5」、「1」、「4」、「2」とし、ここでは優先度の値が小さいほど高優先とする。
なお、以下の説明では、ノードA、ノードB、ノードC、ノードD、ノードEの送信元アドレスを、それぞれアドレスA、アドレスB、アドレスC、アドレスD、アドレスEとして説明する。また、以下の説明では、ノードCとノードEがマスタ候補ノードである場合について説明する。また、実施の形態1では、ネットワークシステム100上で従属同期情報が付与されるRPR制御フレームを例えばTP(Topology and Protection)フレームとする。
各ノードA〜Eは、TPフレームの送信タイミングで、TPフレームのペイロード部分に各自の従属同期情報(マスタ候補ノードかスレーブノードかを識別する情報)を設定して、外側リング5および内側リング6に送信する。
各ノードA〜Eは、送信元アドレスが他ノードであるTPフレームを受信すると、RPR標準に従って、TTL(Time To Live)減算を実施して、下流ノードへ中継していき、送信元アドレスが自ノード装置であるTPフレームを受信するとTPフレームを終端させる。
例えば、各ノードA〜Eは、RPR標準に従って、TPフレームの受信毎にトポロジ管理部15がトポロジ情報を抽出するとともに、プロテクション部14がプロテクション情報を抽出する。トポロジ管理部15は、抽出したトポロジ情報に基づいてトポロジマップを作成する。
優先度変換部24は、各系(外側リング5、内側リング6)のTPフレームの受信毎に、RPR制御フレームの送信元アドレスを所定の変換ルールを用いてマスタノードの優先度に変換する。各ノードA〜Eのクロック切り替え指示部22は、優先度変換部24が変換したマスタノードの優先度と、現在保持しているマスタノードの優先度とを比較する。
そして、クロック切り替え指示部22は、優先度変換部24が変換したマスタノードの優先度が現在保持しているマスタノードの優先度よりも高優先である場合に、高優先の優先度とともに、RPR制御フレームの送信元アドレスと、TTLを受信方向に対する送信元までのHOP数に変換した値(計算例:256−TTL)とをマスタノード情報として保持する。
一方、クロック切り替え指示部22は、現在保持しているマスタノードの優先度が優先度変換部24が変換したマスタノードの優先度よりも高優先である場合、現在保持している優先度と送信元アドレス(例えば送信元アドレスが自ノードのアドレスとその優先度)をマスタノード情報として保持する。これにより、各ノードは最高優先のマスタノード情報を系毎に独立して保持する。
さらに、クロック切り替え指示部22は、優先度変換部24が変換したマスタノードの優先度が現在保持しているマスタノードよりも高優先である場合、タイマ管理部26にタイマの起動要求を行なう。そして、クロック切り替え指示部22は、タイマ管理部26からタイマ満了の通知を受けた時点での、マスタノード情報の送信元アドレスが自ノードのアドレスと一致する場合には、マスタノードとして自ノードを選択する。クロック切り替え指示部22は、マスタノードとして自ノードを選択すると、外部からの網同期クロック(3)または自走クロック(4)をノード装置1の同期クロックとして選択し、選択したクロックに切り換えるようクロック切り替え部23に指示する。
外部からの網同期クロック(3)または自走クロック(4)をノード装置1の同期クロックとして選択する場合、クロック切り替え指示部22は、自ノードに網同期クロック(3)が実装されており、かつ網同期クロック(3)が正常であれば網同期クロック(3)を選択し、それ以外の場合は自走クロック(4)をノード装置1の同期クロックとして選択する。これにより、クロック切り替え部23に選択されたクロックを、内部モジュールおよび外部装置(他のノード装置)への同期クロックとして供給する。クロック切り替え部23に選択されたクロックは、SDHフレームとして、外側リング5や内側リング6へ送信される。
ノード装置1がマスタノードになると判断した場合、ノード装置1は外側リング送信部18または内側リング送信部19から他のノード装置へ同期クロックを含んだRPR制御フレームを送信する。
一方、クロック切り替え指示部22は、タイマ管理部26からタイマ満了の通知を受けた時点での、マスタノード情報の送信元アドレスが自ノードのアドレスと一致しない場合、自ノードはスレーブノードになると判断する。クロック切り替え指示部22は、自ノードがスレーブノードになると判断すると、外側リング5からのクロック(1)または内側リング6からのクロック(2)を、ノード装置1の同期クロックとして選択し、選択したクロックに切り換えるようクロック切り替え部23に指示する。
ここでのクロック切り替え指示部22は、外側リング5からのクロック(1)または内側リング6からのクロック(2)のうち、各系のマスタ情報のHOP数が小さい方の系のクロックを選択する。これにより、クロック切り替え部23に選択されたクロックを、内部モジュールへの同期クロックとして取得する。
ノード装置1がスレーブノードになると判断した場合、ノード装置1の外側リング受信部16または内側リング受信部21は、マスタノードから送信される外側リング5または内側リング6からのSDHフレームを受信し、受信したSDHフレームからクロックを抽出してクロック切り替え部23に入力する。
つぎに、各ノードA〜Eのマスタノード情報、クロックの選択決定後の状態について説明する。図3は、障害のない正常な場合の各ノードのマスタノード情報、クロック選択決定後の状態を説明するための図である。
ネットワークシステム100では、マスタ候補ノードのうちノードEよりノードCが高優先であるため、各ノードA〜EはノードCがマスタノードであると認識する。具体的には、各ノードA〜Eのクロック切り換え指示部22は、自ノード装置がマスタ候補ノードに設定されているかスレーブノードに設定されているかの情報と、クロック異常検出部25からのクロック異常の通知の有無とに基づいて、従属同期情報(自ノード装置がマスタ候補ノードとなるかスレーブノードとなるかを示す識別情報)を生成する。ここでは、ノードA,B,Dのクロック切り換え指示部22が、従属同期情報(自ノード装置がスレーブノードとなることを示す識別情報)を生成し、ノードC,Eのクロック切り換え指示部22が、従属同期情報(自ノード装置がマスタ候補ノードとなることを示す識別情報)を生成する。
各ノードA〜Eは、生成した従属同期情報をRPRインタフェース送信部12に送る。各RPRインタフェース送信部12は、クロック切り替え指示部22から通知される従属同期情報をRPR制御フレームに付与してRPR制御フレームを生成する。ここでのRPR制御フレームには、このRPR制御フレームを送信するノードのアドレス(送信元アドレス)が含まれている。
各RPRインタフェース送信部12は、生成したRPR制御フレームを内側リング送信部19、外側リング送信部18に入力する。各内側リング送信部19、外側リング送信部18は、各RPRインタフェース送信部12からのRPR制御フレームをそれぞれ外側リング5、内側リング6に送信する。
各ノードA〜Eは、他ノードから送られた内側リング6からのRPR制御フレームを内側リング受信部21から受信し、他ノードから送られた外側リング5からのRPR制御フレームを外側リング受信部16から受信する。
各ノードA〜Eの外側リングDrop判定部17、内側リングDrop判定部20は、受信したRPR制御フレーム内の送信元アドレスが自ノードでなければ、それぞれ外側リング受信部16、内側リング受信部21が受信したRPR制御フレームを外側リング送信部18、内側リング送信部19に入力するとともにRPRインタフェース受信部13に入力する。
このとき、各ノードA〜Eの外側リングDrop判定部17、内側リングDrop判定部20は、RPR標準に従って、TTL減算を実施して、外側リング送信部18、内側リング送信部19にRPR制御フレームを送信する。このとき、外側リング送信部18、内側リング送信部19は、それぞれRPR制御フレームを外側リング5、内側リング6に送信する。
一方、各ノードA〜Eの外側リングDrop判定部17、内側リングDrop判定部20は、受信したRPR制御フレーム内の送信元アドレスが自ノードであれば、受信したRPR制御フレームを廃棄する。
RPRインタフェース受信部13は、受信したRPR制御フレーム内の送信元アドレスが他ノードである場合、他ノードからのRPR制御フレームのトポロジ情報(送信元アドレス、TTL)をトポロジ管理部15に入力する。また、RPRインタフェース受信部13は、RPR制御フレームを優先度変換部24に入力する。
トポロジ管理部15は、RPRインタフェース受信部13から入力されるRPR制御フレームのトポロジ情報に基づいて、リング上の宛先ノード装置までの中継ノード数(HOP数)をトポロジマップに登録する。
優先度変換部24は、RPR制御フレーム内から送信元アドレスを抽出し、送信元アドレスをRPRネットワーク上において予め設定された変換ルールに基づいて、マスタノードを選択する際の優先度に変換する。優先度変換部24は、変換した優先度とRPR制御フレームをクロック切り替え指示部22に送信する。
クロック切り換え指示部22は、優先度変換部24から送られる従属同期情報が付与されたRPR制御フレーム、優先度変換部24で変換された上記RPR制御フレームの送信元アドレスに対応する優先度を受け取る。クロック切り換え指示部22は、現在保持しているマスタノードの優先度と、優先度変換部24で変換された優先度を比較し、優先度の高い方のマスタノードの優先度と、このマスタノードに対応する従属同期情報の送信元アドレス、HOP数をマスタノード情報として保持する。クロック切り換え指示部22は、トポロジ管理部15が記憶するトポロジマップに基づいて、優先度の高いマスタノードのHOP数を抽出し、マスタノード情報として保持する。
クロック切り換え指示部22は、マスタノードの優先度を比較して、現在保持しているマスタノードの優先度よりも高いマスタノードの優先度を保持する度に、タイマ管理部26へタイマの起動要求を出し、タイマを最初から再始動させる。クロック切り換え指示部22は、タイマ管理部26からタイマの満了通知を受け取った時点のマスタノード情報を用いてマスタノードを決定する。これにより、各ノードA〜EはノードCがマスタノードであると認識する。
そして、ノードCの両下流方向のノードA,B,D,Eがスレーブノードとなり、各スレーブノードは、ノードCからのTPフレーム受信方向のHOP数が小さい方の受信クロックを選択する。
すなわち、ノードAのクロック切り換え指示部22は、マスタノードであるノードCに対する外側リング5方向のHOP数が3であり、ノードCに対する内側リング6方向のHOP数が2であるので、内側リング6からのクロック(2)を受信クロックとして選択する。
また、ノードBのクロック切り換え指示部22は、マスタノードであるノードCに対する外側リング5方向のHOP数が4であり、ノードCに対する内側リング6方向のHOP数が2であるので、内側リング6からのクロック(2)を受信クロックとして選択する。
また、ノードDのクロック切り換え指示部22は、マスタノードであるノードCに対する外側リング5方向のHOP数が1であり、ノードCに対する内側リング6方向のHOP数が4であるので、外側リング5からのクロック(1)を受信クロックとして選択する。
また、ノードEのクロック切り換え指示部22は、マスタノードであるノードCに対する外側リング5方向のHOP数が2であり、ノードCに対する内側リング6方向のHOP数が3であるので、外側リング5からのクロック(1)を受信クロックとして選択する。
また、ノードCのクロック切り換え指示部22は、自身がマスタノードであるので、例えば外部クロック(3)を受信クロックとして選択する。このように、ネットワークシステム100において障害のない正常な場合、各ノードA〜Eが自律的にマスタノードを決定し、クロック選択を実施する。
つぎに、図3の状態からノードDとノードEの間でリンク断(リンク障害)が発生した場合の各ノードA〜Eのマスタノード情報、クロックの選択決定後の状態について説明する。なお、図3で説明したノードA〜Eと同様の動作を行う処理動作については、その説明を省略する。
まず、リング障害の検出処理、プロテクション処理の概要について説明する。各ノードA〜Eは、TPフレームを両系に送信する際に、直上流ノード(上流方向の隣接ノード)からのKeep Alive用フレームの不達と自ノードの受信障害によって直上流ノードから自ノードのまでのリンク間で発生した障害を検出する。このとき、Keep Alive用フレームの送信元が直上流ノードか否かはトポロジマップに基づいて判断する。直上流ノードとの間のリンク状態情報は、TPフレームに載せて送出され、これにより直下流ノード(下流方向の隣接ノード)を含む全受信ノードはTPフレームの送信元ノードの受信リンク状態を把握し、リングネットワーク上の何れのリンクが障害状態にあるかをマップ化する。
そして、各ノードA〜Eはトポロジマップとプロテクション情報(障害情報)に基づいて、宛先ノードに到達するまでのノード中継数が少なく、リンク障害が発生していないリング(内側リング6または外側リング5)を選択してRPRデータフレームを送出する。
図4は、リンク障害が発生した場合の各ノードのマスタノード情報、クロックの選択決定後の状態を説明するための図である。ノードDとノードEの間で発生したリンク障害は、ノードD,Eのクロック切り替え指示部22によって検出される。ノードDおよびノードEは、リンク障害を検出すると、このリンク障害を示すプロテクション情報(例えばSF(Signal Failure))をTPフレームに付加して両系に送信する。このとき、ノードD(内側リング送信部19)は、リンク障害の発生していない内側リング6からプロテクション情報を送信し、ノードE(外側リング送信部18)は、リンク障害の発生していない外側リング5からプロテクション情報を送信する。ノードA〜Cは、送信元アドレスがアドレスDおよびアドレスEから受信したTPフレームと作成したトポロジマップにより、ノードDとノードEの間の障害を検知する。
具体的には、まずノードD,Eのクロック切り替え指示部22がノードDとノードEの間で発生したリンク障害を検出すると、この障害の情報(リンク障害情報)をプロテクション情報としてRPRインタフェース送信部12に送る。各RPRインタフェース送信部12は、クロック切り替え指示部22から通知されるプロテクション情報をRPR制御フレームに付与してRPR制御フレームを生成する。ここでのRPR制御フレームには、このRPR制御フレームを送信するノードD,Eのアドレス(送信元アドレス)が含まれている。
ノードDのRPRインタフェース送信部12は、生成したRPR制御フレームを内側リング送信部19に入力し、内側リング送信部19は、RPRインタフェース送信部12からのRPR制御フレームを内側リング6に送信する。
ノードEのRPRインタフェース送信部12は、生成したRPR制御フレームを外側リング送信部18に入力し、外側リング送信部18は、RPRインタフェース送信部12からのRPR制御フレームを外側リング5に送信する。また、ノードDとノードEのトポロジ管理部15は、ノードDとノードEの間の障害をトポロジマップに登録する。
ノードA〜Cは、内側リング6(ノードD)からのRPR制御フレームを内側リング受信部21から受信し、外側リング5(ノードE)からのRPR制御フレームを外側リング受信部16から受信する。また、ノードEは、内側リング6(ノードD)からのRPR制御フレームを内側リング受信部21から受信し、ノードDは外側リング5(ノードE)からのRPR制御フレームを外側リング受信部16から受信する。
各ノードA〜Eの外側リングDrop判定部17、内側リングDrop判定部20は、受信したRPR制御フレーム内の送信元アドレスが自ノードでなければ、それぞれ外側リング受信部16、内側リング受信部21が受信したRPR制御フレームを外側リング送信部18、内側リング送信部19に入力するとともにRPRインタフェース受信部13に入力する。外側リング送信部18、内側リング送信部19は、それぞれRPR制御フレームを外側リング5、内側リング6に送信する。
一方、各ノードA〜Eの外側リングDrop判定部17、内側リングDrop判定部20は、受信したRPR制御フレーム内の送信元アドレスが自ノードであれば、外側リング受信部16、内側リング受信部21が受信したRPR制御フレームをそれぞれRPRインタフェース受信部13に入力する。
ノードA〜CのRPRインタフェース受信部13は、RPR制御フレームのプロテクション情報をプロテクション部14に入力する。プロテクション部14は、RPRインタフェース受信部13から入力されるRPR制御フレームのプロテクション情報に基づいて、リング上の障害状況を把握し、その障害情報をトポロジ管理部15およびクロック切り替え指示部22に通知する。ノードA〜Cのトポロジ管理部15は、プロテクション部14から入力される障害情報に基づいて、ノードDとノードEの間の障害をトポロジマップに登録する。
各ノードA〜Eのクロック切り換え指示部22は、トポロジ管理部15から障害情報の通知を受けると、マスタノードの優先度を比較し、現在保持しているマスタノードの優先度よりも高いマスタノードの優先度を保持する度に、タイマ管理部26へタイマの起動要求を出し、タイマを最初から再始動させる。各ノードA〜Eのクロック切り換え指示部22は、タイマ管理部26からタイマの満了通知を受け取った時点のマスタノード情報を用いてマスタノードを決定する。これにより、各ノードA〜EはノードCがマスタノードであると認識する。そして各ノードA〜Eでは、現在のクロック選択に影響がない場合は、そのまま現在のクロック選択を継続する。
すなわち、ノードAのクロック切り換え指示部22は、マスタノードであるノードCに対する内側リング6(左回り)方向のHOP数が2であり、ノードCからの情報を外側リング5方向では接続できないので、内側リング6からのクロック(2)を受信クロックとしてそのまま選択する。
また、ノードBのクロック切り換え指示部22は、マスタノードであるノードCに対する内側リング6方向のHOP数が2であり、ノードCからの情報を外側リング5では接続できないので、内側リング6からのクロック(2)を受信クロックとしてそのまま選択する。
また、ノードDのクロック切り換え指示部22は、マスタノードであるノードCに対する内側リング6方向のHOP数が4であり、ノードCからの情報を外側リング5では接続できないので、外側リング5からのクロック(1)を受信クロックとしてそのまま選択する。また、ノードCのクロック切り換え指示部22は、自身がマスタノードであるので、例えば外部クロック(3)を受信クロックとしてそのまま選択する。
一方、ノードEは、マスタノードであるノードCに対する内側リング6方向のHOP数が3であり、ノードCからの情報を外側リング5では接続できない。ノードEのように現在のクロック選択を行っているマスタノード(ノードC)方向(従属同期方向)に障害があり、クロック選択に影響を受ける場合は、障害検知の時点でクロック選択を他方の受信クロックに切り替える。すなわち、ノードEのクロック切り換え指示部22は、外側リング5からのクロック(1)から内側リング6のクロック(2)に受信クロックを切り替えるようクロック切り替え部23に指示を送る。これにより、クロック切り替え部23は、クロック(1)から内側リング6のクロック(2)に受信クロックを切り替える。このように、ネットワークシステム100においてノード間で障害が発生した場合、クロック選択に影響を受けるノードのみが受信クロックを切り替える。
つぎに、図3に示す状態からマスタノード(ノードC)で供給するクロックに異常が発生した場合の各ノードA〜Eのマスタ情報、クロック選択決定後の状態について説明する。図5は、マスタノードで供給するクロックに異常が発生した場合の各ノードのマスタ情報、クロック選択決定後の状態を説明するための図である。なお、図3,4で説明したノードA〜Eと同様の動作を行う処理動作については、その説明を省略する。
ノードCは、クロック異常検出部25によって外部クロック(3)の異常を検出すると、スレーブノードに設定した従属同期情報をTPフレームに付与して両系に送信し、マスタノードの再選択を実施する。
具体的には、ノードCのクロック異常検出部25が外部クロック(3)の異常を検出すると、クロック切り替え指示部22にクロックの異常を通知する。クロック切り換え指示部22は、クロック異常検出部25からクロック異常の通知を受けると、スレーブノードを示す識別情報を従属同期情報に設定してRPRインタフェース送信部12に入力する。
RPRインタフェース送信部12は、クロック切り替え指示部22から通知される従属同期情報をRPR制御フレームに付与してRPR制御フレームを生成する。ここでのRPR制御フレームには、このRPR制御フレームを送信するノードCのアドレス(送信元アドレス)が含まれている。
ノードCのRPRインタフェース送信部12は、生成したRPR制御フレームを内側リング送信部19と外側リング送信部18に入力し、内側リング送信部19とと外側リング送信部18は、RPRインタフェース送信部12からのRPR制御フレーム(TPフレーム)を、それぞれ内側リング6、外側リング5に送信する。また、ノードCのトポロジ管理部15は、ノードCの異常をトポロジマップに登録する。
ノードC以外のノードA,B,D,Eは、マスタノードであったノードCが送信元であるTPフレームを受信する。ノードA,B,D,Eは、TPフレーム内の従属同期情報がスレーブノードとなっているので、マスタノード(ノードC)の異常を検知し、マスタノードの再選択を実施する。
具体的には、ノードA,Bは、内側リング6(ノードC)からのRPR制御フレームを内側リング受信部21から受信する。また、ノードD,Eは、外側リング5(ノードC)からのRPR制御フレームを外側リング受信部16から受信する。
ノードA,B,D,Eは、受信したRPR制御フレームをRPRインタフェース受信部13に入力する。ノードA,B,D,EのRPRインタフェース受信部13は、RPR制御フレームをプロテクション部14に入力する。プロテクション部14は、RPRインタフェース受信部13から入力されるRPR制御フレームの従属同期情報がスレーブノードとなっているので、マスタノードCの異常を検知する。ノードA,B,D,Eのプロテクション部14は、マスタノードCの異常を示す障害情報をトポロジ管理部15およびクロック切り替え指示部22に通知する。トポロジ管理部15は、トポロジ管理部15から入力される障害情報に基づいて、ノードCの異常をトポロジマップに登録する。
各ノードA〜Eのクロック切り換え指示部22は、トポロジ管理部15から障害情報の通知を受けると、マスタノードの再選択を行なう。マスタノードの再選択において、各ノードA〜Eのクロック切り換え指示部22は、RPR標準によって構築されたトポロジマップから、次のマスタノードを検索し、マスタノード情報を生成する。各ノードA〜Eのクロック切り換え指示部22は、生成したマスタノード情報を用いてマスタノードを決定する。
ここでのネットワークシステム100では、マスタ候補ノード(ノードC,E)のうちノードCがスレーブノードとなるため、ノードA,B,D,EはノードEがマスタノードであると認識する。そして、ノードEの両下流方向のノードA,B,C,Dがスレーブノードとなり、各スレーブノードは、ノードEからのTPフレーム受信方向のHOP数が小さい方の受信クロックを選択する。そして、各ノードA〜Eでは、現在のクロック選択に影響がない場合は、そのまま現在のクロック選択を継続する。
すなわち、ノードAのクロック切り換え指示部22は、マスタノードであるノードEに対する外側リング5方向のHOP数が1であり、ノードEに対する内側リング6方向のHOP数が4であるので、外側リング5からのクロック(1)を受信クロックとして選択する。
また、ノードBのクロック切り換え指示部22は、マスタノードであるノードEに対する外側リング5方向のHOP数が2であり、ノードEに対する内側リング6方向のHOP数が3であるので、外側リング5からのクロック(1)を受信クロックとして選択する。
また、ノードDのクロック切り換え指示部22は、マスタノードであるノードEに対する外側リング5方向のHOP数が4であり、ノードEに対する内側リング6方向のHOP数が1であるので、内側リング6からのクロック(2)を受信クロックとして選択する。
また、ノードCのクロック切り換え指示部22は、マスタノードであるノードEに対する外側リング5方向のHOP数が3であり、ノードEに対する内側リング6方向のHOP数が2であるので、内側リング6からのクロック(2)を受信クロックとして選択する。
また、ノードEのクロック切り換え指示部22は、自身がマスタノードであるので、例えば外部クロック(3)を受信クロックとして選択する。このように、ネットワークシステム100においてマスタノードからの供給クロックで異常が発生した場合、他のマスタ候補ノードがマスタノードになり、クロック選択に影響を受けるノードのみが受信クロックを切り替える。
なお、ノードCの外部クロック(3)が異常から回復した場合には、ノードCは、従属同期情報をマスタノードに設定したTPフレームを両系に送信し、マスタノードの再選択を実施する。これにより、ノードCがマスタノードとなる。
ノードC以外のノードA,B,D,Eは、ノードCが送信元であるTPフレームを受信する。ノードA,B,D,Eは、ノードCからTPフレームを受信するとマスタノードの再選択を実施する。そして、ノードCの優先度がノードEの優先度よりも高いので、再びノードCがマスタノードになり、ネットワークシステム100は図3に示した状態となる。
つぎに、図3の状態からマスタノード(ノードC)が離脱する場合の各ノードA〜Eのマスタ情報、クロック選択決定後の状態について説明する。図6は、マスタノードが離脱する場合の各ノードのマスタ情報、クロック選択決定後の状態を説明するための図である。なお、図3〜5で説明したノードA〜Eと同様の動作を行う処理動作については、その説明を省略する。
ノードCを挟むように配置されているノードDとノードBは、ノードCの離脱を検出すると、SFをTPフレームに付加して両系に送信する。具体的には、ノードB,Dのクロック切り替え指示部22がノードCの離脱を検出すると、プロテクション情報をRPRインタフェース送信部12に送る。
各RPRインタフェース送信部12は、クロック切り替え指示部22から通知されるプロテクション情報をRPR制御フレームに付与してRPR制御フレームを生成する。ここでのRPR制御フレームには、このRPR制御フレームを送信するノードB,Dのアドレス(送信元アドレス)が含まれている。
ノードDのRPRインタフェース送信部12は、生成したRPR制御フレームを外側リング送信部18に入力し、外側リング送信部18は、RPRインタフェース送信部12からのRPR制御フレームを外側リング5に送信する。
ノードBのRPRインタフェース送信部12は、生成したRPR制御フレームを内側リング送信部19に入力し、内側リング送信部19は、RPRインタフェース送信部12からのRPR制御フレームを内側リング6に送信する。
各ノードA,B,D,Eは、ノードDとノードBから受信したTPフレームと作成したトポロジマップから、両系のマスタノード方向(従属同期方向)に障害があると判断し、マスタノードの再選択を実施する。
具体的には、ノードAは、内側リング6(ノードB)からのRPR制御フレームを内側リング受信部21から受信し、外側リング5(ノードD)からのRPR制御フレームを外側リング受信部16から受信する。また、ノードEは、外側リング5(ノードD)からのRPR制御フレームを外側リング受信部16から受信し、内側リング6(ノードB)からのRPR制御フレームを内側リング受信部21から受信する。
ノードA,Eは、受信したRPR制御フレームをRPRインタフェース受信部13に入力する。ノードA,EのRPRインタフェース受信部13は、RPR制御フレームをプロテクション部14に入力する。
ノードA,Eのプロテクション部14は、RPRインタフェース受信部13から入力されるRPR制御フレームのプロテクション情報に基づいて、ノードCの離脱を把握し、その障害情報(ノードCの離脱)をトポロジ管理部15およびクロック切り替え指示部22に通知する。トポロジ管理部15は、プロテクション部14から入力される障害情報に基づいて、ノードCの離脱をトポロジマップに登録する。
各ノードA〜Eのクロック切り換え指示部22は、トポロジ管理部15から障害情報の通知を受けると、マスタノードの再選択を行なう。マスタノードの再選択において、各ノードA,B,D,Eのクロック切り換え指示部22は、RPR標準によって構築されたトポロジマップから、次のマスタノードを検索し、マスタノード情報を生成する。各ノードA,B,D,Eのクロック切り換え指示部22は、生成したマスタノード情報を用いてマスタノードを決定する。
ここでのネットワークシステム100では、マスタ候補ノード(ノードC,E)のうちノードCが離脱しているため、ノードA,B,D,EはノードEがマスタノードであると認識する。そして、ノードEの両下流方向のノードA,B,Dがスレーブノードとなり、
各スレーブノードは、ノードEと接続可能なリングからの受信クロックを選択する。そして各ノードA,B,D,Eでは、現在のクロック選択に影響がない場合は、そのまま現在のクロック選択を継続する。
すなわち、ノードAのクロック切り換え指示部22は、マスタノードであるノードEに対する外側リング5方向のHOP数が1であり、ノードEからの情報を内側リング6から受信できないので、外側リング5からのクロック(1)を受信クロックとして選択する。
また、ノードBのクロック切り換え指示部22は、マスタノードであるノードEに対する外側リング5方向のHOP数が2であり、ノードEからの情報を内側リング6から受信できないので、外側リング5からのクロック(1)を受信クロックとして選択する。
また、ノードDのクロック切り換え指示部22は、マスタノードであるノードEに対する内側リング6方向のHOP数が1であり、ノードEからの情報を外側リング5から受信できないので、内側リング6からのクロック(2)を受信クロックとして選択する。
また、ノードEのクロック切り換え指示部22は、自身がマスタノードであるので、例えば外部クロック(3)を受信クロックとして選択する。このように、ネットワークシステム100においてマスタノードが離脱する場合、他のマスタ候補ノードがマスタノードになり、クロック選択に影響を受けるノードが受信クロックを切り替える。
このように実施の形態1によれば、外側リングDrop判定部17、内側リングDrop判定部20がRPR制御フレームを、それぞれ外側リング5、内側リング6に転送し、クロック切り替え指示部22が他のノード装置からのRPR制御フレーム(従属同期情報)、自ノード装置の設定、自ノード装置の状態、トポロジマップを用いてネットワークシステム100内からマスタノードを選択し、マスタノードに応じたクロックに従属同期用のクロックを切り替えるので、少ない従属同期情報で迅速にマスタノードの選択、従属同期用のクロックの選択を行なうことが可能となる。
また、優先度変換部24が他のノード装置から送信されるRPR制御フレーム内から送信元アドレスを抽出してマスタノードを選択する際の優先度に変換し、この優先度を用いてマスタノードを決定するので、RPR制御フレームの転送の際に優先度に関する情報の更新等を行なう必要がなく、RPR制御フレームの転送を迅速に行なうことが可能となる。
また、各ノード装置は、マスタ候補ノードとなるかスレーブノードとなるかを示す識別情報を含む従属同期情報を生成して他のノード装置に送信するので、各ノード装置は効率良く適切なマスタノードを選択することが可能となる。
また、マスタノードに設定されているノード装置にクロック異常が発生した場合には、スレーブノードとなることを示す識別情報を含む従属同期情報を他のノード装置に送信するので、各ノード装置は、迅速にマスタクロックの異常を検知してマスタノードを再選択することが可能となる。
また、マスタノードに設定されているノード装置のクロック異常が回復した場合には、マスタ候補ノードであることを示す識別情報を含む従属同期情報を他のノード装置に送信するので、各ノード装置は、迅速にマスタクロックの回復を検知してマスタノードを再選択することが可能となる。
また、リンク障害が発生した場合に、リンク障害を示すプロテクション情報(障害情報)を他のノード装置に送信するので、各ノード装置は迅速にリンク障害を検知してマスタノードを再選択することが可能となる。
また、トポロジ管理部15は、RPRインタフェース受信部13から入力されるRPR制御フレームのトポロジ情報に基づいてトポロジマップを生成し管理するので、予めトポロジマップの登録を行なう必要がなく、容易にマスタノードの選択を行なうことが可能となる。
また、タイマ管理部26のタイマがRPR制御フレームを受信した後の所定時間を測定し、所定時間の経過後にマスタノードを選択するので、各ノード装置の立ち上がりがばらついて、各ノード装置でトポロジマップを作成するタイミングが異なる場合であっても、各ノード装置で安定したマスタノードの選択を行なうことが可能となる。したがって、各ノード装置は高速かつ耐障害性を満足する従属同期を行なうことが可能となる。また、従属同期情報の削減、従属同期情報の中継遅延の削減ができるとともに、マスタノード選択に時間を要する要因であるマスタノードの確定通知が不要となる。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2にかかるノード装置の構成を示す図である。図7の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1のノード装置1と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
実施の形態2のノード装置2は、タイマ管理部26を備えていない。実施の形態2では、トポロジ管理部15によって作成(構築)されたトポロジマップを用いて、クロック切り替え指示部22がマスタノードを検索し、マスタノード情報を生成してマスタノードを選択する。ここでのノード装置2のクロック切り替え指示部22は、トポロジ管理部15によってトポロジマップが構築された時点でマスタノードの選択を実施する。
ノード装置2は、例えば高速にトポロジマップを構築できるノード装置やネットワークシステム100の従属同期が完了する時間に余裕がある場合等に適用する。なお、ここでのネットワークシステム100は、複数のノード装置2によって構成されている。また、マスタノードの選択方法(選択タイミング)以外の動作は実施の形態1と同様であり、その説明を省略する。
このように実施の形態2によれば、タイマを用いることなくトポロジマップが構築された時点でマスタノードの選択を実施するので、ノード装置2は実施の形態1のノード装置1よりも迅速にマスタノードを選択することが可能となり、ノード装置2は高速かつ耐障害性を満足する従属同期を行なうことが可能となる。
実施の形態3.
図8は、本発明の実施の形態3にかかるノード装置の構成を示す図である。図8の各構成要素のうち図7に示す実施の形態2のノード装置2と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
実施の形態3のノード装置3は、図7に示したノード装置2の機能に加えてマスタノード情報テーブル31を記憶しておく記憶手段(図示せず)を備えている。マスタノード情報テーブル31は、マスタ候補ノードのアドレスとHOP数を予め設定し保持しておく情報テーブル(ノード情報)である。ここでのノード装置3のクロック切り替え指示部22は、マスタノード情報テーブル31を用いて最高優先のマスタノードを選択する。
ノード装置3は、例えばネットワークシステム100が小規模なネットワークである場合等に適用する。なお、ここでのネットワークシステム100は、複数のノード装置3によって構成されている。また、マスタノードの選択方法以外の動作は実施の形態2と同様であり、その説明を省略する。
このように実施の形態3によれば、予めマスタノード情報テーブル31内にマスタ候補ノードのアドレスとHOP数を記憶しておくので、ノード装置3は実施の形態1のノード装置1よりも少ない従属同期情報の送受信で迅速にマスタノードを選択することが可能となり、ノード装置3は高速かつ耐障害性を満足する従属同期を行なうことが可能となる。
実施の形態4.
図9は、本発明の実施の形態4にかかるノード装置の構成を示す図である。図9の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1のノード装置1と同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
実施の形態4のノード装置4は、実施の形態1のノード装置1と比べて、クロック切り替え指示部22の代わりに、タイマ管理部26による時間管理に基づいてクロックの切り替えやマスタノードの選択を開始するクロック切り替え指示部41を備えている。
ここでのノード装置4のクロック切り替え指示部41は、トポロジ管理部15およびプロテクション部14からの情報(トポロジマップ、ネットワーク障害通知などの情報)を使用しない。
ネットワークシステム100内の各ノードA〜E(ノード装置4)は、マスタノード選択、障害検出およびマスタノード離脱検出に対しては、共通の管理タイマ(タイマ管理部26)(第1のタイマ、第2のタイマ)を用いて時間測定を行なう。なお、ここでのネットワークシステム100は、5台のノード装置2によって構成されている。また、ノード装置4によるマスタノード選択の処理動作は、実施の形態1で説明したノード装置1と同様の処理動作によって行なうので、その説明を省略する。
マスタノード選択を決定した後のスレーブノード(ノード装置4)のクロック切り替え指示部41は、現在の受信クロック方向から受信する送信元アドレスがマスタノードである場合に、このマスタノードからのTPフレームを管理する。クロック切り替え指示部41は、マスタノードからのTPフレーム到着時には、タイマ管理部26にタイマの起動を要求する。タイマ管理部26からタイマ満了が通知されると、クロック切り替え指示部41は、受信クロック方向が障害であるとみなし、もう一方(他方の系)の受信クロック方向にクロックを切り替える。また、マスタノードが供給するクロックに異常があることを検出した場合や両方の受信クロック方向が障害であることを検出した場合、クロック切り替え指示部41は、マスタノードの再選択を実施する。
例えば、図4に示したようにノードDとノードEの間にリンク障害がある場合、ノードEのみが障害を検出し、ノードEのクロック切り替え指示部41は他方(内側リング6)の受信クロック方向にクロックを切り替える。すなわち、ノードDとノードEの間にリンク障害がある場合、ノードDはノードCからTPフレームを受信することができるが、ノードEはノードCからTPフレームを受信することができない。このため、ノードEのタイマ管理部26は所定時間の間にTPフレームを受信することなく、クロック切り替え指示部41にタイマ満了を通知する。これにより、クロック切り替え指示部41は、受信クロック方向が障害であるとみなし、クロックの切り替えを行なう。
また、図5に示したようにマスタノード(ノードC)が供給するクロックに異常がある場合、実施の形態1と同様に各ノードA〜Eのクロック切り替え指示部41はマスタノードの再選択を実施する。
また、図6に示したようにマスタノード(ノードC)が離脱する場合、各ノードA,B,D,Eは、ノードCからのTPフレームの受信を両方向(両系)から検出できないため、タイマ管理部26からクロック切り替え指示部41にタイマ満了が通知され、クロック切り替え指示部41はマスタノードの再選択を実施する。
このように実施の形態4によれば、クロック切り替え指示部41は、受信クロック方向が障害である場合にもう一方(他方の系)の受信クロック方向にクロックを切り替え、マスタノードが供給するクロックに異常があることを検出した場合や両方の受信クロック方向が障害であることを検出した場合にマスタノードの再選択を実施するので、ノード装置4は実施の形態1のノード装置1よりも少ない従属同期情報の送受信でマスタノードを選択することが可能となり、ノード装置4は高速かつ耐障害性を満足する従属同期を行なうことが可能となる。
また、マスタノードの選択と障害検出(マスタノードのクロック異常やマスタノードの離脱)を1つの管理タイマで管理するため、簡易な構成で容易にクロックの切り替えを行なうことが可能となる。
なお、実施の形態1〜4で説明した各ノード装置1〜4の各機能を組み合わせてもよい。例えば、ノード装置の立ち上がり時にはノード装置1の機能で動作させ、定常状態時にはノード装置2で動作させることにより、ノード装置1,2の利点を兼ね備えたノード装置を実現することが可能となる。