JP2009267205A - シリコンを用いた太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】少数キャリアを光の進入深さ以上の幅の空乏層内部で発生させて内部電界で加速して電極にキャリアを集めるようにしたシリコンを用いた太陽電池を提供する。
【解決手段】空乏層を光の進入深さより広く設計することにより、表面電極を例えばグリッド状に配置させることが可能となり、反射界面の面積を減少させ、空乏層に表面電極層を通さず光照射してキャリアを発生させ当該キャリアを空乏層の電界で加速して電極に輸送できるので、光の利用効率を向上させる。
【選択図】図2

Description

本発明は、発電効率を高めるシリコンを用いた太陽電池に関する。
従来、シリコンのpn接合を用いた太陽電池が一般的に使用されている。一般的には、厚み200−400umのp型シリコン基板の表面に薄い(厚さ1um以下)n型拡散層が形成されて、それを表面電極として用いる。基板が光を吸収して、電子・正孔が発生するが、それが拡散して電極に到達したものが発電に寄与するため、電気にエネルギー変換できるかどうかはその発生場所に依存して決まる。
図9(B)に、典型的なシリコンpn接合太陽電池の断面模式図を示す。ここでは、表面の透明電極と裏面の金属電極は示していない。p型基板の表面に、n型層が形成され、p型基板との界面に空乏層が形成される。その表面から光を入射させたときの進入光の相対強度を模式的に図9(A)に示す。
光は、波長に依存する屈折率の違う材料の界面で反射される。n型拡散層には、多数キャリアの電子がある。このために、この層の表面である反射面1は、反射面となり反射が起きる。そのため、進入光11の強度は、反射面1で減衰する。通過した光は減衰しながら反射面2に到達する。空乏層とn型拡散層の多数キャリアの密度の違いから屈折率が違うために、反射を起こし、進入光12は反射面2で減衰する。
空乏層を通過した進入光13は、空乏層とp型層の界面である反射面3に到達して、屈折率の違いのために反射面3で反射されて減衰する。反射による強度の減衰を模式的に反射1、反射2、反射3として反射面1、反射面2、反射面3に対応させて図9(A)に示した。
反射面3を通過した進入光14は、p型層の基板内部に到達する。以上のように光に対する屈折率の違う層の界面で光の反射が起きるので、進入光は反射面1,2,3で反射による減衰とシリコンのバンド間遷移の吸収による減衰を伴いながらp型基板層に到達する。
空乏層が、光を吸収すると電子と正孔が生成される。それぞれは、空乏層内の電界で加速されてn型層とp型層に到達して電圧を生じさせて電気エネルギーを作る。n型層の少数キャリア(正孔)拡散長Lpとp型層の少数キャリア(電子)拡散長Lnの範囲で光が吸収されて生成した正孔と電子も拡散により空乏層に到達して空乏層の電界で加速されて移動して電気エネルギーに変換される。
一般に、n型層は高ドープするので、電子正孔の再結合時間が短くLpは小さいので、光を透過させるこの層は短いし、Lpに見合って薄く設計する。発電に寄与する光は、空乏層とそれを挟むLnとLpの領域で吸収される光である。発電効率を上げるにはなるべく光を当該領域で吸収させることが必要になる。
光の反射と吸収に注目し、従来技術を設計の観点から説明する。発電効率を上げるには、少数キャリアの拡散長LpとLnの領域で光を吸収させる割合を大きくする必要があることをすでに述べた。拡散長は結晶欠陥の少なさ(品質)に依存するので、欠陥の少ない、または不純物の少ない結晶を用いる。欠陥は結晶表面にもあるので、少数キャリアが表面に到達しないようにバンド障壁を作る工夫がされる。
進入した光は、バンドギャップ以上のエネルギーのときに、ある確率でホノンを吸収してバンド間遷移を起こし結晶に吸収される。吸収により、電子正孔の対が生成される。この吸収により、光の強度はe−αtに従い減衰する。ここで、tは光路長である。αは吸収係数とよばれて、光子エネルギー(波長)の関数である。光子エネルギーが約1.4eVのときシリコンのαは10/cmにあるので、この値を用いて計算すると光が光路長約46um進行すると強度が100分の1に減衰する計算になる。即ち、光の十分な吸収には46umの厚みが必要であるという計算になる。
なお、光電変換効率に着目した従来技術としては、p型非晶質シリコン層、i型非晶質シリコン層、微結晶シリコン層、非晶質シリコン層からなる単位積層体を繰り返し数が2〜10回の範囲で積層した積層体などからなる素子が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特公平7−38453号公報
反射に伴う課題を整理する。反射面1で生じる反射1は、反射を起こさせる層の多数キャリアに依存するだけでなく厚みにも依存する。可視光の波長が600−400umとすると、n型層の厚みが1um程度あるいは、それ以下で干渉が生じる。実際、この干渉を利用して層の厚みを測定することが可能である。反射と進入(透過)は、n型層のキャリア濃度と厚みに依存して生じるが、高い光電気変換効率を得るためにはこの反射を抑制しなくてはならない。
反射2は、n型層と空乏層との界面である反射面2で生じる。この反射により、進入光12の強度は減衰する。また、空乏層とp型層との界面である反射面3で反射3が生じる。反射光は、空乏層に戻るので、進入光13の電気エネルギー変換への寄与の損失は大きくない。以上のように、反射面の存在が課題の一つである。
次に、空乏層の厚みの課題について考察する。吸収係数が10/cmの波長(またはエネルギー)の光の強度は46umの光路長で100分の1程度に減衰すると計算されることを述べた。空乏層の厚みWがそれより薄い場合、空乏層より外の領域であっても生成された少数キャリアは拡散長の範囲にあるものはおおむね空乏層に広がり、発電に寄与できる。拡散長は50−200um、またはそれ以上にあるとき46umの深さ(吸収深さ)にまで進入した光は、その領域で吸収されて電子または正孔の少数キャリアを生成して発電に寄与する。
空乏層の側に移動したものは有効であるが、しかし、反対方向に拡散で移動したものは有効でない。その分は熱となり電力としては変換できない損失となる。仮に、進入深さ46umより厚い空乏層が備わっていれば、吸収されて生成した電子正孔は、空乏層の内部電界で加速されて両電極に到達できるので、欠陥で消滅しない限り有効に発電に寄与できる。したがって、効率改善のためには46umを超える厚みの空乏層が望ましい。吸収係数が10/cm以下のエネルギーの光に対しては、もっと広い空乏層が必要という計算になる。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、少数キャリアを光の進入深さ以上の幅の空乏層内部で発生させて内部電界で加速して電極にキャリアを集めるようにしたシリコンを用いた太陽電池を提供することを目的とする。
本発明は、上記した課題を解決するために以下の事項を提案している。
(1)本発明は、pn接合の作る空乏層の幅が、基板の厚みを超えない範囲で、可視光の吸収係数の逆数よりも大きいことを特徴とするシリコンを用いた太陽電池を提案している。
(2)本発明は、(1)のシリコンを用いた太陽電池について、前記空乏層が、基板上に成長させた成長層に作られることを特徴とするシリコンを用いた太陽電池を提案している。
(3)本発明は、(1)または(2)のシリコンを用いた太陽電池について、光の入射する側の拡散層が、前記空乏層に拡散層を横切らずに至るよう光を通過させる窓領域を有して、配置されていることを特徴とするシリコンを用いた太陽電池を提案している。
(4)本発明は、(1)から(3)のシリコンを用いた太陽電池について、前記光の入射する側の拡散層が、ドット状、線状、グリッド状に配置されていることを特徴とするシリコンを用いた太陽電池を提案している。
(5)本発明は、(1)から(3)のシリコンを用いた太陽電池について、表面にシリコンよりもバンドギャップが大きい材料を形成させたことを特徴とするシリコンを用いた太陽電池を提案している。
(6)本発明は、(1)から(5)のシリコンを用いた太陽電池について、酸素濃度が、7×1017/cm以下で、かつ、1×1017/cm以上のシリコン層を用いることを特徴とするシリコンを用いた太陽電池を提案している。
本発明によれば、光の吸収によって発生させた少数キャリアの拡散によって電極まで輸送するのでなく、それらを光の進入深さ以上の幅の空乏層内部で発生させて拡散電位差が作る内部電界で加速して電極にキャリアを集めることにより、光の利用効率を高め、コストの低減を実現できるという効果がある。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
図1から図4を用いて、本発明の実施形態について、説明する。
損失の原因である表面拡散層、空乏層の界面の反射面2、空乏層と基板との界面の反射面3での光の反射を減らすために、図1に示すように、本実施形態においては、空乏層を可視光の吸収係数αの逆数よりも広くして光が空乏層の底に到達する前にほとんどが吸収される構造とした。
なお、pn接合が作る空乏層の幅は、吸収係数αが小さい値の、または透過する波長の光に対して、基板の厚みを超えることを考慮して、基板の厚みを超えない範囲で、可視光の吸収係数αの逆数よりも広くなっている。ここで、n型拡散層表面の反射面1は、図9に示す従来構造と同じであるが、本実施形態では、上述のように、空乏層の幅を広くしたため、図9にあった反射面3には、十分な光が到達しないので反射面として考えなくて良い。
図3は、線状または、ドット状に拡散電極を形成した太陽電池基板の断面模式図を示している。図2に示すように、n型拡散層34が離散されて配置されており、従来構造と異なり、表面全体を覆わない構造になっている。離散拡散層34とp型基板31とが作る平面方向と深さ方向の広い空乏層35には内部電界33がある。離散n型拡散層34は真空管のグリットのように作用して静電界が空乏層35全体に分布している。このことを図2では、等電位面36の分布図として模式的に示している。空乏層35で光励起されたキャリアは、この静電界33で加速されて電極34とp型シリコン基板層31にまで移動して電力となる。
このように、空乏層35が、深さ方向にも、平面方向にも、広がる構造であれば、表面のn型拡散層34はグリッド状でも良い。また、図2の静電界構造は、n型拡散層が線状であっても、ドット(島)状であっても良く、光が通過できる窓の領域を有していれば、どんな形態であっても構わない。
この拡散層を離散配置させることにより、拡散層を通さずに光が通過できる窓37ができたことになる。この窓37の領域では、反射面2(38)は存在しない。従って、大きな領域で反射面2と3を排除した構造が、厚い空乏層35を作ることにより可能となる。
空乏層が、吸収深さより厚いと、吸収が静電界のなかで起きるため、生成された電子と正孔が静電界で加速されて有効に電極に集まる。このことにより光の利用効率が高まる。したがって、上記のような構造を採用すれば、光から電気への変換効率を改善できる。
しかし、高いエネルギーの光には、電力変換に有効な電子と正孔の生成に寄与できないため、熱になって消耗される成分がある。それを有効にするには、シリコンよりバンドギャップの大きい材料をヘテロ接合させる方法がある。これはタンデム構造と呼ばれ、原理的には有効であるが、製造工程が複雑になり高価になるという弊害があった。
しかし、空乏層を広くしてn型拡散層をグリッド状に配置する窓あり構造にすることで、これまで使用できなかったヘテロ構造が可能になる。これを図3および図4に示す。図3は、構造の断面模式図、図4は、そのエネルギーバンドダイヤグラムである。なお、図はバンドギャップの違いを誇張して示した。
へテロ接合43は、従来のように、電極を介して行うのでなく、pn接合層が形成する空乏層45に接合させる点が、特徴的に従来のタンデム構造と異なる。図4には、X1−X2の経路に沿ったバンドダイヤグラムとX1−X3に沿ったバンドダイヤグラムをX1で接続させて示している。ワイドバンドギャップ薄膜層42で発生しシリコン空乏層45に拡散した電子46は、伝導帯の高い電位から低い電位に沿って、n型拡散層44にいたる。価電子帯で発生した正孔47は、電位面に沿ってp型拡散層48に向けて加速されて集まる。ワイドギャップ薄膜層としてはアモルファスシリコンやポーラスシリコン層がある。
例えば、高抵抗基板41の表面に光をあてながら、フッ酸溶液中で陽極酸化すると、シリコンが溶出してポーラスシリコンのワイドギャップ薄膜層42が生成される。ポーラスシリコンの製造とその性質の解説は例えば以下の論文にある。

A.G.Cullis,L.T.Canham,and P.D.Calcott;The structural and luminescence properties of porous
silicon:J.Appl.Phys.82,909(1997);
孔の径は、0.1−1umで制御できる。例えば、0.1um以下のシリコン壁に囲まれたポーラスな層は直接遷移型の電子構造に近づき光の吸収と放出が可能になる。
また、進行方向に孔ができているために、進入した光は反射されないで、吸収されるため、無反射面としても作用する。また、そのバンドギャップは、シリコンより大きくシリコンと異種接合(ヘテロ接合)43を形成する。そのような基板に、n型拡散層44をグリッド状に作る。
シリコンの間接遷移バンドギャップより大きいエネルギーの光に対して、ヘテロ構造は少数キャリアを発生させ電子と正孔を空乏層に放出するため、光スペクトルの利用効率を高めることが可能になる。
また、シリコンよりもバンドギャップが大きく、安価に生成できる一般的な材料として、アモルファスシリコンが利用できる。本実施形態では、アモルファス層は、キャリアを輸送する層ではなく、それを発生させる層として利用するだけなので、アモルファス層のシリコンよりも短いライフタイムの短所を軽減することができる。
以上、説明したように、本実施形態によれば、光の吸収によって発生させた少数キャリアの拡散によって電極まで輸送するのでなく、それらを光の進入深さ以上の幅の空乏層内部で発生させて内部電界で加速して電極にキャリアを集めることにより、光の利用効率を高め、コストの低減を実現できる。
<実施例1>
次に、図5を用いて、具体的な実施例について、説明する。
図5は、MCZ(強力な磁場をかけるチョクラルスキー(Czochralski)結晶成長方法)を用いた高抵抗基板を使って、課題を解決するための広い空乏層を形成する方法を示している。基板として、酸素濃度を8ppm以下にしたMCZ法によるn型200Ωcmのシリコン基板51を用いる。拡散防止のためのノンドープ酸化膜52を200nmの厚みで全面に例えば、熱酸化法で成長させる。
次に、枚葉のフッ酸洗浄で周辺と表面の酸化膜52を残し裏面酸化膜を除去する。そして、リン拡散のためのリンガラス(PSG)53を100nm成長させる。
さらに、枚葉のフッ酸洗浄で周辺と裏面のPSG53と酸化膜52を残し表面のPSGと酸化膜を除去し、ボロン拡散のためのボロンガラス(BSG)54をCVD法で100nm成長させる。
これを窒素雰囲気中で加熱してリンとボロンを拡散させる。これで表面にp型の拡散層55と裏面にn型の拡散層56が形成される。これを模式的に図5(A)に示す。
次に、周辺をのこし、表面の中心部のBSGを枚葉の洗浄装置で除去し、透明電極としてネサ膜57を200nm成長させる。これを模式的に図5(B)に示す。
さらに、周辺をのこし、裏面の中心部のPSGを枚葉の洗浄装置で除去し、周辺をクランプして裏面電極としてのA1膜58を500nmスパッタして成長させる。これを模式的に図5(C)に示す。200Ωcmの高抵抗の基板を用いたことで基板内部に抵抗に対応した幅の空乏層ができる。200Ωcm以上の高抵抗の基板は不純物を入れないMCZシリコンウエハで実現できる。
通常のCZウェハに含まれる溶解酸素がn型のドナーとなる性質があるので、製造開始時の抵抗値を維持するのは困難である。一方、ドナー化するのを抑制して、46umを超える幅の広い空乏層を安定に製造するには、酸素濃度を一定以下に減らす必要がある。使用したMCZウェハの酸素濃度は、7×1017/cm以下の酸素濃度を実現しており、安定に100Ωcm以上の比抵抗値が認められた。
また、通常使用される石英坩堝を用いて、MCZウェハを試作したところ、1E16/cm実現困難であった。よって、低いほうが望ましいがMCZ法では酸素濃度は、1E17/cmが製造上の下限界であると思われる。
酸素ドナーの出現を避けるために、本実施例では、酸素を溶解しにくいMCZ法による基板を用いた。酸素を含まない結晶基板としてはFZ(フローティングゾーン)シリコン基板を用いる方法も可能である。FZ結晶では、例えば、1000Ωcmの基板作製が可能である。他の酸素を含まないシリコン基板としてはアンドープのエピタキシャル膜が付いた基板を用いることも可能である。
また、放射線を照射して欠陥を作り不純物がキャリアを作るのを防止する方法も可能である。さらに、ガラスや石英の基板の上にポリシリコン層を成長させ100Ωcm以上の高抵抗のシリコン層を得て利用することも可能である。n型基板を用いて光があたる面に、p型拡散層55を作製する例を述べたが、基板と拡散層の伝道型pnを反対にすることは、設計で自由である。
<実施例2>
図2に示したように、空乏層の幅Wが例えば、100umあると、線状の拡散層から100umの距離以内に発生した少数キャリアを内部電界で加速して電極に集められる。従って、グリッド状に配置した拡散層電極の間の空間(窓)には拡散層が上になくても照射した光で発生した少数キャリアのうち表面で再結合して消滅しなかった大半を電極に集めて電気エネルギーに変換できる。
図6にはその製造方法を示す。MCZ高抵抗(100−500Ωcm)p型シリコン基板61にノンドープシリコン酸化膜(NSG)62を200nm成長させる。この膜は、不純物の拡散防止の役目をする。枚葉のフッ酸洗浄で、周辺と表面のNSGを残し裏面のNSGを除去する。ボロン拡散のためのボロンガラス(BSG)64を100nm成長させる。
次に表面に200um口のスペース(窓)を持つ10nm幅のグリッドの抜きレジストパターンを転写してNSGをエッチングして、グリッドの溝を作る。この上に、リンガラス(PSG)63を100nm成長させる。
窒素雰囲気中で、加熱してリンとボロンを拡散させる。表面にn型のグリッド拡散層65と裏面にp型の拡散層66が形成される。これを模式的に図6(A)に示す。
表面のPSGを枚葉の洗浄装置で除去する。透明電極としてネサ膜67を200nm成長させる。これを模式的に図6(B)に示す。
裏面中心部のボロンガラス(BSG)64を枚葉の洗浄装置で除去する。周辺をクランプして裏面電極としてのA1膜68を500nmスパッタして成長させる。これを模式的に図6(C)に示す。
以上で、グリッド状の拡散層65をもった光の進入深さ46umより広い空乏層を持つ太陽電池基板を製造できる。n型拡散65間のスペース部分には、拡散層がない空乏層が見える窓(空乏層窓)69ができる。
照射された光は、この窓69を通して空乏層に到達して、キャリアを生成する。n型拡散層は、グリッド状として、これを例にして実施例を示したが、図7に示すように、拡散層はドット状拡散層75であっても線状拡散層76であっても良いし、光が通過できる領域を有していれば、どんな形態であっても構わない。
<実施例3>
実施例3として、表面にポーラスシリコン層を配置させて、図6に示した空乏層窓69の下にワイドギャップのシリコン層88を配置させる構造を図8に示す。予め表面にポーラスシリコン層88をp型高抵抗MCZシリコン基板81に作製する。その基板の断面構造を模式的に図8(A)に示す。
なお、ポーラスシリコン層88の作製は、カンタム14社(〒184−8588 東京都小金井市中町2丁目24番16号、国立大学法人東京農工大インキュベーション施設1204号室)の公開技術例に従った。具体的には、フッ酸溶液中にシリコン表面を露出させて浸漬して、光を当てながら陽極酸化させて作製する。
図8(B)にポーラスシリコン層で作製したワイドパンドギャップシリコン層88を持つp型高抵抗MCZシリコン基板81にグリッド状のn型拡散層85と裏面にp型拡散層86を形成した基板断面模式図を示す。グリッド状n型拡散層85を形成した、この基板は図6(A)グリッド状n型拡散層65を形成した断面模式図に相当する。この後の工程は、実施例2と同様である。空乏層窓89の下にワイドギャップポーラスシリコン層88が形成された太陽電池が、これで作製できる。
光の吸収によって発生させた少数キャリアを拡散によって電極まで輸送するのでなく、それらを光の進入深さ以上の幅の空乏層内部で発生させて内部電界で加速して電極にキャリアを集めるように設計した太陽電池の製造方法を提示した。これにより、光の利用効率を高めることができるため、設置コストを下げることができる。
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
本実施形態に係る空乏層を光の進入深さより広くした太陽電池のpn接合断面の模式図である。 本実施形態に係る線状またはドット状拡散電極を形成した太陽電池基板の断面模式図である。 本実施形態に係る表面にワイドギャップ薄膜層を形成させた基板断面模式図である。 本実施形態に係る表面にワイドギャップ薄膜層を形成させた基板のエネルギーバンドダイヤグラムを示す図である。 実施例1に係る(A)拡散層を形成形させた断面模式図、(B)表面に透明導電膜をつけた断面模式図、(C)裏面にアルミニューム電極をつけた断面模式図である。 実施例2に係る(A)拡散層を形成形させた断面模式図、(B)表面に透明導電膜をつけた断面模式図、(C)裏面にアルミニューム電極をつけた断面模式図である。 実施例3に係る(A)ドット状拡散層パターン、(B)線状拡散層パターン、 (C)グリッド状拡散層パターンを示す図である。 実施例3に係るポーラスシリコン層を配置した太陽電池基板に関し、(A)表面にポーラス層を作製した基板の断面模式図、(B)拡散層の形成の断面模式図である。 従来例に係る太陽電池のpn接合断面と光強度の模式図である。
符号の説明
31・・・p型シリコン基板
33・・・内部電界
34・・・n型拡散層
35・・・空乏層
36・・・等電位面
37・・・窓
41・・・p型高抵抗シリコン基板
42・・・ワイドギャップ薄膜層
43・・・異種接合
44・・・n型拡散層
45・・・空乏層
46・・・生成した電子
47・・・生成した正孔
51・・・n型高抵抗MCZシリコン基板
52、62,82・・・拡散防止のノンドープシリコン酸化膜
53,63,83・・・リンガラス(PSG)
54,64,84・・・ボロンガラス(BSG)
55,66,86・・・p型拡散層
56・・・n型拡散層
57,67・・・ネサ膜
58,68・・・アルミニューム膜
61,81・・・p型高抵抗MCZシリコン基板
65,85・・・グリッド状n型拡散層
69,89・・・空乏層窓
75・・・ドット状n型拡散層
76・・・線状n型拡散層
88・・・ワイドギャップポーラスシリコン層





Claims (6)

  1. pn接合の作る空乏層の幅が、基板の厚みを超えない範囲で、可視光の吸収係数の逆数よりも大きいことを特徴とするシリコンを用いた太陽電池。
  2. 前記空乏層が、基板上に成長させたシリコン成長層に作られることを特徴とする請求項1に記載のシリコンを用いた太陽電池。
  3. 光の入射する側の拡散層が、前記空乏層に拡散層を横切らずに至るよう光を通過させる窓領域を有して、配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリコンを用いた太陽電池。
  4. 前記光の入射する側の拡散層が、ドット状、線状、グリッド状に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のシリコンを用いた太陽電池。
  5. 表面にシリコンよりもバンドギャップが大きい材料を形成させたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のシリコンを用いた太陽電池。
  6. 酸素濃度が、7×1017/cm以下で、かつ、1×1017/cm以上のシリコン層を用いることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のシリコンを用いた太陽電池。
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