JP2009267015A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリドライバ回路のトランジスタサイズを小さくしてICのチップエリア占有面積を小さくすること可能である上に、出力回路のスイッチング素子の駆動の高速化を図ることが可能な半導体装置の提供。
【解決手段】この発明は、少なくともMOSトランジスタQN1、QN2を直列接続してなる出力回路2と、MOSトランジスタQN1を駆動するプリドライバ回路3Aと、を備えている。プリドライバ回路3Aは、MOSトランジスタQN1を駆動する低耐圧トランジスタであるMOSトランジスタQN36を含み、このMOSトランジスタQN36は半導体基板と分離層を介して形成するようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータの駆動回路、D級アンプなどに適用可能な半導体装置に関する。
従来、この種の半導体装置として、例えば図4に示すもの(特許文献1および特許文献2など参照)が知られている。
この半導体装置は、図4に示すように、負荷1を駆動するブリッジ型の出力回路2と、出力回路2を構成するN型のMOSトランジスタ(スイッチング素子)QN1〜QN4を駆動するプリドライバ回路3〜6と、を備えている。
図4に示すプリドライバイ回路3、5はそれぞれ同様に構成され、プリドライバ回路3の構成例を図5に示す。
プリドライバ回路3は、図5に示すように、P型のMOSトランジスタQP21およびN型のMOSトランジスタQN21からなる第1のCMOSインバータと、P型のMOSトランジスタQP22およびN型のMOSトランジスタQN22からなる第2のCMOSインバータとが縦続接続されている。
また、プリドライバ回路3の前段には、図5に示すように、入力信号INが供給されるCMOSインバータ9と、レベルシフト動作を行うレベルシフト回路10とが設けられている。CMOSインバータ9は、P型のMOSトランジスタQP5およびN型のMOSトランジスタQN5からなる。レベルシフト回路10は、N型のMOSトランジスタQN11と抵抗R1とからなる。
ここで、CMOSインバータ9に入力される入力信号INは、出力回路2のMOSトランジスタQN1のオンオフ動作を行うためのオンオフ信号、またはMOSトランジスタQN1の導通制御を行うための制御信号である。
図4に示すプリドライバイ回路4、6はそれぞれ同様に構成され、プリドライバ回路4の構成例を図5に示す。
プリドライバ回路4は、図5に示すように、P型のMOSトランジスタQP41およびN型のMOSトランジスタQN41からなる第1のCMOSインバータと、P型のMOSトランジスタQP42およびN型のMOSトランジスタQN42からなる第2のCMOSインバータとが縦続接続されている。
図4の半導体装置において、出力端子7、8に接続される負荷1として例えばモータを接続し、そのモータを駆動させる場合について説明する。
いま、MOSトランジスタQN1、QN4がオンになると、負荷1には出力端子7から出力端子8の方向に向けて電流aが流れる。このときには、出力端子7の電位は高電位の電源電圧VBBとなり、出力端子8の電位はほぼ低電位の0〔V〕となる。
一方、MOSトランジスタQN1がオフになると、負荷1、具体的にはモータ等のインダクタ負荷は、出力端子7から出力端子8の方向に向けて電流aを流し続けようとする。この電流回生動作により、負荷1のインダクタ成分に蓄えられたエネルギーがMOSトランジスタQN3、QN2のソース−ドレイン間の寄生ダイオードを介して電源に戻される。この時、出力端子7の電位は0〔V〕以下となり、出力端子8の電位は電源電圧VBBよりも高くなる。
以後、このような動作を繰り返すことにより、出力端子7、8のそれぞれの電位は、0〔V〕以下から電源電圧VBB以上の範囲で大きく変動することになる。言い換えると、出力端子7、8の電位のそれぞれは、電源電圧範囲(0〜VBBの範囲)外の0V以下〜VBB以上の電位で大きく変動することになる。
ところで、出力回路2の電源電圧範囲が例えば0〜40〔V〕程度であって比較的高い電源電圧の場合には、出力回路2を構成するMOSトランジスタQN1〜QN4はそれぞれ高い電源電圧に耐え得る低オン抵抗パワーMOSトランジスタで構成する。この場合には、プリドライバ回路3、5を構成するMOSトランジスタQP21、QP21、QN21、QN22には高い電源電圧が必要になって、それらのMOSトランジスタは低耐圧トランジスタでは構成できず、高耐圧トランジスタで構成する必要がある。
ところが、プリドライバ回路3、5を構成するMOSトランジスタQP21、QP22、QN21、QN22として高耐圧トランジスタを使用すると、トランジスタサイズが大きくなる上に、MOSトランジスタQN1、QN3を高速にオンオフ動作させることができないという不具合がある。
特開2007−60862号公報 特開2005−33349号公報
そこで、本発明の目的は、プリドライバ回路のトランジスタサイズを小さくしてIC全体における占有面積(ICのレイアウト面積)を小さくすることが可能である上に、出力回路のスイッチング素子の駆動の高速化を図ることが可能な半導体装置を提供することにある。
上記の課題を解決し本発明の目的を達成するために、各発明は、以下のような構成からなる。
第1の発明は、高電位電源と低電位電源との間に直列接続される高電位側のスイッチング素子と低電位側のスイッチング素子とを含む出力回路と、前記高電位側のスイッチング素子を駆動する第1のプリドライバ回路と、前記低電位側のスイッチング素子を駆動する第2のプリドライバ回路と、を備え、前記第1のプリドライバ回路は、前記高電位側のスイッチング素子を駆動する低耐圧トランジスタを含み、前記低耐圧トランジスタは、半導体基板に当該半導体基板と電気的に分離する分離領域を介在して設けた。
第2の発明は、第1の発明において、前記第1のプリドライバ回路は、前記低耐圧トランジスタと直列接続されるとともに、前記高電位側のスイッチング素子を駆動する薄型の高耐圧トランジスタを、さらに含む。
第3の発明は、第2の発明において、前記低耐圧トランジスタのドレイン端子と前記薄型の高耐圧トランジスタのドレイン端子とが共通接続され、前記低耐圧トランジスタのソース端子が、前記直列接続される高電位側と低電位側のスイッチング素子の共通接続部と接続されている。
第4の発明は、第1〜第3の発明において、前記出力回路と前記第1のプリドライバ回路とを構成する素子は前記半導体基板上に形成され、かつ、前記低耐圧トランジスタは、前記半導体基板に電気的な分離層を介在して形成した。
このような構成の本発明によれば、プリドライバ回路のトランジスタサイズを小さくしてIC全体における占有面積(ICのレイアウト面積)を小さくすること可能である上に、出力回路のスイッチング素子の駆動(例えばオンオフ動作)の高速化を図ることが可能になる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
この実施形態に係る半導体装置は、図4および図5に示すブリッジ型の出力回路2のMOSトランジスタ(スイッチング素子)QN1〜QN4を備えたものであり、そのMOSトランジスタQN1〜QN4のそれぞれを低オン抵抗パワーMOSトランジスタ(具体的には、VDMOSやLDMOS)で構成する。そして、その構成を前提に、図4のブリッジ型の出力回路2の高電位側のMOSトランジスタQN1、QN3を駆動させるプリドライバ回路3、5のそれぞれの構成を、図4に示す構成から図1に示すプリドライバ回路3Aの構成に変更した。ここで、低電位側のMOSトランジスタQN2、QN4をそれぞれ駆動させるプリドライバ回路4、6の構成については変更はない。
また、この実施形態に係る半導体装置は、その変更に伴い、図5に示すレベルシフト回路10の構成を図1に示すレベルシフト回路10Aの構成に変更した。さらに、この実施形態に係る半導体装置では、例えば、MOSトランジスタQN1、QN3を駆動するそれぞれのプリドライバ回路3Aおよび出力回路2は、同一の半導体基板に形成するようにした。
なお、この実施形態に係る半導体装置は、その変更部分を除いた他の部分の構成については図4および図5に示す半導体装置の構成と同じであるので、以下では主にその変更部分について説明する。
この実施形態に係る半導体装置では、構成素子として、高耐圧トランジスタ、低耐圧トランジスタ、および薄膜の高耐圧トランジスタを使用するので、以下にこれらについて述べる。
高耐圧トランジスタとは、ゲートとソース間に印加される電圧VGS、およびオフ動作時にドレインとソース間に印加される電圧VDSのそれぞれが、例えば50〔V〕のように高電圧印加ができる(可能な)トランジスタをいう。
また、低耐圧トランジスタとは、ゲートとソース間に印加される電圧VGS、およびオフ動作時にドレインとソース間に印加される電圧VDSのそれぞれが、例えば10〔V〕のように高耐圧トランジスタに比べて相対的に低電圧印加で使用するトランジスタをいう。
さらに、薄膜の高耐圧トランジスタとは、ゲートとソース間に印加される電圧VGSが例えば10〔V〕のように低耐圧トランジスタと同等であり、オフ動作時にドレインとソース間に印加される電圧VDSが例えば50〔V〕のように高耐圧トランジスタと同等であるものをいう。
従って、薄膜の高耐圧トランジスタとは、ゲート膜の構造が低耐圧トランジスタのゲート膜の構造と同様であって比較的低耐圧であるが、ドレインの構造が高耐圧トランジスタのドレインの構造と同様に高耐圧の構成であるものをいう。
また、これらのトランジスタを含む各回路には、図1に示すように所定の電源電圧が印加(供給)されて使用されるので、その電源電圧について説明する。
ブリッジ型の出力回路2の電源電圧は、VBBとVCOMが使用される。プリドライバ回路3Aの電源電圧は、VCP、VBB、VCOMが使用される。レベルシフト回路10Aの電源電圧は、VCP、VDD、VCOMが使用される。CMOSインバータ9の電源電圧は、VDD、VCOMが使用される。ここで、VBBは例えば40〔V〕、VCPは例えば48〔V〕、VDDは例えば5〔V〕、VCOMは例えば0〔V〕である。
次に、各部の詳細について、図1を参照して説明する。
プリドライバ回路3Aは、MOSトランジスタQP31、QN31からなる入力段31と、MOSトランジスタQP32、QN32などからなる中間段32と、MOSトランジスタQP36、QN36などからなる出力段33とを備えている。
出力段33は、ブリッジ型の出力回路2の高電位側のMOSトランジスタQN1を駆動する、P型のMOSトランジスタQP36およびN型のMOSトランジスタQN36を含む。MOSトランジスタQP36、QN36は、図5のプリドライバ回路3のMOSトランジスタQP22、QN22に相当する。
図1において、ブリッジ型の出力回路2を構成するMOSトランジスタQN1は、低オン抵抗のパワーMOSトランジスタである。これに対して、プリドライバ回路3Aの出力段33を構成するMOSトランジスタQP36は、薄膜の高耐圧トランジスタからなる。また、その出力段33を構成するMOSトランジスタQN36は、低耐圧トランジスタからなるとともに、半導体基板と電気的に分離できる分離領域を間に設けて形成されている点に特徴があり(図2または図3参照)、この点については後述する。
MOSトランジスタQP36のゲートには中間段32の出力が入力され、そのソースには電源電圧VCPが印加される。MOSトランジスタQP36のドレインは、MOSトランジスタQN36のドレインに接続されるとともに、MOSトランジスタQN1のゲートに接続される。MOSトランジスタQN1のゲートとソースとの間にはツェナダイオードZD4が接続され、その間の印加電圧が制限される。
MOSトランジスタQN36のゲートには中間段32の出力が入力され、そのソースはMOSトランジスタQN1のソースに接続されるとともに、出力端子7に接続される。MOSトランジスタQN36のゲートとソースとの間にはツェナダイオードZD3が接続され、その間の印加電圧がツェナダイオードZD3のツェナ電圧である例えば8〔V〕に制限される。
プリドライバ回路3Aの出力段33は上述のように構成するので、この構成に併せてプリドライバ回路3Aの入力段31と中間段32、およびレベルシフト回路10Aを図示のように構成するので、以下にそれらの構成について説明する。
入力段31は、P型とN型のMOSトランジスタQP31、QN31からなるCMOSインバータで構成する。MOSトランジスタQP31、QN31のゲートにはレベルシフト回路10Aの出力信号が入力され、MOSトランジスタQP31のソースには電源電圧VCPが印加され、MOSトランジスタQN31のソースには電源電圧VBBが印加される。このため、MOSトランジスタQP31、QN31は低耐圧MOSトランジスタで構成する。
中間段32は、P型とN型のMOSトランジスタQP32、QN32とからなり、出力段33のMOSトランジスタQP36を駆動するCMOSインバータを含む。MOSトランジスタQP32、QN32のゲートには入力段31の出力信号が入力され、MOSトランジスタQP32のソースには電源電圧VCPが印加され、MOSトランジスタQN32のソースには電源電圧VBBが印加される。このため、MOSトランジスタQP32、QN32は低耐圧MOSトランジスタで構成する。
また、中間段32は、MOSトランジスタQP33、QP34、MOSトランジスタQN33〜QN35、ツェナダイオードZD2、および抵抗R4からなり、出力段33のMOSトランジスタQN36を駆動する駆動回路を含む。
MOSトランジスタQP33のゲートには入力段31の出力信号が入力され、MOSトランジスタQP33のソースには抵抗R4を介して電源電圧VCPが印加される。このため、MOSトランジスタQP33は薄膜の高耐圧MOSトランジスタで構成する。
MOSトランジスタQP34およびMOSトランジスタQN33〜QN35は直列接続され、MOSトランジスタQP34のソースには電源電圧VCPが印加され、MOSトランジスタQN35のソースには電源電圧VCOMが印加される。また、MOSトランジスタQP34のゲートには入力段31の出力信号が入力され、MOSトランジスタQN33のゲートにはMOSトランジスタQP33のドレイン電圧が印加され、MOSトランジスタQN34、QN35のそれぞれのゲートにはCMOSインバータ9の出力信号とレベルシフト回路10Aの所定の電圧が印加されている。このため、MOSトランジスタQP34、QN33、QN34はそれぞれ薄膜の高耐圧MOSトランジスタで構成し、MOSトランジスタQN35は、低耐圧MOSトランジスタで構成する。
レベルシフト回路10Aは、図1に示すように、N型のMOSトランジスタQN12、QN13からなるカレントミラーと、N型のMOSトランジスタQN14と、抵抗R2、R3と、ツェナダイオードZD1を備えている。
MOSトランジスタQN12、QN13のソースにはそれぞれ電源電圧VCOMが印加され、MOSトランジスタQN12、QN13のゲートにはそれぞれ抵抗R2を介して電源電圧VDDが印加され、MOSトランジスタQN13のドレインはMOSトランジスタQN14のソースに接続される。このため、MOSトランジスタQN12、QN13は低耐圧MOSトランジスタで構成する。
MOSトランジスタQN14のゲートには電源電圧VDD、VCOMで動作するCMOSインバータ9の出力信号が入力され、MOSトランジスタQN14のドレインには抵抗R3を介して電源電圧VCPが印加される。このため、MOSトランジスタQN14は薄膜の高耐圧MOSトランジスタで構成する。
CMOSインバータ9では、MOSトランジスタQP5のソースは電源電圧VDDが印加され、MOSトランジスタQN5のソースは電源電圧VCOMが印加される。このため、MOSトランジスタQN12、QN13は低耐圧MOSトランジスタで構成する。
次に、このような構成の実施形態の動作例について、図1および図4を参照して説明する。
この動作例では、出力回路2の出力端子7、8に接続される負荷1として例えばモータを接続し、そのモータを駆動させる場合について説明する(図4参照)。
また、図1の各部の電源電圧は、電源電圧VBBが例えば40〔V〕、電源電圧VCPが例えば48〔V〕、電源電圧VDDが例えば5〔V〕、電源電圧VCOMが0〔V〕であるとして説明する。
いま、プリドライバ回路3Aの入力段31において、MOSトランジスタQP31がオン、MOSトランジスタQN31がオフになると、その入力段31の出力電圧は48〔V〕になる。その出力電圧は、中間段32のMOSトランジスタQP32、QN32のそれぞれのゲートに印加されるので、MOSトランジスタQP32がオフになり、MOSトランジスタQN32がオンになる。これにより、出力段33のMOSトランジスタQP36のゲート電圧は40Vになるので、MOSトランジスタQP36のゲートとソース間の電位差は8〔V〕になって、MOSトランジスタQP36はオンになる。
一方、上記のように入力段31の出力電圧が48〔V〕になると、その出力電圧は中間段32のMOSトランジスタQP33、QP34のそれぞれのゲートに印加されるので、MOSトランジスタQP33、QP34はいずれもオフとなる。このとき、MOSトランジスタQN34、QN35はいずれもオンである。このため、出力段33のMOSトランジスタQN36のゲート電圧は0Vになるので、MOSトランジスタQN36はオフになる。
このようにして、MOSトランジスタQP36がオン、MOSトランジスタQN36がオフになると、出力段33の出力電圧は48Vになり、この出力電圧が出力回路2のMOSトランジスタQN1のゲートに印加される。これにより、MOSトランジスタQN1がオンし、このときMOSトランジスタQN2はオフに設定されるので、出力端子7の出力電圧OUTは40〔V〕になる。この出力電圧OUTの40〔V〕はMOSトランジスタQN36のソースに印加されるので、MOSトランジスタQN36のオフ時のドレインとソース間の電圧は、48−40=8〔V〕になる。
次に、プリドライバ回路3Aの入力段31において、MOSトランジスタQP31がオフ、MOSトランジスタQN31がオンになると、その入力段31の出力電圧が40〔V〕になる。その出力電圧は、中間段32のMOSトランジスタQP32、QN32のそれぞれのゲートに印加されるので、MOSトランジスタQP32がオンになり、MOSトランジスタQN32がオフになる。これにより、出力段33のMOSトランジスタQP36のゲート電圧は48Vになるので、MOSトランジスタQP36はオフになる。
一方、上記のように入力段31の出力電圧が40〔V〕になると、その出力電圧は中間段32のMOSトランジスタQP33、QP34のそれぞれのゲートに印加されるので、MOSトランジスタQP33、QP34はいずれもオンとなる。MOSトランジスタQP33のオンにより、MOSトランジスタQN33がオンになる。このとき、MOSトランジスタQN34はオフである。このため、出力段33のMOSトランジスタQN36のゲート電圧は48Vになり、MOSトランジスタQN36はオンになる。ツェナダイオードZD3によってMOSトランジスタQN36のゲートとソース間の電圧は、ツェナ電圧例えば8〔V〕に電圧クランプされる。
このようにして、MOSトランジスタQP36はオフ、MOSトランジスタQN36はオンになると、MOSトランジスタQN1のゲートとソース間が短絡されて、MOSトランジスタQN1はオフとなる。このとき、負荷1(モータ)のインダクタ成分が電流を流し続けようとする逆起電力により、出力端子7の出力電圧OUTは0〔V〕以下になり、この出力電圧OUTがオンしているMOSトランジスタQN36のドレインに印加される。このときに、オフ動作中のMOSトランジスタQP36は、そのドレインが0〔V〕以下でそのソースが48〔V〕となるので、ドレインとソース間に48〔V〕以上の電圧が印加された状態になる。
以上のように、この実施形態では、MOSトランジスタQP36がオン、MOSトランジスタQN36がオフのときには、MOSトランジスタQN1がオンして出力電圧OUTが40〔V〕になる。そして、MOSトランジスタQP36は、そのゲートとソース間の電圧が8〔V〕でオンできる。また、MOSトランジスタQN36は、オフ動作中にはドレイン電圧が48〔V〕でソース電圧が40〔V〕のため、オフ動作中のドレインとソース間の電圧は8〔V〕にすることができる。
一方、MOSトランジスタQP36がオフ、MOSトランジスタQN36がオンのときには、MOSトランジスタQN1がオフして出力電圧OUTが0〔V〕以下になる。そして、MOSトランジスタQN36がオンして、オン後のソース電圧は0〔V〕以下になる。また、MOSトランジスタQP36は、オフ動作中にはソース電圧が48〔V〕でドレイン電圧が0〔V〕以下になるため、オフ動作中のドレインとソース間の電圧は48〔V〕以上になる。
したがって、MOSトランジスタQP36は薄膜の高耐圧トランジスタで構成でき、MOSトランジスタQN36は低耐圧トランジスタで構成できる。ところが、MOSトランジスタQN36は、そのソースが出力端子7と接続されるので、ソースの電圧が出力端子7の出力電圧OUTの電圧変動に応じて0〔V〕〜40〔V〕の範囲で変動する。
このため、出力回路2、プリドライバ回路3Aなどを一体に集積回路化するために、N型のMOSトランジスタQN36などの構成素子を同一の半導体基板上に作成する場合には、MOSトランジスタQN36のソースが半導体基板との間で過電圧印加により耐圧オーバーして短絡などが発生しないようにする必要がある。
図2、図3は、上記の点を考慮してN型のMOSトランジスタQN36を半導体基板上に作成した場合の構成例をそれぞれ示す断面図である。
図2の例は、N型のMOSトランジスタQN36を、半導体基板であるP型基板20に電気的な分離層(絶縁層)であるN型のウェル層30を介して形成し、MOSトランジスタQN36が、単体では電気的にP型基板20と接続されていない状態(フローティング状態)になるようにした。言い換えると、MOSトランジスタQN36は、N型のウェル層30で囲まれてP型基板20から電気的に分離された状態(絶縁状態)になるとともに、他の構成素子(MOSトランジスタなど)からも電気的に独立するようにした。
具体的には、P型基板20内にN型のウェル層30を形成し、そのウェル層30内にP型のウェル層40を形成し、そのP型のウェル層40内に低耐圧トランジスタであるNチャネル型のMOSトランジスタQN36を形成するようにした。MOSトランジスタQN36は、N型のウェル層からなるドレイン層51、ゲート電極54、N型のウェル層からなるソース層52からなるソースを含んでいる。また、P型のウェル層40内には、ソース層52および出力端子7とそれぞれ接続するP型のウェルコンタクト層が形成されている。
なお、図2の例では、半導体基板であるP型基板20に、図示のMOSトランジスタQN36のみならず、図示されていないプリドライバ回路3Aなどや出力回路2を構成するそれぞれの素子(MOSトランジスタなど)が形成されている。この点は、後述の図3の例でも同様である。
図3の例は、N型のMOSトランジスタQN36を、P型基板(半導体基板)20に電気的な分離層であるNエピタキシャル層60を介して形成し、MOSトランジスタQN36がP型基板20からフローティング状態または電気的な分離状態になるようにした。
具体的には、P型基板20内にN型のエピタキシャル層60を形成し、そのN型のエピタキシャル層60内にP型のウェル層40を形成し、そのP型のウェル層40内に低耐圧トランジスタであるN型のMOSトランジスタQN36を形成するようにした。
以上説明したように、この実施形態では、図4に示す出力回路2の高電位側のMOSトランジスタQN1、QN3を駆動させるプリドライバ回路3、5のそれぞれの構成を、図1に示すプリドライバ回路3Aの構成に変更した。
そして、プリドライバ回路3Aの出力段33を構成するMOSトランジスタQP36は薄膜の高耐圧トランジスタで構成した。また、その出力段33を構成するMOSトランジスタQN36は低耐圧トランジスタで構成し、かつ、半導体基板と分離層(フローティング状態)を介して形成するようにした。
形成するようにした。
このため、この実施形態では、プリドライバ回路3Aのトランジスタサイズの小型化を図って全体のレイアウト面積(IC内のチップエリア占有面積)を小さくして集積回路化することが可能である上に、出力回路2のMOSトランジスタの駆動(例えばオンオフ動作)の高速化を図ることが可能になる。
なお、上記の説明では、出力回路2としてHブリッジ型の例について説明したが、これに代えてハーフブリッジ型の出力回路でも良い。
本発明の半導体装置の要部の構成を示す回路図である。 図1のプリドライバ回路の出力段のMOSトランジスタの構成例を示す断面図である。 そのMOSトランジスタの他の構成例を示す断面図である。 従来装置の構成例を示す回路図である。 従来のプリドライバ回路の構成例を示す回路図である。
符号の説明
1・・・負荷、2・・・ブリッジ型の出力回路、3〜6、3A・・・プリドライバ回路、7、8・・・出力端子、31・・・入力段、32・・・中間段、33・・・出力段

Claims (4)

  1. 高電位電源と低電位電源との間に直列接続される高電位側のスイッチング素子と低電位側のスイッチング素子とを含む出力回路と、
    前記高電位側のスイッチング素子を駆動する第1のプリドライバ回路と、
    前記低電位側のスイッチング素子を駆動する第2のプリドライバ回路と、を備え、
    前記第1のプリドライバ回路は、前記高電位側のスイッチング素子を駆動する低耐圧トランジスタを含み、
    前記低耐圧トランジスタは、半導体基板に当該半導体基板と電気的に分離する分離領域を介在して設けたことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1のプリドライバ回路は、
    前記低耐圧トランジスタと直列接続されるとともに、前記高電位側のスイッチング素子を駆動する薄型の高耐圧トランジスタを、さらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記低耐圧トランジスタのドレイン端子と前記薄型の高耐圧トランジスタのドレイン端子とが共通接続され、前記低耐圧トランジスタのソース端子が、前記直列接続される高電位側と低電位側のスイッチング素子の共通接続部と接続されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記出力回路と前記第1のプリドライバ回路とを構成する素子は前記半導体基板上に形成され、かつ、前記低耐圧トランジスタは、前記半導体基板に電気的な分離層を介在して形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちの何れかに記載の半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013005447A (ja) * 2011-06-17 2013-01-07 Analog Devices Inc レールツーレールdmos増幅器の出力ステージにバイアスをかけるための方法及び装置
JPWO2017086113A1 (ja) * 2015-11-17 2017-11-16 株式会社オートネットワーク技術研究所 スイッチ回路及び電源システム

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