JP2009266540A - 熱動形過負荷継電器及びその組立方法 - Google Patents

熱動形過負荷継電器及びその組立方法 Download PDF

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健太郎 外山
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Abstract

【課題】反転ばねと接点ばねとの相対位置の調整を行うための位置調整構造を設置することによる装置のコスト上昇及び大型化を効果的に抑制する。
【解決手段】サーマルリレーでは、スライダ72におけるスリット部86に対応する部位に、スライド方向Sに沿ってスリット部よりも長い寸法を有する切欠代84を設け、スリット部86を切欠代84におけるスライド方向Sに沿った一部を切欠いて形成した。これにより、第1接点ばね92及び反転ばね58をそれぞれリレーケーシング12における所定の取付部に組付けた後に、スライダ72におけるスリット部86の位置を、切欠代84の範囲内でスライド方向Sに沿って変化(第1接点ばね92に対しては前後)させることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、主バイメタルの温度変化に伴う撓み方向に沿った変形を利用し、電源及び負荷を含む回路の異常発生時に接点装置を作動させる熱動形過負荷継電器及び、その組立方法に関する。
熱動形過負荷継電器(以下「サーマルリレー」という。)は、主バイメタルの温度上昇に伴う撓み変形(湾曲)を利用し、電源及び負荷を含む回路における過電流、欠相等の異常発生時に、電源から負荷への電流供給を遮断するための信号を出力するためのものである。このようなサーマルリレーとしては、例えば、特許文献1及び特許文献2に記載されたものが知られている。
図5には、特許文献1に記載されたサーマルリレーの構成が示されている。特許文献1記載のサーマルリレーは、アクチュエータ機構202、このアクチュエータ機構202から作動力を受けて接点装置204を作動させる接点開閉機構206、これらのアクチュエータ機構202、接点開閉機構206及び接点装置204をそれぞれ格納するリレーケーシング226を備えている。
アクチュエータ機構202は、発熱体208及び、この発熱体208の発生熱が伝達される主バイメタル210を備えている。主バイメタル210は、温度に応じて所定の撓み方向(図5では紙面右側)への湾曲量が変化する特性を有しており、この主バイメタル210の変形力は、シフタ212及び温度補償バイメタル214を介して接点開閉機構206の釈放レバー230へ操作力として伝達される。
釈放レバー230は、回路の異常発生時に、アクチュエータ機構202から伝達される操作力により反転ばね216を押圧し、図示のリセット方向へ円弧状に弾性変形した反転ばね216を、リセット方向とは反対の反転方向へ円弧状に弾性変形した反転状態にする。
また接点開閉機構206は、リレーケーシング226によりスライド可能に支持されたスライダ218を備えている。スライダ218には、スライド方向に沿った一端部(図5では右側端部)にはスリット部220が形成されている。反転ばね216は、その上端部をスライダ218のスリット部220に挿入している。これにより、スライダ218が図示の第1作動位置にあるときに、反転ばね216がリセット状態から反転状態に変化すると、反転ばね216の反転力によりスライダ218が所定の第2作動位置までスライドする。
一方、接点装置204は、先端部に可動接点が配置された一対の接点ばね222、220の可動接点にそれぞれ対向するように配置された一対の固定接点を備えており、接点ばね222、220は、可動接点を固定接点に対して接触する閉接位置と離間する開離位置との間で撓み変形可能とされている。ここで、一方の接点ばね222は、固定接点と共に常閉の接点部を構成し、また他方の接点ばね224は、固定接点と共に常開の接点部を構成している。
スライダ218は、第1作動位置から第2作動位置まで移動すると、接点ばね222、220を撓み変形させて、それらの可動接点を閉接位置及び開離位置の一方から他方へ変位させる。これにより、接点装置204は、常閉の接点部からの接点信号の出力が停止すると共に、常開の接点部が接点信号の出力を開始する。常開の接点部からの接点信号は、例えば、電磁遮断器等の電流制御装置へ出力され、この電流制御装置は回路を通じた電源から負荷への電流供給を遮断する。
また接点開閉機構206は、スライダ218が第2作動位置にある状態で、リセットボタン232が押下されると、スライダ218を第1作動位置に復帰させる。このスライダ218は、反転状態になった反転ばね216を加圧してリセット状態に復帰させる。これに連動し、接点ばね222、220がそれぞれ元の形状に復元して可動接点を開離位置及び閉接位置の他方から一方に復帰させる。
ところで、特許文献1記載のサーマルリレーを組立てる際には、アクチュエータ機構202、接点開閉機構206等を構成する各種の装置部品がリレーケーシング226の所定の取付部にそれぞれ組み付けられると共に、それらの装置部品が圧入、ねじ止、嵌込み、かしめ等の各種方法でリレーケーシング226に対して連結され、又は固定される。
従って、リレーケーシング226に組み付けられた反転ばね216と一対の接点ばね222、220間の相対的な位置精度は、それぞれリレーケーシング226における取付部の寸法誤差と、反転ばね216、スライダ218及び一対の接点ばね222、220の寸法誤差とにより累積的により決定される。
リレーケーシング226、反転ばね216、スライダ218及び一対の接点ばね222、220には、それぞれの部品について予め規定された許容範囲の範囲内ではあるが、寸法誤差が不可避的に生じる。このため、特許文献1記載のサーマルリレーでは、反転ばね216の基端部(下端部)が位置調整ねじ228及びリレーケーシング226のねじ孔を介してリレーケーシング226に固定されており、位置調整ねじ228のねじ孔への捻込み量を変化させることにより、反転ばね216がスライド方向に沿って位置調整可能とされている。
すなわち、特許文献1記載のサーマルリレーを組み立てる際には、反転ばね216、スライダ218及び一対の接点ばね222、220をそれぞれリレーケーシング226に組付けた後に、反転ばね216と一対の接点ばね222、220との間の相対的な位置をそれぞれ測定し、これらの位置の誤差に応じて位置調整ねじ228を用いて反転ばね216を位置調整する。これにより、反転ばね216と一対の接点ばね222、220間の相対位置の誤差を規定値以下にできる。
なお、スライダ218と一対の接点ばね222、220との相対位置及び、スライダ218と反転ばね216との相対位置についても、スライダ218自体の寸法誤差が大きい場合にはそれぞれ問題となるが、スライダ218については、弾性体である接点ばね222、220及び反転ばね216とは異なり、近似的に剛体と見做せ、弾性的な変形を考慮する必要がないこと、スライダ218の成形素材、製造方法を適宜選択することで、部品としての寸法精度を十分に確保できることから、実質的には問題とする必要がない。
また、特許文献2記載のサーマルリレーも、反転ばねの位置調整を行うための構造以外の部分については、特許文献1に記載されたサーマルリレーと基本的に同じ構造を有している。具体的には、特許文献2記載のサーマルリレーでは、反転ばねの基端部に反転ばね支持片が固定されると共に、装置ケーシングには支点受部が形成されている。ここで、反転ばね支持片の先端部には楔状の支点部が形成されており、反転ばね支持片は、支点部を介して装置ケーシングの支点受部により揺動可能に連結されている。
また特許文献2記載のサーマルリレーでは、反転ばねの基端部に位置調整ばねが一体的に形成されると共に、この位置調整ばねの変形量を調整するための偏心カムが反転ばねの基端部に圧接するように配置されている。ここで、位置調整ばねは、弾性変形した状態で反転ばねと装置ケーシングのばね受部との間に介装されている。これにより、特許文献2記載のサーマルリレーでは、偏心カムにより位置調整ばねの変形量を変化させることで、支点部を中心とする反転ばねの傾き角が調整可能、すなわち反転ばねと一対の接点ばね間の相対的な位置調整が可能とされている。
特開2005−222874号公報 国際公開WO 00/28560号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたようなサーマルリレーでは、反転ばねと接点ばね間の相対的な位置調整を行うための構造(位置調整構造)が位置調整ねじ、装置ケーシングのねじ孔等の複数部品により構成されており、これらの部品を設置することは装置コストを上昇させる要因になると共に、装置ケーシング内に設置及び調整スペースを確保する必要があることから、装置の小型化を阻害する要因にもなっている。
また特許文献2に記載されたようなサーマルリレーも、特許文献1に記載されたようなサーマルリレーと同様な問題点を有している。
本発明の目的は、上記事実を考慮し、反転ばねと接点ばねとの相対位置の調整を行うための構造を設置することによる装置のコスト上昇及び大型化を効果的に抑制できる熱動形過負荷継電器を提供し、また前記熱動形過負荷継電器において、反転ばねと接点ばねとの相対位置の調整を簡単に行える熱動形過負荷継電器の組立方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る熱動形過負荷継電器は、電源及び負荷を含む回路を流れる電流に応じた温度に加熱され、温度変化に従って所定の撓み方向に沿った変形量が変化する主バイメタルと、所定のリセット方向へ円弧状に弾性変形したリセット状態から、外部から操作力を受けて、前記リセット方向と反対の反転方向へ所定量以上弾性変形すると、前記反転方向へ円弧状に弾性変形した反転状態に変化する反転ばねと、前記回路の異常発生時に、前記主バイメタルの変形力を前記反転ばねに前記操作力として伝達し、該反転ばねを前記リセット状態から前記反転状態とするばね反転手段と、可動接点を固定接点に対して接触させる閉接位置及び離間させる開離位置との間で移動可能に支持し、前記可動接点が前記閉接位置及び前記開離位置の一方から他方へ移動すると、移動位置に対応する接点信号を出力する接点装置と、前記反転ばねの一端部が挿入されて、該反転ばねと連結状態となるばね係合部が形成され、前記反転ばねが前記リセット状態から前記反転状態に変化すると、所定のスライド方向に沿って第1の作動位置から第2の作動位置まで移動すると共に、前記反転ばねの反転力を前記可動接点に作動力として伝達して、該可動接点を前記閉接位置及び前記開離位置の一方から他方へ移動させるスライダ部材と、を有し、前記スライダ部材における前記ばね係合部に対応する部位に、前記スライド方向に沿って該ばね係合部よりも長い寸法を有する切欠代を設け、前記ばね係合部を、前記切欠代における前記スライド方向に沿った一部を切欠いて形成したことを特徴とする。
上記請求項1に係る熱動形過負荷継電器では、スライダ部材におけるばね係合部に対応する部位に、スライド方向に沿ってばね係合部よりも長い寸法を有する切欠代を設け、ばね係合部を、切欠代におけるスライド方向に沿った一部を切欠いて形成した。これにより、接点装置38及び反転ばねをそれぞれ装置における所定の取付部に組付けた後に、スライダ部材におけるばね係合部の形成位置を、切欠代の範囲内でスライド方向に沿って変化(可動接点に対しては前後)させることができる。
このため、接点装置38及び反転ばねをそれぞれ装置における所定の取付部に組付けた後に、スライダ部材におけるばね係合部の位置を、切欠代の範囲内でスライド方向Sに沿って変化(可動接点に対しては前後)させることができるので、スライド方向に沿った可動接点の位置及び、反転ばねの一端部位置に応じてばね係合部の位置を適宜決定し、この位置に応じて切欠代におけるスライド方向に沿った一部を切欠けば、スライド方向に沿った可動接点及び反転ばねの位置に対応する位置にばね係合部を精度良く配置できる。
この結果、請求項1に係る熱動形過負荷継電器によれば、スライダ部材における切欠代の一部を切欠くだけで、反転ばねと可動接点との相対位置の調整を行うことができ、この相対位置の調整を行うためだけに用いられる調整ねじ、偏心カム等の専用部品を不要にできるので、反転ばねと可動接点との相対位置の調整を行うための位置調整構造を設置することによるサーマルリレーのコスト上昇及び大型化を効果的に抑制できる。
また本発明の請求項2に係る熱動形過負荷継電器は、請求項1記載の熱動形過負荷継電器において、前記ばね係合部を、前記切欠代における、前記スライド方向に沿った前記反転ばねの一端部の前記可動接点との相対位置に対応する部位に形成したことを特徴とする。
また本発明の請求項3に係る熱動形過負荷継電器は、請求項1又は2記載の熱動形過負荷継電器において、前記反転ばね、前記ばね反転手段、前記接点装置及び前記スライダ部材がそれぞれ組み付けられ、これらの反転ばね、ばね反転手段、接点装置及びスライダ部材をそれぞれ所定の取付位置に支持する支持体を有することを特徴とする。
また本発明の請求項4に係る熱動形過負荷継電器の組立方法は、請求項3記載の熱動形過負荷継電器を組立てる際に用いられる熱動形過負荷継電器の組立方法であって、前記反転ばね及び前記接点装置をそれぞれ前記支持体に組付けた後、前記スライド方向に沿った前記反転ばねと前記可動接点との相対位置を測定し、前記切欠代における、前記スライド方向に沿った前記相対位置に対応する部位に前記ばね係合部を形成し、前記ばね係合部が形成された前記スライダ部材を前記支持体に組付けることを特徴とする。
上記請求項4に係る熱動形過負荷継電器の組立方法では、反転ばね及び接点装置をそれぞれ支持体に組付けた後、スライド方向に沿った反転ばねの位置及び可動接点の位置をそれぞれ測定し、切欠代における、スライド方向に沿った反転ばね位置及び可動接点の測定位置にそれぞれ対応する部位にばね係合部を形成し、このばね係合部が形成されたスライダ部材を支持体に組付ける。
これにより、支持体にスライダ部材を組付ける前に、スライダ部材における、スライド方向に沿った可動接点の位置及び、反転ばねの一端部の位置にそれぞれ精度良く対応する位置にばね係合部を設置できるので、支持体にスライダ部材を組付ける前に、反転ばねと接点ばね間の相対的な位置調整を行う必要がなくなるので、反転ばねと接点ばね間の相対的な位置調整を簡単に行える。
以上説明したように、本発明に係る熱動形過負荷継電器によれば、反転ばねと接点ばねとの相対位置の調整を行うための位置調整構造を設置することによる装置のコスト上昇及び大型化を効果的に抑制できる。
また本発明に係る熱動形過負荷継電器の組立方法によれば、本発明に係る熱動形過負荷継電器において、反転ばねと可動接点との相対位置の調整を簡単に行える。
以下、本発明の実施形態に係るサーマルリレーについて図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施形態に係るサーマルリレーの構成が示されている。図1に示されるように、サーマルリレー10は、装置の外郭部を構成するリレーケーシング12を備えている。リレーケーシング12は、前面側が開口した筺体状に形成されており、下面側及び前面側がそれぞれ開口したケーシング本体部14及び、このケーシング本体部14の底面側を閉塞したプレート状のアクチュエータフレーム16を備えている。ケーシング本体部14には、装置の高さ方向(矢印H方向)に沿った中間部に仕切板18が形成されており、この仕切板18は、リレーケーシング12の内側を下側格納室20と上側格納室22とに区画している。上側格納室22には、後述する接点装置38及び接点開閉機構36が格納されている。また下側格納室20には、アクチュエータ機構24が格納されている。
アクチュエータ機構24は3個のバイメタルユニット26を備えている。バイメタルユニット26は、装置の奥行方向(矢印D方向)に沿って細長いプレート状に形成された主バイメタル28と、この主バイメタル28の基端部に固定された金属製の連結プレート(図示省略)とを備えている。ここで、3個のバイメタルユニット26は、それぞれ連結プレートを介してアクチュエータフレーム16に連結されている。これにより、主バイメタル28は、その先端が自由端となるように片持ち状態で支持される。
主バイメタル28には、その外周側に筒状の絶縁スリーブ30が被せられると共に、この絶縁スリーブ30を介して細長い帯状の発熱体32が螺旋状に巻き付けられている。発熱体32は、その先端部が主バイメタル28の先端付近に固着され、主バイメタル28と電気的に接続されている。
サーマルリレー10は、3相交流電流により駆動されるモータ等の負荷、3相交流電流を負荷に供給する電源を含む回路(図示省略)に配置されるものであり、サーマルリレーにおける3個の主バイメタル28及び発熱体32は、それぞれ3相交流の電流が流れる3本(R相、S相及びT相)の電力線に介装される。これにより、3個の発熱体32は、それぞれ回路(3本の電力線)を流れる電流に応じた熱量を発生し、この発生熱を3個の主バイメタル28に伝達する。
一方、主バイメタル28は、発熱体32から伝達される発生熱により加熱されて温度変化(昇温)すると、その自由端側が幅方向Wと略平行な撓み方向(矢印B方向)へ撓み変形し、その温度変化に応じて撓み量(湾曲量)が連続的に変化する。この主バイメタル28の形状変化は可逆的なものであり、主バイメタル28からの伝達熱量が減少して温度が低下すると、主バイメタル28の湾曲量は小さくなり、主バイメタル28が常温付近まで冷却されると、初期形状に復元する。
主バイメタル28には、先端面から延出する矩形状のシフタ係合部34が一体的に形成されている。アクチュエータ機構24は、図2(A)に示されるように、3個の主バイメタル28のシフタ係合部34とそれぞれ係合するシフタ35を備えており、3個の主バイメタル28は、そのシフタ係合部34をそれぞれシフタ35に係合させている。シフタ35は、リレーケーシング12及び、リレーケーシング12の前面側を閉塞するフロントパネル(図示省略)により幅方向Wに沿ってスライド可能に支持されている。
図2(A)に示されるように、上側格納室22内に格納された接点開閉機構230は、釈放レバー42、細長いプレート状の温度補償バイメタル44及び、ロッド状の調整リンク46を備えている。調整リンク46の基端部には固定回転軸48が設けられており、この固定回転軸48は、リレーケーシング12内に固定された固定軸受部52により回動可能に支持されている。これにより、調整リンク46は、固定軸受部52を中心としてリレーケーシング12により回動可能に支持される。また調整リンク46の先端部には可動軸受部50が設けられており、この可動軸受部50は可動回転軸40を回動可能に支持している。
可動回転軸40には、軸線方向に沿った両端部にそれぞれレバーブラケット41が取り付けられており、これら一対のレバーブラケット41は可動回転軸40と一体となって回動する。一対のレバーブラケット41の先端側には、釈放レバー42の基端部及び温度補償バイメタル44の基端部がそれぞれ固定されている。これにより、釈放レバー42及び温度補償バイメタル44は、可動軸受部50を介して調整リンク46の先端部に回動可能に連結されると共に、互いに一体となって回動する。ここで、釈放レバー42及び温度補償バイメタル44は、図2(A)に示される操作前位置と、図2(B)に示される反転操作位置との間で回動可能とされている。釈放レバー42は、その先端部を後述する反転ばね58に圧接させており、この反転ばね58の復元力により常に操作前位置側へ付勢されている。
図1に示されるように、リレーケーシング12には、頂板部13に円板状の電流調整ダイヤル54が配置されている。電流調整ダイヤル54は頂板部13により回動可能に支持されている。電流調整ダイヤル54には、図2に示されるように、その下面側に略円柱状の偏心カム56が偏心状態で固定されており、この偏心カム56の外周面は常に可動軸受部50の外周面に圧接している。これにより、電流調整ダイヤル54を介して偏心カム56を回転させれば、偏心カム56により可動軸受部50が幅方向Wに沿って変位する。これにより、釈放レバー42及び温度補償バイメタル44の幅方向Wに沿った位置調整(微調整)が可能になる。
図2(A)に示されるように、アクチュエータ機構24のシフタ35には、上端面の側端部付近から上方へ延出する押圧レバー57が形成されており、この押圧レバー57は、先端側を温度補償バイメタル44の先端部に圧接させている。これにより、主バイメタル28が加熱されて撓み方向Bに沿って変形し、シフタ35が幅方向に沿って変位すると、主バイメタル28の変形力がシフタ35を介して温度補償バイメタル44に操作力として伝達される。温度補償バイメタル44は、シフタ35を介して主バイメタル28からの操作力が伝達されると、釈放レバー42と一体となって、可動回転軸40を中心として操作前位置から反転操作位置側へ回動する。
図2(A)に示されるように、接点開閉機構36は、釈放レバー42に隣接して配置される反転ばね58を備えている。反転ばね58は、高さ方向Hと略平行な延出方向に沿って細長い板ばね状に形成されている。反転ばね58の基端部には、肉厚プレート状の支持ブラケット60がかしめ等により固定されており、この支持ブラケット60はビス等によりリレーケーシング12に固定されている。これにより、反転ばね58は、その上端が自由端になるように、支持ブラケット60を介してリレーケーシング12により片持ち状態で支持される。
図3に示されるように、反転ばね58には、長手方向に沿ってそれぞれ延在する一対のスリット部62が形成されている。これにより、反転ばね58には中央脚部64が設けられると共に、一対の外側脚部66が設けられる。中央脚部64には、長手方向中央部にプレス加工等によりそれぞれV字状に屈曲された2個の屈曲部分が連続する曲げ加工部68が形成されている。反転ばね58では、中央脚部64に曲げ加工部68が形成されることにより、中央脚部64の長手方向に沿った長さが一対の外側脚部66よりも短くなる。これにより、反転ばね58では、一対の外側脚部66がそれぞれ中央脚部64から長手方向に沿った圧縮荷重を受ける。
一対の外側脚部66は、それぞれ反転ばね58の長手方向に沿って細長く、かつ厚さ方向に沿って十分に薄い板状に形成されていることから、中央脚部64から伝達される圧縮荷重により座屈方向(反転方向又はリセット方向)へ向かって略円弧状になるように弾性変形する。このとき、中央脚部64には、弾性変形した一対の外側脚部66の復元力が反力として伝達される。これにより、中央脚部64も一対の外側脚部66と同一方向へそれぞれ略円弧状になるように弾性変形する。
ここで、反転ばね58は、図2(B)に示されるように、釈放レバー42の方向(反転方向)へ向かって膨出するように湾曲した状態(反転状態)及び、図2(B)に示されるように、リセット状態とは反対の方向(リセット方向)へ向かって膨出するように湾曲した状態(リセット状態)の何れの状態にも変形可能とされている。
図3に示されるように、反転ばね58は、一対のスリット部62に対して先端側の部分がスライダ挿入部70とされており、このスライダ挿入部70は後述するスライダ72のスリット部86に挿入される。また反転ばね58では、曲げ加工部68の下側の屈曲部分における頂部付近が操作部69とされており、この操作部69には釈放レバー42の先端部が常に圧接している。
リセット状態にある反転ばね58は、操作前位置にある釈放レバー42により操作部69が押圧されると、リセット方向へ円弧状に湾曲した中央脚部64が反転方向側へ変形する。このとき、釈放レバー42が所定の反転操作位置まで回動すると、中央脚部64がリセット状態と反転状態との間に存在する中立状態に対応する死点を超えるまで反転方向側へ変形する。これにより、反転ばね58が自律的に反転動作を行って、リセット状態にあった反転ばね58が反転状態に変化する。
図3に示されるように、接点開閉機構36は、幅方向Wに沿って細長いプレート状に形成されたスライダ72を備えている。このスライダ72は、リレーケーシング12により幅方向Wと略一致するスライド方向(図3の矢印S方向)に沿って移動可能に支持されている。ここで、スライダ72は、スライド方向Sにそって、図2(A)に示される第1作動位置と図2(B)に示される第2作動位置との間で移動可能とされている。
図4に示されるように、スライダ72には、スライド方向Sに沿って第1作動位置側から順に、第1切欠部74、第2切欠部75及び第3切欠部76が形成されている。これらの切欠部74、75、76はスライダ72を貫通すると共に、スライダ72の幅方向に沿った一端側(装置奥側)の側端面で開口している。またスライダ72には、他端側の側端面に切欠部74、75、76よりも幅の狭い矩形状とされた切欠ガイド部78が形成されている。
図4(A)に示されるように、第1切欠部74には、スライダ72の幅方向に沿って奥側に端面開口80が形成されると共に、端面開口80に対して手前側に内側開口82が形成されている。端面開口80は、平面視にて装置手前側を頂辺(短辺)側とする略台形状に形成され、内側開口82は、装置奥側を頂辺(短辺)側とする略台形状に形成されている。また第1切欠部74には、端面開口80の頂辺部と内側開口82の頂辺部との間に切欠代84がブリッジ状に形成されている。
切欠代84は、スライダ72の幅方向に沿った幅が略一定とされており、スライド方向に沿って直線的に延在している。この切欠代84には、そのスライド方向Sに沿った一部が切欠かれることにより、端面開口80と内側開口82との間を連通させるスリット部86(図4(B)参照)が形成される。
なお、図4(A)は、スライダ72がリレーケーシング12に組み付けられる前の状態(未加工状態)を示しており、この未加工状態では、切欠代84にはスリット部86が未だ形成されていない。また図4(B)は、切欠代84にスリット部86が既に形成され、リレーケーシング12に組付可能になったスライダ72を示している。
ここで、切欠代84のスライド方向Sに沿った寸法は、反転ばね58のスライダ挿入部70の厚さよりも十分に長くなっている。更に、切欠代84の寸法は、リレーケーシング12に組み付けられた反転ばね58の取付位置の誤差に対する許容範囲と、後述する第1接点ばね92取付位置の誤差に対する許容範囲との総和に応じて設定されている。また切欠代84に形成されたスリット部86は、スライダ72の幅方向に沿って直線的に延在しており、その開口幅が反転ばね58のスライダ挿入部70の厚さよりも僅かに広くなっている。これにより、スリット部86には、スライダ挿入部70(図3参照)が相対的に摺動可能になるように挿入される。
図3に示されるように、スライダ72では、第2切欠部75内における第1切欠部74側の端面部分が後述する第1接点ばね92に接する第1押圧面88とされ、また第3切欠部76内における第2切欠部75側の端面部分が後述する第2接点ばね94に接する第2押圧面90とされている。
反転ばね58は、スライダ挿入部70をスライダ72のスリット部86に挿入することにより、スライド方向Sに沿った弾性的な変形抵抗及び、リセット状態及び反転状態の一方から他方に変化する際に発生する反転力をスライダ72に伝達可能になっている。これにより、スライダ72は、反転ばね58がリセット状態にあるときには、反転ばね58の変形抵抗により第1作動位置に保持され、また反転ばね58がリセット状態から反転状態に変化すると、反転ばね58の反転力により第1作動位置から第2作動位置まで変位する。
図2(A)に示されるように、接点装置38は、第1接点ばね92及び第2接点ばね94を備えている。これらの接点ばね92、94は、それぞれ高さ方向Hと略一致する延出方向に沿って細長い金属製の板ばねにより構成されており、その基端部にはブロック状の支持片96、98がかしめ等により固定されている。これらの支持片96、98は、それぞれビス等によりリレーケーシング12に対して固定されている。これにより、接点ばね92、94は、その上端が自由端となるようにリレーケーシング12により片持ち状態で支持される。ここで、接点ばね92、94はスライド方向Sに沿ってそれぞれ撓み変形可能とされている。
第1接点ばね92の先端部はスライダ72における第1押圧面88と接しており、第2接点ばね94の先端部はスライダ72における第2押圧面90と接している。また第1接点ばね92には、上端寄りの部位に第1可動接点104が配置され、また第2接点ばね94には、上端寄りの部位に第2可動接点106が配置されている。
図2(A)に示されるように、接点装置38は、スライド方向Sに沿って第1接点ばね92及び第2接点ばね94の外側にそれぞれ配置される第1接点基台108及び第2接点基台110を備えている。これらの接点基台108、110は、それぞれ導電性を有する金属材料を素材としてプレート状に形成されており、スライド方向Sに沿った剛性が接点ばね92、94に対して十分に高いものになっている。第1接点基台108には、第1接点ばね92に対向する面に第1固定接点112が配置されている。また第2接点基台110には、第2接点ばね94に対向する面に第2固定接点114が配置されている。
接点装置38では、第1接点ばね92、第1可動接点104、第1接点基台108及び第1固定接点112により常閉の第1接点部116が構成され、第2接点ばね94、第2可動接点106、第1接点基台110及び第2固定接点114により常開の第2接点部118が構成されている。
第1接点ばね92は、スライダ72が第1作動位置(図2(A)参照)にあるときには、僅かに第2接点ばね94側へ撓んだ状態になって、その復元力により第1可動接点104を第1固定接点112に圧接させている。また第2接点ばね94は、スライダ72が第1作動位置にあるときには、第2可動接点106を第2固定接点114から離間させている。
第1接点ばね92は、スライダ72が第1作動位置から第2作動位置(図2(B)参照)に移動すると、スライダ72の第1押圧面88からの押圧力により第1可動接点104を第1固定接点112から離間させる。また第2接点ばね94は、スライダ72が第1作動位置から第2作動位置に移動すると、スライダ72の第2押圧面90からの押圧力により第2接点基台110側へ撓み量が増大し、第2可動接点106を第2固定接点114に圧接させる。
図2(B)に示されるように、サーマルリレー10は、リレーケーシング12の頂板部13に配置されたリセットボタン120を備えている。リセットボタン120は、頂板部13により高さ方向Hに沿って所定の待機位置(図2(A)参照)リセット位置との間で移動可能に支持されている。リセットボタン120には、図2(B)に示されるように、その下端側にリレーケーシング12内へ突出するガイド突起122及びカム面124が設けられている。ガイド突起122はスライダ72の切欠ガイド部78に挿入されており、カム面124は切欠ガイド部78とスライダ72の上面部とのエッジ付近に圧接している。またリセットボタン120は、頂板部13との間に圧縮状態とされて介装される復帰スプリング126を備えており、この復帰スプリング126は、リセットボタン120を常に待機位置側へ付勢している。
サーマルリレー10では、図2(B)に示されるように、スライダ72が第2作動位置にある状態で、待機位置にあるリセットボタン120がリセット位置まで押下されると、カム面124が第1作動位置側の分力を発生させ、この分力によりスライダ72が第1作動位置側へ移動する。これにより、スライダ72は、反転状態にある反転ばね58を第1作動位置側へ押圧し、反転ばね58をリセット方向へ弾性変形させる。このとき、反転ばね58は、中立状態に対応する死点を超えるまでリセット方向へ変形すると、反転状態からリセット状態に自立的に変化する。
次に、上記のように構成された本実施形態に係るサーマルリレー10の組立工程において、スライダ72をリレーケーシング12に組付ける方法について説明する。サーマルリレー10の組立工程では、スライダ72をリレーケーシング12に組付ける前に、反転ばね58と、接点装置38を構成する接点ばね92、94及び接点基台108、110と、ばね反転手段を構成する調整リンク46、温度補償バイメタル44及び釈放レバー42が、それぞれリレーケーシング12に組付けられる。
次いで、第1接点ばね92の上端部のスライド方向Sに沿った位置を基準として、反転ばね58のスライダ挿入部70のスライド方向Sに沿った相対的な位置を測定する。具体的には、第1接点ばね92の上端部から反転ばね58のスライダ挿入部70までのスライド方向Sに沿った距離を測定する。このとき、反転ばね58はリセット状態に保持されている。また第1接点ばね92は、反転ばね58側へ僅かに撓み変形し、その復元力により第1可動接点104を第1固定接点112に圧接させており、第2接点ばね94は、中立状態になって第2可動接点106を第2固定接点114から離間させている。
サーマルリレー10の組立工程では、第1接点ばね92から反転ばね58のスライダ挿入部70までの距離(これを「距離G」とする。)の測定完了後に、スライダ72に対するスリット部86の形成作業を行う。作業手順としては、先ず、スライダ72における第1押圧面(図4(A)参照)を基準点P1とし、切欠代84における基準点P1からスライド方向Sに沿って(G+b)だけ離間した基準点P2を決定する。ここで、bは第1押圧面88のスライド方向Sに沿った位置を微調整するためのバイアス値であり、0を含む実数範囲で設定される。例えば、第1押圧面88と第1接点ばね92との間に隙間を形成したい場合には、bは、その隙間の幅に対応するマイナス値に設定され、第1押圧面88からの押圧力により一定量第1接点ばね92を第2接点ばね94側へ撓み変形(予備変形)させたい場合には、bは予備変形量に対応するプラス値に設定される。
この後、切欠代84における基準点P2と一致する部位にスリット部86を形成する。具体的には、図4(B)に示されるように、加工基準点P2がスリット部86の幅方向中心となるように、切欠代84のスライド方向Sに沿った一部を板幅方向に沿って切欠くことにより、切欠代84にスリット部86を形成する。このとき、例えば、ロータリ式の精密切断機、レーザ切断機等の精密切断装置を用いれば、切欠代84の一部を精度良く切欠くことができる。
スリット部86が形成されたスライダ72は、図2に示されるように、リレーケーシング12における所定の取付部に組付けられ、リレーケーシング12により第1作動位置と第2作動位置との間でスライド可能に支持される。
次に、上記のように構成されたサーマルリレー10の動作について説明する。サーマルリレー10では、モータ等の負荷及び、負荷に三相交流電流を供給する電源を含む回路に過電流、欠相等の異常が発生すると、発熱体32からの発生熱により主バイメタル28が加熱されると共に、主バイメタル28が撓み方向Bに沿って所定の変形量を超えるまで変形する。この主バイメタル28の変形力は、シフタ35及び温度補償バイメタル44を介して釈放レバー42へ操作力として伝達される。
釈放レバー42は、シフタ35及び温度補償バイメタル44を介して、主バイメタル28から伝達される操作力により反転ばね58の操作部69を押圧し、反転ばね58をリセット状態から反転状態に変化させる。この反転力が伝達されたスライダ72は、第1作動位置から第2作動位置までスライドする。このとき、スライダ72は、撓み変形している第1接点ばね92の変形量を増加させると共に、中立状態にあった第2接点ばね94を第2作動位置側へ撓み変形させる。これにより、第1可動接点104が第1固定接点112から離間すると共に、第2可動接点106が第2固定接点114に圧接する。
接点装置38は、第1可動接点104が第1固定接点112から離間すると、常閉の第1接点部116からの接点信号の出力を停止し、第2可動接点106が第2固定接点114に圧接すると、常開の第2接点部118から接点信号を出力開始する。第2接点部118からの接点信号は、例えば、電磁遮断器等の電流制御装置へ出力され、この電流制御装置は回路を通じた電源から負荷への電流供給を遮断する。
また、サーマルリレー10では、スライダ72が第2作動位置にある状態で、リセットボタン120が待機位置からリセット位置まで押下されると、カム面124からの分力によりスライダ72が第1作動位置に復帰する。このスライダ72は、反転状態になった反転ばね58を加圧してリセット状態に復帰させる。これに連動し、接点ばね92、94がそれぞれ元の初期形状に復元する。これにより、第1接点ばね92は、第1可動接点104を第1固定接点112に圧接させ、第2接点ばね94は、第2可動接点106を第2固定接点114から離間させる。
接点装置38は、第1可動接点104が第1固定接点112に圧接すると、常閉の第1接点部116から接点信号を出力開始し、第2可動接点106が第2固定接点114から離間すると、常開の第2接点部118からの接点信号の出力を停止する。第1接点部116からの接点信号は、例えば、電磁遮断器等の電流制御装置へ出力され、この電流制御装置は回路を通じた電源から負荷への電流供給を可能にする。
以上説明したサーマルリレー10では、スライダ72におけるスリット部86に対応する部位に、スライド方向Sに沿ってスリット部よりも長い寸法を有する切欠代84を設け、スリット部86を切欠代84におけるスライド方向Sに沿った一部を切欠いて形成した。これにより、接点装置38における第1接点ばね92及び反転ばね58をそれぞれリレーケーシング12における所定の取付部に組付けた後に、スライダ72におけるスリット部86の位置を、切欠代84の範囲内でスライド方向Sに沿って変化(第1接点ばね92に対しては前後)させることができる。
このため、スライド方向Sに沿った接点装置38の第1接点ばね92の位置及び、反転ばね58のスライダ挿入部70の位置に応じてスリット部86の位置を適宜決定し、この位置に応じて切欠代84におけるスライド方向Sに沿った一部を切欠けば、第1接点ばね92及びスライダ挿入部70の位置に対応する位置にスリット部86を精度良く配置できる。
この結果、本実施形態に係るサーマルリレー10によれば、スライダ72における切欠代84の一部を切欠くだけで、反転ばね58と第1接点ばね92との相対位置の調整を行うことができ、前記相対位置の調整を行うためだけに用いられる調整ねじ、偏心カム等の専用部品を不要にできるので、反転ばね58と第1接点ばね92との相対位置の調整を行うための位置調整構造を設置することによるサーマルリレー10のコスト上昇及び大型化を効果的に抑制できる。
また、本実施形態に係るサーマルリレー10の組立工程において、スライダ72をリレーケーシング12に組付ける際に、反転ばね58、接点装置38をそれぞれサーマルリレーに組付けた後、スライド方向Sに沿った反転ばね58のスライダ挿入部70と第1接点ばねと相対位置を測定し、切欠代84における、スライド方向Sに沿ったスライダ挿入部70と第1接点ばね92との相対位置に対応する部位にスリット部86を形成し、このスリット部86が形成されたスライダ72をサーマルリレー10おける所定の取付部に組付けることにより、リレーケーシング12にスライダ72を組付ける前に、スライダ72における、スライド方向Sに沿った第1接点ばね92と反転ばね58のスライダ挿入部70との相対位置に対応する位置にスリット部86を精度良くは位置できるので、リレーケーシング12にスライダ72を組付ける後に、反転ばね58と第1接点ばね92との相対位置の調整を行う必要がなくなり、反転ばね58の第1接点ばね92に対する相対位置の調整を不要にできる。
なお、本実施形態に係るサーマルリレー10では、スライダ72における切欠代84にスライダ72の幅方向に延在するスリット部86を、ばね係合部として形成したが、このようなばね係合部は、必ずしもスリット形状ものである必要はなく、例えば、反転ばね58の先端部が挿入可能な長孔状のものや、反転ばね58の先端部を挟持可能な一対の突起状のものなどの各種形状のものとすることができる。
また、本実施形態に係るスライダ72では、その切欠代84における、反転ばね58と第1接点ばね92(第1可動接点104)との相対位置に対応する部位にスリット部86を形成したが、反転ばね58と第2接点ばね94(第2可動接点106)との相対位置に対応する部位又は、反転ばね58と一対の接点ばね92、94(可動接点104、106)との相対位置に対応する部位にスリット部86を形成するようにしても良い。
本発明の実施形態に係るサーマルリレーの構成を示す斜視図である。 図1に示されるサーマルリレーの構成を示す正面図であり、(A)は反転ばねがリセット状態にある場合、(B)は反転ばねが反転状態にある場合をそれぞれ示している。 図1に示されるサーマルリレーにおける反転ばね及びスライダの構成を示す斜視図である。 図1に示されるサーマルリレーにおけるスライダの構成を示す斜視図であり、(A)はスライダにスリット部を形成する前の状態、(B)はスライダにスリット部を形成した状態をそれぞれ示している。 従来のサーマルリレーの構成を示す正面図である。
符号の説明
10 サーマルリレー
12 リレーケーシング
13 頂板部
14 ケーシング本体部
16 アクチュエータフレーム
18 仕切板
20 下側格納室
22 上側格納室
24 アクチュエータ機構
26 バイメタルユニット
28 主バイメタル
30 絶縁スリーブ
32 発熱体
34 シフタ係合部
35 シフタ
36 接点開閉機構
38 接点装置
40 可動回転軸
41 レバーブラケット
42 釈放レバー
44 温度補償バイメタル
46 調整リンク
48 固定回転軸
50 可動軸受部
52 固定軸受部
54 電流調整ダイヤル
56 偏心カム
57 押圧レバー
60 支持ブラケット
62 スリット部
64 中央脚部
66 外側脚部
68 曲げ加工部
69 操作部
70 スライダ挿入部
72 スライダ(スライダ部材)
74 第1切欠部
75 第2切欠部
76 第3切欠部
78 切欠ガイド部
80 端面開口
82 内側開口
84 切欠代
86 スリット部(ばね係合部)
88 第1押圧面
90 第2押圧面
92 第1接点ばね
94 第2接点ばね
96、98 支持片
104 第1可動接点
106 第2可動接点
108 第1接点基台
110 第2接点基台
112 第1固定接点
114 第2固定接点
116 第1接点部
118 第2接点部
120 リセットボタン
122 ガイド突起
124 カム面
126 復帰スプリング

Claims (4)

  1. 電源及び負荷を含む回路を流れる電流に応じた温度に加熱され、温度変化に従って所定の撓み方向に沿った変形量が変化する主バイメタルと、
    所定のリセット方向へ円弧状に弾性変形したリセット状態から、外部から操作力を受けて、前記リセット方向と反対の反転方向へ所定量以上弾性変形すると、前記反転方向へ円弧状に弾性変形した反転状態に変化する反転ばねと、
    前記回路の異常発生時に、前記主バイメタルの変形力を前記反転ばねに前記操作力として伝達し、該反転ばねを前記リセット状態から前記反転状態とするばね反転手段と、
    可動接点を固定接点に対して接触させる閉接位置及び離間させる開離位置との間で移動可能に支持し、前記可動接点が前記閉接位置及び前記開離位置の一方から他方へ移動すると、移動位置に対応する接点信号を出力する接点装置と、
    前記反転ばねの一端部が挿入されて、該反転ばねと連結状態となるばね係合部が形成され、前記反転ばねが前記リセット状態から前記反転状態に変化すると、所定のスライド方向に沿って第1の作動位置から第2の作動位置まで移動すると共に、前記反転ばねの反転力を前記可動接点に作動力として伝達して、該可動接点を前記閉接位置及び前記開離位置の一方から他方へ移動させるスライダ部材と、を有し、
    前記スライダ部材に、前記ばね係合部が形成可能とされ、かつ前記スライド方向に沿って該ばね係合部よりも長い寸法を有する切欠代を設け、
    前記ばね係合部を、前記切欠代における前記スライド方向に沿った一部を切欠いて形成したことを特徴とする熱動形過負荷継電器。
  2. 前記ばね係合部を、前記切欠代における、前記スライド方向に沿った前記反転ばねの一端部の前記可動接点との相対位置に対応する部位に形成したことを特徴とする請求項1記載の熱動形過負荷継電器。
  3. 前記反転ばね、前記ばね反転手段、前記接点装置及び前記スライダ部材がそれぞれ組み付けられ、これらの反転ばね、ばね反転手段、接点装置及びスライダ部材をそれぞれ所定の取付位置に支持する支持体を有することを特徴とする請求項1又は2記載の熱動形過負荷継電器。
  4. 請求項3記載の熱動形過負荷継電器を組立てる際に用いられる熱動形過負荷継電器の組立方法であって、
    前記反転ばね及び前記接点装置をそれぞれ前記支持体に組付けた後、
    前記スライド方向に沿った前記反転ばねと前記可動接点との相対位置を測定し、
    前記切欠代における、前記スライド方向に沿った前記相対位置に対応する部位に前記ばね係合部を形成し、
    前記ばね係合部が形成された前記スライダ部材を前記支持体に組付けることを特徴とする熱動形過負荷継電器の組立方法。
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