JP2009265865A - 車両用ペダル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】作動装置40の車両後方側に揺動可能に支持され、作動装置40が有して車両前後方向に延びる踏力伝達部材46の車両後方側端部48が連結され、踏力伝達部材46を介して運転者の踏力を伝えるためのペダルアーム20を有するペダル装置10において、車両衝突時にペダルアーム20と踏力伝達部材46との連結を確実に解除する。
【解決手段】ペダルアーム20に連結解除レバー70を回動可能に設け、車両の衝突によってペダルアーム20が車両後方に向かって移動した際に、連結解除レバー70が、それの一部分がペダルアーム20より車両後方側の位置において車体に固定された被当接部82に当接して回動し、その回動によって踏力伝達部材46の車両後方側端部48とペダルアーム20の連結部60とをその踏力伝達部材46の延びる方向に交差する方向に相対変位させるように構成する。
【選択図】図1
【解決手段】ペダルアーム20に連結解除レバー70を回動可能に設け、車両の衝突によってペダルアーム20が車両後方に向かって移動した際に、連結解除レバー70が、それの一部分がペダルアーム20より車両後方側の位置において車体に固定された被当接部82に当接して回動し、その回動によって踏力伝達部材46の車両後方側端部48とペダルアーム20の連結部60とをその踏力伝達部材46の延びる方向に交差する方向に相対変位させるように構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用ペダル装置に関し、詳しくは、車両の衝突に対処するための構造に特徴を有する車両用ペダル装置に関する。
車両が前方衝突すること等によって、車体前方部が変形した場合には、その車体前方部の変形に伴ってアクセルペダル,ブレーキペダル,クラッチペダル等のペダルアームが車両後方に変位する。そして、そのペダルアームの車両後方への変位によって、運転者の足に大きな負荷がかかる虞があるのである。そのため、従来から、車両の前方衝突によってペダル装置に生じる事態に対処するために種々の対策が講じられている。
一般的に、車体のペダルアームが支持されている部分より車両前方側の部分に、ペダル踏部から付与された運転者の踏力を伝達すること等を目的としてその運転者の踏力によって作動する作動装置が設けられる。そして、その作動装置を備えた車両は、作動装置が有して車両前後方向に延びるロッド状の踏力伝達部材の車両後方側の端部がペダルアームに連結され、運転者の踏力によってペダルアームが揺動して踏力伝達部材を介して踏力が伝達されるように構成される。そのような構成とされた車両において、衝突によって車体前方部が変形すると、作動装置の踏力伝達部材がペダルアームに連結されているため、作動装置の車両後方への変位に伴ってペダルアームも車両後方へ変位してしまうという問題がある。そこで、下記特許文献には、ペダルアームを支持するペダルブラケットが、車両衝突時の車両後方への変位に伴ってガイドにより下降するようにされ、そのことによるペダルアームの下降によりペダルアームから踏力伝達部材が離脱するようにされることで、作動装置の車両後方への変位に伴うペダルアームの車両後方への変位を抑制する技術が記載されている。
特開2003−112614号公報
ところが、上記特許文献に記載の技術は、車両衝突時における作動装置が変位する方向と、ペダルアームの変位する方向との関係によっては、ペダルアームと踏力伝達部材との連結が解除されない虞がある。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、ペダルアームと踏力伝達部材との連結を確実に解除して、作動装置の車両後方への変位に伴うペダルアームの車両後方への変位を防止する車両用ペダル装置を提供することを課題とする。
本発明の車両用ペダル装置は、ペダルアームに連結解除レバーが回動可能に設けられており、車両の衝突によってペダルアームが車両後方に向かって移動した際に、その連結解除レバーが、それの一部分がペダルアームより車両後方側の位置において車体に固定的に設けられた被当接部に当接して回動し、その回動によって踏力伝達部材の車両後方側端部とペダルアームの連結部とをその踏力伝達部材の延びる方向に交差する方向に相対変位させることで、踏力伝達部材とペダルアームとの連結を解除するように構成される。
本発明のペダル装置によれば、車両衝突時における連結解除レバーの作動により、踏力伝達部材の車両後方側端部とペダルアームの連結部とを相対変位させるため、踏力伝達部材とペダルアームとの連結を確実に解除することが可能であり、作動装置の車両後方への変位に伴って、ペダルアームが車両後方へ変位することを防止することが可能となっている。
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から何某かの構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(3)項ないし(5)項の各々が請求項2ないし請求項4の各々に、(7)項が請求項5に、それぞれ相当する。
(1)車体に固定された作動装置を運転者の踏力によって作動させるための車両用ペダル装置であって、
車体の前記作動装置より車両後方側の部分に揺動可能に支持され、前記作動装置が有して車両前後方向に延びるロッド状の踏力伝達部材の車両後方側端部が自身が有する連結部に連結され、自身の先端部に設けられたペダル踏部に付与された運転者の踏力によって揺動して前記踏力伝達部材を介して前記作動装置にその踏力を伝えるためのペダルアームと、
そのペダルアームに回動可能に設けられ、車両の衝突によってそのペダルアームが車両後方に向かって移動した際に、自身の一部分がそのペダルアームより車両後方側の位置において車体に固定的に設けられた被当接部に当接して回動し、その回動によって前記踏力伝達部材の車両後方側端部と前記ペダルアームの連結部とをその踏力伝達部材の延びる方向に交差する方向に相対変位させることで、前記踏力伝達部材と前記ペダルアームとの連結を解除する連結解除レバーと
を備えたことを特徴とする車両用ペダル装置。
車体の前記作動装置より車両後方側の部分に揺動可能に支持され、前記作動装置が有して車両前後方向に延びるロッド状の踏力伝達部材の車両後方側端部が自身が有する連結部に連結され、自身の先端部に設けられたペダル踏部に付与された運転者の踏力によって揺動して前記踏力伝達部材を介して前記作動装置にその踏力を伝えるためのペダルアームと、
そのペダルアームに回動可能に設けられ、車両の衝突によってそのペダルアームが車両後方に向かって移動した際に、自身の一部分がそのペダルアームより車両後方側の位置において車体に固定的に設けられた被当接部に当接して回動し、その回動によって前記踏力伝達部材の車両後方側端部と前記ペダルアームの連結部とをその踏力伝達部材の延びる方向に交差する方向に相対変位させることで、前記踏力伝達部材と前記ペダルアームとの連結を解除する連結解除レバーと
を備えたことを特徴とする車両用ペダル装置。
車両用ペダル装置は、いわゆる吊り下げ式のペダル装置であり、例えば、車体の一部であるダッシュパネルの車両後方側に設けられたブラケットを有し、そのブラケットにペダルアームが支持されるような構造のものとすることができる。その車両用ペダル装置は、車体のペダルアームが支持される箇所より車両前方側、例えば、ダッシュパネルの車両前方側に設けられた作動装置を運転者の踏力によって作動させるためのものである。その作動装置は、例えば、クラッチ装置やブレーキ装置が有する踏力を液圧に変化するためのマスタシリンダや、踏力を軽減するためのブースタ(倍力装置)等であり、その作動装置が有する踏力伝達部材は、マスタシリンダのピストンロッドやブースタのプッシュロッド、あるいは、それらに一体的に連結されるようなものとすることができる。そして、本項の態様においては、運転者の踏力によってペダルアームを揺動させると、踏力伝達部材が車両前方に移動し、その踏力伝達部材の車両前方への移動が、作動装置の作動となるように構成されている。
車両が衝突して車体の前方部が変形するような場合には、ペダルアームを支持するダッシュパネルのような車体の一部は、車両後方に変位させられることになる。そして、上記のようにペダルアームに作動装置の踏力伝達部材が連結されていると、作動装置の車両後方への変位に伴ってペダルアームをも車両後方へ変位させてしまうとういう事態、換言すれば、踏力伝達部材がペダルアームの車両前方側の支持部として機能してペダル踏部の車両前方への変位が許容されない事態が生じてしまう。ところが、本項の態様によれば、車両衝突時に連結解除レバーが作動して、踏力伝達部材とペダルアームとの連結が確実に解除される、換言すれば、踏力伝達部材によるペダルアームの車両前方側の支持が確実に解除されることになる。つまり、本項の態様は、作動装置の車両後方への変位に伴うペダルアームの車両後方への変位(以下、「作動装置随伴ペダル変位」という場合がある)を防止することが可能となっているのである。換言すれば、ペダルアームの支持部が車両後方へ変位しても、ペダルアームの先端部に設けられたペダル踏部の車両前方への変位が許容されるのである。
ペダルアームの連結部と踏力伝達部材の車両後方側端部との連結は、例えば、踏力伝達部材の車両後方側端部を、それの車両前方側の部分に比較して大きな形状とし、ペダルアームの連結部を、踏力伝達部材の車両後方側端部より僅かに大きな窪みとして、踏力伝達部材の車両後方側端部をペダルアームの連結部に嵌合させるような構造とすることができる。なお、それらペダルアームの連結部と踏力伝達部材の車両後方側端部との連結は、通常時は外れにくく、車両衝突時の連結解除レバーの作動によって容易に外れるような構造であることが望ましい。そこで、ペダルアームにある方向に開口する溝を設け、その溝に沿って、窪みとされた連結部に、踏力伝達部材の端部を嵌め込むような構造とすることが可能である。また、連結解除レバーの作動によって容易に連結が解除されるようにするためには、そのペダルアームに設けた溝の方向と、連結解除レバーの回動によるペダルアームの連結部と踏力伝達部材の車両後方側端部との相対変位の方向とを一致させることが望ましい。
本項に記載の「被当接部」は、車両の衝突によってペダルアームが車両後方へ移動した場合に、連結解除レバーの一部分が当接するようにするために、車両後方への変位が小さい車体の一部に設けられることが望ましく、例えば、後に説明するように、車幅方向に渡された梁部材に設けることできる。また、被当接部は、車体の一部と一体的に設けられてもよく、車体の一部とは別体として設けられてもよい。ちなみに、連結解除レバーが作動した後に、被当接部にペダルアームが当接するようにすれば、ペダルアームのさらなる車両後方への移動を防止することが可能である。
(2)前記連結解除レバーが、両端部の中間において前記ペダルアームに回動可能に支持され、それら両端部の一方において前記被当接部に当接し、他方において前記踏力伝達部材と係合してその踏力伝達部材の車両後方側端部と前記ペダルアームの連結部とを相対変位させるようにされている(1)項に記載の車両用ペダル装置。
本項に記載の態様は、連結解除レバーを具体化した態様であり、被当接部から加わる力によって容易に回動可能であり、踏力伝達部材の車両後方側端部に、ペダルアームの連結部から離脱するための力を確実に加えることができる。
(3)前記連結解除レバーが、前記踏力伝達部材の車両後方側端部と前記ペダルアームの連結部とを車幅方向に相対変位させるものである(1)項または(2)項に記載の車両用ペダル装置
本項に記載の態様は、簡単に言えば、踏力伝達部材とペダルアームとの連結が解除される際に、踏力伝達部材の車両後方側端部とペダルアームとをずらすようにされた態様である。本項の態様によれば、踏力伝達部材とペダルアームとの連結を解除させた後に、踏力伝達部材がペダルアームに当接して、作動装置の車両後方への変位に伴ってペダルアームを車両後方へ変位させる事態、あるいは、ペダルアームを車両前方側で支持するような事態を防止することが可能である。なお、本項の態様は、車幅方向にのみ相対変位させる態様に限定されるのではなく、上下方向へも相対変位するような態様であってもよい。つまり、本項の態様は、水平面に対して平行な方向あるいは傾斜する方向に相対変位させる態様とすることができる。
(4)前記連結解除レバーが、前記ペダルアームに、水平面に対して平行でない回動軸線回りに回動可能に設けられた(3)項に記載の車両用ペダル装置。
本項に記載の態様は、上記踏力伝達部材の車両後方側端部とペダルアームの連結部とを車幅方向に相対変位させるために、ペダル装置の構造を具体化した態様である。本項の態様は、連結解除レバーが、水平面に対して傾斜した回動軸線回りに回動可能な態様に限定されず、鉛直な回動軸線回りに回動可能な態様であってもよい。
(5)前記ペダルアームが、前記踏力伝達部材との連結が解除される際に前記連結部とその踏力伝達部材の車両後方側端部との相対変位を案内するためのガイドを有する(3)項または(4)項に記載の車両用ペダル装置。
(6)前記ガイドが、前記連結部に連続して形成された溝である(5)項に記載の車両用ペダル装置。
上記2つの項に記載の態様によれば、ガイドによって、踏力伝達部材の車両後方側端部とペダルアームの連結部とを、確実に車幅方向に相対変位させることが可能である。なお、後者の態様によれば、ペダルアームに設けた溝を利用すれば、ペダルアームと踏力伝達部材とを容易に組み付けることが可能である。
(7)車幅方向に延びるようにして車体に渡された梁部材に固定して設けられた一部材が前記被当接部として機能し、前記連結解除レバーが、その一部材に当接して回動するものである(1)項ないし(6)項のいずれか1つに記載の車両用ペダル装置。
車両前方部が変形して、作動装置およびペダルアームが車両後方に変位する場合であっても、車幅方向に渡された梁部材は、車両後方への変位は比較的小さいため、連結解除レバーを被当接部へ確実に当接させることができるため、連結解除レバーを確実に回動させることが可能である。なお、本項に記載の梁部材は、例えば、車幅方向の両端部の各々が車体の両側のサイドメンバの各々に固定されてインストゥルメンツパネルの補強部材として機能するインパネリインフォースメントや、車幅方向の両端部の各々が車体前側の左右のピラーの各々に固定されて車体前面の窓の下側を支持するカウルトップ等である。
(8)当該車両用ペダル装置が、前記作動装置としての液圧式シリンダ装置を作動させるものであり、
前記ペダルアームが、前記踏力伝達部材としての前記液圧式シリンダ装置の入力ロッドが連結されるものである(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の車両用ペダル装置。
前記ペダルアームが、前記踏力伝達部材としての前記液圧式シリンダ装置の入力ロッドが連結されるものである(1)項ないし(7)項のいずれか1つに記載の車両用ペダル装置。
ペダル装置が、クラッチやブレーキである場合、運転者の踏力を液圧に変換して伝達する装置が、ペダル装置の車両前方に固定される場合が多い。つまり、本項に記載の態様は、作動装置を具体化した態様であり、作動装置が、いわゆるマスタシリンダとされた態様である。
以下、請求可能発明の実施例および変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。また、〔発明の態様〕の各項の説明に記載されている技術的事項を利用して、下記の実施例の変形例を構成することも可能である。
図1に、請求可能発明の実施例であるペダル装置が、車体に取り付けられた状態を示す。本ペダル装置は、エンジンと変速機とを断続させるクラッチ装置の操作部であり、運転者の踏力によりクラッチ操作を行うためのクラッチペダルユニット10(以下、単に「ペダルユニット10」という場合がある)である。そのペダルユニット10は、車両のエンジンルームと車室とを区画する隔壁となる部材であるダッシュパネル12の車室側、つまり、車両後方側の面に取り付けられている。ペダルユニット10は、ペダルアームとしてのクラッチペダル20(以下、単に「ペダル20」という場合がある)と、ペダルブラケット22とを含んで構成されるものであり、吊り下げ式のペダル装置である。詳しく言えば、ペダルブラケット22が、ダッシュパネル12の車両後方側に固定され、そのペダルブラケット22に対してペダル20のアーム部24が回転軸26により軸支されることで、ペダル20が、それの上端部において車体の一部に揺動可能に支持される。ペダル20は、それの下端部に設けられたペダル踏部としてのペダルパッド28に、運転者の踏力が付与されることで、車両前方に揺動させられるようになっている。
なお、ペダルユニット10は、ターンオーバスプリング30を有しており、そのターンオーバスプリング30は、原位置から一定量だけ踏み込まれる間はペダル20を戻す方向に付勢し、一定量踏み込まれた後はその踏み込む方向にペダル20を付勢するようになっている。つまり、運転者により踏力が付与されていない場合、そのターンオーバスプリング30によって車両後方に向かって付勢され、ペダルブラケット22の車両後方側端部に設けられたストッパ32によって原位置(図1に示す位置)に位置させられている。
車両に搭載されるクラッチ装置は、クラッチペダル20が踏み込まれた場合に、その運転者の踏力を油圧に変換して伝達し、その伝達される力によって摩擦クラッチが切れた状態とするものであり、運転者の踏力を液圧に変換するマスタシリンダ40を有している。そのマスタシリンダ40は、ダッシュパネル12のエンジンルーム側、つまり、車両前方側の面に固定支持される。マスタシリンダ40は、車両前後方向に延びる姿勢で固定支持された液圧式のシリンダ装置42と、作動液を蓄えるリザーバ44とが、一体的に構成されたものである。そのシリンダ装置42の一構成要素である入力ロッド46は、ダッシュパネル12を貫通して、車両後方に向かって延び出している。その入力ロッド46は、車両後方側端部48において、ペダル20のアーム部24に連結されている。
入力ロッド46とペダル20との連結構造を、図2をも参照しつつ説明する。図2は、ペダル20を、車両前方側からの視点において示す図である。入力ロッド46は、車両後方側端部48が、軸部の径より大きな径の球状に形成されている。一方、ペダル20には、アーム部24に連結部としての係合穴60が設けられている。その係合穴60は、車両前方側から見れば、入力ロッド46の軸部の径より僅かに大きな幅の溝で、斜め上方に向かって延びるとともに、アーム部24の幅が大きくなる箇所において、入力ロッド46の車両後方側端部48の径と略同じ幅で上方に開口している。その係合穴60の開口から、入力ロッド46の車両後方側端部48が嵌められることで、入力ロッド46とペダル20とが連結されるのである。
上記のように構成されていることから、運転者の踏力によってペダル20が揺動させられると、入力ロッド46を介してマスタシリンダ40に踏力が伝達されるのである。つまり、マスタシリンダ40は、運転者の踏力によって作動する作動装置であり、マスタシリンダ40の入力ロッド46が、踏力伝達部材として機能するものとなっている。
また、ペダル20には、連結解除レバー70が設けられている。連結解除レバー70は、車両前後方向における中間部において、アーム部24に回動可能に支持される。その回動軸線は、水平面に対して傾斜したものとなっている。また、連結解除レバー70は、それの回動軸線より車両前方側の部分が、コの字状に形成されており、ペダル20の車両前方側を囲むようにされている。そして、その連結解除レバー70の車両前方側の端部、つまり、車幅方向に延びる部分が、マスタシリンダ40の入力ロッド46がペダル20に連結された状態において、その入力ロッド46の下方に位置させられる。一方、連結解除レバー70の車両後方側の部分は、L字状に形成されており、車両後方側の端部、つまり、車幅方向に延びる部分が、ペダル20の車両後方側に位置させられる。
ちなみに、連結解除レバー70は、自身に設けられた凹部72と、アーム部24に設けられた凸部とが係合させられており、通常は回動しないようになっている。なお、図1に示すように、車幅方向の両端部の各々が図示を省略する車体の両側のサイドメンバの各々に固定されて梁部材として機能するインパネリインフォースメント80(以下、「インパネR/F80」と略す場合がある)には、下方に延びて、その下端部がレバー70の車両後方側に位置させられた突設部材82が固定されている。
上述したクラッチ装置を搭載した車両が衝突して、車体の前方部が変形するような場合を考える。そのような場合には、車体前方部の変形によって、ペダルユニット10およびマスタシリンダ40を支持するダッシュパネル12が、車両後方に変位させられることがある。そのダッシュパネル12の車両後方への変位に比較して、インパネR/F80の変位は小さいため、ペダルユニット10は、インパネR/F80に対して車両後方へ移動する。
図3に、車両の衝突によってペダルユニット10が車両後方へ移動した場合における入力ロッド46とペダル20とが連結された箇所を拡大して示す。ペダルユニット10が車両後方へ移動した場合、ペダル20に支持された連結解除レバー70が、インパネR/F80に固定された突設部材82(被当接部として機能する)に当接し、連結解除レバー70の車両後方側の端部が下方に、車両前方側の端部が上方に向かって回動させられることになる。詳しく言えば、連結解除レバー70の車両前方側の端部は、図2から解るように、入力ロッド46が延びる方向に対して交差する方向、具体的には、斜め上方に向かって移動することになる。そして、連結解除レバー70は、回動させられる際に、車両前方側の端部が入力ロッド46に係合して、入力ロッド46の車両後方側端部48を、係合穴60に沿って移動させる。そして、入力ロッド46は、アーム部46の係合穴60から抜き出され、ペダル20との連結が解除されるのである。
例えば、車両が衝突した場合に、入力ロッド46がペダル20に連結されたままであると、ダッシュパネル12が車両後方へ変位させられた場合に、ペダル20は、入力ロッド46との連結部において車両後方側へ押されることになり、マスタシリンダ40の車両後方への変位に伴うペダル20の車両後方への変位によって、運転者の足に大きな負荷がかかる虞がある。それに対して、本請求可能発明のペダル装置によれば、連結解除レバー70の作動によって、入力ロッド46とペダル20との連結が確実に解除され、マスタシリンダ40の車両後方への変位に伴ってペダル20が車両後方への変位させられることが防止される。また、換言すれば、入力ロッド46がペダル20をそれの車両前方側で支持することが防止されるため、運転者の足が二次衝突しても、ペダル20が車両前方側へ容易に揺動できることになる。
以上のような構成から、連結解除レバー70は、平面に対して傾斜した回動軸線回りに回動可能とされているため、ペダル20に対して入力ロッド46の車両後方側端部48を、車幅方向に変位させるようにされている。そのことにより、それら入力ロッド46とペダル20との連結が解除された際に、入力ロッド46の車両後方側端部48が、ペダル20に再び当接して、ペダル20を車両後方側へ押すような事態、換言すれば、ペダル20をそれの車両前方側で支持する事態が回避される。なお、係合穴60は、ペダル20に対する入力ロッド46の車両後方側端部48の変位を案内するガイドとして機能し、ペダル20に対して入力ロッド46の車両後方側端部48を、確実に車幅方向へ逃がすことが可能となっている。
上記実施例のペダル装置に代えて、図4,5に示す変形例としてのペダル装置を採用することが可能である。図4は、本変形例のペダル装置のペダルアームと踏力伝達部材とが連結された箇所を拡大して示す側面図(車両の左側からの眺めた図)であり、図5は、それらペダルアームと踏力伝達部材とが連結された箇所を上方からの視点において示す断面図(図4におけるA−A断面)である。
本変形例のペダル装置であるペダルユニットは、ペダルアームに対する踏力伝達部材の連結構造が、上記実施例における連結構造と相違する。本変形例においては、クラッチペダル102に、それの側面から、概して立方体に形成されたジョイント部材104が嵌め入れられている。そのジョイント部材104には、ペダル102に嵌め入れられた状態における車両前方側の面に開口する窪み106が設けられており、その窪み106にマスタシリンダ40の入力ロッド46の車両後方側端部48が嵌入されることで、ペダル102と入力ロッド46とは連結されている。なお、窪み106は、開口部が入力ロッド46の車両後方側端部48に比較して小さな径とされているため、入力ロッド46が窪み106から抜け落ちないようになっている。
また、ペダル102には、上記実施例と同様に、連結解除レバー120が設けられている。その連結解除レバー120は、ペダル102のジョイント部材104が嵌め入れられた側面とは反対の側面に自身の車両前後方向における中間部において支持されており、水平面に対して鉛直な回動軸線回りに回動可能とされている。その連結解除レバー120は、車両前方側の端部がジョイント部材104に接しており、車両後方側の端部が車幅方向でペダル102から離れる方向に延び出している。また、インパネR/F80に固定された突設部材82の下端部が、その連結解除レバー120の車両後方側に位置させられている。
上記の変形例のペダル装置を備えた車両が衝突した場合を考える。ダッシュパネル12の車両後方への変位に伴うペダルユニットのインパネR/F80に対する車両後方への移動によって、連結解除レバー120は、それの車両後方側の端部が被当接部である突設部材82に当接し、回動させられることになる。そして、連結解除レバー120は、回動させられることによって、車両前方側の端部に接していたジョイント部材104を車幅方向に押すことになり、ジョイント部材104をペダル102から離脱させる。つまり、本変形例においては、踏力伝達部材が、入力ロッド46,ジョイント部材104とを含んで構成されており、その踏力伝達部材とペダル102との連結が、連結解除レバー120の作動によって解除されるようになっているのである。
したがって、本変形例のペダル装置によれば、上記実施例と同様に、連結解除レバー120の作動によって、踏力伝達部材とペダル102の連結が確実に解除され、マスタシリンダ40の車両後方への変位に伴って、ペダル102が車両後方へ変位することが防止されるのである。
10:クラッチペダルユニット(車両用ペダル装置) 12:ダッシュパネル 20:クラッチペダル(ペダルアーム) 22:ペダルブラケット 24:アーム部 26:回転軸 28:ペダルパッド(ペダル踏部) 40:マスタシリンダ(作動装置) 42:液圧式シリンダ装置 46:入力ロッド(踏力伝達部材) 48:車両後方側端部 60:係合穴(連結部,ガイド) 70:連結解除レバー 80:インパネリインフォースメント(梁部材) 82:突設部材(被当接部) 102:クラッチペダル(ペダルアーム) 104:ジョイント部材(踏力伝達部材) 120:連結解除レバー
Claims (5)
- 車体に固定された作動装置を運転者の踏力によって作動させるための車両用ペダル装置であって、
車体の前記作動装置より車両後方側の部分に揺動可能に支持され、前記作動装置が有して車両前後方向に延びるロッド状の踏力伝達部材の車両後方側端部が自身が有する連結部に連結され、自身の先端部に設けられたペダル踏部に付与された運転者の踏力によって揺動して前記踏力伝達部材を介して前記作動装置にその踏力を伝えるためのペダルアームと、
そのペダルアームに回動可能に設けられ、車両の衝突によってそのペダルアームが車両後方に向かって移動した際に、自身の一部分がそのペダルアームより車両後方側の位置において車体に固定的に設けられた被当接部に当接して回動し、その回動によって前記踏力伝達部材の車両後方側端部と前記ペダルアームの連結部とをその踏力伝達部材の延びる方向に交差する方向に相対変位させることで、前記踏力伝達部材と前記ペダルアームとの連結を解除する連結解除レバーと
を備えたことを特徴とする車両用ペダル装置。 - 前記連結解除レバーが、前記踏力伝達部材の車両後方側端部と前記ペダルアームの連結部とを車幅方向に相対変位させるものである請求項1に記載の車両用ペダル装置
- 前記連結解除レバーが、前記ペダルアームに、水平面に対して平行でない回動軸線回りに回動可能に設けられた請求項2に記載の車両用ペダル装置。
- 前記ペダルアームが、前記踏力伝達部材との連結が解除される際に前記連結部とその踏力伝達部材の車両後方側端部との相対変位を案内するためのガイドを有する請求項2または請求項3に記載の車両用ペダル装置。
- 車幅方向に延びるようにして車体に渡された梁部材に固定して設けられた一部材が前記被当接部として機能し、前記連結解除レバーが、その一部材に当接して回動するものである請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の車両用ペダル装置。
Priority Applications (1)
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JP2008113503A JP2009265865A (ja) | 2008-04-24 | 2008-04-24 | 車両用ペダル装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008113503A JP2009265865A (ja) | 2008-04-24 | 2008-04-24 | 車両用ペダル装置 |
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Family Applications (1)
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JP2008113503A Withdrawn JP2009265865A (ja) | 2008-04-24 | 2008-04-24 | 車両用ペダル装置 |
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Cited By (2)
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JP2011129088A (ja) * | 2009-12-17 | 2011-06-30 | Autoliv Development Ab | 自動車用のペダル装置 |
JP2017199199A (ja) * | 2016-04-27 | 2017-11-02 | 株式会社アドヴィックス | 車両用ペダル装置 |
-
2008
- 2008-04-24 JP JP2008113503A patent/JP2009265865A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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KR101287889B1 (ko) | 2009-12-17 | 2013-07-18 | 아우토리브 디벨롭먼트 아베 | 자동차용 페달 장치 |
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