JP2009265846A - データ処理装置およびその起動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高価なメモリを使用することなく、かつデータの読み出し速度を低下させることなくBIOSを冗長化し、システムを確実に起動することが可能なデータ処理装置およびその起動方法を提供すること。
【解決手段】それぞれBIOSを格納した一対のフラッシュROM2,3と、SW回路6と、監視回路5とを設ける。SW回路6は、フラッシュROM2,3とCPU2との間に介在させ、ROMCS信号10とRD信号11との出力先を選択させる。CPU2は、ROMCS信号10とRD信号11とが入力されたフラッシュROM2,3のいずれか一方からBIOSデータを取得してBIOSの起動を試行する。このとき、監視回路5は、監視時間が経過するまでにBIOSの起動が完了しなかったことに応じ、SW回路6に他方のフラッシュROMを選択させ、CPU2に該フラッシュROMに格納されたBIOSの起動を試行させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、システム起動に用いるBIOSを格納したメモリを備えたデータ処理装置およびその起動方法に関する。
パーソナルコンピュータや、パーソナルコンピュータ同様に多機能化されたPOS(Point Of Sales)などのデータ処理装置は、BIOS(Basic Input/Output System)と呼ばれるファームウェアを実行してシステムを起動している。BIOSは、データ処理装置を構成する各ハードウェアの初期化を行い、OS(Operating System)を起動する役割を担っている。このようにデータ処理装置のシステムの起動に際して重要な役割を担うBIOSは、レビジョン更新など各種の機能追加や不具合を修正することができるようにフラッシュROM(Read Only Memory)などの書き換え可能なメモリに記憶されることが一般的である。
従来のBIOSへのアクセス方法について説明する。図5は、従来のデータ処理装置の要部構成を示す模式図である。システムの制御を司るCPU(Central Processing Unit)30に対してBIOSを格納したフラッシュROM31が、例えば19bitのアドレスバス32(XA0〜XA18)および8bitのデータバス33(XD0〜XD7)を介して接続されている。CPU30は、BIOSを読み出す際、メモリマップ上のフラッシュROM31の位置に応じたROMCS(ROMチップセレクト)信号34を出力するとともに、RD(リード)信号35を出力する。上記ROMCS信号34は、読み出し対象となるデータが格納されたメモリを選択するための信号である。上記RD信号35は、ROMCS信号34により選択されたメモリに対し、アドレスバス32から入力されるアドレスに応じたデータをデータバス33に出力するよう指示する信号である。ROMCS信号34とRD信号35とが入力された状態において、フラッシュROM31は、アドレスバス32からの入力で指定されたアドレスに応じたデータをデータバス33へ出力する。このようにして、CPU30はフラッシュROM31に記憶されたBIOSデータを取得してBIOSを起動する。
ところで、BIOSのレビジョン更新を行っている際に停電が発生するなどして更新が失敗したときには、システムの起動を担うBIOSの性質上、データ処理装置が立ち上がらなくなる。そのため、BIOSに不具合が生じた際にはその復旧が困難であり、当該データ処理装置を用いる業務に多大な支障を来たすこととなる。
このようなBIOSの不具合に対処するため、例えば特許文献1には、2分割されたメモリの記憶領域にそれぞれBIOSを記憶させて冗長化し、システム側からは一方の記憶領域にのみアクセス可能とすることで、一方のBIOSの書き換えが失敗した場合であっても他方のBIOSによりシステムを起動することができる情報処理装置が提案されている。
特開2000−148467号公報
しかしながら、特許文献1に記載の情報処理装置のように1つのメモリを2分してBIOSを冗長化する手法を用いるには、通常よりも大容量のメモリが必要となる。一般的にメモリは、大容量であるほどデータの読み出しに要する速度が遅くなる。大容量かつデータ読み出しが高速なメモリは高価であるため、機器のコストパフォーマンスが低下する。一方、データ読み出し速度が低速で低価格なメモリを用いれば、システム起動に要する時間が増大してしまう。また、BIOSデータではなくメモリ自体に不具合が生じた場合には、メモリを交換しない限りシステム起動が不可能になってしまう。
本発明は、上記のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、高価なメモリを使用することなく、かつデータの読み出し速度を低下させることなくBIOSを冗長化し、システムを確実に起動することが可能なデータ処理装置およびその起動方法を提供することである。
本発明に係るデータ処理装置は、システムの起動に使用するBIOSを格納した一対のメモリと、前記一対のメモリのいずれか一方を選択するメモリ選択手段と、このメモリ選択手段が選択したメモリに格納されたBIOSの起動を試行する制御手段と、監視時間が経過するまでにBIOSの起動が完了しなかったことに応じ、前記メモリ選択手段に他方のメモリを選択させ、前記制御手段に該メモリに格納されたBIOSの起動を試行させる監視回路とを備えてなることを特徴としている。
かかる手段を講じた本発明によれば、高価なメモリを使用することなく、かつデータの読み出し速度を低下させることなくBIOSを冗長化し、システムを確実に起動することが可能なデータ処理装置およびその起動方法を提供することができる。
以下、本発明を実行するための一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るデータ処理装置1の要部構成を示す模式図である。データ処理装置1は、システムの制御主体であるCPU2、このCPU2と例えば19bitのアドレスバス10(XA0〜XA18)および8bitのデータバス11を介して接続された一対のフラッシュROM3およびフラッシュROM4、監視回路5、およびスイッチ(SW)回路6を備えている。
フラッシュROM3は、BIOSを格納し、システムの起動にメインで使用される。フラッシュROM4は、フラッシュROM3と同様にBIOSを格納し、フラッシュROM3に格納されたBIOSが起動されないときに予備的に使用される。なお、フラッシュROM3とフラッシュROM4とは、同一のメモリマップ上にマッピングされており、同一のROMCS信号10で選択される。
監視回路5は、予め定められた監視時間tsecをカウントするウォッチドッグタイマ7を備えており、3.3Vの動作電源を受けて動作する。ウォッチドッグタイマ7による監視時間tsecのカウントは、システムの起動が開始された後にCPU2から出力されるRD信号11が初めに変化したことに応じて開始され、CPU2から出力されるGPIO DISABLE信号13が入力されたときに停止する。上記GPIO DISABLE信号13は、CPU2が備えるGPIO(General Purpose Input/Output)から出力される汎用IO信号であり、BIOSの起動が正常に完了したときに動作波形が変化する。また、CPU2から出力されるCOUNTER RESET信号12が入力されたときには、カウント値をリセットして再度監視時間tsecのカウントを開始する。監視時間tsecのカウントが終了したときには、DUAL ENABLE信号14をスイッチ回路6に出力するとともに、システムの再起動を指示するSYSTEM RESET信号15を、CPU2を含む各デバイスに出力してシステムを再起動させる。
なお、CPU2は、システムの起動に際して先ずBIOSを起動するため、最初にフラッシュROM3,4へのアクセスを試みる。そのため本実施形態では、フラッシュROM3,4に出力されるRD信号11が初めに変化したときをBIOSの起動開始の始点として監視時間tsecのカウントを開始するように設定している。
スイッチ回路6は、3.3Vの動作電源を受けて作動し、CPU2から供給されるROMCS信号10およびRD信号11を、フラッシュROM3に接続された出力端子6aまたはフラッシュROM4に接続された出力端子6bのいずれか一方に出力する。すなわち、スイッチ回路6は、フラッシュROM3,4のいずれか一方を選択する選択手段である。なお、ROMCS信号10およびRD信号11の出力先は、監視回路5から出力されるDUAL ENABLE信号14に応じて切り替えられる。
なお、上記COUNTER RESET信号12、GPIO DISABLE信号13、DUAL ENABLE信号14およびSYSTEM RESET信号15は、データ処理装置1の電源投入時当初のデフォルト値としてそれぞれ“1”,“0”,“1”および“1”を設定する。
次に、上記のような構成による作用について説明する。
図2は、データ処理装置1のシステム起動を説明するための流れ図、図3は、異常が発生することなくシステムが正常に起動した場合における各信号の動作波形を示す模式図、図4は、異常が発生した後にシステムを再起動した場合における各信号の動作波形を示す模式図である。
電源が投入された後、上記各信号12〜15がデフォルト値に設定される(ST1)。すなわち、CPU2がCOUNTER RESET信号12を“1”、GPIO DISABLE信号13を“0”に設定し、監視回路5がDUAL ENABLE信号14を“1”に、SYSTEM RESET信号15を“1”に設定する。このとき、DUAL ENABLE信号14が“1”に設定されたことに応じてスイッチ回路6がROMCS信号10およびRD信号11の出力先を出力端子6aに切り替える。このようにスイッチ回路6が出力先を出力端子6aに切り替えた状態において、CPU2が出力するROMCS信号10およびRD信号11は、フラッシュROM3に入力される。そして、CPU2が出力したメモリマップ上のBIOSが記憶された領域に対応するROMCS信号10およびRD信号11の入力を受けたフラッシュROM3は、アドレスバス10から入力されるアドレスに応じたデータをデータバス11に出力する。しかる後、CPU2は、データバス11に出力されたデータに基づいてシステムの起動処理を開始する。
一方、監視回路5は、COUNTER RESET信号12が“1”に設定された後、RD信号11に生じる変化を監視する(ST2)。そして、RD信号11に第1回目の変化が生じた際には(ST2のYes)、監視回路5がウォッチドッグタイマ7を用いて監視時間tsecのカウントを開始する(ST3)。
次に、監視回路5は、CPU2から出力されるGPIO DISABLE信号13が“1”に変化したか否かを監視する。換言するとBIOSが正常に起動したか否かを判断する(ST4)。監視回路5は、BIOSの制御の下でCPU2によりGPIO DISABLE信号13が“1”に変化したことを検知することによって、BIOSが正常に起動したと判断し(ST4のYes)、上記ウォッチドッグタイマ7による時間のカウントを停止する(ST5)。しかる後、BIOSの制御の下で各デバイスの初期化処理などが実行され、OSが起動される。
一方、監視回路5は、ST4の処理においてBIOSが正常に起動したと判断されていない間(ST4のNo)、ウォッチドッグタイマ7による監視時間tsecのカウントを継続する(ST6)。ウォッチドッグタイマ7による監視時間tsecのカウントが完了したときには(ST6のYes)、監視回路5は、DUAL ENABLE信号14を“0”に設定する(ST7)。このとき、スイッチ回路6は、DUAL ENABLE信号14が“0”に設定されたことを受けてROMCS信号10およびRD信号11の出力先を出力端子6bに切り替える。さらに、監視回路5は、SYSTEM RESET信号15を“1”から“0”に一時的に変化させる(ST8)。このときSYSTEM RESET信号12は、データ処理装置1を構成する各ハードウェアに入力され、システムの再起動が開始される。CPU2は、SYSTEM RESET信号15の変化を受けてCOUNTER RESET信号12を“1”から“0”に一時的に変化させる(ST9)。このCOUNTER RESET信号12の変化を受けて、監視回路5は、ウォッチドッグタイマ7による監視時間tsecのカウントを停止する。
システムの再起動が開始された後は、スイッチ回路6がROMCS信号10およびRD信号11の出力先を出力端子6bに切り替えているので、CPU2から出力されたROMCS信号10およびRD信号11はフラッシュROM4に入力される。そして、監視回路5は、再びRD信号11に生じる変化を監視する(ST2)。RD信号11にシステムの再起動を開始してからの第1回目の変化が生じた際には(ST2のYes)、監視回路5がウォッチドッグタイマ7を用いて予め定められた監視時間tsecのカウントを開始する(ST3)。その後、監視回路5によるBIOSが正常に起動したか否かの判断(ST4)と監視時間tsecの経過の判断(ST6)が繰り返され、BIOSが正常に起動したと判断されたときには(ST4のYes)、BIOSの制御の下でCPU2によりGPIO DISABLE信号13が“1”に設定され(ST5)、監視回路5は、ウォッチドッグタイマ7による監視時間tsecのカウントを停止する。しかる後、BIOSの制御の下で各デバイスの初期化処理などが実行され、OSが起動される。
このように本発明に係るデータ処理装置1は、監視時間が経過してもフラッシュROM3に記憶されたBIOSが起動できないときには、監視回路5がスイッチ回路6の出力端子を切り替えてROMCS信号10およびRD信号11の出力先をフラッシュROM4に変更する。そして、監視回路5は、SYSTEM RESET信号15を出力して強制的にシステムの再起動を実行する。そのため、フラッシュROM3に格納されたBIOSに関するレビジョン更新を行っている際に停電が発生するなどして更新が失敗したときでも、データ処理装置1が起動できなくなることはない。また、フラッシュROM4に記憶されたBIOSを用いてシステムを起動した状態でフラッシュROM3に記憶されたBIOSを修復することができるので、障害からの復旧が容易となる。
また、一般的に大容量かつデータ読み出しが高速なメモリは高価であるため、1つのフラッシュROMに2つのBIOSを記憶して冗長化する方式ではBIOSを冗長化しない方式と同程度のアクセス速度を保つために高価なフラッシュROMを採用することを要する。これに対しデータ処理装置1では、BIOSを冗長化しない方式と同一の容量とアクセス速度を有するフラッシュROMを採用すればよいため、冗長化によるコストパフォーマンスの低下を防止することができる。さらに、1つのフラッシュROMに2つのBIOSを記憶して冗長化する方式では、BIOSのデータではなくフラッシュROM自体に不具合が発生した場合にはシステムの起動が不可能であるのに対し、データ処理装置1は2つのフラッシュROM3,3を自動的に切り替えて使用するため、フラッシュROM自体に不具合が発生した場合でも他方のメモリを使用してのシステム起動が可能である。
また、データ処理装置1は、BIOSの起動が監視時間経過しても完了しないことに応じてCPUの制御とは独立にフラッシュROM3,4の切り替えおよびシステムの再起動が試行される。そのため、不適切なレビジョン更新を行ったためにBIOSが正常に起動していない場合などにも他方のフラッシュROMに格納されたBIOSを用いて確実にシステムを起動することができる。
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階においては、その要旨を逸脱しない範囲内にて各構成要素を適宜変形して具体化することができる。
例えば、アドレスバス10およびデータバス11は、19bitおよび8bitに限定されず、フラッシュROM3,4の記憶容量などに応じて異なるbit数のものを用いてもよいことは勿論である。
また、COUNTER RESET信号12、GPIO DISABLE信号13、DUAL ENABLE信号14、およびSYSTEM RESET信号15は、それぞれ“1”,“0”,“1”および“1”のデフォルト値に限定されない。別個異なるデフォルト値を設定する場合、例えばGPIO DISABLE信号13が“1”から“0”に変化したことに応じて監視回路5を停止させるようにするなど、各処理との整合性を保つように設定を変更すればよい。
また、監視回路5を起動するタイミングは、データ処理装置1への電源投入またはシステムの再起動開始から初めにRD信号11が変化したときに限定されない。例えば、電源投入直後に監視回路5を起動してウォッチドッグタイマ7による監視時間tsecのカウントを開始するようにしてもよい。
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全体構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
本発明の一実施形態におけるデータ処理装置の要部構成を示す模式図。 同実施形態におけるシステム起動を説明するための流れ図。 同実施形態においてシステム起動が正常に終了した場合における各信号の動作波形を示す模式図。 同実施形態においてシステム起動に異常が発生した場合における各信号の動作波形を示す模式図。 従来のBIOSへのアクセス方法について説明するための図。
符号の説明
1…データ処理装置、2…CPU、3,4…フラッシュROM、5…監視回路、6…スイッチ回路、7…ウォッチドッグタイマ、10…アドレスバス、11…データバス

Claims (4)

  1. システムの起動に使用するBIOSを格納した一対のメモリと、
    前記一対のメモリのいずれか一方を選択するメモリ選択手段と、
    このメモリ選択手段が選択したメモリに格納されたBIOSの起動を試行する制御手段と、
    監視時間が経過するまでにBIOSの起動が完了しなかったことに応じ、前記メモリ選択手段に他方のメモリを選択させ、前記制御手段に該メモリに格納されたBIOSの起動を試行させる監視回路と、
    を備えてなることを特徴とするデータ処理装置。
  2. 前記一対のメモリは、それぞれ共有のアドレスバスとデータバスとで前記制御手段に接続され、
    前記メモリ選択手段は、前記制御手段から入力されるチップセレクト信号とリード信号との出力先として前記一対のメモリのいずれか一方を選択し、
    前記選択手段により選択され前記チップセレクト信号と前記リード信号とが入力された前記一対のメモリのいずれか一方は、前記制御手段が前記アドレスバスに出力したアドレスに応じて前記データバスにBIOSデータを出力し、
    前記制御手段は、前記データバスに出力されたBIOSデータを取得してBIOSの起動を試行することを特徴とする請求項1に記載のデータ処理装置。
  3. 前記監視回路は、前記制御手段がBIOSの起動を試行する際、初めに前記リード信号の変化を検知して監視時間の計時を開始し、次に前記制御手段から入力される汎用IO信号の変化を検知して監視時間の計時を停止することを特徴とする請求項2に記載のデータ処理装置。
  4. システムの起動に使用するBIOSを格納した一対のメモリのいずれか一方を選択する第1のメモリ選択ステップと、
    この第1のメモリ選択ステップにて選択されたメモリに格納されたBIOSの起動を試行する起動ステップと、
    監視時間が経過するまでにシステムの起動が完了しなかったことに応じ、前記一対のメモリから他方のメモリを選択する第2のメモリ選択ステップと、
    この第2のメモリ選択ステップにて選択されたメモリに格納されたBIOSの起動を試行する再起動ステップと、
    を備えてなることを特徴とするデータ処理装置の起動方法。
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