JP2009265043A - 静電容量式センサの異常検出装置 - Google Patents

静電容量式センサの異常検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】静電容量式センサが異常状態にあるか否かを検出することにより、被測定物の状態の誤検知を防止することができる静電容量式センサの異常検出装置を提供する。
【解決手段】コンデンサを構成するレベル検出部に波形が正弦波形状をなす測定信号を入力し、出力される検出信号の信号値をサンプリングする。検出信号の波形の形状の特徴が基準信号の波形の形状の特徴と一致しなければ検出信号の信号値を巡回シフトし、あらためて両信号の波形の形状の特徴を比較する。巡回シフトによりずらした位相が、初回の検出信号の位相から90度以上ずれても両信号の波形の形状の特徴が一致しなければ、レベルセンサに異常が生じたと判定する。
【選択図】図11

Description

本発明は、コンデンサを構成する一対の電極間に被測定物を介在させ、両電極間の静電容量に基づき被測定物の状態を検知する静電容量式センサが異常状態にあるか否かを検出する静電容量式センサの異常検出装置に関するものである。
従来、コンデンサを構成する一対の電極間に被測定物を介在させ、両電極間の静電容量の測定結果に基づいて被測定物の状態を検知する静電容量式センサが知られている。このような静電容量式センサの例として、液体の濃度を検知する濃度センサ、液体の劣化状態を検知する劣化センサ、水位(液位)を検知する水位センサ、気体の湿度を検出する湿度センサ等が挙げられる。
例えば、オイルの劣化状態を検知する劣化センサでは、オイル内に浸漬した一対の電極板によりコンデンサを構成する。その電極板間に電圧が周期的に変動する正弦波波形をなす測定信号を入力すると、その出力として得られるコンデンサを通過した電流を電流電圧変換した検出信号は、測定信号と同じ周波数の正弦波波形となる。この検出信号はコンデンサの静電容量に応じて波形の振幅が変化するので、振幅を測定することにより両電極間の静電容量を測定できる。オイルは、劣化状態に応じてその誘電率が変化するので、測定した静電容量に基づきオイルの劣化状態を判定することができる(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、このような静電容量式センサを用いて被測定物の状態を検知するには、測定信号の生成回路と検出信号のサンプリング回路および解析回路とを設ける必要がある。その一方で、各種回路を有する電装部品には低廉化が求められており、そのためにはこうした信号の処理回路に汎用のマイクロコンピュータを用いることが望ましい。特許文献1では、検出信号から取得する電圧のサンプリング点を減らしつつ、得られたサンプリング点に対し数学的手法を用いて解析を行うことで、マイクロコンピュータに対する負荷が小さい処理ながら正確に検出信号の振幅の算出を行っている。
特開2004−219159号公報
しかしながら、静電容量式センサに異常が生じた場合、検出信号の波形は、正常時の波形に対して位相ズレを生ずるが、特許文献1ではセンサの異常を検出できず、検出信号がどのような状態にあっても取得したサンプリング点を基に波形の振幅を求めるため、被測定物の実際の状態とは異なる状態を検知してしまう虞があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、静電容量式センサが異常状態にあるか否かを検出することにより、被測定物の状態の誤検知を防止することができる静電容量式センサの異常検出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の静電容量式センサの異常検出装置は、コンデンサを構成する一対の電極間に被測定物を介在させ、前記電極間に電圧が周期的に変動する正弦波波形をなす測定信号を入力し、その出力として得られた検出信号の波形の状態に基づいて前記被測定物の状態を検出する静電容量式センサが異常状態にあるか否かを検出する静電容量式センサの異常検出装置であって、前記測定信号の波形の変動周期に基づいて定められた当該変動周期よりも短い一定間隔の位相であるサンプリング位相ごとに、前記測定信号の変動周期の一周期分における前記検出信号の信号値を取得するサンプリング手段と、取得した前記検出信号の前記信号値を、その信号値の取得順に関連付けて記憶する記憶手段と、前記検出信号の前記信号値と前記取得順との相関関係から、前記検出信号の波形形状を特定するための特徴を得る波形形状特定手段と、特定した前記検出信号の波形形状の特徴と、予め取得した正常時の検出信号である基準信号の波形形状の特徴とを比較し、両者が一致する場合に、前記静電容量式センサが正常であると判定する正常判定手段と、前記検出信号の波形形状の特徴と前記基準信号の波形形状の特徴とが一致しない場合、前記検出信号の前記信号値と前記取得順との相関関係を前記一周期内で巡回的に1ずつずらし、再度、前記波形形状特定手段および前記正常判定手段よる判定を行う再判定手段と、前記再判定手段による判定において前記静電容量式センサが正常であるとは判定されず、且つ、初回の前記検出信号の波形の位相に対し、前記信号値と前記取得順との相関関係をずらした後の前記検出信号の波形の位相が90度以上ずれた場合、前記静電容量式センサに異常が生じたと判定する異常判定手段と、を備えている。
また、請求項2に係る発明の静電容量式センサの異常検出装置は、請求項1に記載の発明の構成に加え、前記異常判定手段は、前記再判定手段による判定において前記静電容量式センサが正常であるとは判定されず、且つ、初回の前記検出信号の波形の位相に対し、前記信号値と前記取得順との相関関係をずらした後の前記検出信号の波形の位相が90度以上ずれた場合、前記静電容量式センサに異常が生じたと仮に判定する仮判定手段と、前記仮判定手段によって前記静電容量式センサが異常状態にあると仮に判定された回数を計数する計数手段と、を備え、前記計数手段により計数された仮判定回数が予め定められた基準回数に達した場合に、前記静電容量式センサが異常状態にあると判定することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の静電容量式センサの異常検出装置は、コンデンサを構成する一対の電極間に被測定物を介在させ、前記電極間に電圧が周期的に変動する正弦波波形をなす測定信号を入力し、その出力として得られた検出信号の波形の状態に基づいて前記被測定物の状態を検出する静電容量式センサが異常状態にあるか否かを検出する静電容量式センサの異常検出装置であって、前記測定信号の波形の変動周期に基づいて定められた当該変動周期よりも短い一定間隔の位相であるサンプリング位相ごとに、前記測定信号の変動周期の一周期分における前記検出信号の信号値を取得するサンプリング手段と、取得した前記検出信号の前記信号値を、その信号値の取得順に関連付けて記憶する記憶手段と、前記検出信号の前記信号値のうち特定の位相における前記信号値を特定信号値として着目し、前記特定信号値の特徴を得る信号値特徴取得手段と、予め取得した正常時の検出信号において前記特定の位相における前記信号値を基準信号値とし、その基準信号値の特徴と前記特定信号値の特徴とが一致する場合に、前記静電容量式センサが正常であると判定する正常判定手段と、前記基準信号値の特徴と前記特定信号値の特徴とが一致しない場合、前記特定の位相を前記サンプリング位相分ずらし、その位相における前記検出信号の前記信号値を新たな特定信号値として、再度、前記信号値特徴取得手段および前記正常判定手段よる判定を行う再判定手段と、前記再判定手段による判定において前記静電容量式センサが正常であるとは判定されず、且つ、初回の前記特定の位相に対し、着目する位相が90度以上ずれた場合、前記静電容量式センサに異常が生じたと判定する異常判定手段と、を備えている。
また、請求項4に係る発明の静電容量式センサの異常検出装置は、請求項3に記載の発明の構成に加え、前記異常判定手段は、前記再判定手段による判定において前記静電容量式センサが正常であるとは判定されず、且つ、初回の前記特定の位相に対し、着目する位相が90度以上ずれた場合、前記静電容量式センサに異常が生じたと仮に判定する仮判定手段と、前記仮判定手段によって前記静電容量式センサが異常状態にあると仮に判定された回数を計数する計数手段と、を備え、前記計数手段により計数された仮判定回数が予め定められた基準回数に達した場合に、前記静電容量式センサが異常状態にあると判定することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の静電容量式センサの異常検出装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の構成に加え、前記サンプリング位相が90度の約数であることを特徴とする。
請求項1に係る発明の静電容量式センサの異常検出装置では、正弦波波形をなす測定信号を静電容量式センサに入力し、出力される検出信号の位相が、静電容量式センサが正常なときに出力する基準信号の位相に対して90度以上ずれた場合に、静電容量式センサに異常が生じたと判定することができる。具体的には検出信号の信号値のサンプリングをサンプリング位相ごとに行い、その信号値により得られる検出信号の波形形状が基準信号の波形形状と一致するかにより判定を行うが、一致しない場合には、サンプリングした信号値の取得順をずらして新たに得られる検出信号の波形形状が基準信号の波形形状が一致するか判定する。そして一致しないまま巡回的に1ずつずらしていった位相が90度以上ずれた場合、静電容量式センサに異常が生じたと判定するのである。従って、静電容量式センサの異常を検出するための新たな構成を必要とせず、静電容量式センサによる被測定物の状態検出の際に入力される測定信号と、その出力の検出信号とを用いる簡易な構成で、静電容量式センサに異常が生じたか判定することができる。また、検出信号が正弦波波形であるので、基準信号との位相のずれを見るには多くのサンプリング点を必要とせず、例えば4点以上サンプリング点を取得すれば可能であり、静電容量式センサが異常状態にあるか否かをより簡易な構成で判断することができる。
また、請求項2に係る発明によれば、静電容量式センサが異常状態にあるか否かを複数回の判断により行うことができるので、一時的な異常状態を検出してしまうことにより異常判定がなされてしまうことを防止し、静電容量式センサの異常判定に対する信頼性を高められる。
また、請求項3に係る発明の静電容量式センサの異常検出装置においても、正弦波波形をなす測定信号を静電容量式センサに入力し、出力される検出信号の位相が、静電容量式センサが正常なときに出力する基準信号の位相に対して90度以上ずれた場合に、静電容量式センサに異常が生じたと判定することができる。具体的には検出信号の信号値のサンプリングを行い、その信号値のうち、検出信号の波形の特徴を示す特定信号値の特徴が、基準信号の波形の特徴を示す基準信号値の特徴と一致するかにより判定を行うが、一致しない場合には、特定信号値として着目すべく検出信号の位相をずらし、新たな位相の信号値を特定信号値として基準信号値と一致するか判定する。そして一致しないままサンプリング位相分ずつずらしていった位相が90度以上ずれた場合、静電容量式センサに異常が生じたと判定するのである。従って、静電容量式センサの異常を検出するための新たな構成を必要とせず、静電容量式センサによる被測定物の状態検出の際に入力される測定信号と、その出力の検出信号とを用いる簡易な構成で、静電容量式センサに異常が生じたか判定することができる。また、検出信号が正弦波波形であるので、基準信号との位相のずれを見るには多くのサンプリング点を必要とせず、例えば4点以上サンプリング点を取得すれば、基準信号や検出信号の特徴(基準信号値や特定信号値の特徴)を掴むことが可能であり、静電容量式センサが異常状態にあるか否かをより簡易な構成で判断することができる。
また、請求項4に係る発明によれば、静電容量式センサが異常状態にあるか否かを複数回の判断により行うことができるので、一時的な異常状態を検出してしまうことにより異常判定がなされてしまうことを防止し、静電容量式センサの異常判定に対する信頼性を高められる。
ところで、基準信号と検出信号とは、静電容量式センサにおける異常の発生とは関係なく90度までの位相ずれを生じ得るが、請求項5に係る発明のように、サンプリング位相を90度の約数とすれば、両者の位相ずれが最大の90度であるときに、測定誤差を見込んでも90度により近い位相において両者の位相ずれに対する判定を行うことができる。従って、静電容量式センサにおける異常の発生有無の判断を精度よく行うことができる。
以下、本発明を具体化した静電容量式センサの異常検出装置の一実施の形態について、図面を参照して説明する。ここでは、静電容量式センサの一例として尿素水溶液のレベル(液位)を検出するレベルセンサ100を挙げ、そのレベルセンサ100に搭載され、レベルセンサ100の異常を検出するための回路(異常検出回路20)およびプログラム(後述する異常検出プログラム)からなるシステムを、本発明に係る異常検出装置の一例として説明する。まず、本発明の第1の実施の形態として、レベルセンサ100の異常を検出するための異常検出回路20の電気的な構成について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、レベルセンサ100の異常を検出するための異常検出回路20の電気的な構成を示す図である。図2は、レベル検出部10の模式的な構造を示す図である。図3は、RAM80の記憶エリアの模式的な構成を示す図である。なお、レベルセンサ100の異常を検出する回路(異常検出回路20)は尿素水溶液のレベルを検出するための回路と共用されており、このレベル検出のための回路構成やプログラムについては公知であるため、その説明(後述)については簡略化する。
図1に示す、第1の実施の形態のレベルセンサ100は、自動車のディーゼルエンジンから排出される排気ガスの浄化に用いられる尿素水溶液16(図2参照)のレベルを検出するためのセンサとして用いられるものである。レベルセンサ100は尿素水溶液16に浸されてレベルを検出するためのレベル検出部10を有し、このレベル検出部10は、一対の電極間に介在する尿素水溶液16のレベルに応じて両電極間の静電容量が変化するコンデンサを構成する。図2に示すように、レベル検出部10は、円筒状の外筒電極11と、その外筒電極11の内部にて外筒電極11の軸線方向に沿って同心的に配置される円筒状の内部電極12とから構成される。内部電極12の表面上には誘電率の高い絶縁被膜(図示外)が塗布されている。なお、内部電極12は円筒状でなく、中実状であっても良い。
次に、図1に示すように、レベルセンサ100は、レベル検出部10に電圧を印加する回路において異常が生じたか否かを検出するための異常検出回路20を備える。異常検出回路20は、マイクロコンピュータ30、波形生成回路40、検出抵抗51および差動増幅回路50等を有する。マイクロコンピュータ30は、公知の構成のCPU60,ROM70,RAM80や、図示しない各種入出力ポートを備え、尿素水溶液16のレベルの検出結果をECU(エンジン制御装置)に対し出力する。CPU60は、レベルセンサ100の制御(第1の実施の形態においては、異常検出回路20の制御)を司る。ROM70には、後述する異常検出プログラムや、異常検出プログラムで使用される各種変数の初期値、閾値等が所定の記憶エリアに記憶されている。また、異常検出プログラムで使用される基準信号(後述)の波形の形状を示すデータも記憶されている。RAM80には、図3に示すように、異常検出プログラムの実行時に各種変数やカウント値、データなどが一時的に記憶されるワークエリア81や、レベル検出部10への測定信号の入力結果として得られる検出信号のサンプリングによって取得される信号値(電圧値)を記憶するサンプリングデータ記憶エリア82等が設けられている。また、ROM70やRAM80は、レベルセンサ100にて実行される他のプログラムと共用されるものであり、図示しないが、それらのプログラムで使用される記憶エリアも有している。
次に、図1に示す、波形生成回路40は、マイクロコンピュータ30の複数の出力ポートを利用して、電圧変化が正弦波波形をなす測定信号を生成する回路である。具体的に、波形生成回路40は、概略、マイクロコンピュータ30の複数の出力ポートにそれぞれ抵抗値の異なる抵抗器の一端を接続し、各抵抗器の他端を、ローパスフィルタの入力に接続した構成をなす。マイクロコンピュータ30の各出力ポートの出力電圧は、例えば0Vおよび+5Vの二値的な電圧であるが、各出力ポートのオン・オフを適宜組み合わせると、各抵抗器を介して合成される出力電圧を、0V〜5Vの範囲で段階的に切り替えることができる。したがって、マイクロコンピュータ30の各出力ポートのオン・オフのタイミングを調整し、予め定められた順序および周期にて切り替えることにより、正弦波の軌跡をたどる階段状の電圧波形を有した信号を出力することができる。なお、各抵抗器の一端を、それぞれトランジスタを介してバッテリに接続し、マイクロコンピュータ30の出力ポートで各トランジスタのオン・オフを制御し、各抵抗器でバッテリ電圧を降圧させて合成し、安定した出力電圧を得てもよい。このように生成した階段状の信号を、ローパスフィルタを通過させてスムージングすれば、電圧が滑らかに変動する正弦波波形の測定信号を生成することができる。第1の実施の形態では、一周期を8分割した1/8周期(進角45度)ごとにマイクロコンピュータ30の各出力ポートのオン・オフを所定のパターンにしたがって切り替えて階段状の信号を作成しスムージングして正弦波波形をなす測定信号を生成している。なお、この波形生成回路40については、特開2003−110364号公報にも記載されているため、波形生成回路40の詳細についての説明はここまでとする。
波形生成回路40の出力は、検出抵抗51を介してレベル検出部10の内部電極12に接続されており、外筒電極11側は接地されている。そして検出抵抗51の両端には差動増幅回路50が接続されている。レベル検出部10の内部電極12の電位は、波形生成回路40から出力される測定信号によって印加される電圧に応じて変動するが、その変動幅(すなわち振幅)が外筒電極11と内部電極12との間の静電容量によって左右される。内部電極12の電位は検出抵抗51を流れる電流に比例し、検出抵抗51の両端に現れる電位差として現れるので、差動増幅回路50では電流電圧変換して得た信号を検出信号とし、マイクロコンピュータ30へ出力している。
ここで、尿素水溶液16のレベル(水位)を検出する方法について簡単に説明する。図2に示すように、被測定物としての尿素水溶液16が収容されたタンク15内にレベル検出部10を配置したとき、外筒電極11と内部電極12との間には、尿素水溶液16に満たされる部位と空気層の残る部位とが生ずる。尿素水溶液16は導電性を有するため、外筒電極11と内部電極12との間の静電容量は、尿素水溶液16の介在する部位において形成される、絶縁被膜を誘電体とするコンデンサと、尿素水溶液16が介在しない部位において形成される、絶縁被膜および空気層を誘電体とするコンデンサとの合成容量となる。このため、外筒電極11と内部電極12との間の静電容量は、尿素水溶液16のレベルに応じ変化を生ずるものとなる。
図1に示す波形生成回路40で生成された正弦波波形をなす測定信号がレベル検出部10に入力されると、外筒電極11と内部電極12とからなるコンデンサは、周期変動する測定信号の電圧値と、内部電極12側の電位との電位差に応じて充放電を行う。したがって、波形生成回路40とレベル検出部10との間に設けられた検出抵抗51を流れる電流の向きや大きさが変化し、この検出抵抗51の両端の電位差を差動増幅回路50で検出して得られる検出信号は、もとの測定信号と同じ周波数で変動する正弦波波形をなす。コンデンサの静電容量に変化が生ずると、検出抵抗51を流れる電流の最大値や最小値にも変化が生ずることとなるため、レベルセンサ100では、検出信号の振幅をもとにタンク15内における尿素水溶液16のレベルの検出を行う。
ところで、異常検出回路20において電子部品の不具合やノイズ等の影響により異常が生じた場合、回路上に意図しなかった浮遊容量などが生じ、正常時の検出信号(以下、「基準信号」という。)に対し、サンプリングした検出信号の位相に大きなずれを生ずることがある。もっとも、レベル検出部10において、経時劣化等により外筒電極11と内部電極12との間の絶縁抵抗が下がると検出信号に意図しない抵抗成分が混入するため、上記異常の発生とは関係なく位相差として90度までは、ずれを生じ得る。そこで第1の実施の形態では、後述する異常検出プログラムの実行にしたがって、基準信号と検出信号との位相のずれに基づき、レベルセンサ100に異常が発生しているか否かの検出を行う。
以下、図4〜図11を参照し、異常検出プログラムの動作について説明する。図4は、第1の実施の形態の異常検出プログラムのフローチャートである。図5は、基準信号の一周期分の波形の形状を示すグラフである。図6は、検出信号の信号値を記憶したサンプリングデータ記憶エリア82の様子を模式的に示す図である。図7は、検出信号の一周期分の波形の形状を示すグラフである。図8は、位相を45度ずらした検出信号の信号値を記憶したサンプリングデータ記憶エリア82の様子を模式的に示す図である。図9は、位相を45度ずらした検出信号の一周期分の波形の形状を示すグラフである。図10は、位相を90度ずらした検出信号の信号値を記憶したサンプリングデータ記憶エリア82の様子を模式的に示す図である。図11は、位相を90度ずらした検出信号の一周期分の波形の形状を示すグラフである。なお、フローチャートの各ステップについては「S」と略記する。
まず、異常検出プログラムの実行において使用される変数やフラグ、カウンタ等について説明する。「異常状態」フラグは、異常検出プログラムでレベルセンサ100に異常が発生したと判定された場合に立てられるフラグであり、フラグ成立後はレベル検出が行われないように異常検出プログラム実行の終了判定に用いられる。「サンプリング回数」カウンタは、検出信号の信号値(電圧値)をサンプリング(取得)した回数を計数するためのカウンタで、サンプリングの終了タイミングを図るのに用いられる。変数「平均値」は、サンプリングした検出信号の信号値の平均値の算出結果を記憶する変数で、検出信号の波形の形状(後述)を特定するのに用いる。「位相補正」カウンタは、検出信号の波形の形状を基準信号の波形の形状と比べる際に、検出信号の位相をずらした角度を把握するのに用いるカウンタで、異常発生の有無を判定する際に用いられる。「異常仮発生回数」カウンタは、レベルセンサ100に異常が発生したと仮に判定した回数を計数するカウンタであり、異常仮発生回数が予め定められた設定値(例えば5回)に達すると、レベルセンサ100に異常が発生したと判定される。「波形比較」フラグは、検出信号の波形の形状と基準信号の波形の形状との比較の実施が初回か2回目以降であるかを確認するのに参照されるフラグであり、両信号の波形の形状の比較が実施されると成立する。
第1の実施の形態の異常検出プログラムは、レベルセンサ100で尿素水溶液16のレベル検出を行うにあたって、レベルセンサ100で実行されている制御プログラムからコールされるサブルーチンである。図4に示す、異常検出プログラムがコールされると、まず、異常状態フラグが参照され、以前の異常検出プログラムの実行の際に既にレベルセンサ100に異常状態が検出されていないか確認される(S11)。そして検出されている場合(異常状態フラグが成立している場合)にはそのまま異常検出プログラムを終了し、制御プログラムに戻る(S11:YES)。
異常状態が検出されていなければ(S11:NO)、初期化が行われ(S13)、サンプリング回数カウンタ、平均値、位相補正カウンタ、波形比較フラグがリセットされる。なお、異常状態フラグと異常仮発生回数カウンタはリセットされず、その値が持ち越される。
次のS15〜S21において、検出信号のサンプリングが行われる。マイクロコンピュータ30において、測定信号の生成タイミングと検出信号のサンプリングタイミングを同期させ、測定信号を基準に設定したタイミングにて検出信号の信号値(電圧値)のサンプリングが行われる。具体的に、サンプリングは以下の手順で行われる。まず、マイクロコンピュータ30において測定信号の生成を開始し、開始したタイミングを基準に設定された第1のタイミングに検出信号のサンプリングを行い、サンプリングデータ記憶エリア82の取得順で1番目に指定された記憶エリアに取得した信号値を記憶する(S15)。サンプリング回数を1増やし(S17)、予め定められた回数(第1の実施の形態では8回)に達しないうちはS15に戻る(S19:YES)。次に、測定信号の生成を再び開始し、第1のタイミングから、サンプリング間隔として予め定められたサンプリング位相(第1の実施の形態では測定信号の位相で45度)分ずらした第2のタイミングに検出信号のサンプリングを行い、サンプリングデータ記憶エリア82の取得順で2番目の記憶エリアに取得した信号値を記憶する(S15)。そして同様にサンプリング回数を1増やしてS15に戻る(S17,S19:YES)。以降も同様に繰り返し、1回のサンプリングにつきサンプリング間隔分の位相ずつずらしたタイミングで検出信号のサンプリングを行い、測定信号の一周期分の信号値を取得する。第1の実施の形態ではサンプリング間隔が45度であるのでサンプリングを8回行えば一周期、360度分の信号値を得られる。サンプリング回数が8回に達したら(S17,S19:NO)、取得した8つの信号値の平均値を算出して記憶する(S21)。なお、S15において、差動増幅回路50を介して検出信号の信号値を取得するCPU60が、本発明における「サンプリング手段」に相当する。また、取得した検出信号の信号値をサンプリングデータ記憶エリア82に記憶するRAM80が、本発明における「記憶手段」に相当する。
次に、S23〜S33で、検出信号の波形の形状を基準信号の波形の形状と比較して一致するか確認する。基準信号は、異常検出回路20およびレベル検出部10において異常が発生していない状態において、レベル検出部10に測定信号を入力して得られた検出信号を、上記のS15〜S21の処理によりサンプリングしたものである。さらに、この基準信号の波形の形状を特定する上で、その波形の形状の特徴が予め求められている。基準信号の波形の形状の特徴について、求め方の一例を以下に示す。図5に示すように、取得順(あるいは逆順でもよい)に信号値をサーチしていき、平均値(8つの信号値の平均値)より小さい信号値と大きい信号値とが連続する点(図5において取得順が3番目の信号値Xの点と、取得順が4番目の信号値Yの点)を特定する。そのうち平均値に近い信号値Yの点に着目し、この信号値Yの点を見出すのと同じ方法で特定される点が、信号値Yの点と同じ取得順すなわち4番目にあることを、基準信号の波形の形状の特徴とする。
図4に示すように、まず、基準信号の波形の形状の特徴と検出信号の波形の形状の特徴との比較が初回か2回目以降かを確認するため波形比較フラグが参照される(S23)。初回はS13でリセットされて波形比較フラグは成立していないのでS29に進み(S23:NO)、サンプリングデータ記憶エリア82に記憶された検出信号の各信号値から検出信号の波形の形状を特定するための特徴を求める(S29)。例えば図6に示すように、検出信号のサンプリング結果として、取得順に信号値A〜Hを得たとする。各信号値A〜Hの大きさの関係は、図7に示す。平均値(信号値A〜Hの平均値)よりも小さい信号値と大きい信号値とが取得順に連続する点は、図7に示すように、信号値Eの点と信号値Fの点であり、そのうち平均値に近い信号値Fは取得順が6番である。したがって検出信号の波形の形状の特徴は、着目した信号値Fの点の取得順が6番であることとなる。なお、S29で、検出信号の波形の形状を特定するための特徴を求めるCPU60が、本発明の「波形形状特定手段」に相当する。
この検出信号の波形の形状の特徴(着目した点(信号値Fの点)の取得順が6番であること)は基準信号の波形の形状の特徴(着目した点(信号値Yの点)の取得順が4番であること)と一致せず(S31:NO)、また、波形の比較が初回であるので位置補正カウンタは0のままであり(S33:YES)、S23に戻る。また、S31の処理の際に、波形比較フラグが立てられる。
そしてS23では、波形比較フラグが成立しているので2巡目以降と判断し(S23:YES)、サンプリングデータ記憶エリア82に記憶された検出信号の信号値が巡回シフトされ、取得順に対する信号値の巡回的な並び替えが行われる(S25)。具体的には、図8に示すように、取得順1番の信号値Aがバッファに退避され、取得順2番以降の信号値B〜Hの取得順がそれぞれ1ずつ昇順されるように各信号値がシフトされた後、信号値Aが新たに取得順8番として記憶される。この処理により、検出信号の新たな波形は、図9に示すように、もとの検出信号の波形(図7参照)に対し位相がサンプリング位相分(すなわち45度)ずれた波形となる。なお、2巡目以降に検出信号の信号値を巡回シフトさせつつS23〜S33の処理を行うCPU60が、本発明の「再判定手段」に相当する。
次に、図4に示すように、巡回シフトによって生成された新たな検出信号の波形の位相が、元の検出信号の波形の位相に対しずれた分(45度)が位相補正カウンタに加算される(S27)。そして、上記同様に新たな検出信号の波形の形状を特定するための特徴が求められる(S29)。新たな検出信号の波形の形状の特徴は、図9に示すように、着目した信号値Fの点の取得順が5番であることであり、基準信号の波形の形状の特徴と一致しない(S31:NO)。また、位置補正カウンタは上記S27の処理にて45度となっており、90度未満であるので(S33:YES)、再度、S23に戻り、巡回シフトと位相補正カウンタの加算が行われる(S23:YES,S25,S27)。すなわち図10に示すように、取得順1番の信号値Bがバッファに退避され、取得順2番以降の信号値C〜H,Aの取得順がそれぞれ1ずつ昇順された後、信号値Bが新たに取得順8番として記憶される。この処理により、検出信号の新たな波形は、図11に示すように、もとの検出信号の波形(図7参照)に対し位相がサンプリング位相2回分(90度)ずれた波形となる。
ここで、S29で求められる新たな検出信号の波形の形状の特徴、すなわち、図11に示すように、着目した信号値Fの点の取得順が4番であることが、基準信号の波形の形状の特徴と一致すると(S31:YES)、基準信号の位相と検出信号の位相とのずれは、90度以内、または90度にサンプリング位相分の誤差を加えた位相以内のものであることとなる。つまり、基準信号の位相と検出信号の位相とにずれがあっても、レベル検出部10における絶縁抵抗の低下により生じ得る抵抗成分の混入に起因する程度のものであり、レベルセンサ100に異常は生じていないと判断される。より詳細に、第1の実施の形態の異常検出プログラムでは、上記したように、CPU60の指示により生成した測定信号をレベル検出部10に入力し、出力される検出信号のうち狙いの位相において信号値を取得する。そして狙いの位相をずらし、同処理を繰り返し行って、検出信号一周期分の信号値を取得している。このため、D/A変換やA/D変換に絡むタイミングのずれなどの影響により、検出信号の信号値を取得するタイミングのずれによる測定誤差を生ずる場合があるが、第1の実施の形態では、このように、基準信号の位相と検出信号の位相とのずれに対し測定誤差を見込んだ上で、レベルセンサ100の異常発生の有無についての判断を行っている。そして、レベルセンサ100に異常が生じていないと判断された場合には、異常仮発生回数のリセット後に(S41)、上記したように、検出信号の振幅をもとにタンク15内における尿素水溶液16のレベルの検出が行われ(S43)、その後、異常検出プログラムが終了されて、制御プログラムに戻る。なお、S31で、検出信号の波形の形状の特徴が基準信号の波形の形状の特徴と一致する場合に、レベルセンサ100が正常であると判定するCPU60が、本発明の「正常判定手段」に相当する。
一方、S31において、第1の実施の形態のようにサンプリング位相が45度の場合、基準信号と検出信号との比較が3巡目となると、両信号の位相のずれが90度となる。この場合において、S29で求められた新たな検出信号の波形の形状の特徴が基準信号の波形の形状の特徴と一致しなければ(S31:NO,S33:NO)、基準信号の位相と検出信号の位相とのずれが、異常検出回路20において生じた電子部品の不具合やノイズ等の影響に起因するものとされ、レベルセンサ100に異常が生じたと仮に判断されて、異常仮発生回数が1加算される(S35)。異常仮発生回数が設定値(例えば5回)未満であれば(S37:NO)、そのまま異常検出プログラムを終了して制御プログラムに戻り、次回のレベル検出の際には、今回加算された異常仮発生回数のまま、レベルセンサ100の異常状態の検出が行われる。なお、S33で、位相補正カウンタに基づきレベルセンサ100に異常が生じたと仮に判定するCPU60が、本発明の「仮判定手段」に相当し、S35で以上仮発生回数を1加算するCPU60が、本発明の「計数手段」に相当する。
異常仮発生回数が設定値に達しないうちは、制御プログラムからレベル検出のため異常検出プログラムがコールされる度に、上記一連の処理による異常発生の有無の検出が行われる。異常検出プログラムが繰り返し実行される中で、レベルセンサ100に異常が生じていないと判断された場合には、上記のようにS41で異常仮発生回数がリセットされる。しかし、異常検出プログラムの実行の都度、レベルセンサ100に異常が仮に発生したと判断され、異常仮発生回数が設定値に達すると(S37:YES)、レベルセンサ100に異常が発生したと断定され、異常状態フラグが成立されて(S39)、異常検出プログラムが終了する。以後、制御プログラムから異常検出プログラムがコールされても、異常状態フラグが成立しているので(S11:YES)、レベルセンサ100の異常発生の検出やレベル検出は行われない。なお、S33〜S39によってレベルセンサ100に異常が発生したと判定するCPU60が、本発明の「異常判定手段」に相当する。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態の異常検出装置は、第1の実施の形態のレベルセンサ100と同構成をなし、異常検出プログラムの一部が異なるものである。ここでは、異常検出プログラムの動作で異なる部分について、図12を参照して説明し、その他の部分の処理やレベルセンサ100の構成については説明を省略または簡略化する。図12は、第2の実施の形態の異常検出プログラムのフローチャートである。なお、図12の異常検出プログラムのフローチャートでは、図4のフローチャートと同一内容の処理については同一のステップ番号を付した。また、基準信号および検出信号については、第1の実施の形態と同一の信号(それぞれ図5および図7)を例に説明する。
第2の実施の形態の異常検出プログラムでは、以下のようにレベルセンサ100の異常発生の有無が検出される。まず、予め基準信号の各信号値のうち特徴を有する信号値(基準信号値)を特定しておき、第1の実施の形態と同様に検出信号のサンプリングを行って得られた信号値のうち、基準信号値と同位相の信号値に着目し、これを特定信号値としてその特徴を調べる。基準信号値と特定信号値との特徴が異なれば、着目する位相をずらし、新たな信号値を特定信号値としてその特徴を調べ、同様に基準信号値と特定信号値との特徴の比較を行う。初回の特定信号値の位相から90度(または90度に測定誤差を加算した位相)以上ずらす前に、基準信号値と特定信号値との特徴が一致すれば、レベルセンサ100に異常の発生はないとする。
具体的に、図12に示すように、第2の実施の形態の異常検出プログラムにおいても、第1の実施の形態と同様の手法で、検出信号のサンプリングが行われる(S15〜S19)。そして、S23〜S33では、検出信号の着目する位相における信号値(特定信号値)の特徴と、基準信号の着目する位相における信号値(基準信号値)の特徴との比較による異常発生の有無の検出が行われる。ここで、基準信号の基準信号値の設定の仕方の一例を以下に示す。図5に示す、基準信号の波形は、取得順が6番目の信号値Zの点において、その信号値Zが極大値を示す。基準信号は波形が正弦波形状であるため一周期内に極大値は1つであり、取得順の6番目の信号値が極大値を示すことが、基準信号の特徴であると言える。したがって、取得順の6番目の位相を着目する位相(特定の位相)として設定し、その特定の位相において信号値が極大値を示すことを、基準信号の特徴とするのである。
したがって、図12に示すように、検出信号の特徴と基準信号の特徴との初回の比較においては(S23:NO)、特定の位相を取得順で6番目の位相とし、その位相における検出信号の信号値F(図6,図7参照)を特定信号値とする。この特定信号値(信号値F)は、信号値A〜Hの中で極大値でないという特徴を有し(S30)、基準信号値の特徴(極大値であること)とは一致しない(S32:NO)。なお、このとき、波形比較フラグが立てられる。特徴の比較が初回であるので位置補正カウンタは0のままであり(S33:YES)、S23に戻る。なお、S30で特定信号値の特徴を得るCPU60が、本発明の「信号値特徴取得手段」に相当する。
2巡目では(S23:YES)、着目する位相をサンプリング位相分ずらして変更し、取得順が7番目の位相が新たな特定の位相として設定される(S26)。この処理により、検出信号の新たな特定信号値が、もとの検出信号の特定信号値に対し位相がサンプリング位相分(すなわち45度)ずれた位相における信号値となるため、位相補正カウンタには+45度が加算される(S27)。上記同様、新たな特定の位相(取得順7番目)の信号値G(図6,図7参照)について特徴を確認すると、信号値A〜Hの中で極大値でないという特徴が得られ(S30)、基準信号値の特徴とは一致しない(S32:NO)。また、位置補正カウンタは上記S27の処理にて45度となっており、90度未満であるので(S33:YES)、再度S23に戻る。
そして3巡目では、取得順の8番目の位相が新たな特定の位相として設定され、位置補正カウンタに45度が加算される(S23:YES,S26,S27)。上記同様、新たな特定の位相(取得順8番目)の信号値H(図6,図7参照)について特徴を確認すると、信号値A〜Hの中で極大値であるという特徴が得られ(S30)、この特徴は基準信号値の特徴と一致する(S32:YES)。したがって、レベルセンサ100に異常は生じていないと判断され、異常仮発生回数のリセット後に(S41)、尿素水溶液16のレベルの検出が行われ(S43)、その後、異常検出プログラムが終了されて、制御プログラムに戻る。
一方、この3巡目において、位相補正カウンタが90度となったにもかかわらず特定信号値の特徴が基準信号値の特徴と一致しなかった場合には(S32:NO,S33:NO)、レベルセンサ100に異常が生じたと仮に判断さる(S35)。そして、異常検出プログラムが繰り返し実行される中で異常仮発生回数が設定値(例えば5回)に達すると(S37:YES)、レベルセンサ100に異常が発生したと断定されることは(S39)、第1の実施の形態と同様である。なお、異常仮発生回数が設定値未満であれば(S37:NO)、そのまま異常検出プログラムを終了して制御プログラムに戻り、次回のレベル検出の際には、今回加算された異常仮発生回数のまま、レベルセンサ100の異常状態の検出が行われる。
なお、本発明は各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、第1の実施の形態において、基準信号の波形の形状の特徴の求め方は上記した方法に限らず、様々な方法を用いてもよい。極大値、極小値を有する信号値を求め、それぞれの信号値の取得順を波形の形状の特徴としてもよい。
また、第2の実施の形態では、基準信号値の特徴として、着目した位相において信号値が極大値となることを特徴としたが、極小値であることを特徴としてもよいし、平均値を求め、信号値の中で基準信号値が最も平均値に近い値であることを特徴としてもよい。この場合、第1の実施の形態のように、S19とS23の間にS21を設け、検出信号の各信号値の平均値を求め、得られた平均値を特定信号値の特徴把握に用いてもよい。
また、サンプリング回数を8回としたがこれに限らず、7回以下であっても、あるいは9回以上であってもよく、検出信号一周期分の信号値のサンプリングが行えればよい。なお、基準信号と検出信号とが異常の発生とは関係なく90度までの位相ずれを生じ得るので、サンプリング位相を90度の約数とすれば、両者の位相ずれが最大の90度であるときに、測定誤差を見込んでも90度により近い位相において両者の位相ずれに対する判定を行うことができるので、精度の高い異常発生の有無の判断を行うことができ、好ましい。さらに、検出信号一周期分の信号値のサンプリングを行うには、サンプリング位相×サンプリング回数が一周期分の位相、すなわち360度となるように、サンプリング回数を決定すればよい。そして、これにより決定したサンプリング回数をS19におけるしきい値とするとともに、決定したサンプリング位相をS27における位相補正カウンタの増分とすればよい。
また、S33〜S39では、位相補正カウンタが90度以上となったら異常仮発生回数を加算し、その異常発生回数が設定値に達したら、レベルセンサ100に異常が発生したと判定したことにより、誤判断による異常判定をなくし、判定の信頼性を高めることができた。もちろん、異常仮発生回数のカウントを行わず、位相補正カウンタが90度以上となっただけで即座にレベルセンサ100に異常が発生したと判定してもよい。
また、レベルセンサ100に搭載した異常検出回路20は、レベル検出を行う回路とは別途設けてもよい。また、レベルセンサ100とは別体に設け、例えばレベルセンサとECUとの間にて中継するように配置させてもよい。
レベルセンサ100の異常を検出するための異常検出回路20の電気的な構成を示す図である。 レベル検出部10の模式的な構造を示す図である。 RAM80の記憶エリアの模式的な構成を示す図である。 第1の実施の形態の異常検出プログラムのフローチャートである。 基準信号の一周期分の波形の形状を示すグラフである。 検出信号の信号値を記憶したサンプリングデータ記憶エリア82の様子を模式的に示す図である。 検出信号の一周期分の波形の形状を示すグラフである。 位相を45度ずらした検出信号の信号値を記憶したサンプリングデータ記憶エリア82の様子を模式的に示す図である。 位相を45度ずらした検出信号の一周期分の波形の形状を示すグラフである。 位相を90度ずらした検出信号の信号値を記憶したサンプリングデータ記憶エリア82の様子を模式的に示す図である。 検位相を90度ずらした出信号の一周期分の波形の形状を示すグラフである。 第2の実施の形態の異常検出プログラムのフローチャートである。
符号の説明
10 レベル検出部
11 外筒電極
12 内部電極
16 尿素水溶液
20 異常検出回路
30 マイクロコンピュータ
40 波形生成回路
50 差動増幅回路
51 検出抵抗
60 CPU
80 RAM
82 サンプリングデータ記憶エリア
100 レベルセンサ

Claims (5)

  1. コンデンサを構成する一対の電極間に被測定物を介在させ、前記電極間に電圧が周期的に変動する正弦波波形をなす測定信号を入力し、その出力として得られた検出信号の波形の状態に基づいて前記被測定物の状態を検出する静電容量式センサが異常状態にあるか否かを検出する静電容量式センサの異常検出装置であって、
    前記測定信号の波形の変動周期に基づいて定められた当該変動周期よりも短い一定間隔の位相であるサンプリング位相ごとに、前記測定信号の変動周期の一周期分における前記検出信号の信号値を取得するサンプリング手段と、
    取得した前記検出信号の前記信号値を、その信号値の取得順に関連付けて記憶する記憶手段と、
    前記検出信号の前記信号値と前記取得順との相関関係から、前記検出信号の波形形状を特定するための特徴を得る波形形状特定手段と、
    特定した前記検出信号の波形形状の特徴と、予め取得した正常時の検出信号である基準信号の波形形状の特徴とを比較し、両者が一致する場合に、前記静電容量式センサが正常であると判定する正常判定手段と、
    前記検出信号の波形形状の特徴と前記基準信号の波形形状の特徴とが一致しない場合、前記検出信号の前記信号値と前記取得順との相関関係を前記一周期内で巡回的に1ずつずらし、再度、前記波形形状特定手段および前記正常判定手段よる判定を行う再判定手段と、
    前記再判定手段による判定において前記静電容量式センサが正常であるとは判定されず、且つ、初回の前記検出信号の波形の位相に対し、前記信号値と前記取得順との相関関係をずらした後の前記検出信号の波形の位相が90度以上ずれた場合、前記静電容量式センサに異常が生じたと判定する異常判定手段と、
    を備えたことを特徴とする静電容量式センサの異常検出装置。
  2. 前記異常判定手段は、
    前記再判定手段による判定において前記静電容量式センサが正常であるとは判定されず、且つ、初回の前記検出信号の波形の位相に対し、前記信号値と前記取得順との相関関係をずらした後の前記検出信号の波形の位相が90度以上ずれた場合、前記静電容量式センサに異常が生じたと仮に判定する仮判定手段と、
    前記仮判定手段によって前記静電容量式センサが異常状態にあると仮に判定された回数を計数する計数手段と、
    を備え、
    前記計数手段により計数された仮判定回数が予め定められた基準回数に達した場合に、前記静電容量式センサが異常状態にあると判定することを特徴とする請求項1に記載の静電容量式センサの異常検出装置。
  3. コンデンサを構成する一対の電極間に被測定物を介在させ、前記電極間に電圧が周期的に変動する正弦波波形をなす測定信号を入力し、その出力として得られた検出信号の波形の状態に基づいて前記被測定物の状態を検出する静電容量式センサが異常状態にあるか否かを検出する静電容量式センサの異常検出装置であって、
    前記測定信号の波形の変動周期に基づいて定められた当該変動周期よりも短い一定間隔の位相であるサンプリング位相ごとに、前記測定信号の変動周期の一周期分における前記検出信号の信号値を取得するサンプリング手段と、
    取得した前記検出信号の前記信号値を、その信号値の取得順に関連付けて記憶する記憶手段と、
    前記検出信号の前記信号値のうち特定の位相における前記信号値を特定信号値として着目し、前記特定信号値の特徴を得る信号値特徴取得手段と、
    予め取得した正常時の検出信号において前記特定の位相における前記信号値を基準信号値とし、その基準信号値の特徴と前記特定信号値の特徴とが一致する場合に、前記静電容量式センサが正常であると判定する正常判定手段と、
    前記基準信号値の特徴と前記特定信号値の特徴とが一致しない場合、前記特定の位相を前記サンプリング位相分ずらし、その位相における前記検出信号の前記信号値を新たな特定信号値として、再度、前記信号値特徴取得手段および前記正常判定手段よる判定を行う再判定手段と、
    前記再判定手段による判定において前記静電容量式センサが正常であるとは判定されず、且つ、初回の前記特定の位相に対し、着目する位相が90度以上ずれた場合、前記静電容量式センサに異常が生じたと判定する異常判定手段と、
    を備えたことを特徴とする静電容量式センサの異常検出装置。
  4. 前記異常判定手段は、
    前記再判定手段による判定において前記静電容量式センサが正常であるとは判定されず、且つ、初回の前記特定の位相に対し、着目する位相が90度以上ずれた場合、前記静電容量式センサに異常が生じたと仮に判定する仮判定手段と、
    前記仮判定手段によって前記静電容量式センサが異常状態にあると仮に判定された回数を計数する計数手段と、
    を備え、
    前記計数手段により計数された仮判定回数が予め定められた基準回数に達した場合に、前記静電容量式センサが異常状態にあると判定することを特徴とする請求項3に記載の静電容量式センサの異常検出装置。
  5. 前記サンプリング位相が90度の約数であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電容量式センサの異常検出装置。
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