JP2009265030A - 自然災害発生検知システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電流が流れることにより災害検知線の断線を検知する断線検知回路1と、電流が流れることにより災害検知線の短絡を検知する短絡検知回路2と、自然災害発生予測領域に設置した定電流器4とを直流電源5に対してそれぞれ並列に接続し、災害検知線が定電流器に対して配線を引き回して接続して構成される自然災害発生検知装置を複数準備し、複数の自然災害発生検知装置で一定範囲の地域Xにおける災害を検知するシステムとし、一定範囲の地域において災害を検知し易い複数地区a,b,c,dに各自然災害発生検知装置の災害検知線3を設置することで災害の進行状況を把握可能とする。
【選択図】 図1
Description
自然災害の発生を予測して検知する装置としては、図10に示すように、抵抗A,抵抗A´,抵抗B,抵抗B´で構成されるブリッジ回路60において、抵抗B´に対して断線感知器を直列に接続するとともに、抵抗B´に対して短絡感知器を並列に接続する構成が存在する。断線感知器及び短絡感知器は、自然災害が発生し易い場所に設置して自然災害の前兆となる土地状態等の変化(例えば土砂の移動が発生すること)による機械的な動作により接点が閉じる(若しくは開く)構成により、その設置場所における断線や短絡をスポット的に感知するものである。
そして、上記回路において、「抵抗Aの抵抗値=抵抗A´の抵抗値」「抵抗Bの抵抗値=抵抗B´の抵抗値+配線抵抗C」とすることで、通常時においてブリッジ回路の平衡性を維持し、断線感知器61や短絡感知器62で断線や短絡を感知した場合にブリッジ回路60の抵抗値の平衡性が崩れることで、ブリッジ回路60の中間位置同士間に接続された検知器65に電流が流れて断線や短絡の発生を検知するものである。
また、上記構造によれば、断線感知器61や短絡感知器62を設置した場所でのスポット的な点検知であり、ある程度の範囲で検知を行うためには、多数の感知器を設置する必要があり、費用がかかるという問題があった。すなわち、上述の自然災害発生検出装置では、断線や短絡の発生を広域範囲な一定領域で検知(線状的な検知)することができないという問題点があった。
前記災害検知線は、前記定電流器に対して配線を引き回して接続するとともに、配線における導電性部分が露出した裸線部を有する一方、
前記災害検知線が正常である場合には前記断線検知回路及び前記短絡検知回路に電流を流すことなく、前記災害検知線が断線した際に前記断線検知回路にのみ選択的に電流を流すとともに、前記災害検知線が短絡した際に前記短絡検知回路にのみ選択的に電流を流すように構成した制御回路と、
を具備する自然災害発生検知装置を複数準備し、前記複数の自然災害発生検知装置で一定範囲の地域における災害を検知するシステムとし、前記一定範囲の地域において災害を検知し易い複数地区に各自然災害発生検知装置の災害検知線を設置することを特徴としている。
そして、各自然災害発生検知装置は、第1のトランジスタが導通状態となって電流が流れることにより災害検知線の断線を検知する断線検知回路と、第2のトランジスタが導通状態となって電流が流れることにより災害検知線の短絡を検知する短絡検知回路と、自然災害発生予測領域に設置した定電流器とを直流電源に対してそれぞれ並列に接続して成り、次の構成を含むことを特徴としている。
前記災害検知線は、前記定電流器に対して配線を引き回して接続する。
前記災害検知線は、配線における導電性部分が露出した裸線部を有する。
前記第1のトランジスタのオン・オフ制御を行う第3のトランジスタを設ける。
前記第3のトランジスタのベースに電位差を発生させるための断線検知側電位差抵抗を設ける。
前記第2のトランジスタのオン・オフ制御を行う第4のトランジスタを設ける。
前記第4のトランジスタのオン・オフ制御を行う第5のトランジスタを設ける。
前記第5のトランジスタのベースに接続された定電圧ダイオードを設ける。
前記定電圧ダイオードに電位差を発生させるための短絡検知側電位差抵抗を設ける。
また、自然災害発生検知装置の定電流器は、自然災害発生予測領域において、災害検知線の短絡が発生し易い箇所に設置することが好ましい。
そして、複数の自然災害発生検知装置で一定範囲の地域における災害を検知するシステムとし、災害検知線を設置する複数地区において、災害の予兆を検知できる地域を含ませることにより、一定範囲の地域において災害を検知するに際して、災害の進行状況を把握することができ、一定範囲の地域内の災害発生に対して的確な対応をすることができる。
本発明の自然災害発生検知システムは、図1に示すように、自然災害発生検知装置を複数準備し、複数の自然災害発生検知装置で一定範囲の地域Xにおける災害を検知するシステムとしている。
各自然災害発生検知装置は、自然災害発生予測領域に設置した定電流器4と、定電流器4に接続された災害検知線3と、災害検知線3の断線を検知する断線検知回路1と、災害検知線3の短絡を検知する短絡検知回路2と直流電源5に対してそれぞれ並列に接続して構成されている。
各自然災害発生検知装置の断線検知回路1、短絡検知回路2、直流電源5は、同一のボックス100内に収納され、このボックス100に設けられた各地区の断線又は短絡のモニター手段(図示せず)により一つの場所で監視できるようになっている。モニター手段は、各自然災害発生検知装置に対して断線用と短絡用の2個が設けられ、例えば、断線又は短絡時に点灯する又は警報を発するような構造となっている。
災害を検知し易い複数地区a,b,c,dとは、土砂崩れや雪崩が頻繁に発生する箇所に加えて、例えば、道路・鉄道におけるトンネルの両側位置、河川の分岐箇所、道路や鉄道の分岐点等を含ませることが考えられ、複数地区a,b,c,dの全体を監視することで、予兆を含む災害の発生当初からの進行状況が把握できるようにする。
また、自然災害発生検知システムにおける各自然災害発生検知装置の直流電源5はそれぞれ独立しているので、一つの直流電源5に故障等が発生した場合においても、他の自然災害発生検知装置の動作に影響を与えることがない。各自然災害発生検知装置で電源を共有にした場合は、雷等で一つの自然災害発生検知装置が電源部まで被害が及ぶと、他の自然災害発生検知装置の回路が正常であっても使用不可能になるという欠点がある。
断線検知回路1は、断線検知回路1に直列に接続された第1のトランジスタ10が導通状態となって電流が流れることにより、この電流値を計測回路(図示せず)で測定することで災害検知線3の断線を検知し、例えばリレー回路(図示せず)を動作させ、自然災害検知装置が設置された近隣に災害発生を知らせる警報器を駆動(警報を鳴らす)して報知するようにしたり、有線・無線・衛星通信で消防署等に通達するように構成されている。
第1のトランジスタ10のベース側には、この第1のトランジスタ10のオン・オフ制御を行うための第3のトランジスタ11のコレクタ側が接続されている。第3のトランジスタ11のベース・エミッタ間には、第3のトランジスタ11のベースに電位差を発生させるための断線検知側電位差抵抗12が接続されることで、第1のトランジスタ10のオン・オフを制御する制御回路が構成されている。
第2のトランジスタ20のベース側には、この第2のトランジスタのオン・オフ制御を行う第4のトランジスタ21のコレクタ側が接続されている。第4のトランジスタ21のベース・エミッタ間には、この第4のトランジスタ21のオン・オフ制御を行う第5のトランジスタ22が接続されている。
第5のトランジスタ22のベース側には定電圧ダイオード23が接続され、この定電圧ダイオードと第5のトランジスタのエミッタ間に、定電圧ダイオード23を介して、この定電圧ダイオード23に電位差を発生させて第5のトランジスタのベースに電流を流すための短絡検知側電位差抵抗24が接続されている。
したがって、第4のトランジスタ21、第5のトランジスタ22、定電圧ダイオード23、短絡検知側電位差抵抗24により、第2のトランジスタ20のオン・オフを制御する制御回路が構成されている。
同様に、短絡検知側電位差抵抗24において、第5のトランジスタ22のベースに接続された側は、災害検知線3及び定電流器4に接続されている。
配線の引き回しの具体的な構造は、自然災害の発生を予測して検知し易い場所や検知したい災害の種類によって異なるものであり、具体的な配線の引き回し例については後述する。
これに対して、図4(a)に示すように、災害検知線3の被覆部3bを支柱6に固定すれば、揺れによる断線発生を防止でき、断線検知に対する信頼性の向上を図ることができる。災害地域の地面に設置する支柱6の間隔は、地形、風土や環境及び土質の相違により異なるため、裸線部3aに対する被覆部3bの位置についても不規則な間隔に設けられている。
(正常時)
災害検知線3に断線や短絡がない正常時の場合(図5(a))、定電流器4の抵抗値R1を含む回路の抵抗値の抵抗値Rは、配線抵抗Rpを考慮した場合、R=R1+Rpとなる。ただし、Rpは、「Rp=(R2×R3)/(R2+R3)+検知線3の抵抗値」で示される。したがって、直流電源電圧をVとすると、災害検知線3には電流I(=V/(R1+Rp))が流れる。
この電流Iにより短絡検知側電位差抵抗24の抵抗R2の両端(第5のトランジスタ22のエミッタと定電圧ダイオード23間)に電位差が発生するが、電流Iが小さいので定電圧ダイオード23が動作に十分な電位差が生じない。そのため、第5のトランジスタ22はオフ状態を維持する。
第4のトランジスタ21のベース・エミッタ間に直流電源5による電源電圧がかかりベース電流が流れる。その結果、第4のトランジスタ21がオン状態となり、第2のトランジスタ20がオフ状態となる。
同時に電流Iにより断線検知側電位差抵抗12の抵抗R3の両端(第3のトランジスタ11のエミッタとベース間)に電位差が発生する。電流Iは小さいが第3のトランジスタ11を導通させるに十分な電位差が発生する。その結果、第3のトランジスタ11がオン状態となり、第1のトランジスタ10がオフ状態を維持する。
災害検知線3のいずれかの箇所に断線が生じた場合(図5(b))、災害検知線3には断線により電流が流れない。したがって、短絡検知側電位差抵抗24の抵抗R2の両端(第5のトランジスタ22のエミッタと定電圧ダイオード23間)に電位差が発生せず、定電圧ダイオード23が動作しない。そのため、第5のトランジスタがオフ状態を維持する。
一方、第4のトランジスタ21のベース・エミッタ間には直流電源5による電源電圧がかかり、ベース電流が流れるため、第4のトランジスタ21がオン状態となり、第2のトランジスタ20がオフ状態を維持する。
第3のトランジスタについては、断線検知側電位差抵抗12に電流が流れないので抵抗R3の両端に電位差が発生せず、第3のトランジスタ11がオフ状態となる。その結果、第1のトランジスタ10のベース・エミッタ間に直流電源5による電源電圧がかかり、第1のトランジスタ10がオン状態となり、断線検出回路1に電流が流れて断線発生を検知する。
災害検知線3のいずれかの箇所に短絡が生じた場合(図5(c))、災害検知線3には短絡箇所により抵抗値が変動するので、それに応じた短絡電流Isが流れる。この短絡電流Isは、定電流器4の抵抗R1を流れないので、正常時に流れる電流Iよりも十分大きい値となる。
そして、この短絡電流Isにより短絡検知側電位差抵抗24の抵抗R2の両端(第5のトランジスタ22のエミッタと定電圧ダイオード23間)に定電圧ダイオード23が動作に十分な電位差が発生し、第5のトランジスタ22がオン状態となることで、第4のトランジスタ21にベース電流が流れず、第4のトランジスタ21がオフ状態を維持する。
第4のトランジスタ21がオフ状態を維持した場合、第2のトランジスタ20のベース・エミッタ間に短絡電流Isの電圧効果による電圧差が発生し、第2のトランジスタ20がオン状態となり、短絡検出回路2に電流が流れて短絡発生を検知する。
同時に、短絡電流Isにより断線検知側電位差抵抗12の抵抗R3の両端(第3のトランジスタ11のエミッタとベース間)に電位差が発生し、第3のトランジスタ11がオン状態となり、第1のトランジスタ10がオフ状態を維持する。
短絡が生じた部分の短絡抵抗Rsについては、土質、土砂や雪崩に含まれる水分や不純物の量により異なる値となる。そして、前記した合成抵抗値Rtが小さくなれば、大きい短絡電流Isが流れることになる。
短絡電流Isは異常発生を検知するため、ある一定値以上である(正常時の電流値と区別できる)必要があるが、短絡電流Isの値が同じ大きさであるとすると、配線抵抗を含む合成抵抗値Rtが同じ大きさとなる。その場合、定電流器4の抵抗R1を小さくすることにより、合成抵抗値Rtにおける配線抵抗の値を大きく設定することができる。
配線抵抗を大きく設定できるということは、芯径が同じ災害検知線3を使用した場合、それだけ長く引き回すことが可能であることを意味するので、より広範囲の領域における災害の検知を行うことができ、短絡予報の信頼性を向上させることができる。
したがって、合成抵抗値Rtの値に影響する定電流器4の抵抗R1は、可能な範囲で小さくなるように設定するのが好ましい。
災害検知線の断線及び短絡の発生は、断線検知回路1又は短絡検知回路2に電流が流れるか否かで判断されるため、災害予測検知の異常発生に対してタイムラグなく断線及び短絡の発生を検知することができる。
例えば、図6(a)に示すように谷における災害発生を予測して検知する場合には、図7(a)に示すように、降雨に際して水を含み易い谷の上部に定電流器4を設置し台形状に災害検知線3を引き回して構成する。
また、地形が複雑な場所に設置する場合には、これらの引き回し線の構成を組み合わせた引き回しの構成であってよい。
同一地域の配線を結ぶ定電流器4(R1)の値を可能な限り小さくするように設定することは、水分を含む自然災害予報を行い次に生ずる地形変化による断線で災害発生を予測して検知して報知するに際して、信頼性の高い報知を行うことができる。
図8は、図2の自然災害発生検知装置に対して、直流電源の+端子側に、ON/OFFスイッチS1から構成される誤動作判別回路40を接続して構成されている。図中、図2の回路図と同一構成をとる部分については同一符号を付している。
すなわち、図2の自然災害発生検知装置に対して、直流電源の−端子側に、断線検知回路1及び短絡検知回路2側と、断線検知側電位差抵抗12及び短絡検知側電位差抵抗24とを選択的に接続する選択スイッチS2を含んで構成される誤動作判別回路50を接続して構成されている。この回路では、断線検知回路1及び短絡検知回路2側と、断線検知側電位差抵抗12及び短絡検知側電位差抵抗24との間に逆流防止用のダイオード51が選択スイッチS2に対して接続されている。
そして、追加・補修工事終了後に、選択スイッチS2を接点2側に接続した状態とすれば、図2と同様の断線検知装置1及び短絡検知回路2による災害検知を行うことができる。
信頼性の高い検知を行うことができる。
そして、断線検知及び短絡検知を行うことで、自然災害発生予測領域における土地状態等の変化を検知して災害発生の予測を行うことができる。
2 短絡検知回路
3 災害検知線
3a 裸線部
3b 被覆部
4 定電流器
5 直流電源
6 支柱
10 第1のトランジスタ
11 第3のトランジスタ
12 断線検知側電位差抵抗
20 第2のトランジスタ
21 第4のトランジスタ
22 第5のトランジスタ
23 定電圧ダイオード
24 短絡検知側電位差抵抗
40 誤動作判別回路
50 誤動作判別回路
X 一定範囲の地域
Claims (5)
- 電流が流れることにより災害検知線の断線を検知する断線検知回路と、電流が流れることにより災害検知線の短絡を検知する短絡検知回路と、自然災害発生予測領域に設置した定電流器とを直流電源に対してそれぞれ並列に接続し、
前記災害検知線は、前記定電流器に対して配線を引き回して接続するとともに、配線における導電性部分が露出した裸線部を有する一方、
前記災害検知線が正常である場合には前記断線検知回路及び前記短絡検知回路に電流を流すことなく、前記災害検知線が断線した際に前記断線検知回路にのみ選択的に電流を流すとともに、前記災害検知線が短絡した際に前記短絡検知回路にのみ選択的に電流を流すように構成した制御回路とを具備する自然災害発生検知装置を複数準備し、前記複数の自然災害発生検知装置で一定範囲の地域における災害を検知するシステムとし、前記一定範囲の地域において災害を検知し易い複数地区に各自然災害発生検知装置の災害検知線を設置することを特徴とした自然災害発生検知システム。 - 第1のトランジスタが導通状態となって電流が流れることにより災害検知線の断線を検知する断線検知回路と、第2のトランジスタが導通状態となって電流が流れることにより災害検知線の短絡を検知する短絡検知回路と、自然災害発生予測領域に設置した定電流器とを直流電源に対してそれぞれ並列に接続し、
前記災害検知線は、前記定電流器に対して配線を引き回して接続するとともに、配線における導電性部分が露出した裸線部を有する一方、
前記第1のトランジスタのオン・オフ制御を行う第3のトランジスタと、
前記第3のトランジスタのベースに電位差を発生させるための断線検知側電位差抵抗と、
前記第2のトランジスタのオン・オフ制御を行う第4のトランジスタと、
前記第4のトランジスタのオン・オフ制御を行う第5のトランジスタと、
前記第5のトランジスタのベースに接続された定電圧ダイオードと、
前記定電圧ダイオードに電位差を発生させるための短絡検知側電位差抵抗と、
を具備する自然災害発生検知装置を複数準備し、前記複数の自然災害発生検知装置で一定範囲の地域における災害を検知するシステムとし、前記一定範囲の地域において災害を検知し易い複数地区に各自然災害発生検知装置の災害検知線を設置することを特徴とした自然災害発生検知システム。 - 前記複数地区に災害の予兆を検知できる地域が含まれることにより、災害の進行状態を把握可能とする請求項1又は請求項2に記載の自然災害発生検知システム。
- 各自然災害発生検知装置の前記直流電源の+端子側に、ON/OFFスイッチから構成される誤動作判別回路を接続した請求項2に記載の自然災害発生検知システム。
- 各自然災害発生検知装置の前記直流電源の−端子側に、断線検知回路及び短絡検知回路側と、断線検知側電位差抵抗及び短絡検知側電位差抵抗とを選択的に接続する選択スイッチを含んで構成される誤動作判別回路を接続した請求項2又は請求項4に記載の自然災害発生検知システム。
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