JP2009262979A - ガラス容器用蓋材及びガラス容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】充分な密閉性を有し、かつ、剥離後の外観が優れ、ガラス容器の蓋材として用いることが可能なガラス容器用蓋材を提供する。
【解決手段】基材と、この基材の上に積層されたシール層と、を有するガラス容器用蓋材であって、前記シール層は、エチレン系樹脂(A)を50質量%から85質量%、1KOHmg/gから80KOHmg/gの酸価を有する酸変性ポリオレフィンワックス(B)を15質量%を超えて50質量%以下含有し、かつ、下記(a)、(b)及び(c)を満たす樹脂組成物(I)を含有するものとする。
(a)酸価が1KOHmg/gから40KOHmg/g
(b)190℃、荷重21.18Nにおけるメルトフローレートが5g/10minから250g/10min
(c)140℃におけるメルトテンションが8g以下
【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス容器用蓋材及びガラス容器に関するものである。
包装容器の蓋材には、内容物を保護する観点から、シール強度が高く、密封性に優れる材料を使用することが求められている。しかし、シール強度が高すぎると易剥離性が低下するため蓋材を手で開封しにくくなる。また開封時に内容物が飛び出すおそれがある。
このように、包装容器には、密封性と易剥離性という二律背反の性能が求められており、これまでに、種々の包装容器用の蓋材が検討、提案されている。
例えば特許文献1には、密度0.920g/cm3以上の直鎖状低密度ポリエチレン、平均粒径5〜18μmの略球状微粒子からなるアンチブロッキング剤、及び、酸変性ポリプロピレンワックスを含有してなり、アンチブロッキング剤の含有量が全体の0.3〜3質量%であり、酸変性ポリプロピレンワックスの含有量がアンチブロッキング剤含有量の0.2〜5質量倍であることを特徴とする樹脂組成物からなるシーラントフィルムが開示されている。
特開2000−169637号公報
しかしながら、特許文献1のシーラントフィルムは、ガラス容器の蓋材として用いるには充分な密閉性性を有していない。
以上の課題に鑑み、本発明は充分な密閉性を有し、かつ、剥離後の外観が優れ、ガラス容器の蓋材として用いることが可能なガラス容器用蓋材を提供することを目的とする。
本発明者らは所定の特性を有する樹脂組成物を用いることにより上記課題を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には以下のようなものを提供する。
基材と、この基材の上に積層されたシール層と、を有するガラス容器用蓋材であって、 前記シール層は、エチレン系樹脂(A)を50質量%から85質量%、1KOHmg/gから80KOHmg/gの酸価を有する酸変性ポリオレフィンワックス(B)を15質量%を超えて50質量%以下含有し、かつ、下記(a)、(b)及び(c)を満たす樹脂組成物(I)を含有するガラス容器用蓋材。
(a)酸価が1KOHmg/gから40KOHmg/g
(b)190℃、荷重21.18Nにおけるメルトフローレートが5g/10minから250g/10min
(c)140℃におけるメルトテンションが8g以下
本発明によれば、充分な密閉性を有し、かつ、剥離後の外観が優れ、ガラス容器の蓋材として用いることが可能なガラス容器用蓋材を提供することが可能となる。
[蓋材の構成]
本発明のガラス容器用蓋材は、基材層とシール層とが積層されてなるものである。ここで、本発明における「ガラス容器」とは、開口部を有する容器本体がガラスで形成されている容器のことをいうが、容器本体が全てガラスで形成されている容器だけではなく、容器本体の一部がガラス以外の素材で形成されている容器も含まれる。また、「シール層」とは、当該開口部に当接し、熱融着される層をいう。
<シール層>
シール層は後述する樹脂組成物(I)を含有するものである。シール層にこの樹脂組成物(I)を含有することにより、ガラス容器の蓋材として使用することが可能となる。上記樹脂組成物(I)は、エチレン系樹脂(A)及び所定の酸変性ポリオレフィンワックス(B)を所定量含有する。
この樹脂組成物(I)は、(a)酸価が1KOHmg/gから40KOHmg/gであり、好ましくは5KOHmg/gから40KOHmg/gであり、より好ましくは10KOHmg/gから40KOHmg/gである。酸価を1KOHmg/g以上とすることにより、ガラス容器に対する蓋材のシール性を良好なものとすることが可能となる。酸価を40KOHmg/g以下とすることにより、蓋材の易剥離性を優れたものとすることが可能となる。なお、本発明における「酸価」はJIS K5902の測定法によるものである。
また、樹脂組成物(I)は、(b)190℃、荷重21.18Nにおけるメルトフローレートが5g/10minから250g/10minであり、好ましくは5g/10minから200g/10minであり、より好ましくは5g/10minから150g/10minである。メルトフローレート(MFR)を5g/10min以上とすることにより、樹脂組成物(I)の流動性を良好にし、かつ、ガラス容器との密着性に優れる蓋材を提供することが可能となる。また、メルトフローレートを250g/10min以下の場合とすることにより、シール層の強度が十分で、かつ、剥離後のガラス容器表面に樹脂残りが生じず、剥離後の外観に優れる蓋材を提供することが可能となる。
また、樹脂組成物(I)は、(c)140℃におけるメルトテンションが8g以下であり、好ましくは7g以下であり、より好ましくは6g以下である。メルトテンションを8g以下とすることにより、シール層樹脂のひずみが小さく、ガラス容器との接着力が十分に保たれた蓋材を提供することが可能となる。なお、本発明における「メルトテンション」とは、東洋精機社製メルトテンションテスター2型を用いて、サンプル量5gを予熱温度140℃、予熱時間5分間、押出速度5.7mm/分で、長さ8mm、直径2.095mmのオリフィスからストランドを押し出し、該ストランドを直径50mmのローラーを用いて巻取り速度6m/分で巻き取ったときの張力をいう。
(エチレン系樹脂(A))
樹脂組成物(I)に含有される、エチレン系樹脂(A)としては、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体等が挙げられる。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いてもよい。蓋材の低温シール性や低ひずみの観点から、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体を用いることが好ましい。
ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが挙げられる。エチレン−α−オレフィン共重合体における、α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1等の炭素数3〜10のα−オレフィンが挙げられる。エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体中の不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられ、具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル等が挙げられる。
エチレン系樹脂(A)の190℃におけるメルトフローレート(MFR)は、特に制限はないが、好ましくは1g/10minから100g/10minであり、より好ましくは2g/10minから80g/10minである。メルトフローレートを1g/10min以上とすることにより、樹脂組成物(I)に適度な流動性を付与することが可能となる。また、メルトフローレートを100g/10min以下とすることにより、シール層に充分な強度を付与し、剥離後のガラス容器表面に樹脂残りが生じにくい蓋材を提供することが可能となる。
エチレン系樹脂(A)の融点は、特に制限はないが、好ましくは60℃から130℃であり、より好ましくは65℃から125℃である。融点を60℃以上とすることにより、樹脂組成物(I)のハンドリング性を良好なものとすることが可能となる。また融点を130℃以下とすることにより、蓋材の低温シール性を良好なものとすることが可能となる。
エチレン系樹脂(A)は、触媒やラジカル発生剤等を用いて製造することができる。触媒としては、チーグラー・ナッタ触媒系、メタロセン触媒系、バナジウム触媒系等が挙げられ、ラジカル発生剤としては、例えば、パーオキサイド化合物等が挙げられる。製造方法としては、バルク重合法、溶液重合法、スラリー重合法、高圧重合法、気相重合法等が挙げられ、好ましくはバルク重合法、溶液重合法、高圧重合法、気相重合法である。
(酸変性ポリオレフィンワックス(B))
樹脂組成物(I)中の酸変性ポリオレフィンワックス(B)のポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。前記、エチレン−α−オレフィン共重合体のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられる。このうち炭素原子数3〜12のα−オレフィンであることが好ましく、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンであることがより好ましい。
酸変性ポリオレフィンワックス(B)の酸成分としては、不飽和カルボン酸又はその無水物が挙げられる。具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、3−シクロヘキセンカルボン酸、5−ノルボルネン−2・3−ジカルボン酸等を挙げられる。このうち無水マレイン酸であることが好ましい。
酸変性ポリオレフィンワックス(B)の酸価は、1KOHmg/gから80KOHmg/gであり、好ましくは5KOHmg/gから80KOHmg/gであり、さらに好ましくは10KOHmg/gから80KOHmg/gである。酸価が1KOHmg/g以上とすることにより、ガラス容器に対するシール性が良好な蓋材を提供することが可能となる。また、酸価を80KOHmg/g以下とすることにより、易剥離性に優れる蓋材を提供することが可能となる。
酸変性ポリオレフィンワックス(B)の粘度平均分子量(以下、分子量という)は、特に制限はないが、好ましくは500から20000であり、より好ましくは800から10000である。分子量を500以上とすることにより、シール層に充分な強度を付与することが可能となる。これにより蓋材をガラス容器から剥離した際に、ガラス容器表面に樹脂が残ることを防止することが可能となる。また、分子量を20000以下とすることにより、樹脂組成物(I)に適度な流動性を付与することが可能となる。なお、上記分子量は粘度法によって算出したものである。
酸変性ポリオレフィンワックス(B)の融点は、特に制限はないが、好ましくは60℃から130℃であり、より好ましくは65℃から125℃である。融点を60℃以上とすることにより、樹脂組成物(I)のハンドリング性を良好なものとすることが可能となる。また融点を130℃以下とすることにより、蓋材の低温シール性を良好なものとすることが可能となる。
前記酸変性ポリオレフィンワックス(B)としては、市販のものを好適に使用することができ、例えば三井化学株式会社製、商品名ハイワックス1105A、同2203A等が挙げられる。
酸変性ポリオレフィンワックス(B)は、上記のポリオレフィンに、上記酸成分を含有するエチレン性不飽和単量体をグラフト共重合させて製造することができる。具体的には、前記ポリオレフィンを有機溶媒に加熱溶解して得られる溶液に、前記酸成分を含有するエチレン性不飽和単量体を逐次滴下してグラフト共重合させる溶液グラフト法、及び前記ポリオレフィンを水に分散して得られる水性懸濁液に、前記酸成分を含有するエチレン性不飽和単量体と有機過酸化物を逐次滴下してグラフト共重合させる水性懸濁法方法などが挙げられる。
樹脂組成物(I)の製造方法、上記エチレン系樹脂(A)及び酸変性ポリオレフィンワックス(B)を所定割合で混合して得られる。エチレン系樹脂(A)及び酸変性ポリオレフィンワックス(B)の割合は、上記(a)、(b)及び(c)を満たすよう適宜調整される。
樹脂組成物(I)中のエチレン系樹脂(A)の含有量は、50質量%から85質量%であり、酸変性ポリオレフィンワックス(B)の含有量は15質量%を超え50質量%である。より好ましくはエチレン系樹脂(A)の含有量は、52質量%から80質量%であり、酸変性ポリオレフィンワックス(B)の含有量は、20質量%から48質量%であり、さらに好ましくはエチレン系樹脂(A)の含有量は、55質量%から70質量%であり、酸変性ポリオレフィンワックス(B)の含有量は、30質量%から45質量%である。
エチレン系樹脂(A)の含有量を50質量%以上とすることにより、シール層の強度を充分なものとすることが可能となる。また、含有量を85質量%以下とすることにより、ガラス容器に対するシール性が良好な蓋材を提供することが可能となる。また、酸変性ポリオレフィンワックス(B)の含有量を、15質量%を超えて含有することにより、ガラス容器に対するシール性が良好な蓋材を提供することが可能となる。また、含有量を50質量%以下とすることにより、シール層の強度を充分なものとすることが可能となる。
樹脂組成物(I)は本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエチレン系樹脂(A)及び酸変性ポリオレフィンワックス(B)以外の樹脂、相溶化剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、耐抗菌剤、防曇剤、有機・無機充填剤、ワックス、粘着付与剤、抗ブロッキング剤、可塑剤等を含んでいてもよい。
<基材>
本発明における基材とは、積層体から蓋材を形成した際に、容器本体と当接しない側に位置する層である。この基材層は、開封して飲食しやすくするために保形性を有していることが好ましい。
基材は、上記シール層を積層させることができるものであれば特に限定されるものではない。例えば、熱可塑性樹脂を一軸又は二軸で延伸した延伸フィルムや未延伸フィルム、金属箔、紙等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。上記延伸フィルム及び未延伸フィルムは、アルミニウムや鉄を蒸着させて用いてもよい。金属箔としては、アルミニウム箔や鉄箔等が挙げられる。
また基材は、印刷層や塗工層、蒸着層等を有していてもよい。
[蓋材の製造方法]
本発明に係る蓋材は、基材にシール層を積層させ積層体を製造した後、を所定の形状に成形することにより得られる。積層方法としては、共押出によるインフレーション法、Tダイ法、プレス法等の従来公知の加工方法によって製造することができる。また、基材とシール層を別々にフィルム状に形成し、別々に製造してからラミネーター等により接合して得てもよい。積層体の各層用のフィルムは、例えば、インフレーション法、Tダイ法、プレス法等、種々の方法で製造することができる。そして、積層体を円形に打ち抜いた後に成形機を用い、ガラス容器本体の開口部を覆うことが可能な形状(例えば円錐台形状、円柱形状)に絞り成形することにより蓋材が得られる。なお、このときシール層は内側に位置するように成形される。
シール層は、樹脂組成物(I)単独の単独層であっても、シール層とは異なる樹脂組成物よりなる層をさらに積層した積層フィルムであってもよい。積層フィルムとする場合には、前記シール層に隣接する隣接層が1種又は2種以上のオレフィン系樹脂から構成されることが好ましい。オレフィン系樹脂としては、エチレン系樹脂を用いることがより好ましい。隣接層には本発明の効果を損なわない範囲において相溶化剤、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、耐抗菌剤、防曇剤、有機充填剤、無機充填剤、粘着付与剤、抗ブロッキング剤、可塑剤等を含んでいてもよい。
さらに、本発明の効果が顕著に阻害されない限り、接着剤層、耐熱保護層、印刷層、ガスバリア層、遮光層等を有していてもよい。接着剤層には、ポリエーテル系やポリエステル系の接着剤等を使用することができる。耐熱保護層には、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリプロピレン等を使用することができる。ガスバリア層には、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物等を使用することができる。遮光層には酸化チタン粒子等を使用することができる。
本発明に係る蓋材の厚さは、10μmから300μmであることが好ましく、30μmから200μmであることがより好ましい。そして基材の厚さは5μmから200μmであることが好ましく、10μmから120μmであることがより好ましい。シール層の厚さは、3μmから100μmであることが好ましく、5μmから80μmであることがより好ましい。そして、シール層以外の層を設ける場合にはその層の厚みは蓋材の厚みに対して3%から70%であることが好ましい。
〔ガラス容器〕
本発明に係るガラス容器は、上記蓋材のシール層側がガラス容器本体の開口部と接触するように被せ、所定の方法でシール層をガラス容器本体に接着させることにより得られる。シール層の接着はヒートシールにより行われることが好ましい。
ガラス容器は、シール層により接着される開口部がガラスで形成されている容器であれば特に限定されるものではない。例えば容器本体が全てガラスで形成されているガラス容器や、容器本体の一部がガラス以外の素材で形成されているガラス容器等が挙げられる。
このようにして製造されたガラス容器は、調味料、香辛料、化粧品等の包装に好適に用いられる。
以下、実施例に基づいて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
まず、エチレン系樹脂(A)として、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体(融点86℃、メルトフローレート(MFR)2g/10min、商品名「アクリフトWH206」住友化学(株)製)60質量%と、酸変性ポリオレフィンワックス(B)として、エチレン−プロピレン共重合物の無水マレイン酸化物(融点104℃、分子量1500(粘度法)、酸価60KOHmg/g、商品名「ハイワックス1105A」三井化学(株)製)40質量%とを、シリンダー温度及びダイス温度を140℃に設定した同方向45mmΦ2軸押出機を用いて溶融混練し、シール層となる樹脂組成物1のペレットを得た。この樹脂組成物1を、Tダイ成形機を用い、樹脂温度160℃にて厚み50μmのシール層用のフィルム(単層)を製造した。得られたシール層の片面に、濡れ張力45dyn/cmとなるようにコロナ放電処理を行った。
[実施例2]
エチレン系樹脂(A)の含有量を80質量%、酸変性ポリオレフィンワックス(B)の含有量を20質量%とした以外は、実施例1と同様の方法でシール層用フィルムを得た。
[比較例1]
エチレン系樹脂(A)の含有量を60質量%、酸変性ポリオレフィンワックス(B)の含有量を1質量%に加え、未変性ポリオレフィンワックス(エチレン−プロピレン共重合物、融点104℃、分子量2000、商品名「ハイワックス220P」三井化学(株)製、)の添加量を19質量%とした以外は実施例1と同様にして、シール層用フィルムを得た。
[比較例2]
エチレン系樹脂(A)の含有量を40質量%、酸変性ポリオレフィンワックス(B)の含有量を60質量%とした以外は、実施例1と同様の方法で蓋材を得た。実施例1と同様の方法で溶融混練して、シール層となる樹脂組成物1のペレットを得た。この樹脂組成物1を、Tダイ成形機を用い、樹脂温度160℃にて厚み50μmのシール層の製造を試みた。しかしながら、上記エチレン系樹脂(A)の溶融張力不足により、フィルムを形成することができなかった。
[比較例3]
エチレン系樹脂(A)の含有量を95質量%、酸変性ポリオレフィンワックス(B)の含有量を5質量%とした以外は、実施例1と同様の方法でシール層用フィルムを得た。
[比較例4]
エチレン系樹脂(A)として、低密度ポリエチレン(融点110℃、メルトフローレート(MFR)1.5g/10min、商品名「スミカセンG201F」住友化学(株)製)80質量%、酸変性ポリオレフィンワックス(B)20質量%用いた以外は、実施例1と同様にしてシール層用フィルムを得た。
実施例1、2及び比較例1、2、4で得られたフィルムを、下記の方法により評価した。その結果を表1に示す。
(1)シール性及び、易剥離性
康井精機(株)製コーターを用い、脂肪族エステル系コート剤を、厚さ25μm、幅330mmのポリエステルフィルム(ユニチカ(株)製、商品名「PTMX」にコーターを用いて塗布した。次いで、このポリエステルフィルムと上記実施例及び比較例で得られたシール層用フィルムのコロナ処理面とを圧着させた後、40℃のオーブンにて24時間加熱し、蓋材を得た。
なお、上記脂肪族エステル系コート剤は、主剤(三井武田ケミカル(株)製、商品名「タケラックXA−525」)、硬化剤(三井武田ケミカル(株)製、商品名「タケネートXA−52」)、酢酸エチルをそれぞれ10対1対15の質量比で配合し十分に混合したものを用いた。
上記蓋材の被着体として、ソーダガラス板(平岡特殊硝子製作(株)製、厚み2mm、100mm×100mm)を用いた。蓋材のシール層をソーダガラス板に密着させ、圧力3kg/cm2、時間1秒及び表1に示した各温度条件にて巾20mmの帯状にヒートシールした。
次いで、蓋材及びガラス板の面方向と垂直な方向に15mm巾間隔で切り出し試験片を作製した。東洋精機(株)オートグラフAGS500D型引張試験機を使用し、23℃雰囲気下、300mm/分の引張速度で180度剥離させたときの剥離強度を測定した。剥離強度が5〜30N/15mm巾であれば、容器との密封性と剥離時の易剥離性のバランスに優れるといえる。剥離強度が前記範囲にある場合を○、この範囲から外れる場合を×とした。
(2)メルトフローレート(MFR)
JIS K7210−1995に規定された方法に従い、荷重21.18N及び温度190℃の条件で測定した値をメルトフローレート(MFR)とした。
(3)酸価
JIS K5902の測定法に従い測定した。
(4)メルトテンション(MT)
東洋精機社製メルトテンションテスター2型を用いて、樹脂組成物1のサンプル量5gとし、予熱温度140℃、予熱時間5分間、押出速度5.7mm/分で、長さ8mm、直径2.095mmのオリフィスからストランドを押し出した。このストランドを直径50mmのローラーを用いて巻取り速度6m/分で巻き取ったときの張力を、メルトテンション(MT)として測定した。
(5)剥離面状態
易剥離性の測定後のソーダガラスの剥離面を目視観察し、次の基準により評価した。数字が大きいほど剥離面の外観が優れる(綺麗である)ことを示す。
3:剥離面に樹脂の付着がない。
2:剥離面に樹脂の付着が僅かに認められる。
1:剥離面に樹脂の付着が多く認められる。
Figure 2009262979

1) 実施例1、2、比較例1〜3:アクリフトWH206
実施例4:スミカセンG201F
2) ハイワックス1105A
3) ハイワックス220P

Claims (4)

  1. 基材と、この基材の上に積層されたシール層と、を有するガラス容器用蓋材であって、 前記シール層は、エチレン系樹脂(A)を50質量%から85質量%、1KOHmg/gから80KOHmg/gの酸価を有する酸変性ポリオレフィンワックス(B)を15質量%を超えて50質量%以下含有し、かつ、下記(a)、(b)及び(c)を満たす樹脂組成物(I)を含有するガラス容器用蓋材。
    (a)酸価が1KOHmg/gから40KOHmg/g
    (b)190℃、荷重21.18Nにおけるメルトフローレートが5g/10minから250g/10min
    (c)140℃におけるメルトテンションが8g以下
  2. 前記エチレン系樹脂(A)は、ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体からなる群から選ばれる少なくともいずれか1種を含有する請求項1に記載のガラス容器用蓋材。
  3. 前記酸変性ポリオレフィンワックスは、不飽和カルボン酸又はその無水物で変性されたポリオレフィンワックスを含有する請求項1又は2に記載のガラス容器用蓋材。
  4. ガラス容器本体に、請求項1から3いずれかに記載のガラス容器用蓋材をシールしてなるガラス容器。
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JP2016023298A (ja) * 2014-07-24 2016-02-08 東洋製罐グループホールディングス株式会社 樹脂製表面を有する構造体

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