JP2009260900A - Rfid用パッシブ型コイルアンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 RFIDシステムのパッシブ型ICカード及びICタグ・ラベルの読み取り距離を、リーダ・ライタからの電波出力を上げたり、コイルの有効面積を大きくすることなく、伸ばすことを図る。
【解決手段】 平面状のアンテナコイルの中心部近傍に軟磁性体を設け、より大きな磁束を生成させ、アンテナコイル内の誘電を大きくさせる事により、読み取り距離を伸ばす。
【選択図】図1

Description

この発明は、RFID(無線による認証)システムのパッシブ型コイルアンテナであって、ICカードやICタグ・ラベルとリーダライタ間の通信距離を伸ばす、アンテナ装置に関する。
従来のパッシブ型コイルアンテナの読み取り距離は13.56KHzの電波帯の場合、最長で約70cmである。小型ハンディタイプのリーダライタではその通信距離は数cmから約20cmである。そのため、通信距離を得るためには、コイルの有効面積を大きくすることにより大きな誘電力を得ることが出来るが、ICカードやICタグ・ラベルのサイズには用途やコストなどの制限があるため、リーダライタ側にループタイプのアンテナをオプションとして取り付けたりしていた。
RFIDシステムのリーダライタとICカードやタグ等間の通信距離を伸ばすために、リーダライタからの電波出力を大きくすればよいが、電波法等の関係で電波出力には制限がある。
そのため、特開2002−298106号広報ではアンテナを取り付けた基盤の裏面にアンテナに向かって反射する反射対を設け、通信距離を得ようとしているが、これでは通信の方向性が極端に制限される。
平面状のパッシブ型コイルアンテナの中心近傍に軟磁性体を設けることにより、リーダライタからの電磁波の弱い磁束を、該コイルアンテナの特に中央近傍に、大きな密度の磁束を生成せしめ、アンテナ導電体内の電流を大きく導き、より長い通信距離を得る。
本パッシブ型コイルアンテナ装置は電磁場内にて、コイルの、特にその中央近傍に強い磁束を生成せしめることを特徴とする。この事によりコイルアンテナの導電体内に大きな電流を得て、該コイルアンテナから強い電磁波を発生せしめる。図1は一例で、この仕組みの概念図である。平面状の基盤1の上に1ターン以上のコイルアンテナ2とICチップ3を設けてある。該コイルアンテナ2と該ICチップ3は図示されていないが電気的に接続されている。該コイルアンテナ2の中央近傍に、例えばパーマロイ等の軟磁性体4の一片を設ける。磁束密度を該コイル中央近傍に集めるために、該軟磁性体4は該コイルアンテナ2内の面積よりも小さくし、特に中央近傍を占める。
図2は軟磁性体4をコイルアンテナ2の中央近傍に取り付けた図1の側面(a−a’)から見た、磁力線の流れを示した概念図である。コイルの中心を通る磁束が軟磁性体4の特性とその位置のため、特に該コイルアンテナ2の中心部に大きな磁束密度を生成する。このことによりコイルアンテナ2の導線内に大きな電流が発生し、該コイルアンテナ2から発信される返信用の電波も大きくなり、通信距離が伸びる。
他の類似するアンテナ装置にても軟磁性体をコイル内部に用いるものもあるが、コイル内部の広い面積を占め、その為にコイル中央部に磁束を集中できず、またコスト高と成り、実用化には向かない。本発明のアンテナ装置の特長は軟磁性体を用い、コイル中央部に強い磁束密度を生成することにある。
図3はHF(13.56MHz)の電波帯のパッシブ型ICタグ5にて、リーダライタ間との通信距離の変化を実験にて確認した結果を示す概念図である。破線7は該ICタグ5に軟磁性体4を取り付けていない場合の、リーダライタ6との通信距離を示す。実線8は該ICタグ5に軟磁性体(厚み0.1mmのパーマロイ)4を取り付けたリーダライタ6との通信距離を示す。
図3が示すとおり、該軟磁性体4を該コイルアンテナ2中央近傍に取り付けなかった場合と、取り付けた場合との通信距離の変化は、該ICタグ5に対してリーダライタ(6a)を正面に向かうように設置した場合の通信距離は約10cmから約20数cm伸び、約2.5倍伸びる結果を得た。また該ICタグに対してリーダライタ(6b)を側面に向かうように設置した場合の通信距離は約4〜5cmから約20cm伸び、約4〜5倍に伸びた。
図3の実験では0.1mmのパーマロイの軟磁性体4を用いたが、軟磁性体の粉末と透磁性のある樹脂との混合物を利用しても良い。また軟磁性体の粉末と透磁性製のあるインク塗料の混合物を用い、印刷にて塗布してもよい。
上記軟磁性体は基盤1の上に設置しても良いが、ICカードやICタグ・ラベル等の内側や表面に施すことも出来る。
発明の効果
RFIDシステムにおいて、その通信距離が伸びることの意味は大きい。通信ミスを少なくでき、作業性の向上、そしてそれらのことから、新たな使用用途が生まれる。例えば非接触IC(ID)カードでは、いちいちリーダライタにかざすことなく、財布の中、胸のポッケト内や鞄の中等、どの方向にカードが向いていても認証が可能になる。
物品においては、例えば段ボールケース内の物品がどの方向に向いていても、同時読取が可能となり、フォークリフトで運搬される物品の認証も簡易になり得る。
基盤1の上に取り付けられた軟磁性体4を示す概略正面図 磁力線の流れ、および磁束を示す概略側面図 軟磁性体を取り付けた場合と、取り付けなかった場合の通信距離の違いを表す概略図
記号の説明
1 基盤
2 コイルアンテナ
3 ICチップ
4 軟磁性体
5 ICタグ
6 リーダライタ (6a、6b)
7 軟磁性体を取り付けていない場合の通信距離を示す概略図
8 軟磁性体を取り付けた場合の通信距離を示す概略図

Claims (4)

  1. RFIDシステムに用いるパッシブ型のコイルアンテナ装置であって、1ターン以上のループで構成されるアンテナコイルの中心部近傍に軟磁性体を設置し、該アンテナコイルの中心部に強い磁束を生成させることを特長とするアンテナ装置である。
  2. 請求第1項のアンテナ装置であって、該磁性体の設置場所を該アンテナコイルと同じ基盤上、またはICカードではその内側やその外側に、またICタグ・ラベルではその内側やその外側に設置したアンテナ装置。
  3. 請求第1項のアンテナ装置であって、該軟磁性体を、軟磁性体の粉末と樹脂との混合物を用いたアンテナ装置。
  4. 請求第1項のアンテナ装置であって、該軟磁性体を、軟磁性体の粉末とインク塗料との混合物を印刷により塗布したアンテナ装置。
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