JP2009260197A - チョークコイル - Google Patents

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弘和 遠矢
Norihisa Tooya
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Abstract

【課題】設計が非常に容易でありながら、使用する機器の変換効率、信号品位(シグナルインテグリティ)、および電磁環境適合性(EMC)に優れたチョークコイルを提供する。
【解決手段】チョークコイルは、磁心20、巻枠21、樹脂26、損失線路27、印刷配線基板28、および巻線29で構成されている。印刷配線基板に形成されるストリップ導体38、絶縁体層32、半導体層33、およびグランドプレーン31は、マイクロストリップ線路構造の損失線路を構成する。巻線29は、印刷配線基板に形成される損失線路を経由して、端子を介して、チョークコイルが搭載される機器の印刷配線基板に接続される。
【選択図】 図10

Description

本発明は、チョークコイルに関し、特に、高速スイッチング素子を使用する高速ディジタルデータ通信機器や高周波DC−DCコンバータに使用し、小型軽量化が可能で、変換効率、信号品位(シグナルインテグリティ)、および電磁環境適合性(EMC)を向上させることが出来るチョークコイルに関する。
近年、情報技術装置やマルチメディア機器のさらなる高性能化、高機能化のために、トランジスタの高速化が進んでいる。情報技術装置やマルチメディア機器にはまた、省エネルギ化や小型軽量化の要求も強い。
しかし、高速トランジスタを使用して高い繰り返し周波数でチョークコイルを駆動すると、電磁ノイズや発熱を増加させるという問題があり、従来のチョークコイル設計技術では、省エネルギ化や小型軽量化の要求に応えることが難しかった。
回路設計技術の理論を支配するのは物理学であり、より直接的には電磁気学である。電磁気学によると、回路の状態には活性状態(exited states)、定常状態(stationary states)および、実用上は定常状態と見なせる準定常状態(quasi
stationary states)が存在する。活性状態とは、回路上の電界と磁界が変化または振動している状態であり交流回路はその一例である。振動する電界と磁界は電磁波となって絶縁体中を進行する。該絶縁体が真空空間の場合は、電磁波は光速で進行する。
定常状態とは、回路上の電界と磁界が静止している状態であり直流回路はその一例である。準定常状態とは、電界と磁界が電磁波となって回路上を進行するが、電磁波の波長が回路長に対して非常に長く回路内での電磁波の挙動が強弱振動だけと見なしても実用上不都合が生じない状態である。低周波アナログ回路や、およそ1[ns]以上の立ち上がり時間を有するスイッチング素子を10[cm]以上の配線を有する回路で使用する場合は、準定常状態と見なすことが出来る一例である。
電磁気学によると、活性状態にある回路の電流はアンペールの法則として定義され次式で示される。
電磁気学によると、電位Vは、電界の及ばない無限遠から導線の一点までの電界の積分値と定義されるが実用的にはグランド面から導線の一点までの電界の積分値として、また、電界Eは電位Vの傾きとしてそれぞれ次式から求められる。
マックスウエルは、磁界に関する理論と電界に関する理論を融合したマックスウエルの方程式を1873年に発表し、続いてこの式をダランベールの波動方程式の形式に変形し、ベクトル波動方程式を導出した。マックスウエルは、1862年頃から主張していた、電磁波と光はともに光速で伝搬することをこの式を用いて理論的に証明し、線形電磁波理論(以下電磁波理論)を完成させ、これにより電磁気学が完成した。ヘルツは、1887年に、実験によって電磁波の存在を実証し、マックスウエルの電磁波理論の正しさを証明した。
電磁気学によると、時間的に変化する電界と磁界は相互に作用しつつ横波となって空間または誘電体中を伝搬する。真空中を伝搬する電磁波の速度は光速である。伝搬する電磁波はポインチングベクトル理論に従って電力を伝搬する。空間を伝搬する電磁波は、周期および極性が一致し振幅ベクトルが進行方向に対して直交する電界波と磁界波とから構成される。この状態の電磁波はTEM(transverse electromagnetic)波と呼ばれる。TEM波を構成する電界波の振幅を磁界波の振幅で割った値は波動インピーダンス(surge
impedanceまたはwave impedance)と呼ばれる。
電磁気学によると、電磁波は空間だけでなく媒体中も進行する。損失のない誘電体中を進行する電磁波の速度は、光速に対して比誘電率の平方根だけ遅くなり、波長は比誘電率の平方根だけ短くなる。後者は、波長圧縮と呼ばれる。
電磁気学によると、損失のある媒体中を進行する電磁波は、次式で示される減衰定数γに従い、進行に伴って振幅が減少し位相が変化する。γの実数項であるαは減衰定数、γの虚数項であるβは位相定数と呼ばれる。αは、nep/m(ネパー/メートル)の単位で表される。1 [nep/m]は、1メートル進行して振幅がexp-1または0.368倍に減衰することを意味する。
電磁気学によると、式(3)中のγ 2を変形して得られる次式の括弧の項は、損失のある誘電体に関する複素誘電率と定義され、虚数部(σ/εω)を実数部(εr)で割った値を誘電体損失の正接と呼び、tanδで表す。但し、tanδは、電磁気学上、深い意味を持たない。
電磁波が導体中を進行する場合は、導体中では電磁波に作用する電荷は存在せず導電率σは ωεに比べて非常に大きいので、γは次式で表される。次式中における減衰定数α の逆数であるδは、表皮厚さと呼ばれる。
電磁気学によると、導体中を進行する電磁波の電界と磁界の比である固有インピーダンスZは、損失のある媒体中の固有インピーダンスにおいて導電率σがωεに比べて非常に大きいとして、次式で与えられる。
回路上の電界と磁界が変化または振動している活性状態または準定常状態においては電磁波理論が回路を支配し、この場合は導体中を電磁波が進むことは困難である。しかし回路上の電界と磁界が静止している定常状態においては導体中を電流が比較的容易に移動することが出来る。
物理学によると、導体中には無尽蔵に近い自由電子すなわち電荷が存在する。しかし、導体中の総電荷量は物性に依存して決まり定常的にはその値は一定である。直流電源に静的負荷が接続されている場合は導体中の電荷の移動による電流が流れるが、一般に、電荷の移動軸にはわずかな電界しか印加出来ないので電荷の平均移動速度は極めて遅い。
例えば、1平方ミリメートルの断面を有する銅線中を導体中の電荷の速度(dq/dt)で定義される10アンペアの電流が進行しているときの電流の進行速度は、物理学に従って計算すると常温で0.368[mm/s]となる。導体中の電荷は、遅いながらも移動は可能であるので、導体の他端で定常的に電荷が消費される際に導体の一端から同量の電荷が定常的に供給されれば、導体の他端に接続される抵抗器等の定常負荷へのエネルギ供給が支障なく行われる。
伝送線路上の電気信号の進行を扱うのが電気通信工学である。電気通信工学によると、直流的に絶縁された2本の導体間に電気信号を与えると、電気信号は電流波と電圧波となって伝送線路を進行するとしている。
電気通信工学では、交流回路理論と同様に、電流を導体中の電荷の平均速度(dq/dt)すなわち導体電流としている。しかし、電磁気学の基礎を成すマックスウエルの方程式においては、導体電流は、時間の関数ではない電流密度Jに対応させている。
交流回路理論や電気通信工学が電流をdq/dtと定義しているのは以下の理由によると考えられる。交流回路理論を支える重要な法則の一つであるキルヒホッフの法則が発表されたのが1845年で、マックスウエルが電磁波の存在を理論的に証明しヘルツによって実験で電磁波の存在が確認される42年前である。また、電気通信工学を支える重要な理論の一つである電信方程式が開発されたのが1874年で、同様に電磁波の存在が確認される13年前である。従って、交流回路理論および電気通信工学が実用化された当時は、回路の作用を電磁波の作用とする考え方がそもそも存在していなかった。さらに、その後も理論の修正が行われなかった。
電気通信工学の基礎を成す電信方程式において、導体電流が光速で流れることが出来るとしている根拠となっているのはダランベールの波動方程式である。ダランベールの波動方程式では波動の主体を、スカラー量のラプラシアンとするベクトル関数で表現し、特定していない。導体電流が導体間電圧とともに波となることがは、電気回路を支配する電磁気学と整合していなので、電圧と電流に関する回路方程式をダランベールの波動方程式に対比させて得られる電信方程式は、電磁気学とは無関係であり、また電磁気学に反していることになる。
電流の定義が電磁気学に反すると、線路の電圧や、インピーダンス、電磁波との関係、さらには伝送損失に関しても電磁気学と矛盾する考え方が生じる。電気通信工学にはこの矛盾が散見されるが、歴史が古く現在でも伝送線路設計への豊富な適用実績があることから、従来通りの連続波を対象とする伝送線路設計では電磁気学との矛盾は顕在化していない。
スイッチング波またはディジタル波のような間欠波を対象とする伝送線路設計においても電気通信工学に基づくと効率的であると言う考え方が支配的である。しかし電気通信工学のディジタル回路への実用実績が少ないため電磁気学と対比しつつ慎重に設計や解析を行わないと、電磁気学との前記矛盾が顕在化する可能性がある。
電磁気学によれば伝送線路を構成する2本の導体に挟まれる絶縁体が真空である場合は、TEM波の電磁波は光速で真空中を進行する。つまり、この場合の電流や電圧は、伝送線路の導体ではなくて絶縁体中を進み、それぞれ式(1)および式(2)から求められる値となる。実際の電流や電圧は磁界や電界であるので絶縁体中を波となって準光速で進むことが可能となる。伝送線路上のTEM波を構成する電界波の振幅を磁界波の振幅で割った値が、特性インピーダンスである。
電気通信工学によると、伝送線路上を進行する信号の挙動は、伝送線路の特性インピーダンスと伝搬定数によって決まる。理想的な平板導体が理想的な絶縁体を挟んで平行に対向している平行板線路の特性インピーダンスZは、伝送線路の物理定数によって次式から求められる。平板導体や絶縁体の材料特性は、伝送線路の特性インピーダンスに対して実用上大きな影響を及ぼさない。
電気通信工学によると、直径aの2本の導線の中心間を距離dだけ離して平行に配置した構造の、レッヘル線路の特性インピーダンスは次式から求めることが出来る。
電気通信工学によると、マイクロストリップ線路の特性インピーダンスは次式から求めることが出来る。
電気通信工学によると、既知の特性インピーダンスZを有する伝送線路を通して未知の特性インピーダンスZを有する伝送線路に電磁波を注入したときの、
前記二つの伝送線路の接続点における反射係数S11は、次式で表される。
電気通信工学によると、既知の特性インピーダンスZに対する反射係数がS11である損失を有する伝送線路すなわち伝送線路の透過係数S21は、次式で表される。
電磁気学によると、実用的な伝送線路の減衰定数は、電磁波が損失のある誘電体内を進行するときの減衰と、電磁波が誘電体内を進行する過程でその一部が導体内に侵入して熱になる導体損と、伝送線路外に漏れ出る放射損との和となると考えることが出来る。
高速ディジタルデータ通信機器の配線設計は電気通信工学に従って行われている。しかし、電気通信工学は正弦波等の連続波を扱う伝送線路設計には適するが、前述のようにディジタル信号のような間欠波を扱う伝送線路設計には、電磁気学との矛盾があり適さない。このため、電気通信工学に従っても、変換効率が高く、小型軽量化が可能で、信号品位(シグナルインテグリティ)や電磁環境適合性(EMC)に優れたチョークコイルを設計することは難しい。
情報技術装置や高周波DC−DCコンバータ等における直流電源は、回路に電荷を供給すると考えられている。
電磁気学によると、マックスウエルは、単位(試験)点電荷に働く力の原因は、単位点電荷の存在する場所における電界にあるとし、クーロンの法則を修正した。この事実はあまり知られていない。
修正された電磁気学によると、電界に関する静電(electrostatic)エネルギwは、次式で表される。
このように、静電エネルギwは電荷が持っているのではなくて電界Eと電束密度Dの積または電界Eとして媒質に蓄積していることになる。
なお、電圧Vが印加された容量Cのコンデンサに蓄積されている静電エネルギwは、式(13)から、電極距離をd、電極面積をSとすると、次式で表される。
電磁気学によると、磁界に関する静磁気(magnetostatic)エネルギwは磁界と磁束密度の積として媒質に蓄積しているとされ、次式で表される。
電流Iが印加された誘導Lのリアクトルに蓄積されている静磁気エネルギwは、リアクトルの磁路長をl 、磁路の断面積をSとすると、次式で表される。
非特許文献1および非特許文献2に示される孤立電磁波コンセプトによると、スイッチング素子は、スイッチングの瞬間に、非線形波動またはソリトンの一種である孤立電磁波を励起する。一般のスイッチング機器のスイッチング素子も、同様のメカニズムで、スイッチングの瞬間に非線形波動またはソリトンの一種である孤立電磁波を励起する。
スイッチング素子のスイッチング動作時の孤立電磁波の励起メカニズムは、1834年にJohn Scott Russell がソリトンを発見する際に行った種々の実験の内の水を貯めた水門(ゲート)を急に開くことによって生じたソリトンの発生メカニズムや、ソリトンの一種であると確認されている津波の生成過程に極めて類似している。
非特許文献1および非特許文献2に示される孤立電磁波コンセプトによると、スイッチング素子がオフからオンにスイッチングする瞬間に、スイッチング素子が電源線路と信号線路を接続する点の電位は、前記直流電源の電圧を電源線路と信号線路の特性インピーダンス分割した値になる。従って、電源線路には電圧を分割電圧まで下げる極性の孤立電磁波が、信号線路には電圧を分割電圧まで上げる極性の孤立電磁波がそれぞれ同時に励起され、電磁波理論に従い、互いにその振幅ベクトルが直交する孤立電界波と孤立磁界波を伴って伝送線路上を進行する。
図1は、孤立電磁波の挙動を説明するためのプッシュプル回路1に関する等価回路の一例である。図1において、特性インピーダンスZ0の伝送線路の途中にプッシュプル回路1が接続されており、特性インピーダンスZ0の伝送線路5は直流電源4とプッシュプル回路1との間に接続されて電源線路を構成し、特性インピーダンスZ0の伝送線路6はプッシュプル回路1と整合終端抵抗7との間に接続されて信号線路を構成している。プッシュプル回路1は、PチャネルMOS
FET2とNチャネルMOS FET3によるコンプリメンタリ構成である。
図1において、プッシュプル回路1のオン状態とは、PチャネルMOS FET2がオンでNチャネルMOS FET3がオフの状態であり、プッシュプル回路1のオフ状態はその逆である。伝送線路を進行するTEM波に関する磁界と電流の関係および電界と電位の関係は、電磁気学においてそれぞれアンペアの法則および電位の定義として示される。
図2に、プッシュプル回路1がオン時の伝送線路6上の電位波形9と、電磁気学に示される電位の定義から逆算して求められる伝送線路6上を進む電界波形8とを示す。図3は、プッシュプル回路1がオン時の伝送線路5上の電位波形11と、電磁気学に示される電位の定義から逆算して求められる電源側の伝送線路5上を進む電界波形10とを示す。
図2および図3に示すように、プッシュプル回路1のスイッチングによって生じる電界の波形は、スイッチング素子の立ち上がり波形の最大傾斜部の接線を立ち上がり波形と見なして求める立ち上がり時間と円周率との積の逆数として求められる周波数で定義される実効周波数(significant frequency)を有する正弦波の半波形に近似している。実効周波数の考え方を引用すると、前記近似の確かさ(accuracy)は、92%以上と見込まれる。従って、設計だけに限ると実用上実効周波数で行うことが出来る。
図1から図3において、プッシュプル回路1がオンすると、図1中のB点とC点の電位は等しくE/2[V]となる。プッシュプル回路1によって励起された、お互い逆極性を有する伝送線路6上を進む孤立電界波8と伝送線路5上を進む孤立電界波10は、それぞれプッシュプル回路1に対して反対方向に進む。伝送線路6上を進む孤立電界波8は、伝送線路6の電位を0[V]からE/2[V]に上昇させつつ進み、整合終端抵抗7で消滅する。一方、伝送線路5上を進む孤立電界波10は、伝送線路5の電位をE[V]からE/2[V]に降下させつつ直流電源4に向かって、それぞれ伝送線路を構成する絶縁体中を準光速で進行する。
直流電源4が、端子インピーダンスゼロの理想電源である場合は、伝送線路5上を進行する孤立電磁波は直流電源4で、反射し、伝送線路6上に励起された孤立電磁波と同極性となり、伝送線路5および伝送線路6の電位をE/2[V]からE[V]に上昇させつつ進行し、整合終端抵抗7で消滅する。
非特許文献1および非特許文献2によると、伝送線路上を進行する孤立電磁波の波長は次式で定義される。
従来のチョークコイルについては、下記の特許文献や非特許文献に記載されている。その要点は後述される。
特開2002−208521(P2002−208521A) 特開2004−63903(P2004−63903A) 特開2004−311866(P2004−311866A) 特開2006−114536(P2006−114536A) 特願2007−67177(P2007−67177A) HirokazuTohya and Noritaka Toya著 「A NovelDesign Methodology of the On - Chip Power Distribution Network Enhancing thePerformance and Suppressing EMI of the SoC」、IEEE International Symposium on Circuits and Systems 2007、 pp. 889-892、May 2007. 遠矢弘和、遠矢紀尚 著 「SoCの性能とEMCを大きく改善するオンチップ電源分配回路の新しい設計法」、電子情報通信学会 信学技報、Vol.107、No. 149、 EE2007-20、pp.73-78、2007年7月.
解決しようとする問題点の第1は、特許文献1に関する。特許文献1は、大電流平滑用の平滑コイル変成器巻線において、簡素な構成で電磁ノイズや熱による悪影響の増大を抑止しつつ高密度集積を可能とするために、断面角形のコア1に扁平な平角導体線コイル2を嵌装し、固定部材がコイルをコアと放熱板とで挟圧する技術を開示している。
電磁気学によると、チョークコイルは、巻線に印加される定常エネルギによって静磁気エネルギが蓄積され、また放出する。静磁気エネルギの蓄積と放出の効率が高いチョークコイルが、一般に高い性能を有すると考えられる。一方、チョークコイルの巻線に印加される電磁波が外部に漏洩すると、該チョークコイルを搭載する機器の電磁環境適合性(EMC)や信号品位(シグナルインテグリティ)が低下する。
特許文献1において、固定部材がコイルをコアと放熱板とで挟圧することにより、コイルを、良好に伝熱冷却し、電磁ノイズを良好に低減することができるとしている。この方法では、チョークコイルから直接放射する電磁波を抑制することはある程度可能である。しかし、チョークコイルを機器に搭載した場合に支配的な、接続配線を経由して漏洩する電磁波は抑制できない。従って、開示された技術によって、変成器を使用するスイッチング機器の信号品位(シグナルインテグリティ)や電磁適合性(EMC)を共に大幅に高めることは不可能であった。
解決しようとする問題点の第2は、特許文献2に関する。特許文献2は、低周波数領域から高周波数領域に到る広い周波数帯域において優れたノイズ除去特性を有し、しかも小
型のチョークコイルを提供するために、日字型磁性体コアは、第1巻線部および第2巻線部誘導性を有するときには、第1巻線部によって発生する磁束と第2巻線部によって発生する磁束とが強め合うように通過するノーマルモードの第1閉磁路有するとともに、第1巻線部によって発生する磁束が通過するノーマルモードの第3閉磁路とを有している。さらに、日字型磁性体コアは、第1巻線部が容量性を有するとともに第2巻線部が誘導性を有するときには、第2巻線部によって発生する磁束が通過するノーマルモードの第2閉磁路を有している技術を開示している。
特許文献2は、チョークコイルの誘導性および容量性という電磁気学における定常状態を利用しており、チョークコイルが搭載される回路が動作するときにチョークコイルに印加される電磁波への対策は施されていない。従って、チョークコイルを機器に搭載した場合に支配的な、接続配線を経由して漏洩するノイズを効果的に除去できないので、開示された技術によって、変成器を使用するスイッチング機器の信号品位(シグナルインテグリティ)や電磁適合性(EMC)を共に大幅に高めることは不可能であった。
解決しようとする問題点の第3は、特許文献3に関する。特許文献3は、チョークコイルに少なからず存在する浮遊静電容量が、チョークコイルのインダクタンスによる高周波特性(
ノイズ低減効果) を阻害するように作用し、結果としてノイズフィルタの減衰特性を悪化させることを防止するために、、磁性材料の固有抵抗が低い磁心と、該磁心と直接導電状態に接続したアース用リードを形成したアース端子を持ち、前記磁心をケース又は絶縁塗料で覆い、その上に巻線ワイヤーが施され、前記アース用リードと同電位になるように巻線ワイヤーをペーストカーボン等のペースト状の導電材料で被覆して利用するチョークコイルの技術を開示している。
特許文献3は、チョークコイルの定常状態を扱っており、チョークコイルが搭載される回路が動作するときにチョークコイルに印加される電磁波への対策を意図していない。導体を絶縁体で覆いその上を導体で覆うと、通常、数メガヘルツ以下ではコンデンサとして機能し、表面の導体を接地すると定常電流がグランドに流れる。しかしこれ以上の周波数においては、導体を絶縁体で覆いその上を導体で覆うと、チョークコイルは変位電流を透過させる伝送線路となり、効率よく電磁波を透過させる。従って、開示されているデータでも明らかなように、開示された技術によって、数メガヘルツ以上の電磁ノイズを効果的に抑圧することは不可能であった。
解決しようとする問題点の第4は、特許文献4に関する。特許文献4は、漏れ磁束を低減した、かつ簡単な構造にて、バイアス磁界をかけて直流重畳特性を改善できる線輪部品およびその製造方法を得るために、磁性材料からなるドラムコアと、ドラムコアの中に配置された巻線とで構成されたチョークコイルを、磁性材料粉末と樹脂との混和物にて周辺をモールドし、かつ前記混和物が、外部磁場によって磁場配向され、前記混和物は、磁性材料粉末対樹脂との比率が、磁性材料粉末100wt%に対して、樹脂は10wt%以上から40wt%以下の範囲とする技術を開示している。
特許文献4は、チョークコイルの定常状態を扱っており、チョークコイルが搭載される回路が動作するときにチョークコイルに印加される電磁波への対策を意図していない。しかし、磁性材料粉末と樹脂との混和物は、チョークコイルを透過する電磁波に作用する可能性はある。電磁波への作用を期待するのであれば、磁性材料粉末と樹脂との混和物が半導体としての特性を有する必要があるが、このために必要な導電率の条件が示されていないし、混和物の材料が一般に導電性の高い磁性材料粉末である。またチョークコイルを透過する電磁波を抑制するための構造も示されていない。従って、開示された技術によって、変成器を使用するスイッチング機器の信号品位(シグナルインテグリティ)や電磁適合性(EMC)を共に大幅に高めることは不可能であった。
解決しようとする問題点の第5は、特許文献5に関する。特許文献5は、 簡単な構造で安定したインダクタンス安定した直流重畳特性を得るとともに漏れ磁束を低減するために、 磁性体材料からなるポットコアとポットコアの中芯に巻かれた空芯コイルとの隙間部分に、ペースト状の流動体から成る軟磁性金属粉末と熱硬化性樹脂との混和物にてモールドする技術を開示している。
特許文献5は、チョークコイルの定常状態を扱っており、チョークコイルが搭載される回路が動作するときにチョークコイルに印加される電磁波への対策を意図していない。しかし、磁性材料粉末と樹脂との混和物は、チョークコイルを透過する電磁波に作用する可能性はある。電磁波への作用を期待するのであれば、磁性材料粉末と樹脂との混和物が半導体としての特性を有する必要があるが、このために必要な導電率の条件が示されていないし、混和物の材料が一般に導電性の高い磁性材料粉末である。またチョークコイルを透過する電磁波を抑制するための構造も示されていない。従って、開示された技術によって、変成器を使用するスイッチング機器の信号品位(シグナルインテグリティ)や電磁適合性(EMC)を共に大幅に高めることは不可能であった。
アナログ回路は、回路状態の変化が比較的緩やかで始まりと終わりが明確でないことが多い。アナログ回路の歴史は古く、特に工学においては経験則等の適用によって、電磁気学に戻らなくても、従来の交流回路理論や電気通信工学に従う回路設計において、実用上、問題が生じることはほとんど無かった。
一方、アナログ回路の場合と異なり、スイッチング回路における状態の変化の始まりと終わりは明確である。スイッチング回路の状態の変化は非常に急激であり、急激な電界または磁界の変化は当然ながら大きなレベルの電磁波を励起する。スイッチング回路における電界または磁界の変化は間歇的である。さらに、半導体集積回路中の約9割を占めるデータ処理回路においては、一般にスイッチングの周期は不定である。
以上のようにアナログ回路とスイッチング回路は、電磁気学の観点からは大きく異なっている。しかし、従来の電気通信工学や交流回路理論では、間欠的な回路動作を想定した回路すなわちパルス回路の設計は、電磁気学とは関係のない前述のような手法で行われ、解析は、スイッチング波をひずみ波の一種と考えるフーリエ変換法が適用されてきた。
フーリエ変換法によると、ひずみ波は正弦波である多数の高調波から構成されている。これらの高調波は始まりと終わりが無い多数の正弦波である。回路上の信号を高調波毎に解析してその結果を加算すれば、スイッチング回路の解析が可能となる。しかし、フーリエ変換法は数学の一手法であり、上位理論である電磁気学との整合性を確認した上で電気電子回路の設計や解析に採用されている訳ではないため、ディジタル回路で発生する瞬時現象の解析は、現実との乖離が甚だしく、不可能である。
たとえばデューティが1/10で繰り返し周波数が1[GHz]のスイッチング波をフーリエ変換すると振幅の1/10の値の直流成分と1[GHz]を基本波とする高調波とに分解できる。直流電流はほとんど流さないCMOS回路を使用する半導体集積回路内のある長さの配線または伝送線路が、1[GHz]の振幅を1/2に低下させる損失を有しているとすると、配線または伝送線路の終端でのスイッチング波の振幅は、解析結果ではほぼ1/2以下に低下する。
しかし、電磁気学に従うと、スイッチング波の振幅は直流電源から供給される静電エネルギによって維持される。静電エネルギは波ではないので配線または伝送線路の損失の作用は受けない。従って、伝送線路の終端で観測されるスイッチング波の振幅は減衰しないはずである。
この事実は、スイッチング波をひずみ波として扱うことが誤りであることを示している。また、この事実は、フーリエ変換法に基づいて生じる群速度の概念に従う、ディジタル信号配線における信号品位(シグナルインテグリティ)に関する従来の理論には修正が必要であることを示している。すなわち、この事実は、スイッチング回路やディジタル回路上での瞬時の変化と比較的長い期間の挙動を矛盾無く説明できる、統一した設計および解析のための理論が、新たに構築されなければならないことを示唆している。
本発明は、上記問題を根本的に解決する手段を提供することを目的の一つとしている。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、チョークコイルに係り、スイッチング素子によって駆動されるチョークコイルにおいて、該チョークコイルの一端と該チョークコイルが搭載される回路のグランドとの間に、スイッチング素子の立ち上がり波形の最大傾斜部の接線を立ち上がり波形と見なして求める立ち上がり時間と円周率との積の逆数として求められる周波数で定義される実効周波数の電磁波を印加したときに、前記チョークコイルが、前記電磁波の振幅を1/10以下に減衰させる能力を有するチョークコイルとして設計されて成ることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、チョークコイルに係り、請求項1記載のチョークコイルにおいて、該チョークコイルの一端と該チョークコイルを構成する巻線の一端とを接続する配線と、該チョークコイルが搭載される回路のグランドとで構成される伝送線路が、少なくとも、導体と、該導体表面に形成される絶縁体と、該絶縁体の表面に形成される半導体とで構成される損失線路、または、少なくとも、導体と、該導体表面に形成される前記半導体と、該半導体の表面に形成される絶縁体とで構成される損失線路であることを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、チョークコイルに係り、請求項1から請求項2記載のチョークコイルにおいて、前記損失線路の長さが、10[mm]以上であることを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、チョークコイルに係り、請求項1から請求項3記載のチョークコイルにおいて、前記損失線路の特性インピーダンスが、該チョークコイルを搭載して接続する印刷配線基板の特性インピーダンスに±20%以内の精度で等しいことを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、チョークコイルに係り、請求項1から請求項4記載のチョークコイルにおいて、前記損失線路が、絶縁体膜で覆われた2本の導体間に前記半導体を充填した上で全体を絶縁膜で覆って構成されることを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、チョークコイルに係り、請求項1から請求項5記載のチョークコイルにおいて、前記損失線路が、2層の導体層の間に絶縁層と半導体層を有する印刷配線基板上に形成されることを特徴としている。
また、請求項7記載の発明は、請求項1から請求項6記載のチョークコイルにおいて、前記半導体が、無機半導体または有機半導体であって10[S/m]以上の導電率を有するように設計されて成ることを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、請求項1から請求項7記載のチョークコイルにおいて、請求項1から請求項7記載のチョークコイルにおいて、前記半導体が、ポリ(p−フェニレン)(22.7°)、またはポリ(p−フェニレンスルフィド)、またはカーボングラファイト、または二酸化マンガン、またはポリアセチレン、またはポリチオフェン、またはポリピロール、またはポリフェニレンビニレン、またはテトラチアフルバレン−テトラキノジメタン(TTF−TCNQ)であることを特徴としている。
また、請求項9記載の発明は、チョークコイルに係り、請求項1から請求項8記載のチョークコイルにおいて、前記半導体が、1015[cm-3]以上のリンをドーピングしたn型シリコン、1016[cm-3]以上のボロンをドーピングしたp型シリコン、または、不純物を混合した、アモルファスシリコン、またはアルミナ、またはジルコニア、またはカーバイド、またはニトライド、またはシリサイド、またはシリコンカーバイド、またはシリコンナイトライド、またはマグネシウムナイトライド、または酸化亜鉛であることを特徴としている。
また、請求項10記載の発明は、チョークコイルに係り、請求項1から請求項9記載のチョークコイルにおいて、前記半導体が、請求項4から請求項6記載の半導体または最大長が100ナノメートル以下の前記半導体の粒子を混合した、樹脂であることを特徴としている。
高速ディジタルデータ通信機器や高周波DC−DCコンバータに主として使用されるチョークコイルに、非特許文献1および非特許文献2に示される孤立電磁波コンセプトに従う本発明を適用すると、電磁気学に忠実なチョークコイルの設計や解析を容易に行うことが出来る。
また、高速ディジタルデータ通信機器や高周波DC−DCコンバータに主として使用されるチョークコイルに孤立電磁波コンセプトに基づく本発明を適用すると、高速スイッチングパルスを印加するチョークコイルの前段に不可欠であったスナバや整合終端回路が全く不要となる。
また、チョークコイルに孤立電磁波コンセプトに基づく本発明を適用すると、高速ディジタルデータ通信機器や高周波DC−DCコンバータなどの変換効率、信号品位(シグナルインテグリティ)、ならびに電磁環境適合性(EMC)を高めるために、小型軽量化や高性能化が可能となる。
以下、本発明に係る 最良の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図4は、損失線路の一例である。
図4において、損失線路は、導体12、半導体13、および絶縁体14、15によって構成されている。
図4において、導体12の半径が0.6[mm]、2本の導体12間の中心距離が4[mm]、絶縁体14の厚さが1 [mm]、絶縁体の比誘電率が4とすると、特性インピーダンスは50.8[Ω]となる。
図5は、チョークコイルの平面構造の一例である。図6はチョークコイルの正面構造の一例である。図7はチョークコイルの側面構造の一例である。
図5から図7において、チョークコイルは、端子16から19、および22から25、磁心20、巻枠21、樹脂26、損失線路27、印刷配線基板28、および巻線29で構成されている。
図8は印刷配線基板の断面構造の一例である。図9は、印刷配線基板の平面構造の一例である。
図8および図9において、印刷配線基板は、絶縁体層32と、絶縁体層32上に貼り付けられたグランドプレーン層31で構成されている。本実施の形態の印刷配線基板は、導体層が無く、端子16から19、および22から25を固定した樹脂基板で代替することも可能である。
図5から図9において、端子17、18、23、および24は、ビア37、39、42、および44によってそれぞれ独立して印刷配線基板28に固定されている。端子18はチョークコイルの巻線29の一端に接続されており、端子23はチョークコイルの巻線29の他端に接続されている。端子16、19、22、および25は、ビア36、40、41、および45によってそれぞれ印刷配線基板28のグランドプレーン31に接続され固定されている。本実施の形態のチョークコイルは、装置の印刷配線基板上に搭載され、端子16から19、および22から25を介して印刷配線基板と電気的に接続される。
図5において、図4の損失線路27の一つの導体の一端が端子17に、損失線路27の一つの導体の他端が端子18に接続され、27損失線路の他の導体の一端が端子16に、損失線路27の他の導体の他端が端子19に接続されている。また、図4の損失線路30の一つの導体の一端が端子23に、損失線路30の一つの導体の他端が端子24に接続され、損失線路30の他の導体の一端が端子22に、損失線路30の他の導体の他端が端子25に接続されている。
の特性インピーダンスを有する損失線路を構成する絶縁体の導電率が無限大、半導体の導電率がσである場合、絶縁体中を進行するインピーダンスZを有する電磁波の一部が固有インピーダンスZを有する半導体中に侵入する。該半導体中に進行中にした電磁波はTEM波以外の通信に役立たない電磁波であって全てが損失となる。半導体の導電率を実際に損失に関わる割合で修正した値を半導体の実効導電率と定義すると、実効導電率σ
P1は次式から求めることができる。
実効導電率がσ P1のときの減衰定数αP1は次式から求めることが出来る。
図5において、図4の断面構造を有する、導電率が無限大の絶縁体と導電率が100[S/m]の半導体を有し、長さが1[cm]の損失線路27が端子16、17を経由して、長さが1[cm]の損失線路30が端子22.23を経由して50.8[Ω]の印刷配線基板上の伝送線路に接続されているときの、損失線路27および30の透過係数S21は、式(10)、(11)、(17)および(18)から、1[GHz]で−43dB、10[GHz]で−162dBとなる。これらの値の妥当性については、実施の形態3に示すDC−DCコンバータへの適用例で検証する。
(実施の形態2)
図10は、チョークコイルの平面構造の他の一例である。
本実施の形態のチョークコイルの正面構造、および側面構造は、実施の形態1における図6および図7と同様である。
図10において、チョークコイルは、端子16から19、および22から25、磁心20、巻枠21、樹脂26、損失線路27、印刷配線基板28、および巻線29で構成されている。
図11は印刷配線基板の断面構造の一例である。図12は、印刷配線基板の平面構造の一例である。
図11および図12において、印刷配線基板は、絶縁体層35上に貼り付けられたグランドプレーン層31と、絶縁体層32上に貼り付けられた導体層34、およびグランドプレーン層31と絶縁体層32とを貼り付けるためのプリプレグとしての機能を有する半導体層33とで構成されている。
図10から図12において、端子17、18、23、および24は、ビア37、39、42、および44によって印刷配線基板28に固定されている。端子18は、チョークコイルの巻線29の一端に接続され、ビア39、ストリップ導体38、およびビア37を経由して端子17に接続されている。端子24は、チョークコイルの巻線29の他端に接続され、ビア44、ストリップ導体43、およびビア42を経由して端子23に接続されている。
端子16、19、22、および25は、ビア36、40、41、および45によってそれぞれ印刷配線基板28のグランドプレーン31に接続され固定されている。本実施の形態のチョークコイルは、装置の印刷配線基板上に搭載され、端子16から19、および22から25を介して印刷配線基板と電気的に接続される。ストリップ導体38、絶縁体層32、半導体層33、およびグランドプレーン31は、マイクロストリップ線路構造の損失線路を構成する。
図11において、導体層34およびグランドプレーン層31の厚さを35[μm]、絶縁体層32および35の厚さを500[μm]、半導体層33の厚さを50[μm]、ストリップ導体38および43の幅を1[mm]、絶縁体層の比誘電率を4とすると、マイクロストリップ線路の特性インピーダンスは、式(9)から、49.6[Ω]となる。
図8および図9において、絶縁体層の導電率が無限大、半導体層の導電率が100[S/m]であり、ストリップ導体の実効長が1[cm]のとき、端子36、37、端子41.42を経由して50[Ω]の印刷配線基板上の伝送線路に接続されているときの、刷配線基板38上の損失線路の透過係数S21は、式(10)、(11)、(17)および(18)から、1[GHz]で−43dB、10[GHz]で−162dBとなる。これらの値の妥当性については、実施の形態3に示すDC−DCコンバータへの適用例で検証する。
(実施の形態3)
図13は、降圧型コンバータまたはバックコンバータの一例である。
図13において、降圧型コンバータまたはバックコンバータは、直流電源50と、直流電源50に並列に接続されたコンデンサ51と、スイッチング用のNチャネルMOS FET55と、NチャネルMOS FET55とコンデンサ51の間に接続され導体52と53からなる伝送線路54と、損失線路60、61、線輪49、および端子62から67とから構成されるチョークコイル59と、出力端子70,71と、出力コンデンサ69とから構成されている。なお、伝送線路54と58の特性インピーダンスは50[Ω]である。
図10において、NチャネルMOS FET55がオンすると、立ち上がりの期間に、図2に示す負の極性を有する孤立電磁波8が伝送線路58上に励起される。励起された孤立電磁波を構成する孤立電界波8は、式(16)で定義される波長λを維持しつつ伝送線路58の電位を0[V]からE/2
[V]に上昇させつつ進行し、チョークコイル59の端子62,63に到達する。
一方、図10において、NチャネルMOS FET55がオンすると、立ち上がりの期間に、図3に示す正の極性を有する孤立電磁波が伝送線路54上に励起される。励起された孤立電磁波を構成する孤立電界波10は、式(16)で定義される波長λを維持し、伝送線路54の電位をE[V]からE/2
[V]に降下させつつ直流電源50に向かって進行する。
直流電源50は理想電源であって端子インピーダンスがゼロであるとする。孤立電界波10が直流電源50に到達すると、反射して極性が反転する。反射した孤立電磁波を構成する孤立電界波は図2の8に示す波形を有し、伝送線路54の電位をE[V]に戻しつNチャネルMOS FET55のドレインまで進む。孤立電界波8がNチャネルMOS FET55のドレインに到達した時点でNチャネルMOS FET55がオンを維持していると、孤立電界波8は伝送線路58に入る。
伝送線路58に入った孤立電界波8は、式(16)で定義される波長λを維持しつつ伝送線路58の電位を0[V]からE/2
[V]に上昇させつつ進行し、チョークコイル59の端子62,63に到達する。
チョークコイル59の端子62,63に到達した孤立電界波8は、損失線路60中を、振幅を減衰させながら進行する。
図11は、損失線路60の始点と終点の孤立電界波と、孤立電界波の尖頭部の包絡曲線の一例である。
損失線路60上を孤立電磁波が進行する場合の、孤立電磁波を構成する孤立電界波の尖頭部の包絡曲線は、式(11)の指数項から求まる減衰曲線となる。孤立電磁波の尖頭部が式(11)の指数項で減衰するときの孤立電界波による伝送線路の長さ方向の電位の変化は、電界の減衰特性に依存すると考えられ、次式から求められる。
式(19)は、孤立電界波8が損失線路60上を進行中に減衰しても、静電エネルギが電位の低下分を補うことを意味し、結果的に孤立電界波8が進行中の損失線路60の電位は、孤立電磁波の進行に伴ってE[V]の定常値に達し、減少することはない。電位の低下分を補う静電エネルギは、線路の電束密度として供給され、移動速度は孤立電磁波の進行速度と等しい。従って、導体電流によって供給されるのではないことが判る。
孤立電磁波が線輪49に到達すると、直流電源50から損失線路60までの回路は定常状態となる。従ってこの時点から値線輪49に定常エネルギ、すなわち静電エネルギが直流電源50から供給される。損失線路60中で指数的に減衰して線輪49に到達した孤立電磁波8は、線輪49中の線間容量を変位電流または電束電流となって進行する。この場合、進行する孤立電磁波は、直流電源50とほぼ絶縁されるため、直流電源50から静電エネルギを引き出すことが出来ない。線輪49を透過して損失線路61に進む孤立電磁波は、さらに減衰しつつ出力端子70、71に到達する。
出力端子70、71に並列に接続されたコンデンサ69および負荷に対しては、線輪49に蓄積される静磁気エネルギが供給される。静磁気エネルギは電磁波ではなし、孤立電磁波は充分減衰しているので、降圧型コンバータまたはバックコンバータの出力部は、電磁ノイズを発生させず、また電磁干渉を引き起こすことが無い。また、チョークコイル59中で孤立電磁波が指数的に減衰するので、チョークコイルも電磁ノイズを発生させず、また電磁干渉を引き起こすことが無い。
孤立電磁波が伝送線路および損失線路失を進行し線輪49に到達するまでの間、および線輪49の充電が終わるまでの期間は、直流電源50から静電エネルギが供給される。このとき、直流電源50から出力端子70、70までの回路では、定常電流である直流電流が観測される。このときの定常電流は導体電流と考えることが出来る。
伝送線路および損失線路上を孤立電磁波が通過する際に、変位電流または電束電流が観測されるが、これは孤立電磁波が保有する電磁波エネルギすなわちポインチングベクトルによる瞬時の電流であり、導体電流ではない。
図15は、伝送線路54の直流電源50との接続端の、時間軸上で表した電位曲線の一例である。図16は、伝送線路54のNチャネルMOS FET55との接続端の、時間軸上で表した電位曲線の一例である。図17は、伝送線路58のNチャネルMOS FET55との接続端の、時間軸上で表した電位曲線の一例である。図18は、伝送線路58のチョークコイル59との接続端の、時間軸上で表した電位曲線の一例である。電流については前述の通りであって図は省略した。
図15から図18において、tは、伝送線路58のNチャネルMOS FET55上のソースに励起された孤立電磁波が伝送線路58のチョークコイル59との接続端に到達するまでの時間である。tは、伝送線路54上のNチャネルMOS FET55のドレインに励起された孤立電磁波が直流電源50で反射してNチャネルMOS FET55のドレインに戻るまでの時間である。tは、伝送線路54上のNチャネルMOS FET55のドレインに励起された孤立電磁波が直流電源50で反射してNチャネルMOS FET55を経て伝送線路58のチョークコイル59との接続端に到達するまでの時間である。
図18から伝送線路58のチョークコイル59との接続端の電位の立ち上がり時間tは、波源であるNチャネルMOS FET55の立ち上がり時間と、NチャネルMOS FET55と直流電源51との間に接続されている伝送線路54の長さに依存していることが判る。
放射電力Pを有する線形電磁波がアンテナから放射されたときのr[m]の距離での電界強度Eは、IEC CISPR16−2−3に示されている次式から求めることが出来る。
例えば家庭内使用を目的とするクラスB情報技術装置から10[m]の距離での妨害波電界強度の許容値は、VCCI(CISPR22)で決められており、30[MHz]から230[MHz]で30[dBμV/m]、230[MHz]から1[GHz]で37[dBμV/m]である。式(20)から、例えば230[MHz]での許容放射電力値を求めると、2[nW]となる。
図19は、従来のチョークコイルの平面構造の一例である。図20は、従来のチョークコイルの正面構造の一例である。図21は、従来のチョークコイルの側面構造の一例である。
図19から図21において、従来のチョークコイルは、磁心20、巻枠21、巻線29、樹脂26、端子79,80で構成されている。
図10のフォワード型DC−DCコンバータの入力電力を100[W]とし、NチャネルMOS FET55の立ち上がり時間を0.3[ns]、オン時間を30[ns]とすると、孤立電磁波のエネルギは1[W]となる。この内の0.1%がチョークコイルから大気中に放射され、さらにその内の10−4の電力を230[MHz]の線形電磁波が有しているとすると、230[MHz]の放射妨害波の電力は、100 [nW]となる。この値は、前記クラスB情報技術装置の許容放射電力値を大幅に上回る。
実施の形態1および2のチョークコイルにおいては、損失線路の透過係数が、立ち上がり時間0.3[ns]のときの実効周波数である1[GHz]において、−43dBであるので、前記条件での230[MHz]の放射妨害波の電力は、0.7[nW]となり、前記クラスB情報技術装置の許容放射電力値を充分満たす。
実施の形態1および2のチョークコイルにおいては、損失線路の長さを1[cm]とした。透過係数は、式(11)に示すように、損失線路の長さに対して指数的に減少するので、長さを選択することによって容易に大きな減衰特性を得ることが出来る。従って、本特許に依れば、特にEMC対策部品や電磁シールド材を使用しなくても、チョークコイルが原因のEMC問題はほぼ解消されると考えられる。
(実施の形態4)
図22は、試作した低インピーダンスを有する損失線路の構造の一例である。
低インピーダンスを有する損失線路は、導体層80、弁金属81、絶縁体層82、半導体層83、および導電性接着剤84とで構成され、弁金属81は図19に示すように線路長方向に引き出されている。引き出された弁金属81の線路長方向の両端が陽極端子となり、導体層80の線路長方向の両端が負極端子となる。
試作した低インピーダンスを有する損失線路は、線路部の幅が1[mm]で長さが16[mm]を有するエッチング処理が施されたアルミニウム薄膜が弁金属81として使用されている。アルミニウム薄膜のエッチング部に化成処理によって形成された10[nm]の厚さの酸化アルミニウム被膜が絶縁体層82に相当している。アルミニウム薄膜のエッチング部分に化学重合によって付着させたポリピロールが半導体層83に相当し、厚さは約2.5μmである。
ポリピロールの上に約30[μm]の厚さに塗布されたカーボングラファイトとカーボングラファイトの上に塗布された熱硬化性銀ペーストが導電性接着剤84に相当する。導電性接着剤84によって幅が1[mm]で長さが16[mm]の銅板が接着されおりこれが導体99に相当する。半導体として使用するポリピロールの導電率は1500[S/m]、絶縁体として使用する酸化アルミニウムの比誘電率は10である。
図23は、試作した低インピーダンスを有する損失線路の透過係数 (S21) 特性の一例である。
図23には、低インピーダンスを有する損失線路の部分の長さを4[mm]、8[mm]、16[mm]および24[mm]、それぞれの幅を1[mm] および2[mm]としたときの特性と、従来の2種類のチップセラミックコンデンサの特性を示している。
低インピーダンスを有する損失線路を構成する平行板の静電容量をCとすると、エッチングによる対向面積の拡大率kは、次式から得られる。
回路に並列に使用される場合を想定したコンデンサのインピーダンスZCは散乱行列透過係数(S21)から求めることが出来る。測定系のケーブルの特性インピーダンスZ0が50[Ω]であって、透過係数 (S21)が1よりかなり小さい場合は、ZCと透過係数 (S21)の関係は簡略化されて次式のようになる。
図23において、コンデンサとして作用していると考えられる100k[kHz]における16[mm]の長さで1[mm]の幅の低インピーダンスを有する損失線路の透過係数(S21)は約−46dBである。このときのコンデンサとしてのインピーダンスZは式(22)から求めることが出来、静電容量Cは12[μF]となる。この値および既定の他のパラメータを式(21)に代入すると、エッチングによる対向面積の拡大率kは、85、幅の拡大率k’は9.2となる。
このときの、平行板線路として作用する場合の特性インピーダンスは、式(7)のwを9.2wとして求めることが出来、0.13[mΩ]となる。
本実施の形態の低インピーダンス損失線路の、特性インピーダンスが50[Ω]の線路に対する透過係数(S21)は、式(10)、(11)、(17)および(18)を使用して求めることが出来る。線路長が8[mm]の場合は、10 [MHz]で−63dB、100[MHz]で−82dB、1[GHz]で−129dBとなる。線路長が16[mm]の場合のS21は、同様にして、10
[MHz]で−77dB、100[MHz]で−116dB、1[GHz]で−208dBとなる。
これらの特性は、図23の特性と大略一致する。実測と計算結果との間に生じる差異は、アルミニウム薄膜のエッチング部の構造が非常に複雑であるためである。従って、実施の形態1および2における、損失線路の特性インピーダンス並びに透過係数 (S21)は、エッチング処理を行わない場合はほぼ正確に計算で求めることが可能であるし、エッチング処理を行う場合においても、実用上支障のない精度で計算によって求めることが可能である。
この発明は、孤立電磁波コンセプトに従うことによって、高速ディジタルデータ通信機器や高周波DC−DCコンバータに使用するチョークコイルの設計や解析を非常に容易に行うことが可能にする。
この発明は、高速ディジタルデータ通信機器や高周波DC−DCコンバータ等に使用するチョークコイルを使用する機器の変換効率、信号品位(シグナルインテグリティ)、および電磁環境適合性(EMC)を、未熟な技術者でも容易に向上させることが出来る。
また、本発明は、チョークコイルの電磁シールド、並びにチョークコイルを使用する機器のEMC対策部品や材料の使用を削減できるとともに、高速スイッチングパルスを印加するチョークコイルに不可欠であったスナバや整合終端回路を不要とするので、機器の小型軽量化、製造コスト低減、設計期間短縮を可能にする。
図1は、プッシュプル回路に関する等価回路の一例である。 図2は、負荷側の伝送線路上の電界波形と電位波形の一例である。 図3は、電源供給側の伝送線路上の電界波形と電位波形の一例である。 図4は、伝送線路構造の一例である。 図5は、チョークコイルの平面構造の一例である。 図6はチョークコイルの正面構造の一例である。 図7はチョークコイルの側面構造の一例である。 図8は、印刷配線基板の断面構造の一例である。 図9は、印刷配線基板の平面構造の一例である。 図10は、チョークコイルの平面構造の他の一例である。 図11は、印刷配線基板の断面構造の一例である。 図12は、印刷配線基板の平面構造の一例である。 図13は、降圧型コンバータまたはバックコンバータの一例である。 図14は、損失線路上を進行する孤立電界波と、孤立電界波の尖頭部の包絡曲線の一例である。 図15は、伝送線路の時間軸電位波形の一例である。 図16は、伝送線路の時間軸電位波形の他の一例である。 図17は、伝送線路の時間軸電位波形の他の一例である。 図18は、伝送線路の時間軸電位波形の他の一例である。 図19は、従来のチョークコイルの平面構造の一例である。 図20は、従来のチョークコイルの正面構造の一例である。 図21は、従来のチョークコイルの側面構造の一例である。 図22は、試作した低インピーダンスを有する損失線路の構造の一例である。 図23は、試作した低インピーダンスを有する損失線路の透過 (S21) 特性の一例である。
符号の説明
1
プッシュプル回路
2
PチャネルMOS FET
3
、55 NチャネルMOS FET
4
、50 直流電源
5
、6、54、58 伝送線路
7
整合終端抵抗
8
、10、72 孤立電界波
9
、11、75、76、77、78 伝送線路上の電位波形
12
、52、53、56、57 導体
13
半導体
14
、15 絶縁体
16
、17、18、19、22、23、34、25、62、63、64、65、66、67、70、71、79、80 端子
20
磁心
21
巻枠
26
樹脂
27
、60、61 損失線路
28
印刷配線基板
29
巻線
31
グランドプレーン層
32
、35、82 絶縁体層
33
、83 半導体層
34
、80 導体層
36
、37、39、40、41、42、43、44、、、 ビア
38
、43 ストリップ導体
49
線輪
51
、69 コンデンサ
59
損失を有するチョークコイル
68
ダイオード
73
孤立電界波の尖頭部の包絡曲線
81
弁金属
84
導電性接着剤

Claims (10)

  1. スイッチング素子によって駆動されるチョークコイルにおいて、該チョークコイルの一端と該チョークコイルが搭載される回路のグランドとの間に、スイッチング素子の立ち上がり波形の最大傾斜部の接線を立ち上がり波形と見なして求める立ち上がり時間と円周率との積の逆数として求められる周波数で定義される実効周波数の電磁波を印加したときに、前記チョークコイルが、前記電磁波の振幅を1/10以下に減衰させる能力を有するチョークコイルとして設計されて成ることを特徴とする、チョークコイル
  2. 請求項1記載のチョークコイルにおいて、該チョークコイルの一端と該チョークコイルを構成する巻線の一端とを接続する配線と、該チョークコイルが搭載される回路のグランドとで構成される伝送線路が、少なくとも、導体と、該導体表面に形成される絶縁体と、該絶縁体の表面に形成される半導体とで構成される損失線路、または、少なくとも、導体と、該導体表面に形成される前記半導体と、該半導体の表面に形成される絶縁体とで構成される損失線路であることを特徴とするチョークコイル
  3. 請求項1から請求項2記載のチョークコイルにおいて、前記損失線路の長さが、10[mm]以上であることを特徴とするチョークコイル
  4. 請求項1から請求項3記載のチョークコイルにおいて、前記損失線路の特性インピーダンスが、該チョークコイルを搭載して接続する印刷配線基板の特性インピーダンスに±20%以内の精度で等しいことを特徴とするチョークコイル
  5. 請求項1から請求項4記載のチョークコイルにおいて、前記損失線路が、絶縁体膜で覆われた2本の導体間に前記半導体を充填した上で全体を絶縁膜で覆って構成されることを特徴とするチョークコイル
  6. 請求項1から請求項5記載のチョークコイルにおいて、前記損失線路が、2層の導体層の間に絶縁層と半導体層を有する印刷配線基板上に形成されることを特徴とするチョークコイル
  7. 請求項1から請求項6記載のチョークコイルにおいて、前記半導体が、無機半導体または有機半導体であって10[S/m]以上の導電率を有するように設計されて成ることを特徴とするチョークコイル
  8. 請求項1から請求項7記載のチョークコイルにおいて、前記半導体が、ポリ(p−フェニレン)(22.7°)、またはポリ(p−フェニレンスルフィド)、またはカーボングラファイト、または二酸化マンガン、またはポリアセチレン、またはポリチオフェン、またはポリピロール、またはポリフェニレンビニレン、またはテトラチアフルバレン−テトラキノジメタン(TTF−TCNQ)であることを特徴とする、チョークコイル
  9. 請求項1から請求項8記載のチョークコイルにおいて、前記半導体が、1015[cm-3]以上のリンをドーピングしたn型シリコン、1016[cm-3]以上のボロンをドーピングしたp型シリコン、または、不純物を混合した、アモルファスシリコン、またはアルミナ、またはジルコニア、またはカーバイド、またはニトライド、またはシリサイド、またはシリコンカーバイド、またはシリコンナイトライド、またはマグネシウムナイトライド、または酸化亜鉛であることを特徴とする、チョークコイル
  10. 請求項1から請求項9記載のチョークコイルにおいて、前記半導体が、請求項4から請求項6記載の半導体または最大長が100ナノメートル以下の前記半導体の粒子を混合した、樹脂であることを特徴とする、チョークコイル
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