JP2009260164A - 磁気センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】 トンネル型磁気抵抗効果素子(TMR素子)を用いて磁気センサに係り、特に、従来に比べて、ESD耐性を向上させた磁気センサを提供することを目的とする。
【解決手段】 外部磁界に対して電気抵抗値が変動する磁気抵抗効果を利用した素子部を備える磁気センサS1であって、素子部は、トンネル型磁気抵抗効果素子(TMR素子)21を有して構成され、TMR素子21の上下には電極層23,24が設けられており、TMR素子21の側方には前記電極間に位置しTMR素子21と並列に接続されるコンデンサ層42が設けられ、前記コンデンサ層42の静電容量C2は、前記TMR素子21の静電容量C1より大きい。
【選択図】図1
【解決手段】 外部磁界に対して電気抵抗値が変動する磁気抵抗効果を利用した素子部を備える磁気センサS1であって、素子部は、トンネル型磁気抵抗効果素子(TMR素子)21を有して構成され、TMR素子21の上下には電極層23,24が設けられており、TMR素子21の側方には前記電極間に位置しTMR素子21と並列に接続されるコンデンサ層42が設けられ、前記コンデンサ層42の静電容量C2は、前記TMR素子21の静電容量C1より大きい。
【選択図】図1
Description
本発明は、トンネル型磁気抵抗効果素子(TMR素子)を用いて磁気センサに係り、特に、従来に比べて、ESD耐性を向上させた磁気センサに関する。
外部磁界に対して電気抵抗値が変動する磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子は磁気センサとして使用できる。
磁気抵抗効果素子にはトンネル型磁気抵抗効果素子(TMR素子)を使用できる。
TMR素子は巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)に比べて高出力という特性を備え、また温度特性にも優れるため、適切に磁気センサの出力特性を向上させることができる。また増幅ICを簡略化しても高精度な出力特性を得やすく、増幅ICを簡略化したこと等による低コスト化を実現できる。
特開平11−112054号公報
TMR素子は巨大磁気抵抗効果素子(GMR素子)に比べて高出力という特性を備え、また温度特性にも優れるため、適切に磁気センサの出力特性を向上させることができる。また増幅ICを簡略化しても高精度な出力特性を得やすく、増幅ICを簡略化したこと等による低コスト化を実現できる。
しかしながら、TMR素子自体はESD耐性が低く、静電気等のサージにより過電圧や過電流が流れると破壊されるといった問題があった。
例えば特許文献1に記載された発明には、TMR素子を直列に複数個接続した構成が開示されている。これにより、電圧は分圧されるため、個々のTMR素子に印加される電圧を小さくできる。しかしながらこのような構成にしてもESD耐性強化の観点からは不十分であった。
そこで本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、トンネル型磁気抵抗効果素子(TMR素子)を用いて磁気センサに係り、特に、従来に比べて、ESD耐性を向上させた磁気センサを提供することを目的とする。
本発明は、外部磁界に対して電気抵抗値が変動する磁気抵抗効果を利用した素子部を備える磁気センサであって、
前記素子部は、トンネル型磁気抵抗効果素子を有して構成され、前記トンネル型磁気抵抗効果素子の上下には電極層が設けられており、前記トンネル型磁気抵抗効果素子の側方には前記電極間に位置し前記トンネル型磁気抵抗効果素子と並列に接続されるコンデンサ層が設けられ、前記コンデンサ層の静電容量は、前記トンネル型磁気抵抗効果素子の静電容量より大きいことを特徴とするものである。これにより従来に比べてESD耐性を効果的に向上させることができる。
前記素子部は、トンネル型磁気抵抗効果素子を有して構成され、前記トンネル型磁気抵抗効果素子の上下には電極層が設けられており、前記トンネル型磁気抵抗効果素子の側方には前記電極間に位置し前記トンネル型磁気抵抗効果素子と並列に接続されるコンデンサ層が設けられ、前記コンデンサ層の静電容量は、前記トンネル型磁気抵抗効果素子の静電容量より大きいことを特徴とするものである。これにより従来に比べてESD耐性を効果的に向上させることができる。
本発明では、前記コンデンサ層は、SiO2、Al2O3、MgO、Si3N4、Ta2O5、HfO2、TiO2、SrTiO3、(Ba,Sr)TiO3の少なくともいずれか1種で構成されることが好ましい。上記した材質の比誘電率は高く、前記コンデンサ層の静電容量を、前記トンネル型磁気抵抗効果素子の静電容量より適切に大きくできる。
また本発明では、前記コンデンサ層は、前記トンネル型磁気抵抗効果素子を構成する絶縁障壁層よりも高誘電率であることが好ましい。これにより、効果的に、前記コンデンサ層の静電容量を、前記トンネル型磁気抵抗効果素子の静電容量より大きくできる。
また本発明では、前記トンネル型磁気抵抗効果素子を構成する絶縁障壁層は、Al2O3、あるいは、MgOで形成され、前記コンデンサ層は、Ta2O5、HfO2、TiO2、SrTiO3、(Ba,Sr)TiO3の少なくともいずれか1種で構成されることが好ましい。
あるいは本発明では、前記トンネル型磁気抵抗効果素子を構成する絶縁障壁層は、TiO2で形成され、前記コンデンサ層は、SrTiO3、(Ba,Sr)TiO3の少なくともいずれか1種で構成されることが好ましい。
また本発明では、前記素子部は、複数の前記トンネル型磁気抵抗効果素子が前記電極層を介して直列接続された構成であり、各トンネル型磁気抵抗効果素子の側方に前記トンネル型磁気抵抗効果素子と並列に接続される前記コンデンサ層が夫々設けられていることが好ましい。これにより、従来に比べて、より効果的にESD耐性を向上させることができる。
本発明の磁気センサによれば、従来に比べてESD耐性を向上できる。
図1は、本実施形態における磁気センサを構成する一つの素子部の部分断面図、図2は図1に示す素子部の部分平面図、図3は、本実施形態における磁気センサの回路構成図、図4は、トンネル型磁気抵抗効果素子(TMR素子)及びその付近を膜厚方向から切断しその切断面を示す部分拡大断面図、である。
図3に示すように本実施形態の磁気センサS1は、4つの素子部1〜4がブリッジ回路を構成している。
図3に示すように、第1素子部1と第2素子部2は出力取出し部6を介して直列接続されている。また第3素子部3と第4素子部4は出力取出し部7を介して直列接続されている。図3に示すように出力取出し部6,7は差動増幅器8に接続される。図3に示すように第2素子部2と第3素子部3は入力端子9を介して接続されており、第1素子部1と第4素子部4はグランド端子10を介して接続されている。また前記差動増幅器8の出力側には外部出力端子11が接続されている。
図3の第1素子部1を拡大した回路構成に示すように、第1素子部1は、複数個のトンネル型磁気抵抗効果素子(以下、TMR素子という)が直列に接続された構成である。第2素子部2、第3素子部3及び第4素子部4も、第1素子部1と同じ構成である。
以下では第1素子部1の構成として説明するが、第2素子部2、第3素子部3及び第4素子部4にも当てはまる。
図1に示すように、基板20上には、図示Y方向に延びる下側電極層23が所定の間隔を空けて形成されている。各下側電極層23間は絶縁層40で埋められている。
各下側電極層23上には、図示Y方向に間隔を空けてTMR素子21が各下側電極23上に2個ずつ形成されている。
図1に示すように図示中央に形成された2個のTMR素子21上は上側電極層24により接続され、また図示左側のTMR素子21上と図示右側のTMR素子21上は夫々図示しない隣側のTMR素子21上と上側電極層24により接続されている。図1に示すように上側電極層24は図示Y方向に延び、各上側電極層24間には所定の間隔が空けられている。各上側電極層24間は絶縁層40により埋められている。
図1に示す構成により、複数のTMR素子21が下側電極層23及び上側電極層24を介して直列接続された構成となっている(図3も参照)。
図4に示すように、TMR素子21は、例えば下から下地層30、反強磁性層31、固定磁性層32、絶縁障壁層33、フリー磁性層34及び保護層35の順に積層される。例えば下地層30はTa、反強磁性層31はIrMn、固定磁性層32は、CoFeB、絶縁障壁層33はMgO、フリー磁性層34はCoFeB、保護層35はTaである。積層構造は図4の構成に限定されない。例えば固定磁性層32は第1磁性層/非磁性中間層/第2磁性層の積層フェリ構造に出来る。
また、図2に示すように、基板表面と平行な面(X−Y面)方向からのTMR素子21の断面形状は略円形状であることが好適である。これにより形状異方性を小さくでき、外部磁界がどの方向から及んでも、TMR素子21を構成するフリー磁性層34が、感度良く反応し、検知精度の向上を図ることが出来る。
図1,図4に示すように各TMR素子21の図示Y方向の両側には拡散防止層41を介してコンデンサ層42が形成されている。拡散防止層41は主に、絶縁障壁層33(図4参照)とコンデンサ層42間の元素拡散を防止するための層であるが拡散防止層41の形成の有無は任意である。拡散防止層41はSiO2、Al2O3等で形成される。
コンデンサ層42は、下側電極層23と上側電極層24との間に形成されており、TMR素子21と並列に接続される。
図3に示すC1は、TMR素子21の静電容量であり、C2はコンデンサ層42の静電容量を示している。
本実施形態ではコンデンサ層42の静電容量C2は、TMR素子21の静電容量C1より大きくなっている。
図5はTMR素子21への突入電圧の時間変化を示すグラフである。コンデンサ層42を設けない構成では瞬時に極めて高いピーク値の突入電圧がTMR素子21に印加されるが、コンデンサ層42をTMR素子21に並列に接続し、コンデンサ層42の静電容量C2を大きくするほど突入電圧のピーク値を小さくし、勾配を緩やかにできる。
したがって、TMR素子21の静電容量C1よりも大きい静電容量C2を備えるコンデンサ層42をTMR素子21と並列に接続することでESD耐性を効果的に向上させることが可能である。
具体的にはTMR素子21の静電容量C1は、1〜20pF程度であり、コンデンサ層42の静電容量C2は、20pF〜1nF程度であることが好ましい。
コンデンサ層42の静電容量C2は、以下の数式で求められる。
コンデンサ層42の静電容量C2は、以下の数式で求められる。
数1に示すようにコンデンサ層42の静電容量C2を大きくするには、コンデンサ層42に比誘電率εrが高い材質を使用することが好適である。
具体的には、コンデンサ層42は、SiO2(3.9〜4.0)、Al2O3(8〜10)、MgO(10)、Si3N4(8〜9)、Ta2O5(20〜50)、HfO2(20〜30)、TiO2(20〜80)、SrTiO3(90〜240)、(Ba,Sr)TiO3(160〜600)のうちいずれか1種あるいは2種以上で構成されることが好ましい。括弧内の数値は比誘電率であり、これら材質はいずれも比誘電率が高い。(Ba,Sr)TiO3の(Ba,Sr)は、BaとSrの双方を含む意味である。
本実施形態では、コンデンサ層42は、TMR素子21を構成する絶縁障壁層33よりも高誘電率であることが好適である。ところで、上記数1に示したように、コンデンサ層42の静電容量C2は、電極面積を大きくしたり、電極間距離(膜厚)を小さくすることで大きくできる。図1,図4の構成では、電極間距離(膜厚)は、TMR素子21の膜厚と同じである。このとき、電極間距離(膜厚)をより小さくしようとすれば、例えば上側電極層24の形成面が凹凸面となってしまい、上側電極層24を適切に形成することが出来なくなる。よって上側電極層24の形成面は図1,図4のようにTMR素子21の形成面と同じ平坦面とすべく、電極間距離(膜厚)を、TMR素子21の膜厚と同等にすることが好ましい。また電極面積を大きくすると、各素子部1〜4の形成領域を大きくしなければならなくなり磁気センサS1の小型化を促進できない。よってコンデンサ層42には、TMR素子21を構成する絶縁障壁層33よりも高誘電率の材質を使用し、これにより電極面積や電極間距離(膜厚)が従来のままでも、効果的に、コンデンサ層42の静電容量C2を、TMR素子21の静電容量C1より大きくできる。
具体的には、TMR素子21を構成する絶縁障壁層33が、Al2O3、あるいは、MgOで形成されるとき、コンデンサ層42は絶縁障壁層33よりも高誘電率であるTa2O5、HfO2、TiO2、SrTiO3、(Ba,Sr)TiO3等のうち少なくともいずれか1種で形成される。
あるいは、TMR素子21を構成する絶縁障壁層33がTiO2で形成されるとき、コンデンサ層42は絶縁障壁層33よりも高誘電率のSrTiO3、(Ba,Sr)TiO3等のうち少なくともいずれか1種で形成される。
コンデンサ層42を構成する材質の比誘電率は、絶縁障壁層33を構成する材質の比誘電率の5倍以上、より好ましくは10倍以上であると好適である。
コンデンサ層42は単層構造でもよいし、異なる材質の層を重ねて構成したもの等でもよい。
本実施形態では各素子部1〜4を構成するTMR素子21は1個でもよいが、複数個設けることで、電圧は分圧されるため、従来に比べて、より効果的にESD耐性を向上させることができる。
また例えば、図3に示す第1素子部1を構成する各TMR素子21と第3素子部3を構成する各TMR素子21の固定磁性層32の固定磁化方向(PIN方向)は共に同じ方向であり、一方、第2素子部2及び第4素子部4を構成するTMR素子21の固定磁化方向(PIN方向)は第1素子部1とは反対方向である(図3参照)。
これにより図3に示すブリッジ回路において、第1素子部1及び第3素子部3の電気抵抗値が上昇するときは、第2素子部2及び第4素子部4の電気抵抗値は低下する関係にあり、第1素子部1及び第3素子部3の電気抵抗値が低下するときは、第2素子部2及び第4素子部4の電気抵抗値は上昇する関係にある。よって差動増幅器8にて大きい差動出力を得ることができる。なおTMR素子21はGMR素子に比べて高出力にできるため、ブリッジ回路でなく、出力取出し部6を介して直列接続された第1素子部1と第2素子部2のみを備える回路構成でもよい。
また全ての素子部1〜4がTMR素子21を備える構成でなくてもよい。例えば第2素子部2及び第4素子部4は固定抵抗でもよい。また図3に示すように各素子部1〜4内においても、TMR素子21に直列に固定抵抗(外部抵抗)45が接続されていてもよい。これにより電圧がより分圧されるため、ESD耐性をより効果的に向上させることができる。
本実施形態の磁気センサS1は携帯電話等の開閉スイッチ(磁気スイッチ)として使用できる。例えば携帯電話の画面表示のある筐体内に磁石を内蔵し、操作釦のある筐体内に本実施形態の磁気センサS1を内蔵すると、筐体間の開閉時に、磁石から磁気センサS1に及ぼす外部磁界強度が変化することで、スイッチング出力(ON・OFF)を得ることが出来る。
本実施形態では、開閉スイッチ以外に、エンコーダ、ポテンショメータ等の他の磁気センサにも適用可能である。
人体帯電モデル静電破壊試験を行った。人体帯電モデル(Human Body Model)回路は、図6の通りである。
C1はTMR素子21の静電容量であり、C2はTMR素子21の上下の電極層23,24に設けられ、TMR素子21に並列に接続されるコンデンサ層42の静電容量である。
電源電圧は350Vであり、コンデンサ50の静電容量Cは150pF、抵抗51の抵抗値Rは330Ωであった。TMR素子21の絶縁障壁層33にはMgO(比誘電率 10)を使用した。素子サイズは10μmΦ(X−Y平面)であり、絶縁障壁層33の膜厚は20Åであった。TMR素子21の素子抵抗値は10Ωであり、静電容量C1は、3.5pFであった。
実験では、表1に示す5つの試料を用いた。試料No1は、コンデンサ層42を設けない構成である。よって静電容量C2は0pFである。また試料No2〜5はいずれも表に示される材質を使用した。表1の「電極面積−素子面積」が、数1に示す電極面積Sであり、表1の「電極間距離d」が数1に示す電極間距離(膜厚)dである。
実験では、まず図6の状態でコンデンサ50に電荷を蓄え、スイッチ52を切り換えて、TMR素子21側に放電した。このとき、TMR素子21に印加される実効電圧の時間変化を測定した。
図7は表1の試料No1における実験結果、図8は表1の試料No2における実験結果、図9は表1の試料No3における実験結果、図10は表1の試料No4における実験結果、図11は表1の試料No5における実験結果である。いずれもシミュレーション結果である。
図7に示すように、TMR素子21と並列に接続されるコンデンサ層42を設けない場合、TMR素子21に印加される実効電圧ピークが10Vを超えた。
一方、TMR素子21と並列に接続されるコンデンサ層42を設け、しかもコンデンサ層42の静電容量C2をTMR素子21の静電容量C1より大きくすることでESD耐性を向上できるが、図8、図9のように、コンデンサ層42の静電容量C2がTMR素子静電容量C1に近いと実効電圧ピークを大きく下げることができなかった。
表1に示すように試料No2,No3はいずれもTMR素子21の絶縁障壁層33に用いられるMgOと同等の比誘電率か、あるいはMgOよりも比誘電率が小さい。一方、表1に示す試料No4,No5は、MgOに比べて非常に高い比誘電率を有する材質をコンデンサ層42に用いており、コンデンサ層42の静電容量C2はTMR素子21の静電容量C1に比べて非常に大きくなっている。このため図10,図11に示すように効果的にTMR素子21に印加される実効電圧ピークを下げることが出来るとわかった。
図6に示す人体帯電モデル回路を用いて、上記構成のTMR素子21の実効ESD破壊電圧(VTMR)を求めた。
実効ESD破壊電圧(VTMR)は以下の数2に示す数式で求められる。
実効ESD破壊電圧(VTMR)は以下の数2に示す数式で求められる。
HBM電源電圧(VHBM)を徐々に上げていき、TMR素子21が破壊したときのVHBMから数2を用いて実行ESD破壊電圧(VTMR)を求めたところ、実効ESD破壊電圧(VTMR)は約10Vであった。
以下の表2は、コンデンサ層42の静電容量C2とTMR素子21に印加される実効電圧ピーク値との関係であり、この表2をグラフにしたものが図12である。
このようにコンデンサ層42の静電容量C2を大きくすれば、TMR素子21に印加される実効電圧ピーク値を徐々に下げることができ、ESD耐性を向上できることがわかった。
この実験例では、電源電圧を350Ωとしたとき、20pF以上のコンデンサ層42をTMR素子21(抵抗値10Ω)に並列に接続することで確実にESD破壊を防止できることがわかった。
1 第1素子部
2 第2素子部
3 第3素子部
4 第4素子部
6、7 出力取り出し部
8 差動増幅器
9 入力端子
10 グランド端子
11 外部出力端子
20 基板
21 TMR素子
23 下側電極層
24 上側電極層
31 反強磁性層
32 固定磁性層
33 絶縁障壁層
34 フリー磁性層
35 保護層
40 絶縁層
41 拡散防止層
42 コンデンサ層
45 固定抵抗(外部抵抗)
2 第2素子部
3 第3素子部
4 第4素子部
6、7 出力取り出し部
8 差動増幅器
9 入力端子
10 グランド端子
11 外部出力端子
20 基板
21 TMR素子
23 下側電極層
24 上側電極層
31 反強磁性層
32 固定磁性層
33 絶縁障壁層
34 フリー磁性層
35 保護層
40 絶縁層
41 拡散防止層
42 コンデンサ層
45 固定抵抗(外部抵抗)
Claims (6)
- 外部磁界に対して電気抵抗値が変動する磁気抵抗効果を利用した素子部を備える磁気センサであって、
前記素子部は、トンネル型磁気抵抗効果素子を有して構成され、前記トンネル型磁気抵抗効果素子の上下には電極層が設けられており、前記トンネル型磁気抵抗効果素子の側方には前記電極間に位置し前記トンネル型磁気抵抗効果素子と並列に接続されるコンデンサ層が設けられ、前記コンデンサ層の静電容量は、前記トンネル型磁気抵抗効果素子の静電容量より大きいことを特徴とする磁気センサ。 - 前記コンデンサ層は、SiO2、Al2O3、MgO、Si3N4、Ta2O5、HfO2、TiO2、SrTiO3、(Ba,Sr)TiO3の少なくともいずれか1種で構成される請求項1記載の磁気センサ。
- 前記コンデンサ層は、前記トンネル型磁気抵抗効果素子を構成する絶縁障壁層よりも高誘電率である請求項1又は2に記載の磁気センサ。
- 前記トンネル型磁気抵抗効果素子を構成する絶縁障壁層は、Al2O3、あるいは、MgOで形成され、前記コンデンサ層は、Ta2O5、HfO2、TiO2、SrTiO3、(Ba,Sr)TiO3の少なくともいずれか1種で構成される請求項3記載の磁気センサ。
- 前記トンネル型磁気抵抗効果素子を構成する絶縁障壁層は、TiO2で形成され、前記コンデンサ層は、SrTiO3、(Ba,Sr)TiO3の少なくともいずれか1種で構成される請求項3記載の磁気センサ。
- 前記素子部は、複数の前記トンネル型磁気抵抗効果素子が前記電極層を介して直列接続された構成であり、各トンネル型磁気抵抗効果素子の側方に前記トンネル型磁気抵抗効果素子と並列に接続される前記コンデンサ層が夫々設けられている請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気センサ。
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