JP2009259748A - 電池、組電池、車両及び電池搭載機器 - Google Patents

電池、組電池、車両及び電池搭載機器 Download PDF

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Abstract

【課題】発電要素による熱を吸熱して、その熱を電池外部へ確実に放出可能な電池、このような電池を搭載した車両及び電池搭載機器を提供する。
【解決手段】電池1は、発電要素50、及び、収容空間CSを包囲してなり、絶縁性樹脂からなり、上記収容空間の少なくとも一部を包囲する樹脂収容壁部22,32Pを有する電池ケース10、を備え、良熱伝導材からなる排熱部材40を備え、排熱部材の一部は、樹脂収容壁部の一部である樹脂排熱壁部32Pよりも収容空間側に配置されて、この樹脂排熱壁部と共に排熱壁部32をなし、収容空間内の熱を吸収する吸熱部41であり、排熱部材の他の一部は、電池ケースの外部に配置されて、電池ケースの外部に放熱する放熱部である。
【選択図】図2

Description

本発明は、主として絶縁性樹脂からなる電池ケースを備える電池、組電池、車両及び電池搭載機器に関する。
近年、携帯電話、ノート型パソコン、ビデオカムコーダなどのポータブル電子機器やハイブリッド電気自動車等の車両の普及により、これらの駆動用電源に用いられる電池の需要は増大している。
このような電池の中には、絶縁性樹脂を主とした電池ケースを備える電池がある。但し、一般的に絶縁性樹脂の熱伝導率は、アルミニウムやステンレスなどの金属よりも低い。そのため、例えば、主に絶縁性樹脂からなる電池ケースを用いた電池では、金属製の電池ケースを用いたものよりも、発電要素で生じた熱を電池(電池ケース)外に放熱し難い。
これに対応すべく、特許文献1では、金属部品を樹脂で被覆し、その金属部品を内部に埋め込んでなる電槽(電池ケース)を備える鉛蓄電池を、特許文献2では、合成樹脂によって扁平な中空直方形状に構成された電槽(電池ケース)の外表面に放熱部材(排熱部材)を備える二次電池を開示している。
特開平10−144266号公報 特開2003−17141号公報
しかしながら、特許文献1に記載の電池では、金属部材が電池ケースの外部に露出していないため、金属部材が発電要素から発生した熱を吸熱しても、電池ケースの外部に放熱し難い。また、特許文献2に記載の電池では、電池ケースの外表面に放熱部材を備えるものの、その放熱部材と発熱する発電要素との間には電池ケースを構成する合成樹脂を介するので、ケース内の放熱部材が熱を吸熱し難い。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、発電要素による熱を吸熱して、その熱を電池外部へ確実に放出可能な電池、このような電池を搭載した車両及び電池搭載機器を提供することを目的とする。
そして、その解決手段は、発電要素、及び、上記発電要素を収容する収容空間を包囲してなり、上記収容空間の少なくとも一部を包囲する絶縁性樹脂からなる樹脂収容壁部を有する電池ケース、を備える電池であって、上記絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高い良熱伝導材からなる排熱部材を備え、上記排熱部材の一部は、上記樹脂収容壁部の少なくとも一部である樹脂排熱壁部の内部に埋設され、またはこれよりも上記収容空間側に配置されて、この樹脂排熱壁部と共に排熱壁部をなし、上記収容空間内の熱を吸収する吸熱部であり、上記排熱部材の他の一部は、上記電池ケースの外部に配置されて、上記吸熱部から伝導した熱を上記電池ケースの外部に放熱する放熱部である電池である。
本発明の電池は、排熱壁部をなし、樹脂排熱壁部の内側に埋設され、またはこれよりも収容空間側に配置された吸熱部と、電池ケースの外部に配置された放熱部とを有する排熱部材を備える。これにより、排熱壁部において、吸熱部が電池ケースの外側よりも、発熱する発電要素を収容する収容空間に近くなるため、より多くの熱を収容空間から吸熱することができる。
また、排熱部材の放熱部が電池ケースの外部に露出しているので、吸熱部で吸収した熱を、電池ケースの外部に確実に放熱することができる。
なお排熱部材としては、絶縁性樹脂よりも熱伝導率の高い良熱伝導材、例えば、金属(銅、アルミニウム、ステンレスなど)からなる金属板、金属棒などバルクの金属体が挙げられる。
また、排熱部材の放熱部としては、排熱部材のうち、電池ケースの外部に排熱可能に露出している部位が該当し、例えば、排熱部材のうち、電池ケースの外側に露出した1又は複数の露出面を有する部位や、電池ケースから外部に突出してなる部材が含まれる。
さらに、発電要素には、正極活物質を担持した正極板、負極活物質を担持した負極板、これらの間に介在するセパレータ、あるいは、セパレータを兼用する固体電解質体が挙げられる。
さらに、上述の電池であって、前記電池ケースは、開口を有するケース本体部材と、上記開口を閉塞する蓋部材と、からなり、上記蓋部材は、前記排熱部材を含んでなり、上記開口に面して、前記収容空間の一部を包囲する蓋壁部を有し、上記蓋壁部の少なくとも一部は、前記排熱壁部である電池とすると良い。
本発明の電池では、電池ケースをなす蓋部材が排熱部材を含むので、例えば、ケース本体部材に排熱部材を設けた場合よりも、容易に形成できる。
なおケース本体部材としては、例えば、1つの開口を有する有底筒状のものが挙げられる。この場合は、1つの蓋部材でこの1つの開口を閉塞すれば良い。また、両端にそれぞれ開口を有する筒状(枠状)のものも挙げられる。この場合には、2つの蓋部材でケース本体部材を挟むようにして、2つの開口をそれぞれ蓋部材で閉塞する。
また、開口としては、ケース本体部材内に発電要素を収容する際に発電要素を通過させる開口を挙げることができる。
さらに、上述の電池であって、前記蓋部材のうち、前記蓋壁部の全部が、前記排熱壁部である電池とすると良い。
本発明の電池は、蓋壁部の全部が排熱壁部であるので、この蓋壁部内の全体に配置された吸熱部を通じて、より多くの熱を吸熱し、排熱部材の放熱部を通じて、その熱を電池ケースの外部に排熱できる。
さらに、上述のいずれかの電池であって、前記蓋部材は、前記蓋壁部の周囲に位置し、前記ケース本体部材のうち、前記開口の周縁をなす開口周縁部と接続する環状の周縁接続部を有し、前記排熱部材は、上記蓋壁部内の前記吸熱部から延びて、上記周縁接続部内に位置する吸熱周囲部を有してなり、上記ケース本体部材の上記開口周縁部と上記蓋部材の上記周縁接続部とは、上記開口周縁部をなす前記絶縁性樹脂と上記周縁接続部をなす上記絶縁性樹脂との融接により形成した、上記開口を囲む環状の樹脂融接部を介して、互いに固着されてなる電池とすると良い。
本発明の電池は、蓋部材において、排熱部材の吸熱周囲部が蓋壁部内の吸熱部から周縁接続部内まで延びているので、吸熱部が周縁接続部の間近まで広がっている。このため、吸熱部で収容空間の広い範囲にわたり熱を吸収できる。その一方、蓋部材とケース本体部材とは樹脂融接部を介して互いに固着しているので、ケース本体部材と蓋部材とを強固に一体化した電池ケースを構成できる。
さらに、上述のいずれかの電池であって、前記収容空間内に電解液を貯留してなり、前記排熱部材の前記吸熱部の上記収容空間側に、上記電解液と上記吸熱部との間を隔離し絶縁する絶縁性被膜を備える電池とすると良い。
本発明の電池では、絶縁性被膜で排熱部材の吸熱部と電解液とを隔離し、かつ絶縁するので、排熱部材の吸熱部に電解液が触れて、排熱部材が腐食したり、また、排熱部材を通じて電解液と電池ケース外部の部材とが短絡することを防止できる。
なお、絶縁性被膜としては、例えば、排熱部材の吸熱部をアルミニウム材で形成した場合において、この吸熱部の内側(収容空間側)表面に形成したアルマイト層が挙げられる。このほか、吸熱部の内側表面に形成したエポキシ樹脂などの絶縁樹脂層、絶縁セラミックス層、絶縁ガラス層が挙げられる。
または、前述のいずれかの電池であって、前記収容空間内に電解液を貯留してなり、前記排熱部材の前記吸熱部は、前記樹脂排熱壁部の内部に埋設されてなり、上記樹脂排熱壁部のうち上記収容空間に面する排熱壁部空間側面を覆って、上記電解液が上記排熱壁部空間側面から上記樹脂排熱壁部を浸透して上記排熱部材に届くのを防止する電解液浸透防止材を備える電池とすると良い。
本発明の電池では、樹脂排熱壁部の排熱壁部空間側面を覆う電解液浸透防止材を備えるので、その樹脂排熱壁部に生じたピンホールなどによって、電解液が排熱部材(吸熱部)に届き、排熱部材が電解液と接触して、腐食したり、電位を持つのを防止することができる。
なお電解液浸透防止材としては、例えば、排熱部材とは絶縁された金属板・金属箔、金属メッキ層、DLC層が挙げられる。
さらに、上述のいずれかの電池であって、前記排熱部材は、平板を屈曲してなり、平板状の前記吸熱部と、この吸熱部に対して屈曲した形態とされ、上記吸熱部の厚み方向の剛性を向上させる剛性向上部と、を有する電池とすると良い。
本発明の電池では、排熱部材が平板を屈曲したものであり、平板状の吸熱部の他に剛性向上部を含む。このため、平板状の吸熱部を有していながら、例えば、外力や樹脂成形の際に吸熱部にかかる応力により、吸熱部が変形するのを防止することができる。しかも、屈曲によって剛性向上部を構成しているので、形成容易で安価な排熱部材、ひいては安価な電池にできる。
さらに、上述のいずれかの電池であって、前記収容空間は、複数の包囲面から構成されてなり、前記樹脂収容壁部のうち、上記複数の包囲面のうちの最も面積の大きな最大包囲面を構成する最大樹脂収容壁部が、前記排熱壁部をなしている電池とすると良い。
本発明の電池は、最大樹脂収容壁部が排熱壁部をなしているので、必要な放排熱壁部の大きさを確保しやすい。
さらに、上述のいずれかの電池であって、前記樹脂収容壁部のうち、前記樹脂排熱壁部を除き、前記収容空間に面する空間対面樹脂収容壁部には、その上記収容空間に面する空間側面全面に、前記排熱部材と絶縁され、上記空間対面樹脂収容壁部を通じた上記収容空間内と前記電池ケースの外部との間の水分の透過を防止する第1水分透過防止材を備え、前記排熱壁部は、前記樹脂排熱壁部よりも上記収容空間側に、前記吸熱部と絶縁され、上記樹脂排熱壁部を通じた、上記収容空間内と上記電池ケースの外部との間での水分透過を防止する、第2水分透過防止材、又は、自身の厚み方向に水分を透過させない材料からなる上記吸熱部、を有する電池とすると良い。
本発明の電池は、樹脂収容壁部のうち、樹脂排熱壁部を除く空間対面樹脂壁部の空間側面全面に第1水分透過防止材を備える。また、排熱壁部の樹脂排熱壁部よりも収容空間側に、第2水分透過防止材、又は、水分を透過させない材料からなる吸熱部を備える。これにより、電池ケースの外部と収容空間との間で、空間対面樹脂壁部あるいは樹脂排熱壁部を通じた水分透過を防止できる。かくして、水分の透過による不具合を防止できる。
具体的には、例えば、水系電解液を用いる電池において、水系電解液中の水分が、空間対面樹脂壁部の絶縁性樹脂を通じて電池ケースの外部へ放出されるのを低減できる。これにより、電解液の濃度の変化を低減させて電池性能を維持できる。
また、非水系電解液を用いる電池において、この非水電解液中に外部からの水分が混入することにより、電解液が分解する等の不具合を防止することができる。
さらに、上述の電池であって、前記収容空間内に非水電解液を備える電池とすると良い。
本発明の電池は、収容空間内に非水電解液を備えたものとなる。一方、前述の第1水分透過防止材及び第2水分透過防止材或いは吸熱部を備える樹脂収容壁部に囲まれたものとなる。このため、例えば、非水電解液を用いるリチウムイオン二次電池の場合、非水電解液と水との反応により発生するフッ酸が発電要素の電極を腐食するのを防止できるなど、非水電解液に外部からの水分が混入することによる不具合を防止しつつ、適切に電池ケースの外部に排熱可能な電池とすることができる。
さらに、他の解決手段は、上述のいずれかの電池を複数配置した組電池である。
本発明の組電池は、前述の電池を用いているので、各電池における収容空間内の熱を吸熱し、その熱を確実に排熱できる組電池とすることができる。
さらに、他の解決手段は、複数の発電要素、及び、上記発電要素を各々1つ収容する複数の収容空間をそれぞれ包囲してなり、かつ、上記収容空間を互いに列をなして配置する形態に構成され、各々の上記収容空間の少なくとも一部を包囲する絶縁性樹脂からなる樹脂収容壁部を有する組電池ケース、を備える組電池であって、上記絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高い良熱伝導材からなる排熱部材を1又は複数備え、上記排熱部材の一部は、上記樹脂収容壁部のうち、隣り合う2つの上記収容空間の間に介在する介在樹脂収容壁部の少なくとも一部である介在樹脂排熱壁部の内部に埋設され、またはこの介在樹脂排熱壁部よりもこの介在樹脂排熱壁部が属する上記介在樹脂収容壁部に隣接する2つの上記収容空間の少なくともいずれか側に配置されて、この介在樹脂排熱壁部と共に介在排熱壁部をなし、上記収容空間内の熱を吸収する吸熱部であり、上記排熱部材の他の一部は、上記組電池ケースの外部に配置されて、上記吸熱部から伝導した熱を上記組電池ケースの外部に放熱する放熱部である組電池である。
本発明の組電池は、介在排熱壁部をなし、介在樹脂排熱壁部の内部に埋設され、または2つの収容空間の少なくともいずれか側に配置された吸熱部と、組電池ケースの外部に配置した放熱部とを有する排熱部材を備える。これにより、介在排熱壁部において吸熱部は、隣り合う2つの収容空間に収容された発電要素からそれぞれ生じた熱を吸熱し、放熱部で組電池ケースの外部に放熱できるので、効率良く各発電要素を冷却できる。
さらに、上述の組電池であって、各々の前記収容空間内に電解液を貯留してなり、前記介在排熱壁部をなす前記排熱部材の前記吸熱部は、自身が属する上記介在排熱壁部に隣接する2つの上記収容空間内にそれぞれ貯留された上記電解液のいずれとも絶縁されてなる組電池とすると良い。
本発明の組電池では、排熱部材の吸熱部が、自身の属する介在収容壁部に隣接する2つの収容空間内の電解液のいずれとも絶縁されているので、異なる電位を持つ2つの電解液が、吸熱部を介して短絡することが防止できる。また、排熱部材を通じて外部と電解液とが短絡するのを防止できる。
さらに、他の解決手段は、前述のいずれかの電池、または、前述のいずれかの組電池を搭載した車両である。
本発明の車両は、前述の電池あるいは組電池を用いているので、各電池における収容空間内の熱を吸熱し、その熱を確実に放熱できる車両とすることができる。
なお、車両としては、その動力源の全部あるいは一部に電池による電気エネルギを使用している車両であれば良く、例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド自動車、ハイブリッド鉄道車両、フォークリフト、電気車いす、電動アシスト自転車、電動スクータが挙げられる。
さらに、他の解決手段は、前述のいずれかの電池、または、前述のいずれかの組電池を搭載した電池搭載機器である。
本発明の電池搭載機器は、前述の電池あるいは組電池を用いているので、各電池における収容空間内の熱を吸熱し、その熱を確実に放熱できる電池搭載機器とすることができる。
なお、電池搭載機器としては、電池を搭載しこれをエネルギー源の少なくとも1つとして利用する機器であれば良く、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、電池駆動の電動工具、無停電電源装置など、電池で駆動される各種の家電製品、オフィス機器、産業機器が挙げられる。
(実施形態1)
次に、本発明の実施形態1について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態1にかかる電池1について説明する。図1には電池1の斜視図、図2にはA−A断面図、図3にはB−B断面図をそれぞれ示す。
本実施形態1にかかる電池1は、収容空間CSを包囲する矩形箱形の電池ケース10、排熱部材40、正極端子部材70、負極端子部材80、発電要素50及び非水電解液ESを備える捲回形のリチウムイオン二次電池である。
このうち、発電要素50は、図2,図3に示すように、帯状の正電極板51及び負電極板52が、ポリエチレンからなる帯状のセパレータ53を介して扁平形状に捲回されてなる。この発電要素50は、電池ケース10の収容空間CSに収容されている。なお、この正電極板51には正極端子部材70が、負電極板52には負極端子部材80が、それぞれ溶接により、電気的に接続されている。
また、非水電解液ESは、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との混合有機溶媒に溶質(LiPF6)を添加してなる非水有機電解液である。この非水電解液ESは、上述の発電要素50(セパレータ53)の表面及び内部に浸透し保持されている(図3参照)。
また、電池ケース10は、概略矩形箱形の形態を有する。この電池ケース10のうち、図1中、上方に位置する第1面10Aには、前述の正極端子部材70及び負極端子部材80が第3方向DCに突出するようにそれぞれ配置されている。さらに、矩形板状の安全弁90も第1面10Aに装着されている。
また、電池ケース10のうち、図1中、左側に位置する第2面10B、及び、これに対向し、図1中、右側に位置する第3面10Cは、板状の脚部15を有する。この脚部15は、第2面10B及び第3面10Cからそれぞれ第1方向DAに沿う外側に突出してなる。なお、この脚部15は、例えば、この電池1を組電池ケースに搭載する際に、ボルト等を用いてこの電池1を固定できる。
また、この電池ケース10は、絶縁性樹脂からなる有底矩形箱状の電池ケース本体20と、排熱部材40と、この電池ケース本体20と同じ絶縁性樹脂を樹脂成形により一体化してなる板状の封口蓋30とを有する。この電池ケース10は、樹脂融接部10Xを介して、電池ケース本体20と封口蓋30とを第2方向DBに互いに融接してなる(図1参照)。
また、電池ケース10の内部に位置する収容空間CSは、電池ケース本体20のうち、次述する本体壁部21の本体側内壁面21T、及び封口蓋30のうち、次述する蓋中央壁部32の蓋側内壁面32Tに包囲されてなる。
次に、電池ケース本体20について図4を参照しつつ説明する。電池ケース本体20は、有底矩形箱状の本体壁部21を有する。この本体壁部21は開口20Bをなしており、この開口20Bは、第2方向DBの一方(図4中、左側)に向けて開口している。
このうち本体壁部21は、絶縁性樹脂からなる本体樹脂壁部22と、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなる第1透過防止膜AFとを有する。この本体壁部21では、有底矩形箱状の本体樹脂壁部22の収容空間CS側に面する本体空間側面22F全体を、第1透過防止膜AFが緻密に覆ってなる(図2,3参照)。即ち、本体壁部21の本体側内壁面21Tは、第1透過防止膜AFで形成されている。
このため、電池ケース本体20の外部と収容空間CSとの間で、本体樹脂壁部22を通じた水分透過を防止できる。かくして、水分の透過による不具合、即ち、非水電解液ES中への水分混入により非水電解液ESが分解する等を防止できる。
次に、封口蓋30について図5及び図6を参照しつつ説明する。なお、図6は図5のC−C断面図である。
この封口蓋30は、後述するように、図7に示すアルミニウム板からなる排熱部材40に、射出成形により絶縁性樹脂を一体化してなる。この封口蓋30は、矩形板状の蓋部31と、この蓋部31から第1方向DAの両側に突出して、電池ケース10の外部に露出して配置された、排熱部材40の放熱部44とを有する(図1,5参照)。
このうち、蓋部31は、その中央に位置し、上述の電池ケース本体20と融接する際にその開口20Bを閉塞する蓋中央壁部32と、この蓋中央壁部32の周囲に位置し、電池ケース本体20の開口周縁部20Eと当接して接続する蓋周縁部33とを含む。なお、図5において2点鎖線で囲まれる部位、及び、図6において2本の2点鎖線で挟まれる部位が、それぞれ電池ケース本体20の開口20Bに面して、これを閉塞する蓋中央壁部32である。
なお、排熱部材40は、アルミニウム平板をその第1方向DAの両側において、それぞれクランク状に屈曲させてなる。このうち、中央に位置し、他よりも大きな表面積を有する部位が、上述した吸熱部41となり、第1方向DA両端に位置し、絶縁性樹脂から突出する平板状の部位が、放熱部44となる。また、吸熱部41と放熱部44との間に位置し、クランク状に屈曲した部位を中間部43とする(図7参照)。また、吸熱部41の周囲に位置する部位を吸熱周囲部49とする。なお、吸熱周囲部49の一部は、中間部43に含まれる。
従って、蓋中央壁部32は、絶縁性樹脂からなる中央樹脂壁部32Pと、排熱部材40のうち、これよりも第2方向DBの収容空間CS側に位置し、電池ケース本体20の開口20Bに面する吸熱部41とからなる(図5,6参照)。
また、蓋周縁部33は、中央樹脂壁部32Pの周囲に位置する、同じく絶縁性樹脂からなる周縁樹脂部33Pと、排熱部材40のうち、上述の吸熱部41の周囲に位置する吸熱周囲部49と、クランク状に屈曲した中間部43とからなる。なお、蓋周縁部33では、吸熱周囲部49が吸熱部41と同様、周縁樹脂部33Pから収容空間CS側に露出している。このため、電池ケース本体20と一体化するにあたっては、この電池ケース本体20の開口周縁部20Eと吸熱周囲部49及び周縁樹脂部33Pの一部とが当接して接続される。
このように中間部43は、吸熱部41及び放熱部44と連なり、吸熱部41から放熱部44へ熱を伝熱させるほか、吸熱部41及び放熱部44に対し、2回直角に屈曲してクランク状とされているので、これら吸熱部41、放熱部44の剛性を向上させている。即ち、この中間部43を設けることで、外力や樹脂成形の際に吸熱部41にかかる応力により、吸熱部41が変形するのを防止することができる。しかも、この排熱部材40は1つの板を屈曲してなるので、形成容易で安価な排熱部材40、ひいては安価な電池1とすることができる。
本実施形態1では、吸熱部41のうち収容空間CS側を向く吸熱部表面41A、及び、吸熱周囲部49のうち、収容空間CS側を向く吸熱周囲部49の周囲部表面49Aは、中央樹脂壁部32Pから露出している(図6参照)。
これら吸熱部表面41A及び周囲部表面49Aには、全体に絶縁性樹脂からなる絶縁フィルムZFが貼付けられている(図6参照)。このため、この封口蓋30(蓋部31)を前述の電池ケース本体20に融接して、電池ケース10(電池1)を形成した状態において、吸熱部41が収容空間CS内の非水電解液ESに触れて腐食されるのを防止できる。また、吸熱部41を通じて非水電解液ESと電池ケース10外部の部材とが短絡することも防止できる。
なお、本実施形態1の電池ケース10は、収容空間CSを包囲する、電池ケース本体20の本体樹脂壁部22、及び、封口蓋30の中央樹脂壁部32Pを有する。また、中央樹脂壁部32Pにおいて、吸熱部41が電池ケース10の外側よりも、発熱する発電要素50を収容する収容空間CSに近く位置している。具体的には、図2,3に示すように、中央樹脂壁部32Pの厚み方向(第2方向DB)に見て、電池ケース10の外側よりも、吸熱部41の方が収容空間CSに近い。このため、より多くの熱を収容空間CSから吸熱することができる。
また、排熱部材40の放熱部44が電池ケース10の外部、即ち、封口蓋30から、その第1方向DAの両側に露出しているので、この放熱部44を通じて、吸熱部41で吸収した熱を、中間部43を経由して電池ケース10の外部に確実に放熱することができる。
さらに、電池1では、電池ケース10をなす封口蓋30が排熱部材40の吸熱部41を含むので、例えば、有底矩形箱型の電池ケース本体20に排熱部材を設ける場合よりも、容易に形成できる。
しかもこの封口蓋30の蓋中央壁部32全体が、開口20B全体を覆う形態となっている。このため、蓋中央壁部32の全体に配置された吸熱部41を通じて、より多くの熱を吸熱し、放熱部44を通じて電池ケース10の外部に排熱できる。
また、本実施形態1では、電池ケース本体20は、この開口20Bの内側周縁に沿う、環状の開口周縁部20Eを有する(図4参照)。なお、前述したように、この電池ケース本体20において、本体樹脂壁部22の本体空間側面22F全体が、DLCからなる第1透過防止膜AFで覆われている(図2,3参照)。
一方、封口蓋30のうち蓋周縁部33は、電池ケース本体20に融接させる際に、上述の開口周縁部20Eと対向する部位である。
このように、本実施形態1の封口蓋30では、排熱部材40の吸熱周囲部49が蓋中央壁部32内の吸熱部41から蓋周縁部33内まで延びている(図6参照)。このため、その吸熱部41が蓋周縁部33の間近まで広がっている。これにより、吸熱部41で収容空間CSの広い範囲にわたり熱を吸収できる。
一方、蓋周縁部33の全周にわたり、その周縁樹脂部33Pは、開口周縁部20Eにおいて本体樹脂壁部22をなす絶縁性樹脂と融接されて、樹脂融接部10Xを介して互いに固着されている(図2,図3参照)。かくして、電池ケース本体20と封口蓋30とが融接されて、強固に一体化された電池ケース10が構成されている。
さらに、アルミニウムからなる吸熱部41の吸熱部表面41Aのみならず、吸熱周囲部49の周囲部表面49Aまで絶縁フィルムZFで覆っている(図2,3,6参照)。このため、電池ケース本体20と封口蓋30を互いに押しつけ合って融接して、電池ケース10を作製すると、電池ケース本体20の開口周縁部20Eが、吸熱周囲部49上の吸熱部表面49Aの絶縁フィルムZFに当接する。従って、この電池ケース10では、収容空間CS内の非水電解液ESが、開口周縁部20Eと絶縁フィルムZFの間の隙間を通って、吸熱部41にまで届き、これを腐食させ、あるいは、排熱部材40を通じて外部と非水電解液ESとが短絡するのを防止できる。
また、封口蓋30には排熱部材40の吸熱部41及び吸熱周囲部49を有し、これらで電池ケース本体20の開口20Bを閉塞しているので、蓋樹脂壁部32を通じて、水分が収容空間CS内に侵入することも防止できる。
なお、蓋中央壁部32の蓋側内壁面32Tは、図4及び図5から判るように、電池ケース10の収容空間CSを包囲する複数の平面のうちで、この蓋側内壁面32Tと対向する本体側対向内壁面21TMと共に、最も大きな面積を有して収容空間CSに面している(図2,3参照)。つまり、この蓋側内壁面32Tを構成する中央樹脂壁部32Pは、最大樹脂収容壁部MUである。
このように、本実施形態1の電池ケース10(電池1)では、排熱部材40の吸熱部41として大きな面積を確保できている。
さらに、本実施形態1にかかる電池1は、収容空間CS内に非水電解液ESを備える一方、この収容空間CSは、第1透過防止材AFを備える本体壁部21及び封口蓋30の吸熱部41に囲まれて、電池ケース10の外部からの水分の侵入が防止されている。これにより、非水電解液ESと水との反応により発生するフッ酸が発電要素50の正電極板51、負電極板52を腐食するのを防止できるなど、非水電解液ESに水分が混入することによる不具合を防止しつつ、適切に電池ケース10の外部に放熱可能な電池1とすることができる。
次いで、本実施形態1にかかる電池1の製造方法について、図面を用いて説明する。
まず、本体壁部21の本体樹脂壁部22を射出成形によって形成し、その後、この本体樹脂壁部22の本体側空間側面22Fに、DLCからなる第1透過防止膜AFをスパッタ法によって成膜して、前述の電池ケース本体20を形成する(図4参照)。
一方、図7に示す、アルミニウム板を屈曲させた前述の排熱部材40を用意する。次いで、絶縁性樹脂を射出成形して中央樹脂壁部32P及び周縁樹脂部33Pを形成すると共に、排熱部材40と一体化させる。その際、中央樹脂壁部32Pから、第2方向DBの一方に前述の吸熱部表面41A及び周囲部表面49Aが共に、また、周縁樹脂部33Pから第1方向DAの両側に放熱部44,44が、露出するように成形する(図8参照)。
次に、中央樹脂壁部32P及び周縁樹脂部33Pから露出している吸熱部表面41A及び周囲部表面49Aの全体に絶縁フィルムZFを貼付する。これにより、前述の封口蓋30ができる(図5参照)。
次に、上述の封口蓋30を、電池ケース本体20に融着させる工程について、図9を参照して説明する。なお、電池ケース本体20の収容空間CS内には、正極端子部材70と負極端子部材80とを接続した発電要素50を予め収容しておく。この発電要素50は、具体的には、共に長尺帯状の正電極板51と負電極板52とを、帯状のセパレータ53を介して扁平円状に捲回したものである。さらに、この発電要素50には、発電要素50から延出する正電極板51に正極端子部材70が、負電極板52に負極端子部材80がそれぞれ溶接により接続されている。
発電要素50を収容した電池ケース本体20の開口周縁部20Eにおける本体樹脂壁部22、及び、封口蓋30の蓋周縁部33における周縁樹脂部33Pを、それぞれ熱板(図示しない)により軟化させる。そして、開口周縁部20Eと蓋周縁部33とを対向させ(図8参照)、軟化した本体壁部21と周縁樹脂部33Pとを押しつけ合って、電池ケース本体20と封口蓋30とを融接させる。かくして、樹脂融接部10Xを介して電池ケース本体20と封口蓋30とが互いに固着された電池ケース10ができる。
その後、電池ケース10の第1面10Aに設けてある貫通孔10Pから、非水電解液ESを電池ケース10内に注入し、安全弁90でこの貫通孔10Pを封止して、電池1が完成する。
(変形形態1)
次に、本発明の変形形態1にかかる電池101について、図1、図10及び図11を参照しつつ説明する。
本変形形態1の電池101では、排熱部材140の吸熱部141を封口蓋130の中央樹脂壁部132Pの内部に配置してなる点が前述の実施形態1と異なり、それ以外は同様である。
そこで、実施形態1と異なる点を中心に説明し、同様の部分の説明は省略または簡略化する。なお、同様の部分については同様の作用効果を生じる。また、同内容のものには同番号を付して説明する。
本変形形態1にかかる電池101の電池ケース110は、実施形態1と同様、絶縁性樹脂からなる有底矩形箱状の電池ケース本体20のほか、排熱部材140に電池ケース本体20と同じ絶縁性樹脂を樹脂成形により一体化してなる板状の封口蓋130を有する(図1参照)。
この電池ケース110は、実施形態1と同様、収容空間CSを包囲している(図10,11参照)。具体的には、この収容空間CSは、電池ケース本体20のうち、この収容空間CSに面する本体壁部21の本体側内壁面21T、及び封口蓋130のうち、収容空間CSに面する蓋中央壁部132の蓋側内壁面132Tに包囲されてなる。
このうち封口蓋130は、実施形態1と同様、屈曲させたアルミニウム板からなる排熱部材140に射出成形した絶縁性樹脂を一体化させてなる。但し、排熱部材140及び絶縁性樹脂の形態が実施形態1と異なる。
即ち、排熱部材140は、実施形態1と同様に、吸熱部141と2つの放熱部144とをそれぞれ結ぶ2つの中間部143を有する。但し、実施形態1よりも、中間部143の第2方向DBの寸法が短い。このため、放熱部144は、実施形態1と同様に、蓋部131から第1方向DAの両側に突出し、電池ケース110の外部に露出している。但し、吸熱部141は、封口蓋130の中央樹脂壁部132Pから露出せず、その内部に埋設されている。つまり、封口蓋130(蓋部131)のうち、収容空間CSに面する蓋中央壁部132において、吸熱部141は、絶縁性樹脂からなる中央樹脂壁部132Pのうち、内側に位置する蓋樹脂内側壁部132Mと外側に位置する蓋樹脂外側壁部132Nとの間に配置されている(図10,11参照)。
本変形形態1の電池101でも、実施形態1に及ばないものの、このように、中央樹脂壁部132Pにおいて、吸熱部141を電池ケース110の外側よりも、発熱する発電要素50を収容する収容空間CS近くに配置できる(図10,11参照)。このため、より多くの熱を収容空間CSから吸熱することができる。
さらに、上述の蓋樹脂内側壁部132M(中央樹脂壁部132P)のうち、収容空間CS側に面する蓋空間側面132Fは、DLCからなり、電解液及び水分の透過を防止可能な第2透過防止材BFで緻密に覆われてなる。つまり、蓋中央壁部132の蓋側内壁面132Tは、第2透過防止材BFで形成されている。
このため、中央樹脂壁部132P(蓋樹脂内側壁部132M)にピンホールなどが生じたとしても、この第2透過防止材BFの形成によって、非水電解液ESが吸熱部141に届いてこれを腐食したり、排熱部材140(放熱部144)が電位を持つのを防止することができる。
さらに、封口蓋130の外部と収容空間CSとの間で、中央樹脂壁部132P(蓋樹脂内側壁部132M及び蓋樹脂外側壁部132N)を通じた水分透過を防止することもできる。かくして、非水電解液ES中への水分混入により非水電解液ESが分解する等、水分の透過による不具合を防止できる。
また、本変形形態1では、排熱部材140の吸熱部141が中央樹脂壁部132Pの内部に配置されている。このため、実施形態1に比べ、封口蓋130と電池ケース本体20とは、広い面積にわたり樹脂融接部110Xによって融接される。従って、収容空間CSを確実に密閉して、収容空間CSから電池ケース110の外部に、非水電解液ESの漏出を確実に防止できる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2にかかる組電池200について、図12〜17を参照しつつ説明する。なお、前述の実施形態1と同様の部分の説明は省略または簡略化するが、同様の部分については同様の作用効果を生じる。また、同内容のものには同番号を付して説明する。
本実施形態2にかかる組電池200は、矩形箱形の組電池ケース210、複数の捲回型の発電要素50、及び複数の排熱部材240を備える(図12,13参照)。
このうち組電池ケース210は、図12のD−D断面図である図13に示すように、上述の発電要素50を収容する複数の収容空間CS,CSを有する。この組電池ケース210は、複数の収容空間CS,CSをそれぞれ包囲しつつ、これら収容空間CS,CSを互いに列をなして、即ち、第2方向DBに複数に仕切って配置している。この組電池ケース210は、絶縁性樹脂からなり、これら収容空間CS,CSを包囲する、後述する電池ケース枠体220の枠体樹脂壁部222、及び、介在封口板230の介在中央樹脂壁部232Pを有する。
また、この電池ケース210のうち、図12中、上方に位置する第1面210Aには、第3方向DCに突出した正極端子部材70及び負極端子部材80が第2方向DBに沿って2列に配置されている。なお、本実施形態2の組電池200は、各発電要素50を直列に接続して用いるので、正極端子部材70及び負極端子部材80は、第2方向DBに交互に並んでいる。
また、同じ収容空間CSに対応する正極端子部材70と負極端子部材80との間の組電池ケース210の上面210Aには、安全弁90がそれぞれ装着されている。
また、組電池ケース210のうち、図12中、左に位置する第2面210B、及び、右に位置する第3面210Cには、板状の脚部15が複数形成されている。
また、この組電池ケース210は、矩形枠状の電池ケース枠体220と、板状の介在封口板230とを有する(図12参照)。なお、組電池ケース210において、電池ケース枠体220と介在封口板230とが、第2方向DBに交互に配置されている。
また、この組電池ケース210のうち、第2方向DBの両端には、上述の電池ケース枠体220の代えて、実施形態1で用いた有底矩形箱状の電池ケース本体20を用いる。このため、組電池ケース210は、樹脂融接部210Xを介して、電池ケース枠体220(または、電池ケース本体20)と介在封口板230とを第2方向DBに互いに融接してなる。
次に、組電池ケース210のうち電池ケース枠体220について図13を参照しつつ説明する。電池ケース枠体220は、矩形枠状に形成された枠体壁部221からなり、この枠体壁部221の第2方向DBの両側には、開口220B,220Bが開口している。
この枠体壁部221は、絶縁性樹脂を射出成形してなる枠体樹脂壁部222と、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)からなる第1透過防止膜AFとを有する。この第1透過防止膜AFは、枠体樹脂壁部222の内側面である枠体空間側面222F全体を緻密に覆ってなる(図13参照)。
また、介在封口板230は、図16(a)に示す排熱部材240に射出成形した絶縁性樹脂を一体化させる。これによりできた介在封口板230は、矩形板状の介在壁部231と、この介在壁部231から第1方向DAの両側に突出して、組電池ケース210の外部に露出する、排熱部材240の放熱部244とを有する。
なお、排熱部材240は、第3方向DCの両側に開口する中空で、第1方向DAに長くされた角形筒と、この角形筒の側面から第1方向DAの両外側に向けて延出する2つの平板とを有する形態とされている。この排熱部材240は、実施形態1と同様、吸熱部241、放熱部244及び中間部243に分けられる。このうち吸熱部241は、排熱部材240の角形筒のうち、第2方向DBに並び、大きな表面(吸熱部表面241A)を有する2つの壁部に含まれる。一方、放熱部244は、第1方向DAの両側にそれぞれ延出した平板状の部位のうち、後述する介在中央樹脂壁部232P及び介在周縁樹脂部233Pをなす絶縁性樹脂から突出する部位である。また、中間部243は、吸熱部241の2つの壁部と放熱部244との間に位置して、クランク状に屈曲した部位が2つ合わさった形態となっている。また、吸熱部241の周囲に位置する部位を吸熱周囲部249とする。なお、吸熱周囲部249の一部は、中間部243に含まれる。
このように、中間部243は、吸熱部241及び放熱部244に対しそれぞれ直角に屈曲しているので、これら吸熱部241、放熱部244の剛性を向上させている。即ち、外力や樹脂成形の際、吸熱部241にかかる応力により、吸熱部241が変形するのを防止することができる。
介在封口板230のうち、介在壁部231は、この中央に位置し、上述の電池ケース枠体220と融接する際にその開口220Bを塞ぐ介在中央壁部232と、この介在中央壁部232の周縁に位置し、電池ケース枠体220の開口周縁部220Eと当接する介在周縁部233とを含む。なお、図15において2点鎖線で囲む部位が、電池ケース枠体220の開口220Bに面する介在中央壁部232である。
この介在中央壁部232は、第2方向DBの中央に位置し、絶縁性樹脂からなる介在中央樹脂壁部232Pと、この第2方向DBの両側に位置し、電池ケース枠体220の開口220Bに面する排熱部材240の吸熱部241とからなる(図15参照)。なお、介在中央樹脂壁部232Pは、最も大きな面積を有して収容空間CSに面している最大樹脂収容壁部MUである(図13参照)。
また、介在周縁部233は、介在中央樹脂壁部232Pの周囲に位置する、同じく絶縁性樹脂からなる介在周縁樹脂部233Pと、排熱部材240のうち、上述の吸熱周囲部249と、クランク状に屈曲した中間部243とからなる。なお、介在周縁部233では、中間部243のうち、吸熱部241の周囲の吸熱周縁部243が吸熱部241と同様、介在周縁樹脂部233Pから収容空間CS側に露出している。このため、電池ケース枠体220と一体化するにあたっては、この電池ケース枠体220の開口周縁部20Eと吸熱周縁部243及び介在周縁樹脂部233Pの一部とが当接する。
なお、介在壁部231は、前述の電池ケース枠体220の開口220Bに向け、両者を融接して、組電池ケース210を構成している。従って、この組電池ケース210では、吸熱部241が、介在封口板230の厚み方向(第2方向DB)に見て、介在中央樹脂壁部232Pよりも収容空間CSの近くに配置されている(図13,15参照)。
また、この吸熱部241の吸熱部表面241A、及び、吸熱周囲部249のうち、収容空間CS側を向く周囲部表面249Aには、絶縁性樹脂からなる絶縁フィルムZFが貼付けられている。このため、この介在封口板230(介在壁部231)を前述の電池ケース枠体220に融接して、組電池ケース210(組電池200)を形成した状態において、吸熱部241が収容空間CS内の非水電解液ESに触れて腐食されるのを防止できる。また、吸熱部241を通じて非水電解液ESと組電池ケース210外部の部材とが短絡することも防止できる。
なお、上述の介在中央壁部232は、図13及び図15に示すように、第1方向DA及び第3方向DCに拡がる排熱部材240の吸熱部241と介在中央樹脂壁部232Pとからなり、2つの収容空間CS,CSの間に介在してなる。
このため、介在中央壁部232において吸熱部241は、隣り合う2つの収容空間CS,CSに収容された各発電要素50,50からそれぞれ生じた熱を吸熱し、放熱部244で組電池ケース210の外部に放熱できるので、効率良く各発電要素50,50を冷却できる。
次いで、本実施形態2にかかる組電池200の製造方法について、図15〜図17を用いて説明する。
まず、枠体壁部221の枠体樹脂壁部222を射出成形によって形成し、その後、この枠体樹脂壁部222の枠体側空間測面222Fに、DLCからなる第1透過防止膜AFをスパッタ法によって成膜して、前述の電池ケース枠体220を形成する(図14参照)。
一方、図16(a)に示す、前述の排熱部材240を用意する。これに絶縁性樹脂を射出成形して介在中央樹脂壁部232P及び介在周縁樹脂部233Pを形成すると共に、排熱部材240と一体化させる。その際、介在中央樹脂壁部232P及び介在周縁樹脂部233Pから、第2方向DBの両側に前述の吸熱部表面241A及び周囲部表面249Aが、また、第1方向DAの両側に放熱部244,244が、露出するように成形する(図16(b)参照)。
次に、介在中央樹脂壁部232P及び介在周縁樹脂部233Pから露出している吸熱部表面241A及び周囲部表面249Aの全体に絶縁フィルムZFを貼付する。これにより、前述の介在封口板230ができる(図15参照)。
次に、この介在封口板230を、電池ケース枠体220に融着させる工程について、図16を参照して説明する。なお、電池ケース枠体220には、その内側に正極端子部材70と負極端子部材80とを接続した発電要素50を予め収容してある。
この電池ケース枠体220の開口周縁部220Eにおける枠体樹脂壁部222、及び、介在封口板230の介在周縁部233における介在周縁樹脂部233Pを、それぞれ熱板(図示しない)により軟化させる。そして、開口周縁部220Eと介在周縁部233とを対向させ(図17参照)、電池ケース枠体220と介在封口板230とを融接させる。かくして、樹脂融接部210Xを介して電池ケース枠体220と介在封口板230とが互いに固着された組電池ケース210ができる。
その後、非水電解液ESを組電池ケース210の第1面210Aにある貫通孔210Pから組電池ケース210内にそれぞれ注入し、安全弁90でこの貫通孔210Pに装着、封止して、組電池200が完成する(図12参照)。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3にかかる組電池300について、図18を参照しつつ説明する。
この組電池300は、図18に示すように、前述の電池1(101)を複数搭載したものである。この組電池300は、直列に接続した複数の電池1(101)を組電池ケース310内に収容してなる電池部301と、組電池ケース310の第1面310Aに配置された電池監視装置302とを有する。このうち、電池監視装置302は、電池部301の電池1(101)の状態(電池温度、電圧)に関するデータを図示しないサーミスタなどのセンサを用いて取得する取得回路(図示しない)を含む。
本実施形態3にかかる組電池300は、前述の電池1(101)を用いているので、各電池1(101)における収容空間CS内の熱を吸熱し、その熱を確実に放熱できる組電池300とすることができる。
(実施形態4)
本実施形態4にかかる車両500は、前述した組電池200(300)を搭載したものである。具体的には、図19に示すように、車両500は、エンジン540、フロントモータ520およびリアモータ530を併用して駆動するハイブリッド自動車である。この車両500は、車体590、エンジン540、これに取り付けられたフロントモータ520、リアモータ530、ケーブル550、インバータ560および組電池200(300)を有している。
本実施形態4にかかる車両500は、前述の電池1(101)あるいは組電池200(300)を用いているので、各電池1(101)(及び組電池200内部)における収容空間CS内の熱を吸熱し、その熱を確実に放熱できる車両500とすることができる。
(実施形態5)
また、本実施形態5のハンマードリル600は、前述した電池1(101)或いは組電池200(300)を含むバッテリパック610を搭載したものであり、図20に示すように、バッテリパック610、本体620を有する電池搭載機器である。バッテリパック610はハンマードリル600の本体620のうち底部621に脱着可能に収容されている。
本実施形態5にかかるハンマードリル600は、前述の電池1(101)あるいは組電池200(300)を用いているので、各電池1(101あるいは組電池200内部)における収容空間CS内の熱を吸熱し、その熱を確実に放熱できる電池搭載機器とすることができる。
以上において、本発明を実施形態1〜5及び変形形態1に即して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態1、変形形態1では、電池をリチウムイオン二次電池としたが、本発明を例えば、ニッケル水素二次電池等の二次電池や、アルカリ乾電池、マンガン乾電池等の一次電池に適用しても良い。また、捲回型の発電要素を用いた電池を示したが、複数の正極板と複数の負極板とを、セパレータを介して交互に積層してなる積層型の発電要素を用いた電池でも良い。
また、実施形態1、変形形態1では、矩形箱状の電池ケースとしたが、内部に発電要素を収容する収容空間を有する形状、例えば、円筒形状やラミネートパック形状でも良い。
また、実施形態1、変形形態1では、排熱部材の材質をアルミニウムとしたが、絶縁性樹脂よりも熱伝導率の高い良熱伝導材、例えば、アルミニウム以外の金属(銅、ステンレスなど)からなる金属板、金属棒などバルクの金属体でも良い。
また、実施形態1等では各排熱部材について、2つの板状の放熱部を設けた。しかし、例えば、各排熱部材に1又は3以上の放熱部を設けても良い。さらに、排熱部材について、蓋壁部から突出して、全体が露出した放熱部を設けたが、例えば一部が露出する形態としても良い。
また、実施形態1,2及び変形形態1では、絶縁性樹脂からなる絶縁フィルムZFを吸熱部表面に貼付した。しかし、その絶縁フィルムに代えて、例えば、排熱部材の吸熱部をアルミニウム材で形成した場合において、この吸熱部表面にアルマイト層を形成しても良い。この他、吸熱部表面に、例えば、エポキシ樹脂などの絶縁樹脂層、絶縁セラミックス層、絶縁ガラス層を設けても良い。さらに、電解液浸透防止材としてDLCからなる第2透過防止膜BFを蓋内側面に設けた。しかし、DLCに代えて、例えば、排熱部材と絶縁してなる金属板BS(図21参照)や金属箔、金属メッキ層を蓋内側面に設けても良い。
実施形態1、変形形態1にかかる電池の斜視図である。 実施形態1にかかる電池の断面図(図1のA−A部)である。 実施形態1にかかる電池の断面図(図1のB−B部)である。 実施形態1にかかる電池の電池ケース本体の斜視図である。 実施形態1にかかる電池の封口蓋の斜視図である。 実施形態1にかかる電池の封口蓋の断面図(図5のC−C部)である。 実施形態1にかかる電池の排熱部材の斜視図である。 実施形態1にかかる電池の製造工程の説明図である。 実施形態1にかかる電池の製造工程の説明図である。 変形形態1にかかる電池の断面図(図1のA−A部)である。 変形形態1にかかる電池の断面図(図1のB−B部)である。 実施形態2にかかる組電池の斜視図である。 実施形態2にかかる組電池の断面図(図12のD−D部)である。 実施形態2にかかる組電池の電池ケース枠体の斜視図である。 実施形態2にかかる組電池の介在封口板の斜視図である。 実施形態2にかかる組電池の製造工程の説明図である。 実施形態2にかかる組電池の製造工程の説明図である。 実施形態3にかかる組電池の説明図である。 実施形態4にかかる車両の説明図である。 実施形態5にかかるハンマードリルの説明図である。 変形形態にかかる電池の断面図(図1のA−A部)である。
符号の説明
1,101 電池
10,110 電池ケース
10X,110X,210X 樹脂融接部
20 電池ケース本体(ケース本体部材)
20B,220B 開口
20E 開口周縁部
21T 本体側内壁面(包囲面)
21TM 本体側対向内壁面(包囲面)
22 本体樹脂壁部(樹脂収容壁部,空間対面樹脂壁部)
22F 本体空間側面(空間側面)
30,130 封口蓋(蓋部材)
32,132 蓋中央壁部(排熱壁部,蓋壁部)
32P,132P 中央樹脂壁部(樹脂収容壁部,樹脂排熱壁部)
32T,132T 蓋側内壁面(包囲面,最大包囲面)
33 蓋周縁部(周縁接続部)
40,140,240 排熱部材
41,141,241 吸熱部
43,143,243 中間部(剛性向上部)
44,144,244 放熱部
49,149,249 吸熱周囲部
50 発電要素
132F 蓋空間側面(排熱壁部空間側面)
132M 蓋樹脂内側壁部(樹脂収容壁部,樹脂排熱壁部)
132N 蓋樹脂外側壁部(樹脂収容壁部,樹脂排熱壁部)
200,300 組電池
210 組電池ケース
222 枠体樹脂壁部(樹脂収容壁部)
232 介在中央壁部(介在排熱壁部)
232P 介在中央樹脂壁部(樹脂収容壁部,介在樹脂収容壁部,介在樹脂排熱壁部)
500 車両
600 ハンマードリル(電池搭載機器)
610 バッテリパック(電池,組電池)
AF 第1透過防止膜(第1水分透過防止材)
BF 第2透過防止膜(第2水分透過防止材,電解液浸透防止材)
BS 金属板(第2水分透過防止材,電解液浸透防止材)
CS 収容空間
DB 第2方向(厚み方向)
ES 非水電解液(電解液)
MU 最大樹脂収容壁部
ZF 絶縁フィルム(絶縁性被膜)

Claims (15)

  1. 発電要素、及び、
    上記発電要素を収容する収容空間を包囲してなり、上記収容空間の少なくとも一部を包囲する絶縁性樹脂からなる樹脂収容壁部を有する電池ケース、を備える
    電池であって、
    上記絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高い良熱伝導材からなる排熱部材を備え、
    上記排熱部材の一部は、上記樹脂収容壁部の少なくとも一部である樹脂排熱壁部の内部に埋設され、またはこれよりも上記収容空間側に配置されて、この樹脂排熱壁部と共に排熱壁部をなし、上記収容空間内の熱を吸収する吸熱部であり、
    上記排熱部材の他の一部は、上記電池ケースの外部に配置されて、上記吸熱部から伝導した熱を上記電池ケースの外部に放熱する放熱部である
    電池。
  2. 請求項1に記載の電池であって、
    前記電池ケースは、
    開口を有するケース本体部材と、
    上記開口を閉塞する蓋部材と、からなり、
    上記蓋部材は、
    前記排熱部材を含んでなり、
    上記開口に面して、前記収容空間の一部を包囲する蓋壁部を有し、
    上記蓋壁部の少なくとも一部は、前記排熱壁部である
    電池。
  3. 請求項2に記載の電池であって、
    前記蓋部材のうち、前記蓋壁部の全部が、前記排熱壁部である
    電池。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の電池であって、
    前記蓋部材は、
    前記蓋壁部の周囲に位置し、前記ケース本体部材のうち、前記開口の周縁をなす開口周縁部と接続する環状の周縁接続部を有し、
    前記排熱部材は、
    上記蓋壁部内の前記吸熱部から延びて、上記周縁接続部内に位置する吸熱周囲部を有してなり、
    上記ケース本体部材の上記開口周縁部と上記蓋部材の上記周縁接続部とは、上記開口周縁部をなす前記絶縁性樹脂と上記周縁接続部をなす上記絶縁性樹脂との融接により形成した、上記開口を囲む環状の樹脂融接部を介して、互いに固着されてなる
    電池。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電池であって、
    前記収容空間内に電解液を貯留してなり、
    前記排熱部材の前記吸熱部の上記収容空間側に、上記電解液と上記吸熱部との間を隔離し絶縁する絶縁性被膜を備える
    電池。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電池であって、
    前記収容空間内に電解液を貯留してなり、
    前記排熱部材の前記吸熱部は、前記樹脂排熱壁部の内部に埋設されてなり、
    上記樹脂排熱壁部のうち上記収容空間に面する排熱壁部空間側面を覆って、上記電解液が上記排熱壁部空間側面から上記樹脂排熱壁部を浸透して上記排熱部材に届くのを防止する電解液浸透防止材を備える
    電池。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電池であって、
    前記排熱部材は、平板を屈曲してなり、
    平板状の前記吸熱部と、
    この吸熱部に対して屈曲した形態とされ、上記吸熱部の厚み方向の剛性を向上させる剛性向上部と、を有する
    電池。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の電池であって、
    前記収容空間は、複数の包囲面から構成されてなり、
    前記樹脂収容壁部のうち、上記複数の包囲面のうちの最も面積の大きな最大包囲面を構成する最大樹脂収容壁部が、前記排熱壁部をなしている
    電池。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の電池であって、
    前記樹脂収容壁部のうち、前記樹脂排熱壁部を除き、前記収容空間に面する空間対面樹脂収容壁部には、その上記収容空間に面する空間側面全面に、前記排熱部材と絶縁され、上記空間対面樹脂収容壁部を通じた上記収容空間内と前記電池ケースの外部との間の水分の透過を防止する第1水分透過防止材を備え、
    前記排熱壁部は、
    前記樹脂排熱壁部よりも上記収容空間側に、
    前記吸熱部と絶縁され、上記樹脂排熱壁部を通じた、上記収容空間内と上記電池ケースの外部との間での水分透過を防止する、第2水分透過防止材、又は、
    自身の厚み方向に水分を透過させない材料からなる上記吸熱部、を有する
    電池。
  10. 請求項9に記載の電池であって、
    前記収容空間内に非水電解液を備える
    電池。
  11. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の電池を複数配置した組電池。
  12. 複数の発電要素、及び、
    上記発電要素を各々1つ収容する複数の収容空間をそれぞれ包囲してなり、かつ、上記収容空間を互いに列をなして配置する形態に構成され、各々の上記収容空間の少なくとも一部を包囲する絶縁性樹脂からなる樹脂収容壁部を有する組電池ケース、を備える
    組電池であって、
    上記絶縁性樹脂よりも熱伝導率が高い良熱伝導材からなる排熱部材を1又は複数備え、
    上記排熱部材の一部は、上記樹脂収容壁部のうち、隣り合う2つの上記収容空間の間に介在する介在樹脂収容壁部の少なくとも一部である介在樹脂排熱壁部の内部に埋設され、またはこの介在樹脂排熱壁部よりもこの介在樹脂排熱壁部が属する上記介在樹脂収容壁部に隣接する2つの上記収容空間の少なくともいずれか側に配置されて、この介在樹脂排熱壁部と共に介在排熱壁部をなし、上記収容空間内の熱を吸収する吸熱部であり、
    上記排熱部材の他の一部は、上記組電池ケースの外部に配置されて、上記吸熱部から伝導した熱を上記組電池ケースの外部に放熱する放熱部である
    組電池。
  13. 請求項12に記載の組電池であって、
    各々の前記収容空間内に電解液を貯留してなり、
    前記介在排熱壁部をなす前記排熱部材の前記吸熱部は、
    自身が属する上記介在排熱壁部に隣接する2つの上記収容空間内にそれぞれ貯留された上記電解液のいずれとも絶縁されてなる
    組電池。
  14. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の電池、又は、請求項11〜請求項13のいずれか1項に記載した組電池を搭載した車両。
  15. 請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の電池、又は、請求項11〜請求項13のいずれか1項に記載した組電池を搭載した電池搭載機器。
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