JP2009259458A - 非常時用照明装置およびその設置方法および非常時用照明システム - Google Patents

非常時用照明装置およびその設置方法および非常時用照明システム Download PDF

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Abstract

【課題】 映画などの鑑賞中にはわずらわしさを感じさせず、個人的な非常事態が起きたときに非常口や誘導灯などの確認を容易に行なうことの可能な非常時用照明装置を提供する。
【解決手段】 本発明では、通常時は、非常時用照明装置は周辺視野において目立ちにくい光色で点灯しており(非常灯,誘導灯は目立ちにくい光色で点灯しており)、緊急時(例えば火災などの非常事態の発生時)になると、非常時用照明装置は周辺視野においても目立ちやすい光色で点灯する(非常灯,誘導灯は周辺視野においても目立ちやすい光色で点灯する)。
【選択図】 図5

Description

本発明は、非常時用照明装置およびその設置方法および非常時用照明システムに関する。
映画館やホールなどでは、火災などの非常事態に備えて非常灯・誘導灯などの非常時用照明装置が備え付けられている。しかし、映画館などにある非常灯・誘導灯などの非常時用照明は、常時点灯しているとその光のわずらわしさから、映画などの鑑賞の邪魔になるといった問題が発生する。
特許文献1には、このような問題を回避する避難誘導灯が示されている。図1は特許文献1に示されている避難誘導灯の調光制御の一例を示す図である。図1を参照すると、特許文献1では、ホール内の照明に合わせて、上映中は、誘導灯の調光制御がなされるようになっている。すなわち、避難誘導灯は、上映中は、ホール内の照明がほとんど消灯するのに合わせて、消灯されるようになっている。これにより、上映中は、避難誘導灯が鑑賞の邪魔にならないようにしている。そして、上映前および上映後の避難誘導灯が減光調光されているときや、上映中の避難誘導灯が消灯されているときに、火災などの非常事態が発生した場合には、避難誘導灯を直ちに全光点灯させ、観客に対して出入口や非常口の場所を明確にさせることができる。
特開平8−102370号公報
このように、特許文献1では、上映中(例えば映画館鑑賞時)には非常灯や誘導灯を消灯しておき、火災などの非常事態が生じた時に非常灯や誘導灯を点灯するようにしているが、火災が発生したり災害警報が出たりしないと非常灯や誘導灯は点灯しないことになる。すなわち、映画館やホール内の照明は、上映中は、火災などの非常事態と判断されたりしない限り点灯されない。その場合、体調が悪くなったときなどの個人的な非常事態が発生したとき、その場を離れたくても誘導灯が消灯しているので支障をきたすという問題があった。
本発明は、映画などの鑑賞中にはわずらわしさを感じさせず、個人的な非常事態が起きたときに非常口や誘導灯などの確認を容易に行なうことの可能な非常時用照明装置およびその設置方法および非常時用照明システムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、所定の波長成分を有する光を放出する非常時用照明装置であって、該非常時用照明装置が放出する所定の波長成分の光は、第1の波長成分の光と該第1の波長成分の光とは異なる第2の波長成分の光とを切り替えて放出可能なものとされ、
前記第1の波長成分の光は、人間の眼の特性において、周辺視野においては目立ちにくいが、中心視で見たときにはその光を確実に認識できる波長のものであり、前記第2の波長成分の光は、前記第1の波長成分の光に比べて短波長成分が多い、周辺視野においても目立ちやすい光であることを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の非常時用照明装置において、前記第2の波長成分の光は、短波長成分が色温度3000Kの黒体放射の短波長成分割合に対して1.5倍以上の短波長成分割合のものであることを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の非常時用照明装置の設置方法であって、前記非常時用照明装置を視野角60°以上の位置に設置することを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の非常時用照明装置と、該非常時用照明装置の点灯状態を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする非常時用照明システムである。
請求項1,請求項2,請求項4記載の発明によれば、所定の波長成分を有する光を放出する非常時用照明装置であって、該非常時用照明装置が放出する所定の波長成分の光は、第1の波長成分の光と該第1の波長成分の光とは異なる第2の波長成分の光とを切り替えて放出可能なものとされ、
前記第1の波長成分の光は、人間の眼の特性において、周辺視野においては目立ちにくいが、中心視で見たときにはその光を確実に認識できる波長のものであり、通常時は第1の波長成分の光に切り替えられていることで、映画などの鑑賞中にはわずらわしさを感じさせず、個人的な非常事態が起きたときに非常口や誘導灯などの確認を容易に行なうことができる。また、第2の波長成分の光は、前記第1の波長成分の光に比べて短波長成分が多い、周辺視野においても目立ちやすい光であり、緊急時は第2の波長成分の光に切り替えられていることで、周辺視においても気づきやすい非常時用照明となる。
また、請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2に記載の非常時用照明装置の設置方法であって、前記非常時用照明装置を視野角60°以上の位置に設置するので、通常時においては、映画などの鑑賞中、非常時用照明装置によるわずらわしさを感じにくくすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明は、光が持つ波長成分をコントロールすることで、周辺視野においては目立ちにくいが、中心視で見たときにはその光を確実に認識できるという人間の眼の特性を利用した非常時用照明装置である。すなわち、本発明の非常時用照明装置は、所定の波長成分を有する光を放出する非常時用照明装置であって、該非常時用照明装置が放出する所定の波長成分の光は、通常時においては、人間の眼の特性において、周辺視野においては目立ちにくいが、中心視で見たときにはその光を確実に認識できる波長のものであることを特徴としている。
従来の非常時用照明装置は、人間の目の特性を考慮して光色をコントロールするということはない。これに対し、本発明の非常時用照明装置は、通常時においては、人間の眼の特性において、周辺視野においては目立ちにくい波長の光を使っているので、映画などの鑑賞中、わずらわしさを感じにくい。また、体調が悪くなったときなどの個人的な非常事態が起きたときには、映画館やホール内の照明が消灯していても、非常時用照明装置を中心視で見ることにより、非常口や誘導灯の確認が容易にできる。
また、本発明の非常時用照明装置は、該非常時用照明装置が放出する所定の波長成分の光は、緊急時(例えば火災などの非常事態の発生時)においては、人間の眼の特性において、周辺視野においても目立ちやすい波長のものに切替えられることを特徴としている。このように、本発明の非常時用照明装置は、緊急時(例えば火災などの非常事態の発生時)においては、人間の眼の特性において、周辺視野においても目立ちやすい波長の光が用いられるので、周辺視においても気づきやすい非常時用照明となる。
実際、本願の発明者は、輝度が同じ光の周辺視野における気づきやすさ(目立ちやすさ)の実験を行なった。図2は輝度が同じ光の周辺視野における気づきやすさの実験結果を示す図である。図2から、短波長成分の多い光は周辺視野において目立ちやすくなることがわかる。これは、人間の眼の視細胞分布(図3を参照)が、周辺視野では、短波長側にピークを持っている桿体が多く分布しており、長波長側の感度が低下することからも説明がつく。
このことから、非常時用照明装置が放出する所定の波長成分の光は、通常時においては、短波長成分が色温度3000Kの黒体放射の短波長成分割合に対して同等、またはそれ以下であるのが好ましい。ここで、短波長成分とは、560nm以下の可視光領域である。
また、非常時用照明装置が放出する所定の波長成分の光は、緊急時においては、短波長成分が色温度3000Kの黒体放射の短波長成分割合に対して1.5倍以上の短波長成分割合であるのが好ましい。ここで、短波長成分とは、560nm以下の可視光領域である。
上記のように、本発明の非常時用照明装置は、第1の波長成分の光と該第1の波長成分の光とは異なる第2の波長成分の光とを切り替えて放出可能なものとなっており、
前記第1の波長成分の光は、人間の眼の特性において、周辺視野においては目立ちにくいが、中心視で見たときにはその光を確実に認識できる波長のものであり、前記第2の波長成分の光は、前記第1の波長成分の光に比べて短波長成分が多い、周辺視野においても目立ちやすい光であることを特徴としている。
ここで、第2の波長成分の光は、短波長成分が色温度3000Kの黒体放射の短波長成分割合に対して1.5倍以上の短波長成分割合のものであることを特徴としている。
また、実験の結果、短波長成分割合が少ない光は周辺視野が60°以上で見逃し率が高くなることがわかっているため、人々の視野角60°以上に非常時用照明装置を設置するのが好ましい。このように、本発明の非常時用照明装置を視野角60°以上の位置に設置することにより、通常時においては、映画などの鑑賞中、非常時用照明装置によるわずらわしさを感じにくくすることができる。
また、後述のように、映画館やホールなどによっては、60°よりも内側の視野に入ってくる位置に非常時用照明装置が設置される場合がある。この場合、60°よりも内側の視野に入ってくる位置の非常時用照明装置からの直射光が60°よりも内側の視野に入らないようにするのが好ましい。すなわち、60°よりも内側の視野に入ってくる位置の非常時用照明装置からの直射光が60°よりも内側の視野に入らないようにすることによって、映画などの鑑賞中のわずらわしさを低減することができる。
また、上記本発明の非常時用照明装置は(非常時用照明装置の点灯状態は)、後述のように、制御手段によって(制御手段からの制御信号によって)制御される。
次に、本発明をより詳細に説明する。
図4は特許文献1に示されているような従来の非常時用照明装置を説明するための図である。一方、図5は本発明の非常時用照明装置を説明するための図である。
従来の非常時用照明装置では、図4に示すように、通常時は、非常時用照明装置は非点灯の状態(非常灯OFF,誘導灯OFF)にあり、緊急時(例えば火災などの非常事態の発生時)になると、非常時用照明装置が点灯(非常灯ON,誘導灯ON)する。従って、通常時に、体調が悪くなったときなどの個人的な非常事態が発生したとき、その場を離れたくても非常時用照明装置が消灯しているので支障をきたすという問題があった。
これに対し、本発明の非常時用照明装置では、図5に示すように、通常時は、非常時用照明装置は周辺視野において目立ちにくい光色で点灯しており(非常灯,誘導灯は目立ちにくい光色で点灯しており)、緊急時(例えば火災などの非常事態の発生時)になると、非常時用照明装置は周辺視野においても目立ちやすい光色で点灯する(非常灯,誘導灯は周辺視野においても目立ちやすい光色で点灯する)。このように、通常時においては、非常時用照明装置は周辺視野において目立ちにくい光色で点灯するので、映画などの鑑賞中、わずらわしさを感じにくい。また、体調が悪くなったときなどの個人的な非常事態が起きたときには、映画館やホール内の照明が消灯していても、周辺視野においては目立ちにくい光色で点灯している非常時用照明装置を中心視で見ることにより、非常口や誘導灯の確認が容易にでき、その場を離れたりすることができる。また、緊急時(例えば火災などの非常事態の発生時)になると、非常時用照明装置は周辺視野においても目立ちやすい光色で点灯する(非常灯,誘導灯は目立ちやすい光色で点灯する)ので、容易に避難することができる。
このように、本発明の非常時用照明装置は、通常、周辺視野において目立ちにくい光で点灯されている。目立ちにくい光とは短波長成分の少ない、主なスペクトル成分が長波長で成り立っている光である。そして緊急時には、短波長成分の多い光に切り替えて点灯される。なお、ここで、短波長成分が少ない光とは、例えば黄色味がかった白色光であったり、黄色光に代表されたりする光である。また、短波長成分が多い光とは、例えば青白い白色光であったり、短波長が主成分となる青緑色、青色であったりする光である。これにより、具体的には波長成分の分布割合を、短波長成分の少ない主に長波長成分の光からなる光、すなわち、目立ちにくい光から、波長成分の分布割合を、この光に比べて相対的に長波長成分が少なく短波長成分の多い光、すなわち、目立ちやすい光に切り替えて点灯するものである。
図6は本発明の非常時用照明システムの構成例を示す図である。図6を参照すると、非常時用照明システムは、上述した本発明の非常時用照明装置1と、該非常時用照明装置1の点灯状態を所定の制御信号によって制御する制御手段2とを備えている。ここで、非常時用照明装置1は、1つでも良いし、複数(例えば、A,B,Cの3台)設けられていても良い。
また、図7は本発明の非常時用照明装置1の構成例を示す図である。図7の例では、非常時用照明装置1は、第1の光源群aと、第2の光源群bとが、列方向に交互に配置されて構成されている。ここで、第1の光源群aに属する各光源には、「周辺視野において目立ちにくい光」の光色をもった光源が用いられる。また、第2の光源群bに属する各光源には、短波長成分を多く含んだ「周辺視野において目立ちやすい光」の光色をもった光源が用いられる。具体的に、光源aには、蛍光灯、電球(白熱電球)、LED等が使用可能であり、光源bには、波長成分を選択できるLEDが適しているが、これらに特に限定されるものでははない。
図8は、本発明の非常時用照明装置1が図7のように構成されている場合に、本発明の非常時用照明装置1の制御手段2による第1の制御例を示す図である。この第1の制御例では、制御手段2は、通常時には、第1の光源群aに属する各光源のみを点灯させる制御を行なう。これにより、通常時には、第1の光源群aに属する各光源のみが点灯し、非常時用照明装置1からは、周辺視野において目立ちにくい光が放出される。この状態のとき、緊急事態(例えば火災などの非常事態)が発生し、これを制御手段2が検知すると、この第1の制御例では、制御手段2は、第1の光源群aに属する各光源を消灯させ、これのかわりに、第2の光源群bに属する各光源を点灯させる制御を行なう。これにより、緊急時には、第2の光源群bに属する各光源が点灯し、非常時用照明装置1からは、周辺視野においても目立ちやすい光が放出される。すなわち、短波長成分を増加させることで、気づきやすさを上げることができる。
また、図9は、本発明の非常時用照明装置1が図7のように構成されている場合に、本発明の非常時用照明装置1の制御手段2による第2の制御例を示す図である。この第2の制御例では、制御手段2は、通常時には、第1の光源群aに属する各光源のみを点灯させる制御を行なう。これにより、通常時には、第1の光源群aに属する各光源のみが点灯し、非常時用照明装置1からは、周辺視野において目立ちにくい光が放出される。この状態のとき、緊急事態(例えば火災などの非常事態)が発生すると、この第2の制御例では、制御手段2は、第1の光源群aに属する各光源の点灯に加えて、第2の光源群bに属する各光源をも点灯させる制御を行なう。これにより、緊急時には、第2の光源群bに属する各光源が点灯し、非常時用照明装置1からは、周辺視野においても目立ちやすい光が放出される。この場合も、短波長成分を増加させることで、気づきやすさを上げることができるが、この第2の制御例では、緊急時の光源点灯状態では、通常時の光源点灯状態から短波長成分を追加する形の点灯状態となるので、結果として輝度も上がり、より気づきやすさを上げることができる。
また、図10は本発明の非常時用照明装置1の他の構成例を示す図である。図10の例では、非常時用照明装置1は、同じ種類の複数の光源eが配置されて構成されている。ここで、各光源eには、通常時の点灯状態では、短波長成分の少ない状態で点灯されているが、緊急時の点灯状態になると、短波長成分を多く含んだ光に切り替わるものが使用される。具体的に、各光源eには、各光源eから出射される光の波長(色)を制御できるタイプのLEDなどが用いられる。各光源eがこのような構成になっている場合、制御手段2は、通常時には、各光源eを、短波長成分の少ない状態で点灯させる制御を行なう。これにより、通常時には、各光源eは短波長成分の少ない状態で点灯し、非常時用照明装置1からは、周辺視野において目立ちにくい光が放出される。この状態のとき、緊急事態(例えば火災などの非常事態)が発生し、これを制御手段2が検知すると、この第2の制御例では、制御手段2は、各光源eを短波長成分を多く含んだ光を出射するように切替える制御を行なう。これにより、緊急時には、各光源eは短波長成分の多い状態で点灯し、非常時用照明装置1からは、周辺視野においても目立ちやすい光が放出される。
また、図11には、映画館やホールなどにおける本発明の非常時用照明装置の配置例が示されている。図11を参照すると、例えば非常時用照明装置Aは「照明A視認範囲」にいる人々の視野角60°よりも外側に取り付けられる。そのためには「照明A視認範囲」の一番後ろの列で非常時用照明装置Aの最も傍にいる「観客a−1」の視野角x≧60°の範囲への取り付けが条件となる。非常時用照明装置Aは「照明A視認範囲」にいる人々の周辺視もしくは中心視によって視認される。
また、図12には通常時における本発明の非常時用照明装置の照射範囲が示されている。図12を参照すると、例えば非常時用照明装置Aは、その直射光が「照明B視認範囲」から後にいる人々の目に入らないような光学制御がされている。具体的には、「照明B視認範囲」の最前列で非常時用照明装置Aの最も傍にいる「観客b−2」の視野角y<60°の範囲に非常時用照明装置Aからの直射光が入らないようにする光学制御が非常時用照明装置Aになされている。
非常時用照明装置Aの上記光学制御を行なう具体例として、例えば住友3M社製BEFシリーズ、RBEFシリーズなどの、LCDディスプレイの正面輝度を上昇させる用途に用いられるいわゆる輝度上昇フィルムを光源上に配置する構成を採用することができる。輝度上昇フィルムは、その表面に形成された頂角90°、プリズム配置平均ピッチが50μm程度の微細なプリズムパターンの作用により、発光体の光束を正面方向に集中し、正面方向の狭い範囲への照明を行なうことを可能とする。例えばDBEFII 90/50の場合、±50°程度の範囲より外側の輝度が低下し、内側の輝度が上昇する特性を有している。RBEFシリーズ、DBEFIIIシリーズについてもほぼ同様の特性を備えている。この輝度上昇フィルムを例えば直交させ2枚重ねた構成とすることで、光照射範囲はさらに狭くなり、概ね±25°程度の範囲より外側の輝度が低下し、内側の輝度が上昇する。輝度上昇フィルムを適切に照明装置の光源上に配置することで、例えば±25°を超える範囲への光照射量が低減するため、「観客a−1」、「観客b−2」のいずれに対しても、視野角y<60°の範囲に照明装置を配置したとしても、観客による照明装置の照明光の観察を妨げると同時に、観客が横方向に視線を変えた時には、近傍の照明装置の照明光を観察可能とすることができる。
非常時用照明装置Aの上記光学制御を行なう他の具体例として、いわゆるのぞき見防止フィルタとして知られる、内部に微細なルーバ構造を備え、ディスプレイの正面方向以外へ向かう光束を制限する視野角制限フィルタの採用が挙げられる。視野角制限フィルタとして、その制限能が正面から±30°程度以下に光束を制限するものを採用し、照明装置の光源上に適切に配置することにより、照明装置は正面方向から離れた方向への光照射が制限される。このため、「観客a−1」、「観客b−2」のいずれに対しても、視野角y<60°の範囲に照明装置を配置したとしても、観客による照明装置の照明光の観察を妨げると同時に、観客が横方向に視線を変えた時には、近傍の照明装置の照明光を観察可能とすることができる。
「照明B視認範囲」の最前列で非常時用照明装置Aの最も傍にいる「観客b−2」の視野角y<60°の範囲に非常時用照明装置Aからの直射光が入らないようにするのに、上記の例では非常時用照明装置Aの光学制御を行なったが、非常時用照明装置Aの光学制御を行なうかわりに、非常時用照明装置Aの取り付けをする壁の立壁利用や非常時用照明装置Aの取り付けに角度を持たせることなどで対処することも可能である。
次に、本発明の具体例を説明する。通常時、本発明の非常時用照明装置の輝度は、「中心視において表示の意味が理解できる限界輝度値(最低輝度Lmin)」以上〜「周辺視においてその存在が気にならない限界輝度値(最大輝度Lmax)」以下である必要がある。会議室での条件における輝度設定について実施例を述べる。照明が完全に落とされている状態でスクリーンの映像を見ているときの眼前照度が2Luxだったとき、Lmin=1.2nt、Lmax=12ntとなるため、この非常時用照明装置の輝度は1.2〜12ntの範囲に設定するのが好ましい。
また、上述した図7の例では、第1の光源群aに属する各光源には、「周辺視野において目立ちにくい光」の光色をもった光源が用いられ、また、第2の光源群bに属する各光源には、短波長成分を多く含んだ「周辺視野において目立ちやすい光」の光色をもった光源が用いられるとしたが、これらの光源について、より具体的に説明する。図13には、黒体放射の色温度3000Kにおけるスペクトル分布の例として白熱電球のスペクトル分布が示されている。この光源(すなわち、白熱電球)は色温度3000Kの黒体放射の短波長成分割合に同等の波長成分を持っているので、通常時に使用できる光源の一例ともなる。また、図14には、非常時の光源として使用できる短波長成分割合の多い白色LEDのスペクトル分布の一例が示されている。図14から、白色LEDは、非常時の光源として使用できることがわかる。
本発明者の実験によると、非常時において、図13に示す白熱電球の分光分布において560nm以下の可視光領域割合に対し、短波長成分、すなわち560nm以下の波長成分量を1.5倍以上とすると、被験者の多くが周辺視野における目立ちやすさが目立ちやすいと判断するものであった。よって色温度3000Kの黒体放射が持つ短波長成分割合よりも1.5倍以上の短波長割合が好適である。
本発明は、映画館、ホール、カンファレンス会場や講義室など、暗い環境で映像を人々に見せる場所における非常時用照明装置に利用可能である。
特許文献1に示されている避難誘導灯の調光制御の一例を示す図である。 輝度が同じ光の周辺視野における気づきやすさの実験結果を示す図である。 人間の眼の視細胞分布を示す図である。 従来の非常時用照明装置を説明するための図である。 本発明の非常時用照明装置を説明するための図である。 本発明の非常時用照明システムの構成例を示す図である。 本発明の非常時用照明装置の構成例を示す図である。 本発明の非常時用照明装置が図7のように構成されている場合に、本発明の非常時用照明装置の制御手段による第1の制御例を示す図である。 本発明の非常時用照明装置が図7のように構成されている場合に、本発明の非常時用照明装置の制御手段による第2の制御例を示す図である。 本発明の非常時用照明装置の他の構成例を示す図である。 映画館やホールなどにおける本発明の非常時用照明装置の配置例を示す図である。 通常時における本発明の非常時用照明装置の照射範囲を示す図である。 黒体放射の色温度3000Kにおけるスペクトル分布の例として白熱電球のスペクトル分布を示す図である。 非常時の光源として使用できる短波長成分割合の多い白色LEDのスペクトル分布の一例を示す図である。
符号の説明
1 非常時用照明装置
2 制御手段

Claims (4)

  1. 所定の波長成分を有する光を放出する非常時用照明装置であって、該非常時用照明装置が放出する所定の波長成分の光は、第1の波長成分の光と該第1の波長成分の光とは異なる第2の波長成分の光とを切り替えて放出可能なものとされ、
    前記第1の波長成分の光は、人間の眼の特性において、周辺視野においては目立ちにくいが、中心視で見たときにはその光を確実に認識できる波長のものであり、前記第2の波長成分の光は、前記第1の波長成分の光に比べて短波長成分が多い、周辺視野においても目立ちやすい光であることを特徴とする非常時用照明装置。
  2. 請求項1記載の非常時用照明装置において、前記第2の波長成分の光は、短波長成分が色温度3000Kの黒体放射の短波長成分割合に対して1.5倍以上の短波長成分割合のものであることを特徴とする非常時用照明装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の非常時用照明装置の設置方法であって、前記非常時用照明装置を視野角60°以上の位置に設置することを特徴とする非常時用照明装置の設置方法。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の非常時用照明装置と、該非常時用照明装置の点灯状態を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする非常時用照明システム。
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