JP2009259273A - 共振器付フィールド改善システム - Google Patents
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Abstract
【課題】センサ、タグ、非接触式ICカード間の通信環境を改善するシステムの提供。
【解決手段】RFID(Radio Frequency Identification)のセンサやICタグや非接触式ICカードに用いるシステムにおいて、センサSensorやタグTや非接触式ICカードCに付加的に共振器8を備え、前記共振器8がコイル5とコンデンサ7とからなり、更に前記共振器8のコイル5に磁性体6が添えられ、磁界を強くしていることを特徴とする共振器付フィールド改善システム。
【選択図】図20
【解決手段】RFID(Radio Frequency Identification)のセンサやICタグや非接触式ICカードに用いるシステムにおいて、センサSensorやタグTや非接触式ICカードCに付加的に共振器8を備え、前記共振器8がコイル5とコンデンサ7とからなり、更に前記共振器8のコイル5に磁性体6が添えられ、磁界を強くしていることを特徴とする共振器付フィールド改善システム。
【選択図】図20
Description
本発明は共振器付フィールド改善システムに関し、RFID(Radio Frequency Identification)や非接触式ICカードの利用分野の中で、センサとタグ間の通信を行う場合の通信状況を改善するための、簡単で効果的な方式を提示する。
従来のセンサやタグは、コイルによる連続する微小ループアンテナに電流を流し、磁界や電界を作り、センサやタグや非接触ICカード間の通信を行っていた。
しかるに、周囲の誘電体や磁性体や金属の影響を受けて共振周波数がずれて感度が落ちたり、場合によっては、負荷が大きい場合にはローデッドQが小さくなり、感度が低下した。金属による逆相電流で打ち消されたり、磁路がふさがれたり、磁界が曲がったりすることにより、磁界が低下したり、電界が低下したりして、通信条件が悪化することが一般的である。磁性体による磁路を確保することを一般的に行っているが、充分ではない。コイルアンテナ間の相互作用により共振周波数が大幅にずれることもある。このような場合には一般には共振周波数が低くなる。
ところで、共振周波数がずれたり、ローデッドQが下がったり、磁界が乱れたり、弱くなった時、所望の磁界や電界を強めたりすることができれば、通信し易くなり、通信距離も伸び、時に金属対応の磁性体を用いたセンサやタグの改善には大きな効果があり、これらセンサやタグの感度を改善したり通信を改善したりするのに役立つ。
以上のことから、本発明は、センサやタグや非接触式ICカード間の通信環境を改善することのできる共振器付フィールド改善システムを提供することを目的とするものである。
本発明は、上述の目的を達成するために、共振器付フィールド改善システムを次の(1)〜(4)に示すとおりのものとする。
(1)磁性体と前記磁性体の面上に渦巻き状に形成される第1のコイルとを有するRFIDのセンサ又はICタグ若しくは非接触ICカードと、前記第1のコイルの軸方向と同一の軸方向となるように前記磁性体の面上に渦巻き状に形成される第2のコイルと前記第2のコイルに接続される第1のコンデンサとを有する第1の共振器と、を備えることを特徴とする共振器付フィールド改善システム。
(2)磁性体と前記磁性体に巻回された第1のコイルとを有するRFIDのセンサ又はICタグ若しくは非接触ICカードと、前記第1のコイルの軸方向と同一の軸方向となるように前記磁性体の面上に渦巻き状に形成される第2のコイルと前記第2のコイルに接続される第1のコンデンサとを有する第1の共振器と、を備えることを特徴とする共振器付フィールド改善システム。
(3)前記(1)又は(2)に記載の共振器付フィールド改善システムにおいて、前記磁性体は、前記第1のコイルの軸方向に垂直な断面が矩形又は円形の形状であることを特徴とする共振器付フィールド改善システム。
(4)前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の共振器付フィールド改善システムにおいて、前記RFIDのセンサと前記ICタグ又は非接触ICカードとの間で伝送された信号を読み取るリーダライタと、前記リーダライタが読み取った信号に基づき前記ICタグ又は非接触ICカードが取り付けられた物を管理するコンピュータと、を備えることを特徴とする共振器付フィールド改善システム。
本発明によれば、センサあるいはRFIDタグあるいは非接触式ICカードあるいはこれらの間に共振回路を付加することにより、センサ、タグ、非接触式ICカード間の通信を著しく改善する効果が発揮できた。本発明はまた、金属対応のセンサやタグにも有効に応用でき、共振器をタグや非接触式ICカード間にばら撒くことにより、通信環境を改善する効果を持つ。
以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。
本発明は、センサやタグ間の通信距離が短かったり、結合し難い所で、センサあるいはタグ、あるいは両方共に感度が高くなるように、磁界の強度あるいは電流の強度を増すような機能を与えるか、通信を行う方向の磁界を強めることにより、センサやタグの通信感度を向上させたり通信距離を伸ばしたりする実用的かつ効果的な方法で、共振器をセンサあるいはタグに密着させたり、近傍に置いたり、センサやタグの中間に設置することにより、磁界を散らさずに集中させる。これにより通信感度を上昇させる方法である。
以下、図に沿って説明する。
図1は、タグに共振器を用いた場合を示す。
タグTの本体1の中にコイル2が巻かれており、IC3がコイルの両端に設置されている場合を示す。
この近傍、あるいは密着して、共振器8のプラスチックフィルム4の上にコイル5が形成され、コンデンサ7がコイル5の両端に接続され、LCの共振回路を構成している。
共振回路はロスがないので、高いQを示すことができ、かつ、もともとずれているタグTの共振周波数を所望の共振周波数に合わせることができるので、タグTの感度を上げることができる。図1では説明のため、タグTと共振器8は少し離してあるが、両者を密着させて使用することができる。共振器の電流により、磁界は増強され感度が上昇する。
図2は、センサコイルに共振器を用いた場合を示す。
タグの場合と同じように、センサコイル2′の近傍、あるいは密着して共振回路8が設置されている場合を示す。一般にセンサコイルは、基板1′上でコイルを形成しているものが多い。この基板1′の表面の、コイルの中心部に共振器8を設置する訳であるが、センサコイル2′と共振器のコイル5が近過ぎると、お互いに結合して、互いの共振周波数を狂わせる。勿論結合が強い即ち相互インダクタンスが大きい場合でも、総合で共振周波数が合って、最大の電磁界が得られるように調整すればよい。
センサコイル2′を励振するための端子は22と22′である。
図3は、センサコイルを共振回路付磁性体の上に取り付けた場合を示す。センサコイル2′で励振された磁界が、磁性体6の磁路に沿って通過するとき、両端の磁路にコイル15とコンデンサ17による共振回路を構築して、中央部と側方に強い磁路を発生させる例である。磁性体6に巻かれた共振回路の電流により、強い磁界を発生させることができ、したがって、センサコイル2′により発生する磁界を更に増強させることができるので、コイル2′の中心軸に沿った垂直の強い磁界が得られる。磁性体の外側を巻くようなコイルと、これに合ったコンデンサによる共振回路を用いているので、ここでは共振回路としたが、この共振回路は磁性体にはめ込む方法でも作ることができるので、これを一体としてみれば、共振器として見ることができる。
磁性体の側方に磁界を逃がすことができるので、下方に金属面があった場合により効果的であり、金属面の悪い影響は受け難い。また、直接金属面上に置かれるときは、磁性体に巻いたコイル15のイメージ効果により、更に感度を上げることができる。磁性体を用い、金属面対応としたプロメタルセンサやタグについて、更に図5や図9、図10、図11等で述べる。
図4は、共振器の応用例を示す。図4(a)は、タグの本体1のコイル2の更に内側に、共振器コイル5を巻き、コンデンサ7により、共振器を構成する場合を示す。ICチップを3に示す。
図4(b)は、センサコイル2′が端子22と22′により給電され、このコイル2′が磁性体6の上に直接あるいはプラスチック等を介して載せられている場合を示す。
センサコイル2′の上に共振回路(共振器コイル5,コンデンサ7)が構成されたプラスチックシート4がセンサ回路の上に貼り付けられる。この場合も、直接あるいはプラスチック等の絶縁体や誘電体を介して貼り付ける場合も有る。
上部にある共振器は、取り付けた状態で共振を取るようにする。
特殊な場合、下方に共振器を取り付け、金属板の代わりとし、金属板と同様な効果を持たせることもできる。例えば、13.56MHz帯で用いる場合、上の共振回路の共振周波数を14〜14.2MHzとし、下の共振回路の共振周波数を13〜13.3MHzに調整する。
磁性体を挟んで、容量的と誘導的な共振器を用い、垂直磁界を励振することができる。図では、夫々の共振器がセンサコイル2′や磁性体6と離して描かれてあるが、それぞれ貼り付けられる構造のものでよい。
センサコイル2′、共振器コイル5は磁性体6に直接触れる接近した状態では、インダクタンスの値にかなり影響し、少しの距離の差でも変動するので、あまり密着して用いない方がよいが、密着するならば、最初からしっかり固定してインダクタンスが変動しないようにすることが、不安定さを無くす上で重要である。
図4(c)は、図3に対応し、タグに磁性体6と共振回路(共振器コイル5,コンデンサ7)を用い、金属面上や金属面に近い所でも感度が上るようにした場合である。タグの本体1を磁性体6の上に貼り、両側に共振回路(コイル15とコンデンサ17による)を構成し、側方に磁界を逃がしたり励振したりする場合を示している。
図5は、従来にもある金属対応タグに本発明の共振器を応用した例を示す。図5は、従来の金属対応タグ等のように、磁性体シート6を、コイル2、ICチップ3を含むタグ1に、更に共振回路8を構成するコイル5とコンデンサ7を含むプラスチックシート4を追加した場合の構成を示す。金属面をMで示す。
図5(a)は斜視図で、図5(b)は横から見た場合を示す。図5(b)からも分る通り、共振回路8を構成するプラスチックシート4がタグの本体1の上に添加される。タグの本体1の下方には磁性体シート6が貼られており、一般的には裏にアルミ箔が貼られ、金属面に載せられた場合でもインダクタンスの大きな変化が生じないようにしている。
図6には、磁性体棒による共振器の例を示す。図6(a)は、磁性体丸棒にコイル5を巻き、コイル5の両端にコンデンサ7を取り付け共振を取り、これを磁界の通路に置き磁界を強めるもので、磁性体6の比透磁率μrの大きさと共振電流の大きさの両方で磁界を強める効果を持つ。この場合、比透磁率が大きければ、磁性体6の断面積が小さくても磁束密度は増加でき、したがって小形に実現することができる。
図6(b)は、比較的長い角形磁性体によるセンサの場合で、離れた位置のタグのコイル2とICチップ3の情報を、途中の共振回路(共振器コイル5,コンデンサ7)により増幅させ、磁性体により磁界の結合を強くし、センサコイル2′に伝える場合を示している。この場合などは、センサは離れた磁性体に巻かれているが、同一の磁性体でも良い。
図7は、金属対応センサやタグに共振器を用いた場合を示す。センサやタグは金属面Mの上に載せてある。図7(a)は垂直磁界が出易いように、水平磁路6を曲げ、垂直磁路6′を構成している場合で、この垂直部や水平部、共振回路を設ける場合を示す。
図7(a)では、垂直磁路6′にコイル5とコンデンサ7による共振回路を設けた場合を示している。
図7(b)では、同様に垂直突起部6′のあるセンサやタグの、垂直突起部6′にコイル5とコンデンサ7による共振回路を設けた場合を示す。
図7(c)は、金属埋込センサやタグの場合を示す。同様に中央部の垂直突起部6′にコイル5とコンデンサ7による共振回路を設けた場合を示す。
図8は、周波数が高いUHF帯のセンサやタグに応用した共振器の例を示す。図中左のアンテナTX,RXは送受信アンテナで、右側のアンテナはタグTである。タグTのそばに分布定数による半波長(ループの場合は1波長)に近い共振器が置かれ、電界や磁界を強めている場合を示す。この場合は、八木・宇田アンテナに用いられる導波器や反射器の原理とほぼ同じ原理を用い、置く場所や位相を考慮する必要がある。
図9には金属対応センサに共振器を取り付けた例を示す。磁性体6と励振するセンサコイル2′が金属面Mに対して垂直面になっており、金属面で発生するイメージは磁界を2倍にする働きがある。
図9(a)に示すように、コイル2′の左側の磁性体面の広い部分6−3は垂直磁界が出易い部分で、この部分に共振回路8を構成するコイル5とコンデンサ7により、更に垂直磁界が強化される。即ち、タグや非接触式ICカードの磁界と結合し易いような磁界を形成する。いわゆるフィールドフォーメーション(磁界形成)をなす働きをする。更に磁性体の端部6−1側には多くの水平成分の磁界が励振され、この水平磁界は一般には垂直磁界に対して無効に働くため効率を低下させる傾向にあったが、垂直成分を励振する共振回路があるため、こちらにエネルギーが奪われ有効な垂直成分のみ励振され、5割近くの感度向上が得られる結果を得た。この説明は図17で詳しく説明する。図9(b)には、共振回路を構成するコイル15とコンデンサ17を磁性体6そのものに巻き、センサコイル2′により発生する磁界をそのまま励振することにより磁界を補う働きをする。
図9(a)の構造と(b)の構造を組み合せて用いると、図9(a)の場合より性能はやや上昇する。図9(a)と図9(b)を比較すると、図9(a)の方が図9(b)より優っている。図9(a)の方が垂直磁界分布をきれいにするフィールドフォーメーションを行う動作が有効に行われているためである。
図10には、更に金属対応センサに共振器や共振回路を用いた例を説明する。
図10(a)には、図9(a)と同じ構成のセンサを示すが、共振器8の共振回路(共振器コイル5,コンデンサ7)を磁性体6の上に直接載せるのではなく、紙、プラスチックや誘電体εや薄い絶縁体を挟んで載せる場合を示している。
共振回路のコイル5が磁性体6に接近すると、少しの変化でもインダクタンスが急変し共振が取れにくいので、少し磁性体6から離す方が安定であり、誘電体の誘電率を用い、共振周波数を制御する場合にも適している。誘電率をあまり持たせたくない場合には、誘電率が1に近いものを用いるとよい。
図10(b)には、図9に示す共振回路の置く場所や置く方法を混成させ、更に図の左側の、磁性体6の端部6−1に共振回路(誘導的コイル15′,誘導的コイル用コンデンサ17′)を追加し、この共振器の電流が誘導的になるようにし、磁界がこの端部に漏れないように阻止するようにした場合を示す。
センサコイル2′に近い右側の共振回路(共振器コイル15,コンデンサ17)は、磁界に誘導させる電流を流して、コイルの中を流れる磁界が強化されるように動作させる。図4(b)の下方のコイル5′,コンデンサ7′による共振回路のと上方のコイル5,コンデンサ7による共振回路の役割と似た動作である。
したがって共振回路は3個取り付けてあるが、夫々は別々の役割を持っている。磁性体6の面に平行に置かれた共振回路のコイル5は、垂直磁界を励振し、かつフィールドフォーメーションを行う役割を持ち、給電されたセンサコイル2′に近い共振回路(コイル15,コンデンサ17)は導磁的な動作とし、左端の共振回路(コイル15′,コンデンサ17′)は、コイル15′を通過する磁界を打ち消すような磁界を発生させる。この磁界が強すぎると励振される筈の磁界が打ち消されるので注意を要する。
このように、右側にセンサコイル2′があり、右側から給電されているので左右非対称の構造となり、したがってコイル15,コンデンサ17の共振回路と、コイル15′,コンデンサ17′の共振回路とは、異なった特性や機能を持っている。
一方、図3の場合には、左右の共振回路はほぼ同様の特性と機能を持っている。
また、図4(c)のタグに応用した場合も同様に左右の共振回路(コイル15,コンデンサ17)は、同様の特性や機能を持っている。センサとタグは動作機能は同様で給電部に相当する位置にICのチップが取り付くことにより、タグとなったりする。
図11は、金属対応の磁性体タグに用いた場合の例を示す。
磁性体6にコイル2を巻き、このコイル2の両端にIC3が接続されている。したがってコイルの軸方向に磁界が発生し易く、この方向に磁性体が伸びている。もともとコイル2は片端に巻かれているので、磁性体6の中心部でも垂直磁界が発生し易くなっているが、この部分に更に垂直磁界を励振する共振回路(コイル5,コンデンサ7)を設置している。図10(a)でも説明したように、絶縁体を置くことにより、磁性体による変動の影響を少なくし、共振周波数を安定して製造し易くするためにも、絶縁体部分があった方がよいし、セラミックで構成し、この上にコイル5とチップコンデンサ7を取り付け、IC3も同様に取り付ければ、ハイブリッドICのように、同時に回路を組むことができ、量産に適する。セラミックを用いなくてもこのような回路を構成することはできるが、図11の方が量産し易い。金属対応とした場合、共振(同調)周波数を狂わせないためにも、最初から金属板MSを添わせてある。
図12には共振回路8をプラスチックシート4で構成し、後でセンサやタグに添加できるように、プラスチックシート4の裏側にのり9を塗り、シリコン樹脂等を塗った紙10を貼っておき、接着時にシリコン紙をはずし、センサやタグに接着するように構成した場合を示す。一般のコイル形タグを作る工程と同じ方法により、ICを載せる代わりにチップコンデンサ7を載せ大量に作成する。
図12(a)は、接着できる共振器8(コイル5,コンデンサ7による)付プラスチックシート4の例を示す。
図12(b)は、プラスチックフィルム4の表裏の電極EPにより構成されるコンデンサとスルーホールSHによって、表裏のコイルが接続されているインダクタンスによる共振器の例を示す。スルーホールによらないで、表面と裏面両面それぞれ2個の電極によりコンデンサを構成し結合することもできる。
図13には、センサやタグに取り付けたり添えられたりする共振器や共振回路の等価回路を示す。
図13(a)は、左側のセンサや本体1の共振回路と、この本体1のそばに添えられた共振器8の共振回路のコイル5、あるいは磁性体に巻かれたコイル15に対応した、コンデンサ7、17による共振回路を示している。
タグの場合には、コイル2にIC3が接続されており、センサの場合には、コイル2′の両端子22、22′が給電部となり、IC3にコンデンサが接続されているのは、ICの端子の等価的な容量である。かっこ( )に入っている数字は、センサとして応用する場合に対応している。
図13(b)は、図10(b)の構造のセンサの例としてあげているが、同図コイル2′の両端にICを接続し、ICタグとして用いる場合もある。
付加する共振回路は3個用いているが、この機能や用いる個数は、適宜目的に応じて選択して用いればよい。上の共振回路は平面的な共振回路を示し、右下の2個の共振回路は磁性体に巻く共振回路を示し、磁界を誘導する電流により、コイルの中心の励振磁界と同相となるように、より強いエネルギーを与えるようにする場合と、金属面と等価な電流を流しコイルの中心の励振磁界を打ち消すようにするかは、使用する目的や場合によって異なるが、一般的な目的は、より強くなる磁界を励振する目的に使う方が多い。
図14には、複数のタグがある場合の例を示す。複数のタグがある場合、複数の共振回路8(コイル5,コンデンサ7)を適切に配置し、磁界を強める働きをする目的に使用するもので、先に説明もしたように、左端のセンサから発せられた磁界を途中で強め、更に遠くに到達するようにする目的や、センサやタグの磁界を強める動作をする目的や、タグが複数個あることにより干渉が起き、夫々のタグが他のタグに邪魔することを防ぐように、あるいは単体が容量的な電流を流し、誘導的な磁界を緩和したり、全体として共振状態が保たれる環境となるように調整する役目を持たせることもできる。共振器8の配置の仕方は任意で図のように1つおきあるいは複数個おきに用いても良い。
特に多数タグをほぼ同時に検出するアンティコリジョン方式の検出時等に、ずれた所から元に戻し、感知し易くする場合等にも、大変役に立つ。
図15は、センサあるいはタグの前後に、破線で示す共振器や共振回路8,8′を配列する場合の例を示す。例えば、図4(b)の例は、センサの上に共振回路のコイル5とコンデンサ7があり、センサの下にもう一つの共振回路のコイル5′とコンデンサ7′がある。このような場合の例である。
図4(b)は、センサの例で示してあるが、図15のセンサコイルの両端の端子22,22′にIC3を接続した場合にはICタグの例となる。図15の左方の破線の中は、ICの回路の等価回路を示している。
図16は、磁性体の丸棒や角棒6,6′にセンサとタグが取り付けられている場合の例を示す。例えば、図6(b)の例の中央にセンサコイル2′があり、給電端子22,22′で給電され、磁性体6の先にタグ用コイル2とIC3が接続されている。上の磁界を均一にするため、少しはなれた所に両側に共振回路のコイル5とコンデンサ7が取り付けられている例を示している。この上にもタグが結合できるように均一な磁界を作っている。下方に金属面を置き金属対応のセンサとすることができる。
図6(b)は角形磁性体であったが、図16に示すような丸角磁性体であったり、角形の磁性体であっても、同様な効果を持つ。共振回路が複数あることにより、センサとタグとの距離をもっと取ることができる。また、タグ自体(コイル2、IC3)を同じ磁性体棒に取り付けず、離して用いることもできる。同一の磁性体に取付けられたコイル5とコンデンサ7の共振回路や、コイル15とコンデンサ17の共振回路により強められた磁界や電界により、センサとタグが交信し易くなることが共振回路を用いる目的である。
図17は、金属面対応磁性体偏心コイルによるセンサあるいはタグの磁界が改善されることの説明図である。
同図では、金属面上に置かれた、磁性体6の偏心励磁コイルによる磁界の凡その分布を示す。図17(a)に示すように、片端にコイルを寄せることにより、磁性体6中心部に垂直磁界を発生させることができることは先の出願でも述べているが、励振された磁界は左端の磁性体6の端部からもかなり漏れるので、中心部のみに垂直磁界を作ることはできない。
一方、図17(b)に示すように、共振回路8のコイル5により、励振された磁界は強力に垂直磁界を発生させる。
磁性体6端部に発生させたり、散っていた磁界を吸収集中させ、磁性体6の中心部に強い垂直磁界を発生させることができることを説明する図である。前述の説明にも述べたフィールドフォーメーション(磁界成形)効果である。
図18は、従来のセンサやタグの磁界が共振器により改善されることの説明図である。従来のセンサやタグのコイルの磁界と、この磁界の向きと同方向に取り付けた共振回路により磁界が改善されていることを示す。
図18(a)は、一般のセンサやタグのコイルの磁界だとする。
図18(b)は、共振回路8(コイル5,コンデンサ7)をセンサやタグのコイル2(2′)に近付けた場合、共振回路8に流れる電流により、より多くの磁界が発生する様子を示す。
図18(c)には、センサやタグのコイル2(2′)から離れるにしたがって広がる磁界を共振回路8(コイル5,コンデンサ7)により集中させる機能を持つ場合を示す。
図18(b)の場合には、センサコイルやタグコイルに発生する磁界と同じ形状の磁界であるため、共振回路の共振電流が大きければ大きい程、即ちQが高い程大きな効果があるが、帯域との兼ね合いや、安定度、巻数等との兼ね合いとなる。
図18(c)の場合には、適当な位置に共振回路8を設置することにより、中心軸に磁界を集中させ到達距離を伸ばすことができる。このように、共振器や共振回路を磁界増強に用いることができる。
図19には、共振特性の比較を示す。図19には、一般のセンサやタグの共振特性による磁界の強さをGに、共振回路を加えたときに共振点近くで磁界がH2−H1だけ強くなる共振特性をRで示す。
図17のような、フィールドフォーメーションによる垂直磁界が強くなる現象は、単なる共振特性のみによるのではない。共振特性が鋭くなるのみでなく、むしろ垂直磁界成分そのものを全体に増加させる効果がある。
図20は、本発明の共振器によるセンサの改善により金属板対応センサシステムを構築した場合を示す。金属板対応の磁性体センサに応用し、非接触式ICカードCとの通信距離を伸ばしたり、通信条件を改善する効果を利用し、アクセスコントロールシステムや、機械の制御や、種々の管理制御に用いることができるようにしたものである。
センサ(Sensor)には共振回路8が取り付けられ、センサコイル2′の入/出力は、基板PCBを介して金属板Mの裏側に配線される場合もあるし、リーダライタR/Wと共にスイッチボックスを利用して制御回路CBに導かれることもある。図では、制御や、記録の管理用として、コンピュータを用いている。コンピュータより先は、様々な用途があるが、種々の機能のメカニズムMaを制御することができる。センサには、状態を示すLEDやブザーが取り付けられ認識し易くする方が良い。また、破線で示すプラスチックカバーPで覆われていることが多い。
図21は、本発明の共振器によるタグの改善により金属板対応タグシステムを構築した場合を示す。磁性体を用いた金属板対応タグTの磁性体6の上面に、垂直磁界を励振するコイル5とコンデンサ7とからなる共振回路により、IC3にコイル2を介して電力を供給し、IC3の信号をコイル2と共振回路のコイル5を介してセンサ(Sensor Ant)に伝送される。
この信号は、リーダライタR/Wによって読まれ、PCに伝送される。PCに記録され保存されたり、所定の作業を行うことができる。R/Wによまれた信号は有線や無線ジグビー,ブルートゥス、特定小電力等のような方法によって伝送することができる。
図22は、本発明の共振器を用いて、多数のタグが存在する電磁界を改善するセンサ、タグシステムの例を示す。
同図は、多数のタグT1,T2・・・・Tnが使用される環境において、共振器や共振回路を使用する例を示す。
例えば、本やファイルが多数棚に載せられているとき、タグTがそれぞれの本やファイルに取り付けられ、その中にあるものを識別や選別をしたり、あるいは取り出されたものを識別したりする場合、センサアンテナ(Sensor Ant)をタグの下や横で識別,選別する場合、タグ間の結合により共振周波数がずれるのを補正し、タグT1,T2・・・・Tnがそれぞれ干渉したり、誘導的に動作したりして読みづらくなるのを防ぐことができる。この場合、共振器を、タグや物に設置し、センサ・タグ間の通信距離を伸ばしたり、タグを共振状態を改善することにより、センサ・タグ間の通信環境を良好にしたりする効果を持つ。センサアンテナ(Sensor Ant)も自由に動かすことができるので、共振器RCも所々に多数設置して、何処でも通信状態の良い環境を作っている。センサアンテナ(Sensor Ant)とリーダライタR/Wとは有線で接続しているが、リーダライタR/Wとコンピュータは、ブルートゥス、ジグビーやNFCや特定小電力等のような無線で行うこともできる。
リーダライタR/Wで読まれた信号は、コンピュータで管理、表示する。
1 タグの本体
1′ 基板
2 コイル
2′ センサコイル
3 IC
4 共振器を載せたプラスチックシート(プラスチックフィルム)
5 共振器コイル
5′ 誘導的コイル
6 磁性体
7 コンデンサ
8 共振器、共振回路
9 のり
10 シリコン樹脂等を塗った紙
15 磁性体に巻いたコイル
17 コンデンサ
22,22′ センサコイルの端子
C 非接触式ICカード
CB 制御回路
H1,H2 磁界
MS 金属面、金属板
P プラスチックカバー
PCB 基板
RC 共振器
R/W リーダライタ
T,T1,T2 タグ
1′ 基板
2 コイル
2′ センサコイル
3 IC
4 共振器を載せたプラスチックシート(プラスチックフィルム)
5 共振器コイル
5′ 誘導的コイル
6 磁性体
7 コンデンサ
8 共振器、共振回路
9 のり
10 シリコン樹脂等を塗った紙
15 磁性体に巻いたコイル
17 コンデンサ
22,22′ センサコイルの端子
C 非接触式ICカード
CB 制御回路
H1,H2 磁界
MS 金属面、金属板
P プラスチックカバー
PCB 基板
RC 共振器
R/W リーダライタ
T,T1,T2 タグ
Claims (4)
- 磁性体と前記磁性体の面上に渦巻き状に形成される第1のコイルとを有するRFIDのセンサ又はICタグ若しくは非接触ICカードと、前記第1のコイルの軸方向と同一の軸方向となるように前記磁性体の面上に渦巻き状に形成される第2のコイルと前記第2のコイルに接続される第1のコンデンサとを有する第1の共振器と、を備えることを特徴とする共振器付フィールド改善システム。
- 磁性体と前記磁性体に巻回された第1のコイルとを有するRFIDのセンサ又はICタグ若しくは非接触ICカードと、前記第1のコイルの軸方向と同一の軸方向となるように前記磁性体の面上に渦巻き状に形成される第2のコイルと前記第2のコイルに接続される第1のコンデンサとを有する第1の共振器と、を備えることを特徴とする共振器付フィールド改善システム。
- 請求項1又は2に記載の共振器付フィールド改善システムにおいて、
前記磁性体は、前記第1のコイルの軸方向に垂直な断面が矩形又は円形の形状であることを特徴とする共振器付フィールド改善システム。 - 請求項1乃至3のいずれかに記載の共振器付フィールド改善システムにおいて、
前記RFIDのセンサと前記ICタグ又は非接触ICカードとの間で伝送された信号を読み取るリーダライタと、前記リーダライタが読み取った信号に基づき前記ICタグ又は非接触ICカードが取り付けられた物を管理するコンピュータと、を備えることを特徴とする共振器付フィールド改善システム。
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