JP2009257803A - 角速度検出装置の製造方法およびその製造方法 - Google Patents

角速度検出装置の製造方法およびその製造方法 Download PDF

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健悟 鈴木
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武 原田
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靖夫 大曽根
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雅秀 林
Teruhisa Akashi
照久 明石
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Abstract

【課題】
本発明では、気密封止構造を必要とした物理量センサにおいて、外部からのガスおよび水分の流入を防ぐ構造とすることで長期圧力維持が可能である気密封止実装構造を提供することを目的とする。
【解決手段】
気密封止される物理量センサの封止部を多重構造とし、かつ、ガス吸着剤を各封止部の両方、または、片方の封止部に備えていることを特徴とした気密封止構造とした。本発明によれば、角速度検出装置およびその製造方法において、長期間に亘って内部圧力の減少を少なくすることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体を用いて製造される角速度を検出するための検出装置およびその製造方法に関する。
物理量センサは、各種物理量を電気信号に変換・検出するセンサである。例えば、圧力センサ,加速度センサ,角速度センサのように、様々な物理量を検出するセンサが開発されている。
このうち、角速度センサにおいても、振動型,回転型,ガス型,光学型のセンサが開発されている。特に近年では、量産性の向上や小型化を目的に、シリコンの微細加工技術を用いた振動型,回転型角速度センサが開発されている。
振動型角速度センサは外部からの角速度印加に伴う振動体の変位を、電気信号として検出するセンサである。振動型角速度センサにおいて、振動体の変位は機械的Q値に大きく依存する。機械的Q値は、センサ部が含まれる封止部に存在する気体分子の粘性抵抗、すなわちダンピング効果に依存する。そのため、振動体を大きく変位させ、検出感度を向上させるには、封止部が高真空であることが望ましい。しかし、封止部の圧力が高真空になると、振動体の変位が過度に大きくなる。この結果、振動体が衝突する危険性がある。したがって、振動型角速度センサでは、検出感度を維持すると同時に、振動体の衝突が発生しない、最適な封止圧力を維持することが重要である。
以上の理由により、センサに適した機械的Q値を得るため、気体分子が外部よりセンサ部に流入する、または、封入された気体分子が外部に流出しない気密封止実装構造が必要である。
気密封止が可能な接合方法として、接着,溶接,吸着,圧着,はんだ接合、などがある。例えば、金属やセラミックスを用いた気密保持可能な封止接合方法として、シーム溶接がある。シーム溶接とは、抵抗溶接の一つであり、ローラー型の電極を用い加圧、かつ、電圧を印加する方法である。この通電によって生じるジュール熱により母材を溶解させ、接合を可能とする。スポット溶接と違い、線状に溶接が可能であるため、気密封止実装に多用されている。
また、MEMS素子の封止には、共晶接合,陽極接合,直接接合などが用いられる。このうち、封止内部の気密が保たれ、かつ、シリコンとガラス間での接合が可能な接合法として、陽極接合が挙げられる。陽極接合とは、接合を実施するシリコンに正の電圧、ガラスに負の電圧を印加することによって化学反応を誘発し、接合界面にSiO2の接合層を形成する接合方法である。
陽極接合後のシリコンとガラスの界面は、化学反応により結合されている。そのため、通常の接着材を用いた気密封止の場合と違い、アウトガスの発生が少ない。つまり、陽極接合はガスを含む接着層がないために、アウトガス発生量が少ない。したがって、陽極接合は気密封止実装に多用される。
上記のような接合によって、気密封止部をある特定の圧力で気体分子を封止することで、または、気密封止部に存在する気体分子をほぼ全て排出し、高真空にすることで、センサ性能の向上、または安定を図る。これを意図した物理量センサの圧力維持機構に関しては、例えば、特許文献1において開示されている。
また、単に2重の筐体にセンサ部分が囲まれた角速度センサは、特許文献2に開示されている。
特開2005−298376号公報 特開2007−205834号公報
しかしながら、特許文献1のような陽極接合による気密封止実装構造の場合、その気密レベルは、JIS Z 2331「ヘリウム漏れ試験方法」が規定しているICチップ等の小型部品のリークレートである4.9×10-9Pa・m3/sである。シリコンの微細加工技術によって製作された車載用物理量センサが、数mm角の大きさであることを考慮すると、この数値は車載に必要な十年以上の期間、内部圧力を維持するには十分ではない。
また、気体分子以外に、接合後に外部から流入する物質として、水分も挙げられる。例えば、内部にナトリウムを含むホウケイ酸ガラス製の封止用蓋とシリコンの基板との接合を陽極接合で行った場合、以下の反応によって接合界面にSiO2が形成される。
NaO2→O2-+2Na+
Si+2O2-→SiO2+4e-
接合時に形成されたSiO2は吸湿材料である。気密封止部内部と外部との水蒸気分圧の差によって、外部の水分がSiO2内を拡散して封止部内部に浸透することが予想される。したがって、長期間の内部圧力維持を行うことが困難であった。
本発明の目的は、長期間に亘って内部圧力の減少が少ない角速度検出装置およびその製造方法を実現することにある。
上記目的は、半導体で形成された質量体と、前記質量体を一定方向に加振する加振手段と、前記質量体の他の方向への変位を検出する検出手段と、前記質量体を気密に囲う第1の筐体と、前記第1の筐体により気密に囲われた第1の空間に面して設置された第1のガス吸着剤と、前記第1の筐体を気密に囲う第2の筐体とを備え、前記第1の空間の圧力が1kPa以下であり、前記第2の筐体により気密に囲われた第2の空間の圧力が10kPa以下である角速度検出装置によって達成される。
本発明によれば、角速度検出装置およびその製造方法において、長期間に亘って内部圧力の減少を少なくすることができる。
以下に、本発明の実施例を、図面を用いて詳細に説明する。
図2は、封止を行った振動型角速度センサの投影図であり、図3はセンサ素子の平面図である。図4は図1中のA−A′断面における概略断面図である。図5は封止を行った振動型角速度センサにおける封止実装構造の断面図である。
本実施例における振動型角速度センサは、活性層基板11と支持基板12の間に絶縁層13を挟んだ状態の貼りあわせ基板を使用した。
本振動型角速度センサの振動体14a,14bは、アンカー16a,16b,16c,16d以外の領域が支持基板12から絶縁層13の厚さの量だけ浮いた構造となっている。その端部は4本の梁15a,15b,15c,15dにより、面内方向に振動可能な状態で支持されており、加えられた角速度によって振動する構造となっている。梁15a,15b,15c,15dの端はアンカー16a,16b,16c,16dによって絶縁層13を間に挟んだ状態で、支持基板12に固定されている。なお、上記梁15a,15b,15c,15dは、ばね機構の役割を持つ。例えば、振動体14a,14bが面内方向の角速度を受けた場合に、振動体14a,14bに発生する慣性力により、振動体14a,14bが変位するが、角速度印加終了とともに梁15a,15b,15c,15dのばね力により元の位置に復元する。振動体14a,14bは、振動方向と直交した方向に可動電極17a〜17hを備えている。可動電極17a〜17hは振動体14a,14bと連動して振動する。また、二つの振動体14a,14bは互いにメカニカルリンク18a,18bにより連結されている。振動体14a,14b間では、メカニカルリンク18a,18bを通じ、双方の振動エネルギーの授受が行われる。
支持基板12とアンカー16a,16b,16c,16dは絶縁層13を間に挟むことによって絶縁されている。振動体14a,14bには、絶縁層13を犠牲層エッチングする際に使用する、トレンチの貫通孔19が複数備わっている。これは、振動体14a,14bを支持基板12より浮かし、面内振動可能な状態とさせるために必要である。また、犠牲層エッチングを容易に進行させるために必要である。この場合、振動体14a,14bが支持基板12より剥離しないように、アンカー16a〜16dの形状はできるだけ大きくすることがよい。ここでは、貫通孔19の形状は正方形とした。
振動体14a,14bと支持基板12とを固定している梁15a,15b,15c,15dの端にあるアンカー16a,16b,16c,16dには信号検出用の貫通配線20a〜20hが形成されている。
支持基板12上には絶縁層13を間に挟んだ状態で固定電極21a〜21hが設けられている。固定電極21a〜21hは、可動電極17a〜17hと対向するように位置する。加速度、または、角速度が振動体14a,14bに印加された時、可動電極17a〜17hと固定電極21a〜21hとの間に発生する静電容量の変化がここで検出される機構である。
本振動型角速度センサにz軸周りの角速度が印加されると、二つの振動体14a,14bは逆相モードで変位し、コリオリ力によりy軸方向に互いに逆方向に変位する。
センサ部6は振動体14a,14bと、梁15a,15b,15c,15dと、可動電極17a〜17hと、メカニカルリンク18と、貫通孔19と、貫通配線20a〜20hと、固定電極21a〜21hから構成される。このセンサ部6を覆うように、第1の蓋22を被せた構造とすることで、第1の封止部1と第2の封止部2との気体分子の移動を制限している。ここでは、第1の蓋22にホウケイ酸ガラスを用いた。ホウケイ酸ガラスはシリコンとの陽極接合を可能とするガラスである。第1の蓋22と活性層基板11に形成された封止用枠25は陽極接合を用いて接合されている。
一方、陽極接合する際の電圧印加で発生する静電引力により、振動体14a,14bが第1の蓋22に固着する問題がある。この問題回避のため、固着しない深さを備えた段差24が形成されている。段差24の底面にはガス吸着剤23が備わっている。封止用枠25と第1の蓋22の接合時に発生する気体分子(アウトガス)や水分、さらに、接合前から第1の封止部1の内部に存在する気体分子はガス吸着剤23により吸着される。ガス吸着剤23は、外部からの気体分子、および、水分の流入を長期にわたり低減することを可能とし、第1の封止部1の内部圧力維持を補助している。
貫通配線20a〜20hの材料にメッキ膜を用いた場合、メッキ膜による充填不良や、支持基板12との線膨張係数の差による剥離のため、第2の封止部2から気体分子や水分が第1の封止部1に流入することが懸念される。そこで貫通配線20a〜20hには、支持基板12や活性層基板11と線膨張係数の合った低抵抗ポリシリコンを用いる。これにより、本実施例の貫通配線20a〜20hは、熱衝撃が加わったとしても、貫通配線20a〜20hの割れや剥離が発生しない構造となっている。
図5は、第2の封止部2を覆うように、第2の蓋27を被せた構造を示す。この構造により、図1に示した構成を満足させ、第2の封止部2と外部環境3との気体分子の移動を制限している。
第2の蓋27の材質は金属やセラミックス,樹脂である。第2の蓋27の内には先述した振動型角速度センサ28や半導体集積回路29が納められている。
振動型角速度センサ28と半導体集積回路29とは別体に構成されている。この場合、振動型角速度センサ28と半導体集積回路29とは積層実装され、小型化,搭載性を向上させている。
振動型角速度センサ28と半導体集積回路29は電気的に接続されている。すなわち、金やアルミニウムのワイヤー30を介し、それをワイヤーボンディングすることにより電気的に接続している。ワイヤー30は、支持基板12に形成されている電極と半導体集積回路29の電極とを結線している。配線基板31と半導体集積回路29、半導体集積回路29と振動型角速度センサ28は接着材32で接着されている。接着材32は、低ヤング率のシリコン系接着材である。これは、半導体集積回路29と配線基板31の線膨張係数差を緩和する材料である。配線基板31にはセラミックス配線基板が用いられる。
第2の蓋27は配線基板31とシーム溶接で接合され、第2の封止部2の気密性が確保されている。
また、配線基板31の周囲には、配線基板31と外部とを電気的に接続するためにリードフレーム33が設けられている。このリードフレーム33は42アロイなどの通常のリードフレーム材料よりなる。
第2の蓋27にはガス吸着剤23が設けられている。ガス吸着剤23は成膜の容易さとガス吸着剤23の量を十分に確保することを考慮し、第2の蓋27の内側上面部全面に備えるのが良い。ガス吸着剤23としては、ジルコニア系のものが適しており、少なくとも水分、酸素,水素,二酸化炭素,窒素などの一部または全部を吸着する特性を有する。
以上のことより、本実施例の振動型角速度センサは、第1の封止部1,第2の封止部2の二重構造となっている。さらに、各々の封止部内にガス吸着剤23を備え、本実施例の封止実装構造は長期的気密維持を可能とする。
図6は実施例2の実装構造を示す。実施例2では、半導体集積回路29が、第2の蓋27に接着材32を介して接着されている実装構造を示している。封止された振動型角速度センサ28、および、センサ素子の検出原理は実施例1と同様である。
第2の蓋27の材質は金属やセラミックス,樹脂である。第2の蓋27の内には先述した振動型角速度センサ28や半導体集積回路29が納められている。
振動型角速度センサ28と半導体集積回路29とは別体に構成されている。この場合、振動型角速度センサ28と半導体集積回路29とは積層実装され、小型化,搭載性を向上させている。
振動型角速度センサ28と半導体集積回路29は電気的に接続されている。すなわち、金やアルミニウムのワイヤー30を介し、それをワイヤーボンディングすることにより電気的に接続している。ワイヤー30は、支持基板12に形成されている電極と半導体集積回路29の電極とを結線している。配線基板31と半導体集積回路29、半導体集積回路29と振動型角速度センサ28は接着材32で接着されている。接着材32は、低ヤング率のシリコン系接着材である。これは、半導体集積回路29と配線基板31の線膨張係数差を緩和する材料である。配線基板31にはセラミックス配線基板が用いられる。
第2の蓋27は配線基板31とシーム溶接で接合され、第2の封止部2の気密性が確保されている。
また、配線基板31の周囲には、配線基板31と外部とを電気的に接続するためにリードフレーム33が設けられている。このリードフレーム33は42アロイなどの通常のリードフレーム材料よりなる。
第2の蓋27にはガス吸着剤23が設けられている。ガス吸着剤23は成膜の容易さとガス吸着剤23の量を十分に確保することを考慮し、第2の蓋27の内側上面部全面に備えるのが良い。
以上のことより、本実施例の振動型角速度センサは、第1の封止部1,第2の封止部2の二重構造となっている。さらに、各々の封止部内にガス吸着剤23を備え、本実施例の封止実装構造は長期的気密維持を可能とする。
図7は実施例3の実装構造を示す概略断面図である。この場合、振動型角速度センサ28の積層実装される方向が、実施例2の場合と異なる。その他の実装構造は実施例2と同じである。封止された振動型角速度センサ28、および、センサ素子の検出原理は実施例1と同様である。
第2の蓋27の材質は金属やセラミックス,樹脂である。第2の蓋27の内には先述した振動型角速度センサ28や半導体集積回路29が納められている。
振動型角速度センサ28と半導体集積回路29とは別体に構成されている。この場合、振動型角速度センサ28と半導体集積回路29とは積層実装され、小型化,搭載性を向上させている。
振動型角速度センサ28と半導体集積回路29とは導電性接合部材36を介在させることで、電気的に接続されている。具体的には、導電性接合部材36ははんだ材料で、Au−Sn,Pb−Snが適する。
配線基板31と半導体集積回路29、半導体集積回路29と振動型角速度センサ28は接着材32で接着されている。接着材32は、低ヤング率のシリコン系接着材である。これは、半導体集積回路29と配線基板31の線膨張係数差を緩和する材料である。配線基板31にはセラミックス配線基板が用いられる。
第2の蓋27は配線基板31とシーム溶接で接合され、第2の封止部2の気密性が確保されている。
また、配線基板31の周囲には、配線基板31と外部とを電気的に接続するためにリードフレーム33が設けられている。このリードフレーム33は42アロイなどの通常のリードフレーム材料よりなる。
第2の蓋27にはガス吸着剤23が設けられている。ガス吸着剤23は成膜の容易さとガス吸着剤23の量を十分に確保することを考慮し、第2の蓋27の内側上面部全面に備えるのが良い。
以上のことより、本実施例の振動型角速度センサは、第1の封止部1,第2の封止部2の二重構造となっている。さらに、各々の封止部内にガス吸着剤23を備え、本実施例の封止実装構造は長期的気密維持を可能とする。
図8は実施例4の実装構造を示す。この場合、振動型角速度センサ28の上に半導体集積回路29が積層実装されている。そのため、配線基板31の上に振動型角速度センサ28が実装されている。封止された振動型角速度センサ28、および、センサ素子の検出原理は実施例1と同様である。
第2の蓋27の材質は金属やセラミックス,樹脂である。第2の蓋27の内には先述した振動型角速度センサ28や半導体集積回路29が納められている。
振動型角速度センサ28と半導体集積回路29とは別体に構成されている。この場合、振動型角速度センサ28と半導体集積回路29とは積層実装され、小型化,搭載性を向上させている。
振動型角速度センサ28と半導体集積回路29は電気的に接続されている。すなわち、金やアルミニウムのワイヤー30を介し、それをワイヤーボンディングすることにより電気的に接続している。ワイヤー30は、支持基板12に形成されている電極と半導体集積回路29の電極とを結線している。配線基板31と半導体集積回路29、半導体集積回路29と振動型角速度センサ28は接着材32で接着されている。接着材32は、低ヤング率のシリコン系接着材である。これは、半導体集積回路29と配線基板31の線膨張係数差を緩和する材料である。配線基板31にはセラミックス配線基板が用いられる。
第2の蓋27は配線基板31とシーム溶接で接合され、第2の封止部2の気密性が確保されている。
また、配線基板31の周囲には、配線基板31と外部とを電気的に接続するためにリードフレーム33が設けられている。このリードフレーム33は42アロイなどの通常のリードフレーム材料よりなる。
第2の蓋27にはガス吸着剤23が設けられている。ガス吸着剤23は成膜の容易さとガス吸着剤23の量を十分に確保することを考慮し、第2の蓋27の内側上面部全面に備えるのが良い。
以上のことより、本実施例の振動型角速度センサは、第1の封止部1,第2の封止部2の二重構造となっている。さらに、各々の封止部内にガス吸着剤23を備え、本実施例の封止実装構造は長期的気密維持を可能とする。
図9は実施例5の実装構造を示す。この場合、インターポーザー35上に振動型角速度センサ28が実装されている。また、半導体集積回路29はインターポーザー35の内部に内包するように実装されている。封止された振動型角速度センサ28、および、センサ素子の検出原理は実施例1と同様である。
第2の蓋27の材質は金属やセラミックス,樹脂である。第2の蓋27の内には先述した振動型角速度センサ28や半導体集積回路29が納められている。
振動型角速度センサ28と半導体集積回路29とは別体に構成されている。
この場合、振動型角速度センサ28と半導体集積回路29とはインターポーザー35を介して積層実装され、小型化,搭載性を向上させている。また、半導体集積回路29はインターポーザー35の内部に内包するように実装されている。インターポーザー35は、セラミックス基板を積層し、埋め込み貫通配線37を備えた、多層配線基板である。具体的には、導電席接合部材36はAu−SnやPb等からなるBGA(ボールグリッドアレイ)を用いてよい。
振動型角速度センサ28とインターポーザー35、そしてインターポーザー35と半導体集積回路29は電気的に接続されている。すなわち、はんだなどからなる導電性接合部材36を介在させることで接合している。
配線基板31と半導体集積回路29、半導体集積回路29と振動型角速度センサ28は接着材32で接着されている。接着材32は、低ヤング率のシリコン系接着材である。これは、半導体集積回路29と配線基板31の線膨張係数差を緩和する材料である。配線基板31にはセラミックス配線基板が用いられる。
第2の蓋27は配線基板31とシーム溶接で接合され、第2の封止部2の気密性が確保されている。
また、配線基板31の周囲には、配線基板31と外部とを電気的に接続するためにリードフレーム33が設けられている。このリードフレーム33は42アロイなどの通常のリードフレーム材料よりなる。
第2の蓋27にはガス吸着剤23が設けられている。ガス吸着剤23は成膜の容易さとガス吸着剤23の量を十分に確保することを考慮し、第2の蓋27の内側上面部全面に備えるのが良い。
以上のことより、本実施例の振動型角速度センサは、第1の封止部1,第2の封止部2の二重構造となっている。さらに、各々の封止部内にガス吸着剤23を備え、本実施例の封止実装構造は長期的気密維持を可能とする。
実施例6は、実施例1で示した気密封止実装構造を備えた振動型角速度センサであり、センサ素子の検出原理、その構造は実施例1と同様である。
この構造において、第1の封止部1の容積V1と第2の封止部2の容積V2の比が、第1の封止部1に形成したガス吸着剤23の面積をA1としたとき、V2/V1≧31650/A1の関係を満たすように、第1の封止部1と第2の封止部2とを構成する。このような構成にすることで、第1の封止部1の圧力を10年間維持し続けることが可能とする。
前述の関係式V2/V1≧31650/A1は以下のように求められる。
まず、ガス吸着剤23が気体分子を吸着したことによる圧力維持効果について記述する。ガス吸着剤23は外部より流入してきた気体分子を吸着することにより封止部の圧力変動を抑止する。ガス吸着剤23の飽和吸着量S[Pa・m]、ガス吸着剤23の面積をA[m2]、ガス吸着剤23を形成した容器の容積をV[m3]とする。気体分子を吸着することにより圧力の変動を抑止できる圧力変動ΔPmaxは以下の式で表せる。
ΔPmax=S・A/V[Pa]
時間t経過後の圧力をP(t)とおくと、封止部の初期圧力P(0)からP(t)までの圧力変動が、上記ガス吸着剤23により抑止可能な圧力変動ΔPmaxよりも小さければ、封止部の圧力は変動しない。それは以下の関係式で表せる。
P(t)−P(0)≦ΔPmax=S・A/V・・・(1)
次にリーク抵抗を多重にしたことによる圧力維持効果を記述する。
リーク抵抗Cを多重にするため、封止部を二重構造にした場合、リークレートQ[Pa・m3/s]と、封止部内部と外部との差圧ΔPの関係は以下の式で表せる。ここで、第2の封止部2と外部環境3、第1の封止部1と第2の封止部2のリークレートは、それぞれQ20とQ12と表す。また、ΔP20は第2の封止部2と外部環境3との差圧であり、ΔP12は第1の封止部1と第2の封止部2との差圧である。
20=C20ΔP20・・・(2)
12=C12ΔP12・・・(3)
図10は、振動型角速度センサ28が第2の封止部2に内包された実装構造の場合と、内包されない場合とのリークレートを比較するための図である。振動型角速度センサ28が第2の封止部2に内包されない実装構造では、以下の式が求まる。
30=C30ΔP30・・・(4)
リーク抵抗Cを意味する封止用枠25は、その幅,材質、そして封止方法に依存し、時間や圧力に依存しない。ここでの振動型角速度センサ28の封止用枠25は陽極接合で封止され、封止用枠25の幅,形状は同じである。したがって、以下の式が成立する。
30=C12・・・(5)
図10では、ΔP20=ΔP30であるため、Q20,Q30がkQ20=Q30とすると次式が成立する。
kC20=C30・・・(6)
この結果、以下の式が求まる。
KQ20/P20=Q12/P12(kは定数)・・・(7)
ここで、時間t経過後もP0とP2の比が2桁以上離れている場合、Q20は時間tによらず一定であると仮定できる。以上のことを踏まえて、式(7)よりQ12は以下の式で表せる。
12(t)=kQ20×(P2(t)−P1(t))/(P0−P2(t))・・・(8)
ここで、P0は外部環境3の圧力であり、P2は第2の封止部2の圧力であり、P1は第1の封止部1の圧力である。
ここで、時間t経過後の圧力P1(t)は、以下のように表せる。
1(t+Δt)=P1(t)×Q12(t)×Δt/V2・・・(9)
次に、図5に示す本発明のように、封止部の二重封止と、ガス吸着剤23を用いた場合の圧力維持効果を検討する。
第1の封止部1,第2の封止部2が共にガス吸着剤23を備えており、それぞれの封止部の容積をV1とV2、ガス吸着剤23を備えた封止部の内部圧力をP1′,P2′、第2の封止部2の中に備えたガス吸着剤23の面積をA2とおく。この場合、ガス吸着剤23の効果により、封止部の内部圧力P2′は以下の式で表せる。
ここでは、時間t′経過するまでは第2の封止部2の中に備えたガス吸着剤23の効果があるとし、時間t′から時間tまでの範囲ではそのガス吸着剤23の効果はないとする。
i)経過時間t′までの範囲、すなわちP2(t)−P2(0)≦SA2/V2のとき
第2の封止部2の内部に侵入した気体分子はすべてガス吸着剤で吸着可能であるため、
2′(t)=P2(0)である。
ii)経過時間t′〜tの範囲、すなわちP2(t)−P2(0)>SA2/V2のとき
ガス吸着剤23が吸着不可になった瞬間より第2の封止部2の内部圧力が、下記の式のように変化する。
2′(t)=P2′(t′+nΔt)=P2(0)+nΔt×(Q20/V2)・・・(10)
また、第1の封止部1の内部圧力P1′もP2′と同様に以下の式で表せる。ただし、P1(0)=P2(0)と仮定する。
i)経過時間t′までの範囲、すなわちP2(t′)−P2(0)≦SA2/V2のとき
第2の封止部2の内圧が変化しないため、第1の封止部1と第2の封止部2の内圧が等しくなり、第1の封止部1への気体分子の流入はは発生せずP1′(t)=P1(0)となる。
ii)経過時間t′〜tの範囲、すなわちP2(t)−P1(t′)>SA1/V1のとき
第2の封止部2の圧力変動に伴い以下のように圧力が変動する。この場合、第1の封止部1の内部圧力P1′は次式で表せる。
1′(t)=P1(t′+nΔt)=P1′(t′+(n−1)Δt)+Δt
×(Q12/V1)・・・(11)
初期状態から時間tまでの第1の封止部1の圧力変化は以下の式で表せる。
Figure 2009257803
また、時間t経過するまで第1の封止部1に備えたガス吸着剤23が、第1の封止部1に侵入した気体分子をすべて吸着可能である条件は、以下の関係式で表せる。
Figure 2009257803
以上より、式(13)に式(10),式(11)を代入すると、時間t経過するまで第1の封止内部の圧力が変動しない関係式が求められる。次式は第1の封止部1の容積V1と、第2の封止部2の容積V2の関係式である。
Figure 2009257803
20を2.5×10-10Pa・m3/s、4Q20=Q12と仮定し、式(14)を解くと図11のグラフが得られる。このグラフより、以下の式が求められる。
2/V1≧31650/A1・・・(15)
なお、本実施例のリークレートQは、封止方法としてシーム溶接と陽極接合を用いた一例である。
式(15)の関係を満足する多重のリーク抵抗を備える封止実装構造は、長期圧力維持を可能とする。
尚、本発明は、気密構造を有し、加速度や圧力など物理量を検出する検出装置にも適用可能である。物理量検出装置に適用した場合の一例は自明ではあるが次にようになる。物理量を検出する検出手段と、その検出手段を気密に囲う第1の筐体と、その第1の筐体を気密に囲う第2の筐体とを備えた物理量検出装置。
直列リーク抵抗模式図。 本発明の第1の実施例であるセンサ素子の投影図。 本発明の第1の実施例であるセンサ素子の平面図。 図1中のA−A′断面における概略断面図。 本発明の第1の実施例であるセンサ素子の概略断面図。 本発明の第2の実施例であるセンサ素子の概略断面図。 本発明の第3の実施例であるセンサ素子の概略断面図。 本発明の第4の実施例であるセンサ素子の概略断面図。 本発明の第5の実施例であるセンサ素子の概略断面図。 二重リーク抵抗と単一リーク抵抗であるセンサ素子の概略断面図。 10年間圧力を維持する範囲を示すグラフ。
符号の説明
1 第1の封止部
2 第2の封止部
3 外部環境
4,5 リーク抵抗
6 センサ部
11 活性層基板
12 支持基板
13 絶縁層
14a,14b 振動体
15a〜15d 梁
16a〜16d アンカー
17a〜17h 可動電極
18a,18b メカニカルリンク
19 貫通孔
20a〜20h 貫通配線
21a〜21h 固定電極
22 第1の蓋
23 ガス吸着剤
24 段差

Claims (11)

  1. 半導体で形成された質量体と、
    前記質量体を一定方向に加振する加振手段と、
    前記質量体の他の方向への変位を検出する検出手段と、
    前記質量体を気密に囲う第1の筐体と、
    前記第1の筐体により気密に囲われた第1の空間に面して設置された第1のガス吸着剤と、
    前記第1の筐体を気密に囲う第2の筐体とを備え、
    前記第1の空間の圧力が1kPa以下であり、
    前記第2の筐体により気密に囲われた第2の空間の圧力が10kPa以下である角速度検出装置。
  2. 請求項1において
    前記第2の空間に面して設置された第2のガス吸着剤を備えたことを特徴とする角速度検出装置。
  3. 請求項1において、
    前記第1の筐体と前記第2の筐体は複数の部材を接合して構成されたことを特徴とする角速度検出装置。
  4. 請求項3において、
    前記第1の筐体は複数の部材を陽極接合して構成され、
    前記第2の筐体は複数の部材をシーム溶接して構成されたことを特徴とする角速度検出装置。
  5. 請求項2において、
    前記第1の空間に不活性ガスが充填されたことを特徴とする角速度検出装置。
  6. 請求項2において、
    前記第2の空間に不活性ガスが充填されたことを特徴とする角速度検出装置。
  7. 請求項6において、
    前記第1の空間の容積V1と前記第2の空間の容積V2と前記第1のガス吸着剤の面積A1とが、V2/V1≧31650/A1の関係を満たすように構成されたことを特徴とする角速度検出装置。
  8. 圧力1kPa以下の雰囲気中で、半導体で形成された質量体と、前記質量体を一定方向に加振する加振手段と、前記質量体の他の方向への変位を検出する検出手段と、第1のガス吸着剤とを第1の筐体によって気密に封止した後、
    圧力10kPa以下の雰囲気中で、前記第1の筐体を第2の筐体によって気密に封止する角速度検出装置の製造方法。
  9. 請求項8において、
    第1の部品に第1のガス吸着剤を設置した後、
    前記第1の部品と他の部品とを接合して、前記加振手段と前記検出手段と気密に封止する前記第1の筐体を形成したことを特徴とする角速度検出装置の製造方法。
  10. 請求項9において、
    前記第1の筐体を形成した後に、
    予め第2のガス吸着剤を設置した第2の部品と他の部品とを接合して、前記第1の筐体を気密に封止する前記第2の筐体を形成したことを特徴とする角速度検出装置の製造方法。
  11. 請求項10において、
    前記第1の部品と他の部品との接合は陽極接合であり、
    前記第2の部品と他の部品との接合はシーム溶接であって、
    前記第1の筐体が内部に形成する空間の容積V1と、前記第2の筐体が内部に形成する第2の空間の容積V2と、前記第1のガス吸着剤の面積A1とが、V2/V1≧31650/A1の関係を満たすように構成されたことを特徴とする角速度検出装置の製造方法。
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