JP2007047069A - 力学量センサ及び電子機器並びに力学量センサの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 検出部を収容する密閉室を高真空状態で封止することができると共に、小型化、低コスト化を図り、デバイスの自由度を高めることができ、また、熱の影響による制限を受けない力学量センサ及び電子機器並びに力学量センサの製造方法を提供すること。
【解決手段】 真空に保持された密閉室と、密閉室に収容された可動部と、外部から作用した力学量を検出する検出部からなる力学量センサの製造方法であって、密閉室の内部を密閉室の一部に設けられた貫通孔から真空引きする真空引き工程と、貫通孔を塞ぐ真空封止工程を有し、真空引き工程、および/または、真空封止工程において、密閉室の真空度をモニタリングする。
【選択図】 図7

Description

本発明は、ガラス基板とシリコン基板とを用いて高真空な密閉室を形成し、密閉室内に加速度や角速度等の各種の力学量を検出する検出部を収容した加速度センサや角速度センサ等の力学量センサ及び、力学量センサを有する電子機器並びに力学量センサの製造方法に関するものである。
従来より、加速度センサや角速度センサ等の力学量センサにおいて、センサ(検出部)の検出感度を向上させるために、センサを収容する密閉室内の真空度を向上させる様々な検討が行われてきた。
一般的にガラス基板とシリコン基板とを接合するには、真空状態に減圧した状態で陽極接合を行って両基板の接合を行っている。ところが、陽極接合時にガラス基板及びシリコン基板から酸素ガスが発生して密閉室内に残留してしまい、密閉室内の圧力が上昇する不具合があった。これにより、例えば、センサの振動が、残留酸素ガスによって妨げられ、センサの検出感度の低下を招いていた。そのため、上述したように密閉室内の真空度を向上させる必要がある。
ここで、密閉室内の真空度を向上させるための方法として、ガラス基板に貫通孔を設け、貫通孔に金属をスパッタして封止する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1に記載された方法は、貫通孔を有するガラス基板とシリコン基板とを陽極接合した後に、真空状態に減圧し、ガラス基板の貫通孔の内周面に金属をスパッタリングする。これにより、貫通孔の封止と共に、シリコン基板の段部に金属蒸着された連結線と、金属のスパッタリングにより形成された配線の上端とを連結することができ、配線処理及び貫通孔の封止を同時に行うことができる。この特許文献1に記載された方法によれば、陽極接合した後に真空状態で貫通孔の封止を行うので、密閉室内を高真空度の状態で封止することができ、センサの検出感度の向上を図ることができる。また、スパッタした金属を配線としても利用することがでできる。
また、別な方法として、ガラス基板に貫通孔と貫通孔と密閉室を繋ぐ流路を設け、貫通孔に金属を蒸着して封止する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
この特許文献2に記載された方法は、貫通孔を有するガラス基板とシリコン基板とを陽極接合した後に、真空状態に減圧し、ガラス基板の貫通孔の内周面に金属を蒸着する。この特許文献1に記載された方法によれば、陽極接合した後に真空状態で貫通孔の封止を行うので、密閉室内を高真空度の状態で封止することができ、センサの検出感度の向上を図ることができる。
さらに、成膜による真空封止方法として、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長法)を用いたものもある。この手法を用いた場合に関しても、上述したように、密閉室内を高真空度の状態で封止することができ、センサの検出感度の向上を図ることができる。
さらに、成膜を用いた真空封止方法以外では、貫通孔を粘性流動可能な膜により封止する方法も知られている(例えば、特許文献3参照。)。
この特許文献3に記載された方法は、真空状態において加熱することにより、粘性流動可能な膜を加熱して粘性を変化させ、流動性を高めることにより貫通孔を塞ぐものである。これにより、密閉室内を高真空度の状態で封止することができ、検出感度の向上を図ることができる。
特開平6-160420号公報 特開2000-180181号公報 特開2003-332587号公報
しかしながら、上記従来の方法では、以下の課題が残されている。
即ち、上記特許文献1、特許文献2に記載されている方法及び、CVDを用いた真空封止方法では、封止後の密閉室内の真空度は、成膜前の真空チャンバー内の圧力及び成膜時の真空チャンバー内の圧力によって決まる。しかし、流路を介して貫通孔から真空引きを行う場合、流路抵抗があるため、真空引きに要する時間によっては、真空チャンバー内より密閉室内の真空度が悪くなることがある。さらに、成膜時においても、成膜中にアウトガスや未分解ガスが発生し、それらのガスが密閉室内に混入したまま封止が行われることによって、真空封止後の真空度の低下を招く。このような状況下では、真空封止後における密閉室内の実際の真空度は、測定を行うまで未知であり、仮に測定によって真空度が悪くても、真空封止をやり直すことができず、密閉室において所望の真空度が得られないという問題があった。
また、上記特許文献3に記載されている方法は、PSG(フォスフォシリケートガラス:リンがドープされた酸化シリコン)やBPSG(ボロフォスフォシリケートガラス:ボロンとリンがドープされた酸化シリコン)等の粘性流動可能な膜を利用するが、この膜を粘性流動させるために必要な温度は900℃以上の温度が必要である。ところが、900℃以上の温度にすることによって、種々のアウトガスが発生し、そのガスが密閉室に入ることで、デバイスとして必要とされる真空度が得られないという問題があった。
さらに、配線に頻繁に使用されるアルミニウムは、融点が650℃程度であるため、粘性流動させる際にアルミニウムが熱による影響を受けてしまうものであった。そのため、配線としてアルミニウムが使用できない等の制限を受けてしまう不都合があった。また、他の金属を用いた場合も900℃以上の高温にて工程を行う際には、酸化等の反応を起こし、劣化するため、電極として用いることは困難が伴う。
本発明は、このような事情に考慮してなされたもので、検出部を収容する密閉室を低温にて高真空状態で再現性良く封止することを目的とし、小型、低コストで高性能な力学量センサ及び電子機器並びにその製造方法を提供することである。
本発明は、真空に保持された密閉室と、密閉室に収容された可動部と、外部から作用した力学量を検出する検出部からなる力学量センサの製造方法であって、密閉室の内部を密閉室の一部に設けられた貫通孔から真空引きする真空引き工程と、貫通孔を塞ぐ真空封止工程を有し、真空引き工程、および/または、真空封止工程において、密閉室の真空度をモニタリングするモニタリング工程を含むことを特徴とする力学量センサの製造方法とした。
貫通孔が形成された第1のガラス基板及び第2のガラス基板と、第1のガラス基板及び第2のガラス基板の間に挟まれた状態で陽極接合によって接合されたシリコン基板と、シリコン基板と第1のガラス基板及び第2のガラス基板とで囲まれた密閉室と、密閉室に収容された可動部と、外部から作用した力学量を検出する検出部からなる力学量センサの製造方法において、第1のガラス基板に形成された貫通孔をシリコン基板によって塞ぎ、貫通孔に検出部と電気的に接続する電極を形成する電極形成工程と、第2のガラス基板に形成された貫通孔が、密閉室と貫通孔を繋ぐ流路に接続され、流路に接続された貫通孔及び流路から密閉室内を真空引きする真空引き工程と、貫通孔及び流路の一部を塞ぐことによって密閉室内を真空保持する真空封止工程とを含み、真空引き工程、および/または、真空封止工程において、電極形成工程よって形成した電極を通して、密閉室の真空度をモニタリングするモニタリング工程を含むことを特徴とする力学量センサの製造方法とした。
モニタリング工程において、可動部の振動挙動をモニタリングすることを特徴とする力学量センサの製造方法とした。また、力学量センサが可動部を駆動する手段を有しており、モニタリング工程において、可動部を静電駆動させることを特徴とする力学量センサの製造方法とした。また、モニタリング工程において、前記可動部の振動変位を静電検出することを特徴とする力学量センサの製造方法とした。
複数の力学量センサが、真空引き工程、及び、真空封止工程において同時に処理され、少なくとも一個の力学量センサを前記モニタリング工程に用いることを特徴とする力学量センサの製造方法とした。
真空封止工程において、薄膜を成膜し、貫通孔を塞ぐことを特徴とする力学量センサの製造方法とした。また、真空封止工程において、薄膜の成膜方法が化学的気相成長法であることを特徴とする力学量センサの製造方法とした。また、真空封止工程において、薄膜の成膜方法がスパッタリング法であることを特徴とする力学量センサの製造方法とした。また、真空封止工程において、薄膜の成膜方法が真空蒸着法であることを特徴とする力学量センサの製造方法とした。また、真空封止工程において、薄膜がテトラエトキシシランを材料とする膜であることを特徴とする力学量センサの製造方法とした。また、真空封止工程において、薄膜が金であることを特徴とする力学量センサの製造方法とした。また、真空封止工程において、薄膜がアルミニウムであることを特徴とする力学量センサの製造方法とした。
また、上記の製造方法によって製造された力学量センサ及びその力学量センサを備えた電子機器とした。
また、シリコン基板とシリコン基板の上面に設けられた上部基板とシリコン基板の下面に設けられた下部基板によって真空に保持された密閉室と、シリコン基板に接続された梁によって支持され、密閉室内に設けられた可動部と、可動部に設けられた検出部と、からなる力学量センサの製造方法であって、力学量センサを真空チャンバーに入れて、シリコン基板に設けられた流路を介して、上部基板に設けられた貫通孔から真空引きを行う工程と、下部基板に設けられた電極パッドに電圧を印加する工程と、可動部の変位を静電容量として検出する工程と、静電容量を電圧に変換する工程と、電圧の変化をモニタリングする工程と、電圧が安定した場合、貫通孔を成膜法によって塞ぐ真空封止工程と、を有する。
本発明実施の形態によれば、密閉室の真空度をモニタリングしながら真空封止を行うことによって、密閉室の真空度を制御することができ、再現性良く、低温にて真空封止を行うことができると共に、高真空度の力学量センサを作製することができる。また、シリコン基板内に少なくとも一箇所テストピースを設けることによって、同一基板におけるチップの真空度を推定することができる効果がある。
本発明の実施の形態に係る力学量センサが組み込まれた電子機器、その力学量センサ、そして、その力学量センサの製造方法に関する実施の形態について、図を参照しながら説明する。なお、この実施の形態にあっては、電子機器1を、デジタルカメラや携帯電話機等のカメラ機構を有する電子機器1として、また、力学量センサを、角速度を検出するジャイロセンサ2として以下に説明する。
図1は、デジタルカメラや携帯電話機等のカメラ機構を有する電子機器の構成を説明する模式図である。電子機器1は、カメラモジュール3とジャイロセンサ2を有するセンサユニット4とを備えている。カメラモジュール3は、センサユニット4から送られてきた角速度に基づいて、図示しないカメラレンズの補正量の算出を行うレンズ補正量算出回路5と、レンズ補正量算出回路5で算出された補正量に基づいてX軸用レンズアクチュエータ6及びY軸用レンズアクチュエータ7を駆動するレンズ駆動回路8とを備えている。そして、両レンズアクチュエータ6,7は、それぞれカメラレンズをX方向及びY方向に適時変位させることで、手振れ補正等ができる仕組みになっている。また、センサユニット4は、ジャイロセンサ2と、ジャイロセンサ2で検出された角速度に応じた静電容量を電圧に変換するC−V変換回路9と、変換された電圧から角速度を算出する角速度算出回路10とを備えている。また、角速度算出回路10は、算出した角速度を前記レンズ補正量算出回路5に出力するようになっている。
図2は、ジャイロセンサ2を示す断面図であり、図3はジャイロセンサ2の駆動部分を示す立体斜視図である。図2及び図3に示すように、ジャイロセンサ2は、ガラス基板19、ガラス基板20と、ガラス基板19、ガラス基板20の間に挟まれた状態で陽極接合により接合されたシリコン基板21と、シリコン基板21とガラス基板19、ガラス基板20とで囲まれた密閉室22と、密閉室22内に収容され外部から作用した角速度(力学量)を検出する検出部23とを備えている。
なお、本実施形態においては、シリコン基板21として、支持層25(例えば、厚さ300〜800μm)と支持層25上に形成された二酸化珪素(SiO2)のBOX層(Buried Oxide)26と、BOX層26上に形成された活性層27(例えば、厚さ5〜100μm)からなるSOI(Silicon On Insulator)基板21を用いた例を説明する。
密閉室22は、SOI基板21に形成された凹部30とガラス基板19、ガラス基板20とで囲まれた空間より形成されている。また、SOI基板21には、図2及び図3に示すように、密閉室22内に梁である4本のビーム31によりガラス基板19、ガラス基板20に接触しないように吊り下げられたプルーフマス32が可動部として形成されている。この4本のビーム31は、シリコン基板である四角形状に囲まれたフレーム33に一端が支持されており、フレーム33の4つの各辺の中間位置からそれぞれ内側に向けて延びた状態となっている。
また、フレーム33の周囲には、図2に示すように、所定間隔を空けた状態でポスト34がガラス基板19、ガラス基板20の間に設けられている。
また、ガラス基板19上にあって、プルーフマス32に対向する位置には、第1の電極35が設けられている。第1の電極35は、ガラス基板20とポスト34との間に設けられた第1の電極パッド36と図示しない配線によって電気的接続されている。そして、第1の電極パッド36に電圧が印加されると、第1の電極35からプルーフマス32の上部に静電引力が作用するようになっている。また、ガラス基板20上にあって、プルーフマス32に対向する位置には、第2の電極37が設けられている。第2の電極37は、他方のガラス基板20とポスト34との間に設けられた第2の電極パッド38と図示しない配線によって電気的接続されている。そして、第2の電極パッド38に電圧が印加されると、第2の電極37からプルーフマス32の下部に静電引力が作用するようになっている。プルーフマス32は、第1の電極35及び第2の電極37間に発生する静電引力によって振動する。そして、プルーフマス32は、振動状態で外部から角速度を受けると4本のビーム31を回転中心として、X方向或いはY方向回りに捩れるようになっている。ここで、ガラス基板19上には、プルーフマス32との距離を測定する図示しない検出用電極が、プルーフマス32と対向する位置に設けられている。この検出用電極は、プルーフマス32との距離変化を静電容量の変化として検出し、検出した静電容量は、ガラス基板20とポスト34との間に設けられた第3の電極パッド39及び第4の電極パッド40を介してC−V変換回路9に出力するようになっている。
即ち、これらプルーフマス32、第1の電極35、第2の電極37及び検出用電極は、密閉室22内に収容された上記検出部23として機能するようになっている。
なお、図2を除く他の図面には、ポスト34、第1の電極35、第1の電極パッド36、第4の電極40については、図示を省略している。
図4は、ジャイロセンサ2の製造工程を示す断面図である。図4(a)は、活性層27の加工を行い、流路42を形成した状態である。流路42の作製には、ドライエッチング又はウエットエッチングのどちらを用いても良い。流路42は、密閉室22を高真空にするためにガラス基板に設けられた貫通孔43を通じて真空引きを行う際に使用し、真空引き後は、薄膜41により塞がれる。真空引きを十分に行うことができ、薄膜41によって塞ぐことができる流路42の深さは数μm程度であり、0.3〜1.0μm程度が望ましい。図4(b)は、活性層27の加工を行い、4本のビーム31を形成した状態である。ビーム31の作製には、ドライエッチング又は、ウエットエッチングのどちらを用いてもよい。図4(c)は、活性層27とガラス基板19を陽極接合した状態である。陽極接合に用いるガラスは、パイレックスガラスやソーダガラスなどアルカリ金属イオンを含んでいるものなら良い。また、ガラス基板19は、ブラスト加工により貫通孔43が設けられている。この貫通孔43は、高真空状態になった密閉室22を封止するために用いる。図4(d)は、支持層25の加工を行い、プルーフマス32を形成した状態である。支持層25の厚さは300〜800μm程度であるため、ウエットエッチングでも加工できるが、ドライエッチングであるDRIE(Deep Reactive Ion Etching)加工を行うことがよい。プルーフマス32をDRIE加工で作製することによって、エッチングに要する時間を短縮することができるとともに、支持層25を垂直にドライエッチングすることができるため、ジャイロセンサ2を小型化することができる。また、プルーフマス32を形成することによって、ビーム31が両持ち梁の状態になる。図5(e)は、支持層25とガラス基板20を陽極接合した状態である。このガラス基板20を支持層25に陽極接合することで、検出部23を含む密閉室22を形成することができる。陽極接合に用いるガラス基板20は、ガラス基板19と同種のものである。また、ガラス基板20には、プルーフマス32を振動させるために電圧を印加したり、静電容量を検出するために必要な電極パッドを形成するための貫通孔44が、ブラスト加工により設けられている。図5(f)は、ガラス基板20に設けられた貫通孔44に電極パッド38及び電極パッド39を形成した状態である。電極パッド38及び電極パッド39は、ガラス基板20側に、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長法)などを用いて、電極に用いる金属膜を成膜し、成膜した金属膜をパターニングすることで形成できる。金属膜のパターニングを行う際に、ガラス基板19に設けられた貫通孔43から流路42を介して、密閉室22に液体が入らないように注意することが必要である。例えば、ガラス基板19の表面にシートを貼るなどして、液体が密閉室22に入らないように工夫したほうが良い。
図6は、図4と図5の工程後プルーフマス32の振動をモニタリングしながら密閉室22を高真空状態にする工程を示した模式図である。図7は、所望の真空度で成膜することにより、貫通孔43を通じて流路42を封止した状態を示す図である。本発明における真空封止方法は、プルーフマス32の振動挙動をオシロスコープ92でモニタリングすることで密閉室22の真空度が高真空になっていることを確認し、金属膜や絶縁膜をガラス基板19上に成膜することで貫通孔43に通じる流路42を封止するものである。まず、真空封止前のジャイロセンサ2を真空チャンバー90に入れて真空引きを行う。ここで真空チャンバー90は、前工程で形成した電極パッド38、電極パッド39に配線をつなぎ外部に取り出せる構造になっている。次に、真空チャンバー90の真空引きを行いながら、プルーフマス32を共振点付近の周波数で静電駆動させることができる電圧を電源93から電極パッド38に印加する。共振点付近の周波数に関しては、ビーム31の設計値から判断してもよいが、ドライエッチング等でビーム31やプルーフマス32にアンダーエッチングが入り、共振点が設計値と異なっている可能性があるため、例えば、前実験としてジャイロセンサ2を図示しない真空チャンバー、FFTアナライザー等を含み、プルーフマス32を静電駆動させることができる簡易的な評価装置を用いて、所望の真空度に対する周波数と電圧値の関係を調べておくことが望ましい。
また、ガラス基板19上には、プルーフマス32に対向する位置に、プルーフマス32の変位を測定する図示しない静電検出用電極が設けられている。この静電検出用電極は、プルーフマス32の振動変位を静電容量の変化として検出する。これにより、プルーフマス32の変位が静電容量として検出でき、また、検出した静電容量は、C−V変換回路91によって電圧に変換され、電圧の変化をオシロスコープ92でモニタリングする。そこで、モニタリングしている電圧が上昇し、ほぼ安定するまで真空引きを行い、ほぼ安定した状態で成膜を開始する。安定する電圧値に関しては、チャンバー90を真空排気するポンプの性能に依存する。こうすることで、密閉室22を高真空で再現性よく封止するができる。最初は、密閉室22が大気圧になっているため、エアダンピングによる影響が大きく、プルーフマス32は振動しないが、時間の経過とともに、密閉室22が、流路42を通じて貫通孔43から真空引きされるため、密閉室22の真空度が向上し、エアダンピングによる影響が小さくなり、プルーマス32は振動するようになる。また、薄膜41は、真空蒸着法、スパッタリング法を用いた場合は、アルミニウム、金などであり、CVDの場合は、窒化膜や、TEOS(Tetraethoxysilane:テトラエトキシシラン)などが挙げられる。また、スパッタリング法やCVDなどを用いて成膜を行った場合は、成膜中にアウトガスが発生したり、未分解ガスが発生したりする。
いずれの手法も250℃〜400℃という低温で成膜することが可能であり、電極パッド38及び電極パッド39にアルミニウムを用いても損傷することはない。
また、この手法を応用することで、密閉室22の真空度を調整することができる。例えば、図9に示す真空度とQ値(センサの感度を示す一般的な指標)の関係から、ジャイロセンサ2においてQ=100程度の感度が必要な場合、密閉室22の真空度を0.25Torrにすればよく、オシロスコープ92で電圧値をモニタリングしながら0.25Torrに相当する電圧値に達した時に成膜を開始すればよい。
また、オシロスコープ92で電圧値から密閉室22の真空度モニタリングしている最中に、成膜中に発生したアウトガスや未分解ガスなどの影響により、密閉室22の真空度が悪くなった場合は、一度成膜を止めて、再度オシロスコープ92で電圧値をモニタリングしながら真空チャンバー90の真空引きを行い、所望の真空度に戻してから追加の真空封止を行うことができる。また、成膜前の密閉室22の真空度をモニタリングすることによって、時間の経過とともに、密閉室22の真空度が向上しなかった場合は、密閉室の中に真空度の向上を妨げる要因(例えば水分の混入など)が含まれていると言及することができる。さらに、真空封止を行う前に密閉室22の真空度を想定することができるため、封止後に真空度が悪い等の問題が発生せず、歩留まりを向上させることができる。
また、ガラス基板19に設けられた貫通孔43とガラス基板20に設けられた貫通孔44は、どちらか一方のガラス基板にまとめて形成されていても問題はないが、真空封止と電極パッドの形成を異なる材質で行う場合は、真空封止に用いた薄膜41をパターニングする必要があり、ガラス基板19又はガラス基板20のどちらかに一方に、電極パッドを形成する貫通孔44、他方に真空封止を行う貫通孔43が配置されている場合と比較すると工程数が増えることになる。また、前者の場合は、2段の成膜になるため、密着力が落ち、成膜の順番によっては、電極パッドが剥がれたり、真空封止が不安定になる可能性がある。それと比較して後者は、1段の成膜であるため、密着力が落ちず、安定していると考えられる。したがって、貫通孔44と貫通孔43はガラス基板19、ガラス基板20に分けて配置することが望ましい。また、密閉室22の真空度をモニタリングするための手段を一種類述べているが、真空度のモニタリングが行えるものであればどんなものでもよい。
図8は、シリコン基板100上におけるチップ101とテストピース102の配置図である。チップ101は、シリコン基板100に上に作製された個々のジャイロセンサ2である。テストピース102は、真空度をモニタリングするためのものであって、真空度をモニタリングするためだけの簡易的な構造又は、チップ101と同様の構造又は、チップ101であれば良い。4インチのシリコン基板100で考えた場合、チップ101の数は数十〜数百である。その全てをモニタリングすることは困難であるため、チップ101の少なくとも一箇所にテストピース102を配置すれば良い。また、テストピース102が、チップ101と同様の構造をしている場合は、チップ101のうち少なくとも一つをテストピース102とし、真空度をモニタリングした後、再度チップ101として扱うことも可能である。このテストピース102をモニタリングすることで、同一基板内においては、密閉室22の真空度を制御することが可能となる。上記手法は、特別に水晶などで作製した真空度センサを密閉室22に入れることなく、シリコン基板100内のテストピース102を使って真空度が推定できるため簡易的であり、別途真空度センサを入れるスペースを考慮する必要がなく、ジャイロセンサ2を小型化にすることが可能である。
また、モニタリングする際に、プルーフマス32を静電駆動させる以外に、例えばピエゾ素子を用いて圧電駆動させる方法などが考えられる。また、シリコン基板100の外部に振動機構を設置してプルーフマス32を振動させても良い。振動機構としては、例えば、圧電アクチュエーターや電磁アクチュエーターや熱アクチュエーターなどが考えられる。静電駆動では、シリコン基板100全体を振動させる必要がなく、テストピース102の軽量なプルーフマス32のみを振動させることができるため、容易に所望の振動変位を得ることができる。一方、検出において、静電検出以外に、レーザードップラー振動計を用いてプルーフマス32の振動をモニタリングする手法などが考えられる。しかし、この装置を成膜装置の中に入れることが困難であり、現実的ではない。それに比べて静電検出は、成膜装置の中に別の評価装置を入れる必要がなく簡便な検出方法である。
以上説明したように、本発明実施の形態によれば、プルーフマス32を静電駆動させ、静電容量の変化を電圧に変換して、モニタリングすることにより密閉室22を高真空度で、再現性良く、低温にて真空封止を行うことができると共に、高真空度の密閉室22を有する感度の高い力学量センサを作製することができる。また、シリコン基板100内に少なくとも一箇所テストピース102を設けることによって、同一基板におけるチップ101の真空度を推定することができる。
また、実施の形態で述べた方法は、力学量センサの製造だけでなく、真空封止を必要とする各種デバイスに適用することができる。
本発明に係るジャイロセンサを有する電子機器の一実施形態を示すブロック 図である。 図1に示すジャイロセンサの断面図である。 図2に示すジャイロセンサのビーム及びプルーフマス周辺の内部構造を示す斜視図である。 ジャイロセンサ2の工程の概略を示す断面図である。 ジャイロセンサ2の工程の概略を示す断面図である。 密閉室内を高真空状態にする工程を示した模式図である。 成膜により流路を真空封止した状態を示す図である。 ジャイロセンサ2を作製する際の基板のチップ配置を示す模式図である。 真空度とQ値の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 電子機器
2 ジャイロセンサ(力学量センサ)
19,20 ガラス基板
21,100 SOI基板(シリコン基板)
22 密閉室
23 検出部
31 ビーム
32 プルーフマス
33 フレーム
34 ポスト
35,37 電極
36,38,39,40 電極パッド
41 薄膜
42 流路
43,44 貫通孔
90 真空チャンバー
91 C-V変換回路
92 オシロスコープ
93 電源
101 チップ
102 テストピース

Claims (16)

  1. 真空に保持された密閉室と、前記密閉室に収容された可動部と、外部から作用した力学量を検出する検出部とからなる力学量センサの製造方法において、
    前記密閉室の内部を前記密閉室の一部に設けられた貫通孔から真空引きする真空引き工程と、
    前記貫通孔を塞ぐ真空封止工程と、
    前記真空引き工程、または前記真空封止工程において、前記密閉室の真空度をモニタリングするモニタリング工程と、を有する力学量センサの製造方法。
  2. 貫通孔が形成された第1のガラス基板及び第2のガラス基板と、前記第1のガラス基板と前記第2のガラス基板の間に挟まれた状態で陽極接合によって接合されたシリコン基板と、前記シリコン基板と前記第1のガラス基板と前記第2のガラス基板とで囲まれた密閉室と、前記密閉室に収容された可動部と、外部から作用した力学量を検出する検出部と、からなる力学量センサの製造方法において、
    前記第1のガラス基板に形成された貫通孔を前記シリコン基板によって塞ぎ、前記貫通孔に前記検出部と電気的に接続する電極を形成する電極形成工程と、
    前記第2のガラス基板に形成された貫通孔が、前記密閉室と前記貫通孔を繋ぐ流路に接続し、前記流路に接続された前記貫通孔及び前記流路から前記密閉室内を真空引きする真空引き工程と、
    前記貫通孔及び前記流路の一部を塞ぐことによって前記密閉室内を真空保持する真空封止工程と、
    前記真空引き工程、または前記真空封止工程において、前記電極形成工程よって形成した前記電極を通して電気信号の送受信を行い、前記密閉室の真空度をモニタリングするモニタリング工程と、を有する力学量センサの製造方法。
  3. 前記モニタリング工程において、前記可動部の振動挙動をモニタリングする請求項1または2に記載の力学量センサの製造方法。
  4. 前記力学量センサが可動部を駆動する手段を有しており、前記モニタリング工程において、前記可動部を静電駆動させる請求項1から3のいずれか一項に記載の力学量センサの製造方法。
  5. 前記モニタリング工程において、前記可動部の振動変位を静電検出する請求項1から4のいずれか一項に記載の力学量センサの製造方法。
  6. 複数の前記力学量センサが、前記真空引き工程、及び、前記真空封止工程において同時に処理され、少なくとも一個の前記力学量センサを前記モニタリング工程に用いる請求項1から5のいずれか一項に記載の力学量センサの製造方法。
  7. 前記真空封止工程において、薄膜を成膜し、前記貫通孔を塞ぐ請求項1から6のいずれか一項に記載の力学量センサの製造方法。
  8. 前記真空封止工程において、前記薄膜の成膜方法が化学的気相成長法である請求項7に記載の力学量センサの製造方法。
  9. 前記真空封止工程において、前記薄膜の成膜方法がスパッタリング法である請求項7に記載の力学量センサの製造方法。
  10. 前記真空封止工程において、前記薄膜の成膜方法が真空蒸着法である請求項7に記載の力学量センサの製造方法。
  11. 前記真空封止工程において、前記薄膜がテトラエトキシシランを材料とする膜である請求項7に記載の力学量センサの製造方法。
  12. 前記真空封止工程において、前記薄膜が金である請求項7に記載の力学量センサの製造方法。
  13. 前記真空封止工程において、前記薄膜がアルミニウムである請求項7に記載の力学量センサの製造方法。
  14. 請求項1から請求項13のうち何れか一項に記載の力学量センサの製造方法によって製造された力学量センサ。
  15. 請求項14に記載の力学量センサを備えた電子機器。
  16. シリコン基板と前記シリコン基板の上面に設けられた上部基板と前記シリコン基板の下面に設けられた下部基板によって真空に保持された密閉室と、前記シリコン基板に接続された梁によって支持され、前記密閉室内に設けられた可動部と、前記可動部に設けられた検出部と、からなる力学量センサの製造方法であって、
    前記力学量センサを真空チャンバーに入れて、前記シリコン基板に設けられた流路を介して、前記上部基板に設けられた貫通孔から真空引きを行う工程と、
    前記下部基板に設けられた電極パッドに電圧を印加する工程と、
    前記可動部の変位を静電容量として検出する工程と、
    前記静電容量を電圧に変換する工程と、
    前記電圧の変化をモニタリングする工程と、
    前記電圧が安定した場合、前記貫通孔を成膜法によって塞ぐ真空封止工程と、を有する力学量センサの製造方法。
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