JP2009257553A - 巻線式圧力容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピアノ線巻層が内筒冷却用の冷却水に浸される構造の線巻式圧力容器において、水素脆化や腐食に起因するピアノ線巻層を形成するピアノ線の寿命低下を抑制することにより、従来に比べて容器全体の大型化や重量化を招くことなく疲労寿命の延長を図ることができる線巻式圧力容器を提供することにある。
【解決手段】 内筒1との間に内筒外周面に沿って内筒軸線方向に延びる複数の冷却水通路3が形成された状態で円筒1の外側に該円筒1と同軸心状に設けられ、内筒1に圧縮応力を付与すべく、張力が付与されたピアノ線を巻き付けてなるピアノ線巻層4とを備え、内筒1の開口が蓋部材で密閉されて、被処理物を高温高圧処理するための線巻式圧力容器において、ピアノ線巻層4における複数のピアノ線繋ぎ合わせ部において一方のピアノ線の終端と他方のピアノ線の始端とを、水素吸蔵合金からなる継手部を介して溶接にて繋ぎ合わせてある。
【選択図】図2
【解決手段】 内筒1との間に内筒外周面に沿って内筒軸線方向に延びる複数の冷却水通路3が形成された状態で円筒1の外側に該円筒1と同軸心状に設けられ、内筒1に圧縮応力を付与すべく、張力が付与されたピアノ線を巻き付けてなるピアノ線巻層4とを備え、内筒1の開口が蓋部材で密閉されて、被処理物を高温高圧処理するための線巻式圧力容器において、ピアノ線巻層4における複数のピアノ線繋ぎ合わせ部において一方のピアノ線の終端と他方のピアノ線の始端とを、水素吸蔵合金からなる継手部を介して溶接にて繋ぎ合わせてある。
【選択図】図2
Description
本発明は、熱間等方圧加圧装置用に用いられて、被処理物を高温高圧処理するための線巻式圧力容器に関し、被処理物が収容される円筒状の内筒の外側周り設けられるピアノ線巻層が内筒冷却用の冷却水に浸される構造の線巻式圧力容器において、従来に比べて容器全体の大型化や大重量化を招くことなく疲労寿命の延長を図ることができるようにした、線巻式圧力容器に関するものである。
熱間等方圧加圧装置は、アルゴンなどの不活性ガスを圧力媒体とし、通常98MPa以上の高い等方圧力と1000℃以上の温度との相乗効果を利用して、被処理物を高温高圧処理する装置であり、粉末材料の加圧焼結を行う超硬合金、セラミックス、スーパーアロイなどの分野では不可欠なものとなっている。熱間等方圧加圧装置は、高圧ガスを閉じ込めるための圧力容器(内部に被処理物、加熱装置及び断熱層が配設される)と、上下の開口部を密閉する上蓋及び下蓋と、これらの上蓋と下蓋に作用する軸力を支えるプレス枠とにより構成されている。
この熱間等方圧加圧装置の前記圧力容器として、線巻式圧力容器が知られている(例えば、特公昭56−8718号公報)。線巻式圧力容器は、被処理物が収容される円筒状の内筒と、該内筒との間に内筒外周面に沿って内筒軸線方向に延びる複数の冷却水通路が形成された状態で前記円筒の外側に該円筒と同軸心状に設けられ、前記内筒に圧縮応力を付与すべく、張力が付与されたピアノ線を巻き付けてなるピアノ線巻層とを備えている。
この線巻式圧力容器は、その内部に高圧がかかることから、内筒の外側周りに張力が付与されたピアノ線を巻き付けてなるピアノ線巻層を設け、内筒に対してこれを圧縮する方向に予め応力を付与することにより、疲労強度の上昇を図り、圧力容器としての疲労寿命を延ばすことができるようにしたものである。線巻式圧力容器は、ピアノ線巻層を有しない単肉式圧力容器に比べてその外径寸法が小さくてすみ、ひいては熱間等方圧加圧装置全体寸法を小さくできるものである。
そして、前記内筒の内部には、被処理物を加熱する加熱装置(ヒーター)が配設され、この加熱装置を取り囲むように逆コップ状(倒立コップ状)の断熱層が配設されるようになっているものの、昇温時及び高温保持時には内筒の過熱防止のため、内筒に水冷を施すことが必要である。このため、線巻式圧力容器は、内筒過熱防止用の前記冷却水通路を備えている。
特公昭56−8718号公報(第4図)
前述した従来の線巻式圧力容器は、内筒冷却用の冷却水通路に供給される冷却水にピアノ線巻層が浸される構造となっている。鋼製材料が水に浸された場合、種々の意味で強度劣化が生じることは周知の通りであり、これを抑えるため、線巻式圧力容器では、冷却水への防錆剤の添加、あるいは不活性ガスの吹き込みを行うことで、腐食の原因となる冷却水中の溶存酸素濃度を低下させる処置が採用されている。なお、ピアノ線巻層が冷却水に浸されることとなるこの線巻式圧力容器では、組立て後に分解して開放することができないため、一定期間ごとに塗り直しが必要となる防錆塗装は採用できない。
ところが、本発明者が実験(疲労試験)を行ったところ、前述した溶存酸素濃度の低減処置がなされている状態下でも、ピアノ線巻層が冷却水に浸されている構造の線巻式圧力容器の疲労寿命(同一応力振幅に対する破断までの繰返し数)は、ピアノ線巻層が大気雰囲気中にあるようにした場合の1/2程度であるということが判明した。
この要因は、微量とはいえ水中環境下ではピアノ線巻層を構成するピアノ線への水素侵入が避けられず、水素脆化が進むことでピアノ線の寿命低下によるものと考えられる。ピアノ線は、これに張力を加えながら層状に巻き付けられており、線巻式圧力容器の降圧時にも引っ張り応力が作用しているので、水素脆化の影響をより受けやすい。また、要因として、水中環境下ということで、ピアノ線の腐食疲労に起因するピアノ線の寿命低下が考えられる。
そこで、本発明の課題は、内筒、ピアノ線巻層及び冷却水通路を備え、ピアノ線巻層が内筒冷却用の冷却水に浸される構造の線巻式圧力容器において、水素脆化や腐食に起因するピアノ線巻層を形成するピアノ線の寿命低下を抑制することにより、従来に比べて容器全体の大型化や大重量化を招くことなく疲労寿命の延長を図ることができる線巻式圧力容器を提供することにある。
前記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
請求項1の発明は、被処理物が収容される円筒状の内筒と、該内筒との間に内筒外周面に沿って内筒軸線方向に延びる複数の冷却水通路が形成された状態で前記円筒の外側に該円筒と同軸心状に設けられ、前記内筒に圧縮応力を付与すべく、張力が付与されたピアノ線を巻き付けてなるピアノ線巻層とを備え、前記内筒の開口が蓋部材で密閉されて、被処理物を高温高圧処理するための線巻式圧力容器において、前記ピアノ線巻層に複数のピアノ線繋ぎ合わせ部が設けられており、該ピアノ線繋ぎ合わせ部において一方のピアノ線の終端と他方のピアノ線の始端とが、水素吸蔵合金からなる継手部を介して溶接にて繋ぎ合わされていることを特徴とする線巻式圧力容器である。
請求項2の発明は、被処理物が収容される円筒状の内筒と、該内筒との間に内筒外周面に沿って内筒軸線方向に延びる複数の冷却水通路が形成された状態で前記円筒の外側に該円筒と同軸心状に設けられ、前記内筒に圧縮応力を付与すべく、張力が付与されたピアノ線を巻き付けてなるピアノ線巻層とを備え、前記内筒の開口が蓋部材で密閉されて、被処理物を高温高圧処理するための線巻式圧力容器において、前記ピアノ線巻層に複数のピアノ線繋ぎ合わせ部が設けられており、該ピアノ線繋ぎ合わせ部において一方のピアノ線の終端と他方のピアノ線の始端とが、当該ピアノ線よりイオン化傾向の大きい金属材料からなる継手部を介して溶接にて繋ぎ合わされていることを特徴とする線巻式圧力容器である。
請求項3の発明は、被処理物が収容される円筒状の内筒と、該内筒との間に内筒外周面に沿って内筒軸線方向に延びる複数の冷却水通路が形成された状態で前記円筒の外側に該円筒と同軸心状に設けられ、前記内筒に圧縮応力を付与すべく、張力が付与されたピアノ線を巻き付けてなるピアノ線巻層とを備え、前記内筒の開口が蓋部材で密閉されて、被処理物を高温高圧処理するための線巻式圧力容器において、前記ピアノ線巻層に複数のピアノ線繋ぎ合わせ部が設けられており、該ピアノ線繋ぎ合わせ部において一方のピアノ線の終端と他方のピアノ線の始端とが、水素吸蔵合金からなる継手部と当該ピアノ線よりイオン化傾向の大きい金属材料からなる継手部とを直列に接続したものを介して溶接にて繋ぎ合わされていることを特徴とする線巻式圧力容器である。
請求項1の線巻式圧力容器は、ピアノ線巻層に複数のピアノ線繋ぎ合わせ部が設けられており、該ピアノ線繋ぎ合わせ部において一方のピアノ線の終端と他方のピアノ線の始端とが、水素吸蔵合金からなる継手部を介して溶接にて繋ぎ合わされている。したがって、請求項1の線巻式圧力容器は、水素吸蔵合金からなる継手部が内筒を冷却するための冷却水中に存在する水素成分のターゲット材の役目を果たすので、ピアノ線巻層を形成するピアノ線の水素脆化に起因する寿命低下(強度低下)を抑制することができ、従来に比べて容器全体の大型化や大重量化を招くことなく疲労寿命の延長を図ることができる。
請求項2の線巻式圧力容器は、ピアノ線巻層に複数のピアノ線繋ぎ合わせ部が設けられており、該ピアノ線繋ぎ合わせ部において一方のピアノ線の終端と他方のピアノ線の始端とが、当該ピアノ線よりイオン化傾向の大きい金属材料からなる継手部を介して溶接にて繋ぎ合わされている。したがって、請求項2の線巻式圧力容器は、内筒冷却用の冷却水に浸されているピアノ線の腐食減量を抑制することができ、従来に比べて容器全体の大型化や大重量化を招くことなく疲労寿命の延長を図ることができる。
請求項3の線巻式圧力容器は、ピアノ線巻層に複数のピアノ線繋ぎ合わせ部が設けられており、該ピアノ線繋ぎ合わせ部において一方のピアノ線の終端と他方のピアノ線の始端とが、水素吸蔵合金からなる継手部と当該ピアノ線よりイオン化傾向の大きい金属材料からなる継手部とを直列に接続したものを介して溶接にて繋ぎ合わされている。したがって、請求項3の線巻式圧力容器は、内筒冷却用の冷却水に浸されているピアノ線の水素脆化に起因する寿命低下(強度低下)や、ピアノ線の腐食減量を抑制することができ、従来に比べて容器全体の大型化や大重量化を招くことなく疲労寿命の延長を図ることができる。
以下、本発明をその実施形態に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態による線巻式圧力容器の要部の構成を示す縦断面図、図2は図1に示す線巻式圧力容器の横断面を示す図である。
図1,図2において、1は円筒状の内筒である。内筒1は、高強度の低合金鋼、あるいは高強度のステンレス鋼からなっている。2は内筒冷却用の冷却水通路3を形成するためのスペーサ部材であり、内筒1と同じ材料からなっている。スペーサ部材2は、ほぼ矩形の断面形状で内筒1よりわずかに短い長さを有している。そして、多数本(図示例では12本)のスペーサ部材2が、内筒1の外周面に内筒円周方向に所定間隔を隔てて、かつ、内筒外周面に沿って内筒軸線方向に延びるように配置されており、これらのスペーサ部材2は後述のピアノ線巻層4によって締め付けられて固定されている。
4はピアノ線巻層である。ピアノ線巻層4は、円筒1の外側に円筒1と同軸心状に設けられおり、内筒1との間に前記スペーサ部材2を挟むようにして内筒1の外側周りに、張力が付与されたピアノ線をスペーサ部材2の長手方向ほぼ全長にわたり、かつ、所定の厚みとなるよう多層に巻き付けて形成されている。ピアノ線巻層4は、内筒1の内部に加わる高圧力に抗するように内筒1に残留圧縮力を与えるものである。なお、ピアノ線は、標準的に、幅6mm×厚さ1.5mmの矩形断面形状のものが使用される。
そして、隣り合うスペーサ部材2の間ごとに内筒1の外周面とピアノ線巻層4の内周面との間に、内筒軸線方向に延びる冷却水通路3が形成されており、図示例では12個の冷却水通路3が形成されている。
前記ピアノ線巻層4の外側に、各冷却水通路3からピアノ線巻層側へ滲みだして溜まる冷却水を収容するため、ピアノ線巻層4を囲繞するジャケット5が設けられている。また、円筒1の上端外周面には、各冷却水通路3を通過してきた冷却水が集められる冷却水室6aを有し、集められた冷却水を冷却水室6aから外部へ排出する円環状の上部マニホールド6が設けられている。なお、図示省略してあるが、円筒1の下端外周面には、冷却水供給源からの冷却水が供給される冷却水室を有し、該冷却水室から冷却水を各冷却水通路3に分配して供給する円環状の下部マニホールドが設けられている。
なお、内筒1の内部には、被処理物を加熱する加熱装置(ヒーター)が配設され、この加熱装置を取り囲むように逆コップ状(倒立コップ状)の断熱層が配設されるようになっている。
次に、前記ピアノ線巻層4の構造について説明する。
通常、熱間等方圧加圧装置用の圧力容器としては、中型,小型では鍛造による圧力容器、大型になると線巻式圧力容器が採用されている。そして、大型のものに採用される線巻式圧力容器では、ピアノ線巻層の製作に際し、市販のスプール巻き(ボビン巻き)のピアノ線巻回体が1個分では途中までしか形成できず、10個〜数十個のピアノ線巻回体を使用し、使い終りのピアノ線巻回体のピアノ線の終端と新しいピアノ線巻回体のピアノ線の始端とを繋ぎ合わせながら、10個〜数十個のピアノ線巻回体を使用してピアノ線巻層が製作される。
この場合、一方のピアノ線の終端と他方のピアノ線の始端との繋ぎ合わせは、突合せ溶接によってなされており、その溶接繋ぎ合わせ部の引張り強度は、当該ピアノ線のそれの1/2〜2/3程度である。また、この溶接繋ぎ合わせ部を巻き付ける際には、当該部分の前後の2〜3巻き分については付与する張力を通常より弱めて巻き付けることにより、疲労サイクルでの平均応力を低める配慮がなされているが、溶接繋ぎ合わせ部では、このような配慮がなされても、疲労強度が母材部分(繋ぎ合わされていないピアノ線部分)より弱くなることは避けられない。この場合、万が一、製作後に溶接繋ぎ合わせ部分が切れたとしても、巻回されているピアノ線間の摩擦力によりその他の箇所での張力が保持されるので、線巻式圧力容器としての静的強度は保持される。
さて、図3は図1におけるピアノ線巻層でのピアノ線繋ぎ合わせ部の説明図である。
本実施形態の線巻式圧力容器では、ピアノ線巻層4に10箇所から数十箇所のピアノ線繋ぎ合わせ部4aが設けられており、これらの各ピアノ線繋ぎ合わせ部4aにおいて、図3に示すように、一方(使い終り側)のピアノ線41の終端と他方(新しい側)のピアノ線41’の始端とが、短尺で、水素吸蔵合金からなる継手部42を介して溶接にて繋ぎ合わされている。水素吸蔵合金からなる継手部42は、ピアノ線41,41’と同一断面形状で同一寸法である。なお、水素吸蔵合金からなる継手部42は、その強度がピアノ線41,41’に比べると低くなるものの、前述したように、線巻式圧力容器としての強度に悪影響を与えることはない。よって、従来に比べて容器全体の大型化や大重量化(重量増加)を招くことなく、従来容器とほぼ同等の強度の容器とすることが可能である。
前記継手部42の構成材料であるところの水素吸蔵合金としては、Ti、Mn、Zr、Niなどの遷移元素をベースとした合金系、Mg合金系、Ti−Fe合金系の水素吸蔵合金が挙げられる。より具体的には、インコネル等のNi基合金、AZ31(ASTM合金記号)等のMg合金などを用いることができる。
このように、水素吸蔵合金からなる継手部42が内筒1を冷却するための冷却水中に存在する水素成分のターゲット材の役目を果たし、強度が必要なピアノ線41,41’への水素侵入を抑制することができる。よって、水素脆化に起因するピアノ線41,41’の寿命低下(強度低下)を抑制することができ、従来に比べて容器全体の大型化や大重量化を招くことなく疲労寿命の延長を図ることができる。
図4は本発明に係るピアノ線巻層でのピアノ線繋ぎ合わせ部の他の例を示す説明図である。
この例の線巻式圧力容器では、ピアノ線巻層4に10箇所から数十箇所のピアノ線繋ぎ合わせ部4a’が設けられており、これらの各ピアノ線繋ぎ合わせ部4a’において、図4に示すように、使い終り側のピアノ線41の終端と新しい側のピアノ線41’の始端とが、短尺で、当該ピアノ線41,41’よりイオン化傾向の大きい金属材料からなる継手部43を介して溶接にて繋ぎ合わされている。前記線材43は、ピアノ線41,41’と同一の線径である。
前記継手部43の構成材料であるところの、ピアノ線41,41’よりイオン化傾向の大きい金属材料としては、K、Ca、Na、Mg、Al、Mn、Zn、Crが挙げられる。
このように、各ピアノ線繋ぎ合わせ部4a’において一方のピアノ線41の終端と他方のピアノ線41’の始端とが、当該ピアノ線41,41’よりイオン化傾向の大きい金属材料からなる継手部43を介して溶接にて繋ぎ合わされている。したがって、このようなピアノ線巻層4を備えた線巻式圧力容器は、内筒冷却用の冷却水に浸されているピアノ線41,41’の腐食減量を抑制することができ、従来に比べて容器全体の大型化や大重量化を招くことなく疲労寿命の延長を図ることができる。
図5は本発明に係るピアノ線巻層でのピアノ線繋ぎ合わせ部の他の例を示す説明図である。
この例の線巻式圧力容器では、ピアノ線巻層4に10箇所から数十箇所のピアノ線繋ぎ合わせ部4a”が設けられており、これらの各ピアノ線繋ぎ合わせ部4a”において、図5に示すように、一方のピアノ線41の終端と他方のピアノ線41’の始端とが、水素吸蔵合金からなる継手部42と当該ピアノ線41,41’よりイオン化傾向の大きい金属材料からなる継手部43とを直列に接続したものを介して溶接にて繋ぎ合わされている。
したがって、このようなピアノ線巻層4を備えた線巻式圧力容器は、内筒冷却用の冷却水に浸されているピアノ線41,41’の水素脆化に起因する寿命低下(強度低下)や、ピアノ線41,41’の腐食減量を抑制することができ、従来に比べて容器全体の大型化や大重量化を招くことなく疲労寿命の延長を図ることができる。
1…内筒
2…スペーサ部材
3…冷却水通路
4…ピアノ線巻層
4a,4a’,4a”…ピアノ線繋ぎ合わせ部
41,41’… ピアノ線
42…水素吸蔵合金からなる継手部
43…ピアノ線よりイオン化傾向の大きい金属材料からなる継手部
5…ジャケット
6…上部マニホールド
6a…冷却水室
2…スペーサ部材
3…冷却水通路
4…ピアノ線巻層
4a,4a’,4a”…ピアノ線繋ぎ合わせ部
41,41’… ピアノ線
42…水素吸蔵合金からなる継手部
43…ピアノ線よりイオン化傾向の大きい金属材料からなる継手部
5…ジャケット
6…上部マニホールド
6a…冷却水室
Claims (3)
- 被処理物が収容される円筒状の内筒と、該内筒との間に内筒外周面に沿って内筒軸線方向に延びる複数の冷却水通路が形成された状態で前記円筒の外側に該円筒と同軸心状に設けられ、前記内筒に圧縮応力を付与すべく、張力が付与されたピアノ線を巻き付けてなるピアノ線巻層とを備え、前記内筒の開口が蓋部材で密閉されて、被処理物を高温高圧処理するための線巻式圧力容器において、
前記ピアノ線巻層に複数のピアノ線繋ぎ合わせ部が設けられており、該ピアノ線繋ぎ合わせ部において一方のピアノ線の終端と他方のピアノ線の始端とが、水素吸蔵合金からなる継手部を介して溶接にて繋ぎ合わされていることを特徴とする線巻式圧力容器。 - 被処理物が収容される円筒状の内筒と、該内筒との間に内筒外周面に沿って内筒軸線方向に延びる複数の冷却水通路が形成された状態で前記円筒の外側に該円筒と同軸心状に設けられ、前記内筒に圧縮応力を付与すべく、張力が付与されたピアノ線を巻き付けてなるピアノ線巻層とを備え、前記内筒の開口が蓋部材で密閉されて、被処理物を高温高圧処理するための線巻式圧力容器において、
前記ピアノ線巻層に複数のピアノ線繋ぎ合わせ部が設けられており、該ピアノ線繋ぎ合わせ部において一方のピアノ線の終端と他方のピアノ線の始端とが、当該ピアノ線よりイオン化傾向の大きい金属材料からなる継手部を介して溶接にて繋ぎ合わされていることを特徴とする線巻式圧力容器。 - 被処理物が収容される円筒状の内筒と、該内筒との間に内筒外周面に沿って内筒軸線方向に延びる複数の冷却水通路が形成された状態で前記円筒の外側に該円筒と同軸心状に設けられ、前記内筒に圧縮応力を付与すべく、張力が付与されたピアノ線を巻き付けてなるピアノ線巻層とを備え、前記内筒の開口が蓋部材で密閉されて、被処理物を高温高圧処理するための線巻式圧力容器において、
前記ピアノ線巻層に複数のピアノ線繋ぎ合わせ部が設けられており、該ピアノ線繋ぎ合わせ部において一方のピアノ線の終端と他方のピアノ線の始端とが、水素吸蔵合金からなる継手部と当該ピアノ線よりイオン化傾向の大きい金属材料からなる継手部とを直列に接続したものを介して溶接にて繋ぎ合わされていることを特徴とする線巻式圧力容器。
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---|---|---|---|
JP2008110415A JP2009257553A (ja) | 2008-04-21 | 2008-04-21 | 巻線式圧力容器 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008110415A JP2009257553A (ja) | 2008-04-21 | 2008-04-21 | 巻線式圧力容器 |
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JP (1) | JP2009257553A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101091247B1 (ko) | 2009-07-09 | 2011-12-07 | 홍광섭 | 코일링식 수납용기 |
JP2014163658A (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-08 | Kobe Steel Ltd | 線巻式圧力容器 |
-
2008
- 2008-04-21 JP JP2008110415A patent/JP2009257553A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101091247B1 (ko) | 2009-07-09 | 2011-12-07 | 홍광섭 | 코일링식 수납용기 |
JP2014163658A (ja) * | 2013-02-28 | 2014-09-08 | Kobe Steel Ltd | 線巻式圧力容器 |
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