JP2009257178A - 蒸気タービン設備 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】高圧タービン部9と低圧タービン部10とがロータ6で連接された蒸気タービン設備であって、前記高圧タービン部9及び前記低圧タービン部10間に湿分分離器44を接続し、前記湿分分離器44と前記低圧タービン部10との間に蒸気遮断弁50及び圧力制御弁51を介装し、前記湿分分離器44と前記高圧タービン9との間に仕切り弁46を介して外部蒸気取扱部47を接続した。
【選択図】 図2
Description
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来例にあっては、高圧タービンからの排気を全て低圧タービン側に導入するようにしているので、高圧タービンの排気を外部の蒸気圧消費部で消費したり、外部の蒸気圧発生部で発生した蒸気を低圧タービンに導入したりすることができないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、高圧タービンから排気される蒸気を他の蒸気を取り扱う蒸気取扱部に供給したり、蒸気取扱部からの蒸気を低圧タービンに供給したりすることが可能な蒸気タービン設備を提供することを第1の目的としている。
また、本発明は、高圧タービン及び低圧タービン間に接続された湿分分離器を経由する系統に蒸気圧が残留することを回避することが可能な蒸気タービン設備を提供することを第2の目的としている。
さらに、請求項3に係る蒸気タービン設備は、請求項1又は2に係る発明において、前記高圧タービンと前記湿分分離器及び仕切り弁との間に逆流防止手段を介装したことを特徴としている。
また、高圧タービンと湿分分離器及び仕切り弁との間に逆流防止手段を設けることにより、外部蒸気取扱部から混気される蒸気が高圧タービンに導入されることを確実に防止することができると共に、湿分分離器を含む系統に残留する蒸気やドレンが高圧タービンに供給されることを確実に防止することができる。
さらにまた、本発明によれば、高圧タービン及び逆流防止手段の間と前記遮断装置及び圧力制御装置の間とをミニフロー系統で連通したので、起動時や負荷遮断時に、高圧タービンに流入する蒸気を絞ったときに、高圧タービンから排気される蒸気圧を、ミニフロー系統を介して遮断装置及び圧力制御装置間に供給して低圧タービンで必要とする最小蒸気量を確保することができ、低圧部での空回りを防止することができる。このため、低圧部の連続運転を確保することができる。
図1は本発明を地熱蒸気タービンに適用した場合の一実施形態を示すタービン部を断面とした正面図、図2はタービン部の蒸気系統図である。
図中、1地熱蒸気タービン設備であって、この地熱タービン設備1は地熱蒸気井(図示せず)から高圧蒸気が供給される蒸気タービン2を備えている。
この蒸気タービン2は、固定部に固定された基台3と、この基台3上に固定された左右一対の軸受部4及び5と、これら軸受部4及び5によって回転自在に支持された蒸気タービンロータ6と、この蒸気タービンロータ6を覆うケーシング7とを備えている。
蒸気タービンロータ6は、ケーシング7を貫通しており、このケーシング7内で中間シール部8によって高圧タービン部9及び低圧タービン部10に分割されている。
同様に、低圧タービン部10には、ケーシング7の中間シール部8側の外周面に低圧蒸気が供給される低圧蒸気入口13が設けられ、ケーシング7の右端部に図2に示す復水器30に低圧蒸気を排出する排気口(低圧蒸気出口)14が設けられている。
また、地熱蒸気タービンロータ6には、ケーシング7内において、低圧タービン部10の低圧蒸気入口及び排気口14間に複数の動翼18、19が固定配置されている。また、動翼18及び19に対応する静翼20及び21が静止部(ケーシング7)に固定され、これら静翼20及び21と動翼18及び19とが軸方向で交互に配置されている。この地熱蒸気タービンロータ6の右端が図2に示すように発電機31に接続されている。
また、高圧タービン部8の高圧蒸気出口12には、高圧タービン部8への高圧蒸気の逆流を阻止する逆流防止手段としての逆止弁43を介して湿分分離器44が接続されている。
さらに、高圧タービン部9の高圧蒸気出口12と逆止弁43との接続配管54が圧抜弁55を介して復水器30に接続されて残留蒸気圧を逃がす圧抜き系統が形成されている。また、湿分分離器44にも圧抜き弁56を介して復水器30に接続されて残留蒸気圧を逃がす圧抜き系統が形成されている。
今、外部蒸気取扱部47に例えば蒸気圧を使用するスチーム暖房設備が接続されているものとする。この状態で、高圧蒸気遮断弁41及び高圧蒸気加減弁42が共に閉状態であって、蒸気タービン2が停止状態にあるものとする。
この蒸気タービン2の停止状態から蒸気タービン2を起動するには、先ず、仕切り弁46を閉状態とした状態で、地熱蒸気井から高圧蒸気が供給されている高圧蒸気遮断弁41を開状態とし、次いで高圧蒸気加減弁42を閉状態から徐々に開度を増加させる。
これと同時に、蒸気遮断弁50を開状態とすると共に、圧力制御弁51を閉状態から徐々に開度を増加させる。
これにより、蒸気タービン2の高圧蒸気入口11に地熱蒸気井からの高圧蒸気が高圧タービン部9に徐々に供給されることにより、高圧タービン部9の静翼17及び動翼16で仕事をして高圧蒸気出口12から排出される。
この復水器30では、低圧タービン部10から排気される蒸気が冷却及び凝縮して復水となり、排気蒸気の圧力は大気圧以下の圧力に保持される。
このようにして、蒸気タービンロータ6が回転を開始し、その回転力が負荷としての発電機31に伝達されて、この発電機31で電力に変換される。
このように、逆止弁43及び湿分分離器44間の蒸気を抽気して外部蒸気取扱部47に供給することにより、高圧タービン部9から排気される蒸気の余剰分を外部蒸気取扱部47で有効利用することができ、この外部蒸気取扱部47でスチーム暖房等を行なうことができる。
一方、高圧蒸気加減弁42の開度が小開度に制御されて高圧タービン部9に供給される高圧蒸気量は極低流量であるものの、高圧タービン部9に蓄積された蒸気を外部に放出する系統は、中間シール部8等に限られるため、高圧タービン部9内が比較的高圧状態を維持してかき回し損失が生じることになる。
2)逆止弁43が閉まらない場合(高圧タービン部の圧力>湿分分離器系統側の圧力で維持される場合)。高圧タービン部9内の圧力は、湿分分離器系統側圧力とほぼ一致した状態で維持される。
同様に、負荷遮断時に、湿分分離器44側でも蒸気圧が高圧に維持されることになるので、この蒸気圧を、圧抜き弁56を開状態に制御することにより、復水器30に逃がして、湿分分離器44を低圧状態に制御することができる。また、圧抜き弁55の操作は、蒸気タービン2の起動時に、高圧タービン部9への供給蒸気量が少なくて、逆止弁43が閉状態を維持する場合にも、圧抜き弁55を開状態として高圧タービン部9に蒸気が籠もってしまうことを防止することができる。
また、高圧タービン部9の高圧蒸気出口12に逆止弁43を設けたので、この逆止弁43と湿分分離器44との間の蒸気を抽気して外部蒸気取扱部47に供給することができると共に、逆に外部蒸気取扱部47からの蒸気を高圧タービン部9から排気される蒸気に混気して低圧タービン部10に供給することもできる。
同様に、湿分分離器44にも圧抜き弁56を接続したので、湿分分離器44の残留蒸気圧が高い場合に、これを復水器30に排気することができる。
この第2の実施形態では、湿分分離器44と低圧タービン部10との間の蒸気遮断弁50が全閉状態となった場合でも低圧タービン部10で必要とする必要最低限の蒸気量を確保するようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態では、図3に示すように、高圧タービン部9の高圧蒸気出口12及び逆止弁43間と蒸気遮断弁50及び圧力制御弁51間とに管径の小さいミニフロー系統を構成するミニフロー用接続配管71が配設されていることを除いては前述した第1の実施形態と同様の構成を有し、図2との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、負荷として発電機31を接続した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、他の任意の構成の負荷を接続することができる。
またさらに、上記第1及び第2の実施形態においては、圧抜き弁55及び56の接続先を復水器30とした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、一次側の圧力よりも充分に低いもの(例えば大気放出ライン)であればよい。
Claims (6)
- 高圧タービンと低圧タービンとがロータで連接された蒸気タービン設備であって、
前記高圧タービン及び前記低圧タービン間に湿分分離器を接続し、前記湿分分離器と前記低圧タービンとの間に遮断装置及び圧力制御装置を介装し、前記湿分分離器と前記高圧タービンとの間に仕切り弁を介して外部蒸気取扱部を接続したことを特徴とする蒸気タービン設備。 - 前記圧力制御装置は、前記外部蒸気取扱部の要求蒸気圧に基づいて圧力制御を行なうように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の蒸気タービン設備。
- 前記高圧タービンと前記湿分分離器及び仕切り弁との間に逆流防止手段を介装したことを特徴とする請求項1又は2に記載の蒸気タービン設備。
- 高圧タービンと低圧タービンとがロータで連接された蒸気タービン設備であって、
前記高圧タービン及び前記低圧タービン間に湿分分離器を接続し、前記湿分分離器と前記低圧タービンとの間に遮断装置及び圧力制御装置を介装し、前記湿分分離器と前記高圧タービンとの間に逆流防止手段を接続し、該逆流防止手段と前記高圧タービンとの間に圧抜き系統を接続したことを特徴とする蒸気タービン設備。 - 高圧タービンと低圧タービンとがロータで連接された蒸気タービン設備であって、
前記高圧タービン及び前記低圧タービン間に湿分分離器を接続し、前記湿分分離器と前記低圧タービンとの間に遮断装置及び圧力制御装置を介装し、前記湿分分離器と前記高圧タービンとの間に逆流防止手段を接続し、前記湿分分離器に圧抜き系統を接続したことを特徴とする蒸気タービン設備。 - 高圧タービンと低圧タービンとがロータで連接された蒸気タービン設備であって、
前記高圧タービン及び前記低圧タービン間に湿分分離器を接続し、前記湿分分離器と前記低圧タービンとの間に遮断装置及び圧力制御装置を介装し、前記湿分分離器と前記高圧タービンとの間に逆流防止手段を接続し、前記高圧タービン及び逆流防止手段の間と前記遮断装置及び圧力制御装置の間とをミニフロー系統で連通したことを特徴とする蒸気タービン設備。
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