JP2009257125A - 密閉型電動圧縮機 - Google Patents

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陽 井上
Ikutomo Umeoka
郁友 梅岡
Terumasa Ide
照正 井出
Toshio Ishii
俊夫 石井
Haruhiko Seki
春彦 関
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Abstract

【課題】本発明は、製造工程における組み立て工数が増えて生産性が低下し、コストアップすることなく、簡単な構成で低振動及び低騒音な密閉型電動圧縮機を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の密閉型電動圧縮機は、電動機構108と圧縮機構109とを有する電動圧縮機構110を弾性部材111を介して支持し、電動圧縮機構110を封入する密閉容器103において、密閉容器103の1次共振モードの腹となる部位の厚みが、1次共振モードの節となる部位の厚みより薄く形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、冷蔵庫、自動販売機等に用いられる冷凍装置の構成要素である密閉型電動圧縮機に関するものである。
従来、この種の密閉型電動圧縮機においては、作動時に発生する振動及び騒音の低減が大きな課題であった。このような振動及び騒音を低減するために、従来の密閉型電動圧縮機においては、密閉容器に振動減衰部材を取り付けた構成のものがあった。例えば、特許文献1の密閉型電動圧縮機では、密閉容器に弾性材料で構成されたダンピング部材を取り付けることにより、密閉容器の共振周波数を変更して低騒音化を図っていた。
以下、添付の図面を参照しつつ従来の密閉型電動圧縮機について説明する。
図7は特許文献1に記載された従来の密閉型電動圧縮機の縦断面図であり、図8は従来の密閉型電動圧縮機の密閉容器における上側容器に固定されるダンピング部材を示す斜視図である。
図7及び図8において、上側容器1と下側容器2とにより構成される密閉容器3は、固定子8と回転子12を有する電動機である電動機構5と、この電動機構5により駆動される圧縮機構6を収容しており、密閉容器3の底部には冷凍機油7が貯留されている。
電動機構5は、固定子8と、クランクシャフト10に圧入固定された回転子12とを備え、電源の入力により回転子12が回転するよう構成されている。圧縮機構6は、略円筒形の圧縮室14を形成するシリンダブロック15と、圧縮室14に対して冷媒(図示せず)の吸入及び吐出を案内するシリンダヘッド16と、圧縮室14内を往復摺動自在に挿入され、クランクシャフト10の偏心部17との間が連結手段18により接続されたピストン19と、を備えている。
また、上側容器1の内側には、弾性材料で形成され、所定の弾性力で上側容器1を押圧するよう取り付けられて、上側容器1の共振周波数を変更させるダンピング部材20が設けられている。
以上のように構成された従来の密閉型電動圧縮機について、以下その動作を説明する。
電動機構5に対して電源が入力されると、回転子12が固定子8に対して回転し、クランクシャフト10を回転させる。このとき、クランクシャフト10の偏心部17とピストン19を連結する連結手段18により、回転子12の回転運動がピストン19の往復運動に変換される。ピストン19は、圧縮室14内で往復運動しつつ、冷媒の吸引及び圧縮を繰り返し、冷媒を吐出する。
上記のように密閉型電動圧縮機が動作するとき、冷媒の圧力脈動、及び圧縮室14とピストン19間の摺動等により振動及び騒音が発生し、特定の周波数の騒音が密閉容器3内に放射される。
図7及び図8に示した従来の密閉型電動圧縮機においては、ダンピング部材20が密閉容器3の上側容器1に取り付けられているため、上側容器1の共振周波数が変更されている。この結果、密閉容器3の共振を防止することができるため、この従来の密閉型電動圧縮機においては騒音の増大が防止されていた。
特開2004−324638号公報
しかしながら、上記従来の密閉型電動圧縮機の構成では、振動減衰部材としてダンピング部材20を密閉容器に取り付けているため、密閉容器3の重量が増加する構成であった。この結果、密閉容器3の共振周波数は低域側に移動して、電動機構5及び圧縮機構6の機械振動が高いレベルの周波数に近づくため、密閉容器3が電動機構5及び圧縮機構6の機械振動と共振して、振動が大きくなる可能性があった。
また、上記のように密閉容器3の共振周波数を変更して、密閉容器3の共振を防止するためには、ダンピング部材20を密閉容器3に取り付ける必要があり、製造工程における組み立て工数が増えて生産性が低下し、コストアップに繋がるという課題を有していた。
本発明は、上記従来の密閉型電動圧縮機における課題を解決するものであり、製造工程における組み立て工数が増えて生産性が低下し、コストアップすることなく、簡単な構成で低振動及び低騒音な密閉型電動圧縮機を提供することを目的とする。
上記従来の密閉型電動圧縮機における課題を解決するために、本発明の密閉型電動圧縮機は、電動機構と前記電動機構により駆動される圧縮機構とを有する電動圧縮機構、及び
前記電動圧縮機構を弾性部材を介して支持し、前記電動圧縮機構を封入する密閉容器、を備えており、前記密閉容器の1次共振モードにおいて腹となる部位の厚みが、前記1次共振モードにおいて節となる部位の厚みより薄く形成されている。このように構成された本発明の密閉型電動圧縮機は、密閉容器の1次共振モードの腹となる部位の厚みを節となる部位の厚みより薄くすることにより、密閉容器の共振周波数を変更したものである。密閉容器の1次共振周波数を変更することにより、電動圧縮機構が発生させる機械振動により密閉容器が加振されることを防止し、共振を防止することができる。
本発明の密閉型電動圧縮機は、製造工程における組み立て工数が増えて生産性の低下を招くことがなく、且つ別部材を設けてコストにアップに繋がるような構成でもなく、電動圧縮機構が発生させる機械振動により密閉容器が加振されることを防止して、共振を低減することができる。このため、本発明によれば、低振動で低騒音な密閉型電動圧縮機を提供することができる。
本発明の第1の観点の密閉型電動圧縮機は、
電動機構と前記電動機構により駆動される圧縮機構とを有する電動圧縮機構、及び
前記電動圧縮機構を弾性部材を介して支持し、前記電動圧縮機構を封入する密閉容器、を備えた密閉型電動圧縮機であって、
前記密閉容器の1次共振モードにおいて腹となる部位の厚みが、前記1次共振モードにおいて節となる部位の厚みより薄く形成されている。第1の観点の密閉型電動圧縮機においては、電動圧縮機構の機械振動により密閉容器が加振されることを防止して、密閉容器における電動圧縮機構の機械振動との共振を低減することができ、低振動で低騒音な密閉型電動圧縮機を提供することができる。
本発明の第2の観点の密閉型電動圧縮機は、前記第1の観点における前記密閉容器の1次共振モードにおいて腹となる部位において、最大振幅の部位の厚みが最も薄く、前記1次共振モードにおいて節となる部位に近づくにしたがい徐々に厚くなるよう形成されている。第2の観点の密閉型電動圧縮機においては、密閉容器の共振周波数を変更して、電動圧縮機構の機械振動により密閉容器が加振されることを防止することができる。
本発明の第3の観点の密閉型電動圧縮機は、前記第2の観点における前記密閉容器において、1次共振モードの腹となる部位の厚みが前記1次共振モードにおいて節となる部位の厚みに対して0.9以下に設定されている。第3の観点の密閉型電動圧縮機においては、密閉容器の共振周波数を変更して、電動圧縮機構の機械振動により密閉容器が加振されることを防止することができ、密閉容器の共振を低減することができる。
本発明の第4の観点の密閉型電動圧縮機は、前記第1の観点における前記密閉容器が第1の容器と第2の容器との組み合わせにより構成され、
前記第2の容器が前記電動圧縮機構を弾性部材を介して支持し、
前記第1の容器の1次共振モードにおいて腹となる部分の厚みが、当該1次共振モードにおいて節となる部分の厚みより薄く形成されている。第4の観点の密閉型電動圧縮機においては、第2の容器の共振周波数より高域側にある第1の容器の共振周波数を変更して、電動圧縮機構の機械振動により密閉容器が加振されることを確実に防止することができる。
本発明の第5の観点の密閉型電動圧縮機は、前記第4の観点における前記第1の容器及び前記第2の容器が鋼鈑により構成され、前記第1の容器における厚みが、前記第2の容器との封着部分の縁部分から中心部分に向かって徐々に薄くなるよう形成されている。第5の観点の密閉型電動圧縮機においては、第1の容器の共振周波数を変更して、電動圧縮機構の機械振動により第1の容器が加振されることを防止することができ、密閉容器における電動圧縮機構の機械振動との共振を確実に低減することができる。
本発明の第6の観点の密閉型電動圧縮機は、前記第4の観点における前記第1の容器の1次共振モードの共振周波数が、前記電動圧縮機構の機械振動における高レベルの周波数領域を除く領域に設定されている。第6の観点の密閉型電動圧縮機においては、第1の容器の共振周波数が電動圧縮機構の機械振動における高いレベルの周波数領域とは一致せず、機械振動により密閉容器が加振されることを確実に防止することができる。
本発明の第7の観点の密閉型電動圧縮機は、前記第4の観点における前記第1の容器の1次共振モードの共振周波数が、前記電動圧縮機構の機械振動における高レベルの周波数領域より高い領域側に設定されている。第7の観点の密閉型電動圧縮機においては、第1の容器の共振周波数が、第1の容器の共振周波数よりも低域側にある第2の容器の共振周波数に近づくことがなく、且つ第1の容器の共振周波数を電動圧縮機構が発生させる機械振動における高いレベルの周波数領域とは一致しないよう構成できるため、第2の容器の共振と電動圧縮機構の機械振動により第1の容器が加振されることを防止することができる。
本発明の第8の観点の密閉型電動圧縮機においては、前記第4の観点の前記第1の容器における1次共振モードの腹となる部分が、前記第1の容器における前記第2の容器との封着部分である縁部分から最遠部分である頂上部分を含む曲面部分である。第8の観点の密閉型電動圧縮機においては、第1の容器の1次共振モードの腹となる曲面部分の面積を大きく設定することが可能となり、その曲面部分の厚みをその周辺の厚みよりも、容易に且つ精度高く薄く形成することができる。このため、第8の観点の密閉型電動圧縮機においては、精度高く確実に第1の容器の共振周波数を変更することが可能であり、それにより、騒音を低減できるとともに、第1の容器の生産性が向上する。
本発明の第9の観点の密閉型電動圧縮機は、前記第8の観点の前記第1の容器において、1次共振モードの腹となる曲面部分の厚みが縁部分の厚みに対して0.9以下であることが好ましい。本発明の第9の観点の密閉型電動圧縮機は、必要最小限の工数で第1の容器の曲面部分の厚みをその周辺の厚みより薄く形成することができるため、工数の削減により生産性が向上するとともに、コストアップを抑制することができる。
本発明の第10の観点の密閉型電動圧縮機は、前記第8の観点の前記第1の容器において、1次共振モードの腹となる曲面部分の厚みが当該第1の容器の素材の厚みに対して0.9以下であることが好ましい。本発明の第10の観点の密閉型電動圧縮機は、必要最小限の工数で第1の容器の曲面部分の厚みをその周辺の厚みより薄く形成することができるため、工数の削減により生産性が向上するとともに、コストアップを抑制することができる。
本発明の第11の観点の密閉型電動圧縮機は、前記第8の観点の前記第1の容器における1次共振モードの腹となる曲面部分の内面側の曲率を、当該曲面部分の外面側の曲率より大きく設定して、前記第1の容器の共振周波数を調整してもよい。本発明の第11の観点の密閉型電動圧縮機は、第1の容器の1次共振モードの腹となる曲面部分の内面側の曲率を大きく設定して、その曲面部分の厚みを薄くしたことにより、第1の容器の剛性低下を招くことなく、且つ第1の容器の重量をアップさせることなく、第1の容器の共振周波数を変更することができるとともに、第1の容器の1次共振周波数を効果的に高域側へ移動させることができ、騒音を低減することができる。
本発明の第12の観点の密閉型電動圧縮機は、前記第1乃至第11の観点の前記電動機構が、少なくとも商用電源周波数を超える運転周波数を含む複数の運転周波数により駆動されるよう構成してもよい。電動圧縮機構が発生させる機械振動は運転周波数が高いほど大きくなるが、本発明の第12の観点の密閉型電動圧縮機においては、第1の容器が機械振動により加振されて共振周波数で共振することを防止して、第1の容器の共振を抑制することができるため、密閉型電動圧縮機の運転周波数が高い時においても騒音を確実に低減することができる。
以下、本発明の密閉型電動圧縮機の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下の具体的な実施の形態は、本発明の密閉型電動圧縮機の構成の一例を示すものであり、実施の形態における要素と同じ機能、構成及び動作を示すものは本発明に含まれるものであり、以下の実施の形態の構成によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明に係る実施の形態1の密閉型電動圧縮機を示す縦断面図である。図2は実施の形態1の密閉型電動圧縮機における第1の容器である上側容器を示す平面図であり、図3は実施の形態1の密閉型電動圧縮機における上側容器の縦断面図である。
図1から図3において、第1の容器である上側容器101と第2の容器である下側容器102により構成される密閉容器103の内部には、固定子105と回転子106を有する電動機である電動機構108と、この電動機構108により駆動される圧縮機構109と、を備えた電動圧縮機構110が収容されている。電動圧縮機構110は振動を吸収するためのスプリング等の弾性部材111を介して密閉容器103に支持されており、冷凍機油112は密閉容器103の底部に貯留されている。
実施の形態1の密閉型電動圧縮機における電動機構108の駆動方式は、商用電源周波数よりも高い運転周波数を含む複数の運転周波数により駆動されるインバータ方式である。
次に、実施の形態1の密閉型電動圧縮機における圧縮機構109の構成について説明する。
クランクシャフト114は、回転子106を圧入固定した主軸部115及びこの主軸部115に対して偏心して形成された偏心部116を有する。また、主軸部115の内部にはオイルポンプ117が形成されており、そのオイルポンプ117の下端は冷凍機油112中に開口するように配設されている。
電動機構108の上方に設けられているシリンダブロック120は、略円筒形の圧縮室122を有すると共に、主軸部115を軸支する軸受部123を備えている。
ピストン130は、シリンダブロック120の圧縮室122内を往復摺動自在に設けられており、偏心部116との間が連結手段131により連結されている。
圧縮室122の端面を封止するバルブプレート134は、吸入バルブ135の開閉により圧縮室122と連通可能な吸入孔(図示せず)を備えている。
シリンダヘッド138は、バルブプレート134を介して圧縮室122の端面を封止するようシリンダブロック120に固定されている。
実施の形態1の密閉型電動圧縮機において、密閉容器103内に冷媒ガスを導くための吸入管(図示せず)は、下側容器102に固定され、冷凍サイクルの低圧側(図示せず)に接続されている。
吸入マフラー142は、バルブプレート134とシリンダヘッド138に挟持されることにより固定され、主にガラス繊維を添加した結晶性樹脂であるポリブチレンテレフタレート等の合成樹脂で形成されている。
圧縮された冷媒ガスを密閉容器103の外部に吐出する吐出管144は、下側容器102に固定され、冷凍サイクルの高圧側(図示せず)に接続されている。この吐出管144は、ディスチャージライン146を介して圧縮機構109に連結されている。
上側容器101の平面図である図2及び上側容器101の縦断面図である図3に示されているように、上側容器101の板厚が部位により異なるよう構成されている。図3に示すように、上側容器101において下側容器102に固着される下側の開口部155の縁部分(封着部分)に対して、その上側となる頂上部分近傍の板厚は、他の部位より薄く形成されている。上側容器101における頂上部分近傍において、密閉容器103の第1の容器101が共振したときの1次共振モードの腹となる曲面部分150の板厚は、その周辺部分151の板厚よりも薄く形成されている。実施の形態1の密閉型電動圧縮機においては、上側容器101の曲面部分150の板厚と周辺部分151の板厚の比率(頂上部分の板厚/開口部155の縁部分の板厚)は、0.65となるように形成されている。
一般的に、冷蔵庫等に搭載される密閉型電動圧縮機において、上側容器101はその開口部155の形状が円形状若しくはオーバル形状である。このため、上側容器101の開口部155に対して最遠部分である頂上部分は、図2に示すように、上側容器101のほぼ中央部分となる。この頂上部分が1次共振モードの腹となる曲面部分150となる。
実施の形態1の密閉型電動圧縮機においては、密閉容器103の外周面形状が、比較対象とした従来の密閉型電動圧縮機の密閉容器の外周面形状と同一となるよう形成されている。即ち、実施の形態1における上側容器101の全高は、比較対象とした従来の密閉型電動圧縮機における上側容器の高さと同一であり、上側容器101の外面150aは従来の密閉型電動圧縮機の上側容器の外面と同じ形状である。しかし、実施の形態1における上側容器101の内面150bは、比較対象とした従来の密閉型電動圧縮機の上側容器の内面とは異なっている。実施の形態1における上側容器101の1次共振モードの腹となる曲面部分150の板厚が、その周辺部分151の板厚より薄く形成されている。即ち、上側容器101の曲面部分150において、その内面150bの曲率は、外面150aの曲率より大きくなっている。このため、1次共振モードの腹となる曲面部分150の実質的な曲率は、比較対象とした従来の密閉型電動圧縮機における上側容器の1次共振モードの腹となる曲面部分の曲率よりも大きくなっている。
次に、上記のように構成された実施の形態1の密閉型電動圧縮機について、その動作について説明する。
密閉型電動圧縮機に電源が供給されると、固定子105に電流が流れ、磁界が発生する。固定子105に発生した磁界により回転子106は所望の回転数で回転する。回転子106はクランクシャフト114を回転させ、偏心部116が偏心運動を行う。偏心部116の偏心運動は、連結手段131を介してピストン130を往復運動させるため、ピストン130は圧縮室122内を往復運動する。
吸入管(図示せず)から吸入された冷媒ガスは、吸入マフラー142及びバルブプレート134に設けられた吸入孔を通って圧縮室122内へと導かれる。冷媒ガスは、ピストン130の往復運動により圧縮された後、シリンダヘッド138及びディスチャージライン146を介して吐出管144から排出される。
このように、冷媒ガスの吸入及び吐出を繰り返すことにより、圧縮室122内では大きな圧力変動が発生する。この圧力変動に伴って、電動圧縮機構110には大きな振動が発生する。電動圧縮機構110の振動は、弾性部材111、ディスチャージライン146、及び吐出管144を介して密閉容器103に伝動され、密閉容器103を加振させる。
また、冷媒ガスの流れに伴って、吸入管及び吐出管144内には圧力脈動が発生するため、吸入管及び吐出管144の配管を介して、密閉容器103が加振される。
さらに、吸入管により密閉容器103内へ放出された冷媒ガスの圧力脈動は、直接密閉容器103を加振させる。
図4は、本発明に係る実施の形態1の密閉型電動圧縮機における機械振動特性図であり、具体的には、実施の形態1における電動圧縮機構110の機械振動特性図である。図4において、横軸は周波数[Hz]であり、縦軸は加速度レベル[dB]である。
図5は実施の形態1における密閉容器103の振動特性図である。図5において、横軸は周波数[Hz]であり、縦軸はイナータンス[dB]であり、実施の形態1における上側容器101の振動特性を破線(A)で示し、従来の密閉型電動圧縮機における上側容器(図7の符号1参照)の振動特性を比較のために実線(a)で示す。また、実施の形態1における上側容器101の1次共振周波数を符号Bで示し、従来の密閉型電動圧縮機における上側容器の1次共振周波数を符号bで示す。また、図5において、符号Cは実施の形態1における下側容器102の1次共振周波数を示す。
図6は実施の形態1の密閉型電動圧縮機の騒音特性図である。図6において、横軸は周波数[Hz]であり、縦軸は騒音レベル[dB]である。図6においては、実施の形態1における上側容器101を用いた密閉型電動圧縮機の騒音特性を破線(X)で示し、従来の上側容器を用いた密閉型電動圧縮機の騒音特性を比較のために実線(Y)で示している。図6に示す騒音特性図においては、蒸発温度が−30℃、凝縮温度が40℃であり、且つ、密閉型電動圧縮機の運転周波数が商用電源周波数を超える69rev/secにて運転した場合の特性を示している。なお、使用した冷媒はR600aである。
図5の振動特性図に示すように、従来の密閉型電動圧縮機において、上側容器の振動特性は、この上側容器の騒音に大きく影響する1次共振周波数が3.5kHz近傍となっており、図4に示した電動圧縮機構110が発生させる機械振動の加速度レベルが高い周波数領域と一致している。このため、従来の密閉型電動圧縮機における上側容器は、圧縮機構(図7の符号6参照)の機械振動により加振されて、特に1次共振周波数で共振し、図6に示す騒音特性のように3.5kHz近傍で大きな騒音が発生させる。
一方、本発明に係る実施の形態1の密閉型電動圧縮機においては、上側容器101を構成する、1次共振モードの腹となる曲面部分150の板厚がその周辺部分151の板厚よりも薄く形成されている。このため、1次共振モードの腹となる曲面部分150の質量が低減されており、上側容器101の1次共振周波数を高域側へ移動させている。
この質量の低減によって、上側容器101の共振周波数が高域側へ変化するという理由は、上側容器101の共振周波数fと、上側容器101の1次共振モードの腹となる部分の剛性kと、上側容器101の1次共振モードの腹となる部分の質量mとの間に、下記の(数1)で表される関係があることによる。
Figure 2009257125
上側容器101の1次共振周波数で共振することに起因する騒音を低減するためには、上側容器101におけるいずれの部位の質量を低減しても効果があるわけではなく、上側容器101の1次共振モードの腹となる部分の質量mを低減することで効果が発揮される。
しかし、上側容器101の開口部155の縁部分に対する中央部分である頂上部分を含む、1次共振モードの腹となる曲面部分150の板厚を均一に薄くしたのでは、上側容器101の1次共振モードの腹となる部分の質量mを低減させることはできるものの、1次共振モードの腹となる部分の剛性kが質量m以上に低下してしまい、前記の(数1)で表される上側容器101の共振周波数fが低域側に移動してしまい、高域側へ移動させることはできない。
この問題を解決するために、実施の形態1の密閉型電動圧縮機においては、上側容器101の高さを比較対象とする従来の密閉型電動圧縮機における上側容器の高さと同一となるように形成し、1次共振モードの腹となる曲面部分150の外面150aが従来の上側容器と同形状とし、1次共振モードの腹となる曲面部分150の内面150bを従来の上側容器よりも曲率を大きく形成している。即ち、上側容器101の曲面部分150において、その内面150bの曲率が外面150aの曲率より大きく形成されている。
具体的な形状としては、1次共振モードの腹となる曲面部分150の外面150aの曲率を従来の上側容器の外面の曲率と同じとし、かつ曲面部分150の内面150bの曲率を従来の上側容器よりも大きく形成している。したがって、1次共振モードの腹となる曲面部分150の板厚は従来の上側容器に比べて均一に薄いのではなく、1次共振モードの腹となる曲面部分150の中央に近づくほど板厚が薄くなる形状である。即ち、実施の形態1の密閉型電動圧縮機の上側容器101においては、1次共振モードの腹となる曲面部分150の中央部分が、開口部155の縁部分の1次共振モードのノード(節)となる部分より薄く形成されており、曲面部分150の中央に近づくに従い板厚が徐々に薄くなるよう形成されている。したがって、上側容器101において縁部分から最遠部分である頂上部分の板厚が最も薄く形成されている。
上側容器101の1次共振モードの腹となる曲面部分150の形状を上記のように形成することにより、1次共振モードの腹となる曲面部分150の剛性低下の影響を質量低減の影響よりも小さく抑えることが可能となる。即ち、実施の形態1の構成によれば、上側容器101における1次共振モードの腹となる部分の剛性kを大きく低下させることなく、質量mを低減させることが可能となる。
実施の形態1の密閉型電動圧縮機においては、上側容器101の振動特性が、図5に示すように、上側容器101の1次共振周波数を、電動圧縮機構110が発生させる機械振動において低いレベルの周波数領域である3.6kHz近傍まで移動させている。
したがって、上側容器101の1次共振周波数は、電動圧縮機構110が発生させる機械振動における高いレベルの周波数領域と異なるため、上側容器101が電動圧縮機構110の機械振動により大きく加振されて共振することが大幅に低減される。
また、実施の形態1の密閉型電動圧縮機においては、高域側へ移動した上側容器101の1次共振周波数である3.6kHz近傍は、図4に示したように、電動圧縮機構110が発生させる機械振動において低いレベルの周波数領域であるため、3.6kHz近傍で大きな騒音が発生することはない。
上側容器101の1次共振周波数の3.6kHz近傍は、下側容器102の1次共振周波数3.1kHz近傍(図5において符号Cで示す1次共振周波数)とも一致しておらず、下側容器102の共振により上側容器101が加振されることもない。このため、実施の形態1の密閉型電動圧縮機においては、上側容器101と下側容器102の共振による騒音が発生することを防止することができ、低騒音の運転を実現することができる。
上記のように、実施の形態1の密閉型電動圧縮機においては、上側容器101の1次共振周波数は、電動圧縮機構110が発生させる機械振動における高いレベルの周波数領域より高域側であり、一致しない構成である。このため、上側容器101の1次共振周波数を電動圧縮機構110が発生させる機械振動の高いレベルの周波数より低域側に設定して、一致しないように構成とすることも考えられる。
下側容器102内には電動圧縮機構110が弾性部材111を介して支持されるとともに冷凍機油112が含まれているために、下側容器102は上側容器101に比べて実質的に質量が大きく、重い構成となっている。したがって、一般的には、上側容器101の1次共振周波数よりも下側容器102の1次共振周波数の方が低い周波数領域となる。このように下側容器102の1次共振周波数は、上側容器101の1次共振周波数より低い周波数領域となっているため、上側容器101の1次共振周波数を電動圧縮機構110の機械振動における高いレベルの周波数より低域側に設定する場合には、この点に注意が必要である。実施の形態1においては、下側容器102の1次共振周波数は3.1kHz近傍である。
したがって、上側容器101の1次共振周波数を電動圧縮機構110が発生させる機械振動における高いレベルの周波数の低域側に設定する場合には、一般的に下側容器102の1次共振周波数に近づくことになる。もし、上側容器101の1次共振周波数が下側容器102の1次共振周波数と一致した場合には、上側容器101が下側容器102の共振により大きく加振されてしまう。
そのため、上側容器101の1次共振周波数を、電動圧縮機構110が発生させる機械振動における高いレベルの周波数の低域側に設定することは、あまり好ましくはない。
もちろん、上側容器101の1次共振周波数を下側容器102の1次共振周波数と一致させないように周波数を設定し、且つ上側容器101の1次共振周波数と電動圧縮機構110が発生させる機械振動の高いレベルの周波数領域とも一致させないように設定することができれば、前述の実施の形態1と同様に実施可能であり同様の効果を奏することは言うまでもない。
また、実施の形態1の密閉型電動圧縮機においては、少なくとも商用電源周波数を超える運転周波数を含む複数の運転周波数で駆動されるインバータ方式を用いている。
一般的に電動圧縮機構が発生させる機械振動のレベルは高運転周波数になるほど増大し、それに伴って密閉容器を加振させる加振力も増大する。しかし、本発明に係る実施の形態1の密閉型電動圧縮機においては、上側容器101の1次共振周波数が機械振動により加振されて共振周波数で共振することを防止する構成であるため、高い運転周波数で駆動されても、低振動及び低騒音の運転を実現することができる。
なお、実施の形態1においては、上側容器101の板厚に関して、1次共振モードの腹となる曲面部分150の板厚と、その周辺部分151である開口部155の縁部分近傍の板厚とを比較すると、その比率は0.65の例を用いて説明した。実施の形態1における比率0.65は一例としての数値であり、本発明においてはその比率が0.9以下0.4以上であれば同様の作用、効果を奏することを発明者は確認した。
一般的に深絞り加工により密閉容器を成型する場合、密閉容器の板厚は素材の板厚に対して減少する。したがって、深絞り加工において、1次共振モードの腹となる曲面部分150の板厚を、その周辺部分151の板厚より薄くし、その比率を0.9以下とすれば、ほぼ同様の効果、作用を奏する。
また、本発明の密閉型電動圧縮機においては、上側容器101の開口部155の近傍である縁部分(1次共振モードの節の部分)の板厚に対する1次共振モードの腹となる曲面部分150の板厚の比率を0.9以下0.4以上に設定すれば、実施の形態1と同様の作用、効果を奏する。
本発明に係る密閉型電動圧縮機は、製造工程における組み立て工数や製造コストを増大させることなく、圧縮機構が発生させる機械振動による密閉容器の共振を防止して、低騒音化、低振動化を図ることができるため、冷凍装置や除湿機等の分野において有用である。
本発明に係る実施の形態1の密閉型電動圧縮機の縦断面図 実施の形態1の密閉型電動圧縮機における上側容器の平面図 実施の形態1の密閉型電動圧縮機における上側容器の縦断面図 実施の形態1の密閉型電動圧縮機における機械振動特性図 実施の形態1の密閉型電動圧縮機における上側容器の振動特性図 実施の形態1の密閉型電動圧縮機における上側容器の騒音特性図 従来の密閉型電動圧縮機の縦断面図 従来の密閉型電動圧縮機における上側容器に固定されるダンピング部材を示す斜視図
符号の説明
101 上側容器
102 下側容器
103 密閉容器
108 電動機構
109 圧縮機構
110 電動圧縮機構
150 曲面部分
150a 外面
150b 内面
155 開口部

Claims (12)

  1. 電動機構と前記電動機構により駆動される圧縮機構とを有する電動圧縮機構、及び
    前記電動圧縮機構を弾性部材を介して支持し、前記電動圧縮機構を封入する密閉容器、を備えた密閉型電動圧縮機であって、
    前記密閉容器の1次共振モードにおいて腹となる部位の厚みが、前記1次共振モードにおいて節となる部位の厚みより薄く形成された密閉型電動圧縮機。
  2. 前記密閉容器の1次共振モードにおいて腹となる部位において、最大振幅の部位の厚みが最も薄く、前記1次共振モードにおいて節となる部位に近づくにしたがい徐々に厚くなるよう形成された請求項1に記載の密閉型電動圧縮機。
  3. 前記密閉容器において、1次共振モードの腹となる部位の厚みが前記1次共振モードにおいて節となる部位の厚みに対して0.9以下である請求項2に記載の密閉型電動圧縮機。
  4. 前記密閉容器が第1の容器と第2の容器との組み合わせにより構成され、
    前記第2の容器が前記電動圧縮機構を弾性部材を介して支持し、
    前記第1の容器の1次共振モードにおいて腹となる部分の厚みが、当該1次共振モードにおいて節となる部分の厚みより薄く形成された請求項1に記載の密閉型電動圧縮機。
  5. 前記第1の容器及び前記第2の容器が鋼鈑により構成され、前記第1の容器における厚みが、前記第2の容器との封着部分の縁部分から中心部分に向かって徐々に薄くなるよう形成された請求項4に記載の密閉型電動圧縮機。
  6. 前記第1の容器の1次共振モードの共振周波数が、前記電動圧縮機構の機械振動における高レベルの周波数領域を除く領域に設定されている請求項4に記載の密閉型電動圧縮機。
  7. 前記第1の容器の1次共振モードの共振周波数が、前記電動圧縮機構の機械振動における高レベルの周波数領域より高い領域側に設定されている請求項4に記載の密閉型電動圧縮機。
  8. 前記第1の容器における1次共振モードの腹となる部分は、前記第1の容器における前記第2の容器との封着部分である縁部分から最遠部分である頂上部分を含む曲面部分である請求項4に記載の密閉型電動圧縮機。
  9. 前記第1の容器において、1次共振モードの腹となる曲面部分の厚みが縁部分の厚みに対して0.9以下である請求項8に記載の密閉型電動圧縮機。
  10. 前記第1の容器において、1次共振モードの腹となる曲面部分の厚みが当該第1の容器の素材の厚みに対して0.9以下である請求項8に記載の密閉型電動圧縮機。
  11. 前記第1の容器における1次共振モードの腹となる曲面部分の内面側の曲率を、当該曲面部分の外面側の曲率より大きく設定した構成の請求項8に記載の密閉型電動圧縮機。
  12. 前記電動機構は、少なくとも商用電源周波数を超える運転周波数を含む複数の運転周波数により駆動されるよう構成された請求項1乃至11のいずれか一項に記載の密閉型電動圧縮機。
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