JP2009256374A - 疾患および損傷の処置のための一酸化窒素ドナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】神経発生の促進が必要な患者へ治療量のホスホジエステラーゼインヒビター化合物を投与することにより神経発生を促進する方法を。神経発生を促進するために十分な有効量のホスホジエステラーゼインヒビターを含む、神経発生を提供するための化合物。神経発生を促進するホスホジエステラーゼインヒビター。脳細胞の生成を増加させる方法および増加の必要な部位に有効量のホスホジエステラーゼインヒビター化合物を投与することにより、細胞の構造およびレセプターの変化を促進する方法。有効量のホスホジエステラーゼインヒビター化合物を患者に投与することにより、神経機能および認識機能の両方を増加する方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、疾患および損傷の処置に関する。さらに、具体的には、本発明は、疾患および損傷の処置のための一酸化窒素ドナーおよび細胞治療を含む方法および化合物に関する。
本発明に従って、神経発生の促進が必要な患者へ治療量のホスホジエステラーゼインヒビター化合物を投与することにより神経発生を促進する方法を提供する。神経発生を促進するために十分な有効量のホスホジエステラーゼインヒビターを含む、神経発生を提供するための化合物もまた、提供する。神経発生を促進するホスホジエステラーゼインヒビターもまた、提供する。さらに、脳細胞の生成を増加させる方法および増加の必要な部位に有効量のホスホジエステラーゼインヒビター化合物を投与することにより、細胞の構造およびレセプターの変化を促進する方法が提供される。有効量のホスホジエステラーゼインヒビター化合物を患者に投与することにより、神経機能および認識機能の両方を増加する方法を提供する。
・(項目1)
神経発生を促進する方法であって、
神経発生の促進が必要な患者に、治療量のホスホジエステラーゼインヒビター化合物を投与する工程を包含する、方法。
・(項目2)
上記患者に細胞治療を施す工程をさらに包含する、項目1に記載の方法。
・(項目3)
神経発生を促進するために十分な有効量のホスホジエステラーゼインヒビターを含む、神経発生を促進するための化合物。
・(項目4)
細胞治療をさらに含む、項目3に記載の化合物。
・(項目5)
薬学的に受容可能なキャリア中にホスホジエステラーゼインヒビターを含む、神経発生プロモーター。
・(項目6)
項目5に記載の神経発生プロモーターであって、上記ホスホジエステラーゼインヒビターが、組織における一酸化窒素を増加させる神経発生プロモーター。
・(項目7)
上記ホスホジエステラーゼインヒビターがシルデナフィルである、項目6に記載の神経発生プロモーター。
・(項目8)
有効量のホスホジエステラーゼインヒビターを増加の必要な部位に投与することにより、ニューロンの生成を増加する方法。
・(項目9)
上記部位に細胞治療を施すことをさらに包含する、項目8に記載の方法。
・(項目10)
有効量のホスホジエステラーゼインヒビターを患者に投与することにより、神経機能を増加させる方法。
・(項目11)
上記患者に細胞治療を施すことをさらに包含する、項目10に記載の方法。
・(項目12)
患者に有効量のホスホジエステラーゼインヒビター化合物を投与することにより、認識機能および神経機能を増加させる方法。
・(項目13)
上記患者へ細胞治療を施すことをさらに包含する、項目12に記載の方法。
一般に、本発明は、複細胞治療および一酸化窒素ドナーまたはPDEインヒビターの組み合わせを用いて、多器官系における疾患および損傷を処置する方法および化合物を提供する。この組み合わせ治療は、患者に対するいかなる危険性も増加させることなく、両方の治療の効果を増加させる。その治療の利点は、神経発生、新脈管形成、実質細胞の構造および機能の変化を誘導することにより器官の可塑性を増加させることである。さらに、その相乗効果に起因して、それぞれの治療はより低量で与えられ得、制限しなければ示し得る薬剤のいかなる副作用も有害な効果もそれにより制限する。あるいは、PDEインヒビターのみが、処置のために投与され得る。
「PDEインヒビター」により、PDEを阻害する化合物を意味する。そのような化合物の例はシルデナフィル(Viagra(登録商標))である。PDEインヒビターはホスホジエステラーゼの活性を減少する(例えば、選択的に減少する)か、または除去する因子である(例えば、PDE1−10(例えば、5型ホスホジエステラーゼ、10型ホスホジエステラーゼ)および他のいずれかのホスホジエステラーゼ)。本発明の方法および化合物の文脈では、ホスホジエステラーゼインヒビターは、その活性因子の(例えば、PDE)塩、エステル、アミド、プロドラッグ、および他の誘導体を含む。ホスホジエステラーゼインヒビターは、生成されるいかなるNOの効果も増幅する。ホスホジエステラーゼインヒビターは、血管拡張および血管機能の改善を生じるために用い得る。
チル−フェニル)メチル−5−メチル−3,4,5,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロシクロペント[4,5]−ミダゾ[2,1−b]−プリン−4−オン、1t−ブチル−3−フェニルメチル−6−(4−ピリジル)ピラゾロ[3,4−d]−ピリミド−4−オン、1−シクロペンチル−3−メチル−6−(4−ピリジル)−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−d]−ピリミド−4−オン、2−ブチル−1−(2−クロロベンジル)6−エトキシ−カルボニルベンズイミダオールおよび2−(4−カルボキシピペリジノ)−4−(3,4−メチレンジオキシ−ベンジル)アミノ−6−ニトロキナゾリンおよび2−フェニル−8−エトキシシクロヘプトイミダゾール。
ム。一酸化窒素の増加を促進する化合物がある(例えば、ホスホジエステラーゼインヒビターおよびL−アルギニン)。
加齢および変性疾患の後、機能の改善を促進する。この適用はまた、他の神経疾患(例えば、限定されないが、ALS、MSおよびハンチントン病)を被る患者に対して利益を提供し得る。さらに、本発明の方法および組成物は、細胞治療の効果を増強し得る。
にも獣医学的背景の両方に適用可能である。
and Marrow、Clin.Orthop.240:270、1989)。最近の証拠は、多能性間質幹細胞または間葉幹細胞と呼ばれるこれらの細胞が、活性化の際に、いくつかの異なる細胞株の型(例えば、骨細胞、軟骨細胞、脂肪細胞など)において、生成する能力を有することを示す。しかし、間葉幹細胞は、組織中に、非常に微量の広範な他の細胞(すなわち、赤血球、血小板、好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、脂肪細胞など)を有するとともに存在し、そして年齢と反比例の関係で、間葉幹細胞は、
多くの生物活性化因子の影響に依存して結合組織の分類に分けられ得る。
清:有核細胞=10:6により作成した)を、次いで、懸濁液中に見られる残りの細胞からの間充織幹細胞の選択的な分離および/または単離のために、100mmのディッシュにプレートした。
分子生物学における一般的な方法:当該分野で公知の標準的な分子生物学技術は、詳細に記載されず、一般に、Sambrookら、Molecular Cloning:A
Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press、New York(1989)およびAusubelら、Current Protocols in Molecular Biology、John WileyおよびSons、Baltimore、Maryland(1989)およびPerbal、A Practical Guide to Molecular Cloning、John Wiley & Sons、New York(1988)および、Watsonら、Recombinant DNA、Scientific American Books、New YorkおよびBirrenら(編)Genome Analysis:A Laboratory Manual Series、1〜4巻Cold Spring Harbor Laboratory Press、New York(1988)ならびに米国特許第4,666,828号;4,683,202号;4,801,531号;5,192,659号および5,272,057号に示す方法論に従い、これらは、参考として本明細書に援用される。ポリメラーゼ連鎖反
応(PCR)は一般にPCR Protocols:A Guide To Methods And Applications、Academic Press、San Diego、CA(1990)に従って行った。フローサイトメトリー法と組み合わせたインサイチュ(インセル(In−cell))PCRは、特定のDNA配列およびmRNA配列を含む細胞の検出に用い得る(Testoniら、1996、Blood 87巻:3822)。
本発明の化合物は、望ましい医学的習慣に従って、患者個体の病態、投与の部位および方法、投与のスケジュール、患者の年齢、性別、体重および医師の知る他の因子を考慮に入れて投与し、服用する。本発明の目的に対して薬学的に「有効量」は、従って、当該分野で公知のような考察事項により決定する。量は、生存率の改善、またはより急速な回復、または、症状の改善もしくは除去および当業者が選定した適切な目安としての他の指標を含むが、それらに限られないものの改善を達成するために、効果的でなければいけない。
を維持することにより、および界面活性剤の使用により、適切な流動性は維持し得る。非水性ビヒクル(例えば、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、大豆油、コーン油、ヒマワリ油、または、ピーナッツ油およびエステル(例えば、ミリスチン酸イソプロピル))も化合物組成の溶媒系として使用し得る。さらに、抗菌防腐剤、抗酸化剤、キレート剤および緩衝剤を含む、組成の安定性、無菌性および等張性を増強する様々な添加物を添加し得る。微生物の活動の予防は、様々な抗菌剤、抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸など)により保証し得る。多くの場合、等張性剤(例えば、糖、塩化ナトリウムなど)を含むことが望ましい。注射し得る薬学的形態の吸収の延長は、吸収遅延剤(例えば、アルミニウムモノステアレートおよびゼラチン)の使用により引き起こし得る。しかしながら、本発明に従って、用いる任意のビヒクル、希釈剤または添加剤は、化合物に適合性でなければならない。
NOの血管形成に対する効果および血管内皮成長因子(VEGF)の合成に対する効果を、ラットの巣状塞栓症脳虚血のモデルにおいて調べた。コントロールのラットと比較して、脳卒中後24時間のラットの全身へのNOドナー、DETANONOateの投与により、血管の周囲が顕著に拡大した。ならびに、三次元レーザースキャニング共焦点顕微鏡により評価した場合、拡散した大脳内皮細胞の数および脳虚血境界領域で新しく生成した血管の数が増加した。DETANONOateによる処置は、ELISAにより測定した場合、脳虚血境界領域のVEGFのレベルを顕著に増加した。DETANONOateが脳虚血で、可溶性グアニル酸シクラーゼの活性化による血管形成を増加するか調べるために、毛細血管様の管形成アッセイを活用した。毛細管様の管形成を誘導したDETANONOateは、可溶性グアニル酸シクラーゼインヒビター、1H−[1,2,4]オキサジアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン(ODQ)により完全に阻害された。
VEGFレセプター2に対する中和抗体によるVEGF活性のブロックは、DETANONOate誘導性毛細管様の管形成を著しく弱めた。さらに、ホスホジエステラーゼタイプ5インヒビター(シルデナフィル)の、脳卒中後24時間のラットへの全身投与により、脳虚血境界領域の血管形成が著しく増加した。シルデナフィルおよび環状グアノシン一リン酸(cGMP)のアナログも毛細管様の管形成を誘導した。これらの発見は、外因性のNOは、脳虚血脳において血管形成を増進し、それはNO/cGMP経路により仲介されることを示唆する。さらに、データはNOが、一部はVEGFにより、虚血脳において血管形成を増進し得ることを示唆している。
(動物モデル)
320gm〜380gmの重さのオスWistarラットを用いた。中大脳動脈(MCA)を、塞栓子をMCAの起始部に置くことにより塞いだ。
1)外因性NOが、虚血性動物の新血管形成に影響するか否かを調べるために、(Z)−1−[N−(2−アミノエチル)−N−(2−アンモニオエチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート(DETANONOate)(生理学的条件下で57時間の半減期を持つNOドナー)を虚血性ラットに投与した。DETANONOate(0.4mg/kg)は脳卒中後24時間のラット(n=8)に、静脈内に投与し、さらに連続6日間、毎日腹腔内に投与した。同量の分解したDETANONOateで処置した虚血性ラット(n=8)をコントロール群として用いた。ラットは全て脳卒中後14日で屠殺した。2)VEGFの脳のレベルに対する外因性NOの効果を調べるために、DETANONOate(0.4mg/kg)または生理食塩水を、プロトコル1に記述した同一の実例により、虚血性ラット(各群についてn=3)に投与した。これらのラットを脳卒中後、7日で屠殺した。3)cGMPの増加が虚血性脳において血管形成を促進するか否かを調べるために、cGMPを増加するホスホジエステラーゼ5型(PDE5)インヒビター、3mlの水道水に溶解したシルデナフィル(2mg/kg)を脳卒中後24時間およびさらに6日間毎日、虚血性ラット(n=8)に与えた。ラットを脳卒中後、14日間で屠殺した。
S期の分裂細胞DNAに取り込まれるチミジンアナログである、ブロモデオキシウリジン(BrdU、Sigma Chemical)を有糸分裂の標識として使用した。BrdU(50mg/kg)をMCA閉塞の後1日から始めて、13日間毎日虚血性ラットの腹腔内に注射した。
虚血性脳における新血管形成を調べるために、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)デキストラン(2×106分子量、Sigma、St.Louis、MO;50mg/mlを0.1ml)をMCAoを14日間受けた虚血性ラットの静脈内に投与した。脳は重症の頭部からすぐに取り除き、4%パラホルムアルデヒド中に4℃で48時間置いた。冠状断片(100μm)をビブラトームにより切断した。ビブラトーム切片を、以前記載したように、Zeiss顕微鏡(Bio−Rad;Cambridge、MA)上に設置したBio−Rad MRC 1024(アルゴンおよびクリプトン)レーザースキャニング共焦点画像システムを用いて分析した。FITC−デキストランを注射したそれぞれの動物から、5.2mmブレグマから−8.8mmブレグマまで、2mmの間隔で、7個の100μm厚さのビブラトーム冠状切片を選択した。同側半球および対側半球の8つの脳領域を基準の冠状切片(両耳間8.8mm、ブレグマ0.8mm)内で選択した。これらの領域は、512×512ピクセル(276×276μm2)のフォーマットで4×フレームスキャン平均を用いて、x−y方向に走査し、40×対物レンズの下で、Z軸に沿って1μmの段階で25の光学切片を得た。血管の分枝点、断片長、および直径は、研究室で開発したソフトウェアを用いて3次元像で測定した。像の獲得および分析は無分別に行った。
BrdU免疫染色のために、脳切片(6μm)を50%のホルムアミド、2×SSC中で65℃で2時間インキュベートし、その後2N HCl中で37℃で30分間インキュベートすることにより、DNAを最初に変性した。切片を次いで、トリス緩衝液でリンスし、1%のH2O2で処置して、内因性のペルオキシダーゼをブロックした。切片を、BrdU(1:1000、Boehringer Mannheim、Indianapolis、IN)に対するマウスモノクローナル抗体(mAb)で一晩インキュベートし、ビオチン標識した2次抗体で1時間インキュベートした(1:200、Vector、Burlingame、CA)。
対側半球の虚血性境界領域および相同な組織を解剖した。組織をホモジナイズし、10,000gで4℃で20分間遠心し、上清を回収した。上清のVEGFに対するELISA法をラットのVEGFに特異的な市販のキット(R&D、systems)を活用して、製品の指示書に従って行った。
インビトロの血管形成アッセイを行った。簡単に記載すると、成長因子を減少したマトリゲル(Matrigel)(Becton Dickinson)0.8mlを、前冷却した35mmの培養皿に添加し、37℃で2〜5時間重合した。マウスの脳由来の内皮細胞(2×104細胞)を3時間、DETANONOate、シルデナフィル、1H−[1,2,4]オキサジアゾロ[4,3−a]キノキサリン−1−オン(ODQ)、8−Br−cGMPまたはVEGFレセプター2に対するラットの抗マウス中和抗体(VEGFR2、DC101、Imclone System)を含むDulBecco改変Eagle培地(DMEM)中で培養した。毛細管形成の定量測定には、マトリゲル皿の3つの任意の範囲を画像化し、3つ以上の細胞の途切れない線の長さを測定した。
一元配置分散分析を行い、その後、Student−Newman−Keuls試験を行った。データは平均±SEとして示した。p<0.05の値を有意であるとみなした。
(インビボにおけるDETANONOateおよびシルデナフィルの血管形成に対する効果)
外因性のNOが虚血性脳における血管形成を増強するか否かを調べるために、DETANONOateを7日間の脳卒中の後、24時間のラットに投与した。DETANONOateによる処理は、虚血性病変の周辺の血管周囲を顕著に(p<0.01)拡大した(図1Aおよび図1D)が、コントロールのラットの同側の血管(図1Cおよび図1D)と比較して、対側半球の血管は拡大しなかった(図1Bおよび図1D)。拡大した薄い壁の血管にある内皮細胞はBrdU免疫反応性を示した(図2Aおよび図2B)。そして、定量的な分析により、DETANONOateで処理したラットにおいて、増殖した内皮細胞の数が有意に増加したことが明らかになった(p<0.05)(図2C)。血管形成をさらに調べるために、研究室で開発したソフトウェアを用いて三次元解析を行った。これを用いて、断片の数、断片の長さおよび血管の直径を測定する。DETANONOateによる処理は、同量の分解したDETANONOateで処理した虚血ラットにおける毛細管断片の数(図3Bおよび表1)と比較して、虚血の境界領域における毛細管断片の数を有意に(p<0.05)増加した(図3Aおよび表1)。DETANONOateで処理した群における毛細管の断片は、直径が有意に小さく(図3Aおよび表1)、そして長さが有意に短かった(図3Aおよび表1)。このことは、これらが新しくできた血管であることを示唆している。血管形成の顕著な増加もシルデナフィルで処理したラットで検出した(表1)。
DETANONOateの投与が脳のVEGFのレベルを増加するか否かを調べるために、ラットの内因生のVEGFに対するELISAを行った。ELISA測定により、DETANONOateによる処理が、虚血性境界領域におけるVEGF量を、コントロール群(n=3)の13.4±1.5pg/mlからDETANONOateで処理した群(n=3)の28.9±1.0pg/mlに、有意に増加したこと(p<0.05)が明らかになった。NOはcGMPを増加するので、DETANONOateによるVEGFの誘導が、cGMP経路を介して生じ得る。PDE5はcGMPの加水分解に対する特異性が高い。PDE5インヒビター、シルデナフィルで処理したラットにおける脳のVEGFのレベルを測定した。シルデナフィルによる処理は、虚血性境界領域のVEGFのレベルを有意に増加した(p<0.05)(34.4±2.9pg/ml対13.4±1.5pg/ml(コントロール)群あたりn=3)。
ゼインヒビターおよびVEGFR2の中和の効果)
DETANONOateが、虚血性脳において可溶性グアニル酸シクラーゼの活性化により、血管形成を増進するという仮説を支持するために、毛細管形成分析を用いて、DETANONOateの血管形成に対する効果をさらに分析した。マウスの脳由来の内皮細胞をDETANONOateとインキュベートした場合(0.2μM、図4Bおよび図4E)には、内皮細胞をDMEMのみでインキュベートした時(図4Aおよび図4E)と比較して、毛細管形成における有意な増加を検出した。しかし、DETANONOateに誘導された毛細管様血管形成は、内皮細胞をODQ(ODQは可溶性グアニル酸シクラーゼの強力なインヒビターである)の存在下でDETANONOateと培養した場合、完全に阻害された(図4Cおよび図4E)。このことは、NO/cGMPシグナル伝達経路がDETANONOateの血管形成に対する効果の仲介に関与していることを示している。DETANONOateがまた、VEGFの増加により、血管形成を増強するか否かを調べるために、内皮細胞をDETANONOate(0.2μM)およびVEGFR2に対するラット抗マウス中和抗体(DC101、10μg/ml)の存在下で3時間インキュベートした。マウスにおけるVEGFR2に対するこの抗体の生物学的活性を実証した。内皮細胞をVEGFR2に対する抗体で処理することにより、DETANONOate誘導性の毛細管様血管形成は、有意に(p<0.05)減少した(図4Dおよび図4E)。このことは、VEGFがDETANONOate誘導性の血管形成に関与していることを示唆している。
内皮細胞をシルデナフィルとともに(100〜500nM)インキュベートすると、濃度依存的な毛細管様血管形成が生じる(図5)。安定なcGMPのアナログである8−BrcGMP(1mM)も毛細管様血管形成を有意に(p<0.05)増加した(図5)。ODQ(10μM)はシルデナフィル誘導性毛細管様血管形成を有意に阻害した(図5)。このことは、シルデナフィルによる血管形成が、内皮細胞におけるsGCの基礎活性に依存することを示している。ODQは8−BrcGMP誘導性毛細管様血管形成を有意に阻害しなかった(図5)。このことから、この効果は、可溶性グアニル酸シクラーゼの活性化とは独立していることを確認した。
本研究の主要な発見は、以下である:1)脳卒中後24時間でのDETANONOateまたはシルデナフィルの投与はVEGFの合成を増加し、虚血性脳における血管形成を高める;2)可溶性グアニル酸シクラーゼのインヒビターであるODQは、DETANONOate誘導性毛細管様血管形成を完全に阻害する;3)PDE5のインヒビターであるシルデナフィルは毛細管様血管形成を誘導する。4)VEGFR2に対する中和された抗体によるVEGF活性のブロッキングは、DETANONOate誘導性毛細管様血管形成を弱める。まとめると、これらのデータは、外因性のNOが、NO/cGMP依存的経路を介して、虚血性脳における血管形成を増強することおよびPDE5のインヒビター(シルデナフィル)が血管形成を増大することを示している。データはまた、NO、VEGFおよび血管形成の連関を示唆している。
加させる。PDE5酵素は、cGMPの加水分解に高い特異性があり、クエン酸シルデナフィルは、cGMPの細胞内蓄積を引き起こすPDE5の強いインヒビターである22。DETANONOate誘導性毛細管様血管形成は、可溶性グアニル酸シクラーゼの選択的なインヒビターであるODQにより完全に阻害された。このことは、DETANONOateが、可溶性グアニル酸シクラーゼの活性化を介して、脳の血管形成を増強することを示唆している。これらの結果は、NOが血管形成において可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化するというこれまでの報告と一致している。虚血性脳のNOにより増強された血管形成にcGMPの増加が寄与するというさらなる証拠を得るために、脳卒中後24時間のラットにPDE5インヒビター(シルデナフィル)を投与した。データは、シルデナフィルによる処理が虚血境界領域において血管形成を高めることを示している。さらに、シルデナフィルおよび8−BrcGMP(cGMPのアナログ)は、脳由来の内皮細胞の培養で、毛細管様血管形成を誘導する。ODQは、8−BrcGMP誘導性毛細管様血管形成ではなく、シルデナフィル誘導性毛細管様血管形成を顕著に阻害する。このことは、この反応がsGCの基礎活性に依存していることを示している。従って、データはNO/cGMP経路が、虚血性脳におけるDETANONOate誘導性血管形成を媒介しているという結論を支持する。
な範囲における血管では、拡大しない(図1B)。図1Cは、分解したDETANONOateで処理した代表的なラット由来の虚血の境界において血管が拡大したことを示す。定量データ(図1D)は、コントロールのラット中の同側の血管の周囲と比較して、DETANONOateによる発作の処置が血管の周囲を顕著に増加したことを示す。同側半球に対して*p<0.01。Cにおけるバー=50μm。
(方法)
オスのウィスターラットは、塞栓症の中大脳動脈閉塞に供された。シルデナフィル(バイアグラ(Viagra))を発作の発症後、最初の2時間、または24時間で、連続7日間、1日あたり、2〜5mg/kgの用量で、経口で投与した。同じ体積の水道水を投与した虚血性ラットをコントロール群として用いた。機能転帰試験(フット−フォールト、接着除去)を行った。ラットは、梗塞分体積の分析のため、ならびに下部心室領域およ
び歯状回の中に、新しく生成した細胞の分析のために、発作後28日で屠殺した。脳のcGMPのレベル、PDE5の発現および局在した大脳血流を別のラットで測定した。
シルデナフィルによる処理は、行った試験全てにおいて、顕著に(p=0.05)神経学的回復を増強した。実験群間の梗塞体積の顕著な違いはなかった。シルデナフィルによる処理は、同側の下部心室領域および線条におけるIII−チューブリン(TuJ1)免疫反応性により示されるように、下部心室領域および歯状回のブロモデオキシウリジン免疫反応性細胞の数を顕著に(p=0.05)増加し、未成熟のニューロンの数を顕著に増加した。cGMPの皮質レベルは、シルデナフィルの投与後、顕著に増加し、およびPDE5 mRNAは非虚血性脳および虚血性脳の両方に存在した。
シルデナフィルは、発作後2〜24時間のラットに投与される場合、脳のcGMPのレベルを増加し、神経発生を誘起し、そして神経学的欠損を減少する。これらのデータは、性的機能障害に対して病院で現在使用されているこの薬剤が、発作からの回復の促進に役割を有していることを示す。
シルデナフィルは弱い塩基性の化合物であり、それゆえに、これは、生理的なphでは一部しかイオン化しない。およびラットでは0.4時間の半減期を有する。バイアグラのフィルム錠剤(内容物は100mgのシルデナフィルであり、商業的に購入した)を、重量測定し、粉末化した。
重さが320g〜380gのオスのウィスターラットを本研究に用いた。中大脳動脈(MCA)は、MCAの源に塞栓を置くことにより、閉塞した。
シルデナフィルの投与が細胞増殖および神経学的挙動に影響するかどうかを試験するために実験を行った。2mg/kg(n=10)または5mg/kg(n=9)のシルデナフィルを3mlの水道水中に溶解し、MCA閉塞後2時間のラットに経口投与し、さらに、6日間毎日投与した。別の虚血性ラットの群(n=10)は、MCA閉塞後24時間でシルデナフィル(2mg/kg)を経口処置し、さらに6日間毎日投与した。虚血性ラット(n=9)をコントロール群として同体積の水道水で処置した。虚血前およびMCA閉塞開始の4日後、7日後、14日後、21日後および28日後に機能試験を行い、および体重を測定した。全てのラットをMCA閉塞28日後に屠殺した。シルデナフィルの投与が脳のcGMPのレベルに影響するか試験するための実験も行った。非虚血性ラットを7日間、2mg/kgのシルデナフィル(n=6)、または水道水(n=10)で処置した。これらのラットを脳のcGMPのレベルを測定するために、最後の処置の1時間後に屠
殺した。シルデナフィルの大脳血流(CBF)および血圧に対する効果を試験するための実験もまた行った。非虚血性ラット(n=6)をシルデナフィルで経口処置し、局所CBFおよび平均動脈血圧を開始30分で測定し、シルデナフィルの投与後180分間継続した。脳のPDE5を試験する実験もまた行った。非虚血性ラットおよび虚血性ラットを虚血開始の、2時間後、4時間後、24時間後、48時間後および168時間後、屠殺した(各時間点、n=3)。脳組織中のPDE5を検出するために、逆転写(RT)−ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を行った。
商業的に利用できる低pHイムノアッセイキット(R&D Systems Inc)を使用して、cGMPのレベルを測定した。このアッセイの感度は、非アセチル化手順について、約0.6pmol/mlであった。脳を迅速に取り除き、皮質および小脳を分離した。脳組織を、重量測定し、1mmol/Lの3−イソブチル−1−メチルキサンチンを含む、10倍の体積の0.1NのHCl中でホモジナイズした。
ラットの脳組織中のPDE5の存在を試験するために、PDE5A1およびPDE5A2に対するプライマーを、公表された配列に従って合成した。5’プライマー 5’−AAAACTCGAGCAGAAACCCGCGGCA−AACACC−3’および3’プライマー 5’GCATGAGGACTTTGAG−GCAGAGAGC−3’はラットのPDE5A1のN末端領域をコードするcDNA断片を増幅した。5’プライマー 5’−ACCTCTGCTATGTTGCCCTTTGC−3’および3’プライマー 5’−GCATGAGGACTTTGAGGCAGAGAGC−3’はラットのPDE5A2をコードするcDNA断片を増幅した。cDNA合成のために、脳組織から抽出した全RNAを逆転写した。サンプルを95℃で2分間変性し、次いで、40サイクル増幅した。各サイクルは、95℃30秒間の変性、62℃1分間のアニーリング、および72℃2分間の伸張反応からなる。サンプル(ウェルあたり30μl)を、エチジウムブロマイドを含む1.5%アガロースで電気泳動した。
動物を、塞栓症虚血前ならびに4日後、7日後、14日後、21日後および28日後に体重測定した。体重減少を、虚血前の体重の百分率として表す。
ラットを、虚血前および塞栓症虚血後、4日後、7日後、14日後、21日後、および28日後に、改変したフット−フォールト試験を用いて、前肢の配置機能不全について試験した。ラットを異なるサイズの増大した六角形のグリッド上に設置し、グリッドに沿って動くワイヤーの上に肢を配置した。体重を支える各段によって肢はワイヤーの間に落ち得、また滑り得る。ラットがグリッドを横切るために使用した段の全ての数(各前肢の動き)を数え、各前肢のフットフォールトの全数を記録した。
体性感覚の欠損を測定するために、接着除去試験を用い、MCA閉塞前およびMCA閉塞の、4日後、7日後、14日後、21日後および28日後に行った。
細胞増殖を測定するために、ブロモデオキシウリジン(BrdU)を使用した。動物は、BrdU(50mg/kg;Sigma)の腹腔内注射を発作の日に、そしてその後14日間連続で毎日受容した。下部心室領域および歯状回中の細胞増殖を虚血後28日で屠殺した(実験プロトコル1、全4群)、ラットにおいて測定した。
BrdU免疫染色のために、脳切片(6m)を50%ホルムアミド2’SSC中で65℃で2時間インキュベートし、次いで、2N HCl中で37℃で30分間インキュベートすることにより、DNAをまず変性した。切片は次いで、Tris緩衝液でリンスし、1%のH2O2で処理し、内因性のペルオキシダーゼをブロックした。切片はBrdU(1:100)に対する一次抗体と室温で1時間インキュベートし、次いで、ビオチン標識した二次抗体(1:200、Vector)と1時間インキュベートした。反応産物は、3’3’−ジアミノベンジジン−テトラヒドロクロライド(DAB;Sigma)を使用して検出した。未成熟のニューロンを同定する、III−チューブリン(TuJ1)免疫染色のために、12の冠状切片をTuJ1(1:1000)に対する抗体と4℃で一晩インキュベートした。次いで、ビオチン標識したウマの抗マウス免疫グロブリン抗体と室温で30分間インキュベートした。BrdU免疫反応性細胞が冠状切片でニューロンの表現型を示すかどうかを決定するために、BrdUおよびTuJに対する2重免疫蛍光染色を行った。
BrdU免疫反応性細胞の測定を6μmの厚さのパラフィン包埋切片で行った。11BrdU免疫染色切片を40倍の対物レンズ(Olympus B×40)を使用して、MCIDコンピューター画像解析システム(Imaging Reasearch)によりデジタル化した。視覚化を改善するために、コンピューターモニター上で、そして重複サンプリングを避けるために、1焦点面においてBrdU免疫反応性核を数えた。全てのBrdU免疫反応性陽性核を、下部心室領域の側脳室の同側壁および対側壁の両方ならびに歯状回で数えた。下部心室領域では、各ラットから40枚目毎に、脳梁膝の前後10.6mmおよび前方交連交叉(commissure crossing)の前後8.74mmの間で、全部で7切片の冠状切片を選択した。歯状回について、各ラットから50枚目毎に、顆粒細胞層の前後5.86mmおよび前後2.96mmの間で、全部で8切片の冠状切片を選択した。下部心室領域および歯状回のBrdU免疫反応性核を平方mmあたりの細胞の数(平均SE)として示した。7切片の密度値(下部心室領域)および8切片の密度値(歯状回)を平均化し、各動物の平均密度値を得た。下部心室領域および線条中のTuJ免疫反応性細胞の数を数え、データを切片あたりのTuJ1免疫反応性細胞の数(平均SE)として表した。
レーザードップラー流量計測プローブ下で、組織中の相対的赤血球流速を、レーザードップラー流速計測法(PeriFlux PF4 flowmeter;Perimed
AB)により測定した。頭蓋骨のブレグマから後方2mmおよび正中13から外側6mmに、1.5mmの直径の13A穿頭孔を施した。硬膜はインタクトのままにした。穿頭孔への鉱油の適用後、硬膜表面の上0.5mmにプローブを置いた。シルデナフィルの投与30分後、相対流速を測定した。この測定は、相対的に局在化されたCBFを反映する。14の流速の値を対側半球の値のパーセンテージとして示した。
グローバルラボラトリー(Global Laboratory)画像分析プログラム(データ翻訳)を使用して、7ヘマトキシリンおよびエオシン染色した冠状切片上の梗塞体積を測定した。簡単には、コンピュータースクリーンの領域をトレースすることにより、両半球の領域および梗塞領域(mm2)を計算した。梗塞体積(mm3)は適切な面積に断片間の厚さを掛けることにより決定した。梗塞体積は対側半球の梗塞体積のパーセンテージとして示す(間接的な体積の計算)。
神経学的機能回復および体重の分析のため、ANOVAの代わりに、一般化推定方程式(GEE)分析アプローチを使用した。なぜなら、データはANOVAの正規性および等分散の仮定と合わないからであった。下部心室領域、歯状回および線条の同側領域および対側領域との間の細胞増殖の差を試験するために、対応のあるt検定または符号順位検定を使用した。GEE分析アプローチを使用し、同側および対側の下部心室領域、歯状回および線条の細胞増殖に対する処置の効果を研究した。全ての値は平均SEとして表した。統計的有意性はP0.05に設定した。
(細胞増殖に対するシルデナフィルの効果)
発作後、2時間または24時間で開始したシルデナフィル(2mg/kgまたは5mg/kg)で処置された虚血性ラットは、コントロールラットと比較して両半球の歯状回におけるBrdU免疫反応性細胞の数を有意に(P 0.05)増加した(表1)。2mg/kgの用量でのシルデナフィルでの処理(2時間または24時間で)により、同側下部心室領域中のBrdU免疫反応性細胞の数が有意に(P 0.05)増加し(表1)、5mg/kgの用量(2時間で)により、コントロールラットにおけるBrdU免疫反応性細胞の数と比較して、両半球の下部心室領域中のBrdU免疫反応性細胞の数を有意に(P 0.05)増加した(表1)。
シルデナフィルの投与は、同側脳室下領域(図6A)および線条(図6C)のTuJ1免疫反応性細胞の数を大きく増加させた。TuJ1免疫反応性細胞は、同側の線条でクラスターを示した(図6C)。TuJ1免疫反応性細胞のいくつかは、BrdU免疫反応性であった(図6E〜図6G)。定量的測定は、2mg/kgまたは5mg/kgの用量でのシルデナフィルの投与が、同側の脳室下領域および対側の脳室下領域におけるTuJ1免疫反応性細胞の数を、コントロールラットにおける数と比較して、有意に(P=0.05)増加させたことを明らかにした(図6H)。シルデナフィルを用いた処置は、対側半
球の相同組織およびコントロールラットの同側線条の相同組織と比較して、同側の線条のTuJ1細胞の数も有意に増加させた(図6I)。
2mg/kgまたは5mg/kgの用量のシルデナフィルで処置した虚血性ラットは、虚血の開始後2時間で処置を開始した場合、4〜21日間の間のフットフォールトテスト(foot−faule test)(表2)および接着除去テスト(表3)の成績を、コントロールラットと比較して有意に改善した。さらに、2mg/kgおよび5mg/kgの用量のシルデナフィルで処置すると、動物の体重減少量が有意に減少した(表4)。それに対して、虚血後28日で測定した梗塞体積は、これらの群で顕著には異ならなかった(表5)。このことは、梗塞体積が機能的回復の改善に寄与していないことを示唆している。2mg/kgの用量のシルデナフィルも、虚血開始後24時間で開始して、虚血性ラットに投与した。シルデナフィルを受けた虚血性ラットは、脳卒中後7〜28日後の間、フットフォールトテスト(表2)および接着除去テスト(表3)において有意な改善を示した(P=0.05)。シルデナフィルで処置したラットは、また、虚血の4日後、7日後、14日後、21日後および28日後に体重減少量の有意な減少を示した(P=0.05)(表4)。しかし、シルデナフィルで処置した虚血性動物とコントロール群の動物との間で、梗塞体積の有意な違いはなかった(表5)。
非虚血性コントロールラットの、小脳のcGMPレベル(図7A、コントロール)は、皮質レベル(図7B、コントロール)より高かった。この結果はこれまでの研究と一致している。4つの、2mg/kgまたは〜5mg/kgの用量でのシルデナフィルによる7日間の処置により、皮質のcGMPレベル(図7B)が、コントロール群のレベルと比較して有意に増加させた(P=0.05)。
非虚血性ラットに、2mg/kgの用量でシルデナフィルを投与すると、局在性CBFのレベルが、コントロールラットと比較して有意に増加した(図8)。有意に増加した局在性CBFは、シルデナフィルの投与後、70分間持続した(図8)。
RT−PCR分析により、非虚血性ラットの脳組織におけるPDE5A1(257bp)およびPDE5A2(149bp)の両方の転写産物が明らかになった。このことは、PDE5の存在を示している(データ示さず)。バンドの濃さにより測定した(各計測時、n=3)、PDE5A1 mRNAおよびPDE5A2 mRNAのレベルは、MCA閉塞後、非虚血性ラットと比較して、統計的に有意な差を示さなかった。
本発明の研究は、シルデナフィルを用いた、ラットの病巣大脳虚血の処置により、神経学的転帰の回復が有意に改善したこと、ならびに虚血性脳におけるBrdU免疫反応性細胞およびTuJ1免疫反応性細胞の数が有意に増加したことを示している。さらに、シルデナフィルの投与により、皮質のcGMPのレベルが著しく増加した。従って、データは、シルデナフィルの投与から生じるcGMPレベルの増加が、増強された神経学的転帰を媒介することを示している。
るcGMPのさらに活性な分解の結果として、cGMPの基底レベルの減少を示す。老齢の脳のNOおよびcGMP合成の減少は、学習および記憶の過程において重要な機能的な影響を持ち得る。神経発生は、機能的改善と解釈され得る。例えば、歯状回での神経発生速度が高いマウスは、海馬依存的な仕事において高い能力を示す。それに対して、神経発生速度の減少は、そのような仕事における障害と関係している。従って、神経発生の増強は、シルデナフィルで処置した後の機能性回復に寄与し得る。要約すると、本研究の結果は、脳卒中後のシルデナフィルの投与が機能性回復を増強し、ラットにおける神経発生を増強することを示している。
オスWistarラット(n=32)を、中大脳動脈閉塞(MCAo)に供し、4つの処置群へと8匹のラットを無作為化し、脳卒中後1日で処置を開始した。群は以下のものを含んだ:1)リン酸緩衝液生理食塩水(PBS);2)治療量未満(subtherapeutic)の、0.4mg/kgの用量のDETA−NONOate(NN)(IP);3)治療量未満(subtherapeutic)のhMSC(1×106細胞−iv);ならびに4)治療量未満(subtherapeutic)のNNおよびhMSCの組み合わせ。神経学的重症度スケール(18点スケール)(NSS)および接着除去テストからなる機能性転帰の測定を、脳卒中前、処置前ただちに、そして処置後7日目および14日目に行った。データは、処置前に群間でよくバランスをとった(p値>0.30)。NONOによるhMSCの相互作用は、14日で観察された(p値=0.86)。しかし、全体のhMSCのNSSに対する効果は14日目に存在した。hMSC+NONOで処置したラットは、コントロール群のラットと比較して、14日でNSSに対して有意な改善を有した(p値=0.01)。それに対して、低用量hMSCのラットは、コントロールのラットと比較して、14日でNSSに対する境界線の改善を有した(p値=0.05)。コントロールとNONO処置群との間で、14日でNSSの有意な差は検出されなかった(p=0.64)。そしてhMSC処置群とhMSC+NONO処置群との間でも14日でNSSの有意な差は検出されなかった(p=0.48)。同じ処置効果は、14日の接着除去テストのスコアでも観察された;hMSC+NONOで処置したラットは、コントロール群のラットと比較して、14日目で有意な改善を示した(p値=0.01)。低用量(すなわち、治療量未満(subtherapeutic))のhMSCのみで処置したラットにおいて、境界線の改善は14日にあった。そして、治療量未満(subtherapeutic)のNONOのみで処置したラットでは、コントロールのラットと比較して有意な改善はなかった。それぞれp値は0.06および0.64であった。7日では、神経学的機能的改善は、コントロール群のラットと比較して、hMSCおよびNONOの組み合わせで処置したラットについて、NSSでのみ観察された(p値=0.03)。これらのデータは、治療量未満(subtherapeutic)のhMSCおよびNOドナーの治療様式の組み合わせ(DETA−NONOate)が、コントロールのPBS処置した動物と比較して、機能的転帰を顕著に改善することを示唆している。
PBSを用いるMCAoを受けたコントロールラット(34.9±7.4%)と比較して、hMSCで処置したラット(30.7±6.2%)またはNONOateで処置したラット(32.2±6.2%)およびhMSCとNONOateとの組み合わせで処置したラット(28.7±6.7%)では、虚血性損傷による有意な体積の減少は検出されなかった。ヒト染色体(MAB1281)に特異的な抗体を使用して、hMSCを免疫組織化学的に同定した。脳組織内では、hMSCに由来する細胞を、MAB1281染色により、特徴付けた。MAB1281陽性細胞は、hMSC処置していないラットでは、見出されなかった。MAB1281により同定したMSCは、生き残り、レシピエントラットの損傷脳全体に分布した。MAB1281陽性細胞は、同側半球の皮質および線条を含む、多数の領域で観察された。MAB1281陽性hMSCの大多数は、虚血境界領域に位置していた。対側半球では、細胞はほとんど観察されなかった。hMSC群と組み合わせ治療群との間で、MAB1281細胞の数における有意な増加はなかった。これらのデータは、大脳梗塞の体積が、治療の組み合わせにより影響されないこと、および脳に入るMSCの数が、NOドナーの同時投与により変わらないことを示している。
処置後14日間、全ての群にBrdU(腹腔内に、50mg/kg)を毎日注入した。BrdUは、新しく形成されたDNAを標識するチミジンアナログであり、それにより、新しく形成された細胞を同定する。図9は、同側半球脳室下領域において、hMSC(2b、40.6±10.7)または/およびNONOate処置群(図9c、43.6±10.0/切片;図9d、67.4±22.8/切片)のBrdU陽性細胞が、コントロールPBS処置群(図9a、29.8±8.8/切片)と比較して、有意に増加したことを示している(p<0.05)。マクロファージ様細胞の細胞質で見出されたBrdUは計数しなかった。二重染色は、BrdU陽性細胞が、ニューロンマーカーNeuN、ニューロン特異的エノラーゼ(NSE)および星状細胞マーカーGFAPを発現することを示す。NeuNタンパク質およびGFAPタンパク質を発現するBrdU反応性細胞の割合は、それぞれおよそ3%、3%および6%であった。これらのデータは、個々の治療量に満たないNOドナーおよびMSC治療は、PSCコントロール処置した動物と比較して神経発生を有意に増加できなかったが、組み合わせ治療は、虚血性脳において神経発生を有意に促進することを示唆している。
拡大した薄い壁の血管は、「母(mother)」血管と呼ばれ、脳虚血性血管形成の条件下で発見されている。図10は、拡大した血管が、同側半球のコントロールMCAo群と比較して、hMSC処理群およびNONOate処理群におけるBrdU免疫反応性内皮細胞の、顕著な増加(p<0.05)を示したこと(図10a)を示している。BrdU反応性内皮細胞は、hMSCまたはNONOate単独処理群の同側半球と比較して、治療量に満たないhMSC/NONOate組み合わせ処理群の同側半球において顕著に増加した(図10b、p<0.05)。これらのデータは、NOドナーおよびMSC組み合わせ治療が、個々の治療と比較して血管形成を顕著に増加することを示している。
;2)NONOate;3)hMSC;4)hMSC+NONOateに続くMCAo後の虚血性半影における脳血管の立体像を示している。図11Aは、FITC−デキストラン灌流脳微小血管の元の合成像を示す。図11Bおよび図11Cは、元の像由来のコンピューター作成立体像である。図11Bにおける異なる色は、互いに接続していない個々の血管を示す。図11Cにおける緑色および赤色は、それぞれ7.5μm未満(赤色)および7.5μmより大きい(緑色)血管の直径をコードする。立体定量データは、NONOateを含むかまたは含まないhMSC処理により、半影における分岐点の数が、コントロールMCAoを受けたラットの同側半球で検出した数と比較して、顕著に増加した(p<0.05)ことを明らかにした。hMSCまたは/およびNONOate処理群およびPBSコントロール群の同側半球において、毛細血管の断片は、対側半球の相同組織においてよりも顕著に短くなった(p<0.05)。このことは、これらが脳卒中後、同側半球に新しく形成した血管であることを示唆している。hMSC処理後の同側半影における血管の直径は、対側半球の相同性領域およびコントロールMCAo動物と比較して、顕著に増加した(p<0.05)。拡大した血管は、虚血後の毛細血管へ発達し得る。血管表面積は、同側半球におけるコントロールMCAo動物と比較して、NONOateを含むhMSC処理した動物またはNONOateを含まないhMSC処理した動物において顕著に増加した(p<0.05)。まとめて考えると、これらのデータはNONOateを含むかまたは含まないhMSC処理により、虚血性脳における血管形成が増強されることを示している。これらのデータは、BrdU血管形成データを補完する。そして、組み合わせ治療が血管形成を促進することを示唆している。
血管形成および神経発生の誘導と関連したメカニズムへの洞察を得るために、組み合わせ治療が脳における神経向性因子および成長因子の発現を誘導するという事実をテストした。データは、MSC、DETA−NONOate、組み合わせ(MSC+NONO)治療処理後、およびMCAoを受けたPBS処理動物であるコントロールの脳における血管内皮成長因子(VEGF)の量として示す。図13はMCAoコントロール群と比較して、NONOate処理群のhMSCにおいて、内生細胞(ラットVEGF)からのVEGF分泌が顕著に増加したことをサンドイッチELISA法(Sandwich ELISA method)を用いて示している。ラットVEGF分泌は、hMSCのみで処理した群における増加した境界線であった。NONOateのみの単回投与処理は、MCAoコントロール群と比較して、VEGFの顕著な増加を示さなかった。これらのデータは、治療量未満(subtherapeutic)のMSC+NONOの組み合わせ治療が、個々の治療と比較して、VEGF分泌を顕著に増強することを示唆している。
(正常な非虚血性動物における細胞増殖の誘導)
正常な若い成体ラットへ投与されるNOドナーによる、歯状回、嗅球(OB)および下位脳室領域(SVZ)の脳の3つの領域における細胞増殖の誘導に対する効果を試験した。NOドナー、(Z)−1−[N−(2−アミノエチル)−N−(2−アンモニオエチル)アミニオ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート(DETA/NONO−ate)を選択した。なぜなら、この化合物は、生理学的条件下で57時間の半減期を持つ効果の高いNOドナーであるからである(Beckman、1995;Estevezら、1998)。若い雄性ウィスターラット(3〜4ヶ月齢)は、4回の連続した、DETA/NONOateのI.Vポーラス用量(各々0.1mg/kg、15分毎、および全投与量は0.4mg/kg)を第1の実験日に受け、DETA/NONOate(0.4mg/kg)をさらに続く6日間、毎日投与した(腹腔内に)。生理食塩水を受けたラットをコントロール群として使用した。細胞増殖を測定するために、ブロモデオキシウリジン(BrdU)を有糸分裂のラベルとして使用した。最初の実験の日および後の連続した14日間、動物は、毎日腹腔内にBrdU(50mg/kg、Sigma)の注射を受けた。ラットは、処理の14日後および42日後で屠殺した。視覚化を改善するために、コンピューターモニター上で、そして重複抽出を避けるために、1焦点面上でBrdU免疫反応性核を数えた。構造物は、それぞれの切片(OB)の所定の領域を選択することによるか、または、それぞれの切片(SVZおよび歯状回)の完全な構造を分析することによるかのどちらかによって抽出した(Zhangら、2001)。これらの領域における全てのBrdU免疫反応陽性核をBrdU免疫反応性細胞の数/mm2として示した。選択したいくつかの切片の密度を平均化し、それぞれの動物の平均密度値を得た(Zhangら、2001)。
とは、若い動物と比較して、老齢の動物における細胞移動能力が喪失していることに寄与しているかもしれない。
DETA/NONOateの処理が、塞栓性脳卒中を受けた若いラットにおけると同じように、非虚血性の若いラットにおいて細胞増殖および神経発生を誘導することが示されている(Zhangら、2001)。脳卒中後、1日で開始したラットの処理は、顕著な機能性恩恵に形を変えた。従って、データは、中大脳動脈(MCA)の領域を取り囲む主要な虚血性脳卒中の誘導の1日後に動物に投与したとき、NOを放出する薬理学的薬剤が、機能性結果を改善することを示す(Zhangら、2001)。
gら、2001)。脳内のcGMPの増加を誘導する他の方法は、cGMPを分解する酵素の活性を阻害することである。ホスホジエステラーゼ5型(PDE5)酵素は、cGMPの加水分解に高い特異性を持つ(CorbinおよびFrancis、1999;Koteraら、2000)。従って、cGMPの分解を減少する一つの方法、それ故に、脳内のcGMPの量を増加する方法は、PDE5を減少するかまたは、阻害することである。PDE5を阻害する化合物を投与することの効果をテストするために、成体雄性ラットにシルデナフィル(2mg/kg)を、毎日7日間、脳卒中の発症から24時間後に、与えた。図18は、脳内のPDE5の存在を示す。動物にシルデナフィルを与えることにより、一連の機能性結果の測定により測定したとき、機能性結果が顕著に改善した(Zhangら、2002)。他のNOドナーにおいて観察された類似の条件である、脳梗塞の減少なしに、この治療的な恩恵は明らかである。従って、これらのデータは、cGMPが脳卒中後の脳可塑性の重要なメディエーターであり得ることを示している。この可塑性は、機能性反応も改善し得る。
D)を示す。生理食塩水処理群に対して*p<0.05および**p<0.01。各群n=8。
NOおよびcGMPに基づく薬理学的治療が、脳卒中後の機能の回復を増強する、脳における変化を誘導することおよび正常な若いおよび老齢の動物における細胞増殖および神経発生を誘導することを示している。これらのデータは、細胞に基づいた治療を用いた脳の可塑性の促進に関する他の研究とともに、神経変性疾患およびニューロンの傷害を処置するための新しい機会を開く。
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