JP2009256232A - 磁性を有する薬剤、薬剤の誘導システム、並びに磁気検出装置 - Google Patents
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Abstract
Description
(3)Rは、下記式(1)〜(27)のいずれかの化合物から水素が脱離した置換基である、前記(1)に記載の磁性を有する薬剤;
(5)前記個体外表面から前記組織又は患部に磁場を与えて、当該組織又は患部に誘導されるようにした、前記(4)に記載の磁性を有する薬剤;
(6)前記個体の前記組織内又は患部内に磁力発生手段を適用し、当該組織又は前記患部に誘導されるようにした、前記(5)に記載の磁性を有する薬剤;
(7)前記個体の前記組織内又は患部内に前記個体の体液を供給する血管等の経路の途中に磁力発生手段を配置して、下流の組織又は患部に誘導されるようにした、前記(4)に記載の磁性を有する薬剤;
(8)体内に投与した前記(1)〜(3)の何れかに記載の磁性を有する薬剤を、当該薬剤の磁性を利用して所定の患部に誘導する誘導システムであって、個体の表面又は当該個体の組織又は患部に対して磁場を発生する手段を配置するようにした、薬剤の誘導システム;
(9)体内に投与した前記(1)〜(3)の何れかに記載の磁性を有する薬剤を、当該薬剤の磁性を利用して所定の患部に誘導する誘導システムであって、個体に対して磁場を発生する手段と、当該磁場を前記固定の目的とする組織又は患部に誘導する手段と、を備える、薬剤の誘導システム;
(10)前記磁場を発生する手段は、2つの磁石を対にして当該二つの磁石の間に前記目的とする組織又は患部を置き、当該組織又は患部に磁束を集中させるように構成されてなる前記(8)又は(9)に記載の薬剤の誘導システム;
(11)前記目的とする組織又は患部はMRI又はCTによって同定されてなる前記(8)〜(10)の何れかに記載の薬剤の誘導システム;
(12)体内に投与した前記(1)〜(3)の何れかに記載の磁性を有する薬剤の磁性又は発光を検出することにより、当該薬剤の体内動態を検知することを特徴とする磁気検出装置;
(13)前記磁性を磁気共鳴誘導又は発光によって検出する前記(12)に記載の磁気検出装置;を提供する。
医薬化合物自体に磁性をもたせた有機磁性体とした場合に比べて、高い磁化率を得ることができるため、体表面に存在する患部に限られず広範囲へのドラッグ・デリバリへ適用することができる。
その結果、従来における、経口投与が困難なこと、担体分子が一般的に巨大であること、あるいは薬剤分子との結合強度、親和性に技術的な問題があることを解決することができ、実用化が容易なドラッグ・デリバリ・システムを実現することが出来る。
前記医薬化合物としては、任意の薬剤を用いることができ、例えば、磁性をもたない市販の薬剤や有機磁性体を用いることができる。医薬化合物として有機磁性体を用いた場合には、運び屋としての酸化鉄が医薬化合物から離れた後も医薬化合物自体の磁性を利用することができる。
別の使用例としては、前記個体外表面から前記組織又は患部に磁場を与えて、薬剤を当該組織又は患部に誘導させることができる。
別の使用例としては、前記個体の組織内又は患部内に磁力発生手段を適用し、薬剤を当該組織又は患部に誘導させることができる。
別の使用例としては、前記個体の組織内又は患部内に当該個体の体液を供給する血管等の経路の途中に磁力発生手段を配置して、薬剤を下流の組織又は患部に誘導させることができる。
本発明の磁性を有する薬剤は、体内に投与した当該薬剤を、当該薬剤の磁性を利用して所定の患部に誘導する誘導システムであって、個体の表面、組織、又は患部に対して磁場を発生する手段を配置するようにした、薬剤の誘導システム、に適用することができる。
本発明の磁性を有する薬剤は、体内に投与した当該薬剤を、当該薬剤の磁性を利用して所定の患部に誘導する誘導システムであって、個体に対して磁場を発生する手段と、当該磁場を前記個体の目的とする組織又は患部に誘導する手段と、を備える薬剤の誘導システム、に適用することができる。
前記磁場を発生する手段は、2つの磁石を対にして当該二つの磁石の間に前記目的とする組織又は患部を置き、当該組織又は患部に磁束を集中させるように構成されてなることが好ましい。
前記目的とする組織又は患部は、MRI又はCTによって同定されることが好ましい。
本発明の磁性を有する薬剤は、体内に投与した当該薬剤の磁性を検出することにより、当該薬剤の体内動態を検知する磁気検出装置に適用することができる。
本発明の磁性を有する薬剤は、体内に投与した当該薬剤の磁性を検出することにより、当該薬剤の体内分布を検知し、当該薬剤が示す生体機能(脳機能など)を定量する磁気検出装置に適用することができる。
前記薬剤の磁性は、磁気共鳴誘導によって検出することが好ましい。
本発明の磁性を有する薬剤の別の使用例として、がん組織に誘導された薬剤に電磁波を当てることにより、局所的に温度を上昇させ、がん細胞を特異的に殺傷することができる。
このように、本発明の薬剤を用いれば、一つの薬剤で機能診断及びがん化学療法を同時に行うことができる。例えば、がん化学療法が可能なMRI診断装置、磁場誘導ドラッグ・デリバリ・システムを提供することができる。
鉄サレン錯体の合成を、次のように行った。
得られた化合物は、シリカジェルを使ったフラッシュクロマトグラフィーを2回行うことで、10gのcompound 6(収率58%)が得られた。
得られた化合物はジエチルエーテルとパラフィンの溶液中で再結晶させ高速液化クロマトグラフィーで測定したところ純度95%以上のcomplex A(鉄サレン錯体)5.7g(収率62%)を得た。
その後、薬剤をアシル化、Et3N等の反応ステップを経ることにより、両端に薬剤を結合させた。
化学式1の化合物とそれに結合する化合物の電子の移動を第一原理計算でもとめた。
このコンピュータシミュレーションを実現するシステムは。コンピュータとしての公知のハードウエア資源を備えるものであって、すなわち、メモリと、CPUなどの演算回路を備える演算装置と、演算結果を出力する表示手段を備えている。メモリは、既存の有機化合物または3次元構造を特定するデータと、コンピュータシミュレーションを実現するソフトウエア・プログラムを備えている。このソフトウエアは、各化合物の側鎖を追加・変更・削除し、所定の側鎖間で架橋し、記述のスピン電荷密度の高い領域を計算し、構造全体としてのスピン電荷密度を決定可能なものである。このプログラムとして、例えば、市販品(Dmol3、アクセルリス社)を利用することができる。
ユーザーは化合物について、側鎖を追加する位置を入力し、または側鎖を変更し、あるいは削除するものを選択し、さらに、架橋を形成すべき箇所をメモリの支援プログラムを利用して演算装置に指定する。演算装置はこの入力値を受けて、スピン電荷密度を演算してその結果を表示画面に出力する。また、ユーザが既存の化合物の構造データをコンピュータシステムに追加することによって、既知の化合物についてのスピン電荷密度を得ることが出来る。
磁性を有する薬の設計方法については PCT/JP2007/63011と同様である。
表1に電荷移動の計算結果を示す。表1においては、鉄サレン錯体(化学式(I))とそのR部分に結合する電荷移動を示した。マイナスは電子が増加していることを示す。プラスは電子が減っていることを示す。
Claims (13)
- Rは、電荷移動が0.5電子(e)未満である、請求項1記載の磁性を有する薬剤。
- 個体に投与された際に、当該個体に加えた磁界によって目的とする組織或いは患部に誘導されるように構成した、請求項1〜3の何れかに記載の磁性を有する薬剤。
- 前記個体外表面から前記組織又は患部に磁場を与えて、当該組織又は患部に誘導されるようにした、請求項4に記載の磁性を有する薬剤。
- 前記個体の前記組織内又は患部内に磁力発生手段を適用し、当該組織又は前記患部に誘導されるようにした、請求項5に記載の磁性を有する薬剤。
- 前記個体の前記組織内又は患部内に前記個体の体液を供給する血管等の経路の途中に磁力発生手段を配置して、下流の組織又は患部に誘導されるようにした、請求項4に記載の磁性を有する薬剤。
- 体内に投与した請求項1〜3の何れかに記載の磁性を有する薬剤を、当該薬剤の磁性を利用して所定の患部に誘導する誘導システムであって、
個体の表面又は当該個体の組織又は患部に対して磁場を発生する手段を配置するようにした、薬剤の誘導システム。 - 体内に投与した請求項1〜3の何れかに記載の磁性を有する薬剤を、当該薬剤の磁性を利用して所定の患部に誘導する誘導システムであって、
個体に対して磁場を発生する手段と、当該磁場を前記固定の目的とする組織又は患部に誘導する手段と、を備える、薬剤の誘導システム。 - 前記磁場を発生する手段は、2つの磁石を対にして当該二つの磁石の間に前記目的とする組織又は患部を置き、当該組織又は患部に磁束を集中させるように構成されてなる請求項8又は9に記載の薬剤の誘導システム。
- 前記目的とする組織又は患部はMRI又はCTによって同定されてなる請求項8〜10の何れかに記載の薬剤の誘導システム。
- 体内に投与した請求項1〜3の何れかに記載の磁性を有する薬剤の磁性又は発光を検出することにより、当該薬剤の体内動態を検知することを特徴とする磁気検出装置。
- 前記磁性を磁気共鳴誘導又は発光によって検出する請求項12に記載の磁気検出装置。
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US9603940B2 (en) | 2010-04-06 | 2017-03-28 | Ihi Corporation | Metal salen complex derivative and process for production thereof |
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