JP2009255580A - 画像形成装置 - Google Patents

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淳憲 北澤
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Abstract

【課題】画像形成装置の発光素子として有機EL素子を用いた際に、安定した光量が得られると共に、素子の発光バラツキを低減する。
【解決手段】図1(d)に示した画素ラインWxの画素Sb、Seが印字部、画素Sa、Sc、Sdが非印字部とする。領域Exには、1ラインの発光素子ラインU1、U2、U3が副走査方向Xに3列配置されている。多重露光を行う際に、(a)では1主走査中に非印字部に対応する有機EL素子Raを点灯する。(b)では1主走査中に非印字部に対応する有機EL素子Rgを点灯し、(c)では1主走査中に非印字部に対応する有機EL素子Rlを点灯する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ラインヘッドに発光素子として有機EL素子を用いた際に、安定した光量が得られると共に、素子の発光バラツキを低減する構成とした、画像形成装置に関するものである。
従来、像担持体上に潜像を書き込む画像形成装置において、書き込み手段として、LEDアレイを用いたものが知られている。そして、LEDのような発光素子を複数列配置したラインヘッドが開発されている。特許文献1には、このようなラインヘッドの例が記載されている。
EL素子に対して駆動パルスの印加が終了すると残光が低下する。このため、長時間の無発光の後に駆動パルスが印加されると、所定の光強度に達するまでの時間が長くなり、また、1回の発光光量も少なくなる。そこで、前記従来例には、少なくとも一主走査中に一回補助パルスを印加し、EL素子を全点灯させることが記載されている。
このようにして、長時間無発光の後でも短時間で所定の光強度が得られるようにしている。この補助パルスは、感光体を露光しない程度で、かつ、残光が生じる大きさに設定している。すなわち、残光が存在する状態から発光動作を開始させるようにしている。
特許第2534364号公報
このように、前記従来例においては、印字部のEL素子に対して残光が発生する程度の大きさの補助パルスを印加している。しかしながら、非印字部のEL素子には補助パルスが印加されないので、EL素子に温度差が生じる。有機EL素子は、温度変化により発光光量が変化してしまうという特性がある。
すなわち、発光素子として有機EL素子を用いる場合には、電圧が印加されて温度が上昇すると発光光量が増加し、有機EL素子の温度が変わると発光光量が変化する。このため発光する有機EL素子と発光しない有機EL素子が混在していると、素子毎の温度の相違により発光にバラツキが生じるという問題があった。また、有機EL素子は発光により劣化が促進されるが、発光する有機EL素子と発光しない有機EL素子が混在していると、素子毎の劣化の度合いが異なりこの面からも発光光量が変化するという問題があった。
本発明は、従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものである。その目的は、ラインヘッドに発光素子として有機EL素子を用いた際に、安定した光量が得られると共に、素子の発光バラツキを低減する構成とした画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成する本発明の画像形成装置は、像担持体の主走査に複数の有機EL素子を配置した発光素子ラインを副走査方向に複数列設け、有機EL素子を2次元的に配置した像書込手段と、前記有機EL素子の制御部とを有し、前記制御部は、少なくとも1つの有機EL素子を、多重露光で同一ドットの潜像を形成するための少なくとも1つの有機EL素子を、1主走査中に少なくとも1回は点灯することを特徴とする。ここで、前記有機EL素子は、印字部に対応するものも、非印字部または非画像形成部に対応するものも含まれる。このように、すべての有機EL素子は点灯される機会があるので、各有機EL素子は温度上昇して温度差が少なくなる。したがって、有機EL素子の発光のバラツキが低減される。また、すべての有機EL素子は点灯される機会があるので、各有機EL素子の劣化の度合いを均等にして、発光光量の変化を抑制することができる。
また、本発明は、前記制御部は、非印字部または非画像形成部に対応する有機EL素子を1主走査中に少なくとも1回は点灯させることを特徴とする。このように、非印字部または非画像形成部に対応する1つの有機EL素子のみを点灯させるので、感光体に形成される潜像はトナー像が形成されることはなく、画像形成には影響を及ぼさない。したがって、画像形成に関係なく有機EL素子の温度を上昇させることができ、安定した光量が得られる。また、非印字部または非画像形成部に対応する有機EL素子は均等に点灯され、印字部の有機EL素子との温度差を少なくすることができる。このため、発光光量の変化を抑制することができる。
また、本発明は、像担持体の主走査に複数の有機EL素子を配置した発光素子ラインを副走査方向に複数列設け、有機EL素子を2次元的に配置した像書込手段と、前記有機EL素子の制御部とを有し前記制御部は、前記主走査方向に配置された発光素子ラインの少なくとも1ラインを全点灯し、所定間隔で全点灯するラインを切り替えることを特徴とする。このため、1ライン単位で有機EL素子を全点灯するので、全点灯制御が容易に行える。また、感光体に形成される潜像はトナー像が形成されることはないので、画像形成に影響を及ぼすことなく安定した光量が得られる。
また、本発明は、前記制御部は、前記1主走査中に1回、1発光素子ラインの有機EL素子を全点灯させ、各主走査毎に全点灯するラインを変更することを特徴とする。このため、多重露光の全有機EL素子に均等に、かつ同じ時間だけで全点灯させることができる。また、全有機EL素子で光量が安定する。
また、本発明は、前記制御部は、ロッドレンズアレイの中心軸に対して、遠い位置に配置された発光素子ラインの有機EL素子ほど全点灯の回数を増加させることを特徴とする。有機EL素子においては、ロッドレンズアレイの中心軸から離れている周辺部の素子ほど光量バラツキが大きい傾向がある。しかしながら、このように、周辺部の有機EL素子の全点灯の回数を増加させることにより、光量のバラツキを低減することができる。
また、本発明は、前記制御部は、1ページの画像形成時には、各ページの画像形成毎に全点灯する発光素子ラインを変更することを特徴とする。このため、ページ単位で全点灯制御の発光素子ラインを切り替えるので、有機EL素子の全点灯制御を簡単に行うことができる。
また、本発明は、前記有機EL素子をアクティブマトリックス方式の駆動回路に接続したことを特徴とする。このため、スイッチングTFTが外乱などの影響でオフした際にも、有機EL素子は発光を維持するという利点がある。また、1画素を重ね打ちして多重記録する際に、記憶手段から次段の記憶手段へ画像データを転送中でも発光を維持するので画素を高輝度で露光できる。
また、本発明は、前記制御を行う有機EL素子を設けたラインヘッドを像担持体カートリッジに装着して、前記像担持体の周囲に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段を配した状態で、前記像担持体上に形成されたトナー像を転写媒体に転写させるようにしたことを特徴とする。このため、像書込手段の発光量の変動がなく、画質にむらのない画像形成装置を構成することができる。
本発明の構成を示す説明図である。 本発明の他の実施形態を示す説明図である。 本発明の他の実施形態を示す説明図である。 制御部の概略構成を示すブロック図である。 図2の制御回路の例を示すブロック図である。 シフトレジスタを用いた例を示すブロック図である。 有機EL素子の駆動回路を示す回路図である。 画像形成装置の全体構成例を示す模式的断面図である。 図5の一部を拡大して示す断面図である。 ラインヘッドの例を示す斜視図である。 ラインヘッドを部分的に示す平面図である。 画像形成装置の他の例を示す模式的断面図である。
以下、本発明の画像形成装置の1実施例を図面を参照しつつ説明する。図8は、本発明が適用される画像形成装置の1実施例の全体構成を示す模式的断面図である。本実施例は、転写ベルトとして中間転写ベルトを用いる例である。図8において、画像形成装置1は、ハウジング本体2と、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された第1の開閉部材3と、ハウジング本体2の上面に開閉自在に装着された第2の開閉部材(排紙トレイを兼用している)4とを有している。さらに、第1の開閉部材3には、ハウジング本体2の前面に開閉自在に装着された開閉蓋3’を備え、開閉蓋3’は第1の開閉部材3と連動して、または独立して開閉可能にされている。
ハウジング本体2内には、電源回路基板及び制御回路基板を内蔵する電装品ボックス5、画像形成ユニット6、送風ファン7、転写ベルトユニット9、給紙ユニット10が配設され、第1の開閉部材3内には、二次転写ユニット11、定着ユニット12、記録媒体搬送手段13が配設されている。画像形成ユニット6及び給紙ユニット10内の消耗品は、本体に対して着脱可能な構成であり、その場合には、転写ベルトユニット9を含めて取り外して修理又は交換を行うことが可能な構成になっている。
ハウジング本体2の前面下部の両側には、回動軸3bを介して第1の開閉部材3がハウジング本体2に開閉自在に装着されている。転写ベルトユニット9は、ハウジング本体2の下方に配設され図示しない駆動源により回転駆動される駆動ローラ14と、駆動ローラ14の斜め上方に配設される従動ローラ15と、この2本のローラ14、15間に張架されて図示矢印方向へ循環駆動される中間転写ベルト16と、中間転写ベルト16の表面に離当接されるクリーニング手段17とを備えている。従動ローラ15及び中間転写ベルト16が駆動ローラ14に対して図で左側に傾斜する方向に配設されている。これにより、中間転写ベルト16駆動時のベルト搬送方向が下向きになるベルト面16aが下方に位置するようにされている。
上記駆動ローラ14及び従動ローラ15は、支持フレーム9aに回転自在に支持され、支持フレーム9aの下端には回動部9bが形成され、この回動部9bはハウジング本体2に設けられた回動軸(回動支点)2bに嵌合され、これにより、支持フレーム9aはハウジング本体2に対して回動自在に装着されている。また、支持フレーム9aの上端にはロックレバー9cが回動自在に設けられ、ロックレバー9cはハウジング本体2に設けられた係止軸2cに係止可能にされている。駆動ローラ14は、二次転写ユニット11を構成する二次転写ローラ19のバックアップローラを兼ねている。また、従動ローラ15をクリーニング手段17のバックアップローラとして兼用させている。クリーニング手段17は、搬送方向下向きのベルト面16a側に設けられている。
中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16a裏面には、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20に対向して板バネ電極からなる一次転写部材21がその弾性力で当接され、一次転写部材21には転写バイアスが印加されている。転写ベルトユニット9の支持フレーム9aには、駆動ローラ14に近接してテストパターンセンサ18が設置されている。このテストパターンセンサ18は、中間転写ベルト16上の各色トナー像の位置決めを行うとともに、各色トナー像の濃度を検出し、各色画像の色ずれや画像濃度を補正するためのセンサである。画像形成ユニット6は、複数(本実施例では4つ)の異なる色の画像を形成する画像形成ステーションY(イエロー用)、M(マゼンタ用)、C(シアン用)、K(ブラック用)を備え、各画像形成ステーションY、M、C、Kにはそれぞれ、感光ドラムからなる像担持体20と、像担持体20の周囲に配設された、帯電手段22、像書込手段23及び現像手段24を有している。
帯電手段22、像書込手段23及び現像手段24は、画像形成ステーションYのみに図番を付けて、他の画像形成ステーションについては構成が同一のため、図番を省略する。また、各画像形成ステーションY、M、C、Kの配置順序は任意である。そして、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20が中間転写ベルト16の搬送方向下向きのベルト面16aに当接されるようにされ、その結果、各画像形成ステーションY、M、C、Kも駆動ローラ14に対して図で左側に傾斜する方向に配設されることになる。像担持体20は、図示矢印に示すように中間転写ベルト16の搬送方向に回転駆動される。
帯電手段22は、高電圧発生源に接続された導電性ブラシローラで構成され、ブラシ外周が感光体である像担持体20に対して、逆方向で、かつ、2〜3倍の周速度で当接回転して像担持体20の表面を一様に帯電させる。また、本実施例のように、クリーナレス構成の画像形成装置にこのような導電性ブラシローラを用いる場合には、非画像形成時にブラシローラへトナーの帯電極性と同極性のバイアスを印加することで、ブラシローラに付着した転写残りトナーを像担持体20に放出させ、一次転写部で中間転写ベルト16上に転写して、中間転写ベルト16のクリーニング手段17で回収する構成とすることができる。
像書込手段23は、有機EL発光素子を像担持体20の軸方向に列状に配列した有機ELアレイ露光ヘッドを用いている。有機ELアレイ露光ヘッドは、レーザー走査光学系よりも光路長が短くてコンパクトであり、像担持体20に対して近接配置が可能であり、装置全体を小型化できるという利点を有する。各画像形成ステーションのY、M、C、Kの像担持体20、帯電手段22及び像書込手段23を1つの像担持体ユニット25としてユニット化している。そして、転写ベルトユニット9と共に支持フレーム9aに交換可能にすることにより、有機ELアレイ露光ヘッドの像担持体20に対する位置決めを保持する構成としている。また、像担持体ユニット25の交換時には有機ELアレイ露光ヘッドを含めて交換する構成としている。
次に、現像手段24の詳細について、画像形成ステーションKを代表して説明する。現像手段24は、トナー(図のハッチング部)を貯留するトナー貯留容器26と、このトナー貯留容器26内に形成されたトナー貯留部27と、トナー貯留部27内に配設されたトナー撹拌部材29と、トナー貯留部27の上部に区画形成された仕切部材30を有している。
また、仕切部材30の上方に配設されたトナー供給ローラ31と、仕切部材30に設けられトナー供給ローラ31に当接されるブレード32と、トナー供給ローラ31及び像担持体20に当接するように配設される現像ローラ33と、現像ローラ33に当接される規制ブレード34とが設けられている。像担持体20は中間転写ベルト16の搬送方向に回転され、現像ローラ33及び供給ローラ31は、図示矢印に示すように、像担持体20の回転方向とは逆方向に回転駆動され、一方、撹拌部材29は供給ローラ31の回転方向とは逆方向に回転駆動される。
トナー貯留部27において撹拌部材29により撹拌、運び上げられたトナーは、仕切部材30の上面に沿ってトナー供給ローラ31に供給され、供給されたトナーはブレード32と摺擦して供給ローラ31の表面凹凸部への機械的付着力と摩擦帯電力による付着力によって、現像ローラ33の表面に供給される。現像ローラ33に供給されたトナーは規制ブレード34により所定厚さの層厚に規制され、薄層化したトナー層は、像担持体20へと搬送されて現像ローラ33と像担持体20が接触して構成するニップ部及びこの近傍で像担持体20の潜像部を現像する。
像担持体20と対向する側の現像ローラ33、トナー供給ローラ31及び現像ローラ33と規制ブレード34の当接部がトナー貯留部27内のトナーに埋没しない構成としている。この構成によって、貯留トナーの減少によって現像ローラ33に対する規制ブレード34の当接圧力の変動を防ぐことができると共に、規制ブレード34によって現像ローラ33から掻き落とされた余剰トナーがトナー貯留部27へ落下するので、現像ローラ33のフィルミングを防ぐことができる。
トナー貯留部27へ戻ったトナーは撹拌部材29によってトナー貯留部27内のトナーと撹拌され、撹拌部材29によって再度、供給ローラ31近傍のトナー導入部へ供給される。したがって、余剰トナーを供給ローラ31と現像ローラ33の摺擦部や現像ローラ33と規制ブレード34の当接部に渋滞させずに下部へ落下させてトナー貯留部27のトナーと撹拌を行うので、現像手段内のトナーの劣化が徐々に進行し、現像手段の交換直後に急激な画質変化が発生することを防ぐことができる。
また、給紙ユニット10は、記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット35と、給紙カセット35から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ36とからなる給紙部を備えている。第1の開閉部材3内には、二次転写部への記録媒体Pの給紙タイミングを規定するレジストローラ対37と、駆動ローラ14及び中間転写ベルト16に圧接される二次転写手段としての二次転写ユニット11と、定着ユニット12と、記録媒体搬送手段13と、排紙ローラ対39と、両面プリント用搬送路40を備えている。
定着ユニット12は、ハロゲンヒータ等の発熱体を内蔵して回転自在な加熱ローラ45と、この加熱ローラ45を押圧付勢する加圧ローラ46と、加圧ローラ46に揺動可能に配設されたベルト張架部材47と、加圧ローラ45とベルト張架部材47間に張架された耐熱ベルト49を有している。記録媒体に二次転写されたカラー画像は、加熱ローラ45と耐熱ベルト49で形成するニップ部で所定の温度で記録媒体に定着される。
本実施例においては、中間転写ベルト16の斜め上方に形成される空間、換言すれば、中間転写ベルト16に対して画像形成ユニット6と反対側の空間に定着ユニット12を配設することが可能になり、電装品ボックス5、画像形成ユニット6及び中間転写ベルト16への熱伝達を低減することができ、各色の色ずれ補正動作を行う頻度を少なくすることができる。
以上のような本実施例の画像形成装置全体の作動の概要は次の通りである。(1)図示しないホストコンピュータ等(パーソナルコンピュータ等)からの印字指令信号(画像形成信号)が電装品ボックス5内の制御回路に入力されると、各画像形成ステーションY、M、C、Kの像担持体20、現像手段24の各ローラ、及び中間転写ベルト16が回転駆動される。(2)像担持体20の表面が帯電手段22によって一様に帯電される。
(3)各画像形成ステーションY、M、C、Kにおいて一様に帯電した像担持体20の表面に、像書込手段23によって各色の画像情報に応じた選択的な露光がなされて、各色用の静電潜像が形成される。(4)それぞれの像担持体20に形成された静電潜像が現像手段24によりトナー像が現像される。
(5)中間転写ベルト16の一次転写部材21には、トナーの帯電極性と逆極性の一次転写電圧が印加され、像担持体20上に形成されたトナー像が一次転写部において中間転写ベルト16の移動に伴って順次、中間転写ベルト16上に重ねて転写される。(6)この一次画像を一次転写した中間転写ベルト16の移動に同期して、給紙カセット35に収納された記録媒体Pが、レジストローラ対37を経て二次転写ローラ19に給送される。
(7)一次転写画像は、二次転写部位で記録媒体と同期合流し、押圧機構によって中間転写ベルト16の駆動ローラ14に向かって押圧された二次転写ローラ19で、一次転写画像とは逆極性のバイアスが印加され、中間転写ベルト16上に形成された一次転写画像は、同期給送された記録媒体に二次転写される。
(8)二次転写における転写残りのトナーは、従動ローラ15方向へと搬送されて、このローラ15に対向して配置したクリーニング手段17によって掻き取られ、そして、中間転写ベルト16はリフレッシュされて再び上記サイクルの繰り返しを可能にされる。(9)記録媒体が定着手段12を通過することによって記録媒体上のトナー像が定着し、その後、記録媒体が所定の位置に向け(両面印刷でない場合には排紙トレイ4に向け、両面印刷の場合には両面プリント用搬送路40に向け)搬送される。
図9は、図8の像担持体20近傍の部分的な断面図である。像担持体ユニット25は、中間転写ベルト16に接する側が開口した不透明な金属板等からなるケース50中に、相互に離間して平行に画像形成ステーションY、M、C、Kの4本の像担持体(感光体ドラム)20が回転可能に支持されている。
各像担持体20の所定位置で当接回転するように帯電手段22の導電性ブラシローラが支持されており、帯電手段22の下流側に各々有機ELアレイ露光ヘッドからなる像書込手段23が各像担持体20に位置決めしてそれに平行に支持されている。像書込手段23の下流側のケース50の壁面には、各像担持体20に対応して現像手段24の現像ローラ33を当接させる開口51が設けられている。各開口51と像書込手段23の間には、ケース50の遮蔽部分52が残されており、また、帯電手段22と像書込手段23の間にケース50の遮蔽部分53が残されている。
この遮蔽部分52、53、特に、開口51と像書込手段23の間の遮蔽部分52が像書込手段23中の有機EL材料からなる発光部へ外から紫外線が達するのを防いでいる。54は、有機EL発光素子アレイ56を前面から覆う屈折率分布型ロッドレンズアレイ55が汚れた場合に、拭き取りを行うクリーニングパッドである。クリーニングパッド54は、図示を省略した把手により往復動される。
図10は、像書込手段23を拡大して示すラインヘッドの概略の斜視図である。図10においては、像書込手段23に設けるラインヘッドの細部が示されている。像担持体ユニット25に取り付けられた各像担持体(感光体ドラム)20に対して、像書込手段23を正確に位置決めするための機構が示されている。像担持体20は、その軸により像担持体ユニット25のケース50内に回転可能に取り付けられている。
一方、有機EL発光素子アレイ61は、長尺のハウジング60中に保持されている。長尺のハウジング60の両端に設けた位置決めピン69をケース50の対向する位置決め穴に嵌入させると共に、長尺のハウジング60の両端に設けたねじ挿入孔68を通して固定ねじをケース50のねじ穴にねじ込んで固定することにより、各像書込手段23が所定位置に固定される。
像書込手段23は、ガラス基板62上に有機EL発光素子アレイ61の発光部63を載置し、同じガラス基板62上に形成されたTFT71により駆動される。屈折率分布型ロッドレンズアレイ65は結像光学系を構成し、発光部63の前面に配置される屈折率分布型ロッドレンズ65’を俵積みしている。
60はハウジング、66はカバーである。ハウジング60は、ガラス基板62の周囲を覆い、像担持体20に面した側は開放する。このようにして、屈折率分布型ロッドレンズ65’から像担持体20に光線を射出する。ハウジング60のガラス基板62の端面と対向する面には、光吸収性の部材(塗料)が設けられている。
図11は、ラインヘッドを部分的に示す平面図である。図11において、ロッドレンズアレイ65は、ロッドレンズ65a〜65eを2列に千鳥状に配置している。81〜87は、各ライン0.3〜−0.3内に複数の発光素子が配列された発光素子ラインである。
この例では、ロッドレンズアレイ65のセンターライン(中心軸)C.Lに対して対称の位置に、同じ大きさの発光素子からなる発光素子ライン81〜87を配置する。すなわち、発光素子ライン81と87は中心軸に対して対称の位置に配置される。また、発光素子ライン82と86、83と85も中心軸に対して対称の位置に配置される。このようにして図11の例では、各発光素子ライン81〜87が画像領域の全域を露光可能な発光素子列として、像担持体の副走査方向に並列に複数列配置されている。
また、各発光素子ライン間の距離を等しく配置している。このため、各発光素子ラインを用いて画素の多重記録を行う際に、像担持体を移動させるタイミングと、前に発光した発光素子ラインから次の発光素子ラインに切り替えて発光させるタイミングをすべての発光素子ラインで同じタイミングとすることができるので、制御が簡単に行える。
また、図11の例では、ロッドレンズアレイ65の中心軸C.L上にも発光素子ライン84を配置している。このため、多重露光を行う際に、中心軸上の発光素子ラインを基準として副走査方向の発光タイミングを制御することができるので、制御回路の構成が簡単になる。
次に、本発明に係る画像形成装置の他の実施の形態について説明する。図12は、本発明が適用される画像形成装置の構成図である。図12において、画像形成装置160には主要構成部材として、ロータリ構成の現像装置161、像担持体として機能する感光体ドラム165、有機ELアレイが設けられている像書込手段167、中間転写ベルト169、用紙搬送路174、定着器の加熱ローラ172、給紙トレイ178が設けられている。
現像装置161は、現像ロータリ161aが軸161bを中心として矢視A方向に回転する。現像ロータリ161aの内部は4分割されており、それぞれイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の像形成ユニットが設けられている。162a〜162dは、前記4色の各像形成ユニットに配置されており、矢視B方向に回転する現像ローラ、163a〜163dは、矢視C方向に回転するトナ−供給ローラである。また、164a〜164dはトナーを所定の厚さに規制する規制ブレードである。
165は、前記のように像担持体として機能する感光体ドラム、166は一次転写部材、168は帯電器、167は像書込手段で有機ELアレイが設けられている。感光体ドラム165は、図示を省略した駆動モータ、例えばステップモータにより現像ローラ162aとは逆方向の矢視D方向に駆動される。
中間転写ベルト169は、従動ローラ170bと駆動ローラ170a間に張架されており、駆動ローラ170aが前記感光体ドラム165の駆動モータに連結されて、中間転写ベルトに動力を伝達している。当該駆動モータの駆動により、中間転写ベルト169の駆動ローラ170aは感光体ドラム165とは逆方向の矢視E方向に回動される。
用紙搬送路174には、複数の搬送ローラと排紙ローラ対176などが設けられており、用紙を搬送する。中間転写ベルト169に担持されている片面の画像(トナー像)が、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に転写される。二次転写ローラ171は、クラッチにより中間転写ベルト169に離当接され、クラッチオンで中間転写ベルト169に当接されて用紙に画像が転写される。
上記のようにして画像が転写された用紙は、次に、定着ヒータHを有する定着器で定着処理がなされる。定着器には、加熱ローラ172、加圧ローラ173が設けられている。定着処理後の用紙は、排紙ローラ対176に引き込まれて矢視F方向に進行する。この状態から排紙ローラ対176が逆方向に回転すると、用紙は方向を反転して両面プリント用搬送路175を矢視G方向に進行する。177は電装品ボックス、178は用紙を収納する給紙トレイ、179は給紙トレイ178の出口に設けられているピックアップローラである。
用紙搬送路において、搬送ローラを駆動する駆動モータは、低速のブラシレスモータが用いられる。また、中間転写ベルト169は色ずれ補正などが必要となるのでステップモータが用いられている。これらの各モータは、図示を省略している制御手段からの信号により制御される。
図の状態で、イエロー(Y)の静電潜像が感光体ドラム165に形成され、現像ローラ62aに高電圧が印加されることにより、感光体ドラム165にはイエローの画像が形成される。イエローの裏側および表側の画像がすべて中間転写ベルト169に担持されると、現像ロータリ161aが矢視A方向に90度回転する。
中間転写ベルト169は1回転して感光体ドラム165の位置に戻る。次にシアン(C)の2面の画像が感光体ドラム165に形成され、この画像が中間転写ベルト169に担持されているイエローの画像に重ねて担持される。以下、同様にして現像ロータリ161の90度回転、中間転写ベルト169への画像担持後の1回転処理が繰り返される。
4色のカラー画像担持には中間転写ベルト169は4回転して、その後に更に回転位置が制御されて二次転写ローラ171の位置で用紙に画像を転写する。給紙トレイ178から給紙された用紙を搬送路174で搬送し、二次転写ローラ171の位置で用紙の片面に前記カラー画像を転写する。
片面に画像が転写された用紙は前記のように排紙ローラ対176で反転されて、搬送径路で待機している。その後、用紙は適宜のタイミングで二次転写ローラ171の位置に搬送されて、他面に前記カラー画像が転写される。ハウジング180には、排気ファン181が設けられている。
図4は、本発明の有機EL素子を制御する制御機構の例を示すブロック図である。図4において、95は画像形成装置の本体コントローラ、90はラインヘッドの制御部である。制御部90には、制御回路91、駆動回路92、有機EL素子を用いた発光素子93、メモリー94が設けられている。
本体コントローラ95は画像データを形成し、当該画像データを制御回路91に送信する。制御回路91は各発光素子93の発光量に応じた制御信号を形成し、TFT(Thin Film Transistor)などで構成される駆動回路92を付勢する。メモリー94には各発光素子の発光量を記憶する。
このように、各発光素子毎の発光量をメモリー94に記憶しているので、選択された発光素子毎に発光量を制御することができる。なお、前記メモリー94を画像形成装置本体側に設置することもできる。この場合には、ラインヘッドを小型化できるという利点がある。
図5は、図4の制御回路の一例を示すブロック図である。図5において、制御回路91は、データ処理手段91aと補助パルス制御手段91bを有している。データ処理手段91aは、本体コントローラ95から送信された印刷データに基づいて、色分解、階調処理、画像データのビットマップへの展開、色ずれ調整などの処理を行う。
ラインヘッド92a〜92dは、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)に対応するものであり、感光体にカラー画像を形成する。各ラインヘッド92a〜92dには、それぞれ像担持体の副走査方向に複数列の有機EL素子が設けられている。
例えば、イエロー(Y)に対応するラインヘッド92aには、像担持体の主走査方向Yに複数個の有機EL素子を配置した発光素子ラインが、L1〜L4の4列分像担持体の副走査方向Xに配置されている。このように、発光素子ラインL1〜L4が配置されることにより、4ラインの各列の発光素子が同一の画素に重ねて露光を行う多重露光が可能な構成とされている。
データ処理手段91aは、各ラインヘッド92a〜92dの各発光素子ライン毎にそれぞれ印字データ信号のDsを出力する。また、補助パルス制御手段91bは、各ラインヘッド92a〜92dの各発光素子ライン毎にそれぞれ補助パルス信号Dtを出力する。91p〜91sはAND回路で、前記印字データ信号Dsと補助パルス信号Dtが入力されるとゲートを開き、選択された発光素子ラインに駆動信号Drを送出する。
なお、後述するように、各ラインヘッド92a〜92dの各発光素子ラインに配置される個別の有機EL素子は、アクティブマトリックス方式の駆動回路で動作させることができる。このため、図5には示されていないが、選択された発光素子ラインの中で、更に個別の有機EL素子を選択する手段を設けて発光させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る説明図である。像担持体の画素ラインWxには、非印字部の画素Sa、Sc、Sdと、印字部の画素Sb、Seが含まれるものとする。また、像担持体の主走査方向Yに複数個(5個)の有機EL素子を配置したラインU1、U2、U3を、副走査方向Xに複数列(3列)配置している。
このように、有機EL素子を2次元的に配置して、所定の像形成領域Exが設けられている。図1(a)において、1ラインの発光素子ラインU1には、印字部の画素に対応する有機EL素子Rb、Reと、非印字部の画素に対応する有機EL素子Ra、Rc、Rdが配置されている。
図1(a)の状態で、1主走査中に非印字部の画素に対応する有機EL素子Raと、印字部の画素に対応する有機EL素子Rb、Reにパルスを印加して点灯する。次に、像担持体を副走査方向Xに移動して図1(b)の状態とし、画素ラインWxを発光素子ラインU2と対応させる。この状態で、1主走査中に非印字部の画素に対応する有機EL素子Rgと、印字部の画素に対応する有機EL素子Rf、Riにパルスを印加して点灯する。続いて、像担持体を副走査方向Xに移動して図1(c)の状態とし、画素ラインWxを発光素子ラインU3と対応させる。この状態で、1主走査中に非印字部の画素に対応する有機EL素子Rkと、印字部の画素に対応する有機EL素子Rj、Rlにパルスを印加して点灯する。
このように、図1(a)〜(c)では、多重露光で同一ドットの潜像を形成するための少なくとも1つの有機EL素子を、1主走査中に少なくとも1回は点灯している。この処理は、印字部の有機EL素子と、非印字部の有機EL素子が含まれる。このため、全有機EL素子が点灯される機会があるので、有機EL素子間で温度差が生じないようにして、発光のバラツキを抑制することができる。
また、図1(d)に示すように、非印字部の画素Sa、Sc、Sdの露光量はそれぞれ(1/3)となる。すなわち、多重露光の際に非印字部に対応する有機EL素子は均等に点灯され、印字部の有機EL素子との温度差を少なくすることができる。このため、発光光量の変化を抑制することができる。この際に、点灯する非印字部の有機EL素子は各主走査毎に変更して、像担持体に画像形成がなされないようにしている。また、すべての有機EL素子は点灯される機会があるので、各有機EL素子の劣化の度合いを均等にして、発光光量の変化を抑制することができる。
また、非印字部に対応する1つの有機EL素子のみを点灯させるので、感光体に形成される潜像はトナー像が形成されることはなく、画像形成には影響を及ぼさない。したがって、画像形成に関係なく有機EL素子の温度を上昇させることができ、安定した光量が得られる。なお、上記の例では、非印字部の有機EL素子の制御を説明したが、前記制御を余白部などの非画像形成部に対応した有機EL素子の制御に適用することもできる。
図2は、本発明の他の実施形態の説明図である。図1と対応する部分には同一の符号を付している。図2(a)の状態では、画素ラインWxを発光素子ラインU1と対応させている。この状態で、1主走査中に非印字部と印字部のすべての有機EL素子Ra〜Re、すなわち、1ラインの発光素子ラインU1を全点灯している。図2(b)の状態では、画素ラインWxを発光素子ラインU2と対応させ、1主走査中に印字部の有機EL素子Rf、Riを点灯させる。また、図2(c)の状態では、画素ラインWxを発光素子ラインU3と対応させ、この状態で1主走査中に印字部の有機EL素子Rj、Rlを点灯させる。
この場合にも、図2(d)に示すように、非印字部の画素Sa、Sc、Sdの露光量はそれぞれ(1/3)となる。すなわち、非印字部に対応する有機EL素子は均等に点灯され、印字部の有機EL素子との温度差を少なくすることができる。このため、発光光量の変化を抑制することができる。また、1ライン単位で有機EL素子の全点灯を行うので、有機EL素子の点灯制御を簡単に行うことができる。
図3は、本発明の他の実施形態に係る有機EL素子の制御の例を示す説明図である。図3においては、図5のラインヘッド92aを例として示している。図3の例も、像担持体の主走査に複数の有機EL素子を配置した発光素子ラインを副走査方向に複数列設け、有機EL素子を2次元的に配置しており、黒丸は個別の有機EL素子を表している。Y1、Y2、Y3、・・・は、像担持体を副走査方向Xに移動させながら同一画素を重ね打ちして多重露光を行う際の、有機EL素子群を形成している。すなわち、有機EL素子群は多重露光を行う際に、同一ドットの潜像を形成する機能を有している。図3の例では、同一画素に対して発光素子ラインL1〜L4の4ラインに配置された有機EL素子群Y1、Y2、Y3、・・・により4回の多重露光が行われる。
図3に示すように、ラインヘッド92aには、像担持体の主走査方向Yおよび副走査方向Xに2次元的に複数配置された有機EL素子を設けている。この有機EL素子は、前記のように同一ドットの潜像を形成するための有機EL素子群(Y1、Y2、Y3、・・・)を形成している。この実施形態においては、有機EL素子群のうち少なくとも1つの有機EL素子を、前記のような文字間、行間などの非印字部、または非画像形成部(白紙部分)で点灯することを特徴とするものである。
このように、1つの有機EL素子のみを点灯しているので、前記のように感光体に形成される潜像はトナー像が形成されることはなく、画像形成には影響を及ぼさない。このため、画像形成に関係なく有機EL素子の温度を上昇させることができ、安定した光量が得られる。また、有機EL素子の発光による劣化の度合いがほぼ同じになり、有機EL素子の発光のバラツキが低減される。
図3の例では、前記有機EL素子群のうちの少なくとも1つの有機EL素子を、1主走査中に少なくとも1回は点灯する構成とする。例えば、第1主走査中にY1−L1、Y2−L2、Y3−L3、Y4−L4・・・の有機EL素子を点灯する。続いて、第2主走査中には、Y1−L2、Y2−L3、Y3−L4、Y4−L5のように有機EL素子を点灯する。このような制御を行うために、図3の補助パルス信号Dtをデータ処理手段91aから送出する。この際に、像担持体の非印字部に像形成がなされないように像担持体の移動のタイミングと有機EL素子の点灯のタイミングを調整する。この場合には、全有機EL素子を均等に点灯できるという利点がある。
本発明の他の実施形態においては、文字間や行間などの非印字部または非画像形成部(白紙の部分)で主走査方向の少なくとも1ラインを全点灯し、所定間隔、例えば紙間などにおいて、全点灯するラインを切り替える。図1の例では、発光素子ラインL1〜L4を所定間隔で全点灯するものである。この場合には、1ライン単位で有機EL素子を全点灯するので、全点灯制御が容易に行える。また、感光体に形成される潜像はトナー像が形成されることはないので、画像形成に影響を及ぼさない。
本発明の他の実施形態においては、1主走査中に1回、1ラインの有機EL素子を全点灯し、各主走査毎に点灯ラインを変更する。図1の例では、第1主走査中に発光素子ラインL1を全点灯させる。また、第2主走査中に発光素子ラインL1を全点灯させる。以下、順次各発光素子ラインを全点灯させる。このような制御を行うことにより、多重露光の全有機EL素子に均等に、かつ同じ時間だけで全点灯させることができる。このため、全有機EL素子で光量が安定する。
本発明の他の実施形態においては、ロッドレンズアレイの中心軸に対して、距離が離れている周辺部の発光素子ラインに配置されている有機EL素子ほど全点灯の回数を増加させる。図3の例では、例えば発光素子ラインL1がロッドレンズアレイの中心軸に対して距離が離れている周辺部の有機EL素子を配置しているものとする。この場合には、発光素子ラインL1の全点灯の回数を、ロッドレンズアレイの中心軸近傍の他の発光素子ラインL2、L3などよりも多くするものである。
一般に、有機EL素子においては、ロッドレンズアレイの中心軸から離れている周辺部の素子ほど光量バラツキが大きい傾向がある。この実施形態のように、周辺部の有機EL素子の全点灯の回数を増加させることにより、光量のバラツキを低減することができる。
本発明の他の実施形態においては、1ページの画像データを形成する場合には、各ページの画像形成毎に全点灯する発光素子ラインを変更する。例えが、1ページ目の画像形成時には最初の1ラインの有機EL素子を全点灯する。次のページの画像形成時には、最初の1ラインとは異なるラインの有機EL素子を全点灯する。このように、ページ単位で点灯させるラインを変更するので、有機EL素子の点灯制御を簡単に行うことができる。
図6は、本発明の他の実施形態に係る画像形成装置を示したブロック図である。図6の例は、発光素子をアクティブマトリックス方式で駆動するものである。図6において、Zは、有機EL素子の発光素子とその駆動回路をアクティブマトリックスで構成した単体の発光部である。
例えば、イエローのラインヘッド128Yには、発光素子ライン128p〜128tが5列で配置されている。各発光素子ライン128p〜128tと対応して、シフトレジスタ124p〜124tが配置されている。また、データ処理装置123にはラインセレクタ134が接続されている。
135aは、データ処理装置123からシフトレジスタに配線される画像データの供給線、135bはデータ処理装置123からラインセレクタ134に配線される制御線、136a〜136eはラインセレクタ134から各シフトレジスタ124p〜124tの動作を指令する指令線、137a〜137eはラインセレクタ134からの信号が各ラインの発光素子に供給される走査線、138a〜138kは、シフトレジスタ124p〜124tから各ライン、各列の個別の発光素子(有機EL素子)に動作信号を供給する信号線である。
図6の動作について説明する。データ処理装置123から制御線135bを介して供給される制御信号で、ラインセレクタ134は走査線137aを選択し、発光素子ライン128pに信号を供給する。また、指令線136aの信号でシフトレジスタ124pを動作させる。シフトレジスタ124pは信号線138a〜138kを活性化して、画像データの出力信号を発光素子ライン128pのすべての有機EL素子に送出すると、発光素子ライン128pの有機EL素子は発光して画素を露光する。
ラインセレクタ134からの信号で、走査線137と指令線136を切り替えることにより、以上の動作を発光素子ライン128q、128r、128s、128tについても行い、全ての発光素子ラインの発光素子を発光して画素を露光する。
次に、シフトレジスタ124sの画像データをシフトレジスタ124tへ転送し、同様にして、シフトレジスタ124rからシフトレジスタ124sへ、シフトレジスタ124qからシフトレジスタ124rへ、シフトレジスタ124pからシフトレジスタ124qへ順次画像データを転送する。シフトレジスタ124pには、データ処理手段123から信号線135aを介して画像データが転送される。この間に像担持体は画素ピッチ分移動する。
この際に、発光部Zの発光素子はアクティブマトリクスの作用により発光を維持しているので、画像データをシフトレジスタで転送中であっても発光素子が消灯することなく、画素を高輝度で露光することができる。このようにして、シフトレジスタ124から発光素子への画像データの送出、シフトレジスタ間での画像データの転送、像担持体の移動を繰り返すことにより、像担持体上に連続的に画像データを露光していくことができる。
このため、図6の例では各画素は単一の発光素子で露光される場合の5倍の光量で露光されることになり、各画素の露光に必要な光量を高速で取得することができる。発光素子が配置されたラインの副走査方向の列数、すなわち、画素を単一の発光素子で露光する場合に得られる光量の倍数は、必要に応じて適宜選定することができる。
前記説明では、発光素子ラインのすべての有機EL素子を同時に発光させる制御を行っているが、信号線138a〜138kを選択して付勢することにより、図1で説明したような有機EL素子群Y1、Y2、Y3・・・の有機EL素子を点灯させることができる。また、走査線137a〜137eを選択して付勢することにより、発光素子ライン128a〜128tを特定する。したがって、平面に二次元的に配置された有機EL素子の特定の一個を選択して全点灯制御を行うことができる。
画像形成装置本体のデータ処理手段123は、先頭の1ライン分のデータを形成すれば、その後は先頭の1ラインの画像データを記憶手段(シフトレジスタ)に保持し、記憶手段の中で画像データを転送するだけでラインヘッドすべての発光素子の動作を制御することができる。このため、データ処理手段は、ラインヘッドすべての発光素子のデータを生成する必要がなく、回路構成を簡略にすることができる。また、高速でデータ処理を行うことができる。
有機EL素子の発光部は、アクティブマトリックス方式の駆動回路で駆動することができる。図7は、発光部Zをアクティブマトリクスで動作させるための回路図である。図7において、発光素子として有機EL素子(EL)を使用しており、Kはそのカソード端子、Aはそのアノード端子である。カソード端子Kは、図示を省略している電源に接続されている。
セレクト信号Taが入力される走査線は、例えば図6の走査線137aを用いることができる。また、個別の発光素子を選択する制御信号Dxは、例えば図6の信号線138aから供給することができる。セレクト信号Taはスイッチング用TFT(Tr1)のゲートGaに供給される。
また、前記制御信号Dxはスイッチング用TFTのドレインDaに供給される。Vaは電源線、Caはストレージキャパシタである。有機EL素子のドライビング用TFT(Tr2)のソースSbは電源線Vaに接続され、ドレインDbは有機EL素子のアノード端子Aに接続される。さらに、ドライビング用TFT(Tr2)のゲートGbは、スイッチング用TFT(Tr1)のソースSaに接続されている。
次に、図7の回路図の動作について説明する。スイッチング用TFTのソースに電源線Vaの電圧が印加されている状態で、走査線、信号線に通電すると、スイッチング用TFT(Tr1)がオンになる。このため、ドライビング用TFT(Tr2)のゲート電圧が下がり、電源線Vaの電圧がドライビング用TFT(Tr2)のソースから供給されてドライビング用TFT(Tr2)が導通する。この結果、有機EL素子が動作して所定の光量で発光する。また、ストレージキャパシタCaは電源線Vaの電圧で充電される。
スイッチング用TFT(Tr1)をオフにした場合にも、ストレージキャパシタCaに充電された電荷に基づいてドライビング用TFT(Tr2)は導通状態となっており、有機EL素子は発光状態を維持する。したがって、アクティブマトリックスを前記発光素子の駆動回路に適用した場合には、画像データをシフトレジスタで転送するためにスイッチング用TFTをオフにしたときでも、有機EL素子の動作が継続して発光を維持し、高輝度で画素の露光を行うことができる。
このように、アクティブマトリックス方式の駆動回路では、有機EL素子周辺に設けたコンデンサとトランジスタにより有機EL素子の発光状態を保持できる。したがって、1画素を重ね打ちして多重記録する際に、記憶手段から次段の記憶手段へ画像データを転送中でも発光を維持するので画素を高輝度で露光できる。
以上、本発明の画像形成装置をいくつかの実施例に基づいて説明したが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
1…画像形成装置、2…ハウジング本体、5…電装品ボックス、6…画像形成ユニット、9…転写ベルトユニット、10…給紙ユニット、11…二次転写ユニット、12…定着ユニット、13…記録媒体搬送手段、16…中間転写ベルト、19…二次転写ローラ、20…像担持体、21…一次転写部材、22…帯電手段、23…像書込手段、24…現像手段、25…像担持体ユニット(像担持体カートリッジ)、61…有機EL発光素子アレイ、62…ガラス基板、63…発光部、64…カバーガラス、65…屈折率分布型ロッドレンズアレイ、65’…屈折率分布型ロッドレンズ、65a〜65h…屈折率分布型ロッドレンズ、71…TFT、90…ラインヘッドの制御部、91…制御回路、91a…データ処理手段、91b…補助パルス制御手段、91p〜91s…AND回路、92…駆動回路、92a〜92d…ラインヘッド、93…有機EL素子、94…メモリー、95…本体コントローラ、123…データ処理手段、124p〜124t…シフトレジスタ、128y…ラインヘッド、128p〜128t…発光素子ライン、134…ラインセレクタ、160…画像形成装置、161…現像装置、165…感光体ドラム、167…像書き込み手段、168…帯電器、169…中間転写ベルト、171…二次転写ローラ、172…加熱ローラ、174…搬送路、177…電装品ボックス、Z…発光部。

Claims (8)

  1. 像担持体の主走査に複数の有機EL素子を配置した発光素子ラインを副走査方向に複数列設け、有機EL素子を2次元的に配置した像書込手段と、前記有機EL素子の制御部とを有し、
    前記制御部は、多重露光で同一ドットの潜像を形成するための少なくとも1つの有機EL素子を、1主走査中に少なくとも1回は点灯させることを特徴とする、画像形成装置。
  2. 前記制御部は、前記有機EL素子の中で、非印字部または非画像形成部に対応する有機EL素子を1主走査中に少なくとも1回は点灯させることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 像担持体の主走査に複数の有機EL素子を配置した発光素子ラインを副走査方向に複数列設け、有機EL素子を2次元的に配置した像書込手段と、前記有機EL素子の制御部とを有し
    前記制御部は、前記主走査方向に配置された発光素子ラインの少なくとも1ラインを全点灯し、所定間隔で全点灯するラインを切り替えることを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記制御部は、前記1主走査中に1回、1発光素子ラインの有機EL素子を全点灯させ、各主走査毎に全点灯するラインを変更することを特徴とする、請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御部は、ロッドレンズアレイの中心軸に対して、遠い位置に配置された発光素子ラインの有機EL素子ほど全点灯の回数を増加させることを特徴とする、請求項3に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部は、1ページの画像形成時には、各ページの画像形成毎に全点灯する発光素子ラインを変更することを特徴とする、請求項3に記載の画像形成装置。
  7. 前記有機EL素子をアクティブマトリックス方式の駆動回路に接続したことを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項記載の制御を行う有機EL素子を設けたラインヘッドを像担持体カートリッジに装着して、前記像担持体の周囲に帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段を配した状態で、前記像担持体上に形成されたトナー像を転写媒体に転写させるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
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