JP2009255472A - インフュージョン成形用成形型及びこのインフュージョン成形用成形型を用いた筒型繊維強化樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

インフュージョン成形用成形型及びこのインフュージョン成形用成形型を用いた筒型繊維強化樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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英夫 岩井
Katsuya Tanaka
勝也 田中
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Abstract

【課題】シール作業が容易かつ正確に行えるとともに、得られた成形品の端部処理を行うことなく製品化することができるインフュージョン成形用成形型及びこの成形型を用いた筒型繊維強化樹脂成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】本体型2aの型面に沿って強化繊維層4を設け、本体型2aの両端部に端面型3aを嵌合させた状態で、両端面型3a、強化繊維層4、樹脂拡散媒体5及び離型布6を熱収縮性の筒状気密性フィルム7内に収容されるようにセットしたのち、気密性フィルム7を熱収縮させて端面型3aの2条の突条31が設けられた外周面に密着させて気密性を確保し、一方の端面型3aの型面32に設けた開口34から気密空間S内の空気を吸引排気しながら、他方の端面型3aの端面型3a内部に設けた流路35及び型面31に設けた開口34を介して気密空間S内にマトリックス樹脂Pを供給した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インフュージョン成形用成形型及びこのインフュージョン成形用成形型を用いた筒型繊維強化樹脂成形品の製造方法に関する。
従来、軽量で高強度な素材として、繊維強化プラスチック(FRP)が各種産業分野で使用されている。
また、筒状をした繊維強化樹脂成形品を製造するのに、フィラメントワインディング(FW)法が用いられることはよく知られている。しかし、この成形方法は開放された状態でマトリックス樹脂が含浸された強化繊維を成形型への巻付けるようになっているため、製造中にスチレン等が揮散するなどといった環境上の問題があり、近年では、環境配慮型の成形方法として真空吸引による減圧環境下で成形を行うインフュージョン成形法等の真空注入成形法が注目されつつある。
インフュージョン成形法とは、基本的に、成形型の上に、強化繊維からなる強化繊維層を設け、この強化繊維層の上に、必要に応じて離型シート及び樹脂拡散材を配置した状態で、強化繊維層をバッグフィルムと一般に称される気密性フィルムで覆い、強化繊維層を気密空間内に収容したのち、この気密空間内の空気を吸引排気して気密空間内を減圧状態にする。そして、この減圧状態の気密空間内にマトリックス樹脂を注入して、マトリックス樹脂を強化繊維層に含浸させたのち、マトリックス樹脂を硬化または固化させて成形品を得るようになっている(例えば、特許文献1参照)。
このインフュージョン成形法を利用して繊維強化樹脂管等の筒状成形品は、図9に示すような方法によって、例えば、以下の手順により製造されている。
(1)円筒状あるいは円柱状をした成形型100の型面に沿ってシート状あるいはテープ状をした強化繊維材料を巻回し、筒状をした強化繊維層200を形成する。
(2)この強化繊維層200の周囲に必要に応じて離型布(図示せず)や樹脂拡散媒体(図示せず)を巻いたのち、スパイラルチューブ等の樹脂注入口を備えた樹脂注入管300と、スパイラルチューブ等の吸気口を備えた吸気管400とを強化繊維層200を挟むように成形型100に装着する。なお、樹脂注入管300には、マトリックス樹脂Pのタンク310からの樹脂供給管320が接続され、吸気管400には、真空ポンプ(図示せず)に接続される吸気管路410が接続されている。吸気管路410は、途中にドレンタンク420が設けられている。
(3)成形型100の樹脂注入管300及び吸気管400より外側に、シール用パテ等のシール材500を環状に巻き付けたのち、筒状をした気密性フィルム600によって両側のシール用パテ500部分を含むように成形型100の周囲を囲み、シール材500によって気密性フィルム600と成形型100との間に気密空間Sが形成されるようにシールする。
(4)真空ポンプを稼動させて気密空間S内の空気を吸気管400の吸気口から吸引して気密空間S外に排気し、気密空間S内を所定の圧力まで減圧したのち、樹脂供給管320のバルブを開き、マトリックス樹脂Pを気密空間S内に自然圧で供給し、強化繊維層200に含浸させる。
(5)含浸が完了後、吸気及びマトリックス樹脂Pの供給を停止し、マトリックス樹脂Pを硬化あるいは固化させて成形品を得る。
しかし、上記従来の製造方法の場合、つぎのような問題点があった。すなわち、筒状の気密性フィルム600は、装着を容易にするため、内径が成形型100の周囲に設けられた強化繊維層200の外径より大きくなっており、当然成形型100の外径より大きい。したがって、気密性フィルム600のシール材500によるシール部では、気密性シール材500を成形型100方向に絞らなければならず、気密性シール材500にシワが生じる。
このシワの部分にシール用パテ等のシール材500を密着させることは困難であり、熟練を要し、慣れない作業者の場合、シールが不十分で気密性が弱まり、真空吸引時にエアを吸引し、真空度が低下し、製品内部にエアが混入して強度が低下し易いといった問題がある。
また、樹脂供給管320及び吸気管路410と、気密性フィルム600あるいは成形型100との間もシール材500によってシールされるのであるが、やはり作業が困難であり気密性を確保することが困難である。
さらに、成形時に強化繊維層200の両端部が規制されていないため、得られた成形品は、その端面の凹凸が著しく、寸法が確保されていない。したがって、得られた成形品の端部を切断するなどしないと製品化することができず、作業が煩雑となるとともに、原料が余分に必要である、派生品処理が必要であるなど、コストの点でも問題がある。
特開平2002−307463号公報
本発明は、上記事情に鑑みて、シール作業が容易かつ正確に行えるとともに、得られた成形品の端部処理を行うことなく製品化することができるインフュージョン成形用成形型及びこのインフュージョン成形用成形型を用いた筒型繊維強化樹脂成形品の製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明にかかるインフュージョン成形用成形型(以下、「本発明の成形型」と記す)は、外周面が型面となる型本体部を有する筒状または柱状をした本体型と、この本体型の型本体部の軸方向の両端に添設されるとともに、型本体部の端面に添設状態でその周囲が型本体部の周囲からはみ出す大きさをした2つの端面型と、を備え、前記本体型の型面に沿って強化繊維からなる強化繊維層を筒状に積層した状態で、この強化繊維層の周囲及び両端面型の外周面を気密性フィルムで覆い、強化繊維層を気密空間内に保持したち、この気密空間内を減圧するとともに、この減圧状態の気密空間内にマトリックス樹脂を供給して前記強化繊維層にマトリックス樹脂を含浸させるようにしたインフュージョン成形用成形型であって、前記2つの端面型がそれぞれその周面に2条以上の突条を有するとともに、一方の端面型に端面型内部に設けられた樹脂流路を介して成形型外部から供給されるマトリックス樹脂を前記強化繊維層に供給する樹脂注入口が設けられ、他方の端面型に端面型内部に設けられた吸気路を介して成形型外部へ前記気密空間内の空気を吸引排気する吸気口が設けられていることを特徴としている。
本発明の成形型は、2つの端面型の、本体型の型本体部側の面に溝を備え、この溝の内壁面に樹脂注入口または吸気口が開口していることが好ましい。
また、樹脂流路及び吸気路の内径を上記溝に開口する樹脂注入口または吸気口に向かって拡径するように設けることが好ましい。
なお、上記溝は、端面型の型本体部側の面にリング状に連続して設けられていても構わないし、間欠的に設けられていても構わない。また、樹脂注入口及び吸気口は、1つだけでなく2つ以上設けられていても構わない。
一方、本発明にかかる筒型繊維強化樹脂成形品の製造方法は、本発明のインフュージョン成形用成形型の、本体型の型面に沿って強化繊維からなる筒状をした強化繊維層を設けるとともに、2つの端面型を、前記強化繊維層を両側から挟むように型本体部の軸方向の両端に添設させる工程と、筒状をした熱収縮性を有する気密性フィルムを、全ての突条部分を含む両端面型の外周面及び強化繊維層の周囲を囲繞するように装着する工程と、前記気密性フィルムを加熱して収縮させ、気密性フィルムの内周面を両端面型の外周面に密着させて強化繊維層を気密空間内に保持する工程と、吸気口から前記気密空間内の空気を吸引排気して気密空間内を減圧状態にする工程と、減圧状態が保たれた気密空間内に樹脂供給口からマトリックス樹脂を供給し、強化繊維層に含浸させる工程と、を備えていることを特徴としている。
本発明において使用される強化繊維としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、塩化ビニル繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリスチレン繊維、アセテート繊維等の他の有機合成繊維や、金属繊維等の他の無機繊維や、麻や竹などの天然繊維やレーヨン等の再生繊維等が挙げられ、ガラス繊維、カーボン繊維、アラミド繊維が好適である。また、これらの繊維は混合して使用してもよい。
また、これらの繊維は、ロービング、織布、不織布等、糸状、マット形状、テープ形状
に加工したのち、例えば、成形型に巻回することによって強化繊維層を形成することができる。
なお、使用する強化繊維の強度および疎密度は、所望する成形品の強度と肉厚(積層量)に応じて適宜選択される。
本発明において使用されるマトリックス樹脂としては、特に限定されないが、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂などの熱硬化性樹脂を用いることができる。
使用するマトリックス樹脂は強化繊維層への含浸を促進させるため、粘度が0.2Pa・s以下であることが好ましい。粘度が0.2Pa・sを超えるとマトリックス樹脂が強化繊維層に含浸しにくくなり、含浸時間が長くなって生産性が低下したり、含浸不良を起こす可能性が高くなる。
なお、マトリックス樹脂には着色用の顔料や、成形後の耐久性などを考慮し、酸化防止剤、難燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを適宜配合してもよい。
本発明において用いられる気密性フィルムは、筒状をしていて、気密状態を確保できるとともに、加熱することによって少なくとも径方向に収縮し、内周面が端面型の周面に密着すれば、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの樹脂製のものが挙げられる。
気密性フィルムの熱収縮性能としては、収縮方向が一軸、二軸方向どちらでも適応可能であるが、熱収縮率としては、バッグフィル装着時の作業性、気密性確保にあたっては5%以上径方向に収縮することが好ましい。
すなわち、熱収縮率が小さいものを用いた場合、気密性フィルムの内径を小さくしすぎると、成形型に装着しにくい。また、内径を大きくしすぎると圧縮力が弱まり気密性が確保できなくなるおそれがある。
また、本発明の筒型繊維強化樹脂成形品の製造方法は、特に限定されないが、吸気口から気密空間内の空気を吸引排気しながら、樹脂供給口からマトリックス樹脂を供給することが好ましい。さらに、粘着剤層または低融点樹脂層を、端面型の外周面全周にわたって突条と突条との間に設けた状態で、気密性フィルムを加熱収縮させることが好ましい。
上記粘着剤層は、特に限定されないが、例えば、粘着面に気密性フィルムに粘着しやすい粘着剤によって形成された両面テープを突条と突条との間に貼着する方法、あるいは、例えば、粘着剤を突条と突条との間に塗布あるいは充填する方法等によって設けることができる。
上記低融点樹脂層を構成する樹脂は、気密性フィルムを熱収縮させる際の熱によって溶融する程度の融点で、かつ、固化することによって、気密性フィルムを固着できる樹脂であれば、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂等が挙げられる。
また、本発明においては、必要に応じて、気密性フィルムの剥離を促すための離型布や気密空間内に供給されたマトリックス樹脂を拡散流動させて強化繊維層の強化繊維中に素早くかつ均一に含浸できるようにする樹脂拡散媒体を強化繊維層に沿って設けるようにしてもよい。
上記離型布としては、特に限定されないが、例えば、樹脂を容易に通す細かい孔を有し、かつマトリックス樹脂との離型性の良いシリコンコーティングされたナイロン布が挙げられる。
上記樹脂拡散媒体は、注入される樹脂が樹脂拡散媒体の隙間を通して、強化繊維層の樹脂拡散媒体に接する面に沿ってマトリックス樹脂を行きわたらせることができれば、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製の網状のものが挙げられる。
以上のように、本発明の筒型繊維強化樹脂成形品の製造方法は、外周面が型面となる型本体部を有する筒状または柱状をした本体型と、この本体型の型本体部の軸方向の両端に添設されるとともに、型本体部の端面に添設状態でその周囲が型本体部の周囲からはみ出す大きさをした2つの端面型と、を備え、前記本体型の型面に沿って強化繊維からなる強化繊維層を筒状に積層した状態で、この強化繊維層の周囲及び両端面型の外周面を気密性フィルムで覆い、強化繊維層を気密空間内に保持したち、この気密空間内を減圧するとともに、この減圧状態の気密空間内にマトリックス樹脂を供給して前記強化繊維層にマトリックス樹脂を含浸させるようにするとともに、前記2つの端面型がそれぞれその周面に2条以上の突条を有し、一方の端面型に端面型内部に設けられた樹脂流路を介して成形型外部から供給されるマトリックス樹脂を前記強化繊維層に供給する樹脂注入口が設けられ、他方の端面型に端面型内部に設けられた吸気路を介して成形型外部へ前記気密空間内の空気を吸引排気する吸気口が設けられている本発明の成形型の、本体型の型面に沿って強化繊維からなる筒状をした強化繊維層を設けるとともに、2つの端面型を、前記強化繊維層を両側から挟むように型本体部の軸方向の両端に添設させる工程と、筒状をした熱収縮性を有する気密性フィルムを、全ての突条部分を含む両端面型の外周面及び強化繊維層の周囲を囲繞するように装着する工程と、前記気密性フィルムを加熱して収縮させ、気密性フィルムの内周面を両端面型の外周面に密着させて強化繊維層を気密空間内に保持する工程と、吸気口から前記気密空間内の空気を吸引排気して気密空間内を減圧状態にする工程と、減圧状態が保たれた気密空間内に樹脂供給口からマトリックス樹脂を供給し、強化繊維層に含浸させる工程と、を備えているので、シール作業が容易かつ正確に行えるとともに、得られた成形品の端部処理を行うことなく製品化することができる。
また、成形型として、2つの端面型が、本体型の型本体部側の面に溝を備え、この溝の内壁面に樹脂注入口または吸気口が開口しているものを用いれば、溝に沿って円周方向から同時に軸方向に向かって含浸が進行し、含浸時間を短縮することができる。
さらに、樹脂流路及び吸気路の内径が樹脂注入口または吸気口に向かって拡径しているものを用いれば、成形終了後の端面型の本金型からの取り外し作業が容易になる。
また、吸気口から気密空間内の空気を吸引排気しながら、樹脂供給口からマトリックス樹脂を供給するようにすれば、毛管現象によってマトリックス樹脂が強化繊維層に含浸されるだけでなく、強制的に引き込む作用を加えることができることから、さらに強化繊維層に効率よくマトリックス樹脂を含浸させ、含浸不良のない繊維強化樹脂成形品を製造することができる。
そして、粘着剤層または低融点樹脂層を、端面型の外周面全周にわたって突条と突条との間に設けた状態で、気密性フィルムを加熱収縮させるようにすれば、より確実に気密性を確保することができる。
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1〜図4は、本発明にかかる筒状繊維強化樹脂成形品の製造方法の第1の実施の形態をあらわし、図5はこの製造方法に用いる成形型の端面型の1例をあらわしている。
図1〜図4に示すように、成形型1aは、本体型2aと、2つの端面型3aを備え、例えば、ステンレス鋼やアルミニウムなどの金属材料で形成されている。
本体型2aは、全長にわたって均一な外径をした円筒形をしていて、図3及び図4に示すように、後述する端面型3aが嵌り込む部分に環状にOリング装着溝21が設けられ、このOリング装着溝21にOリング22が嵌め込まれている。そして、本体型2aの端面型3aの嵌め込み部と嵌め込み部との間部分が、周面が型面となる型本体部となっている。
2つの端面型3aは、図1〜図5に示すように、外径が本体型2aの外径より大径、すなわち、本体型2aからはみ出す大きさに形成されているとともに、本体型2aに外径と略同じ内径をしたリング状をしていて、外周面に2条の突条31が設けられている。
また、両端面型3aの後述する強化繊維層4に当接する型面32には、型面32側から内側に向かって幅が狭くなる凹溝33が穿設され、この凹溝33の底に樹脂注入口あるいは吸気口となる2つの開口34が端面型3aの中心軸を挟んで対称位置に設けられている。
開口34は、端面型3aの内部に設けられた樹脂流路あるいは吸気路となる流路35に連通している。
流路35は、開口34側の内径が開口34に向かって徐々に拡径するとともに、型面32と反対側の面に設けられたノズル36に連結されている。
そして、この成形型1aを用いて筒状繊維強化樹脂成形品を、以下のようにして製造するようになっている。
(1)本体型2aの型面に離型剤を塗布するとともに、図2及び図3に示すように、型面に沿って強化繊維マット等の強化繊維材料を巻き付けて強化繊維層4を設けるとともに、強化繊維層4の周囲に樹脂拡散媒体5及び離型布6を巻き付けたのち、2つの端面型3aによって強化繊維層4を両側から挟むように本体型2aに嵌合装着し、型面32を強化繊維層4の端面に密着させる。
(2)端面型3aの外径より5%程度内径が大きい、熱収縮性を有する筒状をした気密性フィルム7を、両端面型3a、強化繊維層4、樹脂拡散媒体5及び離型布6が気密性フィルム7内に収容されるようにセットする。
(3)気密性フィルム7をヒータや加熱水等によって加熱収縮させて、図4に示すように、気密性フィルム7を端面型3aに外周面に密着させ、強化繊維層4を気密空間S内に収容された状態とする。
(4)図1に示すように、一方の端面型3aのノズル36に樹脂供給管路8を接続し、他方の端面型3aのノズル36に吸気管路9を接続する。
なお、樹脂供給管路8は、バルブ81aを備えたマトリックス樹脂Pのタンク81と、このタンク81とノズル36とを接続するホース82とを備え、吸気管路9は、真空ポンプ(図示せず)と、前後にバルブ91aとバルブ91bを備えたドレンタンク91と、ドレンタンク91と真空ポンプとを接続するホース92と、ドレンタンク91とノズル36とを接続するホース93とを備えている。
(5)真空ポンプを稼動させるとともに、バルブ81aを閉じた状態で、バルブ91a,91bを開き、他方の端面型3aの流路35、開口34、凹溝33を介して気密空間S内の空気を吸引排気して気密空間S内を減圧する。
(6)気密空間S内が所定の圧まで減圧されると、バルブ81aを開放し、マトリックス樹脂Pを気密空間S内に供給する。
すなわち、気密空間S内は、減圧状態になっているので、バルブ81aを開放すると、タンク81内のマトリックス樹脂Pが大気圧に押されて流路35を介して開口34から凹溝33に流れ込む。そして、凹溝33に流れ込んだマトリックス樹脂Pが凹溝33全体に広がりながら、吸気口からの吸引力と、毛管現象により吸気口側に向かって強化樹脂層4に含浸されていく。
(7)含浸が完了すれば、真空ポンプを停止するとともに、バルブ81a,91a,91bを閉じ、ホース83及び吸気管路9をノズル36から取り外す。なお、含浸の完了は、強化繊維層4の目視による色の変化を見る、あるいは、吸気管路9のドレンタンク91内への余剰のマトリックス樹脂の流れ込みを目視により確認するなどによって判断できる。
(8)マトリックス樹脂を硬化または固化させたのち、気密性フィルム7、樹脂拡散媒体5、離型布6を取り除いた後、成形型1aから成形品(図示せず)を取り外す。
この筒型繊維強化樹脂成形品の製造方法は、上記のように、端面型3aによって両端面が規制された状態でマトリックス樹脂が硬化あるいは固化するため、得られる成形品の両端面は平滑になっており、そのまま製品として使用することができる。したがって、余分な原料の使用がないとともに、派生品の発生も抑えられる。
また、熱収縮性を有する気密性フィルム7を用い、気密性フィルム7を熱収縮させて端面型3aの外周面に密着させるようにしたので、シール部において気密性フィルム7にシワなどがなく、気密性を容易に確保でき、作業性に優れたものとなる。
図6は、本発明にかかる筒状繊維強化樹脂成形品の製造方法の第2の実施の形態をあらわしている。
図6に示すように、この筒状繊維強化樹脂成形品の製造方法は、端面型3aの突条31と突条31との間の端面型3aの外周面に沿って粘着剤層となる両面粘着テープ31aを全周にわたって貼着した状態で気密性フィルム7を装着した以外は、上記第1の実施の形態と同様になっている。
この筒状繊維強化樹脂成形品の製造方法によれば、熱収縮した気密性フィルム7が突条31と突条31との間の部分で粘着剤層となる両面粘着テープ31aに密着固定されるので、より安定した気密性を確保できる。
図7は、本発明にかかる筒状繊維強化樹脂成形品の製造方法の第3の実施の形態をあらわしている。
図7に示すように、この筒状繊維強化樹脂成形品の製造方法は、Oリング装着溝21が設けられておらず、両端の外周縁に沿って切欠23を備える本体型2bと、この本体型2bの切欠23に対応する位置に切欠37を備える端面型3bとからなる成形型1bを用い、
第1の実施の形態と同様にして端面型3bを本体型2bの端部に嵌合させたのち、両切欠23,37によって形成されるリング状溝にシール用パテ10を充填して本体型2bと、端面型3bとの間の気密性を確保するようにした以外は、上記第1の実施の形態と同様になっている。
図8は、本発明にかかる筒状繊維強化樹脂成形品の製造方法の第4の実施の形態をあらわしている。
図8に示すように、この筒状繊維強化樹脂成形品の製造方法は、周面のOリング装着溝21に代えて、両端面にOリング装着溝24が穿設され、このOリング装着溝24にOリング25が嵌め込まれた本体型2cと、ノズル36側の端面から内側に張り出すリング状の鍔部38を備えた端面型3cからなる成形型1cを用い、第1の実施の形態と同様にして端面型3cを本体型2cの端部に鍔部38がOリング25に圧接されるように嵌合させて、本体型2cと、端面型3cとの間の気密性を確保するようにした以外は、上記第1の実施の形態と同様になっている。
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、上記の実施の形態では、端面型が樹脂供給側及び吸気側で同じ構造をしていたが、異なる構造でも構わない。
上記の実施の形態では、本体型が全長にわたって均一な外径をした円筒形をしていたが、
端面型の嵌合部分を型本体部より小径に形成し、嵌合部分と型本体部との段差によって端面型の位置決めができるようにしても構わない。
本発明にかかる筒状繊維強化樹脂成形品の製造方法の第1の実施の形態における樹脂含浸工程を説明する概略図である。 図1の筒状繊維強化樹脂成形品の製造方法の気密性フィルムの熱収縮前の状態を説明する概略図である。 図2の熱収縮前の状態の要部断面図である。 図1の樹脂含浸工程の要部断面図である。 図1の製造方法に用いる成形型の端面型であって、同図(a)が側面図、同図(b)が同図(a)のX方向矢視図である。 本発明にかかる筒状繊維強化樹脂成形品の製造方法の第2の実施の形態における樹脂含浸工程の要部断面図である。 本発明にかかる筒状繊維強化樹脂成形品の製造方法の第3の実施の形態における樹脂含浸工程の要部断面図である。 本発明にかかる筒状繊維強化樹脂成形品の製造方法の第4の実施の形態における樹脂含浸工程の要部断面図である。 従来の筒状繊維強化樹脂成形品の製造方法における樹脂含浸工程を説明する概略図である。
符号の説明
1a,1b,1c 成形型
2a,2b,2c 本体型
3a,3b,3c 端面型
31 突条
31a 両面粘着テープ(粘着剤層)
32 型面
33 凹溝
34 開口(樹脂注入口あるいは吸気口)
35 流路(樹脂流路あるいは吸気路)
4 強化繊維層
7 気密性フィルム
S 気密空間
P マトリックス樹脂

Claims (6)

  1. 外周面が型面となる型本体部を有する筒状または柱状をした本体型と、
    この本体型の型本体部の軸方向の両端に添設されるとともに、型本体部の端面に添設状態でその周囲が型本体部の周囲からはみ出す大きさをした2つの端面型と、を備え、
    前記本体型の型面に沿う強化繊維からなる筒状をした強化繊維層を設けた状態で、この強化繊維層の周囲及び両端面型の外周面を気密性フィルムで覆い、前記強化繊維層を気密空間内に保持したち、この気密空間内を減圧するとともに、この減圧状態の前記気密空間内にマトリックス樹脂を供給して前記強化繊維層に前記マトリックス樹脂を含浸させるようにしたインフュージョン成形用成形型であって、
    前記2つの端面型がそれぞれその周面に2条以上の突条を有するとともに、一方の端面型に端面型内部に設けられた樹脂流路を介して成形型外部から供給されるマトリックス樹脂を前記強化繊維層に供給する樹脂注入口が設けられ、他方の端面型に端面型内部に設けられた吸気路を介して成形型外部へ前記気密空間内の空気を吸引排気する吸気口が設けられていることを特徴とするインフュージョン成形用成形型。
  2. 2つの端面型は、本体型の型本体部側の面に溝を備え、この溝の内壁面に樹脂注入口または吸気口が開口している請求項1に記載のインフュージョン成形用成形型。
  3. 樹脂流路及び吸気路の内径が樹脂注入口または吸気口に向かって拡径している請求項2に記載のインフュージョン成形用成形型。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のインフュージョン成形用成形型の、本体型の型面に沿って強化繊維からなる筒状をした強化繊維層を設けるとともに、2つの端面型を、前記強化繊維層を両側から挟むように型本体部の軸方向の両端に添設させる工程と、
    筒状をした熱収縮性を有する気密性フィルムを、全ての突条部分を含む両端面型の外周面及び強化繊維層の周囲を囲繞するように装着する工程と、
    前記気密性フィルムを加熱して収縮させ、気密性フィルムの内周面を両端面型の外周面に密着させて強化繊維層を気密空間内に保持する工程と、
    吸気口から前記気密空間内の空気を吸引排気して気密空間内を減圧状態にする工程と、
    減圧状態が保たれた気密空間内に樹脂供給口からマトリックス樹脂を供給し、強化繊維層に含浸させる工程と、を備えていることを特徴とする筒型繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  5. 吸気口から気密空間内の空気を吸引排気しながら、樹脂供給口からマトリックス樹脂を供給する請求項4に記載の筒型繊維強化樹脂成形品の製造方法。
  6. 粘着剤層または低融点樹脂層を、端面型の外周面全周にわたって突条と突条との間に設けた状態で、気密性フィルムを加熱収縮させる請求項4または請求項5に記載の筒型繊維強化樹脂成形品の製造方法。
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