JP2009255012A - 汚濁水のろ過装置およびこれを用いる汚濁水の処理方法 - Google Patents

汚濁水のろ過装置およびこれを用いる汚濁水の処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009255012A
JP2009255012A JP2008109955A JP2008109955A JP2009255012A JP 2009255012 A JP2009255012 A JP 2009255012A JP 2008109955 A JP2008109955 A JP 2008109955A JP 2008109955 A JP2008109955 A JP 2008109955A JP 2009255012 A JP2009255012 A JP 2009255012A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
filter medium
strand
molded body
polluted water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008109955A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Matsuoka
毅 松岡
Masahiro Akatsu
正浩 赤津
Tsuneo Okamoto
恒夫 岡本
Terukazu Arai
輝一 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kureha Engineering Co Ltd
Original Assignee
Kureha Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kureha Engineering Co Ltd filed Critical Kureha Engineering Co Ltd
Priority to JP2008109955A priority Critical patent/JP2009255012A/ja
Priority to PCT/JP2009/056019 priority patent/WO2009119696A1/en
Priority to KR20107021042A priority patent/KR20100126755A/ko
Priority to CN2009801104151A priority patent/CN101977852B/zh
Publication of JP2009255012A publication Critical patent/JP2009255012A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Landscapes

  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)

Abstract

【課題】優れた水質改善効果と長期的にろ水圧の上昇の少ない、特に汚濁の程度の大きい各種排水の処理に適したろ過装置およびこれを用いる汚濁水の処理方法を提供すること。
【解決手段】それぞれ、但し互いに太さの異なる熱可塑性樹脂ストランドの融着成形体からなる二種以上の接触ろ材成形体を、汚濁水処理槽中に、上流側には太い樹脂ストランドからなるろ材成形体を、下流側には細い樹脂ストランドからなるろ材成形体を、順次配列してなる汚濁水のろ過装置、およびこれを用いる汚濁水の処理方法。
【選択図】 図5

Description

本発明は、河川水、生活排水あるいは工場排水等を含む汚濁水の浄化に適したろ過装置およびこれを用いる汚濁水の処理方法に関する。
汚濁水、特に汚濁の程度の大きな各種排水の処理は、微生物により生物化学的酸素要求量(BOD)、浮遊物質(SS)等の汚濁物質を減容化させる方法が主流となっている。この方法では、微生物量が多いほど、処理される汚濁物質の量も多くなる。従って、多くの生物膜を安定的に担持可能な排水のろ材として、単位体積当たり比表面積が大きい担持体が求められている。担持体の糸径を細くすれば比表面積は増大し、ろ過性能は向上する。しかしながら、空隙率を一定にした場合、糸径が細くなると、糸間距離が近接し、生物膜の増大とともに糸間が閉塞し、ろ過圧力が増大し、即ち排水処理槽の流水の入口と出口の水頭差が増大し、結果として排水流量を落とさざるを得なくなり、ろ過効率が低下するなどの問題が発生する。この閉塞を極力弱めるために空隙率を90〜98%(特許文献1)、又は92〜99%(特許文献2)と大きくしているのが現状である。
このようなろ材を用いる水処理装置の一つとして、15〜40%の空隙率を有する生物処理用連続空隙体の前後に30〜65%の空隙率を有するろ過用連続空隙体を配置した取水設備用のろ過器も提案されている(特許文献3)。しかしながら、処理時間の経過に伴なう連続空隙体の目詰まり防止のために逆洗の必要があるとされ(段落[0013])、より汚濁の進んだ排水の連続処理には適していない。
特開平10−14569号公報 特開平11−279922号公報 特開平5−185083号公報 特願2008−076304号明細書
本発明は、汚濁水、特に汚濁の程度の大きい各種排水の連続処理に適したろ過装置およびこれを用いる汚濁水の処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、それぞれ熱可塑性樹脂ストランドの融着成形体からなり且つ該熱可塑性樹脂ストランドの太さが互いに異なる二種以上の接触ろ材成形体を、汚濁水処理槽中に、上流側には太い樹脂ストランドからなるろ材成形体を、下流側には細い樹脂ストランドからなるろ材成形体を、配列してなる汚濁水のろ過装置を提供するものである。また、本発明の汚濁水の処理方法は、上記ろ過装置を用い、二種以上の接触ろ材成形体に順次汚濁水を通水して、ろ過することを特徴とするものである。
本発明者らが上述の目的で研究して、本発明に到達した経緯について付言する。本発明者らは、汚濁程度の大きい排水の処理に適した接触ろ材成形体の開発を進めて行く過程で、このような汚濁水の浄化のための物理的な接触沈澱および/または付着微生物による生物化学的な接触反応を促進するため接触ろ材としては、単に空隙率を規定するのみでなく、ある程度空隙の大きな樹脂ストランドの融着成形体が適していることを見出して一つの接触ろ材成形体を提案している(上記特許文献4)。上記特許文献4の実施例に示すように、この接触ろ材成形体は、汚濁程度の大きな排水の処理に長期で安定な処理性能を示すことが確認された。本発明は、上記特許文献の発明の改良発明に相当するものである。すなわち、本発明者らのその後の研究によれば、特許文献4の実施例に見られるように、汚濁水処理槽中に一様な太さの熱可塑性樹脂ストランドの融着成形体を配列してなるろ過装置は、優れた水質改善効果と長期運転安定性を示すものではあるが、相対的に細い樹脂ストランドからなるろ材成形体を用いる場合(後記比較例1)は、水質改善効果は大きいもののろ過圧力(すなわち入口・出口水頭差)の増大傾向を示し、長期運転安定性に若干の懸念を残す傾向がある。他方、相対的に太い樹脂ストランドからなるろ材成形体を用いる場合(後記比較例3)は、入口・出口水頭差の増大傾向は小さく、長期運転安定性能に問題はないが、相対的に水質改善効果が若干劣る傾向を示す。これに対し、本発明者らの更なる研究によれば、互いに太さの異なる熱可塑性樹脂ストランドからなる二種以上のろ材成形体を汚濁水処理槽中に、上流側には太い樹脂ストランドからなるろ材成形体を、下流側には細い樹脂ストランドからなるろ材成形体を、順次配列することにより、入口・出口水頭差の上昇を小さく維持しながら全体として良好な水質改善効果が得られること(後記実施例1)を知見して本発明に到達したものである。本発明の汚濁水のろ過装置における上記した接触ろ材成形体の配列により、良好な水質改善効果と、入口・出口水頭差の上昇防止効果の調和が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推定される。
すなわち、排水処理では、排水に含む有機物濃度と溶存酸素により、ストランド成形体に形成される生物膜が肥大化するため、ストランド同士の間隔が重要である。具体的には、排水処理の前半では有機物濃度が溶存酸素に比して多い状態であり、糸状細菌類のコロニー(ミズワタ)が200mm〜300mm程度まで成長する。一方、前半系で成長したミズワタは曝気により先端が切断され、細かいSS(浮遊物質)を形成し、下流側に移動する。この細かいSSを捕捉するためには、比表面積が大きくストランド間隔が短くできる径の細いストランドからなる成形体を下流側に配置することが望ましい。尚、中間から後半では、有機物濃度が低下しているために、ストランド成形体で生成する生物膜の肥大化の発現がなくなり、ろ過圧力の増大が抑制されると思われる。
本発明の汚濁水のろ過装置に用いられる接触ろ材成形体の各々は、好ましくは上記特許文献4に開示される方法、すなわち、「加熱溶融状態の熱可塑性樹脂を、ノズルよりストランド状に押出し、一定の水平方向開口形状を有する枠体中に流下・堆積させるに際して、枠体を流下するストランドに対して水平二次元方向に繰り返し相対移動させ、且つ流下中のストランドを冷却し、半固体状のストランドを枠体中に流下・堆積させることにより空隙率を50〜90%に制御することを特徴とする接触ろ材成形体の製造方法」、により製造される。以下、特許文献4の開示に沿ってその方法の概容を述べる。
図1は、上述した接触ろ材成形体の製造方法を実施するための簡便な装置系の一例の模式図であり、押出機1の先端のノズル2から押出された加熱溶融状態の熱可塑性樹脂ストランド3は、非接触型温度計(サーモグラフィー)4で表面温度を検出され、その出力に応じて、水噴霧冷却器5から噴出制御されるミスト状の水5aの作用下に冷却される。冷却されたストランドは、移動装置6上に載置され水平方向に二次元移動する成型枠体7中に流下・堆積され、最終的に固化して、接触ろ材を形成する。
二次元方向移動の態様には、最終的に、枠体中に流下・堆積したストランドの完全固化前の荷重印加による融着度の向上および空隙率の低減の為の、必要に応じて採用される整形工程を考慮すれば、比較的任意性がある。しかし、この場合、二次元移動の任意度が高いと、荷重印加による成形に際して、中央でのストランドの過大な変形と、周辺部での過剰な空隙率の低下が起りがちである。従って、枠体のノズルに対する相対二次元移動方向にある程度の規則性を持たせ、成形体中での空隙率の一様な分布を通じて、ろ材を通る被処理水流の整流を図るのが好ましい。
他方、上記方法により得られるろ材成形体の全体形状は、基本的には使用される枠体の形状により支配されるが、水処理装置内に積み重ね配置されるろ材単位としての使用を考慮すると、概ね直方体(立方体を含む趣旨とする)形状であることが好ましい。従って使用される枠体の水平方向開口形状としては矩形(正方形を含む)が好ましい。
このような枠体7の水平二次元移動、換言すれば枠体中への冷却ストランドの流下(落し込み)の方向順序の好ましい態様の例としては、例えば水平方向開口形状が矩形である枠体の矩形両辺の延長方向をそれぞれX軸、Y軸とした場合、概ねX軸方向に延長するストランドからなる一水平ストランド堆積層と、概ねX軸方向と直交するY軸方向に延長するストランドからなる次の一水平ストランド堆積層とを、交互に上下方向に繰り返し積層する形態がある。
換言すれば、枠体の相対移動方向としては、概ねX軸方向である一ストランド堆積層形成期間と、概ねY軸方向である次の一ストランド堆積層形成期間とを交互に繰り返すことにより、枠体中にストランドの積層堆積物を形成することになる。
この際、より厳密には、一ストランド堆積層形成期間においてX軸方向での往復動の切替時期毎にY軸方向に短い距離の移動期間を入れ、次の一ストランド層堆積期間においては、Y軸方向での往復動の切替時期毎にX軸方向に短い距離の移動期間を置くことになる。更に引き続く二ストランド堆積層形成期間においては、X軸方向およびY軸方向の最初の移動方向が、上述した先の二ストランド堆積層形成期間におけるX軸およびY軸方向の最初の移動方向(例えば+X方向と+Y方向)と逆側の方向(例えば−X方向と−Y方向)となるようにして、積層ストランド延長方向ができるだけ偏らないようにすることが好ましい。この例では、結局4ストランド堆積層形成期間毎に、X軸、Y軸の移動方向(往復動の切替時期の短距離移動方向も含めて)が同一となり、これが繰り返されることにより、高さ(Z軸)方向にストランド層が堆積形成されることになる。
接触ろ材成形体の生産性を向上するためには、複数のノズルを有するダイスを用いて複数本のストランドを同時に押出して押出量を増加させる必要性がある。この際、複数のノズルが狭い間隔で直線的に配列していると、枠体の移動方向との関係もあるが、枠体中に流下するストランドが重なるおそれが大となる。特に結晶化が不十分でストランドの剛性が不十分の場合には、重なりの影響でストランドの不規則変形が顕著に発現して不都合となる。これに対し、ストランド樹脂が適度に結晶化してある程度の剛性がある場合には、流下するストランドが既に堆積しているストランドと重なりそうになっても、隣接位置へずれて堆積するために、重なりはおおむね避けられる。このようなストランドの重なりを良好に避けるためには、例えば、複数ノズルを図2に示すように千鳥格子状に、あるいは図3に示すように円形放射状に、配列してノズル管の間隔を大きくし且つ直線的な配列を避けることが好ましい。また図2の千鳥格子配列について、図4に示すように、ノズルの直線状配列方向が、枠体の相対移動軸X軸およびY軸のいずれともずれていること、換言すれば、X軸またはY軸との間に45°未満、好ましくは5〜30°程度の傾き角θを設定することが好ましい。
(整形工程)
上述のようにして枠体中にストランドを流下・堆積させたストランド積層物が、完全に固化する前に、枠体開口に嵌挿する形状の上蓋体を介してストランド積層物に10〜80kg/m程度の荷重を印加してストランド間の密着を強化し、空隙率を均一に低減することにより、より枠体形状と整合し、且つ空隙率が均一な成形体を得ることが望ましい。
(接触ろ材)
上述の工程を経た枠体中のストランド積層体を固化後に枠体から取出すことによりろ材成形体が得られる。図1に示す例においては、枠体7は底板を有さず、上面が樹脂からの離型性の良い(例えばステンレス・スチール)からなる移動装置6の上面板上に載置されているため、枠体7からのろ材成形体の取出しは容易である。このようにして形成されるろ材成形体の好ましい全体形状は概ね直方体形状を有するものである。
本発明で用いる接触ろ材の他の好ましい形態的特徴を挙げると、構成ストランド径(等面積の円相当径)d(mm)が上述したように0.5〜10mm、更に好ましくは1〜8mm;空隙率ε(%)が50〜90%、好ましくは60〜85%;構成ストランド長さL(m)が2m以上、特に10m以上;比表面積S(m/m)が50〜5000m/m;成形体の全体容積V(m)が10−2〜10等である。
なお上記各寸法間には、成形体重量および構成樹脂密度より求めた空隙率ε(%)を介して、以下の関係が成立し、以下の実施例においても評価特性の計算に用いた。
<空隙率>
空隙率ε(%)=(V−T/ρ)/V×100
ここでV:成形体の全体容積(m)、T:成形体重量(トン)
ρ:ストランド(構成樹脂)の密度(トン/m)。
<比表面積>
成形体中のストランド単独の容積(V=T/ρ)を求め、これをストランド径(=dmm)から求めたその断面積(=((d/1000)×π×1/4)で割って、ストランド長さを求め、更に以下の式にしたがって、比表面積を求める:
ストランド長さ:L(m)=V/((d/1000)×π×1/4)
ストランドの全表面積:S(m)=π×(d/1000)×L
ストランドの比表面積:s(m/m)=S/V。
本発明のろ過装置は、それぞれ上記のようにして得られる接触ろ材成形体の、構成樹脂ストランドが互いに太さの異なる二種以上を、汚濁水処理槽中に、上流側には太い樹脂ストランドからなるろ材成形体を、下流側には細い樹脂ストランドからなるろ材成形体を、順次配列してなることを特徴とするものである。図5は、このような本発明の好ましい態様に従うろ過装置を含む水処理装置の一例の模式断面図である。
図5を参照して、この水処理装置は、本発明の好ましい一態様に従うろ過装置50の下流に沈降分離槽60を配置してなる。ろ過装置50は、高さH、長さL、幅W(図示せず)のろ過槽(汚濁水処理槽)51中の入口側多孔板55と出口側多孔板56で区画される空間中に、太さが順次減少する3種の熱可塑性樹脂ストランド521、531および541からそれぞれなる3種の接触ろ材成形体52、53および54を、排水の流れ方向AAに沿って、上流側から下流側と順次配置してなる。またろ過槽51の底部には、長さL方向に適宜の間隔で、幅(W)方向に延長する散気管57が配されている。
使用に際しては、生活排水あるいは工場排水等からなる汚濁水WWは、ろ過槽51中の入口側多孔板55の上流空間に導入され多孔板55を通り、太さが順次減少する3種の樹脂ストランドからなる接触ろ材成形体52、53および54を通過するに際してミズワタの成長、散気管57からの空気による曝気処理による細かいSSへの分裂および汚泥への分解等の処理を受けつつ、多孔板56を通り、生成した汚泥を含むろ過水FWは溢流水として、沈降分離槽60へ導入され、汚泥から分離された処理水CWは、そのまま、あるいは滅菌処理等の追加の後処理を受けて、放流あるいは再使用に供される。
直径の異なる樹脂ストランドからなるろ材成形体として何種類のものを用いるか、またそれらの容積比およびそれらの間の直径比については、被処理汚濁水中のBODおよびSS等に応じて、水質改善効果とろ過圧(水頭差)の上昇を考慮して適宜設定可能であるが、2種類以上4種類以下が現実的であり、それぞれの容積比は、均等割×(0.40〜2.0)倍の範囲が妥当であり、好ましくは均等割×(0.7〜1.5)倍の範囲が用いられる。更に、太さの異なる樹脂ストランドの組合せを特徴とする本発明の効果を発揮するため、最上流と最下流のろ材成形体における構成樹脂ストランドの太さ(円相当直径)の比は、好ましくは1.5以上、より好ましくは2以上、特に好ましくは3以上に設定する。上限は20以下、特に10以下が現実的である。本発明においては、ミズワタの成長と切断による寸法変化が最も影響する最上流と最下流のろ材成形体における空隙の寸法変化が特に重要であり、中間に位置するろ材成形体におけるストランドの太さに関しては、一部逆転させるなどの自由度は許容される。
以下、実施例および比較例により、本発明を更に具体的に説明する。
<ろ材成形体の製造>
下記性状を示す電線被覆用廃材ポリエチレンを熱可塑性樹脂として、図1に示す様な装置系を用いて太さが、それぞれ1mmφ、3.3mmφおよび5.5mmφの樹脂ストランドからなる3種のろ材成形体を製造した。
・MFR値(JIS−K7210に準拠):5.8g/分(測定温度:190℃、荷重:10kg・f)、
・融点:110℃、結晶化温度:97℃(昇温および降温速度:10℃/分)、
・密度:0.92g/cm
(製造例1)
単軸押出機1で上記ポリエチレンを溶融混練し、固定ダイス1a中に設けた図2に示す千鳥格子状配列で計44のノズル2(温度180℃、径1mmφ)から押出されたストランド3を流下させながら、非接触型表面温度計4(NEC三栄(株)製「TH6200」)により表面温度を計測しながら噴霧量の調整可能な水噴霧冷却器5より水を噴霧して冷却して、ストランド表面温度を42℃に制御しつつ、サーボモータを備えた水平二軸方向移動装置6上、且つ枠体の上端までの距離がノズル下120cmの位置になるように載置した寸法50×50/25cm(X/Y/Z)の成型枠体7を3m/分の一定速度でX軸およびY軸方向に繰り返し移動させつつ、ストランドを流下させ、25cmの高さまで堆積させた。この際の、枠体の水平二次元移動方向のより詳細は、上記本文にて説明したように、枠体中へのストランド優先配列方向がY→X→−Y→−Xと変化する4ストランド堆積層形成期間を1サイクルとする規則配列構造のストランド積層体の形成法において、Yおよび−Y優先配列時のY軸移動距離を449mm(その間のX軸移動距離を86mm)、Xおよび−Y優先配列時のX軸移動距離を429mm(その間のY軸移動距離56mm)として、規則配列ストランド堆積体を得た。その後、このストランド堆積体を、10kg(/50×50cm)の荷重がかかる上蓋を載せた状態で固化させることにより、寸法50×50×25cmの接触ろ材成形体を形成した。該成形体は、実質的に44本のストランドからなる。
(製造例2)
製造例1において、ノズル2を、径が3.3mmφのもの21個に変更し、枠体中へのストランド優先配列方向がY→X→−Y→−Xと変化する4ストランド堆積層形成期間を1サイクルとする規則配列構造のストランド積層体の形成法において、Yおよび−Y優先配列時のY軸移動距離を452mm(その間のX軸移動距離を84mm)、Xおよび−X優先配列時のX軸移動距離を423mm(その間のY軸移動距離56mm)とする規則配列ストランド積層体形成態様に変更し、枠体7に流下するストランド表面温度を43℃とする以外は製造例1と同様にして、直方体形状のろ材成形体を得た。
(製造例3)
製造例1において、ノズル2を径5.5mmφのもの8個に変更し、Yおよび−Y優先配列時のY軸移動距離を455mm(その間のX軸移動距離を87mm)、Xおよび−X優先配列時のX軸移動距離を435mm(その間のY軸移動距離57mm)とする規則配列ストランド積層体形成態様に変更する以外は製造例1と同様にして、直方体形状のろ材成形体を得た。
<<水処理性能試験>>
(実施例1)
図5に示すものと概ね同じ構造を有する、長さ(L):2000mm、幅(W):105mm、高さ(H):250mm(有効深さ:185mm)、容積39Lの小型実験ろ過槽51に、上記製造例3、2および1で得られた太さが順次5.5mmφ、3.3mmφおよび1mmφの樹脂ストランドからなる3種のろ材成形体52、53および54を、それぞれ1/3の容積割合となるように且つX−Y面が汚濁水流動方向AAと直交する汚濁水流入面となるように配列して、充填して得られたろ過装置50に、下水処理場の最初沈澱水であるBOD=160mg/L、SS=90mg/Lの原水を長さ方向に沿って75mL/分の速度で流入させ(滞留時間:8.6時間)、ろ過槽51の底部にろ過槽の長さ方向に等間隔で長さ方向と直交するように配置した散気管20本(それぞれ孔径0.8mmφの孔を40個/本の割合で設けてある)から25L/分の割合で空気を流しながら(ならし期間14日)+126日の試験期間、水処理を行い、出口水を20Lの分離槽60に受け、上澄水(処理水)を排出した。
途中、1回/週の割合でろ過槽51の出口水質を測定し、その平均値としてBOD除去率、SS除去率を求めた。
また2週間に1回の頻度で沈降分離槽60に溜まった汚泥を均一に攪拌し、沈降分離槽の容量とSS濃度で汚泥量を計量し、以下の式で汚泥発生率を求めた。
汚泥発生率(%)=(汚泥累積量+処理水SS累積量)/原水SS累積量×100
汚泥累積量(g):沈降分離槽に溜まった汚泥量の累積値
処理水SS累積量(g):沈降分離槽の最終処理水で流出したSS量の累積値。
別途、装置運転終期におけるろ過槽51の入口・出口水頭差を測定して、ろ材通水性を評価した。
ろ材成形体の概要および水処理性能評価結果を、下記比較例の結果とまとめて後記表1に示す。
(比較例1,2および3)
実験ろ過槽51に充填するろ材成形体として、製造例1,2および3で製造した直径1mmφ(比較例1)、3.3mmφ(比較例2)および5.5mmφ(比較例3)のろ材成形体を、それぞれ単独で用いる以外は、実施例1と同様にして水処理性能試験を行った。
(比較例4)
実験ろ過槽51に充填するろ材成形体として、市販砕石球状結合体(アクアテック(株)製「ジャリッコ」;嵩密度約1000kg/m、平均寸法約100mm、空隙率60%、比表面積:62m/m)を用いる以外は、実施例1と同様にして水処理性能試験を行った。
上記実施例、比較例における各ろ材成形体の概要および水処理性能評価結果をまとめて次表1に示す。
Figure 2009255012
上述し、また上記表1の結果からも理解されるように、本発明によれば、優れた水質改善効果と長期的にろ水圧の上昇の少ない、特に汚濁の程度の大きい各種排水の処理に適したろ過装置およびこれを用いる汚濁水の処理方法が提供される。
本発明に用いる接触ろ材成形体の製造方法を実施するのに適した装置系の模式配置図。 本発明に用いる接触ろ材成形体の製造方法の製造例2に用いたノズルの千鳥格子状配列を示す平面図。 ノズル配列の別例として、円形放射状配列を示す平面図。 図2の千鳥格子上配列ノズルの配列方向と枠体の優先移動動方向X軸およびY軸との相対配置の一例を説明するための平面図。 本発明のろ過装置を含む水処理装置の一例の模式断面図。
符号の説明
50 ろ過装置
51 ろ過槽
52,53,54 接触ろ材成形体
55 入口多孔板
56 出口多孔板
57 散気管
60 沈降分離槽
521,531,541 熱可塑性樹脂ストランド
WW 被処理汚濁水
AA 汚濁水流れ方向
FW ろ過水
CW 処理水

Claims (5)

  1. それぞれ熱可塑性樹脂ストランドの融着成形体からなり且つ該熱可塑性樹脂ストランドの太さが互いに異なる二種以上の接触ろ材成形体を、汚濁水処理槽中に、上流側には太い樹脂ストランドからなるろ材成形体を、下流側には細い樹脂ストランドからなるろ材成形体を、配列してなる汚濁水のろ過装置。
  2. 前記二種以上の接触ろ材成形体のそれぞれについて、構成樹脂ストランドの直径が0.5〜10mm、空隙率が50〜90%、比表面積が50〜500m/mの範囲にある請求項1に記載のろ過装置。
  3. 最上流と最下流の接触ろ材成形体における構成樹脂ストランドの直径の比が1.5〜20の範囲内である請求項1または2に記載のろ過装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかのろ過装置を用い、二種以上の接触ろ材成形体に順次汚濁水を通水してろ過する汚濁水の処理方法。
  5. ろ過装置からの処理水を、沈降分離槽に導入し、上澄液を排出する請求項4に記載の汚濁水の処理方法。
JP2008109955A 2008-03-24 2008-04-21 汚濁水のろ過装置およびこれを用いる汚濁水の処理方法 Withdrawn JP2009255012A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008109955A JP2009255012A (ja) 2008-04-21 2008-04-21 汚濁水のろ過装置およびこれを用いる汚濁水の処理方法
PCT/JP2009/056019 WO2009119696A1 (en) 2008-03-24 2009-03-18 Process for producing shaped contact-filtration member, shaped contact-filtration member, filtration apparatus, and method of processing soiled water
KR20107021042A KR20100126755A (ko) 2008-03-24 2009-03-18 접촉 여과재 성형체의 제조 방법, 접촉 여과재 성형체, 여과 장치 및 오수 처리 방법
CN2009801104151A CN101977852B (zh) 2008-03-24 2009-03-18 成形接触式过滤部件的制造方法、成形接触式过滤部件、过滤设备以及污水处理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008109955A JP2009255012A (ja) 2008-04-21 2008-04-21 汚濁水のろ過装置およびこれを用いる汚濁水の処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009255012A true JP2009255012A (ja) 2009-11-05

Family

ID=41383149

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008109955A Withdrawn JP2009255012A (ja) 2008-03-24 2008-04-21 汚濁水のろ過装置およびこれを用いる汚濁水の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009255012A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011102262A1 (ja) * 2010-02-16 2011-08-25 株式会社クレハエンジニアリング 接触ろ材成形体、その製造方法およびろ過装置
JP2020065989A (ja) * 2018-10-26 2020-04-30 株式会社アクト 排水処理用担体、その製造方法および排水処理用担体を備えた汚水処理装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011102262A1 (ja) * 2010-02-16 2011-08-25 株式会社クレハエンジニアリング 接触ろ材成形体、その製造方法およびろ過装置
JP2020065989A (ja) * 2018-10-26 2020-04-30 株式会社アクト 排水処理用担体、その製造方法および排水処理用担体を備えた汚水処理装置
JP7182258B2 (ja) 2018-10-26 2022-12-02 株式会社アクト 排水処理用の微生物を担持するための担体、その製造方法および排水処理用の微生物を担持するための担体を備えた汚水処理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7361272B2 (en) Anisotropic porous material
CN201216922Y (zh) 七孔pvc超滤膜
US8591738B2 (en) Membrane unit and membrane separation device
EP2465824A1 (en) Membrane bioreactor (MBR) configurations for wastewater treatment
US20150060360A1 (en) Systems and methods of membrane separation
US11338253B2 (en) Porous hollow fiber membrane, method for producing same, and water purification method
JP2010051956A (ja) 中空糸膜モジュール及びそれを用いた懸濁水の浄化方法
CN103663624B (zh) 一种油田回注水的精制方法
MX2015003479A (es) Procedimiento de tratamiento de agua que comprende flotacion combinada con filtracion por gravedad, y equipo correspondiente.
AT511926B1 (de) Verfahren zur mechanischen Feststoffabscheidung aus Abwasser
JP5147765B2 (ja) 再生水の製造方法
US9044714B2 (en) Membrane module, membrane unit, and membrane separation device
WO2008062788A1 (fr) Membrane à fibre creuse pour la filtration par immersion, module de membrane à fibre creuse pour la filtration par immersion utilisant celle-ci, appareil pour la filtration par immersion, et procédé de filtration par immersion
JP2009255012A (ja) 汚濁水のろ過装置およびこれを用いる汚濁水の処理方法
EP2530056A1 (en) Apparatus and method for filtering sludge
Abdel-Fatah et al. Industrial wastewater treatment by membrane process
KR20100126755A (ko) 접촉 여과재 성형체의 제조 방법, 접촉 여과재 성형체, 여과 장치 및 오수 처리 방법
WO2011102262A1 (ja) 接触ろ材成形体、その製造方法およびろ過装置
KR100720598B1 (ko) 고도처리장치용 여과기
JP2022191066A (ja) 水処理方法および水処理装置
JPH09174094A (ja) 原水の処理方法
KR101663309B1 (ko) 대용량 섬유여과장치
JP2009226333A (ja) 接触ろ材成形体の製造方法および接触ろ材成形体
KR101250368B1 (ko) 입상여재를 이용하여 기체의 오염을 정화하는 기체정화장치
JP6483496B2 (ja) 固液分離方法及び固液分離システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110117

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20120314