JP2009253146A - フィルムコンデンサ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】巻芯上にフィルムが巻回されてなるフィルムコンデンサにおいて、フィルム形成時に使用された基材を有効利用して、フィルムコンデンサの製造コストの低減を図る。
【解決手段】巻芯(13)に巻回される金属化フィルム(19)の絶縁フィルム(19a)を、基材(21)上に塗布したフィルム溶液を乾燥させた後、該基材(21)から剥離させることにより形成する。上記巻芯(13)を、上記絶縁フィルム(19a)を形成する際に使用した上記基材(21)によって構成する。
【選択図】図1
【解決手段】巻芯(13)に巻回される金属化フィルム(19)の絶縁フィルム(19a)を、基材(21)上に塗布したフィルム溶液を乾燥させた後、該基材(21)から剥離させることにより形成する。上記巻芯(13)を、上記絶縁フィルム(19a)を形成する際に使用した上記基材(21)によって構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、巻芯上に金属化フィルムが巻回されてなるフィルムコンデンサに関し、特にコスト低減に係るものである。
従来より、金属化フィルムを巻芯上に巻回してなるフィルムコンデンサが知られている。このようなフィルムコンデンサは、電子機器や電気機器等において、特に安定した電気特性を要する回路に多く用いられている。また、近年のフィルムコンデンサは、電解コンデンサと比較して低損失であり、信頼性にも優れているため、空調機やハイブリッド自動車等のインバータ回路の平滑コンデンサとしても利用されている。
上記フィルムコンデンサの構成としては、例えば特許文献1に開示されるように、巻芯上に金属化フィルムを巻回した状態で、該金属化フィルムの両端に溶融電極材料を付着させてメタリコン電極を形成し、該メタリコン電極に外部端子を接続したものなどが知られている。
また、上記特許文献1には開示されていないが、上記巻芯上に巻回された金属化フィルムを保護するために、該金属化フィルムの外周側を絶縁カバーによって覆い、全体を樹脂で封止する構成も知られている。
上述のような構成を有するフィルムコンデンサは、一般的に、以下のような方法によって製造される。まず、基材上にフィルム溶液を塗布して乾燥させることにより該基材上にフィルム体を形成し、該フィルム体の表面上に金属膜を設けて金属化フィルムを形成する。この金属化フィルムを基材から剥離させた後、用意しておいた巻芯上に金属化フィルムを巻回す。その後(絶縁カバーの設けられる構成では該フィルムの外周面上に絶縁カバーを巻いた後)、上記金属化フィルムの両端に溶融電極材料を付着させてメタリコン電極を形成し、該メタリコン電極に外部端子を接続した後、上記金属化フィルム及びメタリコン電極全体を樹脂によって封止する。
特開2002−289459号公報
ところで、上述のように、フィルム溶液を基材上に塗布して乾燥させることによりフィルム体を形成する方法では、基材からのフィルム体の剥離を容易にするために、該基材は平滑性の高いものを使用する必要がある。ところが、フィルム体の形成時に基材を一度、使用すると、表面の平滑性が損なわれたり表面に不純物が付着したりするため、フィルム体の形成に基材を再利用することができず、一度、使用された基材は廃棄するしかなかった。そうすると、フィルム体の形成時にしか使用されない基材をその都度、用意する必要があり、その分、製造コストが高くなるという問題が生じていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、巻芯上に金属化フィルムが巻回されてなるフィルムコンデンサにおいて、フィルム体の形成時に使用された基材を有効利用して、フィルムコンデンサの製造コストの低減を図ることにある。
上記目的を達成するために、本発明に係るフィルムコンデンサ(11)では、フィルム体(19a)を形成する際に使用する基材(21)を、該フィルム(19)の巻回される巻芯(13)や該フィルム(19)の外周側を覆う絶縁カバー(20)に再利用するようにした。
具体的には、第1の発明は、フィルム体(19a)の表面に金属膜(19b)が形成された金属化フィルム(19)が巻芯(13)上に巻回されてなるフィルムコンデンサを対象とする。そして、上記フィルム体(19a)は、基材(21)上に塗布したフィルム溶液を乾燥させた後、該基材(21)から剥離されてなり、上記巻芯(13)は、上記フィルム体(19a)を形成する際に使用した上記基材(21)によって構成されているものとする。
この構成により、フィルム体(19a)を形成する際に使用した基材(21)を巻芯(13)に再利用することができ、その分、製造コストの低減を図れる。すなわち、従来は、フィルム体(19a)を形成した後の基材(21)は、廃棄されていたが、該基材(21)を巻芯(13)に再利用することで、巻芯(13)の材料を別途、用意する必要がなくなり、その分、材料費を減らすことができる。
また、上記巻芯(13)上に巻回された上記金属化フィルム(19)の外周側は、絶縁カバー(20)により覆われていて、上記絶縁カバー(20)は、上記基材(21)によって構成されているものとする(第2の発明)。
これにより、金属化フィルム(19)の外周側を覆う絶縁カバー(20)も、フィルム体(19a)を形成する際に使用された基材(21)によって構成されるため、該絶縁カバー(20)の分の材料コストの低減を図れる。
第3の発明は、フィルム体(19a)の表面に金属膜(19b)が形成された金属化フィルム(19)が巻芯(13)上に巻回されて、該金属化フィルム(19)の外周側が絶縁カバー(20)によって覆われたフィルムコンデンサを対象とする。
そして、上記フィルム体(19a)は、基材(21)上に塗布したフィルム溶液を乾燥させた後、該基材(21)から剥離されてなり、上記巻芯(13)及び絶縁カバー(20)の少なくとも一方は、上記フィルム体(19a)を形成する際に使用した上記基材(21)によって構成されているものとする。
この構成により、巻芯(13)及び絶縁カバー(20)の少なくとも一方には、フィルム体(19a)を形成する際に使用された基材(21)が再利用されるため、これらの材料コストの低減を図れる。したがって、フィルムコンデンサ(11)の製造コストの低減を図れる。
第4の発明は、フィルム体(19a)の表面に金属膜(19b)が形成された金属化フィルム(19)が巻芯(13)上に巻回されてなるフィルムコンデンサの製造方法を対象とする。
そして、フィルム溶液を基材(21)上に塗布して乾燥させることにより該基材(21)上に上記フィルム体(19a)を形成するフィルム体形成工程と、上記フィルム体(19a)上に金属膜(19b)を形成する金属化フィルム形成工程と、上記フィルム体形成工程または金属化フィルム形成工程のいずれか一方の後に、上記フィルム体(19a)を基材(21)から剥離させる剥離工程と、上記巻芯(13)上に上記金属化フィルム(19)を巻回すフィルム巻き工程と、を備え、上記巻芯(13)には、上記フィルム体形成工程で使用した上記基材(21)が用いられるものとする。
この方法により、上記第1の発明の構成を有するフィルムコンデンサ(11)を得ることができる。すなわち、基材(21)上にフィルム溶液を塗布して乾燥させることにより、フィルム体(19a)を形成するフィルムコンデンサ(11)の製造方法の場合、フィルム体(19a)形成後の該基材(21)を、フィルム巻き工程でフィルム(19)を巻回すための巻芯(13)に再利用することができる。これにより、巻芯(13)の材料コストの低減を図ることができ、フィルムコンデンサ(11)の製造コストの低減を図れる。
上述の方法において、上記巻芯(13)上に巻回された上記金属化フィルム(19)の外周側を、上記絶縁カバー(20)によって覆う後巻き工程をさらに備えていて、上記絶縁カバー(20)には、上記フィルム体形成工程で使用した上記基材(21)が用いられるのが好ましい(第5の発明)。
これにより、上記第2の発明の構成を有するフィルムコンデンサ(11)を得ることができる。したがって、フィルム体(19a)を形成する際に使用した基材(21)を、金属化フィルム(19)の外周側を覆う絶縁カバー(20)に再利用することができ、その分、製造コストの低減を図れる。
第6の発明は、フィルム体(19a)の表面に金属膜(19b)が形成された金属化フィルム(19)が巻芯(13)上に巻回されて、該金属化フィルム(19)の外周側が絶縁カバー(20)によって覆われたフィルムコンデンサの製造方法を対象とする。
そして、フィルム溶液を基材(21)上に塗布して乾燥させることにより該基材(21)上に上記フィルム体(19a)を形成するフィルム体形成工程と、上記フィルム体(19a)上に金属膜(19b)を形成する金属化フィルム形成工程と、上記フィルム体形成工程または金属化フィルム形成工程のいずれか一方の後に、上記フィルム体(19a)を基材(21)から剥離させる剥離工程と、上記巻芯(13)上に上記金属化フィルム(19)を巻回すフィルム巻き工程と、上記巻芯(13)上に巻回された上記金属化フィルム(19)の外周側を、上記絶縁カバー(20)によって覆う後巻き工程と、を備え、上記巻芯(13)及び絶縁部材(20)の少なくとも一方には、上記フィルム体形成工程で使用した上記基材(21)が用いられるものとする。
この方法により、上記第3の発明の構成を有するフィルムコンデンサ(11)を得ることができる。すなわち、基材(21)上にフィルム溶液を塗布して乾燥させることにより、フィルム体(19a)を形成するフィルムコンデンサ(11)の製造方法の場合、フィルム体(19a)形成後の該基材(21)を、フィルム巻き工程でフィルム(19)を巻回すための巻芯(13)及び後巻き工程でフィルム(19)の外周側を覆う絶縁カバー(20)のうち少なくとも一方に再利用することができる。これにより、巻芯(13)や絶縁カバー(20)の材料コストの低減を図ることができ、フィルムコンデンサ(11)の製造コストの低減を図れる。
以上の方法において、上記基材(21)は、樹脂材料からなるシート状の部材であり、上記剥離工程でフィルム体(19a)が剥離された基材(21)を巻き取る基材巻取り工程と、上記基材(21)が再利用される巻芯(13)及び絶縁カバー(20)の少なくとも一方は、上記基材巻取り工程で巻き取った上記基材(21)が用いられるものとする(第7の発明)。
これにより、フィルム体(19a)形成後の基材(21)を一旦、巻き取って、該基材(21)を用いて巻芯(13)及び絶縁カバー(20)の少なくとも一方を形成できるため、基材(21)を必要なときに必要な分だけ使用することができる。したがって、使用済みの基材(21)から各部材を形成する際の該基材(21)の管理が容易になり、生産性の向上を図れる。
また、上記基材(21)は、樹脂材料からなるシート状であるため、巻き取りが容易であるとともに、該基材(21)から巻芯(13)や絶縁カバー(20)を容易に形成することができる。
上記フィルム体形成工程または金属化フィルム形成工程のいずれか一方の後に、フィルム体(19a)とともに基材(21)も所定の幅寸法に切断する切断工程を備えているのが好ましい(第8の発明)。こうすることで、フィルム体(19a)の幅寸法と基材(21)の幅寸法とが対応するため、該基材(21)を巻芯(13)として利用する場合には、該巻芯(13)を加工することなく、そのまま用いることができるとともに、上記基材(21)を金属化フィルム(19)の外周側を覆う絶縁カバー(20)として利用する場合には、該絶縁カバー(20)によって金属化フィルム(19)の外周側を確実に覆うことができる。
第1の発明によれば、フィルム体(19a)を形成する際に使用する基材(21)を、金属化フィルム(19)を巻回すための巻芯(13)に再利用したため、フィルムコンデンサ(11)の製造コストの低減を図れる。また、第2の発明によれば、上記基材(21)を金属化フィルム(19)の外周側を覆う絶縁カバー(20)として再利用することで、フィルムコンデンサ(11)の製造コストのさらなる低減を図れる。
第3の発明によれば、上記巻芯(13)及び絶縁カバー(20)の少なくとも一方に上記基材(21)を再利用することで、フィルムコンデンサ(11)の製造コストを確実に低減することができる。
第4〜第6の発明によれば、上記第1〜第3の各発明の構成を有するフィルムコンデンサ(11)を実現することができ、フィルムコンデンサ(11)の製造コストの低減を図れる。
また、第7の発明によれば、基材(21)は樹脂材料からなるシート状の部材であり、基板(21)上からフィルム体(19a)を剥離する際に該基材(21)を巻き取るようにしたため、使用済みの基材(21)を再利用する際の管理が容易になり、生産性の向上を図れる。
さらに、第8の発明によれば、基材(21)はフィルム体(19a)とともに所定の幅寸法に切断されるため、該基材(21)によって金属化フィルム(19)の幅寸法に対応した巻芯(13)を得ることが可能になるとともに、金属化フィルム(19)の外周側を確実に覆う絶縁カバー(20)を得ることも可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(全体構成)
本発明の実施形態に係るフィルムコンデンサ(11)は、図1に示すように、巻芯(13)に巻回されたコンデンサ素子(12)の両端部にメタリコン電極(14,15)が設けられたもので、例えばインバータ回路とコンバータ回路との間の平滑コンデンサ等に用いられる。
本発明の実施形態に係るフィルムコンデンサ(11)は、図1に示すように、巻芯(13)に巻回されたコンデンサ素子(12)の両端部にメタリコン電極(14,15)が設けられたもので、例えばインバータ回路とコンバータ回路との間の平滑コンデンサ等に用いられる。
詳しくは、上記フィルムコンデンサ(11)は、コンデンサ素子(12)と、該コンデンサ素子(12)が巻回される巻芯(13)と、該コンデンサ素子(12)に設けられた2つのメタリコン電極(14,15)と、それらのメタリコン電極(14,15)にそれぞれ電気的に接続された外部端子(16,17)と、上記コンデンサ素子(12)の外周面を覆うように配設される絶縁カバー(20)と、該絶縁カバー(20)、コンデンサ素子(12)、巻芯(13)、メタリコン電極(14,15)及び外部端子(16,17)を封止するための封止樹脂(18)とを備えている。
上記コンデンサ素子(12)は、例えばPVDF系の誘電体フィルムからなる帯状の絶縁フィルム(19a)(フィルム体)の片面にアルミニウム等の金属箔を蒸着させて金属膜(19b)を形成した金属化フィルム(19,19)を2枚重ね合わせてなるもので、上記巻芯(13)の外周に巻回されるように構成されている。このとき、2枚の金属化フィルム(19,19)は巻芯(13)の軸方向にずれるように互いに重ね合わされた状態で、上記巻芯(13)に巻回されている。こうすることで、巻回されたコンデンサ素子(12)における巻芯(13)の軸方向の一端部には、金属化フィルム(19,19)のうちの一方が、該軸方向の他端部には金属化フィルム(19,19)のうちの他方がはみ出した状態となっている(図示省略)。
上記巻芯(13)は、円筒状の樹脂部材からなる。詳しくは後述するように、この樹脂製の巻芯(13)は、上記金属化フィルム(19,19)を形成する際に使用した基材(21)を再利用して形成されている。なお、上記円筒状の巻芯(13)の内部には、金属製の芯部を設けてもよい。この場合、該芯部は、メタリコン電極(14,15)を介して外部端子(16,17)に接続されていて、上記金属化フィルム(19,19)で発生した熱を上記芯部から該メタリコン電極(14,15)及び外部端子(16,17)を介して外部へ放出する。
上記メタリコン電極(14,15)は、巻芯(13)に巻回されて概略円柱状に形成されたコンデンサ素子(12)の軸方向両端部にそれぞれ設けられている。このメタリコン電極(14,15)は、それぞれ、コンデンサ素子(12)の軸方向端部に金属を溶射することによって形成されていて、該コンデンサ素子(12)の軸方向端部においてはみ出している金属化フィルム(19)とそれぞれ電気的に導通している。
上記外部端子(16,17)は、その基端部が巻芯(13)に対応する位置で、メタリコン電極(14,15)と電気的に接続されている。これらの外部端子(16,17)は、メタリコン電極(14,15)の径方向外方に向かって延びて、その先端部が上記封止樹脂(18)から外方に突出して基板(22)に接続されている。
上記絶縁カバー(20)は、図2に示すように、樹脂材料からなるシート状の部材を、円筒状の上記コンデンサ素子(12)の外周面に沿うように丸めて円筒状にしたものである。この絶縁カバー(20)は、詳しくは後述するように、上記金属化フィルム(19)を製造する際に使用した基材(21)を再利用して形成されたもので、該基材(21)は上記金属化フィルム(19)と一緒に切断されるため、該フィルム(19)と軸方向長さ(幅寸法)が同じ寸法になっている。これにより、上記絶縁カバー(20)は、上記コンデンサ素子(12)全体を覆うことができる。
上記封止樹脂(18)は、上記絶縁カバー(20)の外周側、メタリコン電極(14,15)及び外部端子(16,17)の基端部を封止するように設けられている。すなわち、この封止樹脂(18)は、外部端子(16,17)の先端側を除いて、フィルムコンデンサ(11)の構成部品全体を覆うように設けられている。
(製造方法)
次に、上述のような構成を有するフィルムコンデンサ(11)の製造方法について、図3のフロー及び図4に基づいて以下で詳細に説明する。
次に、上述のような構成を有するフィルムコンデンサ(11)の製造方法について、図3のフロー及び図4に基づいて以下で詳細に説明する。
まず、図3のフローに示すように、樹脂製のシート状の基材(21)を準備し、該基材(21)の表面に剥離剤を塗布する(ステップS1)。そして、その上に、乾燥すると絶縁フィルム(19a)になるフィルム溶液を塗布し、乾燥させる(ステップS2)。さらに、基材(21)上に形成された絶縁フィルム(19a)表面に金属箔を蒸着させて金属膜(19b)を形成し、図4に示すように、基材(21)上に金属化フィルム(19)を形成する(ステップS3)。
その後、上記基材(21)及び金属化フィルム(19)をまとめて所定の幅にカットし(ステップS4)、各基材(21)から金属化フィルム(19)を剥離させる(ステップS5)。このとき、金属化フィルム(19)が剥離された基材(21)は、ロール状に巻き取られる。
次に、上記巻き取られた基材(21)の一部を利用して、巻芯(13)を形成し(ステップS6)、該巻芯(13)に上記金属化フィルム(19)を巻回す(ステップS7)。該巻芯(13)に巻回された金属化フィルム(19)の外周側には、上記基材(21)の一部を巻き付けて該基材(21)によって絶縁カバー(20)を構成する(ステップS8)。このように絶縁カバー(20)を設けることで、上記金属化フィルム(19)からなるコンデンサ素子(12)を外部に対して確実に絶縁することができる。
そして、上記巻芯(13)に巻回された金属化フィルム(19)の両端部にメタリコン電極(14,15)を溶着させた(ステップS9)後、該メタリコン電極(14,15)に外部端子(16,17)を取り付ける(ステップS10)。
最後に、上記絶縁カバー(20)、メタリコン電極(14,15)及び外部端子(16,17)の基端側を樹脂(18)によって封止する(ステップS11)。
上述のように、金属化フィルム(19)を形成する際に、基材(21)上にフィルム溶液を塗布して乾燥させることにより絶縁フィルム(19a)を得る方法では、該基材(21)から絶縁フィルム(19a)が容易に剥離するように、該基材(21)は表面の平滑性が高いものを使用する必要がある。ここで、上記基材(21)は、絶縁フィルム(19a)の形成に一度、使用されると、表面の平滑性が損なわれたり該表面に不純物が付着したりするため、絶縁フィルム(19a)の形成に再利用するのは難しい。したがって、従来は、上記基材(21)を絶縁フィルム(19a)の形成に一度、使用した後は、該基材(21)を廃棄処分していたため、その分、フィルムコンデンサ(11)の製造コストが高くなっていた。
これに対し、本発明では、上述のように、絶縁フィルム(19a)を形成する際に使用した基材(21)を、巻芯(13)や絶縁カバー(20)に再利用している。すなわち、上記絶縁フィルム(19a)を形成する際に一度、使用された後、廃棄されていた基材(21)を、巻芯(13)や絶縁カバー(20)として再利用することで、該巻芯(13)や絶縁カバー(20)の材料費を低減することができる。
なお、基材(21)上にフィルム溶液を塗布して乾燥させるステップS2がフィルム体形成工程に、絶縁フィルム(19a)の表面に金属膜(19b)を形成するステップS3が金属化フィルム形成工程に、基材(21)及び金属化フィルム(19)を所定の幅にカットするステップS4が切断工程に、基材(21)から金属化フィルム(19)を剥離させるステップS5が剥離工程に、それぞれ対応する。
また、基材(21)から金属化フィルム(19)を剥離させると同時に該基材(21)を巻き取るステップS5が基材巻取り工程に、上記基材(21)で形成される巻芯(13)に金属化フィルム(19)を巻き回すステップS7がフィルム巻き工程に、該金属化フィルム(19)の外周側に絶縁カバー(20)としての基材(21)を巻き付けるステップS8が後巻き工程に、それぞれ対応する。
−実施形態の効果−
以上より、本実施形態によれば、金属化フィルム(19)の巻回される巻芯(13)及び該金属化フィルム(19)の外周側を覆う絶縁カバー(20)に、該フィルム(19)を形成する際に使用した基材(21)を再利用するようにしたため、該巻芯(13)及び絶縁カバー(20)の材料費を低減することができ、フィルムコンデンサ(11)の製造コストの低減を図れる。
以上より、本実施形態によれば、金属化フィルム(19)の巻回される巻芯(13)及び該金属化フィルム(19)の外周側を覆う絶縁カバー(20)に、該フィルム(19)を形成する際に使用した基材(21)を再利用するようにしたため、該巻芯(13)及び絶縁カバー(20)の材料費を低減することができ、フィルムコンデンサ(11)の製造コストの低減を図れる。
また、上記フィルム(19)を基材(21)から剥離する際に、該基材(21)を巻き取ることで、該基材(21)の保管が容易になり、該基材(21)を巻芯(13)や絶縁カバー(20)として再利用する際の管理が容易になる。
さらに、上記基材(21)を金属化フィルム(19)とともに所定の幅にカットするようにしたため、該基材(21)を巻芯(13)や絶縁カバー(20)として再利用する場合、該巻芯(13)の軸方向寸法及び該絶縁カバー(20)の幅寸法は、上記金属化フィルム(19)の幅寸法と一致する。したがって、上記巻芯(13)や絶縁カバー(20)を加工することなく、そのまま利用することが可能になる。特に、上記絶縁カバー(20)の幅寸法と金属化フィルム(19)の幅寸法とが一致することにより、該絶縁カバー(20)によって金属化フィルム(19)を確実に覆うことができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、フィルムコンデンサとして、PVDF系の誘電体フィルムを用いるようにしているが、これに限らず、フィルムコンデンサとして機能する材料であれば、どのようなフィルム材料であってもよい。
また、上記実施形態では、コンデンサ素子(12)の外周側を覆うように絶縁カバー(20)を配設しているが、この限りではなく、該絶縁カバー(20)がなく、該コンデンサ素子(12)を樹脂(18)で直接、封止するような構成であってもよい。
また、上記実施形態では、巻芯(13)及び絶縁カバー(20)を、金属化フィルム(19)を形成する際に使用した基材(21)によって構成しているが、この限りではなく、巻芯(13)及び絶縁カバー(20)の少なくとも一方を上記基材(21)によって構成してもよい。
また、上記実施形態では、基材(21)上にフィルム溶液を塗布して乾燥させた後、金属膜(19b)を形成して金属化フィルムとし、該基材(21)から金属化フィルム(19)を剥離するようにしているが、この限りではなく、基材(21)から絶縁フィルム(19a)を剥離させた後、該絶縁フィルム(19a)の表面上に金属膜(19b)を形成してもよい。
さらに、上記実施形態では、絶縁フィルム(19a)上に金属膜(19b)を形成した金属化フィルム(19)の状態で、所定の幅にカットするようにしているが、この限りではなく、絶縁フィルム(19a)を所定の幅にカットした後、該絶縁フィルム(19a)上に金属膜(19b)を形成してもよい。
以上説明したように、本発明は、巻芯上にフィルムが巻回されてなるフィルムコンデンサに特に有用である。
11 フィルムコンデンサ
12 コンデンサ素子
13 巻芯
14,15 メタリコン電極
16,17 外部端子
18 封止樹脂
19 金属化フィルム
19a 絶縁フィルム(フィルム体)
19b 金属膜
20 絶縁カバー
21 基材
12 コンデンサ素子
13 巻芯
14,15 メタリコン電極
16,17 外部端子
18 封止樹脂
19 金属化フィルム
19a 絶縁フィルム(フィルム体)
19b 金属膜
20 絶縁カバー
21 基材
Claims (8)
- フィルム体(19a)の表面に金属膜(19b)が形成された金属化フィルム(19)が巻芯(13)上に巻回されてなるフィルムコンデンサであって、
上記フィルム体(19a)は、基材(21)上に塗布したフィルム溶液を乾燥させた後、該基材(21)から剥離されてなり、
上記巻芯(13)は、上記フィルム体(19a)を形成する際に使用した上記基材(21)によって構成されていることを特徴とするフィルムコンデンサ。 - 請求項1において、
上記巻芯(13)上に巻回された上記金属化フィルム(19)の外周側は、絶縁カバー(20)により覆われていて、
上記絶縁カバー(20)は、上記基材(21)によって構成されていることを特徴とするフィルムコンデンサ。 - フィルム体(19a)の表面に金属膜(19b)が形成された金属化フィルム(19)が巻芯(13)上に巻回されて、該金属化フィルム(19)の外周側が絶縁カバー(20)によって覆われたフィルムコンデンサであって、
上記フィルム体(19a)は、基材(21)上に塗布したフィルム溶液を乾燥させた後、該基材(21)から剥離されてなり、
上記巻芯(13)及び絶縁カバー(20)の少なくとも一方は、上記フィルム体(19a)を形成する際に使用した上記基材(21)によって構成されていることを特徴とするフィルムコンデンサ。 - フィルム体(19a)の表面に金属膜(19b)が形成された金属化フィルム(19)が巻芯(13)上に巻回されてなるフィルムコンデンサの製造方法であって、
フィルム溶液を基材(21)上に塗布して乾燥させることにより該基材(21)上に上記フィルム体(19a)を形成するフィルム体形成工程と、
上記フィルム体(19a)上に金属膜(19b)を形成する金属化フィルム形成工程と、
上記フィルム体形成工程または金属化フィルム形成工程のいずれか一方の後に、上記フィルム体(19a)を基材(21)から剥離させる剥離工程と、
上記巻芯(13)上に上記金属化フィルム(19)を巻回すフィルム巻き工程と、を備え、
上記巻芯(13)には、上記フィルム体形成工程で使用した上記基材(21)が用いられることを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法。 - 請求項4において、
上記巻芯(13)上に巻回された上記金属化フィルム(19)の外周側を、上記絶縁カバー(20)によって覆う後巻き工程をさらに備えていて、
上記絶縁カバー(20)には、上記フィルム体形成工程で使用した上記基材(21)が用いられることを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法。 - フィルム体(19a)の表面に金属膜(19b)が形成された金属化フィルム(19)が巻芯(13)上に巻回されて、該金属化フィルム(19)の外周側が絶縁カバー(20)によって覆われたフィルムコンデンサの製造方法であって、
フィルム溶液を基材(21)上に塗布して乾燥させることにより該基材(21)上に上記フィルム体(19a)を形成するフィルム体形成工程と、
上記フィルム体(19a)上に金属膜(19b)を形成する金属化フィルム形成工程と、
上記フィルム体形成工程または金属化フィルム形成工程のいずれか一方の後に、上記フィルム体(19a)を基材(21)から剥離させる剥離工程と、
上記巻芯(13)上に上記金属化フィルム(19)を巻回すフィルム巻き工程と、
上記巻芯(13)上に巻回された上記金属化フィルム(19)の外周側を、上記絶縁カバー(20)によって覆う後巻き工程と、を備え、
上記巻芯(13)及び絶縁部材(20)の少なくとも一方には、上記フィルム体形成工程で使用した上記基材(21)が用いられることを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法。 - 請求項4から6のいずれか一つにおいて、
上記基材(21)は、樹脂材料からなるシート状の部材であり、
上記剥離工程でフィルム体(19a)が剥離された基材(21)を巻き取る基材巻取り工程と、
上記基材(21)が再利用される巻芯(13)及び絶縁カバー(20)の少なくとも一方は、上記基材巻取り工程で巻き取った上記基材(21)が用いられることを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法。 - 請求項4から7のいずれか一つにおいて、
上記フィルム体形成工程または金属化フィルム形成工程のいずれか一方の後に、上記フィルム体(19a)とともに基材(21)も所定の幅寸法に切断する切断工程を備えていることを特徴とするフィルムコンデンサの製造方法。
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