JP2009251165A - 被覆除去工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数本の光ファイバの端末部分の被覆除去を同時に、かつ短時間に行うことができる光ファイバ用被覆除去工具を提供する。
【解決手段】光ファイバ裸線16の外周に被覆8を有する光ファイバ6の端末の被覆8を除去する被覆除去工具1において、被覆8を切削する切削刃9が設けられている上側ベース部材4と、光ファイバ6を載置する板部7が発泡部材5を介して設けられている下側ベース部材2とを備え、上側ベース部材4及び下側ベース部材2は、一端側で回動自在に連結されており、切削刃9及び板部7が対向して配置されているものである。
【選択図】図1
【解決手段】光ファイバ裸線16の外周に被覆8を有する光ファイバ6の端末の被覆8を除去する被覆除去工具1において、被覆8を切削する切削刃9が設けられている上側ベース部材4と、光ファイバ6を載置する板部7が発泡部材5を介して設けられている下側ベース部材2とを備え、上側ベース部材4及び下側ベース部材2は、一端側で回動自在に連結されており、切削刃9及び板部7が対向して配置されているものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、光ファイバの端末部分の被覆を除去する光ファイバ用被覆除去工具に関するものである。
図4に示すように、光ファイバ裸線16の外周に被覆8を形成してなる光ファイバ6の端末部分の被覆8を除去する場合、図5に示すような、被覆除去ストリッパ20が用いられている。この被覆除去ストリッパ20は、先端に光ファイバ裸線16の外径よりも大きく、かつ、光ファイバ6の外径よりも小さい内径の凹部21を有し、図6(a)に示すように凹部21に光ファイバ6の端末部分を挟み込み、図6(b)に示すように引き抜き方向Fへ引き抜くことにより被覆8を除去できるように構成されている。
また、他の方法としては特許文献1記載の被覆除去工具(図示せず)を用いるものが知られている。この被覆除去工具は、光ファイバ6の外径と同等なガイド溝が形成された一方のベース部材と、切削刃が設けられている他方のベース部材とを回動自在に連結して構成され、一方のベース部材のガイド溝に光ファイバ6の端末部分を挿入し、光ファイバ6の被覆8と切削刃の先端が接触するよう両ベース部材を重ね合わせて固定し、その後、ガイド溝に沿って光ファイバ6を引き抜くことにより、被覆8を除去するものである。
ところで、図5に示す被覆除去ストリッパ20を用いて作業した場合、光ファイバ6の外径と凹部21のサイズが合わず、切り込み加減をうまく調整できずに、光ファイバ6を傷つけてしまう場合があった。
一方、特許文献1に記載の被覆除去工具を用いて作業した場合、光ファイバ6を傷つけずに安全に作業を行える。
しかしながら、図5に示す被覆除去ストリッパ20や、特許文献1記載の被覆除去工具では、ともに、1回の作業において1本の光ファイバ6の被覆8を除去することしかできず、作業効率が悪いという問題があった。また、これら工具では、光ファイバ6の被覆8を除去することができる心線サイズが、凹部21やガイド溝の大きさによって決められてしまい、外径が異なる複数種類の光ファイバ6の被覆除去作業を行う場合、工具の選定をその都度行わなければならず、使い勝手が悪いという問題があった。
そこで、本発明の目的は、複数本の光ファイバの端末部分の被覆除去を同時に、かつ短時間に行うことができる光ファイバ用被覆除去工具を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、光ファイバ裸線の外周に被覆を有する光ファイバの端末の被覆を除去する被覆除去工具において、上記被覆を切削する切削刃が設けられている上側ベース部材と、上記光ファイバを載置する板部が発泡部材を介して設けられている下側ベース部材とを備え、上記上側ベース部材及び上記下側ベース部材は、一端側で回動自在に連結されており、上記切削刃及び上記板部が対向して配置されているものである。
上記下側ベース部材には、潤滑剤を含浸したガイド部材が上記板部に隣接して設けられているとよい。
上記切削刃は、上記上側ベース部材に切削刃保持部材を介して着脱可能に設けられているとよい。
上記切削刃は、上記板部に対して20°から50°傾斜するように上記上側ベース部材に設けられているとよい。
上記板部は、JIS K 6253のデュロメータタイプAによるゴム硬度が40度以上80度以下のゴム材料からなるとよい。
本発明によれば、複数本の光ファイバの端末部分の被覆除去を同時に、かつ短時間に行うことができる。
本発明の好適実施の形態を添付図面を用いて説明する。
図1、図2及び図3に示すように、光ファイバ用被覆除去工具1は、下側ベース部材2と、下側ベース部材2上に重ねて配置されて下側ベース部材2に対向して配置されると共に下側ベース部材2にヒンジ3を介して回動自在に連結される上側ベース部材4と、下側ベース部材2上に発泡部材5を介して設けられ光ファイバ6を複数載置するための板部7と、上側ベース部材4に設けられ、板部7上に載置した複数の光ファイバ6の被覆8を一括して切削するための切削刃9とを備えて構成される。
下側ベース部材2と上側ベース部材4は、それぞれ略矩形板状に形成されており、長手方向の一端をヒンジ3を介して連結される。また、下側ベース部材2の他端側には、上面が一端部より下方に位置するように板厚を薄く形成された薄板部10が形成され、上側ベース部材4の他端側には、下面が一端部より上方に位置するように板厚を薄く形成された薄板部11が形成される。
板部7は、JIS K 6253のショアAによるゴム硬度が40度以上80度以下のゴム材料からなり、下側ベース部材2の薄板部10上に発泡部材5を介して設けられる。板部7に用いるゴム材料としては、例えばブチルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられるが、ゴム強度が40度以上80以下の材料であれば、特にこれらに限定されるものではない。また、板部7は、上側ベース部材4を下方に回動させて下側ベース部材2と上側ベース部材4とからなる工具本体12を閉じたとき、切削刃9の先端と接する位置に配置されており、板部7上に光ファイバ6を載置し、さらに工具本体12を閉じたとき切削刃9と板部7とで光ファイバ6を挟んで固定するようになっている。発泡部材5は、スポンジ強度が20度以下のスポンジ状の部材からなり、板部より柔らかく形成されている。発泡部材5の材料としては、シリコン、ウレタンなどが挙げられるが、スポンジ強度が20度以下の材料であれば、特にこれらに限定されるものではない。発泡部材5は、緩衝部材としての機能を有する。
切削刃9は、略矩形状に形成されると共に一辺に直線状に延びる刃13を有し、上側ベース部材4の薄板部11に切削刃保持部材14を介して着脱可能に設けられる。これにより、切削刃9は、未作業時に切削刃保持部材14から着脱でき、適宜交換できるように保持されると共に、被覆除去作業時には、切削刃保持部材14から離脱しないように保持される。また、切削刃9は、工具本体12を閉じたとき板部7に対して所定角度αだけ傾斜するように切削刃保持部材14に保持され、切削刃9と板部7との間に光ファイバ6を挟んだ後、被覆除去工具1を切削刃9の刃13が向く方向F2に光ファイバ6から引き抜くように移動させることで被覆8を剥ぎ取るようになっている。具体的には、所定角度αは20°から50°に設定されるとよく、より好ましくは30°から40°に設定されるとよい。
また、下側ベース部材2には、光ファイバ6表面と板部7との界面のすべり性を向上させるための潤滑剤を含浸したガイド部材15が板部7に隣接して、かつ、所定間隔を隔てて設けられる。具体的には、ガイド部材15は、潤滑剤を含浸した発泡材からなり、板部7と並行して、かつ、上面の高さが板部7と同じになるように配置されている。また、ガイド部材15は、切削刃9の刃13が向く方向とは反対側の板部7に隣接して配置され、光ファイバ6に沿って被覆除去工具1を引き抜いて光ファイバ6の被覆8を剥ぎ取るとき、板部7の引き抜き方向後方で光ファイバ6に当接して被覆除去工具1の移動をガイドするようになっている。ガイド部材15は、潤滑油を含むため、被覆除去工具1を引き抜くための引き抜き力を低減し、ストリップ性を向上させて光ファイバ裸線16の損傷等を防止することができる。
次に本実施の形態の作用を述べる。
図2に示すように、光ファイバ6の端末から被覆8を除去する場合、板部7上に複数本の光ファイバ6の端末部分を並行に載置する。このとき、除去すべき被覆8が切削刃9を境としてその刃13が向く方向F2側に位置されるように光ファイバ6を配置する。
この後、図3に示すように、工具本体12を閉じて切削刃9と板部7との間に光ファイバ6を挟み、被覆除去工具1を光ファイバ6の先端方向F2に光ファイバ6の長手方向に沿って引き抜く。工具本体12を閉じることで切削刃9は光ファイバ6の被覆8の内部に押し込まれるよう押圧され、被覆除去工具1が上記方向F2に引き抜かれることによって切削刃9が光ファイバ裸線16に沿って被覆8を切断して被覆8が光ファイバ6から除去される。このとき、板部7と下側ベース部材2との間に発泡部材5が設けられているため、光ファイバ6を切削刃9と板部7との間で押圧しながら被覆除去工具1を引き抜く際、板部7に載置されたそれぞれの光ファイバ6に作用する押圧力を、板部7の一端側(ヒンジ3側)に配置されたものから他端側(ヒンジ3とは反対側)に配置されたものまでバラツキなく均一にすることができ、板部7上に配置されたそれぞれの光ファイバ6の被覆8を均一に除去することができ、複数本の光ファイバ6の端末部分の被覆除去を同時に、かつ、短時間に行うことができる。また、板部7と切削刃9との間に光ファイバ6を挟んだとき、発泡部材5が圧縮して光ファイバ6に接する位置の板部7が若干窪むため、切削刃9から光ファイバ6を適度に逃がすことができ、切削刃9が光ファイバ裸線16内まで達するのを防止することができ、被覆除去作業による光ファイバ裸線16への損傷等を防止することができる。そして、光ファイバ6への押圧力の調整を不要にでき、どの作業者も被覆除去作業を容易に、かつ、安定して行うことができる。
このように、被覆8を切削する切削刃9が設けられている上側ベース部材4と、光ファイバ6を載置する板部7が発泡部材5を介して設けられている下側ベース部材2とを備え、上側ベース部材4及び下側ベース部材2は、一端側で回動自在に連結されており、切削刃9及び板部7が対向して配置されているため、複数本の光ファイバ6の端末部分の被覆除去を同時に、かつ短時間に安定して行うことができる。
下側ベース部材2には、潤滑剤を含浸したガイド部材15が板部7に隣接して設けられるものとしたため、被覆除去工具1を光ファイバ6に沿って引き抜くときの引き抜き力の増加を抑えつつ被覆除去工具1を一定の姿勢にするようにガイドでき、被覆除去作業を安定して行うことができる。
切削刃9は、上側ベース部材4に切削刃保持部材14を介して着脱可能に設けられているものとしたため、切削刃9の研磨、交換等のメンテナンスを容易に行うことができる。
切削刃9は、板部7に対して20°から50°傾斜するように上側ベース部材4に設けられているものとしたため、光ファイバ裸線16を傷つけることなく安定して被覆8を切削することができる。
板部7は、JIS K 6253のデュロメータタイプAによるゴム硬度が40度以上80度以下のゴム材料からなるものとしたため、板部7と切削刃9との間に光ファイバ6を挟んだとき、適度に窪ませて切削刃9から光ファイバ6を適度に逃がすことができ、切削刃9が光ファイバ裸線16内まで達するのを防止でき、被覆除去作業を容易に安定して行うことができる。
なお、ガイド部材15は、板部7及び発泡部材5と離間されるものとしたが、接していてもよい。また、ガイド部材15には、発泡部材5と同様の材料を用いることができる。例えば、スポンジ状のシリコン、ウレタンなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
また、本実施の形態に係る被覆除去工具1においては、板部7上に光ファイバ6を複数並行に配置し、上側ベース部材4と、下側ベース部材2とで挟み込むことで光ファイバ6を固定することができる。このことから、光ファイバ6の外径(心線サイズ)によらずに光ファイバ6を配置させて光ファイバ6の端末部分の被覆8を除去することができ、被覆除去作業中に外径が異なる複数種類の光ファイバ6を取り扱う場合でも、同一の被覆除去工具1で複数種類の光ファイバ6の被覆除去作業を行うことができ、被覆除去工具1の選定をその都度行う必要がなく、使い勝手がよい。
また、ガイド部材15の上面の高さは被覆除去工具1の移動を良好にガイドできる高さであればよく、必ずしも板部7と同じでなくともよい。
また、板部7上に光ファイバ6を複数載置するものとしたが、複数に限るものではない。光ファイバ6の板部7上に1本の光ファイバ6を載置する場合も同様に被覆除去作業を行うことができる。
1 被覆除去工具
2 下側ベース部材
3 ヒンジ
4 上側ベース部材
5 発泡部材
6 光ファイバ
7 板部
8 被覆
9 切削刃
14 切削刃保持部材
15 ガイド部材
16 光ファイバ裸線
2 下側ベース部材
3 ヒンジ
4 上側ベース部材
5 発泡部材
6 光ファイバ
7 板部
8 被覆
9 切削刃
14 切削刃保持部材
15 ガイド部材
16 光ファイバ裸線
Claims (5)
- 光ファイバ裸線の外周に被覆を有する光ファイバの端末の被覆を除去する被覆除去工具において、
上記被覆を切削する切削刃が設けられている上側ベース部材と、
上記光ファイバを載置する板部が発泡部材を介して設けられている下側ベース部材とを備え、
上記上側ベース部材及び上記下側ベース部材は、一端側で回動自在に連結されており、上記切削刃及び上記板部が対向して配置されていることを特徴とする被覆除去工具。 - 上記下側ベース部材には、潤滑剤を含浸したガイド部材が上記板部に隣接して設けられている請求項1記載の被覆除去工具。
- 上記切削刃は、上記上側ベース部材に切削刃保持部材を介して着脱可能に設けられている請求項1又は2記載の被覆除去工具。
- 上記切削刃は、上記板部に対して20°から50°傾斜するように上記上側ベース部材に設けられている請求項1〜3のいずれかに記載の被覆除去工具。
- 上記板部は、JIS K 6253のデュロメータタイプAによるゴム硬度が40度以上80度以下のゴム材料からなる請求項1〜4のいずれかに記載の被覆除去工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008097069A JP2009251165A (ja) | 2008-04-03 | 2008-04-03 | 被覆除去工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008097069A JP2009251165A (ja) | 2008-04-03 | 2008-04-03 | 被覆除去工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009251165A true JP2009251165A (ja) | 2009-10-29 |
Family
ID=41311972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008097069A Pending JP2009251165A (ja) | 2008-04-03 | 2008-04-03 | 被覆除去工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009251165A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011052735A1 (ja) | 2009-10-30 | 2011-05-05 | 東レ株式会社 | C型肝炎ウイルス(hcv)に対して感染阻害活性を有する抗体及びその用途 |
-
2008
- 2008-04-03 JP JP2008097069A patent/JP2009251165A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2011052735A1 (ja) | 2009-10-30 | 2011-05-05 | 東レ株式会社 | C型肝炎ウイルス(hcv)に対して感染阻害活性を有する抗体及びその用途 |
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