JP2009250896A - アンモニア測定素子、アンモニア測定装置、アンモニアの測定方法、塩素測定素子、塩素測定装置及び塩素の測定方法 - Google Patents

アンモニア測定素子、アンモニア測定装置、アンモニアの測定方法、塩素測定素子、塩素測定装置及び塩素の測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
高感度かつ簡便にアンモニア、塩素を測定可能な測定素子、及びこれを利用した測定装置及び測定方法を提供することにある。
【解決手段】
本発明のアンモニア測定素子は、圧電体及び当該圧電体をはさんで両側に設置されている電極を備え、当該電極の表面にアンモニアと化合物を形成する金属が存在する。また、本発明の塩素測定素子は、圧電体及び当該圧電体をはさんで両側に設置されている電極を備え、当該電極の表面に塩素と化合物を形成する金属が存在する。
【選択図】なし

Description

本発明は、アンモニア測定素子、アンモニア測定装置、アンモニアの測定方法、塩素測定素子、塩素測定装置及び塩素の測定方法に関するものである。
アンモニアは各種素材等を生産する上で必要不可欠な物質の1つである。特に、化学工業では化合物生産において最も基本的な窒素源であるため重要である。このように使用範囲の広い物質であるものの、人体等動物の粘膜に対する毒性、刺激が強い化学特性があり、0.1%以上の濃度になると生命に影響を与えることもある。また、低濃度域では悪臭物質として取り扱われ、悪臭防止法によって特定悪臭物質の代表的な物質に挙げられている。例えば、室内空気中の微量のアンモニアは、美術館又は博物館等に展示されている文化財の変色や劣化を引き起こすことが知られている。また、半導体等製品の製造工程においては、半導体素子を劣化させる要因から、製品の歩留まりに影響を与えることが知られている。この他に、近年、医療機関及び介護施設等において、患者の老排泄物などから発生したアンモニアが居住空間の室内環境を劣悪化させる問題が増えている。そのため、排泄物等を適切なタイミングで交換することの要求が高まっている。
また、空気中において、アンモニア含有量が16〜25%の状態でかつ高温になると爆発する特性がある。
このように、毒性、爆発性等の危険な化学特性があることから、その取り扱いは注意しなければならない。そのため、低濃度から高濃度の範囲を測定可能な新しいアンモニア測定方法が要求されている。
アンモニア濃度を測定する装置として、一般的にはガスクロマトグラフに代表される電気化学的な分析装置、電気化学反応を利用した触媒を担持した半導体式ガスセンサ、アンモニアとリン酸との中和反応を利用したガス検知管による検知装置等がある。
ところで、近年、圧電体の一種である水晶等をセンサとして用いる測定方法が注目されている。この測定方法では水晶の表面、又は水晶を挟んで形成した電極の表面に何らかの物質が付着すると、その質量の変化によって、水晶の周波数特性が変化することを利用する。この性質を利用して、極めて微量な物質の付着を検出し計測するセンサが実現されており、これはQCMセンサ(水晶振動子センサ)と呼ばれている。また、このQCMセンサの表面に物質の付着特性に選択性のある膜を形成して、特定の物質を検出したり計測したりすることも行われている(例えば、特許文献1〜5参照)。
水晶振動子センサを用いたアンモニア測定方法としては、電極表面に感応膜を形成したものを検知素子として利用する方法が知られている(特許文献6参照)。また、特許文献6では、一般的な温湿度素子で測定した結果を元に、演算回路により温度および湿度の影響を除外するための補正演算を行なって、アンモニア濃度を測定する手法も提案されている。
塩素ガスも同様に、常温常圧状態で特有の臭いを持つ気体であり、化学的特性として生体に対する毒性と、金属材料等に対する腐食特性を持っている。特に、強い漂白作用や殺菌作用があるため、一般的にはパルプや衣類の漂白剤として、また水道水などの殺菌剤として使用されている。特に、人体に対して非常に危険なガスであることから、殺菌や漂白など一般環境下で使用する場合は、低濃度かつ次亜塩素酸ナトリウムのような別の化学物質として利用することが多い。塩素ガス濃度を測定する装置として、一般的にはガスクロマトグラフに代表される電気化学的な分析装置やガス検知管による検知装置等がある。
特開2001−153777号公報(2001年6月8日公開) 特開2005−189076号公報(2005年7月14日公開) 特開2005−189133号公報(2005年7月14日公開) 特開2000−275157号公報(2000年10月6日公開) 特開2004−226177号公報(2004年8月12日公開) 登録実用新案第3094415号公報(2003年3月19日登録)
しかしながら、ガスクロマトグラフ法等に代表される分析装置による測定は、高感度測定は可能であるものの、装置自体が非常に高価であり、利用に際しても分析の専門知識を有する熟練経験者が分析する必要がある。そのため、上述した居住空間等の測定現場で簡便に取り扱うことは困難である。また、装置が大型であるため、持ち運びが容易でなく、いつでもどこでも自由に測定するのは困難である。
半導体式ガスセンサについては、検知原理上、低濃度から高濃度までの広い測定範囲を測定することは難しく、特に高濃度域では検知エレメント上の触媒が被毒して劣化する。
ガス検知管については、従来から工場現場等で用いられてきたが、検知感度が低いという問題がある。また、測定範囲が検知管の反応薬剤の長さで決まるため、ダイナミックレンジの制限がある。さらに、アンモニアの測定の場合は、二酸化炭素、アミン類等のガスの影響を受けやすい。
また、アンモニアの場合、特許文献6に記載された装置では高感度な測定ができない。つまり、当該装置ではアンモニアが感応膜に吸着することにより測定するものであるが、吸着したアンモニアは感応膜から脱離しやすい。つまり、吸脱着反応は可逆性が高いため、一度吸着したアンモニアがすぐに脱離してしまう。そのため低濃度のアンモニアを測定することができない。
なお、水晶振動子を用いる測定方法のうち、上述した有機系膜又は高分子系膜を検知膜として利用する手法(特許文献1〜5)については、アンモニアを測定することについては開示されていない。また、アンモニア以外の測定対象中に含まれるガス及び水分(水分子)でも吸着反応(主に物理吸着)が起こるため、アンモニア以外のガスの影響を受け易く、高感度な測定を実現することは難しい。検知膜によってはアンモニアによる被毒によって検知特性の劣化が生じることもある。
また、ここに記載したアンモニア測定に関する従来技術の課題については塩素の測定についても同様である。上述のように、塩素ガス濃度を測定する装置としては、ガスクロマトグラフ等の分析装置、ガス検知管による検知装置等がある。しかし、低濃度の塩素ガスを容易に測定できる原理や装置がない状況である。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高感度かつ簡便にアンモニアを測定する測定素子、又は塩素を測定する素子、及びこれを利用した測定装置及び測定方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、圧電体に設けた電極の表面に、アンモニアと化合物を形成する金属を存在させることで、当該金属とアンモニアが反応することで質量変化が生じ、その結果、周波数特性が変化することに着目し、アンモニア濃度を測定できる測定素子、測定装置及びそれらを用いる測定方法を見出した。また金属との化合物の形成の有無による測定では、特許文献6のようにアンモニアを吸着してもすぐに脱離する機構に比べて、不可逆性が高く、低濃度のアンモニアであっても高感度に検出できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
さらに、本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、圧電体に設ける電極の表面に、塩素と化合物を形成する金属を存在させることで、当該金属と塩素が反応することで質量変化が生じ、その結果、周波数特性が変化することに着目し、塩素濃度を高感度に測定できる測定素子を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
本発明に係るアンモニア測定素子は、圧電体及び当該圧電体をはさんで両側に設置されている電極を備え、当該電極の表面にアンモニアと化合物を形成する金属が存在することを特徴としている。
さらに、本発明に係るアンモニア測定素子では、上記電極は、当該電極の表面がアンモニアと化合物を形成する金属により被覆されてなるもの、又はアンモニアと化合物を形成する金属により構成されているものであることがより好ましい。
さらに、本発明に係るアンモニア測定素子では、上記電極の表面が鏡面加工されていることがより好ましい。
さらに、本発明に係るアンモニア測定素子では、上記金属がモリブデンであることがより好ましい。
また、本発明に係るアンモニア測定装置は、上記のアンモニア測定素子と、上記電極の表面がアンモニアと化合物を形成したときに生じる上記アンモニア測定素子の周波数を測定する周波数測定装置と、を備えていることを特徴としている。
さらに、本発明に係るアンモニア測定装置では、アンモニアの影響を受けずに湿度のみを測定する湿度測定素子をさらに備え、上記湿度測定素子が、圧電体及び当該圧電体を挟んで両側に設置される電極を備え、当該電極の表面に酸化クロムまたは白金粒子を担持した酸化クロムが存在するものであることがより好ましい。
さらに、本発明に係るアンモニア測定装置では、アンモニアの濃度が互いに異なる既知の2種類以上の気体が上記アンモニア測定素子に接触したときに、上記周波数測定装置により測定される、上記アンモニアが化合物を形成することによる上記アンモニア測定素子の周波数から、アンモニア濃度及び発振周波数の関係を求める計算手段と、当該関係を記憶する記憶手段と、当該記憶手段から参照する当該関係、及びアンモニア濃度の測定対象の気体が上記アンモニア測定素子に接触したときに、上記周波数測定装置により測定される周波数に基づいて、当該測定対象の気体中のアンモニア濃度を算出するアンモニア濃度算出手段と、を備えることがより好ましい。
また、本発明に係る塩素測定素子は、圧電体及び当該圧電体をはさんで両側に設置されている電極を備え、当該電極の表面に塩素と化合物を形成する金属が存在することを特徴としている。
さらに、本発明に係る塩素測定素子では、上記電極は、当該電極の表面が塩素と化合物を形成する金属により被覆されてなるもの、又は塩素と化合物を形成する金属により構成されているものであることがより好ましい。
さらに、本発明に係る塩素測定素子では、上記金属がモリブデンであることがより好ましい。
また、本発明に係る塩素測定装置は、上記の塩素測定素子と、上記電極の表面が塩素と化合物を形成したときに生じる上記塩素測定素子の周波数を測定する周波数測定装置と、を備えていることを特徴としている。
さらに、本発明に係る塩素測定装置では、塩素の濃度が互いに異なる既知の2種類以上の気体が上記塩素測定素子に接触したときに、上記周波数測定装置により測定される、上記塩素が化合物を形成することによる上記塩素測定素子の周波数から、塩素濃度及び発振周波数の関係を求める計算手段と、当該関係を記憶する記憶手段と、当該記憶手段から参照する当該関係、及び塩素濃度の測定対象の気体が上記塩素測定素子に接触したときに、上記周波数測定装置により測定される周波数に基づいて、当該測定対象の気体中の塩素濃度を算出する塩素濃度算出手段と、を備えることがより好ましい。
また、本発明に係る塩素測定方法は、測定対象の気体と上記の塩素測定素子を接触させて共振周波数を測定する塩素測定工程を含むことを特徴としている。
本発明に係るアンモニア測定素子は、上述のように、圧電体及び当該圧電体をはさんで両側に設置されている電極を備え、当該電極の表面にアンモニアと化合物を形成する金属が存在する。また、本発明に係る塩素測定素子は、圧電体及び当該圧電体をはさんで両側に設置されている電極を備え、当該電極の表面に塩素と化合物を形成する金属が存在する。そのため、高感度かつ簡便にアンモニア又は塩素を測定できるという効果を奏する。
また、本発明に係るアンモニア測定素子および本発明に係る塩素測定素子においては、いずれも、電極上での重量変化を周波数変化という形態で数値化しているため、分析者毎に生じる測定値の読み取り誤差を著しく小さくできるという更なる効果を奏する。特に、水晶振動子を用いた形態では、水晶振動子が電気機器などに使用されている汎用品であり、携帯型の小型で、低価格の測定器の製作が可能であるという効果も奏する。
以下、本発明を詳細に説明する。
<1.本発明に係るアンモニア測定素子>
本発明に係るアンモニア測定素子は、圧電体及び当該圧電体をはさんで両側に設置されている電極を備え、当該電極の表面にアンモニアと化合物を形成する金属が存在するものである。
本明細書において、「アンモニアと化合物を形成する金属」とは、アンモニアと接触したときに、構成要素としてアンモニア分子由来の窒素原子及び水素原子と金属元素を少なくとも含み、各構成要素が物理的方法ではそれ以上分離できない化合物を形成する金属を意味し、アンモニアと吸脱着するのみの金属を意味しない。
本発明ではアンモニアと化合物を形成する金属を電極表面に存在させる。これにより測定対象気体中にアンモニアが含まれると当該アンモニアと当該金属とが化合物を形成する。これは特許文献6のように吸脱着によりアンモニアを測定する方法に比べて高感度に測定できる。つまり、吸脱着のように可逆性が高いと、アンモニアが電極表面に吸着したり、脱離したりすることが頻繁に繰り返されるので、微量のアンモニアを吸着しても、すぐに電極表面から脱離してしまう。そのため低濃度のものを測りにくい。一方、本発明では化合物を形成する。化合物の形成は吸脱着に比べて可逆性が低い、すなわち、一度化合物を形成すれば、すぐにアンモニアが脱離することは少ない。この点は後述するモリブデンにおいて特に顕著である。そのため電極表面にはアンモニアが蓄積されていく。よって測定対象の気体中のアンモニアが低濃度であっても、高感度に検出することができる。
〔1−1.圧電体〕
本発明に係るアンモニア測定素子が備える圧電体の具体例としては、特に限定されないが、水晶、酸化亜鉛、ロッシェル塩(酒石酸カリウム‐ナトリウム)、チタン酸ジルコン酸鉛、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、リチウムテトラボレート、ランガサイト、窒化アルミニウム、電気石(トルマリン)、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。中でも、周波数の精度、安定度に対して優れた性能を有する水晶が好ましい。
水晶には種々のカットタイプがあり、カットタイプに応じて温度依存性が異なる。本発明に係るアンモニア測定素子が圧電体として備える水晶のカットタイプの具体例としては、特に限定されないが、ATカット、DTカット、SLカット、XYカット、CTカット、BTカット等が挙げられる。中でも、−20℃〜60℃において温度の影響を受けにくいATカットの水晶が好ましい。
また、水晶の共振周波数は、外形形状により決定される。例えば、数MHz〜数十MHzの周波数帯であり、ATカットの厚み滑り形状の水晶としては、棒状の人工水晶を結晶軸に対して所定の角度板状に切断し、丸板、矩形、短冊等の水晶片を用いればよい。このようなATカットの水晶では、水晶片の厚みによって共振周波数が決定される。従って、所望の共振周波数に応じて、水晶片の板面を研磨するとよい。
また、同様な素子として、SAWデバイス(弾性表面波素子)があり、ここに例示した水晶の代わりに利用することも可能である。
また、水晶振動子を利用した重量変化を測定する手法において、その測定原理上、水晶振動子の基本発振周波数を高くすることによって重量変化に比例した発振周波数の変化量が大きくなることが知られている。そこで、高感度な測定のために、後述する実施例で用いられている水晶振動子の基本発振周波数(9MHzの水晶振動子)よりも高い基本発振周波数(一例として、30MHzの水晶振動子)のものを用いてもよい。
〔1−2.電極〕
本発明に係るアンモニア測定素子が備える電極としては、アンモニアと化合物を形成する金属が表面に存在するものであればよい。圧電体の表面に、アンモニアと化合物を形成する金属が存在することによって、当該電極に測定対象であるアンモニアが接触すると、当該アンモニアは当該金属と化学反応し質量変化(増加)し、その変化に比例して水晶振動子の周波数特性が変化するので、この周波数を測定することによりアンモニアを簡便に短時間で容易に定めることができる。また、特許文献6の方法で用いられていた感応膜を用いなくてもよいので、湿度の影響を抑えることができる。
圧電体の上に電極を形成する方法としては、従来公知の方法を任意に採用することができる限り特に限定されない。例えば、真空蒸着、スパッタ法などの公知の手段を用いて、相対する面に励振電極を形成し、この励振電極を両側縁部へ導き出すようにしてもよい。これらの方法によれば、均質で緻密な薄膜を形成することができる。
そして、圧電体の両側縁部をベースとした部分に設けた一対の端子の先端部に、固着した保持部材で挟持し、ここに導電性接着剤などを塗布して固着して、機械的に保持し、励振電極と端子との電気的な接続を行なうとよい。
圧電体上に形成する電極の厚みとしては、例えば5〜500nmとしてもよく、好ましくは50〜400nmである。また、圧電体板に対する電極の大きさ(面積)については、測定に支障がない範囲であれば任意で構わないが、好ましくは直径1〜10mm、より好ましくは2〜7mmであればよい。
本発明に係るアンモニア測定素子が備える電極は、アンモニアと化合物を形成する金属が表面に存在していればよい。当該金属と他の金属とを、その表面にアンモニアと化合物を形成する金属が存在するように混合してもよいし、他の金属による電極の表面がアンモニアと化合物を形成する金属により被覆されてなるものであってもよいし、電極自体がアンモニアと化合物を形成する金属により構成されているものであってもよい。電極自体がアンモニア化合物を形成する金属で構成されている場合、密着性を向上させるために、圧電体と当該電極の間に、クロム、ニッケル、チタン等の薄膜を設けてもよい。
電極自体をアンモニアと化合物を形成する金属により構成するには上述の方法に従って行なうとよい。電極表面をアンモニアまたは塩素と化合物を形成する金属で被覆するには、蒸着、スパッタ法などの公知の方法によって行なうとよい。
ところで、ナトリウム等のアルカリ金属は、アンモニアと化合物を形成する金属として使用可能であるが、一般環境(常温・常圧)下では不安定であることから、一般環境下で使用することを想定するとモリブデンを採用することが好ましい。
具体的には、モリブデンはアンモニアと結合して、パラモリブデン酸アンモニウム{(NHMo24・4HO}化合物を形成する。つまり本発明に係るアンモニア測定素子において、アンモニアと化合物を形成する金属としてモリブデンを採用した場合、モリブデンとアンモニアが反応することで質量変化が生じ、その結果、周波数特性が変化することを検出しているため、アンモニア濃度を測定できる。
なお、本発明においてアンモニアと化合物を形成する金属としてモリブデンを採用した形態では、酸素、窒素、二酸化炭素、エタノールとは化合物を形成し難い。そのため、通常の環境(居住空間、工場現場等)に存在する酸素、窒素等のガス、濃度域に対して、モリブデンを表面に有する電極による吸着量は非常に少ない。つまり、通常の環境下においてアンモニアに対する選択性はとても高いといえる。また、モリブデンとアンモニアとの反応は、アンモニアが微量であっても迅速に進んで化合物を形成するので、アンモニア濃度を鋭敏に、かつ簡便に測定できるという更なる効果も奏する。
ところで、モリブデンは、アンモニア測定のみならず塩素測定にも有効な金属である。上記通常の環境下でアンモニアを測定する場合、塩素と共存する環境はほとんどないので、アンモニア測定時に塩素の影響を受けることはほとんどない。同様に、塩素測定時にアンモニアの影響を受けることはほとんどないともいえる。なお、アンモニア測定時に塩素を併せて検出してしまうことはガス管理上の安全面から見て大きな問題にならないと考える。アンモニアを測定する際に、実際は塩素を検出してしまったとしても、使用者は測定値に基づいてガスの点検等することで安全管理を行ない、塩素のガス漏れ等を認識し得るからである。
また、特許文献6ではアンモニアおよび塩素以外のガスが検知される場合がある。しかし、測定対象ガス以外のガスへの対応が開示されていない。このことから本発明において上記金属としてモリブデンを採用した形態では従来技術に比べて、アンモニアに高い選択性がある方法といえる。
なお、本発明に係るアンモニア測定素子の電極には、アンモニアと化合物を形成する金属の他に、本発明の効果を損なわない範囲内で他の成分(有機成分、金属塩等)が含まれていても差し支えない。
また、電極の表面を鏡面加工することが好ましい。湿度の影響を減少させることができる。鏡面加工の精度としては特に限定されないが、表面の粗さを0.06μm以下に鏡面加工することがより好ましい。下限値は特に限定されず、粗さは少なければ少ないほどよい。素子表面を鏡面状態した場合、水分子(水分)の物理吸着が、一般的な電極表面状態よりも著しく低下する。その結果、対象ガスに水分が含まれている場合であっても、水分(湿分)の影響を低減してアンモニア濃度の測定が可能となる。例えば、後述の実施例にも記載の通り、水の影響を1/7に抑えることができる。
<2.本発明に係るアンモニア測定装置>
本発明に係るアンモニア測定装置は、アンモニア測定素子と、上記電極の表面がアンモニアと化合物を形成したときに生じる上記アンモニア測定素子の周波数を測定する周波数測定装置と、を備えているものである。
湿度の影響を極力抑えるには、上述のように電極表面を鏡面加工すること以外に、参照素子として湿度測定素子を設ければよい。湿度測定素子としては、公知のものとして高分子膜やセラミックを利用した湿度センサ等が挙げられるが、アンモニアの影響を受けずに湿度のみを測定する湿度測定素子をさらに備えることが好ましい。より好ましい湿度測定素子の一例は、圧電体及び当該圧電体を挟んで両側に設置される電極を備え、当該電極の表面に酸化クロムまたは白金粒子を担持した酸化クロムが存在する湿度測定素子ものである。湿度測定素子をさらに備えることにより、湿度の影響を補正することができ、湿度の影響をより抑えた測定を行なうことができる。
白金粒子を担持した酸化クロムを湿度測定素子が備える電極とするにおいて、その具体的構成については特に限定されない。例えば酸化クロムが担持する白金粒子の量としては、特に限定されず、例えば、直径5mmで、厚さ500nm程度の酸化クロム電極に対して白金粒子10000ng、好ましくは1000〜15000ng(片面当たり)を担持させるとよい。この場合、白金はアンモニアと反応しないことから、より高感度、高精度の補正が可能となる。また、酸化クロムに白金粒子を担持させる方法としては特に限定されないが、電気めっき等の容易な手法を用いればよい。
このように湿度の補正することで、より高感度に検出できる。つまり、湿度が高いとアンモニアが水分子に取り込まれた上で電極表面に接触する。気体のアンモニアと金属との反応に比べて、アンモニア水溶液(アンモニアを取り込んだ水分子)と金属との反応性は高い。一方で、これは湿度の影響を受け易く測定誤差が生じやすいともいえるが、湿度測定素子によって湿度の影響を除去できる。よって、湿度の影響を受けずに、かつ高感度な測定が可能となる。
なお、特許文献6では湿度の影響を除去するために一般的な公知の湿度検知素子を利用してその影響を補正するシステムとなっている。しかし、当該湿度検知素子のアンモニアガスに対する影響について示されておらず、必ずしも有効な補正が行なわれているとはいえない。そのため、本発明は従来技術に比べて湿度をもうまく活用して高感度な測定を実現したともいえる。
図1を用いて、本発明に係るアンモニア測定装置の一実施形態について説明する。図1は本実施の形態に係るアンモニア測定装置1の構成を模式的に示す図である。
アンモニア測定装置1は、検出部2、周波数測定器3、計算部(計算手段・アンモニア濃度算出手段)4、記憶部(記憶手段)5を備えている。
検出部2は、アンモニア測定素子2a、湿度測定素子2bを備えている。
アンモニア測定素子2aは、アンモニアを測定するための水晶振動子であり、水晶を挟むように電極が形成され、当該電極の表面にはモリブデンが存在している。なお、本発明に係るアンモニア測定装置が備えるアンモニア測定素子2aの態様はこれに限定されず上述した本発明に係るアンモニア測定素子の範疇に入るものであればよい。
湿度測定素子2bは、湿度を測定するための水晶振動子であり、水晶を挟むように電極が形成され、当該電極の表面には酸化クロムが存在している。なお、本発明に係るアンモニア測定装置が備える湿度測定素子2bの態様はこれに限定されず上述した本発明に係るアンモニア測定装置が備える湿度測定素子の範疇に入るものであればよい。
周波数測定器3は、アンモニアと測定素子2aの電極表面に存在する金属とが、アンモニアと化合物を形成したことによる重量の増加に応じた、アンモニア測定素子2aの共振周波数を測定するものである。また、周波数測定装置3は、アンモニアと化合物を形成せずに、測定対象の気体中の水分を吸着したことによる重量の増加に応じた、湿度測定素子2bの共振周波数をも測定するものである。周波数測定器3としては従来公知の周波数測定装置を用いればよい。
また、周波数測定器3は、アンモニア測定素子2aおよび湿度測定素子2bと接続されているとともに、計算部4にも、当該計算部4を介して記憶部5にも接続されている。
計算部4は、アンモニア測定素子2aの共振周波数から、アンモニア濃度及び発振周波数の関係を求めるものである。また、計算部4は当該関係を記憶部5に出力するものである。また、計算部4は、測定対象のガスがアンモニア測定素子2aに接触した際の共振周波数を周波数測定器3から受信し、当該共振周波数と上記関係とから、測定対象の気体中のアンモニア濃度を算出するものでもある。つまり、計算部4は本発明に係るアンモニア測定装置が備える計算手段およびアンモニア濃度算出手段の両方の機能を有しているものである。本発明に係るアンモニア測定装置の形態はこれに限定されず、計算手段として機能する計算部と、アンモニア濃度算出手段として機能する計算部と、を独立して備えていてもよい。また、計算部4の具体的な構成としては特に限定されず、従来公知のコンピュータ等を用いればよい。
また、計算部4は、後述するアンモニアの濃度が互いに異なる既知の2種類以上の気体をそれぞれアンモニア測定装置1に導入する際に、導入する気体のアンモニア濃度を入力する手段を備えている。
記憶部5は、計算部4が出力した上記関係を記憶するものである。本実施の形態では、記憶部5は図1のように計算部4に対して外付けになっているが、本発明に係るアンモニア測定装置が備える記憶手段は、計算手段又はアンモニア濃度算出手段に内蔵されていてもよく外付けであってもよい。また計算手段の具体的態様としては、上記関係に関するデータを記憶することが可能なものであれば特に限定されず、例えばRAM(random access memory)またはHDD(ハードディスクドライブ)により構成すればよい。
次にアンモニア測定装置1の使用方法について説明する。
まず、アンモニアの濃度が互いに異なる既知の2種類以上の気体をアンモニア測定素子2aに接触させて、アンモニアが化合物を形成することによるアンモニア測定素子2aの共振周波数を周波数測定器3により測定する。
次に計算部4は周波数測定器3から受信した共振周波数と、予め入力された上記2種類以上の気体のアンモニア濃度からアンモニア濃度と共振周波数との関係を求める。具体的には、上記2種類以上の気体をそれぞれ検出部2に導入して、アンモニア測定素子2aに接触させる。このとき、導入する気体のアンモニア濃度を計算部4に入力しておく。また、計算部4は、湿度測定素子2bを介して測定された湿度影響分の周波数変化のみを演算除去する。これにより計算部4は、湿度の影響が除かれた、アンモニア濃度に対応する周波数を少なくとも2点把握することができる。そして、この2点からアンモニア濃度と周波数との関係を求めることができる。次に上記関係を記憶部5に出力する。上記関係については、例えば関係式として記憶しておけばよい。
次に、測定対象の気体が、アンモニア測定素子2aおよび湿度測定素子2bに接触したときに、周波数測定装置3は測定されるそれぞれの素子の周波数を計算部4に送る。計算部4は、記憶部4からアンモニア濃度及び周波数の関係を参照し、測定対象の気体中のアンモニア濃度を算出する。
<3.本発明に係るアンモニアの測定方法>
本発明に係るアンモニア測定方法は、測定対象の気体と上記本発明に係るアンモニア測定素子を接触させて共振周波数を測定するアンモニア測定工程を含めばよい。
アンモニア測定工程の具体的な方法として、本発明に係るアンモニア測定素子に測定対象の気体を接触させればよく、特に限定されない。当該気体をアンモニア測定素子に接触させるときの温度および圧力としては特に限定されず、常温、常圧下にて行なえばよい。アンモニアと化合物を形成する金属としてモリブデンを採用した形態では、常温(20〜40℃、好ましくは20℃〜25℃)、常圧(0.95気圧〜1.05気圧、好ましくは通常の大気圧)にて行なうことが好ましい。モリブデンは常温、常圧で好適にアンモニアと化合物を形成するので、簡便にアンモニアの検出を行なうことができる。
さらに、湿度の影響を補正するために、アンモニアの影響を受けずに湿度のみを測定する湿度測定素子を用いて湿度の影響を測定する湿度測定工程を含むことが好ましい。より好ましくは、圧電体及び当該圧電体を挟んで両側に設置される電極を備え、当該電極の表面に酸化クロムまたは白金粒子を担持した酸化クロムが存在する湿度測定素子を用いて湿度の影響を測定する湿度測定工程を含めばよい。
本発明に係るアンモニア測定方法は、上述した本発明に係るアンモニア測定装置を用いれば好適に実現できる。
<4.本発明に係る塩素測定素子>
本発明に係る塩素測定素子は、圧電体及び当該圧電体をはさんで両側に設置されている電極を備え、当該電極の表面に塩素と化合物を形成する金属が存在するものである。
本明細書において、「塩素と化合物を形成する金属」とは、塩素と接触したときに、構成要素として塩素分子由来の窒素原子及び水素原子と金属元素を少なくとも含み、各構成要素が物理的方法ではそれ以上分離できない化合物を形成する金属を意味し、塩素と吸脱着するのみの金属を意味しない。
〔4−1.圧電体〕
本発明に係る塩素測定素子が備える圧電体に関しては、上記〔1−1〕の項の説明を準用できる。
〔4−2.電極〕
本発明に係る塩素測定素子が備える電極としては、塩素と化合物を形成する金属が表面に存在するものであればよい。圧電体の表面に、塩素と化合物を形成する金属が存在することによって、当該電極に測定対象である塩素と接触すると、当該塩素は当該金属と化学反応し質量変化(増加)し、その変化に比例して水晶振動子の周波数特性が変化するので、この周波数を測定することにより塩素を簡便に短時間で容易に定めることができる。また、特許文献6の方法で用いられていた感応膜を用いなくてもよいので、高感度に検出できる。
圧電体の上に電極を形成する方法、電極の態様に関しては、上記〔1−2〕の項の説明を準用できる。
塩素と化合物を形成する金属としては、例えば、銅、マグネシウム、モリブデン等が挙げられる。中でもモリブデンは、一般環境下において反応する物質が非常に少ないため好ましい。また、モリブデンは、従来の装置では塩素の測定を妨害していた水分、エタノール、酸素等とは化合物を形成し難いため、その影響をほとんど受けない。つまり本発明に係る塩素測定素子において、塩素と化合物を形成する金属としてモリブデンを採用した場合、モリブデンと塩素が反応することで五塩化モリブデンとなり、質量変化(増加)し、その変化に比例して、周波数特性が変化することを検出しているため、塩素濃度を測定できる。また、モリブデンと塩素との反応は、塩素が微量であっても迅速に進んで化合物を形成するので、また湿度の影響がより抑えられるので、高湿度の条件下でも進行し、塩素濃度を鋭敏に、かつ簡便に測定できる。なお、本発明に係る塩素素子の電極には、塩素と化合物を形成する金属の他に、本発明の効果を損なわない範囲内で他の成分(有機成分、金属塩等)が含まれていても差し支えない。また、電極の表面を鏡面加工することが好ましい。鏡面加工については上記〔1−2〕の項の説明を準用できる。
<5.塩素測定装置および塩素の測定方法>
本発明に係る塩素測定装置は、本発明に係る塩素測定素子と、上記電極の表面が塩素と化合物を形成したときに生じる上記塩素測定素子の周波数を測定する周波数測定装置と、を備えていればよい。
また、塩素の濃度が互いに異なる既知の2種類以上の気体が上記塩素測定素子に接触したときに、上記周波数測定装置により測定される、上記塩素が化合物を形成することによる上記塩素測定素子の周波数から、塩素濃度及び発振周波数の関係を求める計算手段と、当該関係を記憶する記憶手段と、当該記憶手段から参照する当該関係、及び塩素濃度の測定対象の気体が上記塩素測定素子に接触したときに、上記周波数測定装置により測定される周波数に基づいて、当該測定対象の気体中の塩素濃度を算出する塩素濃度算出手段と、を備えることが好ましい。
本発明に係る塩素測定装置の各手段に関する説明は上述した本発明に係るアンモニア測定装置の説明を準用できる。つまり、本発明に係るアンモニア測定装置が備えるアンモニア測定素子を本発明に係る塩素測定素子に置き換えたものが本発明に係る塩素測定装置であり、塩素測定素子以外の各手段については、アンモニア測定装置の対応する手段の説明を参照するとよい。
また、本発明に係る塩素測定方法は、測定対象の気体と本発明に係る塩素測定素子を接触させて共振周波数を測定する塩素測定工程を含めばよい。塩素測定工程の説明については、上述のアンモニア測定工程の説明を準用できる。つまり、好ましい温度条件、圧力条件についてはアンモニア測定工程と同様である。
塩素測定工程の具体的な方法として、本発明に係る塩素測定素子に測定対象を接触させればよく、特に限定されない。
本発明に係る塩素測定方法は、本発明に係る塩素測定装置を用いれば好適に実現できる。
<6.本発明の用途>
本発明に係るアンモニア測定素子によれば、高感度かつ簡便にアンモニアガスの濃度を測定できる。また、本発明に係る塩素測定素子によれば、高感度かつ簡便に塩素ガスの濃度を測定できる。
さらに、本発明に係るアンモニア測定素子および本発明に係る塩素測定素子においては、いずれも、電極上での重量変化を周波数変化という形態で数値化しているため、分析者毎に生じる測定値の読み取り誤差を著しく小さくできる。特に、水晶振動子を用いた形態では、アンモニアと化合物を形成する金属および塩素と化合物を形成する金属を電極表面に含まない水晶振動子であれば電気機器等に使用されている汎用品なので、携帯型の小型で、低価格の測定器の製作が可能である。
以上から、化学工業工場などの現場環境での管理濃度測定や、居住空間等の環境における悪臭測定、美術館や博物館などにおける管理測定のほか、病院や介護施設内の室内環境測定に利用可能である。特に、今後需要が増えることが予想される介護患者の排泄物早期感知システムへの利用も可能である。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
〔実施例1〕
図2を参照して本実施例で用いた装置(実験装置10)の構成について説明する。なお、本実施例では、実験室内において密閉瓶に試薬として任意の濃度のアンモニア水を入れ空気によって任意の一定濃度の気化したアンモニアを発生させることによって測定を行った。
本実施例で用いた実験装置10は、恒温装置11、コンプレッサ12、除湿剤入フィルター14、発振周波数測定器19、流量計13a、13bを備えている。また、恒温装置11の中には、密封瓶15、混合部(T字管)16、QCM測定部17、ガス検知管18を備えている。ガス検知管18は検量を行なうためのものであり、QCM測定部17に接続した。なお、ガス検知管は(株)ガステック社製、No.3Laを用いた。コンプレッサ12の代わりに吸引ポンプを用いて、吸引方式にて実験を行なってもよい。
ガス検知管は、一般的にはガラス管内に測定対象ガスに対して化学反応する薬剤が詰められており、その薬剤が測定対象ガス化学反応して色変化し、ガス管表面に印字されているガス濃度読取用の目盛から色変化した長さを読み取り、それをガス濃度として変換するための簡易ガス濃度計である。
今回使用した水晶振動子は、素子として形成された水晶板の表裏に中心部に直径約5mmでチタン金属を蒸着またはスパッタ成膜して下地とし、その上に同一径でモリブデン金属を蒸着またはスパッタ成膜するという公知の手法を用いて作成した素子を利用した。なお、水晶振動子の場合、水晶板と電極金属の密着度を高める(剥がれないようにする)ため、下地金属とその上に金属薄膜を成膜する方法は公知で一般的な手法となっている。
恒温装置11は一定の温度状態を保持可能である。コンプレッサ12、発振周波数測定器19等、実験時に温度の影響を無視できる機器以外は、恒温装置11内に入れて実験を行なった。また、供給用ガスとして空気を用いた。なお、供給用ガスは測定系に影響を与えないものであればよく、例えば窒素等でもよい。
具体的な実験方法は次の通りである。まず、コンプレッサ12から、配管、流量計13a、13bを介して空気を導入した。片方の配管からアンモニア水が入っている密封瓶15に空気を導入した。ここで、アンモニア水が入っている密封瓶15内では、恒温装置11の温度に依存した飽和濃度となっている。そこで、この飽和した状態の気化したアンモニアを、測定を行なうための水晶振動子素子が設置されたQCM測定部17に導入した。これにより、空気は、アンモニアが入っている密封瓶15を経て、気化したアンモニアを含んで、接続パイプを経由してQCM測定部17に導入された。次に、水晶振動子の電極金属と当該空気中に含まれるアンモニアとが化合物を形成することによって生じる重量変化を、発振周波数測定器19によって周波数変化に変換して測定した。
本実施例では水晶振動子としてモリブデン電極を備えたものを用いた。また、水晶としてはATカット、9MHzのものを用いた。つまり、アンモニアがモリブデン電極と化学反応することによって重量変化による共振周波数値と実際のアンモニア濃度と、を比較するため、ガス検知管18の指示値を読み取った。ガス検知管18の指示値の読み取りは実験終了後、またはその途中など実験に影響を及ぼさないタイミングで行なった。また、ガス検知管18は測定原理上、温度および測定流量によって読み取り値の補正が必要であるため、公知のデータに従って補正を行なった。なお、この補正は使用するガス検知管の取り扱いとして記載されているもので公知であり、一般的に基準温度(室温レベルの20℃)と比較して、測定温度が高い場合は除算、低い場合は乗算する例が多いが、ガス検知管によって異なるため、使用するガス検知管に附属のマニュアル等に記載された指示に従うとよい。また、流量については、規定吸引量(一般的には100ml)に対して、多い場合は規定流量比で除算、少ない場合は規定流量比で乗算する例が多いが、ガス検知管によって異なるため、使用するガス検知管に附属のマニュアル等に記載された指示に従うとよい。本実施例では、使用したガス検知管が、(株)ガステック社製No.3Laであるため、この製品に記載された指示に従って必要に応じて補正を行った。
ここで、任意のアンモニア濃度とするために、密閉瓶15とQCM測定部17の間に、T字管16が設置されており、コンプレッサ12のもう一方から送られてきた空気をここで混合することで任意の濃度としている。この場合、それぞれに取り付けられた流量計13a、13bの流量を調整することによって、任意の濃度とする構造となっている。なお、コンプレッサ12を用いる代わりに外部のガスボンベなどを使用するなどして実験に影響を及ぼさないようにすることで同様の実験が可能である。
以上の装置および方法で、アンモニア濃度25%溶液を100μl気化させて、実験温度20℃、湿度80%RH、流量200ml、測定時間開始後3分の読取値の条件で測定した。
下記表1にその結果を示す。また、同様の実験を、モリブデンの代わりに別の金属を用いて試験を行なった。その結果を表1に示す。表1の値は、アンモニアを含まない湿度80%RHの周波数変化量を求め、アンモニア濃度25%で気化させた条件の湿度80%RHにおける周波数変化量の差を示している。
Figure 2009250896
表1に示すように、モリブデン電極以外の金属にて電極を形成した場合では、共振周波数変化は僅かであるが、モリブデン電極素子を使用した場合、3000Hz程度の検知感度が得られた。
〔実施例2〕
実施例1に記載の測定装置を用いて、各湿度条件におけるアンモニア濃度100ppm、実験温度20℃、測定流量100ml、測定開始後3分後の周波数変化値を読み取り、モリブデン電極の水晶振動子、酸化クロム電極の水晶振動子をそれぞれ用いて測定を行なった(いずれも基本発振周波数9MHz)。その結果を図3に示す。ここで、比較のため、水分のみのデータも示す。図3において横軸は相対湿度(RH)を示し、縦軸は周波数変化を示し、実線はアンモニアを含むガスを用いた結果を示し、破線は水分のみのガスを用いた結果を示す。また、丸印はモリブデン電極を用いた結果を示し、バツ印は酸化クロム電極を用いた結果を示す。
実験の結果、酸化クロム電極は、アンモニアの有無にかかわらず周波数変化はほとんど同様であったが、モリブデン電極は、湿度60%RH以上になると湿度変化以上にアンモニアに対する周波数変化が大きくなり、アンモニアに対して特異的な周波数変化特性が示された。
モリブデンとアンモニアの反応に湿度が密接に関係している結果となった原因として、モリブデンとアンモニアが生成する化合物の形態が関係しており、モリブデンとアンモニアは化学反応してモリブデン酸アンモニウムとなるが、この化合物は水和物の形をとるため、モリブデンとアンモニアとの反応には水分子が必要であることが示されている。これは、水分子の存在は反応に必要な材料としての役割だけではなく、アンモニアをイオン化するための役割の上からも重要である。
〔実施例3〕
本実施例では、モリブデン電極の水晶振動子(基本発振周波数9MHz)を備えた実施例1に記載の装置を用いて、相対湿度80%RH、アンモニア濃度0〜225ppm、実験温度20℃、測定開始後5分後の周波数変化値を読み取ったものである。その結果を図4に示す。図4は本実施例におけるアンモニア測定結果を示す図であり、横軸はアンモニア濃度(ppm)を示し、縦軸は周波数変化(Hz)を示す。
図4に示すように、ガス検知管の読取値(アンモニア濃度)と発振周波数変化の間には比例関係が成り立つことが分かり、これから水晶振動子の金属電極とアンモニアとの化学反応を利用したアンモニア濃度測定が可能であることが分かった。
〔実施例4〕
本実施例では鏡面加工の有無による湿度の影響を確認した。
具体的には、電極表面を鏡面加工した水晶振動子(鏡面0.06μm)と、鏡面加工していない水晶振動子(粗面0.6μm)を用いて、相対湿度90%RHの空気を用いた以外は実施例1と同じ方法で周波数変化量の差を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2009250896
表2に示すように、鏡面の水晶振動子と、水晶振動子(粗面)との電極表面形状の違いによる湿度(水分子)の影響として、鏡面加工の水晶振動子は粗面の素子の1/7以下であった。これにより、湿度の影響を受けにくいことが示された。
〔実施例5〕
本実施例では白金担持の有無による湿度の影響を確認した。
具体的には、白金を担持させた酸化クロム電極を備える水晶振動子と、白金を担持させていない酸化クロム電極を備える水晶振動子を用いて、相対湿度80%RHの空気を用いた以外は実施例1と同じ方法で周波数変化量の差を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2009250896
表3に示すように、酸化クロム電極の水晶振動子と、白金を担持した酸化クロム電極の水晶振動子との違いによる湿度(水分子)の影響として、白金を担持した電極を用いた場合、白金を担持していない電極に比べて5倍湿度の影響を受けやすいことが示された。
本発明に係るアンモニア測定素子、アンモニア測定装置およびアンモニア測定方法は、化学工業工場などの現場環境での管理濃度測定、居住空間等の環境における悪臭測定、美術館や博物館などにおける管理測定のほか、病院や介護施設内の室内環境測定に利用可能である。特に、今後需要が増えることが予想される介護患者の排泄物早期感知システムへの利用も可能である。
また、本発明に係る塩素測定素子、塩素測定装置および塩素測定方法は、化学工業工場などの現場環境での管理濃度測定、漂白・殺菌現場等での管理濃度測定、有害ガスの有無を判断するためのスクリーニング機器に利用可能である。
本発明に係るアンモニア測定装置の一実施形態の構造を模式的に示す図である。 実施例1で用いたアンモニア測定装置の構成を模式的に示す図である。 実施例2におけるアンモニア測定結果を示す図である。 実施例3におけるアンモニア測定結果を示す図である。
符号の説明
1 アンモニア測定装置
2 検出部
2a アンモニア測定素子
2b 湿度測定素子
3 周波数測定器
4 計算部
5 記憶部

Claims (12)

  1. 圧電体及び当該圧電体をはさんで両側に設置されている電極を備え、当該電極の表面にアンモニアと化合物を形成する金属が存在することを特徴とするアンモニア測定素子。
  2. 上記電極は、当該電極の表面がアンモニアと化合物を形成する金属により被覆されているもの、又はアンモニアと化合物を形成する金属により構成されているものであることを特徴とする請求項1に記載のアンモニア測定素子。
  3. 上記測定素子の表面が鏡面加工されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンモニア測定素子。
  4. 上記金属がモリブデンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンモニア測定素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンモニア測定素子と、上記電極の表面がアンモニアと化合物を形成したときに生じる上記アンモニア測定素子の周波数を測定する周波数測定装置とを備えていることを特徴とするアンモニア測定装置。
  6. アンモニアの影響を受けずに湿度のみを測定する湿度測定素子をさらに備え、
    上記湿度測定素子が、圧電体及び当該圧電体を挟んで両側に設置される電極を備え、当該電極の表面に酸化クロムまたは白金粒子を担持した酸化クロムが存在するものであることを特徴とする請求項5に記載のアンモニア測定装置。
  7. アンモニアの濃度が互いに異なる既知の2種類以上の気体が上記アンモニア測定素子に接触したときに、上記周波数測定装置により測定される、上記アンモニアが化合物を形成することによる上記アンモニア測定素子の周波数から、アンモニア濃度及び発振周波数の関係を求める計算手段と、
    当該関係を記憶する記憶手段と、
    当該記憶手段から参照する当該関係、及びアンモニア濃度の測定対象の気体が上記アンモニア測定素子に接触したときに、上記周波数測定装置により測定される周波数に基づいて、当該測定対象の気体中のアンモニア濃度を算出するアンモニア濃度算出手段と、
    を備えることを特徴とする請求項5又は6に記載のアンモニア測定装置。
  8. 圧電体及び当該圧電体をはさんで両側に設置されている電極を備え、当該電極の表面に塩素と化合物を形成する金属が存在することを特徴とする塩素測定素子。
  9. 上記電極は、当該電極の表面が塩素と化合物を形成する金属により被覆されてなるもの、又は塩素と化合物を形成する金属により構成されているものであることを特徴とする請求項8に記載の塩素測定素子。
  10. 上記金属がモリブデンであることを特徴とする請求項8又は9に記載の塩素測定素子。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の塩素測定素子と、上記電極の表面が塩素と化合物を形成したときに生じる上記塩素測定素子の周波数を測定する周波数測定装置と、を備えていることを特徴とする塩素測定装置。
  12. 塩素の濃度が互いに異なる既知の2種類以上の気体が上記塩素測定素子に接触したときに、上記周波数測定装置により測定される、上記塩素が化合物を形成することによる上記塩素測定素子の周波数から、塩素濃度及び発振周波数の関係を求める計算手段と、
    当該関係を記憶する記憶手段と、
    当該記憶手段から参照する当該関係、及び塩素濃度の測定対象の気体が上記塩素測定素子に接触したときに、上記周波数測定装置により測定される周波数に基づいて、当該測定対象の気体中の塩素濃度を算出する塩素濃度算出手段と、
    を備えることを特徴とする請求項11に記載の塩素測定装置。
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