JP2009249978A - 支持杭構築装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 家等の基礎を十分な強度を有しない地盤上に構築するに際して、場所打ち杭を構築するための、掘削ヘッド20では掘削翼の全長に亘って固化材の供給手段を設け、その固化材を混合した後で、固化材を土に均一に分散させるようにする。
【解決手段】 駆動軸15の下端部に設けた掘削ヘッド20には、共回り防止板25、26に対して、水平な板を攪拌翼30として設けている。そして、固化材を掘削翼21の長さ全体から供給しながら、その上部で混合した土を、水平な攪拌翼30により薄い層状にスライスするようにして、土に固化材を均一に分散させて、杭の強度を意図した通り構築可能とする。
【選択図】 図3
【解決手段】 駆動軸15の下端部に設けた掘削ヘッド20には、共回り防止板25、26に対して、水平な板を攪拌翼30として設けている。そして、固化材を掘削翼21の長さ全体から供給しながら、その上部で混合した土を、水平な攪拌翼30により薄い層状にスライスするようにして、土に固化材を均一に分散させて、杭の強度を意図した通り構築可能とする。
【選択図】 図3
Description
本発明は、構造物を構築する地盤の支持力を高めるために、地中に強度の大きい地盤改良杭を立設するように構築するに際して、掘削翼により掘削した土に固化材を混合してから、その上部で駆動軸に遊嵌保持させる共回り防止板と、駆動軸に取り付けた攪拌翼との間で、固化材が混合された土を攪拌して均一に分散させ、均一な強度を有する地盤改良杭を構築可能とする支持杭構築装置に関する。
従来より軟弱な地盤上に建物等を構築するに際しては、スクリューのような掘削機を用いて所定の径の孔を掘削しながら、その掘削している土にセメントやその他の固化材を混合して、土に固化材を分散させて固化させた杭を立設する手段を用いている。そして、前記地盤改良杭を用いて深い位置にある硬い地盤に対して、建物の荷重を支持させるような手段を用いることで、コンクリートや鉄製の柱を打ち込む場合と同様に、建物の荷重を支持させることができる。したがって、軟弱な地盤の上であっても、建物の荷重を強度の大きい杭を介して支持させ、前記既成の杭部材を打設して基礎を構築する場合と同様に、安定した状態で建物を構築することを可能にしている。
前記地盤改良杭を構築する装置としては、例えば、特開平7−109729号公報等に説明されているように、駆動軸の下端部に設けている掘削翼により孔を掘り下げながら、その駆動軸の下部に設けている孔から、セメントミルク等の固化材を噴出させて、土と固化材を混合して地盤改良杭を構築するようにしている。前記固化材と土との混合作業を効率良く行わせるために、掘削翼の上部で駆動軸に対して遊嵌させた軸支手段を用いて、共回り防止板の両端部を孔の壁に押し込むようにして、掘削翼の回転に追従して孔の土が孔の中で回転しないように固定保持するようにしている。そして、前記掘削した孔の中の土は、その上下の部分に設けた攪拌翼と前記共回り防止板の間で、固化材を土にとを均一に混じり合わせる作用を行うことで、構築した杭の強度を所定の値に維持できるようにしている。(例えば、特許文献1を参照)。
特開平7−109729号公報
前記従来例のような装置においては、掘削翼により掘削している土に固化材を混合してから、共回り防止板と攪拌翼との間で土を攪拌して、固化材を土に均一に混合させる補助的な混合作用を行うように構成している。ところが、前記攪拌翼により土を掘削しながら固化材を自動的に混合する場合に、掘削翼により掘削する土の量と、それに対して混合する固化材の比率を、最適な状態となるようにコントロールしようとしても、その制御を行うための設定が非常に面倒であるという問題がある。
そこで、前記掘削翼の上部に、共回り防止板と攪拌翼とを組み合わせた攪拌機構を設けているものの、攪拌翼により掘削された塊状のものが混じった状態の土を、前記攪拌機構を用いることによりさらに掻き回しても、土の性質によっては、土の塊をほぐすことができないことがある。例えば、前記攪拌機構においては、土に混入する固化材が均一な分散状態にならず、固化材の混入・分散に偏りが生じたままで地盤改良杭が構築されることがあり、強度にムラがある地盤改良杭が構築される例が多くある。
本発明は、前記地盤改良杭を構築する装置で、掘削翼による掘り下げに際して、掘削翼の長さ方向の全体部分に、その回転方向の後部に固化材を噴出させる手段を設け、必要に応じて大量の固化材を土に混入させ得るように構成している。そして、掘削した土の全体に亘って、固化材を均一に混入することで、その後の攪拌工程では、比較的容易に土に固化材を分散させた状態で混合できるので、意図した強度を発揮する杭を容易に構築できるものとなる。
本発明は支持杭構築装置に関するもので、請求項1の発明は、駆動装置に接続されて上下動と回転作用を受ける中空な駆動軸と、前記駆動軸の中空部に向けて固化材を供給する装置を接続した装置本体と、前記中空な駆動軸の下端部に固定して設けた掘削翼と、前記掘削翼に設けた開口を通して固化材を吐出させる手段と、前記駆動軸に対して遊嵌支持部を介して支持されて、軸方向に平行な板状部材よりなる共回り防止部材と、前記共回り防止部材の上下の位置に所定の間隔を介して設けて、前記駆動軸の軸に固定して設ける攪拌翼と、を組み合わせて構成し、前記掘削翼により掘削した土に固化材を混合し、前記固化材を混合した掘削土を前記攪拌翼により攪拌する作用を加えることにより、土に固化材を分散させるように混合して改良土の柱を構築することを特徴とする。
請求項2の発明は、前記駆動軸の下端部に固定している掘削翼は、土を掘削する際の翼の回転方向の先端部から、軸の回転方向の後部に向けて所定の角度で上昇するように傾斜され、前記掘削翼の回転方向後部の端部には、前記掘削翼の長さ方向の全体に亘って固化材を噴出させる開口を設けた凹溝を設け、前記凹溝の端部を駆動軸の軸心に設けている固化材通路に接続して、前記掘削翼により掘削しながら固化材を混合した土を、前記掘削翼の上部に位置させた攪拌翼により固化材を土に均一に分散させることを特徴とする。
請求項3の発明は、前記掘削翼は、土を掘削する際の翼の回転方向の後部に、前記凹溝に代えて噴出孔を所定の間隔で多数開口させて設け、
前記多数の噴出孔を掘削翼内に設けた導通孔を介して接続し、前記導通孔の端部を駆動軸の軸心に設けている固化材通路に接続して設けることを特徴とする。
前記多数の噴出孔を掘削翼内に設けた導通孔を介して接続し、前記導通孔の端部を駆動軸の軸心に設けている固化材通路に接続して設けることを特徴とする。
請求項4の発明は、前記翼の回転方向の先端部には、掘削翼の長さ方向に所定の間隔で爪部材を設け、前記爪部材の先端部は駆動軸の軸心に対して所定の傾斜角度で突出させて設け、前記共回り防止部材の上下の位置に、所定の間隔を持たせて攪拌翼を設け、
前記攪拌翼は、駆動軸の軸心に直角な方向に対して、回転方向の先端部を低く、後部が高くなるよう傾斜させて取り付けられており、駆動軸の下降される速度と軸の回転作用を加えて、前記攪拌翼により土を薄い層状に切るように攪拌する動作によって、掘削翼により土を掘削する際に混入した固化材を、さらに土と混合することを特徴とする。
前記攪拌翼は、駆動軸の軸心に直角な方向に対して、回転方向の先端部を低く、後部が高くなるよう傾斜させて取り付けられており、駆動軸の下降される速度と軸の回転作用を加えて、前記攪拌翼により土を薄い層状に切るように攪拌する動作によって、掘削翼により土を掘削する際に混入した固化材を、さらに土と混合することを特徴とする。
請求項5の発明は、前記攪拌翼には、軸心方向に直角な平面もしくは水平面に対して小さな角度で傾斜させた板状部材により構成されたものを、前記共回り防止部材の上面または下面との間に、一定の間隔を持たせて配置し、駆動軸の下降される速度と軸の回転作用を加えて、前記攪拌翼により土を薄い層状に切断する作用を加えて攪拌する動作によって、土に固化材の混合を行うことを特徴とする。
前述したようにして、駆動軸の軸方向に平行に板の面を位置させて、その長さ方向の両側の端部を孔の壁に食い込ませるように、孔の直径よりも長く形成した共回り防止板と、その板と直交する状態の略水平な板による攪拌翼との間で、固化材を混合させる作用を付与している。そして、掘削孔の下端部で、掘削翼により地盤を掘削しながら固化材を混入した際に、塊状に生成される土と、その塊の周囲を覆うように存在するな固化材との混合物に対して、攪拌翼により比較的薄い層状にスライスする作用を行うことで、塊をほぐした土に固化材がほぼ均一に混入した状態で、土に固化材を混入した杭を構築できる。
また、前記固化材が混合された土の塊を、駆動軸を押し下げる速度、つまり、掘削ヘッド部を押し下げる速度と、駆動軸を回転させる速度(回転数)との関係を調整して、掘削する土の塊の大きさを調整するとともに、固化材を土に混合する作用を良好に行い得るようにする。そして、土の塊が比較的小さなものとなるように、掘削翼を下降させる速度を調節することで、掘削翼により掘り下げた際の土の塊を小さくし、その上部で攪拌翼により土を砕いた後で、土と固化材との混合状態を調整でき、混合土の状態を所望のものに適宜調整することが可能となる。そして、それらの装置を駆動するに際して、現場の土の性質と要求する杭の支持強度との関係に応じて、駆動軸の回転数や掘削翼を押し下げる圧力等の条件を適宜選択して制御装置に設定し、その設定条件に応じて装置を駆動することにより、所望の強度を有する地盤改良杭を構築することができる。
図示される例にしたがって、本発明の実施例の構成を説明するが、以下に説明する実施例においては、軟弱な地盤上に住宅等の建物を構築する際に、その建物の荷重を根太等の支持基礎を介して地盤に均一に負担させて、建物が傾いたりすることがない状態で保持できるようにするために、支持杭を構築する補助手段を組み合わせた装置に関する。本発明において、掘削装置は、掘削翼により地面から杭孔を掘り下げて、その掘り下げた孔の土に固化材を混合して、強度がほぼ均一な杭として立設するために用いる。以下に説明する装置においては、従来の掘削装置を用いる公知例の場合のように、掘削翼により土を大きく乱した状態で、大小の土の塊が混在する状態のものに対して固化材を混入して、不均一な強度を有する杭を構築することがないようにして、均一に固化材が土に混合されるように装置を構成している。
そこで、本発明においては、掘削翼で孔を掘り下げると同時に、土に混合する固化材の量を適宜制御し、固化材を混合した土を上部に設けている攪拌手段を用いて、均一な状態となるように混合・攪拌している。前記土と固化材とを攪拌して混合するに際して、攪拌翼により土をスライスするような状態で攪拌作用を行うことで、その攪拌・混合部の上部でも塊状態の土をほぐしながら、固化材と土とを均一に分散させるようにして、作用を能率良く行い得るようにする。
図1、2に示す例には、本発明の実施例での掘削ヘッド部20の構成を説明しているものであり、駆動軸5の下端部には、従来の杭構築装置の場合と同様に、掘削翼と混合攪拌機能を備えた機構とを組み合わせて設けている。ただし、本発明の実施例においては、前記駆動軸5に翼支持リング27を介して支持される共回り防止板25、26は、平らな板を立てた状態で、孔を横断するように構成している。前記共回り防止板は、掘削する孔の直径Dよりも横に大きく突出させた、長いものとして構成しており、掘削翼により掘削した孔の壁に、前記共回り防止板の先端部を突き刺すような状態で、掘削翼を押し下げる動作とともに端部が壁を擦りながら下降する。そして、掘削翼と攪拌翼とが回転する作用を受けて、土が孔の中で回転しようとしても、前記共回り防止板により邪魔して、固化材を土に混入する作用を良好に行い得るようにする。
前記共回り防止板25、26に対して、駆動軸に基部を固定する攪拌翼30……は、土を攪拌する機能を持たせた部材として設けており、前記攪拌翼30、31は、駆動軸15の回転方向に対応する先端部側が低く後側が高くなるように、小さな角度で傾斜させた板として構成している。また、前記攪拌翼30……はその長さが掘削翼21とほぼ同じか、少し短いものとして設けられており、前記攪拌翼30……により攪拌する作用を加える土に対しては、土の塊のままで駆動軸とともに孔の中で回そうとする作用が働くが、前記共回り防止板によりで土の共回りを防止しながら、前記攪拌翼30、31により攪拌する作用を付与している。
前述したような構成を有する掘削ヘッド20は、図3に概略を説明しているような構成を有するもので、クレーン装置等に設けた駆動装置11と、駆動装置に付属させた上下動装置等を組み合わせて構成した地上装置により支持して、駆動軸の上下動と回転駆動を行うように設けている。また、掘削した土に固化材を供給して混入するためには、固化材を供給するための装置12と、供給ポンプ13とを接続して配置しており、前記固化材としてセメントミルクを用いる場合には、ミキサーと貯留タンク等を組み合わせて、従来の装置と同様な支援・供給装置を組み合わせて用いる。前記駆動装置11に支持される駆動軸15には、その下端部に掘削翼21と共回り防止板25、および攪拌翼30とを設けているもので、その各構成部材は、前記図1、2に示されるようなものである。
前記掘削ヘッド20を用いて場所打ち杭5を構築する際には、駆動軸15の下端部に配置する掘削翼21と、その下部の周囲に突出させて設けている掘削爪22により、土を掘削するが、その掘削された土は、土の性質に応じた大きさの塊として掘り起こされる。そして、前記掘削された塊状の土に対しては、後述するように、掘削翼21から噴出させる固化材を混合することで、土に対して固化材を均一に混合した混合土の層を、層状に重ねるようにして、杭を構築することができるのである。
前記掘削ヘッド20を構成する部材は、従来より場所打ち杭の構築に用いられている装置を、ほとんどそのまま利用できるものである。例えば、前記駆動軸の下端部に固定して取り付けている掘削翼21と掘削爪22、および、その上部に共回り防止板25を支持している翼支持リング27等も、一般に知られている場所打ち杭の構築装置で、公知の材料を組み合わせて構成している。なお、前記掘削翼21の先端部に突出させて設けている掘削爪22は、掘削翼の回転方向の先端部に、その長さ方向に所定の間隔をおいて、多数突出させて設けているものであり、例えば、爪22の先端部の突出角度は、駆動軸の軸心に対して45°の角度で突出させて設ける例で説明しているが、前記爪を突出させる長さは土の性質に対応させて適宜設定される。
すなわち、従来の場所打ち杭の構築装置においては、前記攪拌翼30……は、比較的大きな角度で傾斜した面を連続させたスクリュー状に、前記攪拌翼を構成していたものであり、その攪拌翼によって、土の塊を強く揉みほぐしながら固化材を混合する作用を、前記攪拌翼に負担させていた。したがって、前記従来の装置では、そのような目的に対処させて装置を作動させることで、攪拌翼を回転させる動力を多く必要とし、その攪拌翼を回転させて土を掻き回す動作からの反力を受ける共回り防止板でも、土を強く攪拌する際の大きな力に耐え得るように、強固な板部材で構成していたものである。
また、一般に用いられている装置では、前述したような攪拌翼と共回り防止板とを用いて、固化材を混合した土を掻き混ぜる作用を行うに際して、土の塊をもみほぐす作用を行い、その土をもみほぐす動作により、液状の固化材を土に分散させる動作を同時に行っている。そして、固化材を混合して構築した杭を構築する動作に際して、土を強く掻き混ぜる動作を行う時には、共回り防止板が攪拌翼ととともに動く土の邪魔することで、土を揉みほぐしながら、固化材を均一に分散させる動作を行わせているものである。
前述したような従来の装置とは異なり、本発明の実施例に示す掘削ヘッド20では、固化材を掘削した土に対して、その土の全体に均一に分散させるように、きめ細かく混合している。そして、共回り防止板と攪拌翼との間では、その混合された土を薄い層状にスライスするような状態で攪拌する作用を加えているので、従来装置のように、土を強い力で大きく掻き混ぜる作用を行う機構を用いていないのである。つまり、図3に説明しているように、掘削ヘッド20により地盤に掘り下げて構築する杭孔2においては、掘削翼21の上部に設けている攪拌部において、両端部が孔壁の土の中に突き刺った状態の、固定共回り防止板25、26に対して、傾斜角度が小さいものとして設けている攪拌用の板を、駆動軸により回転させる機構として設けている。
そして、固化材を混合している土を所定の厚さの層となるように、前記共回り防止板30、31により切断(スライス)することで、土を粗く掻き混ぜる動作を行う従来装置の場合よりも、均一な混合作用を行うことができる。
そして、固化材を混合している土を所定の厚さの層となるように、前記共回り防止板30、31により切断(スライス)することで、土を粗く掻き混ぜる動作を行う従来装置の場合よりも、均一な混合作用を行うことができる。
前記土に固化材を混合させて、薄い層状にスライスしながら分散させる作用を行うために、水平な板で構成した攪拌翼30では、所定の圧力を加えて押し下げる垂直な駆動軸に設けた板を、土の中で単純に回転させる動作を行わせるのみである。したがって、前記攪拌翼を駆動するためには、大きな駆動力を必要とするものではなく、その攪拌作用を行うに際して、共回り防止板に加えられる力(反力)も、大きな力となるものではないことから、掘削ヘッドを構成する部材の各々は、比較的薄い板等を組み合わせることが可能となる。また、掘削した土の中に、石が混入していた場合でも、攪拌翼により土をスライスする際には、前記攪拌翼の先端部が当たって、混合土の層の上下のいずれかの方向に、石を移動させる作用を付与して、攪拌作用の邪魔しないように移動させることで、共回り防止板と攪拌翼との間に石を噛み込んだりして、攪拌翼の回転に支障が生じるような不都合が発生する頻度を少なくできることにもなる。
前述したような掘削ヘッドの構成に加えて、本発明の前記装置においては、駆動軸の下部から固化材を土の中に直接に集中的に噴出させずに、掘削翼21の長さ全体に亘って、固化材を均一に排出させる手段を設けている。そして、掘削した土の全体に固化材を均一に分散させながら、混合する手段を設けていることで、その後に共回り防止板と攪拌翼との間で土の塊をほぐして、改良土の層を重ねるようにして土に固化材を均一に混合させ、地盤改良土の杭を構築することができるようにしている。なお、前記掘削した土に固化材を混合・攪拌する動作を行うに際して、掘削・混合を行う掘削ヘッドの上には、既に掘削して固化材を混合した土があり、その土の重さで押圧された状態となっている。そこで、攪拌部で攪拌翼を回転させることにより、土を上に持ち上げるような力が作用したとしても、すでに固化材を混合した土が孔の上部で邪魔をするので、孔の上部から土が盛り上がるような作用が発生することは阻止される。
図示される本発明の装置の構成の例では、例えば、掘削時に駆動軸を回転させる方向の先端部には、掘削翼の長さ方向に所定の間隔で爪部材を設け、前記爪部材の先端部は駆動軸の軸心に対して略45°の角度で突出させて設けている。また、前記共回り防止部材の上下の位置に、所定の間隔を持たせて攪拌翼を設け、前記攪拌翼は、駆動軸の軸心に直角な方向に対して、15°の傾斜角度で取り付けられている。そして、前記駆動軸を下降される速度と軸の回転作用を加えて、前記攪拌翼により土を薄い層状に切断しながら攪拌する動作によって、掘削翼により土を掘削する際に混入した固化材を、さらに土と混合する動作を行うものとしている。
さらに、前記本発明の装置において、図4(a)、(b)に説明するように、駆動軸15の下端部に取り付けた掘削ヘッド20の掘削翼21には、その翼の後端部側の端部(回転方向の後側部分)に、固化材を排出させる固化材供給管35を取り付けている。前記固化材供給管35は中空なパイプで構成され、所定の幅のスリット36を直線状に設けたものを、そのスリットを翼の端部の後部に向けて開口させるように位置させて、排出パイプの孔の基部を駆動軸15の中空な孔16に接続して、固化材を流通させる経路を構成している。したがって、前記固化材を排出させる手段を設けたことで、掘削した土に対して固化材を層状にして均一に混合させることが可能となる。
前記掘削ヘッド20において、掘削翼21に設ける掘削爪22の配置間隔や、その爪の形状・構造・配置間隔等は、特に限定するものではなく、従来の装置の場合と同様に、構築する場所の地質やその他の条件に応じて、適宜選択することが可能である。また、駆動軸の下端部に設けている中爪17は、任意の形状の突出部材として設けることが可能であり、掘り下げる杭孔のガイドとしての性質を規定できれば、その形状・構造は任意のものとすることができる。
なお、前記図1〜3に説明した掘削ヘッド20の構成に関して、以下の説明では、各部材の構成が若干異なるもので説明しているが、掘削ヘッドを構成する部材は、それを適用する地盤の地質等の条件に応じて、適宜変更することが可能である。したがって、特に、図示する構造に限定するものではなく、その構成と作用効果に影響がなければ、基本的な構成に加えて、現場の状況に合わせて構成する部材を用いる等の、若干の変更を可能にしている。
前記図4に説明している固化材の排出機構とは別に、図5に示す例のように、孔開きパイプを掘削翼に取り付けて、固化材を掘削した土に混合する畳めの機構を構成することもできる。この例では、掘削翼21の回転方向後側に取り付けた固化材供給管35aには、中空な導通孔に噴出用の孔38を所定の間隔で設けている。
そして、前記スリットの場合と同様に、掘削翼により掘削した土に固化材を供給して、混合する作用をきめ細かく行って、固化材を土に均一に分散させてから、共回り防止板と攪拌翼とによる混合・攪拌作用を、良好に行い得るようにする。
そして、前記スリットの場合と同様に、掘削翼により掘削した土に固化材を供給して、混合する作用をきめ細かく行って、固化材を土に均一に分散させてから、共回り防止板と攪拌翼とによる混合・攪拌作用を、良好に行い得るようにする。
前述したように、固化材を供給するために使用するパイプに対して、その長さ方向の全体に亘ってスリットを形成する場合には、杭を構築する地盤の地質等によっては、固化材が均一に分散され得ない状態となるという、想定外の事態が発生することが想定される。これに対して、図5の例のように、供給管(パイプ)の長さ方向に、所定の間隔を介して噴出孔を設けている場合には、その孔の大きさと間隔を適宜選択することにより、固化材の噴出させて土と混合する作用を、意図した状態で実行させることが可能となる。
図6に説明する本発明の第2の実施例では、前記駆動軸15に対して遊嵌支持部を介して、駆動軸の回転に影響されない状態で支持され、板状部材よりなる共回り防止部材に対して、その上下に位置されて駆動軸に固定保持される攪拌翼を、水平な板部材を用いて構成する場合を説明している。この変更例においては、駆動軸に直角な方向に対して略水平に、もしくは5°程度の非常に小さい傾斜角度を持たせた板部材として構成している。そして、前記略水平な攪拌翼30a、31aを駆動軸15により回転させながら、孔の中の土を層状にスライスする状態で混合作用を行うことで、固化材がほぼ均一に混入された土の層を重ねた状態の杭が立設されるもので、実際には、固化材を土に均一に分散させる状態とする作用が行われる。
前記攪拌翼30a、31aは、軸心方向に直角な平面もしくは水平面に対して小さな角度で傾斜させた板状部材により構成されたものを、前記共回り防止部材26の上側と下側の双方に、一定の間隔を持たせて配置した状態とされている。そして、駆動軸の下降される速度と軸を回転させる作用を加えることで、前記攪拌翼により土を薄い層状に切断するように攪拌する動作を行うことで、土に固化材を均一に混合する。また、前記攪拌翼により土を掻き回す際に、土を大きく掻き回すことがないので、駆動軸を駆動するために大きな駆動力を必要としないという利点もある。
前述したように、杭孔を掘り下げるに際しては、前記固化材が混合された土の塊に対して、駆動軸を押し下げる速度、すなわち、孔を掘り下げる速度と、駆動軸を回転させる速度(回転数)との関係を調整してその作業を行うようにする。そして、所定の厚さの層となるように土を攪拌翼によりスライスする状態で、スライスした混合土の層の厚さを適宜調整しながら、固化材を土に混入させることが可能となる。さらに、それらの装置の駆動の条件を、現場の土の性質と要求する杭の支持強度との関係に応じて、最適な条件を選択して、制御装置に設定した条件に応じて装置を駆動することで、任意の強度を有する地盤改良杭を構築することができる。
前記図6に説明した例において、前記共回り防止板25、26に対して、駆動軸に基部を固定する攪拌翼30a、……は、土を攪拌する機能を持たせた部材として設けており、前記攪拌翼30a、31aは、平らな板を水平方向に支持している駆動軸15に直角な方向に対して、平行に位置される板状のものとして構成している。また、前記攪拌翼は、その長さを掘削翼21とほぼ同じものとして構成しており、前記攪拌翼30a……により攪拌する作用を加える土に対しては、前記共回り防止板で土の共回りを防止しながら、前記攪拌翼30a、31aにより薄く層状に土をスライスするとともに、スライスした層の間に固化材を挿入するようにして混入することができる。
前記図6に説明されるように、略水平な板部材により構成される掘削翼を用いて、掘削ヘッド20を用いて場所打ち杭5を構築しようとする際には、駆動軸15の下端部に配置する掘削翼21と、その下部の周囲に突出させて設けている掘削爪22により、土を掘削するが、その掘削された土は、土の性質に応じた大きさの塊として掘られる。そして、前記掘削された塊状の土に対しては、後述するように、掘削翼21から面状にまたは多数の筋状に固化材を噴出させて混合することで、土に対して固化材を均一に混合した状態の混合土の層をまず作成する。次いで、その掘削翼の上部で、攪拌翼により混合土の層を薄い層状に重ねるように処理するので、無理に土を大きく掻き乱したりすることがない状態で、杭を構築することができるのである。
前記本発明の実施例において、駆動軸に設ける攪拌翼30、30al各々は、特にその板の大きさや広さは限定されるものではないが、固化材を不均一に含んだ土の塊を、薄くスライスする状態で攪拌する動作を行うためには、湾曲したりしない程度の板の強度を有し、土の層をスライスする作用を継続して行い得るようにできれば良い。また、前記共回り防止板の板の厚さや、板の強度に関しては、掘削ヘッドを下降させる力により、前記共回り防止板の両端部を、掘削した孔の壁に入り込ませた状態のままで下降させる際に、湾曲したりすることがないように維持できる強度を有するものとすれば良い。
前記実施例において、用いられる固化材としては、最も一般的なセメントミルクを使用することを想定して説明しているが、本発明において、土に混入させる固化材としては、特にその種類と特性等を限定するものではなく、従来より、地盤改良工事に用いられている公知の任意の固化材を、単独で又は複数種類のものを混合して使用することも可能である。また、装置を駆動して杭孔を掘り下げながら固化材を混合して、攪拌翼により薄い層状にスライスして混合する時に、そのスライスする土の層の厚さ等の条件は、駆動軸を押し下げる速度と、駆動軸を回転させる回転速度との関係を選定して、任意の層の厚さとなるように作業することができる。
1 地盤、 2 掘削孔、 5 地盤改良杭、 7 整層部、
10 地上装置、 11 駆動装置、 12 固化材供給装置、
13 ポンプ、 15 駆動軸、 16 中空孔、
17 突起部、 20 掘削ヘッド、 21 掘削翼、 22 掘削爪、
25・26 共回り防止板、 27 支持リング、 30 攪拌翼、
35 固化材供給管、 36 スリット。
10 地上装置、 11 駆動装置、 12 固化材供給装置、
13 ポンプ、 15 駆動軸、 16 中空孔、
17 突起部、 20 掘削ヘッド、 21 掘削翼、 22 掘削爪、
25・26 共回り防止板、 27 支持リング、 30 攪拌翼、
35 固化材供給管、 36 スリット。
Claims (5)
- 駆動装置に接続されて上下動と回転作用を受ける中空な駆動軸と、前記駆動軸の中空部に向けて固化材を供給する装置を接続した装置本体と、
前記中空な駆動軸の下端部に固定して設けた掘削翼と、前記掘削翼に設けた開口を通して固化材を吐出させる手段と、
前記駆動軸に対して遊嵌支持部を介して支持されて、軸方向に平行な板状部材よりなる共回り防止部材と、
前記共回り防止部材の上下の位置に所定の間隔を介して設けて、前記駆動軸の軸に固定して設ける攪拌翼と、を組み合わせて構成し、
前記掘削翼により掘削した土に固化材を混合し、前記固化材を混合した掘削土を前記攪拌翼により攪拌する作用を加えることにより、土に固化材を分散させるように混合して改良土の柱を構築することを特徴とする支持杭構築装置。 - 前記駆動軸の下端部に固定している掘削翼は、土を掘削する際の翼の回転方向の先端部から、軸の回転方向の後部に向けて所定の角度で上昇するように傾斜され、
前記掘削翼の回転方向後部の端部には、前記掘削翼の長さ方向の全体に亘って固化材を噴出させる開口を設けた凹溝を設け、
前記凹溝の端部を駆動軸の軸心に設けている固化材通路に接続して、前記掘削翼により掘削しながら固化材を混合した土を、前記掘削翼の上部に位置させた攪拌翼により固化材を土に均一に分散させることを特徴とする請求項1に記載の支持杭構築装置。 - 前記掘削翼は、土を掘削する際の翼の回転方向の後部に、前記凹溝に代えて噴出孔を所定の間隔で多数開口させて設け、
前記多数の噴出孔を掘削翼内に設けた導通孔を介して接続し、前記導通孔の端部を駆動軸の軸心に設けている固化材通路に接続して設けることを特徴とする請求項1または2に記載の支持杭構築装置。 - 前記翼の回転方向の先端部には、掘削翼の長さ方向に所定の間隔で爪部材を設け、前記爪部材の先端部は駆動軸の軸心に対して所定の傾斜角度で突出させて設け、
前記共回り防止部材の上下の位置に、所定の間隔を持たせて攪拌翼を設け、
前記攪拌翼は、駆動軸の軸心に直角な方向に対して、回転方向の先端部を低く、後部が高くなるよう傾斜させて取り付けられており、
駆動軸の下降される速度と軸の回転作用を加えて、前記攪拌翼により土を薄い層状に切るように攪拌する動作によって、掘削翼により土を掘削する際に混入した固化材を、さらに土と混合することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の支持杭構築装置。 - 前記攪拌翼には、軸心方向に直角な平面もしくは水平面に対して小さな角度で傾斜させた板状部材により構成されたものを、前記共回り防止部材の上面または下面との間に、一定の間隔を持たせて配置し、
駆動軸の下降される速度と軸の回転作用を加えて、前記攪拌翼により土を薄い層状に切断する作用を加えて攪拌する動作によって、土に固化材の混合を行うことを特徴とする請求項4または5に記載の支持杭構築装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008102002A JP2009249978A (ja) | 2008-04-10 | 2008-04-10 | 支持杭構築装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008102002A JP2009249978A (ja) | 2008-04-10 | 2008-04-10 | 支持杭構築装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009249978A true JP2009249978A (ja) | 2009-10-29 |
Family
ID=41310934
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008102002A Pending JP2009249978A (ja) | 2008-04-10 | 2008-04-10 | 支持杭構築装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009249978A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104452753A (zh) * | 2014-12-13 | 2015-03-25 | 张璐 | 大直径smw工法桩机 |
-
2008
- 2008-04-10 JP JP2008102002A patent/JP2009249978A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104452753A (zh) * | 2014-12-13 | 2015-03-25 | 张璐 | 大直径smw工法桩机 |
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