JP2009249848A - 樹脂系床材 - Google Patents
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Abstract
【課題】環境負荷が無く、特殊な成形方法が必要でもなく、床面下地にきれいに並べて施工することが容易な樹脂床材を提供すること。
【解決手段】略矩形の板状である熱可塑性樹脂基材の表面に化粧層を有する樹脂系床材において、前記熱可塑性樹脂基材の厚みが2〜4mmであり、平均粒径5μm以下の板状微粉からなる無機フィラーを10〜50重量%添加してなり、有機繊維状物質を10〜30重量%添加してなることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】略矩形の板状である熱可塑性樹脂基材の表面に化粧層を有する樹脂系床材において、前記熱可塑性樹脂基材の厚みが2〜4mmであり、平均粒径5μm以下の板状微粉からなる無機フィラーを10〜50重量%添加してなり、有機繊維状物質を10〜30重量%添加してなることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、熱可塑性樹脂に添加剤を加えたものを基材とする略矩形の板状とした樹脂床材に関し、特に一方の辺を相対する他の辺と嵌合させて床面に敷きつめることが可能な樹脂床材に関する。
木質基材、あるいは木質材料を混合した樹脂からなる木質系基材は、樹脂建材として、膨張、収縮の低いものが必要とされていた。そのため、金属のインサート成形品を用いたり、マイカ、タルク、炭酸カルシウム等の無機フィラーを大量に添加する場合がほとんどであった。
しかし、金属のインサート成形品は、膨張、収縮は小さくなるものの、廃棄時に分別できない、リサイクルする事が出来ない等の問題があり環境負荷の高いものだった。また、無機フィラーを大量に添加したものは、膨張、収縮が小さくなるものの、コニカル二軸成形機といった特殊な成形方法が必要であった。また、施工においては突き合わせや相じゃくりといった施工方法が一般的できれいに並べたり、下地との接着が発現するまでにずれてしまうといった事も少なくなかった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、環境負荷が無く、特殊な成形方法が必要でもなく、床面下地にきれいに並べて施工することが容易な樹脂床材を提供することにある。
本発明はこの課題を解決したものであり、すなわちその請求項1記載の発明略矩形の板状である熱可塑性樹脂基材の表面に化粧層を有する樹脂系床材において、前記熱可塑性樹脂基材の厚みが2〜4mmであり、平均粒径5μm以下の板状微粉からなる無機フィラーを10〜50重量%添加してなり、有機繊維状物質を10〜30重量%添加してなり、これら添加した無機フィラーと有機繊維状物質の合計の添加量が40〜60重量%であって、前記略矩形の樹脂床材の四方の辺の前記熱可塑性樹脂基材の端部が、上下端より略45度でくの字状に張り出した上辺と下辺が厚みの略中央で頂点を有する形状から、相対する他の端部と嵌合するように削りとられた形状を有し、一方の端部は上辺の略中央に略矩形の凹部を有し、相対するもう一方の端部は下辺の略中央に略矩形の凹部を有してなることを特徴とする樹脂床材である。
本発明はその請求項1記載の発明により、繊維状物質の添加により成形流れ方向へ配向し流れ方向の線膨張を大幅に低下させる効果が得られる。平均粒径5μm以下の板状微粉は成形流れ方向に平行に配向し流れ方向、流れ垂直方向両方の線膨張を大幅に低下させることができる。そして、樹脂床材の4方端に各々嵌め合うサネ形状を有する事で施工しやすく、施工後の基材同士が組合い、突き上げ、目透き、床鳴り等の不具合発生を低下することが可能になる。
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。図1に本発明の樹脂系床材の一実施例の断面の形状を示す。熱可塑性樹脂基材1の上に化粧層2を設けてなる。
本発明における熱可塑性樹脂基材1には熱可塑性樹脂に粒径5μm以下の板状微粉からなる無機フィラーと繊維状添加物とを添加してなる。熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂が使用でき、使用する部位、用途に合わせ適宜選択すればよい。
板状の無機フィラーとしてはセリサイト、タルク、マイカ、合成マイカ等があり、有機繊維状物質としてはガラスファイバー、木粉、セルロース、紙粉等があげられるが、特に限定はしない。
木粉、セルロース等の有機繊維状物質は嵩比重が高い為、重量比での添加効果が高く、また異型成形等の成形方法を用いる場合は低速引取時の見かけ溶融張力を向上させる効果があるため使用する。そして、これらだけでは成形流れの垂直方向には配向しない為、板状微粉の無機フィラーを添加する。
これら板状の無機フィラーと有機繊維状物質の添加量については、合計量が40重量%を下回ると十分な線膨張低下が望めず、施工後の温度変化で突き上げや目透き、床鳴りといった現象が発生する。60重量%を超えた添加量になると、樹脂の溶融粘度が著しく高くなり、一般の成形機を用いて成形することが不可能となる。
前記熱可塑性樹脂基材1はまた、重量を軽減する為発泡したものでも良い。発泡方法としては重曹、ADCA系、カプセル発泡剤等を用いた化学発泡や炭酸ガス発泡等の物理発泡などを適宜選択すればよく、成形方法としてはフリー発泡法やセルカ発泡法等の発泡成形方法を適宜組み合わせて行なえばよい。
本発明における化粧層2としては、シート状の化粧紙や化粧シートを貼りあわせたり、転写による化粧層を付与したものであっても良いし、インクジェット印刷によるダイレクト印刷等で設けたものであってもよく、その用途に合わせ適宜選択すればよい。
化粧シートを貼り合わせる場合は基材の材質により表面処理等を施し接着剤も用途により選択、使用すれば良く、貼り合わせ方法もプロファイルラッピングや成形同時ラミネート法等があり、特に規定しない。
また、図示しないが、施工後の歩行感向上や床なり、不陸低減を行なう目的で基材裏面にクッション層を設けても良い。クッション層は熱可塑性樹脂の発泡体、ゴム、エラストマー等のシートがあり、公知の物を適宜貼り合わせればよい。
組み合わせサネは成形品を切削加工して形成してもよいし、成形金型での賦型を行なっても良いが、より精度を出しやすい切削加工が好適である。組み合わせ部の凸部厚み及び凹み部隙間は0.5mm〜1.2mmで設定すれば良く、使用する材料の強度にあわせて設定すればよい。凸部厚みよりも凹部隙間を広くすることで施工時に嵌りやすくなるが、あまり緩いと外れやすくなる為、0.2mmを上限とすればよい。組み合わせサネがあることにより、施工時の基材位置が決まりやすく、下地との接着が発現するまでのズレ、外れ防止にもなる。
ポリプロピレン(プライムポリマー製 E105GM)50重量部、平均粒径1μmの板状微粉からなるタルク40重量部、木粉10重量部を200℃で設定した二軸押出機で溶融過熱混合した。
前記溶融加熱混合した熱可塑性樹脂を押出機先端に取り付けた厚み3mm、巾150mm、両端上下角部を斜めに落とした板状金型から押出し、冷却水を循環させた同型の冷却金型に引き込み冷却固化したのち900mmの長さに切断、堆積し、80℃のオーブンで6時間加熱した後外気冷却を行い、成形歪取り行った。
この表面に、化粧層2として、オレフィン系化粧シート((株)トッパン・コスモ製「101エコシート」)を用い、プロファイルラッピング機で貼り合わせた。貼り合わせにはPUR接着剤(DIC株式会社製 タイホース)を90μの塗布厚みで使用した。
その後、ダブルサイザーで長手、短手両端部それぞれに雄サネ厚みを1mm、雌サネ隙間を1.1mmでサネ加工を施し、樹脂系床材を作成した。
このようにして得た樹脂系床材の裏面に両面テープを貼り、12mm合板の下地材上に短手方向に40枚(6000mm)施工し施工端にストッパーを釘で打ちつけ突きつけ施工を行なった。
<比較例1(添加剤少なめ)>
ポリプロピレン(プライムポリマー製 E105GM)を70重量部、平均粒径1μmの板状微粉からなるタルクを20重量部、木粉を10重量部とした以外は実施例1と同様にして樹脂系床材を得た。
ポリプロピレン(プライムポリマー製 E105GM)を70重量部、平均粒径1μmの板状微粉からなるタルクを20重量部、木粉を10重量部とした以外は実施例1と同様にして樹脂系床材を得た。
<比較例2(添加剤多め)>
ポリプロピレン(プライムポリマー製 E105GM)を30重量部、平均粒径1μmの板状微粉からなるタルクを50重量部、木粉20重量部をした以外は実施例1と同様にして樹脂系床材を得ようとしたが、金型に引き込み冷却固化しようとした際にメルトフラクチャーが酷く、基材を得る事が出来なかった。
ポリプロピレン(プライムポリマー製 E105GM)を30重量部、平均粒径1μmの板状微粉からなるタルクを50重量部、木粉20重量部をした以外は実施例1と同様にして樹脂系床材を得ようとしたが、金型に引き込み冷却固化しようとした際にメルトフラクチャーが酷く、基材を得る事が出来なかった。
<性能評価>
実施例1、比較例1、比較例2樹脂系床材の敷いたボードを大型恒温恒湿室に敷き、0℃24時間、40℃24時間の環境下におき、各々の条件下での施工外観を比較した。
結果を表1に示す。
実施例1、比較例1、比較例2樹脂系床材の敷いたボードを大型恒温恒湿室に敷き、0℃24時間、40℃24時間の環境下におき、各々の条件下での施工外観を比較した。
結果を表1に示す。
比較例1では基材膨張時に上サネが切欠きを乗り越えて突き上げが発生し、収縮時は雄サネが雌サネから抜けそうになり、目地部が若干浮いたようになっていた。比較例2では添加量が多すぎた為、一般的な押出金型から成形することが困難な状態(メルトフラクチャーの発生)があり成形品を取ることすら出来なかった。実施例1では外観異常、基材全体の変形異常は特に見られなかった。
本発明の樹脂系床材は、一方の辺を相対する他の辺と嵌合させて床面に敷きつめることで施工が可能な樹脂床材として利用可能である。
1…熱可塑性樹脂基材
2…化粧層
2…化粧層
Claims (1)
- 略矩形の板状である熱可塑性樹脂基材の表面に化粧層を有する樹脂系床材において、
前記熱可塑性樹脂基材の厚みが2〜4mmであり、平均粒径5μm以下の板状微粉からなる無機フィラーを10〜50重量%添加してなり、有機繊維状物質を10〜30重量%添加してなり、これら添加した無機フィラーと有機繊維状物質の合計の添加量が40〜60重量%であって、
前記略矩形の樹脂床材の四方の辺の前記熱可塑性樹脂基材の端部が、上下端より略45度でくの字状に張り出した上辺と下辺が厚みの略中央で頂点を有する形状から、相対する他の端部と嵌合するように削りとられた形状を有し、一方の端部は上辺の略中央に略矩形の凹部を有し、相対するもう一方の端部は下辺の略中央に略矩形の凹部を有してなることを特徴とする樹脂床材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008096085A JP2009249848A (ja) | 2008-04-02 | 2008-04-02 | 樹脂系床材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008096085A JP2009249848A (ja) | 2008-04-02 | 2008-04-02 | 樹脂系床材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009249848A true JP2009249848A (ja) | 2009-10-29 |
Family
ID=41310804
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008096085A Pending JP2009249848A (ja) | 2008-04-02 | 2008-04-02 | 樹脂系床材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009249848A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9567756B2 (en) | 2010-10-06 | 2017-02-14 | The Amtico Company Limited | Backing layers for floor coverings |
-
2008
- 2008-04-02 JP JP2008096085A patent/JP2009249848A/ja active Pending
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