JP2009248879A - タイヤ状態検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有用なタイヤ状態に関する情報を十分に取得できるタイヤ状態検出装置を提供すること。
【解決手段】本発明によるタイヤ状態検出装置1は、タイヤのタイヤ空気圧Pを検出するタイヤ空気圧検出手段4aと、検出されたタイヤ空気圧Pのデータを含む電波を送信する送信手段5aと、送信手段5aの送信する電波を受信する受信手段9aと、受信手段9aの受信する電波の受信強度Eを測定する測定手段10aと、タイヤの回転に伴い発生する受信強度Eの最大値Emax及び最小値Eminから、受信手段9aに対する送信手段5aの最小離隔距離Lmin及び最大離隔距離Lmaxを演算する距離演算手段10bと、最小離隔距離Lmin及び最大離隔距離Lmaxに基づいてタイヤの転舵角θを演算する転舵角演算手段10cを備えることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、乗用車、トラック、バス等の車両に適用されて好適なタイヤ状態検出装置に関する。
車両を安全に運転させるにあたっては、タイヤとリムとの間に画成される空間の空気圧すなわちタイヤ空気圧を適切な範囲内に保つことが必要となる。このため、タイヤ空気圧を検出するタイヤ空気圧センサと検出されたタイヤ空気圧のデータを含む電波を送信する送信回路をリムに備えて、車両に設けられた受信回路により電波を受信して、タイヤ状態ECUの制御に基づいてタイヤ空気圧を運転者に報知し、適切な範囲から逸脱する場合には警告を行う、例えば特許文献1に記載されているようなタイヤ状態検出装置が提案されている。
この特許文献1に記載のタイヤ状態検出装置においては、タイヤ空気圧を運転者に報知するとともに、それぞれのタイヤが車両の前後左右及びトランクのいずれに位置しているかを特定することも提案されており、これによれば、運転者が車両を購入した後、タイヤ交換やタイヤローテーションを行った場合においても、運転者によりそれぞれのタイヤに対応する送信回路のIDをタイヤ状態ECUに対して再度設定する手間を省略することができる。
特開2007−230416号公報
ところが、このようなタイヤ状態検出装置においては、車両のさらなる安定走行を実現して運転者の利便性を高める目的で備えられる、例えば、EPS(Electronic Power Steering)やVSC(Vehicle Stability Control)やLKA(Lane Keep Assist)等の車載装置、あるいは、運転者の駐車に伴う操作を軽減するIPA(Intelligent Parking Assist)等の車載装置の制御に用いて有用であり、運転者に報知しても有用であるタイヤの実際の転舵角を取得することは提案されておらず、有用なタイヤ状態に関する情報を十分に取得できているとは言えないという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑み、有用なタイヤ状態に関する情報を十分に取得できるタイヤ状態検出装置を提供することを目的とする。
上記の問題を解決するため、本発明に係るタイヤ状態検出装置は、
タイヤのタイヤ空気圧を検出するタイヤ空気圧検出手段と、検出された前記タイヤ空気圧のデータを含む電波を送信する送信手段と、前記送信手段の送信する電波を受信する受信手段と、前記受信手段の受信する前記電波の受信強度又は電界強度又は電力密度を測定する測定手段と、前記タイヤの回転に伴い発生する前記受信強度又は電界強度又は電力密度の最大値及び最小値から、前記受信手段に対する前記送信手段の最小離隔距離及び最大離隔距離を演算する距離演算手段と、前記最小離隔距離及び前記最大離隔距離に基づいて前記タイヤの転舵角を演算する転舵角演算手段を備えることを特徴とする。
なお、上述したタイヤ状態検出装置において、前記受信強度又は電界強度は、前記受信手段に対する前記送信手段の離隔距離に反比例し、前記電力密度は、前記受信手段に対する前記送信手段の離隔距離の二乗に反比例するため、前記距離演算手段はこの性質を用いて、前記受信強度又は電界強度又は前記電力密度から前記離隔距離、ひいては、前記最小離隔距離及び前記最大離隔距離を演算する。
また、前記タイヤがキングピン軸を中心に車幅方向内側に転舵されて、車両上方視において車両前後方向に対して車幅方向内側に傾斜した場合には、傾斜角度すなわち前記転舵角が大きくなるにつれて前記最小離隔距離は大きくなり、前記最大離隔距離は小さくなる。
同様に、前記タイヤがキングピン軸を中心に車幅方向外側に転舵されて、車両上方視において車両前後方向に対して車幅方向外側に傾斜した場合には、傾斜角度すなわち前記転舵角が大きくなるにつれて前記最小離隔距離は小さくなり、前記最大離隔距離は大きくなる。前記転舵角演算手段はこれらの性質を用いて、前記最小離隔距離及び前記最大離隔距離に基づいて前記タイヤの転舵角を演算する。
ここで、前記タイヤ状態検出装置において、
前記転舵角演算手段が、前記最小離隔距離及び前記最大離隔距離と前記転舵角との対応関係を予め備えて、当該対応関係に基づいて前記転舵角を演算することが好ましい。なお、当該対応関係は、幾何学的手法を含むシミュレーション又は実験により容易に求めることができる。
これによれば、前記転舵角演算手段が、予め備えた前記最小離隔距離及び前記最大離隔距離と前記転舵角との対応関係に基づいて、前記転舵角をより正確に演算することができる。これにより、より正確に演算された前記転舵角を他の車載機器に提供することが可能となる。
そして他の車載機器においては、例えば操舵装置のアシスト力発生部のモータの回転角を検出して、アッカーマンの式により前記転舵角を間接的に計算で求めることに比べて、前記タイヤにロードキャンバや路面凹凸により外乱が入力された場合の前記タイヤの挙動すなわち実際の転舵角を、直接的且つ迅速に取得することができるので、前記転舵角に基づいてよりきめ細かい制御を実現することができる。
また、前記操舵装置のモータと前記タイヤとの間には、ピニオン、ラックバー、ナックルアーム、タイロッド、ボールジョイント、ブッシュ等の機械要素が介在するため、前記間接的に計算された転舵角は実際の転舵角と乖離する場合があり、このような場合においても、本発明のタイヤ状態検出装置によれば、より正確な前記転舵角を演算して、他の車載機器に提供することができる。
あるいは、前記タイヤ状態検出装置において、
前記タイヤの車体に対するバウンド又はリバウンド方向の変位を検出する変位検出手段を備えるとともに、前記転舵角演算手段が、前記変位と前記最小離隔距離及び前記最大離隔距離に基づいて前記タイヤの転舵角を演算することとしてもよい。なおこの場合においても、当該対応関係は、幾何学的手法を含むシミュレーション又は実験により容易に求めることができる。
これによっても、前記転舵角演算手段が、予め備えた前記変位と前記最小離隔距離及び前記最大離隔距離と前記転舵角との対応関係に基づいて、前記転舵角をより正確に演算することができる。これにより、より正確に演算された前記転舵角を他の車載機器に提供することが可能となる。
そしてここでも、他の車載機器においては、例えば操舵装置のアシスト力発生部のモータの回転角を検出して、アッカーマンの式により前記転舵角を計算で求めることに比べて、前記タイヤにロードキャンバや路面凹凸により外乱が入力された場合の前記タイヤの挙動すなわち実際の転舵角を、直接的且つ迅速に取得することができるので、前記転舵角に基づいてよりきめ細かい制御を実現することができる。
また、前記操舵装置のモータと前記タイヤとの間には、ピニオン、ラックバー、ナックルアーム、タイロッド、ボールジョイント、ブッシュ等の機械要素が介在するため、前記間接的に計算された転舵角は実際の転舵角と乖離する場合があり、このような場合においても、本発明のタイヤ状態検出装置によれば、より正確な前記転舵角を演算して、他の車載機器に提供することができる。
なお、前記タイヤ状態検出装置において、
前記変位検出手段が、前記タイヤを回転自在に支持する支持手段を前記車体に連結する連結手段と、前記支持手段又は前記連結手段と前記車体との間に介装されて前記支持手段の振動エネルギーを減衰する減衰手段との、いずれかに備えられることが好ましい。
これによれば、車両の車体と前記支持手段との変位を直接的に検出して、前記転舵角の演算精度をより高めることができる。
あるいは、前記タイヤ状態検出装置において、
前記変位検出手段が、前記車体の横方向加速度を検出する加速度検出手段と、前記横方向加速度を積分演算する積分手段とを備えることとしてもよい。
これによれば、前記車体の横方向加速度を検出して、当該横方向加速度を積分演算することにより、前記車体の前記タイヤに対するロール方向の変位を求めて、これによっても、前記転舵角の演算精度をより高めることができる。
本発明によれば、有用なタイヤ状態に関する情報を十分に取得できるタイヤ状態検出装置を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係わるタイヤ状態検出装置の一実施形態の車両内の配置を示す模式図であり、図2は、本発明に係わるタイヤ状態検出装置の一実施形態の構成要素の接続態様を示す模式図である。図3は、本発明に係わるタイヤ状態検出装置の一実施形態の検出対象の位置関係を示す模式図である。
図1に示すように、タイヤ状態検出装置1は、タイヤ側機2と、車載機3とを備えて構成される。また、タイヤ側機2は、タイヤ空気圧検出センサ4、送信回路5、アンテナ6、バッテリ7を備えて構成されており、車両の前後左右四箇所の車輪に設けられる。
さらに、車載機3は、アンテナ8と、受信回路9と、タイヤ状態ECU10と、初期化スイッチ11と、タイヤ空気圧ウォーニングランプ12と、タイヤアライメントウォーニングランプ13を備えて構成され、車両の速度計やタコメータが設置されるフロントパネルに設けられている。さらに、タイヤ状態ECU10にはCAN(Controller Area Network)を介してEPSECU14が接続されている。
タイヤ空気圧検出センサ4は、前後左右及びスペアの車輪を構成するタイヤ及びホイールにより画成される空間のいずれかの箇所、例えばホイールにおいて、タイヤをホイールに脱着する際に、脱着作業を容易にするために設けられる広幅の溝状部分であるウェルにネジ機構により螺合して設けられて、タイヤ空気圧Pを検出して検出されたタイヤ空気圧Pのデータを送信回路5に出力して、タイヤ空気圧検出手段4aを構成するものである。
送信回路5も、前後左右及びスペアの車輪を構成するタイヤ及びホイールにより画成される空間のいずれかの箇所、例えばホイールにおいて、タイヤをホイールに脱着する際に、脱着作業を容易にするために設けられる広幅の溝状部分であるウェルにネジ機構により螺合して設けられて、例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、バッテリ7からの電源供給に基づき、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが以下に述べる所定の処理を行うものである。
バッテリ7は、送信回路5及びタイヤ空気圧検出センサ4に対して電源を供給されるものであり、ホイールへの搭載を考慮して小型軽量かを図って構成されたものであり、例えば充電式のニッケルカドミウム電池などが用いられる。
送信回路5は、周知の変調回路を含んで構成されるものであって、アンテナ6を介して通信用周波数にて、タイヤ空気圧検出センサ4の検出したタイヤ空気圧Pのデータを含む電波を車載機3に対して送信して、送信手段5aを構成する。
受信回路9はアンテナ8を介して通信用周波数にてタイヤ側機2から送信された、タイヤ空気圧検出センサ4の検出したタイヤ空気圧Pのデータを含む電波を受信して、受信結果をタイヤ状態ECU10に出力するものであり、これも周知の復調回路を含んで構成されるものであって、受信手段9aを構成する。
タイヤ状態ECU10(Electronic Control Unit)は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが以下に述べる所定の処理を行うものであり、測定手段10aと、距離演算手段10bと、転舵角演算手段10cと、判定手段10dと、警報手段10eを構成するものである。
タイヤ状態ECU10の測定手段10aは、受信回路9の受信する電波の受信強度E(V、A又はdB)を測定する。タイヤ状態ECU10の距離演算手段10bは、タイヤの回転に伴い発生する受信強度Eの最大値Emaxから、予め定められる離隔距離Lと受信強度Eの関係式を用いて、受信手段9aに対する送信手段5aの離隔距離Lすなわちアンテナ6とアンテナ8との離隔距離Lのうち、最小離隔距離Lminを演算する。
同様に、タイヤ状態ECU10の距離演算手段10bは、タイヤの回転に伴い離隔距離Lがサイン波形状に周期的に変化することにより発生する受信強度Eの最小値Eminから、上述した関係式を用いて、受信手段9aに対する送信手段5aの最大離隔距離Lmaxを演算する。なお、タイヤは車両の前後左右及びスペアの五種類が存在しているため、それぞれのタイヤに設置された送信回路5から送信される電波の受信強度はEfr、Efl、Err、Erl、Epの五種類が存在する。ここで、frは右前を、flは左前を、rrは右後を、rlは左後を、pはスペアを示すサフィックスである。
このうちスペアのタイヤの送信回路5から送信される電波の受信強度Epは、スペアのタイヤは回転しないことから時間の経過に伴い変化しないため、五種類の電波の内変化しない受信強度Epはスペアのタイヤの送信回路5から送信されたものと、タイヤ状態ECU10の判定手段10dが判定する。
また、アンテナ8は図3に示すように、車両の車幅方向中心Cに対して右側にオフセットされ、前輪中心FHC及び後輪中心RHCの前後方向中心からも前方にオフセットされて車両に設置されているため、右前の車輪のアンテナ6と車両側のアンテナ8との離隔距離Lfrと、左前の車輪のアンテナ6と車両側のアンテナ8との離隔距離Lflと、右後の車輪のアンテナ6と車両側のアンテナ8との離隔距離Lrrと、左後の車輪のアンテナ6と車両側とのアンテナ8との離隔距離Lrlとの大小関係は、Lfr<Lfl<Lrr<Lrlとなる。
なお、図3中黒丸●及び白丸○はアンテナ6の位置を示し、タイヤの回転に伴って車輪のアンテナ6と車両側のアンテナ8との離隔距離Lが最大離隔距離Lmaxとなる位置を黒丸●で示し、離隔距離Lが最小離隔距離Lminとなる位置を白丸○で示す。
これに伴い、受信強度Eは離隔距離Lに反比例することから、Efr>Efl>Err>Erlの関係が成立するため、受信回路9の受信する電波のうち、一番目に受信強度が大きい電波を右前の車輪のアンテナ6から受信した電波であると、タイヤ状態ECU10の判定手段10dは判定し、二番目に受信強度が大きい電波を左前の車輪のアンテナ6から受信した電波であると、タイヤ状態ECU10の判定手段10dは判定する。
同様に、三番目に受信強度が大きい電波を右後の車輪のアンテナ6から受信した電波であると、タイヤ状態ECU10の判定手段10dは判定し、四番目に受信強度が大きい電波を左後の車輪のアンテナ6から受信した電波であると、タイヤ状態ECU10の判定手段10dは判定する。このようにして、運転者がそれぞれのタイヤの送信回路5をタイヤ状態ECU10に対してID登録することなく、それぞれの送信回路5が前後左右のタイヤのいずれに位置しているかをタイヤ状態ECU10が認識する。
なお、初期化スイッチ11は、このようなタイヤ状態ECU10の判定と認識を、運転者がタイヤ交換又はタイヤローテーションを行った場合にリセットするために設けられるものであり、運転者が初期化スイッチ11を操作すると、タイヤ状態ECU10は上記判定及び認識を消去する。
さらに、タイヤ状態ECU10の転舵角演算手段10cは、最小離隔距離Lmin及び最大離隔距離Lmaxに基づいて前後左右のタイヤのそれぞれの実際の転舵角θを演算する。なお、この演算については、前後左右の車輪において共通するため、最小離隔距離Lmin、最大離隔距離Lmax及び転舵角θについては、上述した前後左右のタイヤの位置を表すサフィックスは付さない。
つまり、受信強度Eは、受信手段9aに対する送信手段5aの離隔距離Lに反比例するため、タイヤ状態ECU10の距離演算手段10bはこの性質を用いて、受信強度Eから離隔距離Lを演算し、タイヤの回転に基づいて周期的に変動する離隔距離Lから、最小離隔距離Lmin及び最大離隔距離Lmaxを演算する。
この性質をより具体的に述べると、タイヤが図示しないキングピン軸を中心に車幅方向内側に転舵されて、車両上方視において車両前後方向に対して車幅方向内側に傾斜した場合には、傾斜角度すなわち転舵角θが大きくなるにつれて最小離隔距離Lminは大きくなり、最大離隔距離Lmaxは小さくなる。
同様に、タイヤがキングピン軸を中心に車幅方向外側に転舵されて、車両上方視において車両前後方向に対して車幅方向外側に傾斜した場合には、傾斜角度すなわち転舵角θが大きくなるにつれて最小離隔距離Lminは小さくなり、最大離隔距離Lmaxは大きくなる。
このような最小離隔距離Lmin及び最大離隔距離Lmaxと転舵角θとの対応関係を例えば転舵角θについて所定角度刻みに変化させて、予め幾何学的手法を含むシミュレーション又は実験により求めて、これらの対応関係を含む二次元マップとして、タイヤ状態ECU10の転舵角演算手段10cはこの二次元マップを記憶して備えておき、この二次元マップの含む対応関係に基づいて、タイヤ状態ECU10の転舵角演算手段10cは、最小離隔距離Lmin及び最大離隔距離Lmaxに基づいて、タイヤの実際の転舵角θを演算する。
さらに、タイヤ状態ECU10の判定手段10dは、それぞれのタイヤの送信回路5及びアンテナ6から、アンテナ8及び受信回路9を介して受信した電波に含まれるデータから、それぞれのタイヤのタイヤ空気圧Pを読み出して、タイヤ空気圧Pが基準最低空気圧Pminよりも小さいかを判定し、小さいと判定される場合には、タイヤ状態ECU10の警報手段10eは、タイヤ空気圧ウォーニングランプ12を点滅させて運転者に対する警報を行う。
なお、タイヤ空気圧ウォーニングランプ12は、車両の速度計やタコメータが設置されるフロントパネルに設けられており、タイヤ状態ECU10の制御に基づいて点滅されて、運転者にタイヤの点検及び空気充填等の整備を促すものである。
さらに、タイヤ状態ECU10の判定手段10dはEPSECU14(Electronic Power Steering Electronic Control Unit)から、EPS(Electronic Power Steering)のアシスト力発生部のモータの回転角を取得して、この回転角からアッカーマンの式により求まる理論上の前輪の転舵角θtに対して、実際の前輪の転舵角θが閾値α以上乖離しているかを判定する。
この判定が肯定である場合には、判定手段10dは、サスペンション装置を構成するリンク、アーム、ホイールをナックルに取り付けるハブ等又は操舵装置を構成するラックバーとナックルアーム等に過度のアライメントが発生していると判定し、タイヤ状態ECU10の警報手段10eは、タイヤアライメントウォーニングランプ13を点滅させて、運転者に対する警報を行う。
なお、タイヤアライメントウォーニングランプ13も、車両の速度計やタコメータが設置されるフロントパネルに設けられており、タイヤ状態ECU10の制御に基づいて点滅されて、運転者にサスペンション装置周りの点検等の整備を促すものである。
ここでは、車両は前輪操舵としているが、後輪についても同様に転舵角θを、タイヤ状態ECU10の転舵角演算手段10cは演算する。これに伴い、タイヤ状態ECU10の判定手段10dは、後輪の転舵角θが直進走行時において閾値β以上である場合に、これも、サスペンション装置を構成するリンク、アーム、ホイールをナックルに取り付けるハブ等に過度のアライメントが発生していると判定し、この場合にも、タイヤ状態ECU10の警報手段10eは、タイヤアライメントウォーニングランプ13を点滅させて、運転者に対する警報を行う。
以下、本実施例のタイヤ状態検出装置1の制御内容についてフローチャートを用いて説明する。図4は、本発明によるタイヤ状態検出装置1の制御内容を示すフローチャートである。
S1において、送信回路5の送信手段5aは、タイヤ空気圧検出センサ4の検出したタイヤ空気圧Pを含むデータを、変調回路により電波に乗せて、タイヤ空気圧Pのデータを含む電波を、アンテナ8及び受信回路9に対して送信する。これに伴い、受信回路9の受信手段9aは、アンテナ8を介して送信回路5からの電波を受信する。つづいて、S2において、タイヤ状態ECU10の測定手段10aは電波の受信強度Eの最大値Emax及び最小値Eminを測定する。
さらに、S3において、タイヤ状態ECU10の距離演算手段10bは、受信強度Eの最大値Emaxから最小離隔距離Lminを演算し、受信強度Eの最小値Eminから最大離隔距離Lmaxを演算する。
つづいて、S4において、タイヤ状態ECU10の転舵角演算手段10cは、最小離隔距離Lmin及び最大離隔距離Lmaxと転舵角θの対応関係を含む二次元マップを用いて、演算された最小離隔距離Lmin及び最大離隔距離Lmaxに基づいて、タイヤの実際の転舵角θを演算して、演算された転舵角θをEPSECU14にCANを介して伝送する。
さらに、S5において、タイヤ状態ECU10の判定手段10dは、それぞれのタイヤの送信回路5及びアンテナ6から、アンテナ8及び受信回路9を介して受信した電波に含まれるデータから、それぞれのタイヤのタイヤ空気圧Pを読み出して、タイヤ空気圧Pが基準最低空気圧Pminよりも小さいかを判定し、小さいと判定される場合には、S6にすすんで、タイヤ状態ECU10の警報手段10eは、タイヤ空気圧ウォーニングランプ12を点滅させて運転者に対する警報を行ってS7にすすみ、小さいと判定されない場合には、S6の処理をとばして、S7にすすむ。
つづいて、S7において、タイヤ状態ECU10の判定手段10dはEPSECU14から、EPS(Electronic Power Steering)のアシスト力発生部のモータの回転角を取得して、この回転角からアッカーマンの式により求まる理論上の前輪の転舵角θtに対して、実際の前輪の転舵角θが閾値α以上乖離しているかを判定して、肯定と判定される場合には、S8にすすんで、サスペンション装置を構成するリンク、アーム、ホイールをナックルに取り付けるハブ等又は操舵装置を構成するラックバーとナックルアーム等に過度のアライメントが発生していると判定し、タイヤ状態ECU10の警報手段10eは、タイヤアライメントウォーニングランプ13を点滅させて、運転者に対する警報を行う。S7において否定と判定される場合には、S8の処理をとばしてS9にすすむ。
S9において、タイヤ状態ECU10の判定手段10dは、後輪の転舵角θが直進走行時において閾値β以上であるかを判定し、肯定と判定される場合にはS10にすすんで、サスペンション装置を構成するリンク、アーム、ホイールをナックルに取り付けるハブ等に過度のアライメントが発生していると判定し、この場合にも、タイヤ状態ECU10の警報手段10eは、タイヤアライメントウォーニングランプ13を点滅させて、運転者に対する警報を行う。S9において否定と判定される場合には、制御を終了する。
以上述べた本実施例1に係わるタイヤ状態検出装置1によれば、以下のような作用効果を得ることができる。すなわち、タイヤ状態ECU10の転舵角演算手段10cが、予め備えた最小離隔距離Lmin及び最大離隔距離Lmaxと転舵角θとの対応関係を含む二次元マップに基づいて、タイヤの実際の転舵角θをより正確に演算することができる。これにより、より正確に演算された転舵角θをここではEPSECU14に提供することが可能となる。
そしてEPSECU14においては、EPSのアシスト力発生部のモータの回転角を検出して、アッカーマンの式により転舵角を間接的に計算で求めることに比べて、タイヤにロードキャンバや路面凹凸により外乱が入力された場合のタイヤの挙動すなわち実際の転舵角θを、直接的且つ迅速に取得することができるので、転舵角θに基づいてよりきめ細かい制御を実現することができる。
また、EPSのモータとタイヤとの間には、ピニオン、ラックバー、ナックルアーム、タイロッド、ボールジョイント、ブッシュ等の機械要素が介在するため、間接的に計算された転舵角は実際の転舵角θと乖離する場合があり、このような場合においても、本発明のタイヤ状態検出装置によれば、より正確な転舵角θを演算して、EPSに提供することができる。
さらに、前輪の転舵角θを常態監視することにより、前輪のサスペンション装置を構成するリンク、アーム、ホイールをナックルに取り付けるハブ等又は操舵装置を構成するラックバーとナックルアーム等に過度のアライメントが発生していることを検出でき、この場合には適宜運転者に警報を行うことで、車両の安全性をより高めることができる。
同様に、後輪の転舵角θを常態監視することにより、後輪のサスペンション装置を構成するリンク、アーム、ホイールをナックルに取り付けるハブ等に過度のアライメントが発生していることを検出でき、この場合には適宜運転者に警報を行うことで、車両の安全性をより高めることができる。
さらに、EPSECU14を制御するLKAやIPA等の車載装置が搭載されている場合において、タイヤの実際の転舵角θを取得することができるので、LKAやIPAにおけるトレースラインの精度を高めることができる。さらに、タイヤにロードキャンバや路面凹凸により外乱が入力された場合のタイヤの挙動すなわち実際の転舵角θを、直接的且つ迅速に取得することができるので、転舵角θに基づいてよりきめ細かく迅速な制御を行って、早期に車両挙動を安定させることができる。
また、CANを介してVSCに対して転舵角θを伝送した場合においては、例えば定常旋回時における後輪の転舵角θから、後輪のタイヤに作用する横力を演算することにより、車両姿勢を適宜制御することができる。
特に車両のリヤ側のサスペンション装置においては、旋回外側の後輪のタイヤは、バウンドによりトーインとなるように設計されているが、転舵角θが設計値通りのトーイン方向でない場合にはオーバーステア傾向となるため、前輪を操舵するEPSのモータの回転角を小さくし、前輪の転舵角θを小さくしてアンダーステアとし、車両のヨーイング方向の角度すなわちヨー角が実際に大きくなった場合には、旋回外側の前輪にブレーキを作用させて、ヨー角を抑制するカウンター制御を行うことができる。
なお上述した実施例1においては、タイヤ状態ECU10の転舵角演算手段10cが、予め備えた最小離隔距離Lmin及び最大離隔距離Lmaxと転舵角θとの対応関係に基づいて、転舵角θを演算しているが、この対応関係に車体とタイヤとの変位を加えることもできる。以下それについての実施例2について述べる。
図5は、本発明に係わるタイヤ状態検出装置の一実施形態の構成要素の接続態様を示す模式図である。
本実施例2のタイヤ状態検出装置21は、図5に示すように、タイヤ側機2と、車載機23とを備えて構成される。また、タイヤ側機2は、タイヤ空気圧検出センサ4、送信回路5、アンテナ6、バッテリ7を備えて構成されており、車両の前後左右四箇所の車輪に設けられる。
さらに、車載機23は、アンテナ8と、受信回路9と、タイヤ状態ECU10と、初期化スイッチ11と、タイヤ空気圧ウォーニングランプ12と、タイヤアライメントウォーニングランプ13を備えて構成され、車両の速度計やタコメータが設置されるフロントパネルに設けられている。さらに、タイヤ状態ECU10にはCANを介してEPSECU14と、ボディECU15が接続され、ボディECU15にはストロークセンサ16が接続されている。なお、実施例1に示したタイヤ状態検出装置1と共通する構成要素については、同一の符号を付し重複する個々の説明は割愛する。
タイヤ状態ECU10(Electronic Control Unit)は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが以下に述べる所定の処理を行うものであり、測定手段10aと、距離演算手段10bと、転舵角演算手段10cと、判定手段10dと、警報手段10eを構成するものである。
ストロークセンサ16は、タイヤを回転自在に支持するここでは図示しないナックルを車体に連結するアームと、ナックル又はアームと車体との間に介装されてナックルの振動エネルギーを減衰するショックアブソーバとの、いずれかにおいて車両の前後左右の四箇所に備えられるものであり、サスペンション装置のバウンドリバウンドにともなう前後左右四箇所のタイヤのそれぞれの車体に対する変位Sを検出する変位検出手段16aを構成する。なお、ナックルは支持手段を、アームは連結手段を、ショックアブソーバは減衰手段を構成する。
ボディECU15は、(Electronic Control Unit)は例えばCPU、ROM、RAMおよびそれらを接続するデータバスから構成され、ROMに格納されたプログラムに従い、CPUが以下に述べる所定の処理を行うものであり、車両のランプやパワーウィンドウ等の車載機器を統括的に制御するとともに、変位検出手段を構成するストロークセンサ16が接続されて、ストロークセンサ16が検出したバウンド及びリバウンド方向のタイヤの車体に対する変位Sを含むデータをCANによりタイヤ状態ECU10に伝送するものである。
さらに、タイヤ状態ECU10の転舵角演算手段10cは、変位Sと最小離隔距離Lmin及び最大離隔距離Lmaxに基づいて前後左右のタイヤのそれぞれの実際の転舵角θを演算する。なお実施例2においても、この演算については、前後左右の車輪において共通するため、変位S、最小離隔距離Lmin、最大離隔距離Lmax及び転舵角θについては、上述した前後左右のタイヤの位置を表すサフィックスは付さない。
つまり、受信強度Eは、受信手段9aに対する送信手段5aの離隔距離Lに反比例するため、タイヤ状態ECU10の距離演算手段10bはこの性質を用いて、受信強度Eから離隔距離Lを演算し、タイヤの回転に基づいて周期的に変動する離隔距離Lから、最小離隔距離Lmin及び最大離隔距離Lmaxを演算する。
この性質をより具体的に述べると、タイヤが図示しないキングピン軸を中心に車幅方向内側に転舵されて、車両上方視において車両前後方向に対して車幅方向内側に傾斜した場合には、傾斜角度すなわち転舵角θが大きくなるにつれて最小離隔距離Lminは大きくなり、最大離隔距離Lmaxは小さくなる。
同様に、タイヤがキングピン軸を中心に車幅方向外側に転舵されて、車両上方視において車両前後方向に対して車幅方向外側に傾斜した場合には、傾斜角度すなわち転舵角θが大きくなるにつれて最小離隔距離Lminは小さくなり、最大離隔距離Lmaxは大きくなる。
さらに厳密には、フロント側のサスペンション装置のバウンドに伴い、タイヤはトーアウトとなり、リバウンドに伴いタイヤはトーインとなるように設計されており、これによりタイヤの転舵角θも変化する。リヤ側のサスペンション装置においては、バウンドに伴いタイヤはトーインとなり、リバウンドに伴いタイヤはトーアウトとなる用に設計されており、これによってもタイヤの転舵角θは変化する。
このような最小離隔距離Lmin及び最大離隔距離Lmaxと転舵角θとの対応関係を例えば転舵角θについて所定角度刻みに変化させて、バウンド及びリバウンドそれぞれの所定変位毎に予め幾何学的手法を含むシミュレーション又は実験により求めて、これらの対応関係を含む三次元マップを作成しておき、タイヤ状態ECU10の転舵角演算手段10cはこの三次元マップを記憶して備えておき、この三次元マップの含む対応関係に基づいて、タイヤ状態ECU10の転舵角演算手段10cは、変位Sと最小離隔距離Lmin及び最大離隔距離Lmaxに基づいて、タイヤの実際の転舵角θを演算する。
さらに、タイヤ状態ECU10の判定手段10dは、それぞれのタイヤの送信回路5及びアンテナ6から、アンテナ8及び受信回路9を介して受信した電波に含まれるデータから、それぞれのタイヤのタイヤ空気圧Pを読み出して、タイヤ空気圧Pが基準最低空気圧Pminよりも小さいかを判定し、小さいと判定される場合には、タイヤ状態ECU10の警報手段10eは、タイヤ空気圧ウォーニングランプ12を点滅させて運転者に対する警報を行う。
さらに、タイヤ状態ECU10の判定手段10dはEPSECU14から、EPSのアシスト力発生部のモータの回転角を取得して、この回転角からアッカーマンの式により求まる理論上の前輪の転舵角θtに対して、実際の前輪の転舵角θが閾値α以上乖離している場合には、サスペンション装置を構成するリンク、アーム、ホイールをナックルに取り付けるハブ等又は操舵装置を構成するラックバーとナックルアーム等に過度のアライメントが発生していると判定し、この場合には、タイヤ状態ECU10の警報手段10eは、タイヤアライメントウォーニングランプ13を点滅させて、運転者に対する警報を行う。
ここでも、車両は前輪操舵としているが、後輪についても同様に転舵角θを、タイヤ状態ECU10の転舵角演算手段10cは演算する。これに伴い、タイヤ状態ECU10の判定手段10dは、後輪の転舵角θが直進走行時において閾値β以上である場合に、これも、サスペンション装置を構成するリンク、アーム、ホイールをナックルに取り付けるハブ等に過度のアライメントが発生していると判定し、この場合にも、タイヤ状態ECU10の警報手段10eは、タイヤアライメントウォーニングランプ13を点滅させて、運転者に対する警報を行う。
以下、本実施例2のタイヤ状態検出装置21の制御内容についてフローチャートを用いて説明する。図6は、本発明によるタイヤ状態検出装置21の制御内容を示すフローチャートである。
S11において、送信回路5の送信手段5aは、タイヤ空気圧検出センサ4の検出したタイヤ空気圧Pを含むデータを、変調回路により電波に乗せて、タイヤ空気圧Pのデータを含む電波を、アンテナ8及び受信回路9に対して送信する。これに伴い、受信回路9の受信手段9aは、アンテナ8を介して送信回路5からの電波を受信する。つづいて、S12において、タイヤ状態ECU10の測定手段10aは電波の受信強度Eの最大値Emax及び最小値Eminを測定する。
さらに、S13において、タイヤ状態ECU10の距離演算手段10bは、受信強度Eの最大値Emaxから最小離隔距離Lminを演算し、受信強度Eの最小値Eminから最大離隔距離Lmaxを演算する。
つづいて、S14において、タイヤ状態ECU10の転舵角演算手段10cは、CANによりボディECU15から変位Sを取得し、S15において、転舵角演算手段10cは、変位Sと最小離隔距離Lmin及び最大離隔距離Lmaxと転舵角θの対応関係を含む三次元マップを用いて、取得した変位Sと演算された最小離隔距離Lmin及び最大離隔距離Lmaxに基づいて、タイヤの実際の転舵角θを演算して、演算された転舵角θをEPSECU14にCANを介して伝送する。
さらに、S16において、タイヤ状態ECU10の判定手段10dは、それぞれのタイヤの送信回路5及びアンテナ6から、アンテナ8及び受信回路9を介して受信した電波に含まれるデータから、それぞれのタイヤのタイヤ空気圧Pを読み出して、タイヤ空気圧Pが基準最低空気圧Pminよりも小さいかを判定し、小さいと判定される場合には、S17にすすんで、タイヤ状態ECU10の警報手段10eは、タイヤ空気圧ウォーニングランプ12を点滅させて運転者に対する警報を行ってS18にすすみ、小さいと判定されない場合には、S17の処理をとばして、S18にすすむ。
つづいて、S18において、タイヤ状態ECU10の判定手段10dはEPSECU14から、EPSのアシスト力発生部のモータの回転角を取得して、この回転角からアッカーマンの式により求まる理論上の前輪の転舵角θtに対して、実際の前輪の転舵角θが閾値α以上乖離しているかを判定して、肯定と判定される場合には、S19にすすんで、サスペンション装置を構成するリンク、アーム、ホイールをナックルに取り付けるハブ等又は操舵装置を構成するラックバーとナックルアーム等に過度のアライメントが発生していると判定し、タイヤ状態ECU10の警報手段10eは、タイヤアライメントウォーニングランプ13を点滅させて、運転者に対する警報を行う。S18において否定と判定される場合には、S19の処理をとばしてS20にすすむ。
S20において、タイヤ状態ECU10の判定手段10dは、後輪の転舵角θが直進走行時において閾値β以上であるかを判定し、肯定と判定される場合にはS21にすすんで、サスペンション装置を構成するリンク、アーム、ホイールをナックルに取り付けるハブ等に過度のアライメントが発生していると判定し、この場合にも、タイヤ状態ECU10の警報手段10eは、タイヤアライメントウォーニングランプ13を点滅させて、運転者に対する警報を行う。S20において否定と判定される場合には、制御を終了する。
以上述べた本実施例2に係わるタイヤ状態検出装置21によっても、実施例1に示したものと同様に、以下のような作用効果を得ることができる。すなわち、タイヤ状態ECU10の転舵角演算手段10cが、予め備えた変位Sと最小離隔距離Lmin及び最大離隔距離Lmaxと転舵角θとの対応関係を含む三次元マップに基づいて、タイヤの実際の転舵角θをより正確に演算することができる。これにより、より正確に演算された転舵角θをここではEPSECU14に提供することが可能となる。
加えて、実施例1に示したものに比べて、タイヤのバウンド及びリバウンドに伴うトー変化をも考慮して、タイヤの実際の転舵角θを演算することができるので、転舵角θを実施例1に比較してもさらに正確に演算することができる。
そしてEPSECU14においては、EPSのアシスト力発生部のモータの回転角を検出して、アッカーマンの式により転舵角を間接的に計算で求めることに比べて、タイヤにロードキャンバや路面凹凸により外乱が入力された場合のタイヤの挙動すなわち実際の転舵角θを、直接的且つ迅速に取得することができるので、転舵角θに基づいてよりきめ細かい制御を実現することができる。
また、EPSのモータとタイヤとの間には、ピニオン、ラックバー、ナックルアーム、タイロッド、ボールジョイント、ブッシュ等の機械要素が介在するため、間接的に計算された転舵角は実際の転舵角θと乖離する場合があることが懸念される。本実施例2によれば、このような場合においても、より正確な転舵角θを演算して、EPSに提供することができる。
さらに、前輪の転舵角θを常態監視することにより、前輪のサスペンション装置を構成するリンク、アーム、ホイールをナックルに取り付けるハブ等又は操舵装置を構成するラックバーとナックルアーム等に過度のアライメントが発生していることを検出でき、この場合には上述したように適宜運転者に警報を行うことで、車両の安全性をより高めることができる。
これに加えて、後輪の転舵角を常態監視することにより、後輪のサスペンション装置を構成するリンク、アーム、ホイールをナックルに取り付けるハブ等に過度のアライメントが発生していることを検出でき、この場合においても上述したように適宜運転者に警報を行うことで、車両の安全性をより高めることができる。
さらに、EPSECU14を制御するLKAやIPA等の車載装置が搭載されている場合において、タイヤの実際の転舵角θを取得することができるので、LKAやIPAにおいて決定される車両の予定軌跡に対して実際のトレースラインを合致させる精度を高めることができる。
さらに、タイヤにロードキャンバや路面凹凸により外乱が入力された場合のタイヤの挙動すなわち実際の転舵角θを、ナックルアームやタイロッド及びブッシュ等の機械要素を介することなく、直接的且つ迅速に取得することができるので、転舵角θに基づいてよりきめ細かく迅速な制御を行って、より早期に車両挙動を安定させることができる。
またここでも、CANを介してVSCに対して転舵角θを伝送した場合においては、例えば定常旋回時における後輪の転舵角θから、後輪のタイヤに作用する横力を演算することにより、車両姿勢を適宜制御することができる。
特に車両のリヤ側のサスペンション装置においては、旋回外側の後輪のタイヤは、バウンドによりトーインとなるように設計されているが、転舵角θが設計値通りのトーイン方向でない場合にはオーバーステア傾向となることが懸念される。このため、実際の転舵角θを検出することにより、前輪を操舵するEPSのモータの回転角を小さくし、前輪の転舵角θを小さくしてアンダーステアとし、車両のヨーイング方向の角度すなわちヨー角が実際に大きくなった場合には、旋回外側の前輪にブレーキを作用させて、ヨー角を抑制するカウンター制御を実現することができる。
なお、本実施例2においては、変位Sを取得するにあたり、ストロークセンサ16を用いたが、このストロークセンサ16は現在の車両においては、ヘッドライトの照射軸を車体の挙動に係わらずになるべく水平に保つための制御を行うため、予め車両に設置されているものであり、本実施例2はこの既存の変位検出手段であるストロークセンサ16を用いることにより、変位Sを検出しているので、新たな構成要素追加することなく、タイヤ状態検出装置21を構成することができる。
さらに、本実施例2で用いた三次元マップ及び実施例1で用いた二次元マップについては、現在の車両では設計段階でもともと取得しているデータであるため、これを流用することで、本発明に係わるタイヤ状態検出装置1又はタイヤ状態検出装置21を容易に構成することができる。
また、車両にVSCが搭載されている場合には、車体の横方向加速度を検出する加速度センサが予め車両に備えられており、VSCECUがこの横方向加速度を積分演算する積分演算手段を備えているので、これにより車体のローリング方向の変位Sを検出して、タイヤ状態ECU10の転舵角演算手段10cに対して変位Sを含むデータを、VSCECUが送信する構成とすることもできる。
以上本発明の好ましい実施例について詳細に説明したが、本発明は上述した実施例に制限されることなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形および置換を加えることができる。
例えば、上述した実施例においては、送信回路5の送信手段5aがタイヤ空気圧Pのみのデータを車両側のアンテナ8に対して送信しているが、タイヤ内温度Tを別途検出して、タイヤ空気圧Pのデータに加えて送信して、タイヤ内温度Tを用いた警報を行うこととしても良い。
また、上述した実施例においては、タイヤ状態ECU10の測定手段10aは電波の受信強度Eを測定しているが、これに換えて、電波の電界強度(V/m)又は電力強度P(W/m)を測定しても良い。
本発明は、運転者にタイヤ空気圧を報知するタイヤ状態検出装置に関するものであり、比較的軽微な変更により、有用なタイヤ状態に関する情報を十分に取得できるタイヤ状態検出装置を提供することができるので、乗用車、トラック、バス等の様々な車両に用いられるタイヤ状態検出装置に適用して有益なものである。
本発明に係るタイヤ状態検出装置の一実施形態を示す模式図である。 本発明に係るタイヤ状態検出装置の一実施形態を示す模式図である。 本発明に係るタイヤ状態検出装置の一実施形態を示す模式図である。 本発明に係るタイヤ状態検出装置の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。 本発明に係るタイヤ状態検出装置の一実施形態を示す模式図である。 本発明に係るタイヤ状態検出装置の一実施形態の制御内容を示すフローチャートである。
符号の説明
1 タイヤ状態検出装置
2 タイヤ側機
3 車載機
4 タイヤ空気圧検出センサ
5 送信回路
5a 送信手段
6 アンテナ
7 バッテリ
8 アンテナ
9 受信回路
9a 受信手段
10 タイヤ状態ECU
10a 測定手段
10b 距離演算手段
10c 転舵角演算手段
11 初期化スイッチ
12 タイヤ空気圧ウォーニングランプ
13 タイヤアライメントウォーニングランプ
14 EPSECU
15 ボディECU
16 ストロークセンサ
16a 変位検出手段
21 タイヤ状態検出装置
23 車載機

Claims (6)

  1. タイヤのタイヤ空気圧を検出するタイヤ空気圧検出手段と、検出された前記タイヤ空気圧のデータを含む電波を送信する送信手段と、前記送信手段の送信する電波を受信する受信手段と、前記受信手段の受信する前記電波の受信強度又は電界強度又は電力密度を測定する測定手段と、前記タイヤの回転に伴い発生する前記受信強度又は電界強度又は電力密度の最大値及び最小値から、前記受信手段に対する前記送信手段の最小離隔距離及び最大離隔距離を演算する距離演算手段と、前記最小離隔距離及び前記最大離隔距離に基づいて前記タイヤの転舵角を演算する転舵角演算手段を備えることを特徴とするタイヤ状態検出装置。
  2. 前記転舵角演算手段が、前記最小離隔距離及び前記最大離隔距離と前記転舵角との対応関係を予め備えて、当該対応関係に基づいて前記転舵角を演算することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ状態検出装置。
  3. 前記タイヤの車体に対するバウンド又はリバウンド方向の変位を検出する変位検出手段を備えるとともに、前記転舵角演算手段が、前記変位と前記最小離隔距離及び前記最大離隔距離に基づいて前記タイヤの転舵角を演算することを特徴とする請求項1に記載のタイヤ状態検出装置。
  4. 前記転舵角演算手段が、前記変位と最小離隔距離及び前記最大離隔距離と前記転舵角との対応関係を予め備えて、当該対応関係に基づいて前記転舵角を演算することを特徴とする請求項3に記載のタイヤ状態検出装置。
  5. 前記変位検出手段が、前記タイヤを回転自在に支持する支持手段を前記車体に連結する連結手段と、前記支持手段又は前記連結手段と前記車体との間に介装されて前記支持手段の振動エネルギーを減衰する減衰手段との、いずれかに備えられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のタイヤ状態検出装置。
  6. 前記変位検出手段が、前記車体の横方向加速度を検出する加速度検出手段と、前記横方向加速度を積分演算する積分手段とを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のタイヤ状態検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013086661A (ja) * 2011-10-18 2013-05-13 Denso Corp 車輪位置検出装置およびそれを備えたタイヤ空気圧検出装置
WO2014087471A1 (ja) * 2012-12-03 2014-06-12 トヨタ自動車株式会社 車輪位置特定システム

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