JP2009247440A - 汗回収装置、汗分析装置および汗分析方法 - Google Patents

汗回収装置、汗分析装置および汗分析方法 Download PDF

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武男 西川
Tomohiko Matsushita
智彦 松下
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英之 山下
Ryosuke Hasui
亮介 蓮井
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Abstract

【課題】回収効率が高く、また皮膚に対するダメージを小さくすることのできる汗回収装置等を提供する。
【解決手段】発汗促進剤55を充填された発汗促進部54を皮膚62の表面に接触させ、発汗促進用電極52から発汗促進部54に電流を流すことによって汗腺を刺激し、発汗を促す。所定時間経過すると、発汗促進用電極52の電流を停止し、汗分析チップ43を移動させて発汗促進部54が位置していたへ汗回収部56を位置させる。そして、発汗促進されていた部位から分泌される汗を汗回収部56で回収する。
【選択図】図9

Description

本発明は汗回収装置、汗分析装置および汗分析方法に関する。具体的には、生体に接触させて発汗を促し、その汗を回収し、汗に含まれる生体物質の種類や量、濃度などを測定・分析するための技術に関する。
近年における人間の食生活の変化や運動不足、過労、ストレスによる肉体的・精神的な負担、喫煙、飲酒などによって、人間が本来備えている免疫機構に障害が生じて、様々な病気が発症している。これに関する病気の発症や進行には生活習慣が深く関わっているため、一般的に生活習慣病と言われている。生活習慣病には、肥満、高脂血症、糖尿病、高血圧をはじめ、癌、脳卒中、肝臓病、骨粗しょう病なども含まれる。
このうちでも特に、糖尿病の患者数は世界的に著しく増加している。日本では、2005年で糖尿病患者数が690万人と言われており、全世界では1億7000万人と言われている。
糖尿病は自覚症状がないことが多いので、糖尿病といわれても治療しないでいる人が少なくない。治療しないでいると、体の中でじわりと進行し、失明や下肢の切断にもいたりかねない多くの合併症を招く。このため、病気がどの程度進んでいるのかを定期的にチェック(検査)していく必要がある。チェックを続け、血糖コントロールの善し悪しを確認し、合併症の兆候を早めに見つけなければならない。
また糖尿病は、膵臓で分泌されるインスリンの量が不足して、糖分が利用されず、血液中にあふれ出ることで生じる病気である。そのため、血糖を定期的にモニタリングし、その結果をふまえて適量のインシュリンを体内に注入する必要がある。現在、血糖をモニタリングするには、実際に採血をし、その酵素反応を電気化学的に、もしくは呈色で検出する。
しかし、採血は、数々の懸念事項がある。一つは、皮膚を侵襲して採血することによる肉体的・精神的な負担である。しかも、糖尿病患者は食前、食後など1日に数回測定することが求められる。すなわち、1日に数回皮膚に針を刺して採血する必要がある。加えて、血液は感染の恐れがある。このような問題を解決するためには、非侵襲で血糖値をモニタリングできるセンサが強く望まれている。また、重度患者では、睡眠中にもモニタリングできるなど連続モニタリングが強く望まれているが、非侵襲の方式では連続的なモニタリングは困難である。
非侵襲による血糖測定方法としては、光学技術を利用したものがこれまで30年以上研究、開発が進められてきたが、光による非侵襲血糖測定はいまだ実用レベルのものは実現されていない。
その一方で、汗内の糖濃度と血糖濃度について一定の相関があるデータが近年報告されている。従って、汗を利用した血糖測定が注目されているが、そのためには必要な量の汗を効率良く、短時間で簡便に回収するデバイスが必要とされる。
汗を回収することのできる装置としては、特許文献1に開示されたものがある。この汗回収装置は、図1に示すような構造を有している。この汗回収装置にあっては、有蓋円筒状をした基体11の中央部に汗回収部12が設けられており、その周囲には汗回収部12を囲むようにして発汗促進部13が設けられている。発汗促進部13には、発汗促進剤を入れて保持できるようになっており、また発汗促進剤を介して皮膚に軸索反射を起すための電流を流す発汗促進用電極14a、14bが設けられている。汗回収部12は基体11内に上下に移動できるように納められており、基体11と汗回収部12との間のスプリング15によって下方へ付勢され、汗回収部12の下面にはOリング16が取着されている。
しかして、汗回収を行う場合には、この汗回収装置の下面を皮膚17に押し付けると、スプリング15の弾性によって汗回収部12が皮膚17に押し付けられ、Oリング16によって汗回収部12の内部が気密状態に保たれる。この状態で発汗促進用電極14a、14b間に電流が流れると、発汗促進剤が皮膚17内に浸透して汗腺18を刺激し、汗腺18からの発汗を促がす。そして、汗回収部12が当接している領域で皮膚17の表面から出てきた汗19は、汗回収部12内に回収されそこに溜められる。
このような汗回収装置によれば、発汗促進剤で発汗させて汗を回収するので効率よく汗回収を行える。
特開2003−61914号公報
しかしながら、特許文献1のような汗回収装置では、発汗促進剤により発汗促進を行う皮膚領域と汗回収を行う皮膚領域とが、隣接はしていても異なった部位である。発汗促進剤が浸透して最も刺激されるのは発汗促進部の直下の汗腺であるため、発汗が最も顕著な皮膚領域は発汗促進部が接触している部位であり、発汗促進部から外れた部位でも発汗はあるが、その量は少なくなる。そのため、この汗回収装置では、発汗促進を行った部位からの汗を直接回収できず、最も発汗の顕著な部位から外れたところで汗回収を行うことになるので、汗回収効率が低く、回収に要する時間が長くなり、必要な回収量を集めることも困難であった。
また、発汗は数分間発汗促進を行った後で活発になるので、汗はその後に回収することになる。すなわち、発汗促進の期間(数分間)と汗回収の期間(数分間)との間には時間的なずれがある。そのため、特許文献1のような汗回収装置では、発汗促進が終了した後、汗回収を行っている間も皮膚の同一部位に発汗促進剤が接触したままとなる。そのため、発汗促進剤を皮膚の同一部位に接触させたままの時間が長くなり、発汗促進剤による皮膚へのダメージ(かぶれて赤くなる)が大きくなる問題があった。
また、汗回収装置では、発汗促進剤に電流を流され発汗促進剤が皮膚内部に浸透した後で発汗が始まるが、発汗直後の汗にはゴミや発汗促進剤の残留物などが含まれているため、測定誤差を生じさせる可能性があった。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは汗回収効率が高く、また皮膚に対するダメージを小さくすることのできる汗回収装置、汗分析装置及び汗分析方法を提供することにある。
本発明にかかる汗回収装置は、発汗を促進するための発汗促進部と、汗を回収するための汗回収部とを有する汗回収装置であって、前記発汗促進部は、皮膚からの発汗を促進した後、発汗が促進された部位から移動させられ、前記汗回収部は、前記発汗促進部により発汗が促進された部位に配置されて汗を回収することを特徴としている。
本発明の汗回収装置にあっては、発汗促進部により皮膚からの発汗を促進した後、発汗促進部を他へ移動させ、発汗が促進された部位へ汗回収部を配置して汗を回収しているから、発汗促進剤により発汗を促進されたのと同一部位において効率よく汗の回収を行うことができる。よって、この汗回収装置によれば、必要な量の汗を短い時間で回収することができる。また、発汗促進を終了した後、汗を回収するときには、発汗促進部は別な部位へ移動しているので、発汗促進剤が皮膚の同一部位に長い時間接触したままになるのを避けることができ、皮膚にダメージを与えにくい。
本発明にかかる汗回収装置のある実施態様にあっては、前記発汗促進部および前記汗回収部が同一のチップに形成されており、前記チップの移動方向に対して平行に、前記発汗促進部と前記汗回収部が配列されている。かかる実施態様によれば、チップを移動させるだけで発汗促進部の発汗部位からの移動と汗回収部の発汗部位への配置とを同時に行うことができ、汗回収装置の構造を簡略にすることができる。
本発明にかかる汗回収装置の別な実施態様にあっては、前記発汗促進部により発汗が促進された部位に前記汗回収部を配置する前に、発汗が促進された部位を清掃するための第1の清掃部をさらに有している。かかる実施態様によれば、第1の清掃部により皮膚の表面に付着したゴミや発汗促進剤の残留物を汗回収前に除去することができるので、回収した汗にゴミや発汗促進剤の残留物が混じるのを防ぐことができ、汗内物質の分析精度を向上させることができる。
本発明にかかる汗回収装置のさらに別な実施態様にあっては、前記発汗促進部により皮膚からの発汗を促進する前に、皮膚の発汗を促進しようとする部位を清掃するための第2の清掃部をさらに有している。かかる実施態様によれば、第2の清掃部で皮膚の表面を清拭することができるので、汗回収装置を皮膚に装着する前にアルコールを含ませた脱脂綿などで皮膚を清浄にする手間を省くことができる。また、脱脂綿などで皮膚を清浄にするのを忘れても回収した汗にゴミが混じるのを防ぐことができ、ゴミによって汗内物質の分析精度が低下するのを防止できる。
本発明にかかる汗回収装置のさらに別な実施態様にあっては、前記発汗促進部と皮膚との間および前記汗回収部と皮膚との間に液体透過性の膜をさらに有している。かかる実施態様によれば、発汗促進部や汗回収部を移動させる際に発生する摩擦力を安定させることができ、発汗促進部や汗回収部の移動を滑らかにして移動距離の精度を向上させることができる。よって、移動機構の簡素化が可能になる。また、皮膚のダメージを軽減することができる。
本発明にかかる汗回収装置のさらに別な実施態様にあっては、前記発汗促進部と前記汗回収部とを同時に、もしくは別々に移動させるための移動機構部をさらに有している。かかる実施態様にあっては、発汗促進部と汗回収部を移動させるための移動機構部を備えているので、発汗促進部と汗回収部の移動を自動化することができ、手動で移動させる場合に比べて取り扱いを簡略にすることができる。
特に好ましい実施態様においては、前記移動機構部は歯車機構により構成されている。かかる実施態様によれば、歯車の回転数を制御することで移動距離(停止位置)を任意に決めることができる。また、複数の部位で停止させることも容易である。
本発明にかかる汗回収装置のさらに別な実施態様にあっては、前記発汗促進部が、移動後の部位において皮膚からの発汗を促進した後、さらに当該部位から移動させられ、前記汗回収部は、前記発汗促進部がさらに移動した後の部位に配置されて汗を回収することを特徴としている。かかる実施形態によれば、発汗促進と汗回収を繰り返して行うことができるので、汗に含まれる物質の連続的なモニタリングを行うことができる。しかも、移動しながら異なる部位で発汗促進と汗回収を行うので、皮膚に対するダメージが小さくなる。
本発明にかかる汗回収装置のさらに別な実施態様にあっては、中心軸の回りに回転可能となった断面多角形状の柱状部材を複数有し、前記柱状部材のうち少なくとも1つの柱状部材の少なくとも一つの外面に前記発汗促進部が形成され、前記発汗促進部が形成された柱状部材と別の少なくとも一つの柱状部材の少なくとも一つの外面に前記汗回収部が形成されており、前記発汗促進部の発汗が促進された部位からの移動と前記汗回収部の発汗が促進された部位への配置が、それぞれ前記発汗促進部の形成されている前記柱状部材と前記汗回収部の形成されている前記柱状部材の転動により行なわれる。かかる実施態様によれば、柱状部材が皮膚表面を転動することによって発汗促進部や汗回収部が移動するので、発汗促進部や汗回収部が移動するときに皮膚に対して横方向の摩擦力が発生せず、移動がスムーズに行われる。よって、発汗促進部や汗回収部の移動距離や移動位置が摩擦のためにずれることがなく、移動の精度が向上する。また、摩擦がないので、移動させる際の皮膚に対する負荷を小さくできる。
また、特に好ましい実施態様においては、前記柱状部材のうち少なくとも1つの柱状部材の複数の外面に前記発汗促進部が形成され、前記発汗促進部が形成された柱状部材と別の少なくとも一つの柱状部材の複数の外面に前記汗回収部が形成されている。かかる実施態様によれば、柱状部材を転動させながら複数の部位においてそれぞれ汗回収を行うことができる。また、複数の発汗促進部や複数の汗回収部を柱状部材の外面に設けているので、複数の発汗促進部や複数の汗回収部を立体的に配置することができ、汗回収装置をコンパクトにできる。
本発明にかかる汗回収装置のさらに別な実施態様にあっては、同一のチップに複数の前記発汗促進部と前記汗回収部が形成され、前記発汗促進部と前記汗回収部とが前記チップの移動方向に沿って交互に配列されている。かかる実施態様によれば、複数の発汗促進部の合計面積の一つの発汗促進部と、複数の汗回収部の合計面積の一つの汗回収部とを並べて配置した場合と比較すると、発汗促進部及び汗回収部の移動距離を短くすることができる。そのため、移動に伴う皮膚へのダメージを低減することができる。また、移動距離を短くできるので、移動安定性が向上すると共に移動機構を簡素化でき、汗回収装置を小型化することができる。
特に好ましい実施態様に置いては、前記チップは、皮膚に対して垂直となるように定めた回転軸の回りに回転可能となっており、前記発汗促進部と前記汗回収部は回転方向に移動することを特徴としている。かかる実施態様によれば、発汗促進部と汗回収部の移動のためのスペースが不要になり、より一層汗回収装置を小型化することができる。
本発明にかかる汗回収装置のさらに別な実施態様にあっては、前記発汗促進部および前記汗回収部は、皮膚に押し付けるように形成されている。かかる実施態様によれば、発汗促進部や汗回収部と皮膚との間に隙間が生じないので、発汗促進効果や汗回収効率の低下を防ぐことができる。
本発明にかかる汗回収装置のさらに別な実施態様にあっては、前記汗回収部の移動が完了したことを検知するためのセンサ部をさらに有している。かかる実施態様によれば、汗回収部の移動が不完全なままで汗回収を行ったり、汗の分析を行ったりするのを防ぐことができ、測定精度の低下を防ぐことができる。
本発明にかかる汗分析装置は、本発明にかかる汗回収装置と、前記汗回収装置により回収された汗を分析する汗分析部と、前記汗回収部により回収された汗を前記汗分析部に導く流路とを有することを特徴としている。
本発明の汗分析装置は、本発明の汗回収装置の効果を奏する。すなわち、発汗促進剤により発汗を促進されたのと同一部位において効率よく汗の回収を行うことができるので、必要な量の汗を短い時間で回収することができる。また、発汗促進を終了した後、汗を回収するときには、発汗促進部は別な部位へ移動しているので、発汗促進剤が皮膚の同一部位に長い時間当たったままになるのを避けることができ、皮膚にダメージを与えにくい。さらに、この汗分析装置にあっては、汗回収装置に汗分析部を一体化し、汗回収部で回収された汗を流路を通じて汗分析部に導いているので、汗の回収から分析までを自動化することができる。
本発明にかかる汗分析装置のある実施態様にあっては、前記汗分析部が、体液の分析を行うための酵素電極を備えている。かかる実施態様によれば、酵素電極によって回収した汗に電流を流し、あるいは電圧を印加することで汗に含まれる成分(生体物質)の種類や量、濃度などを分析することができる。
本発明にかかる汗分析装置の別な実施態様にあっては、前記発汗促進部に保持された発汗促進剤に電流または電圧を印加するための発汗促進用導通部と、前記酵素電極に電流または電圧を印加するための酵素電極用導通部とを有しているので、発汗促進用導通部を通じて発汗促進剤に電流または電圧を印加できる。また、酵素電極用導通部を通じて酵素電極に電流または電圧を印加することができる。特に、発汗促進用導通部と酵素電極用導通部を接触式にすれば、簡単に発汗促進剤(発汗促進部)や酵素電極から切り離すことができるので、汗回収装置を汗分析装置から分離できる構造とすることができる。
本発明にかかる汗分析装置のさらに別な実施態様は、腕に巻きつけて使用するための装着具を備えている。かかる実施態様によれば、例えばベルト状をした装着具によって汗分析装置を腕に取り付けることができるので、汗分析装置の着脱を容易に行うことができる。
本発明にかかる汗分析方法は、発汗促進部に配置された発汗促進剤に電流または電圧を印加し、一定時間経過後に前記発汗促進剤への電流または電圧の印加を停止するプロセスと、前記発汗促進剤により発汗が促進された部位から前記発汗促進部を移動させるプロセスと、前記発汗促進剤により発汗が促進された部位へ汗回収部を移動させるプロセスと、前記汗回収部において汗を回収し、酵素電極に電流または電圧を印加することによって前記汗回収部において回収した汗を分析するプロセスとを備えたことを特徴としている。
本発明の汗分析方法にあっては、汗回収から汗の分析までのプロセスを効率よく行うことができる。しかも、発汗促進部により皮膚からの発汗を促進した後、発汗促進部を他へ移動させ、発汗が促進された部位へ汗回収部を配置して汗を回収しているから、発汗促進剤により発汗を促進されたのと同一部位において効率よく汗の回収を行うことができる。よって、この汗回収装置によれば、必要な量の汗を短い時間で回収することができる。また、発汗促進を終了した後、汗を回収するときには、発汗促進部は別な部位へ移動しているので、発汗促進剤が皮膚の同一部位に長い時間当たったままになるのを避けることができ、皮膚にダメージを与えにくい。
なお、本発明における前記課題を解決するための手段は、以上説明した構成要素を適宜組み合せた特徴を有するものであり、本発明はかかる構成要素の組合せによる多くのバリエーションを可能とするものである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
以下、図2〜図12を参照して本発明の実施形態1による汗分析装置31を説明する。図2は汗分析装置31を腕に装着した状態を表している。汗分析装置31は、分析装置本体32、汗分析用ユニット41、ベルト33からなり、ベルト33によって腕に装着可能となっている。分析装置本体32はベルト33に取り付けられており、ベルト33を腕に巻き付けてベルト33の端をマジックファスナー(登録商標)などで固定することによって装着でき、また簡単に腕から取り外すことができる。
汗分析用ユニット41は、使い捨てできるようになっており、使用する際には分析装置本体32の汗分析ユニット設置部36内に着脱自在に納められる。汗分析ユニット設置部36の底面は開口しており、汗分析ユニット設置部36内に納められた汗分析用ユニット41の底面は、汗分析ユニット設置部36の底面に露出している。すなわち、汗分析用ユニット41の底面は、腕(皮膚)に接触可能となっている。
分析装置本体32内には、汗分析用ユニット41で回収された汗を分析するための解析装置(マイクロコンピュータ)等が内蔵されている。また、分析装置本体32の表面には操作指示を行ったり分析結果を表示したりするための表示部34や、測定開始用などの操作ボタン35が設けられている。また、汗分析ユニット設置部36はカバー37によって覆われる。
図3は汗分析用ユニット41の分解斜視図である。汗分析用ユニット41は、ホルダー42と汗分析チップ43からなり、汗分析チップ43はホルダー42内で移動可能となっている。ホルダー42は、額縁状に形成されていて上面及び下面が開口している。ホルダー42の両側内面には、ほぼ全長にわたって溝状のガイドレール44が凹設されている。一方、汗分析チップ43の両側面の前後には突起状のガイド51が設けられている。ホルダー42内に納められた汗分析チップ43は、そのガイド51をガイドレール44内に摺動自在に嵌め込まれている。ガイド51の直径は、ガイドレール44の高さとほぼ等しくなっているので、汗分析チップ43はホルダー42内でがたつきなくスムーズに水平に移動できる。
また、ホルダー42の両端には凹部状の係合部45が設けられている。これは、汗分析用ユニット41を分析装置本体32の汗分析ユニット設置部36内にセットしたとき、汗分析ユニット設置部36内の爪(図示せず)を係合させて汗分析用ユニット41を固定するためのものである。
汗分析チップ43は、発汗促進・汗回収部49(汗回収装置)の上面に汗分析部50を重ねて一体化した構造となっている。図4は、移動方向と平行に断裁した汗分析チップ43の断面図である。発汗促進・汗回収部49の移動方向前半部の下面には発汗促進部54が凹設されており、発汗促進部54にはピロカルピン、特にゲル状のピロカルピン(例えば、Wescor社製の「pilogel」)などの発汗促進剤55が充填されている。発汗促進部54内の天面には発汗促進用電極52(プラス電極)が設けられており、発汗促進用電極52の一部は発汗促進・汗回収部49の上面に露出している。発汗促進用電極52は、発汗促進剤55を皮膚に密着させた状態で発汗促進用電極のマイナス電極(分析装置本体32やベルト33の裏面の皮膚に触れる箇所に設けてある。)との間に電流を流すことにより、発汗促進剤55を皮膚に浸透させて発汗作用を行わせるものである。また、発汗促進・汗回収部49の移動方向後半部の下面には汗回収部56が浅く形成されており、汗回収部56の天面から発汗促進・汗回収部49の上面には回収した汗を移動させるための汗流路57が上下に貫通している。
図5に示すように、発汗促進部54(発汗促進剤55)と汗回収部56は汗分析チップ43の下面に露出しており、発汗促進部54と汗回収部56の形状及び寸法はほぼ等しくなっている。
図4に示すように、汗分析部50の下面には水平な汗流路58が形成されており、汗流路57の上端は汗流路58の一端に連通し、汗流路58の他端には余分な汗を溜めておくための汗溜まり59が設けられている。また、汗溜まり59の天面には、余剰の汗を排出するための汗排出孔60が開口されている。発汗促進・汗回収部49の上面には、酵素電極53a(プラス電極)と酵素電極53b(マイナス電極)が設けられており、酵素電極53a、53bの一端はそれぞれ汗流路58内で互いに対向し、他端はそれぞれ汗分析部50の外部に露出している。酵素電極53a、55bは、例えば汗流路58を流れる汗に一定電圧を印加し、そのとき流れる電流値を測定するものである。
つぎに、図6及び図7により、ホルダー42内で汗分析チップ43を直線状に水平移動させるための機構を説明する。ホルダー42内に納められた汗分析チップ43の後端面とホルダー42の内面には圧縮バネ61(移動機構部)を挟み込んであり、汗分析チップ43は圧縮バネ61の弾性反発力によって前方へ付勢されている。また、ホルダー42の両側面には切欠部46を設けてある。水平に倒したストッパ47(ロック機構部)が切欠部46に嵌り込むと、ストッパ47の先端部分がホルダー42内に入り込んで汗分析チップ43の前端面に当接し、汗分析チップ43の移動を阻止する。
ストッパ47は、軸48によって回動可能に軸支されており、水平に倒したり、垂直に立てたりすることができる。軸48をホルダー42に保持させることによって、ストッパ47をホルダー42に設けておき、ストッパ47を駆動するためのモータ等のアクチュエターのみを分析装置本体32内に設けてもよい。ただし、この実施形態では、ストッパ47もアクチュエターとともに分析装置本体32内に設けている。
しかして、図6に示すように、圧縮バネ61を押し縮めて汗分析チップ43を後退させた状態でストッパ47を倒していると、ストッパ47が汗分析チップ43の前端面に当接することにより、汗分析チップ43は所定位置でロックされる。ついで、図7に示すように、ストッパ47を回動させて立てると、汗分析チップ43のロックが解除されるので、圧縮バネ61の弾性力によって汗分析チップ43が前方へ移動し、汗分析チップ43の前端面がホルダー42の内面に当たって停止する。あるいは、ガイド51がガイドレール44の端に達して停止する。
図8(a)及び図9(a)はロックが働いていて汗分析チップ43が後退している状態を表しており、図8(b)及び図9(b)はロックが解除されて汗分析チップ43が前方へ移動した状態を表している。この汗分析装置31では、腕に装着して汗分析チップ43の下面を皮膚62に密着させた後、汗分析チップ43が後退してロックされたままの状態で発汗促進用電極52から発汗促進剤55に電流(電流値1.5mA)を流す。発汗促進用電極52に通電すると、図9(a)に示すように発汗促進剤55がその下の皮膚に浸透して汗腺を刺戟し、発汗を促す。発汗促進剤55を用いても十分に効果が表れるまでには数分(例えば5分程度)要するので、発汗促進用電極52に対して数分間通電を維持してから、発汗促進用電極52の通電を停止する。この時には、発汗促進部54の直下には十分な発汗が生じていることが期待される。
ついで、ロックを解除すると、図8(b)、図9(b)に示すように汗分析チップ43が圧縮バネ61の弾性力によって前方へ送られる。そして、移動前に発汗促進部54が位置していた部位に汗回収部56が達したところで汗分析チップ43が停止する。このためには、汗分析チップ43の移動距離を発汗促進部54の中央と汗回収部56の中央との距離にほぼ等しくなるように決めておけばよい。この結果、汗回収部56は最も発汗の著しい部位に移動し、そこで効率よく汗を回収する。汗の解析を行うためには通常5ミリリットル程度の汗を必要とするので、数分間(例えば5分以上)汗の回収を行う。
また、汗分析チップ43が移動して停止した後、酵素電極53a、53b間に電圧が印加される。このとき汗流路58で回収された汗に流れる電流が測定され、その測定値は分析装置本体32の解析装置で検出され、汗に含まれる生体物質が検査される。
また、汗を回収しているときには、発汗促進剤55は発汗促進を行っていた部位とは異なる位置へ移動しているので、発汗促進剤55が皮膚の同一部位に長い時間接触したままになるのを防ぐことができ、発汗促進剤55の皮膚に対するダメージを軽減でき、皮膚のかぶれなどを低減できる。
汗回収が終了すると、酵素電極53a、53bの通電を停止して検査を終了する。なお、検査が終了した後の汗分析用ユニット41は、分析装置本体32から取り出して廃棄される。
なお、ホルダー42や移動機構部(圧縮バネ61)、ロック機構部(ストッパ47)などは分析装置本体32内に組み込んでおき、汗分析チップ43のみを使い捨てにするようにしてもよい。このようにすれば、ホルダー42や圧縮バネ61、ストッパ47などを繰り返し使用することができるので、検査コストを安価にすることができる。
ところで、バッテリーや解析装置は分析装置本体32内にあるため、発汗促進用電極52や酵素電極53a、53bに電流を供給したり、電圧を印加したりするためには、分析装置本体32と汗分析チップ43とを電気的に接続する必要がある。図10及び図11はこのための構成を説明している。汗分析チップ43の上面に設けられている発汗促進用電極52は酵素電極53a、53bよりも前方に位置しており、しかも発汗促進用電極52の位置は、酵素電極53a側に偏っていて酵素電極53aの端よりも横へ突出している。一方、分析装置本体32のカバー37内面には、発汗促進用導通部64、酵素電極用導通部65a、65bが設けられている。発汗促進用導通部64は、発汗促進用電極52と接触して発汗促進用電極52に通電するための端子であって、図10に示すように、汗分析チップ43が後退しているときに、発汗促進用電極52の酵素電極53aよりも横に突出している部分に接触するように配置されている。酵素電極用導通部65a、65bは、発汗促進用導通部64よりも少し前に配置しているので、このとき発汗促進用電極52には接触しない。
酵素電極用導通部65a、65bは、酵素電極53a、53bと接触して酵素電極53a、53bに通電するための端子であって、図11に示すように、汗分析チップ43が前進しているときに、それぞれ酵素電極53a、53bに接触するように配置されている。発汗促進用導通部64は、酵素電極53aの端から外れた位置にあるので、このとき酵素電極53a、53bには接触しない。
従って、このような構成によれば、汗分析チップ43の移動に伴って発汗促進用電極52と発汗促進用導通部64が導通して発汗促進を行うことのできる状態と、酵素電極53a、53bと酵素電極用導通部65a、65bが導通して汗回収及び汗分析を行うことのできる状態とが自動的に切り替えられる。なお、発汗促進用導通部64、酵素電極用導通部65a、65bは、汗分析チップ43が前方へ移動する際の抵抗とならないよう、下部を前方へ向けてくの字状に屈曲されている。
図12は汗分析装置31の測定プロセスを説明するフロー図である。測定を行う際には、まず汗分析装置31の分析装置本体32に汗分析用ユニット41(あるいは、汗分析チップ43)をセットする(ステップS1)。このとき、移動機構部である圧縮バネ61やロック機構部であるストッパ47などを操作して汗分析チップ43を後退させた状態にロックする必要があれば、その操作を行う。
汗分析用ユニット41をセットした後、スタート用の操作ボタン35を押して測定を開始する(ステップS2)。測定を開始すると、発汗促進用電極52から発汗促進部54に電流(例えば、1.5mA)が流れて発汗促進剤55が皮膚に注入され、発汗が促進される(ステップS3)。発汗促進用電極52から電流を流した後、内蔵のタイマで所定時間(例えば、5分)が経過したことを検知したら、電流を停止させて発汗促進が終了される(ステップS4)。ついで、ストッパ47によるロックが解除されて汗分析チップ43が前方へ移動する(ステップS5)。汗分析チップ43が移動したら、汗回収部56によって発汗促進された部位の汗を数分程度(例えば、5分以上)回収する(ステップS6)。そして、酵素電極53a、53b間に電圧が印加されて、解析装置はそのときに流れる電流値から回収された汗内の成分(グルコースなど)を定量検出する(ステップS7)。
体液(汗)中のグルコース濃度を測定する方法としては、いくつかの方法が知られている。例えば、グルコース脱水素酵素(GDH)とメディエータ[Fe(III)(CN)] 3−を含む媒質に定電圧を印加しておき、この媒質中にグルコースを導入する。すると、グルコースがグルコース脱水素酵素によってグルコン酸い変化し、同時にメディエータが還元される。そして、定電圧印加によりメディエータが酸化され、グルコース濃度に比例した電流が酵素電極に流れるので、その電流値からグルコース濃度を算出する。あるいは、クーロメトリー法やアンペロメトリーなどによって計測してもよい。
この後、分析が完了すると、解析装置から分析結果が出力され、例えば表示部34に表示される(ステップS8)。
(変形例)
汗分析チップ43と皮膚の摩擦係数は体毛の濃淡や皮膚のたるみ、皮膚の状態などによって異なるため、汗分析チップ43を移動させる際の圧力の制御が困難な場合がある。摩擦係数が大きかったり、摩擦係数の大きさにむらがあったりすると、汗分析チップ43が皮膚に引っ掛かって停止してしまう恐れもある。
図13は、このような問題に対処するための他例を示す概略断面図である。この汗分析用ユニット71では、ホルダー42の下面に液体(特に、汗や発汗促進剤)を透過する平滑な透析膜72を張っている。汗分析チップ43と皮膚62との間には透析膜72が介在することになるが、透析膜72は発汗促進剤や汗を透過させるため測定にはほとんど影響がない。一方、汗分析チップ43は、透析膜72の表面に沿って移動するので、汗分析チップ43の接触面に対する摩擦係数が低減され、あるいは摩擦係数のばらつきが低減され、汗分析チップ43が引っ掛かって止まる恐れが解消される。そのため、汗分析チップ43を移動させるための移動機構として力の小さな簡単な構成のものを使用することができる。また、汗分析チップ43を移動させるときに発汗促進剤55で直接皮膚を擦らないので、皮膚のダメージが軽減する。
この透析膜72の効果を確認するための実験を行った結果は、つぎの通りである。40mm角のアクリル板(重さ9g)の上に124gの重りを乗せたものを汗分析チップ代わりのサンプルとして用いた。このサンプルを皮膚の表面にセットし、皮膚表面と水平な方向からバネばかりでサンプルを引っ張り、サンプルが動き出すときの引っ張り力から静摩擦係数を計測した。同様に、皮膚上に透析膜(セルロースチューブC−75、三光純薬株式会社製)を置いてその表面にサンプルをセットし、皮膚表面と水平な方向からバネばかりでサンプルを引っ張り、アクリル板が動き出すときの引っ張り力から静摩擦係数を計測した。いずれも、ある人(A)の左手の前腕内側と左手の前腕外側、別人(B)の左手の前腕内側の3ヶ所で測定を行った。この結果を図14に示す。
皮膚の上に直接にサンプル(荷重を加えたアクリル板)をセットした場合には、測定部位によって大きく静摩擦係数が異なる結果となった。皮膚や体毛の状態によって摩擦係数が変わるためであると考えられる。また、左手前腕内側では、人によらず大きな摩擦係数となった。一方、皮膚の上に透析膜を介してサンプルをセットした場合には、人や測定部位によるばらつきは大幅に低減していることが分かる。図14によれば、透析膜が無い場合には、静摩擦係数のばらつきは±220%であるのに対し、透析膜が有る場合には、静摩擦係数のばらつきは25%に低減し、透析膜の有効性を確認できた。
また、汗分析チップ43の移動をスムーズにする別な方法としては、図15のように発汗促進部54、汗回収部56を別々に昇降できるようにすることが考えられる。また、発汗促進するときには発汗促進部54を皮膚に押し付けて発汗効率を向上させ、汗回収するときには汗回収部56を皮膚に押し付けて汗回収効率を向上させることが望ましい。すなわち、この方法では、発汗促進を行うときには、図15(a)に示すように、発汗促進部54を押さえて皮膚に密着させる。汗分析チップ43を移動させるときには、図15(b)に示すように、発汗促進部54も汗回収部56も皮膚から浮かせて移動させることにより、汗分析チップ43の摩擦を小さくしてスムーズに移動させる。そして、汗回収を行うときには、図15(c)に示すように、汗回収部56を押さえて皮膚に密着させて効率よく汗回収を行わせる。このとき発汗促進部54が皮膚から浮いていて発汗促進剤55は皮膚に触れないので、皮膚に対するダメージが小さくなる。
また、移動機構部としては、ゴムなどで汗分析チップ43を引っ張るようにしたものでもよい。
(第2の実施形態)
図16(a)(b)は、本発明の実施形態2による汗分析用ユニット81を示す模式的な平面図である。実施形態2が実施形態1と異なる点は、汗分析チップ43のロック機構であって、その他の構成については実施形態1と変わりはない。
汗分析用ユニット81では、突起82とスライドストッパ83によってロック機構部を構成している。すなわち、汗分析チップ43の両側面に突起82を設けてあり、ホルダー42の両側部には、突起82を引っ掛けて汗分析チップ43を停止させるスライドストッパ83を設けている。スライドストッパ83は、ホルダー42に設けてもよく、分析装置本体32に設けてもよく、分析装置本体32内のアクチュエータによって長さ方向にスライドさせられる。
しかして、移動前には、圧縮バネ61を押し縮めて汗分析チップ43を後退させた状態で、ホルダー42内に突出したスライドストッパ83に突起82を当接させている。汗分析チップ43を移動させる場合には、スライドストッパ83を後退させて引っ込めると、スライドストッパ83から突起82が外れてロックが解除され、圧縮バネ61の弾性力によって汗分析チップ43が前方へ移動する。
(第3の実施形態)
図17(a)(b)は、本発明の実施形態3による汗分析用ユニット91を示す斜視図である。図17(a)に示すものは、薄肉部94で繋がった連結ブロック92、93用いる方法であって、一方の連結ブロック92をホルダー42の内面に固定し、圧縮バネ61を押し縮めて後退させた汗分析チップ43の後端面に他方の連結ブロック93を固定している。そして、この連結ブロック92、93どうしを適宜手段(例えば、熱、カッターなど)を用いて薄肉部94で切り離せば、図17(b)に示すように、圧縮バネ61の弾性力によって汗分析チップ43が移動する。
(第4の実施形態)
図18は本発明の実施形態4による汗分析用ユニット101の概略平面図である。この汗分析用ユニット101は汗分析チップ43の移動が完了したことを検知するための移動監視センサ102を備えている。
すなわち、汗分析チップ43の前端面には接点103aが設けられており、ホルダー42の内面の接点103aと対向する位置には接点103bが設けられている。汗分析チップ43の側面には接点104aが設けられており、ホルダー42の内面の、汗分析チップ43が移動し終わったときに接点104aと接触する位置に接点104bが設けられている。また、汗分析チップ43に設けられた接点103aと接点104aは互いに導通している。ホルダー42に設けられた接点103bと接点104bの間にはバッテリー105と電流計106が直列に接続されている。
しかして、図18(a)に示すように、汗分析チップ43の移動前においては、移動監視センサ102の接点103b、104b間が開いているので、電流計106には電流が流れない。これに対し、図18(b)のように、汗分析チップ43が移動し終わると、汗分析チップ43の接点103a、104aがそれぞれホルダー42の接点103b、104bに接触するので、移動監視センサ102が閉じて電流計106に電流が流れ、汗分析チップ43が完全に移動し終わったことを検知する。また、汗分析チップ43が移動を開始してから一定時間が経過しても移動監視センサ102が汗分析チップ43の移動完了を検知できない場合には、エラー出力して表示部34にエラーを表示する。
なお、汗分析チップ43の上面に設けられている酵素電極53a又は53bを検知用の接点103a又は104aの代わりに使用してもよい。
汗分析チップ43の移動が不完全なままで、移動が完了したものとして汗を回収して汗分析を行った場合には、測定精度が低く、分析結果の信頼性を得られない恐れがある。この実施形態においては、汗分析チップ43の移動が完了したことを確認してから汗回収や汗分析を行うことができるので、信頼性が向上する。
(第5の実施形態)
図19は本発明の実施形態5による汗分析用ユニット111の平面図である。また、図20はその動作説明図である。この実施形態においては、汗分析チップ43の両側面にラック112を設けてあり、ホルダー42の側部もしくは分析装置本体32内に設けたピニオン113をラック112に噛み合わせている。このような歯車機構を用いた移動機構部では、ピニオン113の回転数によって汗分析チップ43の移動距離を自由に設定することができる。
従って、この汗分析用ユニット111によれば、図20(a)〜(e)に示すように、汗分析チップ43を順次移動させながら複数部位で汗回収することができる。図20(a)では、ある部位で発汗促進用電極52による通電をオンにして発汗促進部54により第1回目の発汗促進を行っている。図20(b)では、発汗促進用電極52による通電をオフにし、汗分析チップ43を発汗促進部54と汗回収部56とのピッチ分だけ移動させた後、第1回目の発汗促進を行った部位で汗回収部56により第1回目の汗回収を行っている。図20(c)では、発汗促進部54は、そのままの部位(つまり、第1回目の発汗促進を行った部位に隣接する部位)で発汗促進用電極52による通電をオンにして第2回目の発汗促進を行っている。図20(d)では、発汗促進用電極52による通電をオフにし、汗分析チップ43を移動させた後、第2回目の発汗促進を行った部位で汗回収部56により第2回目の汗回収を行っている。図20(e)では、発汗促進部54は、そのままの部位(第2回目の発汗促進を行った部位に隣接する部位)で発汗促進用電極52による通電をオンにして第3回目の発汗促進を行っている。
この実施形態の汗分析用ユニット91では、図20に示したような動作を所望回数繰り返すことにより、順次隣接する位置で繰り返し汗回収を行わせることができる。一箇所で長時間発汗促進と汗回収を行うと皮膚に対するダメージが大きくなるが、この実施形態では順次移動しながら発汗促進と汗回収を行うことができるので。皮膚に対するダメージが小さくなる。
(第6の実施形態)
図21は本発明の実施形態6による汗分析用ユニット121の構造を示す概略平面図である。この汗分析用ユニット121では、発汗促進部54と汗回収部56をそれぞれ同じ数に分割し、分割された発汗促進部54と汗回収部56を一定のピッチで移動方向に沿って交互に配列している。そして、図21(a)のように、汗分析チップ43の移動前の状態において、発汗促進用電極52からすべての発汗促進部54に電流を流してすべての発汗促進部54で同時に発汗促進を行う。ついで、図21(b)のように、一つの発汗促進部54又は汗回収部56の長さ分だけ汗分析チップ43を移動させた後、すべての汗回収部56で同時に汗回収を行う。
このような実施形態によれば、汗分析チップ43の移動距離を短くできる。すなわち、移動方向に沿った長さがLの発汗促進部54と汗回収部56をいずれもn個(nは2以上の自然数)に分割したとすると、分割された発汗促進部54と汗回収部56のそれぞれの長さはL/nとなる。よって、分割前の汗分析チップ43では距離Lだけ移動させる必要があるが、発汗促進部54、汗回収部56をそれぞれn個に分割することで、汗分析チップ43の移動距離はL/nでよいことになる。従って、汗分析チップ43の移動距離が短くて済むので、汗分析チップ43の移動による皮膚へのダメージを低減できる。また、汗分析用ユニット121は移動のためのスペースが小さくて済むので、小型化することができる。さらに、移動距離が短くてよいので、汗分析チップ43の移動が安定し、移動機構部の構造も簡略化することができる。
なお、各汗回収部56で回収された汗を一箇所に集めるためには、例えば図22(a)(b)(c)に示すように、汗分析チップ43内の適当な箇所(ただし、汗流路の酵素電極53a、53bが設けられている箇所よりも上流)に、各汗回収部56と連通したチャンバ部122を設ければよい。
(第7の実施形態)
図23(a)(b)は、本発明の実施形態7による汗分析チップ43の断面図である。この汗分析チップ43では、発汗促進部54と汗回収部56の中間に第1の清掃部132を設けている。第1の清掃部132は、綿や布などの皮膚を清掃するための清掃部材を汗分析チップ43の底面に露出させたものである。
皮膚の表面にはゴミが付着していたり、また図23(a)に示すように、発汗促進を行ったときに皮膚62の表面に発汗促進剤55の残留物133が付着したりすることがあり、汗を回収したときにゴミや発汗促進剤の残留物などが汗に混じると、測定精度が低下する。これに対し、この実施形態では、発汗促進が終了した後、汗分析チップ43を移動させると、図23(b)に示すように、発汗促進された部位に汗回収部56が移動してくる直前に皮膚62が第1の清掃部132で清掃され、皮膚62に付着していたゴミや残留物133が除去される。よって、汗にゴミや残留物133が混じるのを防いで測定精度を向上させることができる。
(第8の実施形態)
図24(a)(b)(c)は、本発明の実施形態8による汗分析用ユニット131を示す平面図である。この汗分析用ユニット131では、さらに発汗促進部54の前に第2の清掃部134を有している。第2の清掃部134は綿や布に消毒用エタノールなどの清拭用液135を染み込ませたものである。また、この汗分析用ユニット131は、汗分析チップ43を移動前の状態にロックしておくためのスライドストッパ83aと、汗分析チップ43が発汗促進部54の長さLに第2の清掃部134の長さを加えた長さよりも大きな適宜距離移動した位置で汗分析チップ43をロックして停止させるためのスライドストッパ83bとを有している。さらに、汗分析チップ43はスライドストッパ83bがロック解除されると、汗回収部56の長さLに第1の清掃部132の長さを加えた距離だけ移動して停止する。なお、清拭用液135は汗分析用ユニット41を分析装置本体32にセットする直前に第2の清掃部134へ染みこませる。あるいは、あらかじめ清拭用液135を第2の清掃部134に染み込ませておき、清拭用液135の蒸発を防ぐために第2の清掃部134の下面をシール用テープで封止したり、汗分析用ユニットの全体を真空パッケージしておいてもよい。
図25(a)は、スライドストッパ83aによって汗分析チップ43が最初の位置にロックされている状態を示す。スライドストッパ83aのロックが解除されると、図25(b)に示すように、汗分析チップ43は前方へ移動してスライドストッパ83bによって再びロックされ停止する。このとき、皮膚62の表面は第2の清掃部134に含まれている清拭用液135で清拭され、発汗促進部54は清拭用液135で清拭された部位へ移動する。そして、そこで発汗促進部54は発汗促進を行う。図25(c)は、発汗促進を行った結果、皮膚の表面に発汗促進剤55の残留物133が生じた様子を表す。ついで、スライドストッパ83bのロックが解除されると、図25(d)に示すように、汗分析チップ43はさらに前方へ移動して停止する。このとき、発汗促進部54によって発汗促進された部位は第1の清掃部132によって清拭され、ゴミや残留物133が除去される。そして、汗回収部56は第1の清掃部132で清拭された部位へ移動し、その後発汗してきた汗を回収する。
かかる実施形態によれば、第2の清掃部134で皮膚の表面を清拭することができるので、汗分析装置を腕に装着する前にアルコールを含ませた脱脂綿などで皮膚62の表面を清浄にぬぐう手間を省くことができる。また、脱脂綿などで皮膚を清浄にするのを忘れても、第2の清掃部134で皮膚を清浄にぬぐうことができるので、回収した汗にゴミや発汗促進剤の残留物などが混じるのを防ぐことができ、ゴミ等によって汗内物質の分析精度が低下するのを防止できる。
(第9の実施形態)
図26は本発明の実施形態9による汗分析チップ141を説明する概略図である。この実施形態にあっては、中心軸の回りに回転可能となった断面多角形状(以下、断面六角形として説明する。)の二つの柱状部材142、142を有している。柱状部材142、143の中心軸は互いに平行となっており、六角形の一辺の長さの2倍に等しい距離だけ離れている。また、柱状部材142、143の中心軸は、皮膚の表面とほぼ平行となるように保持されており、柱状部材142、143は皮膚62の表面に沿って転動するようになっている。
柱状部材142の一つの外面には発汗促進部54が形成されており、柱状部材143の一つの外面には汗回収部56が形成されている。柱状部材143の汗回収部56は、柱状部材142の発汗促進部54よりも2面だけずれた位置に設けられている。
図26(a)は、汗分析チップ141を皮膚62の上に置き、柱状部材142の発汗促進部54により発汗促進を行っている状態を表している。発汗促進が終了したら、図26(b)の状態を経て図26(c)となるよう、柱状部材142、143を2面分(つまり、120°)だけ転動させて、柱状部材143の汗回収部56を発汗促進を行った部位へ移動させる。そして、発汗促進を行った部位に発生する汗を汗回収部56で回収する。
かかる実施形態によれば、柱状部材142、143が皮膚62の表面を転動することによって発汗促進部54や汗回収部56が移動するので、発汗促進部54や汗回収部56が移動するときに皮膚62に対して横方向の摩擦力を発生させず、汗分析チップ141の移動がスムーズに行われる。よって、発汗促進部54や汗回収部56の移動距離や移動位置が摩擦のためにずれることがなく、移動の精度が向上する。また、摩擦がなく移動の際に皮膚をこすらないので、移動させる際の皮膚に対する負荷を小さくできる。
(第10の実施形態)
図27は本発明の実施形態10による汗分析チップ151を説明する概略図である。この汗分析チップ151は、実施形態9の汗分析チップ141とほぼ同様な構成を有している。異なっている点は、柱状部材142の各外面にそれぞれ発汗促進部54を設け、柱状部材143の各外面にそれぞれ汗回収部56を設けている点である。
この汗分析チップ151によれば、図27(a)〜(e)に示すように、汗分析チップ151を転動させながら順次移動させ、複数部位で汗回収することができる。図27(a)では、ある部位で発汗促進部54により第1回目の発汗促進を行っている。図27(b)では、柱状部材142、143を60°回転させて移動させた後、第1回目の発汗促進を行った部位に隣接する部位で発汗促進部54により第2回目の発汗促進を行う。ついで、図27(c)では、柱状部材142、143をさらに60°回転させて移動させた後、第1回目の発汗促進を行った部位で汗回収部56により第1回目の汗回収を行うと同時に、第2回目の発汗促進を行った部位に隣接する部位で発汗促進部54により第3回目の発汗促進を行う。図27(d)では、柱状部材142、143をさらに60°回転させて移動させた後、第2回目の発汗促進を行った部位で汗回収部56により第2回目の汗回収を行うと同時に、第3回目の発汗促進を行った部位に隣接する部位で発汗促進部54により第4回目の発汗促進を行う。さらに図27(e)では、柱状部材142、143をさらに60°回転させて移動させた後、第3回目の発汗促進を行った部位で汗回収部56により第3回目の汗回収を行うと同時に、第4回目の発汗促進を行った部位に隣接する部位で発汗促進部54により第5回目の発汗促進を行う。この実施形態の汗分析チップ151では、図27に示したような動作を所望回数繰り返すことにより、順次隣接する位置で繰り返し汗回収を行わせることができる。
かかる実施形態にあっても、柱状部材142、143が皮膚62の表面を転動することによって発汗促進部54や汗回収部56が移動するので、発汗促進部54や汗回収部56が移動するときに皮膚62に対して横方向の摩擦力を発生させず、汗分析チップ151の移動がスムーズに行われる。よって、発汗促進部54や汗回収部56の移動距離や移動位置が摩擦のためにずれることがなく、移動の精度が向上する。また、摩擦がなく移動の際に皮膚をこすらないので、移動させる際の皮膚に対する負荷を小さくできる。さらに、同一箇所で長時間発汗促進と汗回収を行うと皮膚に対するダメージが大きくなるが、この実施形態では順次移動しながら発汗促進と汗回収を行うことができるので。皮膚に対するダメージがより小さくなる。
さらに、かかる実施態様によれば、柱状部材142、143を転動させながら複数の部位においてそれぞれ発汗促進と汗回収を行うことができる。また、複数の発汗促進部54や複数の汗回収部56を各柱状部材142、143の外面に設けているので、複数の発汗促進部54や複数の汗回収部56を立体的に配置することができ、汗分析チップ151をコンパクトにできる。
なお、実施形態10においては断面多角形状の柱状部材を用いたが、円柱状部材を用いてその外周面を等しい面積に区分することによって複数の発汗促進部又は汗回収部を設けてもよい。
(第11の実施形態)
図28は本発明の実施形態11による汗分析用ユニット161の概略平面図である。この実施形態では、汗分析チップ43が回転軸162によって回転可能に支持されている。汗分析チップ43内は、回転軸162を中心とする等角度の、かつ偶数個の扇形領域に分割されている。この各領域は交互に発汗促進部54又は発汗促進剤55となっている。
よって、図28(a)に示すように、ある角度で発汗促進用電極52に通電してそれぞれの発汗促進部54の位置する部位で発汗促進を行なう。この後、図28(b)に示すように汗分析チップ43を回転させ、発汗促進部54で発汗促進を行われた隣接部位へ汗回収部56を移動させ、皮膚の表面に分泌された汗をそれぞれの汗回収部56で回収する。
このような実施形態では、汗分析チップ43をリニアに移動させる方式のように移動のためのスペースが必要ないので、汗分析用ユニット161を小型化することができる。
(第12の実施形態)
また、被験者が発汗促進部54と汗回収部56を手で移動させるようにしてもよい。例えば、図29(a)に示す汗分析装置171では、発汗促進部54と汗回収部56がベルト33の長さ方向と直交する方向に並んでいる。この場合、発汗促進部54及び汗回収部56を移動させるときには、発汗促進部54のあった部位に汗回収部56が移動するように、手首に沿って汗分析装置171をベルト33ごと動かせばよい。
あるいは、図29(b)に示す汗分析装置172では、発汗促進部54と汗回収部56がベルト33の長さ方向に沿って並んでいる。この場合、発汗促進部54及び汗回収部56を移動させるときは、発汗促進部54のあった部位に汗回収部56が移動するように、手首の回りでベルト33を回して汗分析装置172を動かせばよい。
図29(c)に示す汗分析装置173では、発汗促進部54と発汗促進剤55が別々に構成されており、分析装置本体に発汗促進部54と汗回収部56のうちいずれか一方だけをセットできるようになっている。この場合には、はじめに発汗促進部54だけを分析装置本体にセットして発汗促進を行う。発汗促進が終了したら、分析装置本体から発汗促進部54を取り外して汗回収部56を取り付け、汗回収部56によって汗回収を行う。
これらの方法によれば、汗分析チップを移動させるための移動機構部などが必要なくなるので、汗分析装置のコストを安価にすることができる。
図1は、特許文献1に開示された汗分析装置の断面図である。 図2は、本発明の実施形態1による汗分析装置を腕に装着した状態を表す図である。 図3は、実施形態1における汗分析用ユニットの分解斜視図である。 図4は、実施形態1における汗分析チップの断面図である。 図5は、実施形態1における汗分析チップを下面側から見た斜視図である。 図6は、実施形態1の汗分析用ユニットにおいて汗分析チップを後退させてロックした状態を示す斜視図である。 図7は、実施形態1の汗分析用ユニットにおいて汗分析チップがロック解除されて移動した状態を示す斜視図である。 図8(a)及び図8(b)は、移動前の汗分析チップと移動後の汗分析チップとの位置関係を説明するための平面図である。 図9(a)及び図9(b)は、移動前の汗分析チップと移動後の汗分析チップとの位置関係を説明するための断面図である。 図10は、発汗促進用導通部が発汗促進用電極に接触している状態を示す斜視図である。 図11は、酵素電極用導通部が酵素電極に接触している状態を示す斜視図である。 図12は、汗分析装置の測定プロセスを説明するフロー図である。 図13(a)(b)は、実施形態1の別な例による汗分析用ユニットの構造を示す断面図である。 図14は、透析膜のない試験サンプルと透析膜を有する試験サンプルとを用いて、異なる状況で静摩擦係数を計測した結果を示す図である。 図15(a)(b)(c)は、実施形態1のさらに別な例による汗分析用ユニットを説明する概略断面図である。 図16(a)(b)は、本発明の実施形態2による汗分析用ユニットを示す平面図である。 図17(a)(b)は、本発明の実施形態3による汗分析用ユニットを示す斜視図である。 図18(a)(b)は本発明の実施形態4による汗分析用ユニットの概略平面図である。 図19は本発明の実施形態5による汗分析用ユニットの平面図である。 図20(a)〜(e)は、実施形態5の汗分析用ユニットの動作説明図である。 図21(a)(b)は、本発明の実施形態6による汗分析用ユニットの構造を示す概略平面図である。 図22(a)は実施形態6の汗分析用ユニットに設けられたチャンバ部を示す平面図、図22(b)は図22(a)のX−X線断面図、図22(c)は図22(a)のY−Y線断面図である。 図23(a)(b)は、本発明の実施形態7による汗分析チップの断面図である。 図24(a)(b)(c)は、本発明の実施形態8による汗分析用ユニットの平面図である。 図25(a)〜(d)は、実施形態8の汗分析用ユニットの動作説明図である。 図26(a)(b)(c)は、本発明の実施形態9による汗分析チップの説明図である。 図27(a)〜(e)は、本発明の実施形態10による汗分析チップの説明図である。 図28(a)(b)は本発明の実施形態11による汗分析用ユニットの概略平面図である。 図29(a)(b)(c)は、それぞれ発汗促進部と汗回収部を移動させる別な方法を説明する図である。
符号の説明
31、171、172、173 汗分析装置
32 分析装置本体
33 ベルト
36 汗分析ユニット設置部
37 カバー
41、71、81、91、101、111、121、131、161 汗分析用ユニット
42 ホルダー
43、141、151 汗分析チップ
47 ストッパ
49 発汗促進・汗回収部
50 汗分析部
52 発汗促進用電極
53a、53b 酵素電極
54 発汗促進部
56 汗回収部
57、58 汗流路
61 圧縮バネ
64 発汗促進用導通部
65a、65b 酵素電極用導通部
72 透析膜
83、83a、83b スライドストッパ
94 薄肉部
102 移動監視センサ
113 ピニオン
132 第1の清掃部
134 第2の清掃部
142、143 柱状部材
162 回転軸

Claims (19)

  1. 発汗を促進するための発汗促進部と、汗を回収するための汗回収部とを有する汗回収装置であって、
    前記発汗促進部は、皮膚からの発汗を促進した後、発汗が促進された部位から移動させられ、
    前記汗回収部は、前記発汗促進部により発汗が促進された部位に配置されて汗を回収することを特徴とする汗回収装置。
  2. 前記発汗促進部および前記汗回収部が同一のチップに形成されており、
    前記チップの移動方向に対して平行に、前記発汗促進部と前記汗回収部が配列されていることを特徴とする、請求項1に記載の汗回収装置。
  3. 前記発汗促進部により発汗が促進された部位に前記汗回収部を配置する前に、発汗が促進された部位を清掃するための第1の清掃部をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の汗回収装置。
  4. 前記発汗促進部により皮膚からの発汗を促進する前に、皮膚の発汗を促進しようとする部位を清掃するための第2の清掃部をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の汗回収装置。
  5. 前記発汗促進部と皮膚との間および前記汗回収部と皮膚との間に液体透過性の膜をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の汗回収装置。
  6. 前記発汗促進部と前記汗回収部とを同時に、もしくは別々に移動させるための移動機構部をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の汗回収装置。
  7. 前記移動機構部は、歯車機構により構成されていることを特徴とする、請求項6に記載の汗回収装置。
  8. 前記発汗促進部は、移動後の部位において皮膚からの発汗を促進した後、さらに当該部位から移動させられ、
    前記汗回収部は、前記発汗促進部がさらに移動した後の部位に配置されて汗を回収することを特徴とする、請求項1に記載の汗回収装置。
  9. 中心軸の回りに回転可能となった断面多角形状の柱状部材を複数有し、
    前記柱状部材のうち少なくとも1つの柱状部材の少なくとも一つの外面に前記発汗促進部が形成され、前記発汗促進部が形成された柱状部材と別の少なくとも一つの柱状部材の少なくとも一つの外面に前記汗回収部が形成されており、
    前記発汗促進部の発汗が促進された部位からの移動と前記汗回収部の発汗が促進された部位への配置が、それぞれ前記発汗促進部の形成されている前記柱状部材と前記汗回収部の形成されている前記柱状部材の転動により行なわれることを特徴とする、請求項1に記載の汗回収装置。
  10. 前記柱状部材のうち少なくとも1つの柱状部材の複数の外面に前記発汗促進部が形成され、前記発汗促進部が形成された柱状部材と別の少なくとも一つの柱状部材の複数の外面に前記汗回収部が形成されていることを特徴とする、請求項9に記載の汗回収装置。
  11. 同一のチップに複数の前記発汗促進部と前記汗回収部が形成され、前記発汗促進部と前記汗回収部とが前記チップの移動方向に沿って交互に配列されていることを特徴とする、請求項1に記載の汗回収装置。
  12. 前記チップは、皮膚に対して垂直となるように定めた回転軸の回りに回転可能となっており、前記発汗促進部と前記汗回収部は回転方向に移動することを特徴とする、請求項11に記載の汗回収装置。
  13. 前記発汗促進部および前記汗回収部は、皮膚に押し付けるように形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の汗回収装置。
  14. 前記汗回収部の移動が完了したことを検知するためのセンサ部をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の汗回収装置。
  15. 請求項1に記載の汗回収装置と、前記汗回収装置により回収された汗を分析する汗分析部と、前記汗回収部により回収された汗を前記汗分析部に導く流路とを有することを特徴とする汗分析装置。
  16. 前記汗分析部は、体液の分析を行うための酵素電極を備えていることを特徴とする、請求項15に記載の汗分析装置。
  17. 前記発汗促進部に保持された発汗促進剤に電流または電圧を印加するための発汗促進用導通部と、前記酵素電極に電流または電圧を印加するための酵素電極用導通部とを有することを特徴とする、請求項16に記載の汗分析装置。
  18. 腕に巻きつけて使用するための装着具を備えていることを特徴とする、請求項15に記載の汗分析装置。
  19. 発汗促進部に配置された発汗促進剤に電流または電圧を印加し、一定時間経過後に前記発汗促進剤への電流または電圧の印加を停止するプロセスと、
    前記発汗促進剤により発汗が促進された部位から前記発汗促進部を移動させるプロセスと、
    前記発汗促進剤により発汗が促進された部位へ汗回収部を移動させるプロセスと、
    前記汗回収部において汗を回収し、酵素電極に電流または電圧を印加することによって前記汗回収部において回収した汗を分析するプロセスとを備えた汗分析方法。
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