JP2009246095A - 光センサ、光検出装置、電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

光センサ、光検出装置、電気光学装置及び電子機器 Download PDF

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JP2009246095A JP2008089911A JP2008089911A JP2009246095A JP 2009246095 A JP2009246095 A JP 2009246095A JP 2008089911 A JP2008089911 A JP 2008089911A JP 2008089911 A JP2008089911 A JP 2008089911A JP 2009246095 A JP2009246095 A JP 2009246095A
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Yukiya Hirabayashi
幸哉 平林
Hajime Nakao
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Abstract

【課題】光検出素子の光劣化に起因する光量検出精度の低下を抑制して長寿命化を図る。
【解決手段】少なくとも光検出素子を有し当該光検出素子に対する照射光量に応じた信号
を出力する光センサであって、前記光検出素子の受光面側に配置されていると共に、前記
光検出素子への照射光を減光する減光手段を備え、前記減光手段は、前記照射光の積算光
量の増加に伴って透過率が上昇する光学特性を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光センサ、光検出装置、電気光学装置及び電子機器に関する。
例えば、下記特許文献1には、光検出素子として薄膜トランジスタを用い、この薄膜ト
ランジスタの光電効果により発生する光電流が照射光量に比例することを利用し、この光
電流で電圧検出用コンデンサに電荷を充電あるいは放電させ、当該コンデンサの両端間の
電圧変化を監視することによって照射光量を検出する技術が開示されている。
特開2006−29832号公報
ところで、光曝露によって光検出素子(例えばアモルファスシリコントランジスタ)の
光劣化が進行すると電気的特性が変化し、光電効果により発生する光電流が低下するため
、正確に照射光量を検出できなくなるという問題がある。このような光劣化を抑制するた
めには、単純に何らかの減光手段により光検出素子に対する入射光を弱める方法が考えら
れる。しかしながら、減光手段により光検出素子への入射光を弱めても劣化速度を遅くす
るだけで劣化自体は進行してしまう。光検出素子の光劣化が進行すると一定光量に対する
光電流が低下することに加えて、減光手段により入射光が弱められると低照度領域での光
検出が困難となるという問題が生じる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、光検出素子の光劣化に起因する
光量検出精度の低下を抑制して長寿命化を図ることが可能な光センサ、光検出装置、電気
光学装置及び電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る光センサは、少なくとも光検出素子を有し当
該光検出素子に対する照射光量に応じた信号を出力する光センサであって、前記光検出素
子の受光面側に配置されていると共に、前記光検出素子への照射光を減光する減光手段を
備え、前記減光手段は、前記照射光の積算光量の増加に伴って透過率が上昇する光学特性
を有することを特徴とする。
このような光センサでは、積算光量が増加するにつれて(光劣化が進行するにつれて)
光検出素子の光電流は低下していくが、一方の減光手段の透過率は積算光量が増加するに
つれて上昇することになる。すなわち、上記の光学特性を有する減光手段を光検出素子の
受光面側に配置することにより、積算光量の増加に伴って光検出素子に照射される実質的
な光量が増加するため、光電流を増加させる効果が生じ、光劣化による光電流の低下を抑
制することが可能となる。従って、光検出素子の光劣化に拘わらず光量検出精度の低下を
抑制することができ、光センサの長寿命化が可能となる。
なお、このような光学特性を有する減光手段としては、例えば特許文献である特開平8
−53570号公報に開示されているようなビスアゾ染料化合物を含有するポリマー組成
物から成るフィルムを使用することができる。この他、減光手段としては、(株)大成イ
ーアンドエル社製のオプトリーフを使用することができる。このオプトリーフは、照射光
の積算光量の増加に伴って退色率が低下する光学特性を有している。退色率の低下は、言
い換えれば透過率の上昇を指しているため、このオプトリーフを減光手段として使用する
ことができる。なお、減光手段としては、これらのフィルムに限らず、照射光の積算光量
の増加に伴って透過率が上昇する光学特性を有するものであれば他のものを使用しても良
い。
また、上記の光センサにおいて、前記減光手段は、前記光学特性を有し前記光検出素子
の受光面側に敷設されたフィルムであることが好ましい。
このように、別途製造されたフィルムを減光手段として用いて光検出素子の受光面側に
敷設することにより、光センサの製造工程を簡略化することができる。
また、上記の光センサにおいて、前記減光手段は、前記光学特性を有するように前記光
検出素子の受光面側に成膜された薄膜層であることが好ましい。
これにより、減光手段と光検出素子との製造工程を共通化することができるため、減光
手段を別途製造若しくは購入する必要がなく、光センサの製造コストを低減することがで
きる。
また、本発明に係る光検出装置は、上述した光センサと、前記光センサの出力信号を基
に照射光量に関するセンサ出力値を生成する信号処理部とを備えることを特徴とする。
これにより、光センサが有する光検出素子の光劣化に拘わらず正確なセンサ出力値を得
ることが可能な光検出装置を提供することが可能となる。
また、上記の光検出装置において、前記光センサは、少なくとも第1の前記光検出素子
と当該第1の光検出素子の受光面側に配置された第1の前記減光手段とを有し前記第1の
光検出素子に対する照射光量に応じた第1の出力信号を出力する第1の光検出部と、少な
くとも第2の前記光検出素子と当該第2の光検出素子の受光面側に配置された第2の前記
減光手段とを有し前記第2の光検出素子に対する照射光量に応じた第2の出力信号を出力
する第2の光検出部と、前記第1の減光手段または前記第2の減光手段のいずれか一方と
重なるように配置されていると共に、積算光量と無関係に透過率が一定である光学特性を
有する副減光手段と、を有し、前記信号処理部は、前記第1の光検出部の第1の出力信号
を基に照射光量に関する第1のセンサ出力値を生成すると共に、前記第2の光検出部の第
2の出力信号を基に照射光量に関する第2のセンサ出力値を生成するセンサ出力値生成部
と、前記第1のセンサ出力値と前記第2のセンサ出力値との比率である測定比率を演算し
、前記測定比率と、予め測定された初期状態の前記測定比率である初期比率との比率であ
る光劣化補正係数を演算する補正係数演算部と、前記光劣化補正係数に基づいて、前記第
1又は第2のセンサ出力値の光劣化率を導出する光劣化率演算部と、前記光劣化率に基づ
いて前記第1又は第2のセンサ出力値を補正する補正処理部とを有することが好ましい。
このような構成とすることにより、第1及び第2の減光手段を設けたことによる光電流
の低下の抑制のみならず、信号処理によるセンサ出力値の補正を行うことができ、より正
確な光量検出結果(センサ出力値)を得ることが可能となる。
また、上記の光検出装置において、前記光劣化率演算部は、前記光劣化補正係数と前記
光劣化率との対応関係を表すルックアップテーブルを備えていることが好ましい。
仮に、光劣化率が光劣化補正係数を変数とする関数で表す場合に、この関数が複雑な数
式になると回路規模が大きくなる。これにより、製造コストの増大を引き起こし、さらに
消費電力が増大する。このような関数に代えて、光劣化率演算部がルックアップテーブル
を有することで、大規模な回路を必要としないので製造コストを抑え、さらに消費電力を
低減することができる光検出装置を提供することができる。
また、上記の光検出装置において、前記光劣化率演算部は、前記光劣化補正係数が前
記ルックアップテーブルに含まれない場合に、前記ルックアップテーブル上の前記光劣化
補正係数を用いた補間計算により前記光劣化率を導出することが好ましい。
これにより、ルックアップテーブルに含まれない任意の光劣化補正係数に対応する光劣
化率を導出することができるので、ルックアップテーブルを縮小してデータ量を抑えるこ
とができる。
また、本発明に係る電気光学装置は、表示領域にスイッチング素子を有する複数の画素
、走査線及びデータ線が形成された基板と、当該基板と対となる対向基板と、前記基板と
前記対向基板との間に狭持された電気光学材料とを備える電気光学装置であって、上述し
た光検出装置を備え、少なくとも前記光検出装置における前記光センサは、前記基板上の
表示領域以外の領域に設けられており、前記光検出素子は、前記スイッチング素子と同一
プロセスにより前記基板上に形成されていることを特徴とする。
このような特徴を有する電気光学装置によると、画素のスイッチング素子と、光検出素
子との製造プロセスを共有化することができるため、光検出装置を備える電気光学装置を
低コストで実現することができる。
また、上記の電気光学装置において、前記電気光学材料は液晶であり、バックライトと
、前記光検出装置における前記信号処理部から得られるセンサ出力値を基に前記バックラ
イトの光量を制御するバックライト制御部とを備えることが好ましい。
これにより、電気光学装置に入射する光量に応じて正確にバックライトの光量を制御す
ることが可能となり、表示品質の向上を図ることができる。
また、本発明に係る電子機器は、上述した電気光学装置を表示装置として備えることを
特徴とする。
これにより、低コスト且つ表示品質が高い表示装置(電気光学装置)を備えた電子機器
を提供することができる。
以下、本発明に係る光センサ、光検出装置、電気光学装置及び電子機器の一実施形態に
ついて図面を参照しながら説明する。
〔第1実施形態〕
<光センサ及び光検出装置>
図1は、第1実施形態に係る光センサを備える光検出装置の構成概略図である。この図
1に示すように、第1実施形態に係る光検出装置10は、光センサ20、電圧供給部30
及び信号処理部40を備えている。
光センサ20は、光検出用トランジスタ(光検出素子)21a、コンデンサ21b及び
スイッチ21cから構成される光検出回路21と減光フィルム(減光手段)22とを備え
ている。光検出用トランジスタ21aは、例えばアモルファスシリコンTFT(Thin Fil
m Transistor)であると共にNチャネル型MOS(Metal Oxide Semiconductor)トラン
ジスタであり、ソース端子が基準電位線Lcomと接続され、ゲート端子がゲート電圧線
Lgと接続され、ドレイン端子がコンデンサ21bの一方の電極と接続されている。
コンデンサ21bの一方の電極は光検出用トランジスタ21aのドレイン端子と接続さ
れていると共に出力信号線Loutを介して信号処理部40の入力端子と接続され、他方
の電極は基準電位線Lcomと接続されている。スイッチ21cは、信号処理部40によ
る制御の下、光検出用トランジスタ21aのドレイン端子(コンデンサ21bの一方の電
極)と駆動電圧線Laとの接続/非接続を切り替える。
減光フィルム22は、光検出用トランジスタ21aの受光面側に配置されていると共に
、光検出用トランジスタ21aへの照射光を減光するためのフィルムであり、図2に示す
ように、照射光の積算光量の増加に伴って透過率が上昇する光学特性を有している。この
ような光学特性を有する減光フィルム22としては、例えば特許文献である特開平8−5
3570号公報に開示されているようなビスアゾ染料化合物を含有するポリマー組成物か
ら成るフィルムを使用することができる。この他、減光フィルム22としては、(株)大
成イーアンドエル社製のオプトリーフを使用することができる。このオプトリーフは、図
3に示すように、照射光の積算光量の増加に伴って退色率が低下する光学特性を有してい
る。退色率の低下は、言い換えれば透過率の上昇を指しているため、このオプトリーフを
減光フィルム22として使用することができる。なお、減光フィルム22としては、これ
らのフィルムに限らず、照射光の積算光量の増加に伴って透過率が上昇する光学特性を有
するものであれば他のフィルムを使用しても良い。
以下、図1に戻って説明を続ける。電圧供給部30は、駆動電圧線Laにコンデンサ2
1bを充電させるための駆動電圧Vaを供給し、ゲート電圧線Lgに光検出用トランジス
タ21aをオフ状態にするためのゲート電圧Vgを供給し、基準電位線Lcomに基準電
位VSS(本実施形態ではグランドレベル)を供給する。
信号処理部40は、光センサ20から出力信号線Loutを介して出力される信号(つ
まりコンデンサ21bの電圧)を基に照射光量に関するセンサ出力値を生成する。より具
体的には、この信号処理部40は、照射光量の検出開始時において、スイッチ21cを制
御して光検出用トランジスタ21aのドレイン端子と駆動電圧線Laとを接続し、コンデ
ンサ21bが満充電状態となる時間の経過後にスイッチ21cを制御して光検出用トラン
ジスタ21aのドレイン端子と駆動電圧線Laとを非接続とし、コンデンサ21bの電圧
が所定の電圧に低下するまでの時定数τをセンサ出力値として計測する。なお、スイッチ
21cの制御は、スイッチ21cと信号処理部40とを接続する制御線Lcに制御信号を
出力することにより行われている。
また、信号処理部40は、センサ出力値として計測した時定数τを光量検出結果として
外部に出力する。なお、時定数τは光センサ20に対する照射光量と相関関係にあるので
、この時定数τを照度や輝度などの照射光量に関するセンサ出力値に換算した後に、光量
検出結果として外部に出力するようにしても良い。上記のような信号処理部40は、例え
ばASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のデジタル演算処理回路によ
って構成することができる。すなわち、光センサ20の出力信号(コンデンサ21bの電
圧)をデジタル変換し、このデジタル変換されたコンデンサ21bの電圧が所定の電圧に
低下するまでの時間を計測することで時定数τを求める。
続いて、上記のように構成された本実施形態に係る光センサ20を備える光検出装置1
0の動作について説明する。図4は、光検出装置10の動作を表すフローチャートである
。なお、光検出装置10の電源投入時以降、電源供給部30は、駆動電圧線Laに駆動電
圧Va(例えば2V)を供給し、ゲート電圧線Lgにゲート電圧Vg(例えば−3V〜−
5Vの範囲内の電圧値)を供給している。
図4に示すように、まず、信号処理部40は、内部タイマを監視することにより、照射
光量の検出開始タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS1)。このステップ
S1において、照射光量の検出開始タイミングが到来した場合(「Yes」)、信号処理
部40は、スイッチ21cを制御して光検出用トランジスタ21aのドレイン端子と駆動
電圧線Laとを接続する(ステップS2)。これにより、光検出用トランジスタ21aの
ドレイン端子には駆動電圧Vaが印加されるが、光検出用トランジスタ21aはオフ状態
であるため、コンデンサ21bが駆動電圧Vaによって充電されることになる。なお、こ
こで光検出用トランジスタ21aのドレイン−ソース間には光照射に起因する光電流(リ
ーク電流)が流れるが、この光電流がコンデンサ21bの充電に与える影響は無視できる
続いて、信号処理部40は、予め設定されているコンデンサ21bが満充電状態となる
時間の経過後に、スイッチ21cを制御して光検出用トランジスタ21aのドレイン端子
と駆動信号線Laとを非接続とし(ステップS3)、この切り替えタイミングに同期して
、出力信号線Loutの電位、つまりコンデンサ21bの電圧が所定の電圧に低下するま
での時定数τをセンサ出力値として計測する(ステップS4)。
図5は、光検出用トランジスタ21aのドレイン端子と駆動信号線Laとを非接続とし
た後における、コンデンサ21bの電圧の時間的変化を示したものである。上述したよう
に、光検出用トランジスタ21aのドレイン−ソース間には光照射に起因する光電流が発
生するため、光検出用トランジスタ21aのドレイン端子と駆動信号線Laとが非接続と
なると、コンデンサ21bに蓄積された電荷が光電流として光検出用トランジスタ21a
を介して基準電位線Lcomに流れ込む。これにより、図5に示すように、スイッチ21
cの切り替えタイミング以降、コンデンサ21bの電圧はVa(2V)から緩やかに低下
していくことになる。信号処理部40は、このようなコンデンサ21bの電圧の時間的変
化を監視し、コンデンサ21bの電圧が所定の電圧(例えば0.7V)に低下した時の時
間を時定数τとする。
光電流の大きさは、光検出用トランジスタ21aに対する照射光量に応じて変化するた
め、時定数τも照射光量に応じて変化することになる。従って、時定数τから照射光量を
知ることができる。しかしながら、光曝露によって光検出用トランジスタ21aの光劣化
が進行すると、同一の照射光量に対する光電流が小さくなるため、上記の時定数τ(つま
りセンサ出力値)と照射光量との相関関係に誤差が生じてしまい、正確な照射光量を検出
できなくなる。そこで、本実施形態では、上述した減光フィルム22を光検出用トランジ
スタ21aの受光面側に配置することにより、光劣化による光電流の低下(つまり光量検
出精度の低下)を抑制する。
図6は、減光フィルム22の光学特性、つまり積算光量と透過率との対応関係と、光検
出用トランジスタ21aの光劣化特性、つまり積算光量と光電流との対応関係とを表す特
性図である。この図6に示すように、積算光量が増加するにつれて(光劣化が進行するに
つれて)光検出用トランジスタ21aの光電流は低下していくが、一方の減光フィルム2
2の透過率は積算光量が増加するにつれて上昇する。すなわち、減光フィルム22を光検
出用トランジスタ21aの受光面側に配置することにより、積算光量の増加に伴って光検
出用トランジスタ21aに照射される実質的な光量が増加するため、光電流を増加させる
効果が生じ、光劣化による光電流の低下を抑制することが可能となる。従って、時定数τ
と照射光量との相関関係に生じる誤差を抑制でき、時定数τはより正確に照射光量を表す
値となる。
そして、信号処理部40は、上記のように計測した時定数τを光量検出結果として外部
に出力する(ステップS5)。以降は、上記のようなステップS1〜S5が繰り返される
ことにより、照射光量の検出開始タイミングが到来する毎に時定数τの計測が行われて、
光量検出結果が外部に出力されることになる。
以上のように、本実施形態に係る光検出装置10によれば、照射光の積算光量の増加に
伴って透過率が上昇する光学特性を有する減光フィルム22を光検出用トランジスタ21
aの受光面側に配置することにより、光劣化による光電流の低下を抑制することができ、
その結果、光検出用トランジスタ21aの光劣化に拘わらず光量検出精度の低下を抑制す
ることができ、光センサ20の長寿命化が可能となる。
<電気光学装置>
次に、第1実施形態に係る光検出装置10を備えた電気光学装置について説明する。な
お、以下では、本実施形態に係る電気光学装置として半透過型の液晶表示装置を例示して
説明する。図7は、本実施形態に係る液晶表示装置1000の平面図であり、対向基板で
あるカラーフィルタ基板を透視してアレイ基板を主に図示したものである。図8は、図7
のアレイ基板の1画素分の平面図である。図9は図8のIII−III線における断面図である
図7及び図9に示すように、本実施形態に係る液晶表示装置1000は、互いに対向配
置される矩形状の透明絶縁材料、例えばガラス板からなる透明基板1002上に種々の配
線等を施してなるアレイ基板ARと、同様に矩形状の透明絶縁材料からなる透明基板10
10上に種々の配線等を施してなるカラーフィルタ基板CFとを有している。アレイ基板
ARは、カラーフィルタ基板CFと対向配置させたときに所定スペースの張出し部100
2Aが形成されるようにカラーフィルタ基板CFよりサイズが大きいものが使用されてい
る。これらアレイ基板AR及びカラーフィルタ基板CFの外周囲にシール材(図示省略)
が貼付されて、内部に液晶(電気光学材料)1014及びスペーサ(図示省略)が封入さ
れた構成となっている。
アレイ基板ARは、それぞれ対向する短辺1002a、1002b及び長辺1002c
、1002dを有し、一方の短辺1002b側が張出し部1002Aとなっており、この
張出し部1002Aにソースドライバ及びゲートドライバ用の半導体チップDrが搭載さ
れ、他方の短辺1002a側に光検出部10が配設されている。また、アレイ基板ARの
背面には照光手段としてのバックライト(図示省略)が設けられている。
このアレイ基板ARは、カラーフィルタ基板CFと対向する面、すなわち液晶と接触す
る面に、図7の横方向(X軸方向)に延在し所定の間隔をあけて配列された複数本のゲー
ト線(走査線)GWと、これらのゲート線GWと絶縁され縦方向(Y軸方向)に延在し所
定の間隔をあけて配列された複数本のソース線(データ線)SWとを有している。これら
のソース線SWとゲート線GWとがマトリクス状に配線され、互いに交差するゲート線G
Wとソース線SWとで囲まれる各領域に、ゲート線GWからの走査信号によってオン状態
となるスイッチング素子(例えばアモルファスシリコン薄膜トランジスタ)としてのTF
T(図8参照)及びソース線SWからの映像信号がTFTを介して供給される画素電極1
026(図9参照)が形成されている。
これらのゲート線GWとソース線SWとで囲まれる各領域は、いわゆる画素を構成し、
これらの画素を複数備えたエリアが表示領域DAとなっている。各ゲート線GW及び各ソ
ース線SWは、表示領域DAの外、すなわち額縁領域へ延出されてLSI等の半導体チッ
プから構成されるドライバDrに接続されている。
アレイ基板AR上の表示領域DA以外の領域である一方の短辺1002a側の領域には
、光検出装置10における光センサ20が形成されている。図11に示すように、光検出
用トランジスタ21a、コンデンサ21b、スイッチ21cから構成される光検出回路2
1は、アレイ基板AR上に形成されているが、減光フィルム22(図中の斜線部分)は光
検出回路21上に(光検出用トランジスタ21aの受光面側に)敷設されている(貼り合
わされている)。
また、アレイ基板AR上の表示領域DA以外の領域である一方の長辺1002d側の領
域には、図1に示したゲート電圧線Lg、駆動電圧線La、基準電位線Lcom、出力信
号線Lout及び制御線Lcから成る引き回し線群LTが形成されている。引き回し線群
LTは、短辺1002b側においてFPCケーブル200を介して外部回路として設けら
れた電圧供給部30及び信号処理部40と接続されている。
このように、アレイ基板AR上に形成された光センサ20と、外部回路として設けられ
た電圧供給部30及び信号処理部40とによって光検出装置10が構成されている。なお
、光センサ20における光検出用トランジスタ21a及びスイッチ21cは、表示領域D
A内のスイッチング素子TFTと同一プロセスによって形成されたものである。
また、信号処理部40の出力信号(つまり光量検出結果)は、外部回路として設けられ
たバックライト制御部300に入力されており、このバックライト制御部300は、信号
処理部40による照射光量検出結果に基づいて、液晶表示装置1000に入射する外光の
光量を把握し、この外光の光量に応じて不図示のバックライトの光量を制御する。
なお、透明基板1002上のドライバDrは、ドライバDr、電圧供給部30及び信
号処理部40、バックライト制御部300の機能を統合的に備えたIC(Integrated Cir
cuit)チップに代えてもよい。
次に各画素の具体的構成について主に図8及び図9を参照して説明する。
アレイ基板ARの透明基板1002上の表示領域DAには、ゲート線GWが等間隔に
平行になるように形成され、更にこのゲート線GWからスイッチング素子を構成するTF
Tのゲート電極Gが延設されている。また、この隣り合うゲート線GW間の略中央にはゲ
ート線GWと平行になるように補助容量線1016が形成され、この補助容量線1016
には補助容量線1016よりも幅広となされた補助容量電極1017が形成されている。
また、透明基板1002の全面に、ゲート線GW、補助容量線1016、補助容量電
極1017及びゲート電極Gを覆うようにして窒化ケイ素や酸化ケイ素などの透明絶縁材
料からなるゲート絶縁膜1018が積層されている。そして、ゲート電極Gの上にゲート
絶縁膜1018を介してアモルファスシリコン等からなる半導体層1019が形成されて
いる。また、ゲート絶縁膜1018上に複数のソース線SWがゲート線GWと交差するよ
うにして形成され、このソース線SWから半導体層1019と接触するようにTFTのソ
ース電極Sが延設され、更に、ソース線SW及びソース電極Sと同一の材料からなるドレ
イン電極Dが同じく半導体層1019と接触するようにゲート絶縁膜1018上に設けら
れている。
ここで、ゲート線GWとソース線SWとに囲まれた領域が1画素に相当する。そして
ゲート電極G、ゲート絶縁膜1018、半導体層1019、ソース電極S、ドレイン電極
Dによってスイッチング素子となるTFTが構成される。このTFTはそれぞれの画素に
形成される。この場合、ドレイン電極Dと補助容量電極1017によって各画素の補助容
量を形成することになる。
これらのソース線SW、TFT、ゲート絶縁膜1018を覆うようにして透明基板1
002の全面にわたり例えば無機絶縁材料からなる保護絶縁膜(パッシベーション膜とも
いわれる)1020が積層され、この保護絶縁膜1020上に例えばネガ型の感光材料を
含むアクリル樹脂等からなる層間膜(平坦化膜ともいわれる)1021が透明基板100
2の全体にわたり積層されている。この層間膜1021の表面は、反射部1022におい
ては微細な凹凸(図示は省略)が形成されており、透過部1023においては平らになさ
れている。
そして、反射部1022の層間膜1021の表面にはスパッタリング法によって例え
ばアルミニウムないしアルミニウム合金製の反射板1024が形成されており、保護絶縁
膜1020、層間膜1021及び反射板1024にはTFTのドレイン電極Dに対応する
位置にコンタクトホール1025が形成されている。
更に、それぞれの画素において、反射板1024の表面、コンタクトホール1025
内及び透過部1023の層間膜1021の表面には、例えばITO(Indium Tin Oxide)
ないしIZO(Indium Zinc Oxide)からなる画素電極1026が形成され、この画素電
極1026の更に上層に全ての画素を覆うように配向膜(図示省略)が積層されている。
また、カラーフィルタ基板CFは、ガラス基板等からなる透明基板1010の表面に
、アレイ基板ARのゲート線GW及びソース線SWに対向するように遮光層(図示は省略
)が形成され、この遮光層に囲まれたそれぞれの画素に対応して例えば赤色(R)、緑色
(G)、青色(B)からなるカラーフィルタ層27が設けられている。更に、反射部10
22に対応する位置のカラーフィルタ層1027の表面にはトップコート層1028が形
成されており、このトップコート層1028の表面及び透過部1023に対応する位置の
カラーフィルタ層1027の表面には共通電極1029及び配向膜(図示は省略)が積層
されている。なお、カラーフィルタ層1027としては、更にシアン(C)、マゼンタ(
M)、イエロー(Y)等のカラーフィルタ層を適宜に組み合わせて使用する場合もあり、
モノクロ表示用の場合にはカラーフィルタ層を設けない場合もある。
そして、上述した構成を備えるアレイ基板AR及びカラーフィルタ基板CFがシール
材(図示は省略)を介して貼り合わされ、最後にこの両基板とシール材とによって囲まれ
た領域に液晶1014が封入されることにより、半透過型液晶表示装置1000を得るこ
とができる。なお、透明基板1002の下方には、図示は省略の周知の光源、導光板、拡
散シート等を有するバックライトないしはサイドライトが配置される。
この場合、反射板1024を画素電極1026の下部全体に亘って設けると反射型液
晶表示パネルが得られるが、この反射型液晶表示パネルを使用した反射型液晶表示装置の
場合は、バックライトないしはサイドライトに代えて、フロントライトが使用される。
図10は、光センサ20における光検出回路21の模式断面図である。この図10に示
すように、透明基板1002上には、光検出回路21を構成するTFTである光検出用ト
ランジスタ21aと、コンデンサ21bと、同じくTFTであるスイッチ21cとが形成
されている。透明基板1002上に、光検出用トランジスタ21aのゲート部50と、コ
ンデンサ21bの1つの電極51と、スイッチ21cであるTFTのゲート部52とが形
成されている。ゲート部50と電極51とゲート部52とを覆ってゲート絶縁膜53が積
層されている。
ゲート絶縁膜53上において、ゲート部50の上方には半導体層54が形成されてお
り、ゲート部52の上方には半導体層55が形成されている。ゲート絶縁膜53には、半
導体層54のドレイン部56と接続された導電膜57と、ソース部58及び半導体層55
のドレイン部59と接続された導電膜60と、ソース部61と接続された導電膜62とが
形成されている。導電膜60は、電極51上の領域でコンデンサ21bの1つの電極63
を構成する。これらの導電膜57、60、62を覆って、保護絶縁膜64が積層されてい
る。
スイッチ21cの半導体層55を平面的に覆うように、保護絶縁膜64上にブラックマ
トリクス65が形成されている。
上記の光検出回路21は、表示領域DAと同一基板上に形成されており、アレイ基板
ARと製造プロセスの一部を共通化することができる。例えば、光検出回路21のゲート
絶縁膜53とアレイ基板ARのゲート絶縁膜1018、光検出回路21のゲート絶縁膜6
4とアレイ基板ARのゲート絶縁膜1020、光検出回路21の導電膜57、60、62
とアレイ基板ARのソース電極S、ドレイン電極D、及び光検出回路21の半導体層54
、55とアレイ基板ARの半導体層1019などである。
なお、図10では図示を省略しているが、光検出回路21上には減光フィルム22が
敷設されている。また、本実施形態では、別途製造された減光フィルム22を光検出回路
21上に敷設する構成を例示して説明したが、アレイ基板ARの製造工程において、照射
光の積算光量の増加に伴って透過率が上昇する光学特性を有するような薄膜層を光検出回
路21上に成膜することで減光手段を直接形成しても良い。また、このような減光手段と
して使用する薄膜層をカラーフィルタ基板CF側に形成しても良い。
以上のような第1実施形態に係る光検出装置10を備える液晶表示装置1000によ
ると、液晶表示装置1000に入射する光量に応じて正確にバックライトの光量を制御す
ることが可能となり、表示品質の向上を図ることが可能となる。具体的には、日中の自然
光のように環境光が明るい場合には、バックライトの光量が大きくなるように制御し、一
方、夜間での使用などのように暗い環境下で使用する場合には、バックライトの光量が低
くなるように制御する。これにより、使用環境下に応じた適切な発光量でもって画像表示
を行うことができる。
なお、上記実施形態では、光検出装置10を備える電気光学装置として液晶表示装置1
000を例示して説明したが、本発明はこれに限定されず、有機ELを電気光学材料とし
て用いる有機ELディスプレイ、極性が相違する領域ごとに異なる色に塗り分けられたツ
イストボールを電気光学材料として用いるツイストボールディスプレイ、黒色トナーを電
気光学材料として用いるトナーディスプレイ、ヘリウムやネオンなどの高圧ガスを電気光
学材料として用いるプラズマディスプレイなどに適用することができる。
〔第2実施形態〕
<光センサ及び光検出装置>
図11は、第2実施形態に係る光センサを備える光検出装置の構成概略図である。この
図11に示すように、第2実施形態に係る光検出装置100は、光センサ110、電圧供
給部140及び信号処理部150を備えている。
光センサ110は、第1の光検出部120及び第2の光検出部130を備えている。第
1の光検出部120は、第1の光検出用トランジスタ(第1の光検出素子)121a、第
1のコンデンサ121b及び第1のスイッチ121cから構成される第1の光検出回路1
21と、第1の減光フィルム(第1の減光手段)122とを備えている。
第1の光検出用トランジスタ121aは、例えばアモルファスシリコンTFTであると
共にNチャネル型MOSトランジスタであり、ソース端子が基準電位線Lcomと接続さ
れ、ゲート端子がゲート電圧線Lgと接続され、ドレイン端子が第1のコンデンサ121
bの一方の電極と接続されている。第1のコンデンサ121bの一方の電極は第1の光検
出用トランジスタ121aのドレイン端子と接続されていると共に第1の出力信号線Lo
ut1を介して信号処理部150(詳細にはセンサ出力値生成部151)の第1の入力端
子と接続され、他方の電極は基準電位線Lcomと接続されている。第1のスイッチ12
1cは、信号処理部150(詳細にはセンサ出力値生成部151)による制御の下、第1
の光検出用トランジスタ121aのドレイン端子(第1のコンデンサ121bの一方の電
極)と駆動電圧線Laとの接続/非接続を切り替える。
第1の減光フィルム122は、第1の光検出用トランジスタ121aの受光面側に配置
されていると共に、第1の光検出用トランジスタ121aへの照射光を減光するためのフ
ィルムであり、第1実施形態と同様に、照射光の積算光量の増加に伴って透過率が上昇す
る光学特性を有している。
一方、第2の光検出部130は、第2の光検出用トランジスタ(第2の光検出素子)1
31a、第2のコンデンサ131b及び第2のスイッチ131cから構成される第2の光
検出回路131と、第2の減光フィルム(第2の減光手段)132と、減光用カラーフィ
ルタ(副減光手段)133とを備えている。
図11では、入射光に対して減光用カラーフィルタ133、第2の減光フィルム132
の順に敷設されているが、配置する構成によっては、逆の順序になっても良い。
第2の光検出用トランジスタ131aは、例えばアモルファスシリコンTFTであると
共にNチャネル型MOSトランジスタであり、ソース端子が基準電位線Lcomと接続さ
れ、ゲート端子がゲート電圧線Lgと接続され、ドレイン端子が第2のコンデンサ131
bの一方の電極と接続されている。なお、第2の光検出用トランジスタ131aは第1の
光検出用トランジスタ121aと隣接して配置されていると共に同一プロセスで形成され
たものである。つまり、第1及び第2の光検出用トランジスタ121a、131aは同一
の電気的特性(光電流特性等)を有している。
第2のコンデンサ131bの一方の電極は第2の光検出用トランジスタ131aのドレ
イン端子と接続されていると共に第2の出力信号線Lout2を介して信号処理部150
(詳細にはセンサ出力値生成部151)の第2の入力端子と接続され、他方の電極は基準
電位線Lcomと接続されている。第2のスイッチ131cは、信号処理部150(詳細
にはセンサ出力値生成部151)による制御の下、第2の光検出用トランジスタ131a
のドレイン端子(第2のコンデンサ131bの一方の電極)と駆動電圧線Laとの接続/
非接続を切り替える。
第2の減光フィルム132は、第2の光検出用トランジスタ131aの受光面側に配置
されていると共に、第2の光検出用トランジスタ131aへの照射光を減光するためのフ
ィルムであり、第1の減光フィルム122と同一特性、つまり照射光の積算光量の増加に
伴って透過率が上昇する光学特性を有している。減光用カラーフィルタ133は、第2の
減光フィルム132と重なるように配置されていると共に、積算光量と無関係に透過率が
一定である光学特性を有するフィルタである。
電圧供給部140は、駆動電圧線Laに第1及び第2のコンデンサ121b、131b
を充電させるための駆動電圧Vaを供給し、ゲート電圧線Lgに第1及び第2の光検出用
トランジスタ121a、131aをオフ状態にするためのゲート電圧Vgを供給し、基準
電位線Lcomに基準電位VSS(本実施形態ではグランドレベル)を供給する。
信号処理部150は、センサ出力値生成部151、補正系数演算部152、光劣化率演
算部153、補正処理部154及びメモリ回路155を備えている。センサ出力値生成部
151は、照射光量の検出開始時において、第1及び第2のスイッチ121c、131c
を制御して第1及び第2の光検出用トランジスタ121a、131aのドレイン端子と駆
動電圧線Laとを接続し、第1及び第2のコンデンサ121b、131bが満充電状態と
なる時間の経過後に第1及び第2のスイッチ121c、131cを制御して第1及び第2
の光検出用トランジスタ121a、131aのドレイン端子と駆動電圧線Laとを非接続
とし、第1のコンデンサ121bの電圧が所定の電圧に低下するまでの時定数τ1を第1
のセンサ出力値として計測する一方、第2のコンデンサ131bの電圧が所定の電圧に低
下するまでの時定数τ2を第2のセンサ出力値として計測する。なお、第1及び第2のス
イッチ121c、131cの制御は、第1及び第2のスイッチ121c、131cと時定
数計測部151とを接続する制御線Lcに制御信号を出力することにより行われている。
また、このセンサ出力値生成部151は、時定数と光電流との相関関係に基づいて、時
定数τ1を第1の光電流値Iaに換算すると共に、時定数τ2を第2の光電流値Ibに換
算し、第1及び第2の光電流値Ia、Ibを補正係数演算部152に出力すると共に、第
2の光電流値Ibを補正処理部154に出力する。
補正係数演算部152は、第1の光電流値Iaと第2の光電流値Ibとの比率である測
定比率を算出し、この算出結果の測定比率と、予めメモリ回路155に記憶されている初
期状態の測定比率である初期比率との比率を光劣化補正係数Kとして算出し、この算出し
た光劣化補正係数Kを光劣化率演算部153に出力する。
光劣化率演算部153は、予めメモリ回路155に記憶されている、第2の光電流値I
bと初期状態の第2の光電流値との比率である光劣化率Dと光劣化補正係数Kとの対応関
係を表すルックアップテーブルを参照して、補正係数演算部152にて算出された光劣化
補正係数Kに対応する光劣化率Dを取得し、この取得した光劣化率Dを補正処理部154
に出力する。
補正処理部154は、光劣化率演算部153にて取得された光劣化率Dに基づいて、
センサ出力値生成部151から入力される第2の光電流値Ibを補正し、補正後の第2の
光電流値Ibを光量検出結果Sとして外部に出力する。メモリ回路155は、例えばフラ
ッシュメモリであり、初期状態の測定比率である初期比率や、光劣化率Dと光劣化補正係
数Kとの対応関係を表すルックアップテーブルを予め記憶している。
なお、上記のような信号処理部150も第1実施形態と同様に、ASIC等のデジタル
演算処理回路によって構成することができる。
続いて、上記のように構成された第2実施形態に係る光検出装置100の動作について
説明する前に、光検出装置100におけるセンサ出力値(本実施形態では時定数τ2の換
算値である第2の光電流値Ib)の補正原理について説明する。なお、以下の補正原理の
説明では、便宜上、第1及び第2の減光フィルム122、132による減光は考慮せず、
減光用カラーフィルタ133による減光のみを考慮して説明する。
図12は、入射光量Lに対する光電流Iの関数を示す図である。図12には、入射光量
Lの関数である第1の光電流値Ia(L)と、第2の光電流値Ib(L)とが示されてお
り、これらから光劣化前(初期状態)の第1の光電流値Ia(L)と第2の光電流値Ib
(L)との比率である初期比率を求めることができる。
光電流は入射光量Lに比例して増加するので、第1の光検出部120における初期感
度をXa0、第2の光検出部130における初期感度をXb0とすると、第1の光検出部
120のセンサ出力値である第1の光電流値Ia(L)、第2の光検出部130のセンサ
出力値である第2の光電流値Ib(L)は以下のように表される。
Ia(L)=Xa0・L
Ib(L)=Xb0・L
従って、ある光量L0が入射光として入射された場合には、第2の光検出部130に
おける減光入射光の光量はL0/n(nは減光用カラーフィルタ133の透過率の逆数:
n>1)となるので、光量L0に対する第1の光電流値Ia(L0)、第2の光電流値I
b(L0/n)は以下のように表される。
Ia(L0)=Xa0・L0
Ib(L0/n)=Xb0・(L0/n)
これにより、初期比率は、Ia(L0)/Ib(L0/n)=n・(Xa0/Xb0
)となる。この初期比率は入射光量L0に依らず初期感度Xa0、Xb0とnとの関数と
なり、任意の入射光量Lにおける測定比率を初期比率とすることができる。このような初
期比率がメモリ回路155に予め記憶されている。
一方、図13は、劣化後の入射光量Lに対する光電流Iの関数を示す図である。図1
3では、初期状態の第1の光電流値Ia(L)及び第2の光電流値Ib(L)を破線で示
し、劣化後の第1の光電流値Iaa(L)及び第2の光電流値Ibb(L)を実線で示し
ている。
第1及び第2の光検出用トランジスタ121a、131aは、光曝露により劣化して
光感度が低下することにより、初期状態に対して光電流が低下する。このような光感度の
低下は、初期状態から照射された光量の累計である積算光量pの関数R(p)(<1)に
よって求めることができる。ある時間経過後の第1の光検出部120における積算光量を
pとすると、第2の光検出部130における積算光量はp/nである。したがって、積算
光量pの光曝露を受けた後の第1の光検出部120(第1の光検出用トランジスタ121
a)の感度をXa1、積算光量P/nの光曝露を受けた後の第2の光検出部130(第2
の光検出用トランジスタ131a)の感度をXb1とすると、
Xa1=R(p)・Xa0
Xb1=R(p/n)・Xb0と表すことができる。
これにより、劣化後の第1の光電流値Iaa(L)及び第2の光電流値Ibb(L)
は以下のように表される。
Iaa(L)=Xa1・L=R(p)・Xa0・L
Ibb(L)=Xb1・L=R(p/n)・Xb0・L
第1の光検出部120は、減光用カラーフィルタ133を有していないので、第2の
光検出部130よりも積算光量が多くなる。このため、第2の光検出用トランジスタ13
1aより第1の光検出用トランジスタ121aの方が光劣化の進行が速く、第1の光電流
値Iaa(L)の減少幅の方が大きくなる。
従って、ある光量L1が入射光として入射された場合には、第2の光検出部130に
おける減光入射光の光量はL1/nとなるので、劣化後の光量L1における第1の光電流
値Iaa(L1)及び第2の光電流値Ibb(L1/n)は以下のように表される。
Iaa(L1)=Xa1・L1=R(p)・Xa0・L1
Ibb(L1/n)=Xb1・(L1/n)=R(p/n)・Xb0・(L1/n

これにより、補正係数演算部152にて算出される測定比率は、Iaa(L1)/I
bb(L1/n)=n・(R(p)/R(p/n))・(Xa0/Xb0)となる。この
測定比率は入射光量L1に依存しないので、任意の入射光量Lで求めても同一の測定比率
を得ることができる。
このようにして求められた初期比率(メモリ回路155に記憶されている初期比率)
と劣化後の測定比率(補正係数演算部152にて算出される測定比率)とから、光劣化補
正係数K=(Iaa(L1)/Ibb(L1/n))/(Ia(L0)/Ib(L0/n
))=R(p)/R(p/n)となり、積算光量pの関数として導出される。
この光劣化補正係数Kにより、第1及び第2の光検出用トランジスタ121a、13
1aの光劣化の進行度を知ることができる。
次に、光劣化率Dについて説明する。光劣化率Dは、ある光量L1/nが減光入射光
として入射された場合に測定された第2の光電流値Ibb(L1/n)と初期状態の第2
の光電流値Ib(L1/n)との比率でありD=Ibb(L1/n)/Ib(L1/n)
=R(p/n)と表される。この値は入射光量に依らず劣化状態により決まる値である。
この光劣化率Dは上述した光劣化補正係数Kと対応しており、予めこの対応関係を求めて
おくことによって、光劣化補正係数Kから光劣化率Dを求めることができる。メモリ回路
155には、このような光劣化率Dと光劣化補正係数Kとの対応関係を表すルックアップ
テーブルが予め記憶されている。
図14に、光劣化率Dと光劣化補正係数Kとの対応関係の一例を示す。図14では、横
軸は光劣化補正係数Kを示し、縦軸は光劣化率Dを示している。劣化が進行すると、光劣
化補正係数K及び光劣化率Dは低下する。そして、光劣化率Dの低下幅は、光劣化補正係
数Kが低下するにつれて大きくなる。ところが、光劣化補正係数Kがおよそ0.6以下に
なると、光劣化率Dは一定の値を示すようになる。これは、ある程度劣化が進行すると第
2の光電流値Ibbが変化しなくなることを示している。
そして図14に示した関数曲線400は、測定データに基づいた光劣化補正係数Kを
変数とする光劣化率Dの関数である。この関数を実現する回路を光劣化率演算部153内
で構成することができれば、ある光劣化補正係数Kに対応する光劣化率Dを演算すること
が可能である。しかし、このような不規則な関数を回路構成によって実現しようとすれば
、回路構成が複雑になる。そこで本実施形態では、関数曲線400に基づいた光劣化補正
係数Kと光劣化率Dとを対応させたルックアップテーブルを作成し、メモリ回路155に
記憶させている。これにより、光劣化率Dの演算に必要な複雑な回路を必要としないので
、回路規模を縮小することができる。
なお、メモリ回路155に記憶するルックアップテーブルのデータ量を縮小する場合
には、例えば光劣化補正係数Kの値を0.2刻みのルックアップテーブルを記憶させれば
よい。そして、光劣化補正係数Kの値がルックアップテーブルに含まれない場合には、隣
接するデータを用いて補間演算を行なうことによって、ルックアップテーブルに含まれな
い場合でも、光劣化補正係数Kから光劣化率Dを導出することができる。
例えば、ある光劣化補正係数Kの値を挟んだ2つの光劣化補正係数Kの値に対応する
点を図14の関数曲線400から選択し、これらの点を直線で結ぶことでルックアップテ
ーブルに含まれない光劣化補正係数Kに対応する光劣化率Dを規定する。具体的には、光
劣化補正係数Kの値が0.3であるときには、光劣化補正係数Kが0.2と0.4とに対
応する光劣化率Dの平均値によって光劣化率Dを導出することができる。
このように光劣化補正係数Kから求めた光劣化率Dを用いて、測定された第2の光電流
値Ibb(L1/n)を除算することにより、Ibb(L1/n)/D=Ib(L1/n
)となり、光劣化の無い初期状態の第2の光電流Ib(L1/n)と同等のセンサ出力値
が得られることになる。すなわち、センサ出力値生成部151にて得られる第2の光電流
値Ibを光劣化率Dで除算することで、第2の光電流値Ibを光劣化の無い初期状態と同
等の値に補正することが可能となる。
以上が光検出装置100におけるセンサ出力値(本実施形態では時定数τ2の換算値で
ある第2の光電流値Ib)の補正原理であるが、本実施形態では、さらに第1及び第2の
減光フィルム122、132が設けられている点に注意されたい。このような第1及び第
2の減光フィルム122、132を設けることにより、第1実施形態と同様の効果(つま
り光劣化による第1及び第2の光検出用トランジスタ121a、131aの光電流の低下
を抑制して光量検出精度の低下を抑制できるという効果)と、上記の補正原理による効果
(光劣化率Dによりセンサ出力値を補正することで光量検出精度の低下を抑制できるとい
う効果)との相乗効果を得ることができ、第1実施形態と比較して、より正確な光量検出
結果を得ることが可能となる。
以下、上記のような補正原理を前提として、第2実施形態に係る光検出装置100の動
作について説明する。図15は、光検出装置100の動作を表すフローチャートである。
なお、光検出装置100の電源投入時以降、電源供給部140は、駆動電圧線Laに駆動
電圧Va(例えば2V)を供給し、ゲート電圧線Lgにゲート電圧Vg(例えば−3V〜
−5Vの範囲内の電圧値)を供給している。
図15に示すように、まず、信号処理部150におけるセンサ出力値生成部151は、
内部タイマを監視することにより、照射光量の検出開始タイミングが到来したか否かを判
定する(ステップS10)。このステップS10において、照射光量の検出開始タイミン
グが到来した場合(「Yes」)、センサ出力値生成部151は、第1及び第2のスイッ
チ121c、131cを制御して第1及び第2の光検出用トランジスタ121a、131
aのドレイン端子と駆動電圧線Laとを接続する(ステップS11)。これにより、第1
及び第2のコンデンサ121b、131bが駆動電圧Vaによって充電されることになる
続いて、センサ出力値生成部151は、予め設定されている第1及び第2のコンデンサ
121b、131bが満充電状態となる時間の経過後に、第1及び第2のスイッチ121
c、131cを制御して第1及び第2の光検出用トランジスタ121a、131aのドレ
イン端子と駆動信号線Laとを非接続とし(ステップS12)、この切り替えタイミング
に同期して、第1のコンデンサ121bの電圧(Va)が所定の電圧(例えば0.7V)
に低下するまでの時定数τ1を計測する一方、第2のコンデンサ131bの電圧(Va)
が所定の電圧(例えば0.7V)に低下するまでの時定数τ2を計測する。(ステップS
13)。
そして、センサ出力値生成部151は、時定数と光電流との相関関係に基づいて、時定
数τ1を第1の光電流値Iaに換算すると共に、時定数τ2を第2の光電流値Ibに換算
し、第1及び第2の光電流値Ia、Ibを補正係数演算部152に出力すると共に、第2
の光電流値Ibを補正処理部154に出力する(ステップS14)。
続いて、補正係数演算部152は、第1の光電流値Iaと第2の光電流値Ibとの比率
である測定比率を算出し(ステップS15)、メモリ回路155から初期比率を読み出し
て、ステップS15の算出結果である測定比率と初期比率との比率を光劣化補正係数Kと
して算出し、この算出した光劣化補正係数Kを光劣化率演算部153に出力する(ステッ
プS16)。
続いて、光劣化率演算部153は、図14に示すようなメモリ回路155に記憶されて
いる光劣化率Dと光劣化補正係数Kとの対応関係を表すルックアップテーブルを参照して
、補正係数演算部152にて算出された光劣化補正係数Kに対応する光劣化率Dを取得し
、この取得した光劣化率Dを補正処理部154に出力する(ステップS17)。
そして、補正処理部154は、センサ出力値生成部151から入力される第2の光電
流値Ibを光劣化率演算部153にて取得された光劣化率Dで除算することにより、第2
の光電流値Ibを補正し(ステップS18)、補正後の第2の光電流値Ibを光量検出結
果Sとして外部に出力する(ステップS19)。以降は、上記のようなステップS10〜
S19が繰り返されることにより、照射光量の検出開始タイミングが到来する毎に、時定
数の計測、光電流値への換算、測定比率の算出、光劣化補正系数Kの算出、光劣化率Dの
取得、センサ出力値(第2の光電流値Ib)の補正という一連の処理が行われて、高精度
な光量検出結果が外部に出力されることになる。
以上のように、第2実施形態に係る光検出装置100によれば、第1及び第2の減光フ
ィルム122、132を設けたことによる光電流の低下の抑制のみならず、信号処理によ
るセンサ出力値の補正を行うことにより、第1実施形態よりも正確な光量検出結果を得る
ことが可能となる。
また、第2実施形態に係る光検出装置100によって得られる副次的な効果として、第
1の光検出回路121と第2の光検出回路131との製造プロセスと共通化することがで
き、その結果、光センサ110を簡便な工程で製造することが可能となり、製造コストの
低減に寄与し、さらに、メモリ回路155にルックアップテーブルを記憶させることによ
って、光劣化率Dの演算に係る複雑な回路構成が不要になるので、消費電力を抑え回路面
積を低減し、製造コストを抑えることができるという効果が挙げられる。また、演算され
た光劣化補正係数Kがルックアップテーブルに含まれない場合には、この光劣化補正係数
Kを挟んだ2つの光劣化補正係数Kに対応した光劣化率Dによる補間計算を行なうことに
よって、光劣化率Dを導出することが可能となる。これにより、ルックアップテーブルを
縮小してデータ量を抑えることができる。
なお、上記実施形態では、光劣化率Dによって補正するセンサ出力値を第2の光電流値
Ibとしたが、第1の光電流値Iaを補正の対象としても良い。この場合には、光劣化補
正係数Kと第1の光検出部120における測定した第1の光電流値Iaa(L)と初期状
態における第1の光電流値Ia(L)との比率である光劣化率Daとを対応させるルック
アップテーブルをメモリ回路155に記憶させればよい。この光劣化率Daを用いて第1
の光電流値Iaを除算することにより、光劣化の無い初期状態と同等の値を有する第1の
光電流Iaに補正することができる。
また、上記実施形態では、時定数τ1、τ2を光電流値に換算してから各種の演算処理
を行ったが、時定数τ1、τ2と光電流値とは相関関係にあるため、時定数τ1、τ2を
用いて測定比率の算出、光劣化補正系数Kの算出、光劣化率Dの取得、センサ出力値(時
定数τ1またはτ2)の補正を行うようにしても良い。この場合、メモリ回路155に記
憶する初期比率や、光劣化率Dと光劣化補正係数Kとの対応関係を表すルックアップテー
ブルを時定数用に変更することは勿論である。
<電気光学装置>
次に、第2実施形態に係る光検出装置100を備えた電気光学装置について説明する。
なお、以下では第2実施形態に係る電気光学装置として、第1実施形態と同様に、半透過
型の液晶表示装置を例示して説明するが、第1実施形態と比較してアレイ基板AR上にお
ける光センサ110の形成状態が異なるだけであるので、この異なる部分のみを中心に説
明する。
図16は、第2実施形態に係る液晶表示装置1000’の平面図であり、対向基板であ
るカラーフィルタ基板を透視してアレイ基板を主に図示したものである。また、図16に
おいて、図7と同様の構成要素には同一符号を付し、説明を省略する。この図16に示す
ように、第2実施形態に係る液晶表示装置1000’では、アレイ基板AR上の表示領域
DA以外の領域である一方の短辺1002a側の領域に、光検出装置100における光セ
ンサ110を構成する第1の光検出部120及び第2の光検出部130が形成されている
第1の光検出部120において、第1の光検出回路121はアレイ基板AR上に形成さ
れているが、第1の減光フィルム122(図中の斜線部分)は第1の光検出回路121上
に(第1の光検出用トランジスタ121aの受光面側に)敷設されている(貼り合わされ
ている)。また、第2の光検出部130において、第2の光検出回路131はアレイ基板
AR上に形成されているが、第2の減光フィルム132は第2の光検出回路131上に(
第2の光検出用トランジスタ131aの受光面側に)敷設されている。なお、第2の光検
出部130における減光用カラーフィルタ133は第2の光検出回路131上に成膜形成
されている。
また、アレイ基板AR上の表示領域DA以外の領域である一方の長辺1002d側の領
域には、図11に示したゲート電圧線Lg、駆動電圧線La、基準電位線Lcom、出力
信号線Lout及び制御線Lcから成る引き回し線群LTが形成されている。引き回し線
群LTは、短辺1002b側においてFPCケーブル200を介して外部回路として設け
られた電圧供給部140及び信号処理部150と接続されている。
このように、アレイ基板AR上に形成された光センサ110と、外部回路として設けら
れた電圧供給部140及び信号処理部150とによって光検出装置100が構成されてい
る。なお、光センサ110における第1及び第2の光検出用トランジスタ121a、13
1aと第1及び第2のスイッチ121c、131cは、表示領域DA内のスイッチング素
子TFTと同一プロセスによって形成されたものである。
また、信号処理部150の出力信号(つまり光量検出結果)は、外部回路として設けら
れたバックライト制御部300に入力されており、このバックライト制御部300は、信
号処理部150による光量検出結果に基づいて、液晶表示装置1000’に入射する外光
の光量を把握し、この外光の光量に応じて不図示のバックライトの光量を制御する。
図17は、光センサ110における第2の光検出回路131の模式断面図である。なお
、第1の光検出回路121の断面図については、第1実施形態における光検出回路21(
図10参照)と同様なので説明を省略する。この図17に示すように、透明基板1002
上には、第2の光検出回路131を構成する第2の光検出用トランジスタ131a、第2
のコンデンサ131b及び第2のスイッチ131cとが形成されている。透明基板100
2上に、第2の光検出用トランジスタ131aのゲート部203と、第2のコンデンサ1
31bの電極212と、薄膜トランジスタである第2のスイッチ131cのゲート部22
3とが形成されている。ゲート部203と電極212とゲート部223とを覆ってゲート
絶縁膜72が積層されている。
ゲート絶縁膜72上において、ゲート部203の上方には半導体層204が形成され
ており、ゲート部223の上方には半導体層224が形成されている。ゲート絶縁膜72
には、半導体層204のドレイン部202と接続された導電膜273と、ソース部201
及び半導体層224のドレイン部222と接続された導電膜274と、ソース部221と
接続された導電膜275とが形成されている。導電膜274は、電極212上の領域で第
2のコンデンサ131bの電極211を構成する。
これらの導電膜273、274、275を覆って、保護絶縁膜76が積層されている

第2のスイッチ131cの半導体層224を平面的に覆うように、保護絶縁膜76上に
ブラックマトリクス225が形成されている。そして、第2の光検出用トランジスタ13
1aにおいて、保護絶縁膜76上に減光用カラーフィルタ133が形成されている。この
減光用カラーフィルタ133により、第2の光検出回路131(第2の光検出用トランジ
スタ131a)への入射光は、第1の光検出回路121に対して1/n(n>1)に減光
される。
以上のような第2実施形態に係る光検出装置100を備える液晶表示装置1000’
によると、第1実施形態と比較して、液晶表示装置1000’に入射する光量に応じて、
より正確にバックライトの光量を制御することが可能となり、表示品質のさらなる向上を
図ることが可能となる。なお、上記実施形態では、光検出装置100を備える電気光学装
置として液晶表示装置1000’を例示して説明したが、第1実施形態と同様に、本発明
に係る電気光学装置はこれに限定されないことは勿論である。
〔電子機器〕
次に、本実施形態に係る電気光学装置(液晶表示装置1000または1000’)を備
えた電子機器について説明する。なお、本実施形態では電子機器として携帯電話端末を例
示して説明する。図18は、本実施形態に係る携帯電話端末500の外観図である。この
図18に示すように、本実施形態に係る携帯電話端末500は、折り畳み可能に連結され
た第1筐体501と第2筐体502とから構成されており、第1筐体501には表示装置
として上記の液晶表示装置1000または1000’及び音声出力用のスピーカ503が
設けられており、第2筐体502にはテンキーやファンクションキー、電源キー等の各種
キーから成る操作キー504と、音声入力用のマイク505が設けられている。
このように表示装置として液晶表示装置1000または1000’を備える携帯電話端
末500によると、日中の自然光のように環境光が明るい場合には、バックライトの発光
量が大きくなるように制御され、一方、夜間での使用などのように暗い環境下で使用する
場合には、バックライトの発光量が低くなるように制御されるため、使用環境下に応じた
適切な発光量でもって画像表示を行うことができる。
なお、本実施形態に係る電子機器として携帯電話端末500を例示したが、本発明はこ
れに限定されず、PDA(Personal Digital Assistants)やノートパソコン、腕時計等の
携帯端末、その他の表示機能を有する各種の電子機器にも適用することができる。例えば
、表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、電子手帳、
電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイなども含まれる。
本発明の第1実施形態における光検出装置10の構成概略図である。 本発明の第1実施形態における光検出装置10の減光フィルム22の光学特性を表す第1特性図である。 本発明の第1実施形態における光検出装置10の減光フィルム22の光学特性を表す第2特性図である。 本発明の第1実施形態における光検出装置10の動作フローチャートである。 本発明の第1実施形態における光検出装置10の第1動作説明図である。 本発明の第1実施形態における光検出装置10の第2動作説明図である。 本発明の第1実施形態における液晶表示装置(電気光学装置)1000の第1説明図である。 本発明の第1実施形態における液晶表示装置1000の第2説明図である。 本発明の第1実施形態における液晶表示装置1000の第3説明図である。 本発明の第1実施形態における液晶表示装置1000の第4説明図である。 本発明の第2実施形態における光検出装置100の構成概略図である。 本発明の第2実施形態における光検出装置100の光劣化補正原理に関する第1説明図である。 本発明の第2実施形態でおける光検出装置100の光劣化補正原理に関する第2説明図である。 本発明の第2実施形態でおける光検出装置100の光劣化補正原理に関する第3説明図である。 本発明の第2実施形態における光検出装置100の動作フローチャートである。 本発明の第2実施形態における液晶表示装置(電気光学装置)1000’の第1説明図である。 本発明の第2実施形態における液晶表示装置1000’の第2説明図である。 本発明の一実施形態における携帯電話端末(電子機器)500の外観図である。
符号の説明
10、100…光検出装置、20、110…光センサ、21…光検出回路、21a…光検
出用トランジスタ、21b…コンデンサ、21c…スイッチ、22…減光フィルム、12
1…第1の光検出回路、121a…第1の光検出用トランジスタ、121b…第1のコン
デンサ、121c…第1のスイッチ、122…第1の減光フィルム、131…第2の光検
出回路、131a…第2の光検出用トランジスタ、131b…第2のコンデンサ、131
c…第2のスイッチ、132…第2の減光フィルム、133…減光用カラーフィルタ、3
0、140…電圧供給部、40、150…信号処理部、151…センサ出力値生成部、1
52…補正係数演算部、153…光劣化率演算部、154…補正処理部、155…メモリ
回路、1000、1000’…液晶表示装置、300…バックライト制御部、500…携
帯電話端末

Claims (10)

  1. 少なくとも光検出素子を有し当該光検出素子に対する照射光量に応じた信号を出力する
    光センサであって、
    前記光検出素子の受光面側に配置されていると共に、前記光検出素子への照射光を減光
    する減光手段を備え、
    前記減光手段は、前記照射光の積算光量の増加に伴って透過率が上昇する光学特性を有
    することを特徴とする光センサ。
  2. 前記減光手段は、前記光学特性を有し前記光検出素子の受光面側に敷設されたフィルム
    であることを特徴とする請求項1記載の光センサ。
  3. 前記減光手段は、前記光学特性を有するように前記光検出素子の受光面側に成膜された
    薄膜層であることを特徴とする請求項1記載の光センサ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光センサと、
    前記光センサの出力信号を基に照射光量に関するセンサ出力値を生成する信号処理部と

    を備えることを特徴とする光検出装置。
  5. 前記光センサは、
    少なくとも第1の前記光検出素子と当該第1の光検出素子の受光面側に配置された第1
    の前記減光手段とを有し前記第1の光検出素子に対する照射光量に応じた第1の出力信号
    を出力する第1の光検出部と、
    少なくとも第2の前記光検出素子と当該第2の光検出素子の受光面側に配置された第2
    の前記減光手段とを有し前記第2の光検出素子に対する照射光量に応じた第2の出力信号
    を出力する第2の光検出部と、
    前記第1の減光手段または前記第2の減光手段のいずれか一方と重なるように配置され
    ていると共に、積算光量と無関係に透過率が一定である光学特性を有する副減光手段と、
    を有し、
    前記信号処理部は、
    前記第1の光検出部の第1の出力信号を基に照射光量に関する第1のセンサ出力値を生
    成すると共に、前記第2の光検出部の第2の出力信号を基に照射光量に関する第2のセン
    サ出力値を生成するセンサ出力値生成部と、
    前記第1のセンサ出力値と前記第2のセンサ出力値との比率である測定比率を演算し、
    前記測定比率と、予め測定された初期状態の前記測定比率である初期比率との比率である
    光劣化補正係数を演算する補正係数演算部と、
    前記光劣化補正係数に基づいて、前記第1又は第2のセンサ出力値の光劣化率を導出
    する光劣化率演算部と、
    前記光劣化率に基づいて前記第1又は第2のセンサ出力値を補正する補正処理部と、
    を有することを特徴とする請求項4記載の光検出装置。
  6. 前記光劣化率演算部は、前記光劣化補正係数と前記光劣化率との対応関係を表すルッ
    クアップテーブルを備えていることを特徴とする請求項5記載の光検出装置。
  7. 前記光劣化率演算部は、前記光劣化補正係数が前記ルックアップテーブルに含まれな
    い場合に、前記ルックアップテーブル上の前記光劣化補正係数を用いた補間計算により前
    記光劣化率を導出することを特徴とする請求項6記載の光検出装置。
  8. 表示領域にスイッチング素子を有する複数の画素、走査線及びデータ線が形成された基
    板と、当該基板と対となる対向基板と、前記基板と前記対向基板との間に狭持された電気
    光学材料とを備える電気光学装置であって、
    請求項4〜7のいずれか一項に記載の光検出装置を備え、
    少なくとも前記光検出装置における前記光センサは、前記基板上の表示領域以外の領域
    に設けられており、
    前記光検出素子は、前記スイッチング素子と同一プロセスにより前記基板上に形成され
    ている、
    ことを特徴とする電気光学装置。
  9. 前記電気光学材料は液晶であり、
    バックライトと、
    前記光検出装置における前記信号処理部から得られるセンサ出力値を基に前記バックラ
    イトの光量を制御するバックライト制御部と、
    を備えることを特徴とする請求項8記載の電気光学装置。
  10. 請求項8または9に記載の電気光学装置を表示装置として備えることを特徴とする電子
    機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112771851A (zh) * 2018-10-04 2021-05-07 索尼公司 图像处理装置、图像处理方法和程序
WO2023238849A1 (ja) * 2022-06-09 2023-12-14 能美防災株式会社 煙検知装置

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