JP2009245624A - 燃料電池用セパレータおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易かつ確実に、セパレータの酸化剤極集電体が当接する範囲に、高温耐酸化層を形成することなく銀メッキを施し、かつその他の部分には上記高温耐酸化層を形成することができる燃料電池用セパレータおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】3枚以上の平板36a〜36eが接合・一体化されてなり、かつ酸化剤極集電体7側の面は、少なくとも酸化剤極集電体7Aが当接する範囲の平板36a、36bが取り除かれることにより酸化剤極集電体7が緩挿される段部38が形成されるとともに、段部38の外方の表面には、高温耐酸化層が形成され、かつ段部38内の表面には、当該高温耐酸化層が形成されることなく銀メッキ層39が形成されてなる。
【選択図】図5
【解決手段】3枚以上の平板36a〜36eが接合・一体化されてなり、かつ酸化剤極集電体7側の面は、少なくとも酸化剤極集電体7Aが当接する範囲の平板36a、36bが取り除かれることにより酸化剤極集電体7が緩挿される段部38が形成されるとともに、段部38の外方の表面には、高温耐酸化層が形成され、かつ段部38内の表面には、当該高温耐酸化層が形成されることなく銀メッキ層39が形成されてなる。
【選択図】図5
Description
本発明は、発電セルと、当該発電セルの両面に各々燃料極集電体および酸化剤極集電体を間に介して配されたセパレータとが積層状に組み立てられた平板積層型燃料電池における上記セパレータおよび当該セパレータの製造方法に関するものである。
近年、高効率でクリーンな発電装置として燃料電池が注目されており、特に固体酸化物形燃料電池は、第3世代の発電用燃料電池として研究開発が進められている。
この固体酸化物形燃料電池は、酸化物イオン導電体から成り、両面に各々燃料極層および酸化剤極層が形成された発電セルと、この発電セルを間に挟んで配設された燃料極集電体および酸化剤極集電体と、これら燃料極集電体と酸化剤極集電体の外側に配設されたセパレータとを備えた単セルが、複数積層されたものである。
この固体酸化物形燃料電池は、酸化物イオン導電体から成り、両面に各々燃料極層および酸化剤極層が形成された発電セルと、この発電セルを間に挟んで配設された燃料極集電体および酸化剤極集電体と、これら燃料極集電体と酸化剤極集電体の外側に配設されたセパレータとを備えた単セルが、複数積層されたものである。
図7〜図9は、本発明者等が先に開発したこの種の燃料電池を示すものである。
図7において、この燃料電池は、固体電解質層2の一方の面に燃料極層3が配置されるとともに他方の面に空気極層(酸化剤極層)4が配置された発電セル5と、この発電セル5の燃料極3側に配設された燃料極集電体6および空気極層4側に配設された空気極集電体(酸化剤極集電体)7と、これら燃料極集電体6と空気極集電体7の外側に配設されて各々燃料極集電体6または空気極集電体7に燃料ガスまたは空気(酸化剤ガス)を供給する燃料ガス流路10aおよび空気流路(酸化剤ガス流路)10bが形成されたセパレータ9とを順番に積層したもので、この燃料電池1においては、発電セル5の外周部にガス漏れ防止シールを敢えて設けないシールレス構造が採用されている。
図7において、この燃料電池は、固体電解質層2の一方の面に燃料極層3が配置されるとともに他方の面に空気極層(酸化剤極層)4が配置された発電セル5と、この発電セル5の燃料極3側に配設された燃料極集電体6および空気極層4側に配設された空気極集電体(酸化剤極集電体)7と、これら燃料極集電体6と空気極集電体7の外側に配設されて各々燃料極集電体6または空気極集電体7に燃料ガスまたは空気(酸化剤ガス)を供給する燃料ガス流路10aおよび空気流路(酸化剤ガス流路)10bが形成されたセパレータ9とを順番に積層したもので、この燃料電池1においては、発電セル5の外周部にガス漏れ防止シールを敢えて設けないシールレス構造が採用されている。
ここで、固体電解質層2は、イットリアを添加した安定化ジルコニア(YSZ)等で構成され、燃料極層3は、Ni等の金属、あるいはNi−YSZ等のサーメットで構成されるとともに、空気極層4は、LaMnO3、LaCoO3等で構成されている。また、燃料極集電体6は、Ni等のスポンジ状の多孔質焼結金属板で構成され、他方、空気極集電体7は、Ag等のスポンジ状の多孔質焼結金属板で構成されており、これら集電体6、7は、集電機能、ガス透過機能、ガス拡散機能、クッション機能、熱膨脹差吸収機能等を兼ね備えている。
また、セパレータ9は、発電セル5間を電気的に接続するとともに、発電セル5に対して燃料ガスおよび空気を供給する機能を有している。
このセパレータ9は、図8および図9に示すように、発電セル5よりも大きな面積に形成されて当該発電セル5を覆うインターコネクト部20と、このインターコネクト部20の一方の対角部20aからインターコネクト部20の外周に沿ってL字状に延在し、他方の対角部20bに至る空気用アーム部21と、インターコネクト部20の対角部20bからインターコネクト部20の外周に沿ってL字状に延在し、対角部20aに至る燃料用アーム部22と、対角部20b側に配設された空気マニホールド23と、対角部20a側に配設された燃料ガスマニホールド24とが一体化されたものである。
このセパレータ9は、図8および図9に示すように、発電セル5よりも大きな面積に形成されて当該発電セル5を覆うインターコネクト部20と、このインターコネクト部20の一方の対角部20aからインターコネクト部20の外周に沿ってL字状に延在し、他方の対角部20bに至る空気用アーム部21と、インターコネクト部20の対角部20bからインターコネクト部20の外周に沿ってL字状に延在し、対角部20aに至る燃料用アーム部22と、対角部20b側に配設された空気マニホールド23と、対角部20a側に配設された燃料ガスマニホールド24とが一体化されたものである。
そして、上記燃料ガス流路10aは、燃料ガスマニホールド24から燃料用アーム部22を介してインターコネクト部20へと形成されるとともに、空気流路10bは、空気マニホールド23から空気用アーム部21を介してインターコネクト部20へと形成されている。
ここで、セパレータ19は、複数枚(図では3枚)の略正方形のステンレス鋼板(平板)12が打ち抜き加工されるとともに、互いに接合一体化されることにより2〜3mmの厚さ寸法の板状に形成されたものである。
そして、空気マニホールド23内および燃料ガスマニホールド24内に形成された空気流路10bおよび燃料ガス流路10aは、図7に示すように、それぞれ積層方向に連通するように形成されている。
そして、空気マニホールド23内および燃料ガスマニホールド24内に形成された空気流路10bおよび燃料ガス流路10aは、図7に示すように、それぞれ積層方向に連通するように形成されている。
また、空気用アーム部21、燃料用アーム部22およびインターコネクト部20における空気流路10bおよび燃料ガス流路10aは、それぞれ3枚の平板12のうちの中間の平板12が打ち抜き加工されることにより形成されている。なお、空気流路10bおよび燃料ガス流路10aは、インターコネクト部20において対角部20a、20bから、互いに交差しないように螺旋状を描いて中心部に延びるように形成され、中心部において燃料ガス流路10aからの吹出口11aが一方の面に形成されるとともに、空気流路10bからの吹出口11bが他方の面に形成されている。
上記構成の固体酸化物形燃料電池においては、燃料用マニホールド24からセパレータ9の燃料ガス流路10aに導入された燃料ガス(H2、CO等)が、セパレータ9の一方の端面の中心部に設けられたガス吐出口11aから燃料極集電体6に向けて吐出されるとともに、空気マニホールド23からセパレータ9の空気流路10bに導入された酸化剤ガス(O2)としての空気が、セパレータ9の他方の端面の中心部に設けられたガス吐出口11bから空気極集電体7に向けて吐出され、その結果、燃料ガスおよび酸化剤ガスが、発電セル5の外周方向に拡散しながら燃料極層3および空気極層4の全面に良好な分布で行き渡り、各電極において600℃〜1000℃の温度雰囲気下で発電反応が行われるようになっている。
特願2007−88403
ところで、上記燃料電池のセパレータ9においては、耐腐食性(高温耐酸化性)をより一層向上させて高温時における電気導電性を担保するために、燃料極集電体6側の表面にNiメッキが、空気極集電体7側の表面に銀メッキが、それぞれ施されている。
しかしながら、上述した高温雰囲気下での運転時に、特に銀メッキ層が形成された空気極集電体7側の表面においては、図8中に斜線で示す空気極集電体7が当接する範囲Aにおいて所望の電気導電性と共に高温耐酸化性が保持されるものの、インターコネクト部20の上記範囲Aから外れた位置の表面や、空気用アーム部21および燃料用アーム部22の表面においては、高温酸化腐食が発生し、この結果、鉄系酸化物が析出することによって生成した粉体が上記セパレータ9の表面に堆積して、上下方向に隣接するセパレータ9間等において短絡を生じるおそれがあった。
そこで、かかる弊害が生じることを未然に防ぐために、予め上記範囲Aの外方の表面に、カロライジング処理等によって高温耐酸化層を形成している。
ところが、上記カロライジング処理は、高温雰囲気下において行う処理であり、これに対して銀メッキは、ほぼ常温の雰囲気下において行う処理であるために、先ずセパレータ9の表面にカロライジング処理を施し、次いで銀メッキ層を形成する必要がある。
ところが、上記カロライジング処理は、高温雰囲気下において行う処理であり、これに対して銀メッキは、ほぼ常温の雰囲気下において行う処理であるために、先ずセパレータ9の表面にカロライジング処理を施し、次いで銀メッキ層を形成する必要がある。
このため、銀メッキ層を形成する上記範囲Aについては、先に形成されたカロライジング処理によって形成された高温耐酸化層を研削加工やサンドブラスと等によって除去した上で、上記銀メッキ処理をおこなう必要があり、当該高温耐酸化層の除去作業に多大の手間を要するとともに、最終的に上記高温耐酸化層を完全に除去することが難しという問題点があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、容易かつ確実に、セパレータの酸化剤極集電体が当接する範囲に、高温耐酸化層を形成することなく銀メッキを施し、かつその他の部分には上記高温耐酸化層を形成することができる燃料電池用セパレータおよびその製造方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、平板状の発電セルの一方の面に形成された燃料極層側に燃料極集電体が配設され、上記発電セルの他方の面に形成された酸化剤極層側に酸化剤極集電体が配設されるとともに、上記燃料極集電体と酸化剤極集電体の外側に、各々上記燃料極集電体または酸化剤極集電体に、燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給する燃料ガス流路および酸化剤ガス流路が形成されたセパレータが設けられてなる燃料電池の上記セパレータであって、3枚以上の平板が接合・一体化されてなり、かつ上記酸化剤極集電体側の面は、少なくとも上記酸化剤極集電体が当接する範囲の上記平板が取り除かれることにより上記酸化剤極集電体が緩挿される段部が形成されるとともに、上記段部の外方の表面には、高温耐酸化層が形成され、かつ上記段部内の表面には、当該高温耐酸化層が形成されることなく銀メッキ層が形成されてなることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、少なくとも最外層に位置する上記平板が、ステンレス鋼からなり、かつ上記高温耐酸化層は、カロライジング処理によって形成されていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、平板状の発電セルの一方の面に形成された燃料極層側に燃料極集電体が配設され、上記発電セルの他方の面に形成された酸化剤極層側に酸化剤極集電体が配設されるとともに、上記燃料極集電体と酸化剤極集電体の外側に、各々上記燃料極集電体または酸化剤極集電体に燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給する燃料ガス流路および酸化剤ガス流路が形成されたセパレータが設けられてなる燃料電池の上記セパレータの製造方法であって、当該セパレータの外法寸法を有する4枚以上の平板のうち、上記酸化剤極集電体側の表面から2枚目の上記平板を、上記酸化剤極集電体が当接する範囲が取り除かれた環状に形成し、これら4枚以上の平板を接合・一体化した後に、上記表面に高温耐酸化層を形成し、次いで当該表面の最外層の上記平板の上記酸化剤極集電体が当接する範囲を切断除去することにより、上記酸化剤極集電体が緩挿される段部を形成した後に、当該段部内の表面に、銀メッキ層を形成することを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、高温耐酸化性を有する金属を上記平板の表面に拡散浸透させることにより上記高温耐酸化層を形成することを特徴とするものである。
さらに、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、少なくとも最外層に位置する上記平板が、ステンレス鋼からなるとともに、上記高温耐酸化層を、上記カロライジング処理によって形成することを特徴とするものである。
請求項1または2に記載の発明においては、酸化剤極集電体側の面のうち、少なくとも上記酸化剤極集電体が当接する範囲の表面に銀メッキ層のみが形成されているために、この銀メッキ層によって確実に所望の電気導電性を確保することができる。また、当該範囲の外方に位置する表面に高温耐酸化層が形成されているために、運転時に、当該セパレータが高温酸化雰囲気下において酸化腐食されることにより、上述したセパレータ間等において短絡を生じるといったおそれがない。
加えて、酸化剤極集電体側の面には、酸化剤極集電体が緩挿される段部が形成されているために、組み立て時における酸化剤極集電体の位置決めが容易になるとともに、上記酸化剤極集電体の横ずれも未然に防止することができる。
また、請求項3〜5のいずれかに記載の発明によれば、予め酸化剤極集電体側の表面から2枚目の平板を、上記酸化剤極集電体が当接する範囲が取り除かれた環状に形成しておき、これら4枚以上の平板を接合・一体化した後に、先ず上記表面の全面に高温耐酸化層を形成し、次いで最外層の平板の上記酸化剤極集電体が当接する範囲を切断除去すると、この最外層の平板がマスキングとなって、上記高温耐酸化層が形成されていない表面から3枚目の平板の表面が露出する。また、上記範囲の周縁には、最外層および表面から2枚目の平板の取り除かれた周縁によって、上記酸化剤極集電体が緩挿される段部が形成される。
そこで、上記酸化剤極集電体が当接する上記段部内の表面に、銀メッキ層を形成することにより、容易に、セパレータの酸化剤極集電体が当接する範囲に、高温耐酸化層を形成することなく銀メッキ層を形成することができる。この結果、これまでのようにカロライジング処理が施された表面を研削加工等することなく、高い付着強度によって銀メッキ層を形成することができ、よって確実に当該範囲において所望の電気導電性を確保することができる。
なお、上記高温耐酸化層としては、表面に高温時に耐酸化性を有する被覆(コーティング)を形成することによって構成することもできるが、請求項4に記載の発明のように、高温耐酸化性を有する金属を上記平板の表面に拡散浸透させることにより上記高温耐酸化層を形成すれば、長期間にわたって、当該高温耐酸化性能を保持することができて好適である。
また、少なくとも最外層に位置する平板がステンレス鋼からなる場合には、請求項2または5に記載の発明のように、上記高温耐酸化層を上記カロライジング処理によって形成することが好ましい。
ちなみに、このカロライジング処理とは、アルミニウムを拡散処理させることにより鉄素材である上記平板の表層中にアルミニウムを浸透させるものであり、例えば接合一体化された複数枚の上記平板を、アルミニウム塩化物粉末とアルミナ粉末の混合粉の中に埋めて、不活性ガス雰囲気下で加熱する等の方法がある。
図4〜図6は、本発明に係る燃料電池用セパレータの一実施形態を示すもので、燃料電池の構成については、図7に示したものと同様であるために、以下同一符号を付してその説明を簡略化する。
これらの図において、符号30が、上記発電セル5間を電気的に接続するとともに、発電セル5に対して燃料ガスおよび空気を供給する上記燃料電池用のセパレータである。
これらの図において、符号30が、上記発電セル5間を電気的に接続するとともに、発電セル5に対して燃料ガスおよび空気を供給する上記燃料電池用のセパレータである。
このセパレータ30も、外観形状およびについては、図8に示したものと同様に、発電セル5よりも大きな面積に形成されて当該発電セル5を覆うインターコネクト部31と、このインターコネクト部31の一方の対角部31aからインターコネクト部31の外周に沿ってL字状に延在し、他方の対角部31bに至る空気用アーム部32と、インターコネクト部31の対角部31bからインターコネクト部31の外周に沿ってL字状に延在し、対角部31aに至る燃料用アーム部33と、対角部31b側に配設された空気マニホールド34と、対角部31a側に配設された燃料ガスマニホールド35とが一体化されたものである。
そして、このセパレータ30は、5枚のステンレス鋼からなる平板36a〜36eが接合・一体化されたものである。ここで、上記空気極(酸化剤極)集電体7側に位置する3枚の平板36a〜36cは、他の2枚の平板36d、36eよりも薄く形成されており、本実施形態においては、上記3枚の平板36a〜36cの厚さ寸法の合計が、他の2枚の平板36d、36eの各々の厚さ寸法と等しく形成されている。また特に、最外層の平板36aは、他の平板36b〜36eよりも薄く形成されている。
例えば、平板36a〜36eの各々の厚さ寸法は、平板36aが0.1mm、平板36bが0.4mm、平板36cが0.5mm、平板36d、36eが各々1.0mmに形成されている。
そして、上記このセパレータ30においては、上記空気極(酸化剤極)集電体7側に位置する2枚の平板36a、36bの中央部分であって、かつ上記空気極集電体7が当接する範囲より僅かに大きな円形の範囲Aに開口部37が形成されることにより、当該開口部37の周縁に上記空気極集電体7が緩挿される段部38が形成されている。
なお、このセパレータ30においては、燃料極集電体6側から2枚目の平板36dに上記燃料ガス流路10aおよび空気流路10bが形成されるとともに、空気流路10bからの吹出口11bが、空気極集電体7が当接する平板36cの中央に形成され、燃料ガス流路10aからの吹出口11aが、燃料極集電体6が当接する平板36eの中央であって、かつ上記吹出口11bと連通しない離間位置に形成されている。
そして、上記段部38の外方に位置するインターコネクト部31、空気用アーム部32および燃料用アーム部33の表面には、カロライジング処理が施されることにより、高温耐酸化層が形成されている。他方、この開口部37内に露出する中央の平板36cの表面には、上記カロライジング処理が施されることなく、銀メッキ層39が形成されている。
次に、図1〜図6に基づいて、上記構成からなるセパレータを製造するための本発明に係る燃料電池用セパレータの製造方法の一実施形態について説明する。
先ず、上記セパレータ30を製造するに際して、予め図1〜図3に示す構造のセパレータ素材40を準備する。
先ず、上記セパレータ30を製造するに際して、予め図1〜図3に示す構造のセパレータ素材40を準備する。
このセパレータ素材40は、最終的なセパレータ30の外法寸法に形成された5枚の上記平板36a〜36eを拡散接合・一体化したものである。
ここで、上記5枚以上の平板のうち、空気極集電体7側の表面から2枚目の平板36bは、予め空気極集電体7の外径寸法よりも僅かに大きな円形の範囲Aが取り除かれることにより、中央部分に開口部が形成された環状に形成されている。また、最外層の平板36aは、他の平板36c〜36eと同様に、セパレータ30全面積を覆う形状に形成されている。
ここで、上記5枚以上の平板のうち、空気極集電体7側の表面から2枚目の平板36bは、予め空気極集電体7の外径寸法よりも僅かに大きな円形の範囲Aが取り除かれることにより、中央部分に開口部が形成された環状に形成されている。また、最外層の平板36aは、他の平板36c〜36eと同様に、セパレータ30全面積を覆う形状に形成されている。
次に、セパレータ素材40の全面にわたって、カロライジング処理を施す。そして、当該カロライジング処理が完了した後に、最外層の平板36aの図1中斜線で示す中央部分を、2枚目の平板36bの開口部の周縁に沿って切断して除去する。これにより、平板36aにも、平板36bの開口部と連通する上記開口部37が形成されるとともに、その周縁に上記段部38が形成される。
この結果、開口部37内には、カロライジング処理が施されていない中央の平板36cの表面が露出するとともに、当該平板36cの中央に形成された吹出口11bも開口する。そこで次に、段部38内に露出する平板36cの表面に、銀メッキ処理を施して銀メッキ層39を形成する。これにより、上記セパレータ30の製造工程が完了する。
以上の構成からなる燃料電池用セパレータ30においては、空気極集電体7側の表面のうち、当該空気極集電体7が当接する範囲Aの平板36cの表面に銀メッキ層39のみが形成されているために、この銀メッキ層39によって確実に所望の電気導電性を確保することができる。また、当該範囲Aの外方に位置する表面には、カロライジング処理が施されているために、周囲が高温酸化雰囲気となる運転時に、当該セパレータ30が酸化腐食されて、上述したセパレータ間等において短絡を生じるといったおそれがない。
加えて、空気極集電体7側の面には、この空気極集電体7が緩挿される段部38が形成されているために、組み立て時に上記空気極集電体7を開口部37内に載置するのみで、その位置決めを行うことができる。このため、製造が一層容易になるとともに、組み立て中や搬送中における空気極集電体7の横ずれも未然に防止することができる。
さらに、上記構成からなる燃料電池用セパレータ30の製造方法によれば、予め空気極集電体7側の表面から2枚目の平板36bを、空気極集電体7が当接する範囲Aが取り除かれた環状に形成しておき、これら5枚の平板36a〜36eを接合・一体化した後に、先ず全面にカロライジング処理を施し、次いで最外層の平板36aの上記範囲Aを切断除去することにより、空気極集電体7が当接するカロライジング処理が施されていない平板36cに銀メッキ層39を形成することができる。
この結果、セパレータ30の空気極集電体7が当接する範囲Aに、カロライジング処理を施すことなく銀メッキ層39を形成することができ、よってその製造が極めて容易になるとともに、確実に当該範囲Aにおける所望の電気導電性を確保することができる。
また、特にカロライジング処理が完了した後に、最外層の平板36aの図1中斜線で示す中央部分を2枚目の平板36bの開口部の周縁に沿って切断して除去する必要があるが、当該平板36aを他の平板36b〜36eよりも薄くしているために、容易に上記切断を行うことができる。
また、特にカロライジング処理が完了した後に、最外層の平板36aの図1中斜線で示す中央部分を2枚目の平板36bの開口部の周縁に沿って切断して除去する必要があるが、当該平板36aを他の平板36b〜36eよりも薄くしているために、容易に上記切断を行うことができる。
なお、上記実施の形態においては、空気極集電体7側の面に形成した段部38の外方に位置するインターコネクト部31、空気用アーム部32および燃料用アーム部33の表面に、高温耐酸化層を形成するためにカロライジング処理を施した場合についてのみ説明したが、これに限定されるものではなく、例えば高温耐酸化性を有するコーティング処理を施すことにより、上記高温耐酸化層を形成してもよく、あるいは高温耐酸化性を有する金属を上記表面に拡散浸透させることにより当該高温耐酸化層を形成する方法も適用することが可能である。
3 燃料極層
4 酸化剤極層
5 発電セル
6 燃料極集電体
7 空気極集電体(酸化剤極集電体)
10a 燃料ガス流路
10b 酸化剤ガス流路
30 セパレータ
36a〜36e 平板
37 開口部
38 段部
39 銀メッキ層
A 空気極集電体が当接する範囲
4 酸化剤極層
5 発電セル
6 燃料極集電体
7 空気極集電体(酸化剤極集電体)
10a 燃料ガス流路
10b 酸化剤ガス流路
30 セパレータ
36a〜36e 平板
37 開口部
38 段部
39 銀メッキ層
A 空気極集電体が当接する範囲
Claims (5)
- 平板状の発電セルの一方の面に形成された燃料極層側に燃料極集電体が配設され、上記発電セルの他方の面に形成された酸化剤極層側に酸化剤極集電体が配設されるとともに、上記燃料極集電体と酸化剤極集電体の外側に、各々上記燃料極集電体または酸化剤極集電体に、燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給する燃料ガス流路および酸化剤ガス流路が形成されたセパレータが設けられてなる燃料電池の上記セパレータであって、
3枚以上の平板が接合・一体化されてなり、かつ上記酸化剤極集電体側の面は、少なくとも上記酸化剤極集電体が当接する範囲の上記平板が取り除かれることにより上記酸化剤極集電体が緩挿される段部が形成されるとともに、上記段部の外方の表面には、高温耐酸化層が形成され、かつ上記段部内の表面には、当該高温耐酸化層が形成されることなく銀メッキ層が形成されてなることを特徴とする燃料電池用セパレータ。 - 少なくとも最外層に位置する上記平板は、ステンレス鋼からなり、かつ上記高温耐酸化層は、カロライジング処理によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用セパレータ。
- 平板状の発電セルの一方の面に形成された燃料極層側に燃料極集電体が配設され、上記発電セルの他方の面に形成された酸化剤極層側に酸化剤極集電体が配設されるとともに、上記燃料極集電体と酸化剤極集電体の外側に、各々上記燃料極集電体または酸化剤極集電体に燃料ガスまたは酸化剤ガスを供給する燃料ガス流路および酸化剤ガス流路が形成されたセパレータが設けられてなる燃料電池の上記セパレータの製造方法であって、
当該セパレータの外法寸法を有する4枚以上の平板のうち、上記酸化剤極集電体側の表面から2枚目の上記平板を、上記酸化剤極集電体が当接する範囲が取り除かれた環状に形成し、これら4枚以上の平板を接合・一体化した後に、上記表面に高温耐酸化層を形成し、次いで当該表面の最外層の上記平板の上記酸化剤極集電体が当接する範囲を切断除去することにより、上記酸化剤極集電体が緩挿される段部を形成した後に、当該段部内の表面に、銀メッキ層を形成することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。 - 高温耐酸化性を有する金属を上記平板の表面に拡散浸透させることにより上記高温耐酸化層を形成することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
- 少なくとも最外層に位置する上記平板は、ステンレス鋼からなるとともに、上記高温耐酸化層を、上記カロライジング処理によって形成することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池用セパレータの製造方法。
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