JP2009240962A - 液体吐出装置及び方法、カラーフィルタの製造装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェットプリンタにおいてインクのメニスカスを適正位置に形成する。
【解決手段】液体24を圧力タンク4内に貯留し、圧力タンクから液体を複数個の吐出ヘッド8R1・・・へと各導管を通して送り、圧力タンクの液面と異なる位置に設定された各吐出ヘッドのノズル孔の先端から被塗布体18に向かって液滴を吐出するように構成する。圧力タンク内に、各吐出ヘッドに対応してそれぞれ液体を溜める区画室4a・・・と、全区画室にわたって連通した連通室70とを形成し、上記各区画室と上記各吐出ヘッドとをそれぞれ上記導管で連結し、圧力タンク内に正圧又は負圧を加えることにより、上記各区画室から上記各吐出ヘッドのノズル孔の先端へと液体を供給する。
【選択図】図1
【解決手段】液体24を圧力タンク4内に貯留し、圧力タンクから液体を複数個の吐出ヘッド8R1・・・へと各導管を通して送り、圧力タンクの液面と異なる位置に設定された各吐出ヘッドのノズル孔の先端から被塗布体18に向かって液滴を吐出するように構成する。圧力タンク内に、各吐出ヘッドに対応してそれぞれ液体を溜める区画室4a・・・と、全区画室にわたって連通した連通室70とを形成し、上記各区画室と上記各吐出ヘッドとをそれぞれ上記導管で連結し、圧力タンク内に正圧又は負圧を加えることにより、上記各区画室から上記各吐出ヘッドのノズル孔の先端へと液体を供給する。
【選択図】図1
Description
本発明は、塗料、インク等の液体を適正量吐出するための液体吐出装置及び方法並びにカラーフィルタの製造装置及び方法に関する。
従来、液体吐出装置である大型インクジェットプリンタは、液状のインクを貯留タンクから圧力タンクへと送り、圧力タンクからインク吐出ヘッドへと送り、インク吐出ヘッドのノズル孔から微細な液滴に変化させて紙等の被塗布体に向かって吐出するようになっている。貯留タンク、圧力タンク及びインク吐出ヘッドは印刷色ごとに用意される。各色のインク吐出ヘッドのノズル孔に到達したインクは、所望の発射方式によりノズル孔から被塗布体に向って微小な液滴となって発射される。この液滴の発射が各色ごとに繰り返されることにより、インクが被塗布体に所望の絵柄、パターン等として印刷され、あるいは塗布される(例えば、特許文献1,2,3,4参照。)。
インクジェットプリンタでは、安定した印刷、塗布等を行うために、ノズル孔の適正位置にインクのメニスカスが形成されるようインクを圧力タンクから吐出ヘッドへと供給する必要があるが、従来はノズル孔の毛細管力を利用したいわゆるインクの自己補給によりインクをノズル孔に供給している(例えば、特許文献1,2参照。)。
インクジェットプリンタには、インク吐出ヘッドの間近にインクタンクを配置し、インク吐出ヘッドとインクタンクとをケースで一体化したものがある。この場合、インク吐出ヘッドで記録をしていないときにインク吐出ヘッドからインクが流出しないよう、インク吐出ヘッドに供給するインクに負圧を発生させている(例えば、特許文献3参照。)。
また、インクジェットプリンタによれば、紙等の各種材料に印刷をすることができるが、近頃では液晶ディスプレイ装置等で用いられるカラーフィルタの製造にもインクジェット方式を用いることが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
近年、カラーフィルタは大型化しており、そのような大面積の被塗布体に印刷をするプリンタでは、多数のノズル孔が並んだインク吐出ヘッドが多数設けられる。従来、一つの圧力タンクから多数のインク吐出ヘッドに同時にインクを供給するべく、一つの圧力タンクから各インク吐出ヘッドにそれぞれ導管を伸ばし、圧力タンク内のインクに空気圧を加えることにより、全インク吐出ヘッドにインクを送るようにしている(例えば、特許文献5,6参照。)。
従来、圧力タンクから多数のインク吐出ヘッドに同時にインクを供給する場合、圧力タンクからインク吐出ヘッドへとインクが導管内を流れる過程で圧力損失等各種の損失が生じ、インク吐出ヘッド間でインクの吐出量にバラツキが発生することがある。インクの吐出量にバラツキが生じると、均一な品質の印刷物を製造することができない。インク吐出ヘッドごとに圧力タンクを割り当てれば、そのような問題は解消することができるが、それではプリンタが複雑化、大型化し、カラーフィルタ等のコストアップを招くことになる。
従って、本発明は上記問題点を解決することができる液体吐出方法及び装置を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するため、本発明は次のような構成を採用する。
すなわち、請求項1に係る発明は、液体を圧力タンク内に貯留し、圧力タンクから液体を複数個の吐出ヘッドへと各導管を通して送り、圧力タンクの液面と異なる位置に配置された各吐出ヘッドのノズル孔の先端から被塗布体に向かって液滴を吐出するようにした液体吐出装置において、上記圧力タンク内に、上記各吐出ヘッドに対応してそれぞれ液体を溜める区画室と、全区画室に通じる連通室とを形成し、上記各区画室と上記各吐出ヘッドとをそれぞれ上記導管で連結して、上記圧力タンク内に正圧又は負圧を加えることにより、上記各区画室から上記各吐出ヘッドのノズル孔の先端へと液体が供給されるようにしたことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の液体吐出装置において、全吐出ヘッドのノズル孔の先端に液体のメニスカスが形成され、各導管の長さを調整することによりメニスカス位置が調整可能であることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項1に記載の液体吐出装置において、圧力タンクの区画室ごとに液面センサを設け、各液面センサからの信号に基づき区画室ごとに液高を調整することにより、全吐出ヘッドのノズル孔の先端に液体のメニスカスが形成され、そのメニスカス位置が調整可能であることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項1に記載の液体吐出装置において、圧力タンクを液面に垂直な方向で位置調整する高さ調整手段を具備したことを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、請求項1に記載の液体吐出装置において、液体を循環させて濾過を行う循環手段が設けられたことを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、請求項1に記載の液体吐出装置において、液体を循環させて脱気を行う循環手段が設けられたことを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、請求項1に記載の液体吐出装置において、各吐出ヘッドが、他の一種又は複数種の液体をそれぞれ吐出する吐出ヘッドと共にユニット体に一体で保持され、他種類の液体の吐出ヘッドにはそれぞれ他の圧力タンクから液体が供給されるようにしたことを特徴とする。
また、請求項8に係る発明は、請求項7に記載の液体吐出装置において、液体が複数種の色インクであり、ユニット体の各吐出ヘッドに各色のインクが対応付けられていることを特徴とする。
また、請求項9に係る発明は、請求項1又は請求項7に記載の液体吐出装置において、吐出ヘッド又はユニット体がXYガイド機構に搭載され、XYガイド機構の駆動に伴い吐出ヘッドのノズル孔から液体を被塗布体に向かって吐出することにより、被塗布体の表面に所定のパターンを形成するようにしたことを特徴とする。
また、請求項10に係る発明は、請求項1に記載の液体吐出装置において、吐出ヘッドのノズル孔の先端を観察する観察手段が設けられたことを特徴とする。
また、請求項11に係る発明は、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の液体吐出装置を用いたカラーフィルタの製造装置であることを特徴とする。
また、請求項12に係る発明は、液体を圧力タンク内に貯留し、圧力タンクから液体を複数個の吐出ヘッドへと各導管を通して送り、圧力タンクの液面と異なる位置に配置された各吐出ヘッドのノズル孔の先端から被塗布体に向かって液滴を吐出する液体吐出方法において、上記圧力タンク内に、上記各吐出ヘッドに対応してそれぞれ液体を溜める区画室と、全区画室に通じる連通室とを形成し、上記各区画室と上記各吐出ヘッドとをそれぞれ上記導管で連結して、上記圧力タンク内に正圧又は負圧を加えることにより、上記各区画室から上記各吐出ヘッドのノズル孔の先端へと液体を供給する液体吐出方法である。
また、請求項13に係る発明は、請求項12に記載の液体吐出方法において、液体のメニスカスを全吐出ヘッドのノズル孔の先端に形成せしめ、圧力タンクの各区画室内の液高をそれぞれ調整して、上記各吐出ヘッドのノズル孔から所定量の液体を吐出することを特徴とする。
また、請求項14に係る発明は、請求項12に記載の液体吐出方法において、液体を循環させつつ濾過を行うことを特徴とする。
また、請求項15に係る発明は、請求項12に記載の液体吐出方法において、液体を循環させつつ脱気を行うことを特徴とする。
また、請求項16に係る発明は、請求項12乃至請求項15のいずれかに記載の液体吐出方法を用いたカラーフィルタの製造方法であることを特徴とする。
請求項1又は請求項12に係る発明によれば、例えば圧力タンク内の各区画室で液高を加減したり、各区画室から各吐出ヘッドへと至る導管の抵抗を加減したりすることで、全吐出ヘッドの全ノズル孔の先端にメニスカスが形成されるように、液体を全吐出ヘッドへと供給することができる。従って、常に適正な量の液体を被塗布体に向かって安定的に吐出し、被塗布体上に塗膜を均一に精度良く形成することができる。
圧力タンクは加圧タンクまたは負圧タンクとして機能させることができ、連通室内に所定圧力の気体を送って各区画室に正圧をかけることにより、又は導管側から吸引して各区画室に負圧をかけることにより、各区画室から各吐出ヘッドのノズル孔の先端へと液体を供給することができる。
請求項2に係る発明によれば、簡易に全吐出ヘッドのノズル孔の先端に液体のメニスカスを形成することができる。
請求項3又は請求項13に係る発明によれば、精度よく全吐出ヘッドのノズル孔の先端に液体のメニスカスを形成することができる。
請求項4に係る発明によれば、全吐出ヘッドのノズル孔におけるメニスカスの位置を一度に変更することができる。
請求項5又は請求項14に係る発明によれば、液体中の塵埃等の異物を除去してノズル孔の目詰まりを防止することができる。
請求項6又は請求項15に係る発明によれば、液体中の気泡を除去してノズル孔からの液体の吐出量が変動しないようにすることができる。
請求項7に係る発明によれば、異種類の液体を被塗布体に対して塗布することができる。
請求項8に係る発明によれば、被塗布体に対して各種の色インクで印刷することができる。
請求項9に係る発明によれば、吐出ヘッドをXY方向に自在に移動させつつ、板等の被塗布体に対し効率よく液体を塗布することができる。
請求項10に係る発明によれば、ノズル孔の先端に形成される液体のメニスカスの位置及び状態を観察しつつ気体の圧力、圧力タンクの高さ、区画室内の液高等を簡易に調整することができる。
請求項11又は請求項16に係る発明によれば、インクが全ノズル孔の先端にメニスカスを形成するように供給されるので、ノズル孔の先端からインクが空気を巻き込むことなく適正量の液滴となって被塗布体であるガラス基板に向って吐出される。このため、ガラス基板上にR,G,Bのインクからなる塗膜が均一に精度良く形成され、高品質なカラーフィルタを製造することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図5に示すように、この液体吐出装置は、例えば液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタの製造に使用することができるインクジェットプリンタとして構成される。
このインクジェットプリンタは各種インクを吐出する部分と被塗布体であるガラス基板18とをXY平面上で相対移動させるためのXYガイド機構を備える。
このXYガイド機構は、XY平面に垂直なZ方向へもインク吐出部分とガラス基板18とを相対移動可能にするため具体的にはXYZガイド機構として構成される。
すなわち、基台51上に2本のX軸レール53,53が設けられ、X軸レール53,53上に移動テーブル52がX軸方向にスライド自在に乗せられる。もちろん、X軸レール53は1本でも3本以上であってもよい。この移動テーブル52は図示しないユニット体駆動部を駆動することによりX軸レール53,53上をX軸方向に往復移動可能である。
移動テーブル52上には、回転テーブル55及びステージ56が上方へ順次積み重ねられる。回転テーブル55を図示しない回転駆動部を駆動して回転させることにより、移動テーブル52に対してステージ56が回転可能である。このステージ56上には、被塗布体である例えば2m×2mのガラス基板18が載置される。ステージ56は、その上面に図示しないバキューム孔を備えており、その上に載置されるガラス基板18を吸引可能である。
また、基台51上には、X軸レール53,53、移動テーブル52、回転テーブル55、ステージ56及びガラス基板18を跨ぐように門形の支持アーム57が設置される。この支持アーム57の上端の水平部57aには、X軸レール53,53に対し直交方向に伸びるY軸レール58が固定される。このY軸レール58には、例えば五基のユニット体駆動部59が取り付けられる。各ユニット体駆動部59はその下側に回転部60を介し比較的低粘度の液体である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の色インクをそれぞれ吐出するためのユニット体63を保持する。各ユニット体駆動部59は、それぞれユニット体63をZ方向(XY軸に垂直方向)に移動させてユニット体63をガラス基板18に対して接近または離反させる。また、ガラス基板18上でユニット体63をY方向に移動させる。
移動テーブル52および各ユニット体駆動部59には、それぞれ原動機であるモータ、各種センサ等(図示せず)が設けられ、それらが信号線61、54を通して制御ユニット62に接続される。
このXYZガイド機構の駆動により、ガラス基板18とユニット体63はZ方向で相対移動した後、XY面を相対移動し、ガラス基板18の表面にカラーフィルタのパターンを印刷する。なお、回転テーブル55と回転部60の一方または双方の駆動により、ガラス基板18とユニット体63との交差角が事前に調整される。
図5に示すように、上記五基のユニット体63は、三つずつ吐出ヘッド8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2、8R3、8G3、8B3、8R4、8G4、8B4、8R5、8G5、8B5を有し、各ユニット体63の三つの吐出ヘッドがそれぞれR,G,Bの色インクを吐出するように割り当てられる。他の色インクを使用する場合は、その色インクを吐出するための吐出ヘッドが各ユニット体63に増設される。
各吐出ヘッド8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2、8R3、8G3、8B3、8R4、8G4、8B4、8R5、8G5、8B5は互いに同じ構造であるから、吐出ヘッド8R1で代表して説明すると、図3(A)に示すように、吐出ヘッド8R1の上部には、この吐出ヘッド8R1内にRインクを導くための流路アダプタ27が取り付けられる。この流路アダプタ27には、長手方向両側に供給孔22及び排出孔23がそれぞれ形成され、これら供給孔22及び排出孔23の開口端には、後述する導管19aと接続するための供給側接続部22aと、後述する脱気用導管25aに接続するための排出接続部23aとがそれぞれ取り付けられている。
また、吐出ヘッド8R1内には、液溜り室21と、流路アダプタ27の供給孔22を液溜り室21に導通させる供給口26と、排出孔23を液溜り室21に導通させる排出口28と、液溜り室21から吐出ヘッド8R1の先端面に通じる多数のノズル孔7とが形成される。導管19aを通って来たRインクは、この液溜り室21内に充満する。ノズル孔7は例えば一つの吐出ヘッド8R1につき例えば100本以上形成され、図3(B)に示すように、Rインク24がノズル孔7内に溜り、ノズル孔7の先端においてメニスカス24aを形成する。図3(B)は正常なメニスカス24aの位置及び形状を示し、このメニスカス24aがノズル孔7の先端から球状に突出するときはインク24の吐出量が過剰となり、ノズル孔7の先端から奥まった箇所に形成されるときは吐出量が不足することになる。ノズル孔7内に溜ったインク24は、この液体吐出装置の図示しない制御部からの信号によりノズル孔7の先端から微小な液滴となってガラス基板18の表面に向かって発射される。インク24を発射する手段としてはピエゾ方式、サーマルインクジェット方式等があるが、所望の発射方式が採用される。
吐出ヘッド8R1のノズル孔7の先端にメニスカス24aが形成されたか否かを観察し確認するために、図1に示すように必要に応じて観察手段としてのディスプレイ装置9が設けられる。このディスプレイ装置9は吐出ヘッド8R1におけるノズル孔7の一部又は全部の先端を撮影するカメラ9aとモニタ9bとを具備する。カメラ9aは、メニスカス24aが適正に形成されたか否かを観察する際に吐出ヘッド8R1の先端下に配置され、印刷する際は吐出ヘッド8R1下から除去される。ディスプレイ装置9は吐出ヘッド8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2、8R3、8G3、8B3、8R4、8G4、8B4、8R5、8G5、8B5を一基ずつ撮影したり、各ユニット体63の全吐出ヘッド8R1、8G1、8B1、又は8R2、8G2、8B2、又は8R3、8G3、8B3、又は8R4、8G4、8B4、又は8R5、8G5、8B5を同時に撮影したり、全ユニット体63の吐出ヘッド8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2、8R3、8G3、8B3、8R4、8G4、8B4、8R5、8G5、8B5を同時に撮影したりすることもできる。
ユニット体63はガラス基板18の大きさに応じてその使用個数が定められ、その定め方によってステージ56の一ストロークで一枚のガラス基板18の全面に一度にパターンを形成することが可能である。また、ユニット体63の設置個数は五基に限らず、ガラス基板18の大きさ等に応じて自在に増減可能であり、吐出ヘッド8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2、8R3、8G3、8B3、8R4、8G4、8B4、8R5、8G5、8B5の個数もユニット体63につき三基に限るものではなく、インクの使用色数に応じて自在に増減可能である。
また、R,G,Bの各色インクについて、それぞれ圧力タンク4,5,6が用意され、各圧力タンク4,5,6から各ユニット体63の該当する吐出ヘッド8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2、8R3、8G3、8B3、8R4、8G4、8B4、8R5、8G5、8B5へとそれぞれインクを送るためのインク供給用導管19a、19b、19c、19d、19eが伸びている。インク供給用導管19a、19b、19c、19d、19eは例えば屈曲自在なチューブで形成される。
図1および図2に示すように、Rインクは圧力タンク4内に貯留され、圧力タンク4内に所定圧力の気体が送られることにより、圧力タンク4からRインクが複数個の吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5へと各インク供給用導管19a、19b、19c、19d、19eを通して送られ、圧力タンク4内のRインクの液面よりも上方に設定された各吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5のノズル孔7の先端から被塗布体であるガラス板18に向かってRインクの微細な液滴が吐出されるようになっている。
吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5は圧力タンク4内のRインクの液面に対しいずれに配置されてもよく、各吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5のノズル孔7の先端は、液面よりも下方に設定することも可能である。
Rインク用の圧力タンク4は、図4(A)(B)(C)に示すように、その下部に上記各吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5に対応してRインクを溜める区画室4a,4b,4c,4d,4eを有し、上部に気体(例えば空気)が送られる全区画室4a,4b,4c,4d,4eにわたって連通した連通室70を有する。圧力タンク4は下側のタンク本体71と上側の蓋体72とを有し、蓋体72がタンク本体71に被せられることにより、圧力タンク4内が密封状態とされる。
タンク本体71は上側が開口し、等間隔で設けられる隔壁71aによって上記ユニット体63の個数と同数個の区画室4a,4b,4c,4d,4eが内部に形成される。タンク本体71の各区画室4a,4b,4c,4d,4e内の底は略漏斗状に形成される。そして、漏斗状の底が落ち込んだ中央と、両側の落ち込む途中とに、第一の吐出口73、第二の吐出口74、導入口75がそれぞれ設けられる。このうち、第一の吐出口73にはRインク24を区画室4a,4b,4c,4d,4e外へと取り出すための導管76がそれぞれ接続され、第二の吐出口74には吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5へと伸びるインク供給用導管19a、19b、19c、19d、19eがそれぞれ接続され、導入口75にはRインクを各区画室4a,4b,4c,4d,4e内に供給するためのインク補給用導管14がそれぞれ接続される。
蓋体72は下側が開口した空洞を有し、蓋体72がタンク本体71に被せられると、この空洞が連通室70として全区画室4a,4b,4c,4d,4eにわたって延びる。これにより、蓋体72内に圧縮空気又は真空が送られると、各区画室4a,4b,4c,4d,4e内のRインク24がそれぞれインク供給用導管19a、19b、19c、19d、19eを通ってRインク用の吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5へと流れる。連通室70内の圧力を適正値に制御するため、連通室70には圧力計78が設けられている。
Gインク、Bインクの圧力タンク5,6内にもそれぞれ区画室および連通室が同様に形成され、各圧力タンク5,6内に圧縮空気又は真空が送られると、Gインク、Bインクがそれぞれインク供給用導管を通ってGインク、Bインク用の吐出ヘッド8G1、8G2、8G3、8G4、8G5、8B1、8B2、8B3、8B4、8B5(図5参照)へと流れる。
上述したように、圧力タンク4内は各吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5に対応して区画室4a,4b,4c,4d,4eが割り当てられるので、圧力タンク4内のRインク24の液面と吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5の下面との間の高さを区画室4a,4b,4c,4d,4eごとに変えることができる。すでに述べたように、圧力タンク4から多数のインク吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5に同時にRインク24を供給する場合、圧力タンク4から吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5へとRインク24が各インク供給用導管19a、19b、19c、19d、19e内を流れる過程で圧力損失等各種の損失が各流路ごとに変動し、吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5間でRインク24の吐出量にバラツキが発生することがある。この実施の形態では、図4(B)に示すように、区画室4a,4b,4c,4d,4e間で液高Ha、Hb、Hc、Hd、Heを互いに独立して加減することによって、この各種損失によるRインク24の吐出量のバラツキを解消している。
すなわち、図1及び図4(A)(B)(C)に示すように、圧力タンク4の各区画室4a,4b,4c,4d,4eには液面センサ77が設けられ、各液面センサ77からの信号に基づき区画室4a,4b,4c,4d,4eごとに液高Ha、Hb、Hc、Hd、Heが調整されるようになっている。液面センサ77としては光学式センサ、フロート式センサ、静電容量式センサ等を用いることができる。液面センサ77の感度を区画室4a,4b,4c,4d,4eごとに調整し、全吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5のノズル孔7の先端に図3(B)のごとくRインク24のメニスカス24aが形成されるようにRインク24の液高Ha、Hb、Hc、Hd、Heを加減することにより上記損失の差が解消され、全ノズル孔7からのRインク24の吐出量が均一化される。一方、すべての吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5は、図1に示すごとく、そのノズル孔7の先端が同一水平面上に並ぶようにセットされる。
なお、Gインク、Bインクについても同様な構造の圧力タンク5,6がそれぞれ設けられ、各圧力タンク5,6から該当する色インクが該当する吐出ヘッド8G1、8G2、8G3、8G4、8G5、8B1、8B2、8B3、8B4、8B5へと送られる。
また、全吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5のノズル孔7の先端にRインク24のメニスカス24aが形成されるように、各インク供給用導管19a、19b、19c、19d、19eの長さを調整することによっても、Rインク24のメニスカス24aを均一に形成させることができる。これは、他の色インクについても同様である。
図1に示すように、圧力タンク4には、圧力タンク4をそれぞれ液面に垂直な方向で位置調整する高さ調整装置79が必要に応じて設けられる。
この高さ調整装置79は、圧力タンク4に略水平に固定されたアーム80と、このアーム80の図示しない雌ネジに螺合する垂直方向に伸びた送りネジ棒81とを具備する。送りネジ棒81はこの液体吐出装置の図示しないフレームに回動可能に保持される。送りネジ棒81をいずれかの向きに回すと、圧力タンク4が液面に垂直な方向で上昇又は下降し、これにより、Rインクのメニスカス24aがノズル孔7内を一斉に移動する。この高さ調整装置79は、他の色インクの圧力タンク5,6にも設けられる。送りネジ棒81は、例えばモータを制御して回転させることができる。
上記吐出ヘッド8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2、8R3、8G3、8B3、8R4、8G4、8B4、8R5、8G5、8B5へのインクの供給は、図1に示すインク供給管路網装置と、図2に示すエア供給管路網装置とによって行われる。
なお、図1および図2はRインクの供給系について示しているが、Gインク、Bインクの供給系についても同様な装置が設けられるので、GインクおよびBインクの供給系の図示は省略する。
図1に示すように、各圧力タンク4,5,6の上流側には、R,G,Bの各色インクを貯留した容量の大きい貯留タンク1,2,3が設けられ、各貯留タンク1,2,3から各圧力タンク4,5,6にそれぞれR,G,Bの色インクが補給される。もちろん、使用する色インクの種類は増減可能であり、それに応じて圧力タンクおよび貯留タンクも増減される。各貯留タンク1,2,3内にはインク供給管路網装置から圧縮空気が供給され、この空気圧でインク供給管路網装置に色インクが送り出される。
Rインクの供給系で代表して説明すると、貯留タンク1からRインクの圧力タンク4へと、インク供給管82が伸びている。このインク供給管82には、貯留タンク1から圧力タンク4に向かって、バルブ15c、圧力計16、フィルタ12、バルブ15b、バッファタンク17、バルブ29、ポンプ11、圧力計32、フィルタ33、バルブ34が順に設けられる。
バルブ15cは、貯留タンク1からのRインクの流出をON・OFFするようになっている。
バッファタンク17は、Rインク24を溜めるための大気中に開放された貯留槽であり、Rインク24の液面の上限と下限を検知するための液面センサ83を備える。液面センサ83からの信号によりバルブ15cが開閉動作し、これにより、貯留タンク1からRインク24がバッファタンク17に補給される。また、このバッファタンク17はRインク24中の気泡を捕捉しRインク24中から除去する気泡トラップとしても機能する。Rインク24中の気泡は、吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5の振動によるキャビテーション現象等により発生し、この気泡がインクの正常な吐出を妨害する。バッファタンク17は後述するようにこの気泡をRインクから除去する脱気用循環手段としても機能する。
バルブ29は、エア供給管路網装置からの圧縮空気を利用することによりインク補給用導管14を開閉する弁であり、バッファタンク17からのRインク24の流出をON・OFFするようになっている。
ポンプ11としては、Rインク24がポンプの駆動部に接触しないチューブポンプを使用することができる。もちろん、他の方式のギアポンプ等を使用することもできる。
バルブ34は、圧力タンク4の区画室4a,4b,4c,4d,4eに対応する個数だけ設けられ、それらの上流側に上記インク補給用導管14が接続される。バルブ34は流入側を共通としたマニホールドタイプのものを用いてもよい。ポンプ11で圧送されるRインク24は、圧力タンク4における各区画室4a,4b,4c,4d,4e内のRインク24が上記吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5でのRインク24の消費によりその液面が低下し、各々の液面センサ77がこれを検知すると、該当するバルブ34が開き、ポンプ11によって圧送を開始しRインク24を該当する区画室4a,4b,4c,4d,4e内に導き、液面センサ77が元の液高に到達したことを検知すると、該当するバルブ34が閉じた後、ポンプ11が停止してRインク24の補給を遮断する。
図1に示すように、圧力タンク4から各吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5へは、上述したインク供給用導管19a、19b、19c、19d、19eが伸びている。各インク供給用導管19a、19b、19c、19d、19eには、圧力タンク4から吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5へと向かって、バルブ20、バルブ84が順に設けられる。
バルブ20,84は、印刷を開始する場合にインク供給用導管19aを導通させ、印刷を終了する場合にインク供給用導管19aを遮断する。
インク供給管路網装置は、圧力タンク4内のRインク24を循環させて濾過を行う濾過用循環手段を備える。
図1に示すように、この濾過用循環手段は、上記インク補給用導管14のほか、圧力タンク4の各区画室4a,4b,4c,4d,4eから引き出された複数本の濾過用導管76と、濾過用導管76ごとに設けられたバルブ88とを有する。バルブ88から上記インク補給用導管14におけるバルブ29とポンプ11との間へと一本の濾過用導管76が伸びている。バルブ88は流出側を共通としたマニホールドタイプのものを用いてもよい。
印刷の開始、終了、中断等の際に、バルブ20,29を閉じ、バルブ88,34を開いてポンプ11を駆動すると、図10中、太線で示すように、圧力タンク4の各区画室4a,4b,4c,4d,4e内のRインク24が濾過用導管76から、フィルタ33を通って再び各区画室4a,4b,4c,4d,4e内にもどる。これにより、Rインク24内の異物がフィルタ33により除去され、吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5のノズル孔7の異物による目詰まりが防止される。
図1に示すように、インク供給管路網装置は、圧力タンク4内のRインク24を循環させて脱気を行う脱気用循環手段を備える。
この脱気用循環手段は、上記インク補給用導管14、インク供給用導管19a、19b、19c、19d、19eのほか、上記各インク供給用導管19a、19b、19c、19d、19eにおけるバルブ84の上流からそれぞれ分岐して伸びる複数本の脱気用導管92と、複数本の脱気用導管92がそれぞれ接続される複数個のバルブ93から上記バッファタンク17へと伸びる一本の脱気用導管92aとを有する。バルブ93はマニホールドタイプのものを用いてもよい。
上記複数本の脱気用導管92が各インク供給用導管19a、19b、19c、19d、19eから分岐して伸びる箇所にはバルブ94がそれぞれ設けられる。また、複数本の脱気用導管92におけるバルブ94とバルブ93との間に、上記吐出ヘッド8の排出接続部23aから伸びる脱気用導管25aがそれぞれ連結される。各脱気用導管25aには、バルブ99が設けられている。また、上記一本の脱気用導管92aにはバルブ93からバッファタンク17に向かってポンプ96、圧力計97、フィルタ98が順に設けられる。
印刷の開始、終了、中断等の際に、図8中、バルブ84,99を閉じ、バルブ93を開いてポンプ96、11を駆動すると、図8中、太線で示すように、圧力タンク4の各区画室4a,4b,4c,4d,4e内のRインク24がインク供給用導管19a、19b、19c、19d、19eから、脱気用導管92へと流れ、フィルタ98により異物を除去され、バッファタンク17内へと流入し、ポンプ11、フィルタ33を通って再び各区画室4a,4b,4c,4d,4e内にもどる。これにより、吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5のノズル孔7等で発生しRインク24内に混入した気泡がバッファタンク17で除去される。
なお、複数本のインク供給用導管19a、19b、19c、19d、19eと複数本の脱気用導管92とが吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5へと伸びる箇所は、チューブ等の可撓性のある導管で形成される。
エア供給管路網装置は、印刷に際し上記圧力タンク4内に所定圧力の空気を送って高さHa〜Heのヘッド(水頭)差を解消するごとくしてRインク24を吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5から吐出させる。
図2に示すように、このエア供給管路網装置は、コンプレッサ等の圧縮空気源35から送られフィルタ36で濾過された圧縮空気をレギュレータ37で所定範囲内に減圧し、圧力コントローラ38で微調整して更に減圧したうえで、全ての圧力タンク4,5,6内に送るようになっている。圧縮空気源35を真空源とし、レギュレータ37を真空レギュレータとし、所定の負圧力としてもよい。また、真空源35に窒素等の気体を使用してもよい。
圧力コントローラ38は、サーボ弁等で構成される。この圧力コントローラ38によれば、−20〜20kPaの範囲において0.1kPa(10mm水柱)以内の精度で圧力調整が可能である。圧力コントローラ38は、各色(R,G,B)のインクの圧力タンク4,5,6ごとに設けることも可能であるが、この実施の形態では一基のみ設けられ、この一基の圧力コントローラ38から給気用の導管39,40,41が各圧力タンク4,5,6へと分岐している。圧力コントローラ38から圧力タンク4へと向う導管39には、バルブ43が設けられる。圧力コントローラ38から他の圧力タンク5,6へと向う各導管40,41にも同様にバルブ43が設けられる。
また、図2に示すように、圧力コントローラ38の上流側から、圧力コントローラ38を迂回して圧力タンク4,5,6に至る給気用の迂回導管45,46,47が設けられ、各迂回導管45,46,47にはレギュレータ48とバルブ49とがそれぞれ設けられる。また、各迂回導管45,46,47におけるバルブ49と圧力タンク4,5,6との間からは大気開放管110が分岐し、各大気開放管110にバルブ50が設けられる。この迂回導管45,46,47は、例えば各圧力タンク4,5,6から吐出ヘッド8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2、8R3、8G3、8B3、8R4、8G4、8B4、8R5、8G5、8B5のノズル孔7内にインクを初期充填する際に使用される。
このエア供給管路網装置において、印刷に先立ち、迂回導管45,46,47上のバルブ49が開き、圧力コントローラ38から伸びる導管39,40,41上のバルブ43、44が閉じ、レギュレータ48を介し圧縮空気源35から高圧の圧縮空気が各圧力タンク4,5,6内に流入すると、各圧力タンク4,5,6からインクがインク供給用導管19a、19b、19c、19d、19e等へと急速に送り出される。
上記一基の圧力コントローラ38によって得た圧縮空気を全圧力タンク4,5,6に供給する場合、ある色のインクはノズル孔7の先端にメニスカス24aを形成することができたが、他の色のインクについてはメニスカス24aがノズル孔7の奥まった箇所に形成されることがある。このような現象はインクの粘度、濃度等の相違により発生するものと考えられる。その場合は、操作者が上記モニタ9a上でノズル孔7の先端を観察しつつ図1に示す送りネジ棒81を回して圧力タンク4,5,6の高さをそれぞれ調節し、図3(B)のごとくメニスカス24aがノズル孔7の先端に到達したところで圧力調整を完了する。このような高さ調整が、メニスカス24aに位置不良が生じたすべてのインクの圧力タンク4,5,6について行われる。
また、同じ圧力タンクから同じインクを供給される吐出ヘッド間においてもメニスカス24aの形成位置にバラツキを生じる場合がある。このバラツキを解消するため、図4に示した圧力タンク4の各区画室4a,4b,4c,4d,4eごとに設けられた各液面センサ77の感度が操作者により調整される。各液面センサ77からの信号により、該当するバルブ34が開閉し、各区画室4a,4b,4c,4d,4e内のRインク24の液高が加減される。これにより、ヘッドHa,Hb,Hc,Hd,Heが変化し、すべてのノズル孔7の先端にRインク24が到達し、図3(B)のごとくノズル孔7の先端にメニスカス24aが形成される。このメニスカス24aの形成は、操作者がモニタ9a上でノズル孔7の先端を観察しつつ圧力コントローラ38で圧力調整することにより行うことができる。他の圧力タンク5,6から他の吐出ヘッド8G1、8B1、8G2、8B2、8G3、8B3、8G4、8B4、8G5、8B5に対するGインク、Bインクの供給も上記と同様にして行われる。
印刷が開始される場合は、上記圧力コントローラ38によって、圧力タンク4が加圧又は減圧され、吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5において図3(B)のごとくノズル孔7の先端でメニスカス24aを形成すると同時にガラス基板18に向かって微細な液滴となって噴射される。
なお、上記各種バルブは電磁弁又はエアオペレートバルブ等とすることによって自動制御を実施することも可能である。
次に、上記構成の液体吐出装置の作用について説明する。
(1)カラーフィルタの製造にあたり、エア供給管路網装置とインク供給管路網装置とを作動させ、Rインク24の機内充填を行う。
図6に示すように、バルブ29,34を開けてインク補給用導管14を導通させる。さらに、ポンプ11の駆動とによって、Rインク24がすべての圧力タンク4,5,6内に所定量充填される。
また、バルブ93を開け、バルブ84,99を閉じ、ポンプ96を駆動する。さらに、図2に示すエア供給管路網装置において、迂回導管45,46,47上のバルブ49が開き、圧力コントローラ38から伸びる導管39,40,41上のバルブ43が閉じ、レギュレータ48を介し圧縮空気源35から高圧の圧縮空気が各圧力タンク4,5,6内に流入すると、各圧力タンク4,5,6からインクがインク供給用導管19a、19b、19c、19d、19e等へと急速に送り出される。
(2)図7に示すように、バルブ15cを閉じてインク補給用導管82を遮断し、ポンプ11,96を所定時間駆動する。これにより、Rインク24はインク補給用導管14、インク供給用導管19a、19b,19c,19d,19e、脱気用導管92、およびバッファタンク17により形成される環状流路内を循環し、その結果各種導管内、継手内に溜った気泡や、Rインク24内の溶存空気がバッファタンク17に捕捉され、Rインク24内から除去される。
(3)図8に示すように、バルブ94を閉じて導管92を遮断し、バルブ84、バルブ99を開いてインク供給用導管19a,脱気用導管25aを導通させ、バルブ93を開きポンプ96を駆動する。さらに、図2に示すエア供給管路網装置において、迂回導管45,46,47上のバルブ49が開き、圧力コントローラ38から伸びる導管39,40,41上のバルブ43が閉じ、レギュレータ48を介し圧縮空気源35から高圧の圧縮空気が各圧力タンク4,5,6内に流入すると、各圧力タンク4,5,6からインクがインク供給用導管19a、19b、19c、19d、19e等へと急速に送り出される。これにより、Rインク24はインク補給用導管14、インク供給用導管19a、19b,19c,19d,19e、吐出ヘッド8R1の液溜り室21、脱気用導管25a、脱気用導管92、およびバッファタンク17により形成される環状流路内を循環し、その結果吐出ヘッド8R1の液溜り室21内に溜った気泡がRインク24の流れによりバッファタンク17へと運ばれ除去される。
(4)図8の状態においてバルブ99を閉じて脱気用導管25aを遮断し、また、バルブ94を閉じて脱気用導管92を遮断した状態にしておき、図9に示すように、ポンプ11の駆動によりRインク24を吐出ヘッド8R1のノズル孔7内に送る。これにより、ノズル孔7内から空気を排出する。
(5)必要に応じて、図7に示した上記(2)のRインク24の循環を行い、Rインク24内から気泡をより適正に除去する。
(6)図2に示すように、エア供給管路網装置における迂回導管45,46,47上のバルブ49を閉じ、バルブ50を開いて高圧の圧縮空気を大気中に逃した後、圧力コントローラ38側の導管39,40,41上のバルブ43を開き、圧力コントローラ38で圧力調整した比較的低圧(正圧又は負圧)の空気を圧力タンク4内に送る。
これにより、低圧空気によって圧力タンク4内のRインク24が上昇し、吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5のノズル孔7内にメニスカスを形成する。
また、圧力タンク4を高さ調整装置79の操作により上下方向に移動させ、吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5のノズル孔7内におけるRインク24のメニスカス24aをノズル孔7の先端に近づける。
(7)作業者がディスプレイ装置9により吐出ヘッド8R1,8R2,8R3,8R4,8R5の先端を観察しながら、圧力タンク4の各区画室4a,4b,4c,4d,4eに割り振られた各センサ77の感度を調整する。各センサ77の感度に応じてバルブ34の各々が開閉動作し、図4(B)に示すように各区画室4a,4b,4c,4d,4e内のRインク24の液高Ha,Hb,Hc,Hd,Heが加減され、すべての吐出ヘッド8R1、8R2、8R3、8R4、8R5におけるノズル孔7の先端に図3(B)に示すようにRインク24のメニスカス24aが形成されたところで各センサ77の感度調整を終了する。
なお、Gインク、Bインク等他のインクについても上記(1)〜(7)の各ステップが実行され、Rインクと同様にすべての吐出ヘッド8G1,8G2,8G3,8G4,8G5,8B1,8B2,8B3,8B4,8B5におけるノズル孔の先端に図3(B)に示すように他のインクのメニスカスが形成される。このGインク、Bインクの充填は上記Rインク24の充填の後に行うこともできるし、Rインク24の充填と並行して行うこともできる。
(8)以上でカラーフィルタのガラス基板18に対する各インクの印刷又は塗布の準備が完了する。
図5に示すように所望数のユニット体63の全吐出ヘッド8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2、8R3、8G3、8B3、8R4、8G4、8B4、8R5、8G5、8B5のノズル孔7にカラーフィルタのガラス基板18を正対させ、ユニット体63とガラス基板18を相対的に移動させつつ、吐出ヘッド8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2、8R3、8G3、8B3、8R4、8G4、8B4、8R5、8G5、8B5からインクの微細な液滴をガラス基板18に対して発射する。吐出ヘッド8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2、8R3、8G3、8B3、8R4、8G4、8B4、8R5、8G5、8B5の各ノズル孔7において、各種色インクが図3(B)に示すごとくノズル孔7の先端にメニスカス24aを形成するように供給されるので、ノズル孔7の先端からインクが空気を巻き込むことなく適正量の液滴となって被塗布体であるガラス基板18に向って吐出される。これにより、ガラス基板18上にR,G,Bのインクからなる塗膜が均一に精度良く形成される。
(9)各吐出ヘッド8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2、8R3、8G3、8B3、8R4、8G4、8B4、8R5、8G5、8B5からインクを発射することにより、圧力タンク4,5,6内のインクが消費され液面が降下するが、この液面の降下を液面センサ77が検知する。この液面センサ77からの信号により各バルブ34が開閉し、バッファタンク17内のインク24をポンプ11によって圧力タンク4,5,6内の各区画室内に補充する。これにより、圧力タンク4,5,6の各区画室内の液高が常時一定に保持され、吐出ヘッド8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2、8R3、8G3、8B3、8R4、8G4、8B4、8R5、8G5、8B5内においてメニスカス24aが常に正常な位置すなわちノズル孔7の先端に形成される。
(10)印刷中にガラス基板18の表面にインクのドット(画素)抜けが発見された場合、所定の印刷サイクルが完了した場合等は、図9に示した上記(4)の工程が該当する色インクについて実行され、該当する吐出ヘッドのノズル孔7内に色インクが圧送される。
(11)また、図10に示すように、定期的にバルブ88が開いて濾過用導管76を導通させる。これにより、圧力タンク4,5,6内のインクがポンプ11の駆動により矢印方向に流れて循環し、循環する途中でインク内の異物がフィルタ33により除去される。この結果、吐出ヘッド8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2、8R3、8G3、8B3、8R4、8G4、8B4、8R5、8G5、8B5のノズル孔7の目詰まりが防止される。
(12)かくて、ステージ56がX軸方向に一ストローク移動すると、ガラス基板18の表面にカラーフィルタ等の所定のパターンが形成される。
したがって、この液体吐出装置を用いたカラーフィルタの製造装置によれば、インクが全ノズル孔の先端にメニスカスを形成するように供給されるので、ノズル孔の先端からインクが空気を巻き込むことなく適正量の液滴となって被塗布体であるガラス基板に向って吐出される。これにより、ガラス基板上にR,G,Bのインクからなる塗膜が均一に精度良く形成され、高品質なカラーフィルタが製造される。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態では三色の液状インクをカラーフィルタの基板に塗布する場合について説明したが、本発明は一色又は四色以上のインクを塗布、印刷する場合、インク以外の液体を塗布、印刷する場合、カラーフィルタの基板以外の被塗布材に塗布、印刷する場合等についても適用可能である。また、圧力タンク内には必ずしも正圧の空気を送るだけでなく、負圧をかけることによりインクを吐出ヘッドへ送り出すようにしてもよい。
4,5,6…圧力タンク
4a,4b,4c,4d,4e…区画室
7…ノズル孔
8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2、8R3、8G3、8B3、8R4、8G4、8B4、8R5、8G5、8B5…吐出ヘッド
9…ディスプレイ装置
18…ガラス基板
24…Rインク
24a…メニスカス
28…圧力コントローラ
63…ユニット体
70…加圧室
77…液面センサ
79…高さ調整装置
4a,4b,4c,4d,4e…区画室
7…ノズル孔
8R1、8G1、8B1、8R2、8G2、8B2、8R3、8G3、8B3、8R4、8G4、8B4、8R5、8G5、8B5…吐出ヘッド
9…ディスプレイ装置
18…ガラス基板
24…Rインク
24a…メニスカス
28…圧力コントローラ
63…ユニット体
70…加圧室
77…液面センサ
79…高さ調整装置
Claims (16)
- 液体を圧力タンク内に貯留し、圧力タンクから液体を複数個の吐出ヘッドへと各導管を通して送り、圧力タンクの液面と異なる位置に配置された各吐出ヘッドのノズル孔の先端から被塗布体に向かって液滴を吐出するようにした液体吐出装置において、上記圧力タンク内に、上記各吐出ヘッドに対応してそれぞれ液体を溜める区画室と、全区画室に通じる連通室とを形成し、上記各区画室と上記各吐出ヘッドとをそれぞれ上記導管で連結して、上記圧力タンク内に正圧又は負圧を加えることにより、上記各区画室から上記各吐出ヘッドのノズル孔の先端へと液体が供給されるようにしたことを特徴とする液体吐出装置。
- 請求項1に記載の液体吐出装置において、全吐出ヘッドのノズル孔の先端に液体のメニスカスが形成され、各導管の長さを調整することによりメニスカス位置が調整可能であることを特徴とする液体吐出装置。
- 請求項1に記載の液体吐出装置において、圧力タンクの区画室ごとに液面センサを設け、各液面センサからの信号に基づき区画室ごとに液高を調整することにより、全吐出ヘッドのノズル孔の先端に液体のメニスカスが形成され、そのメニスカス位置が調整可能であることを特徴とする液体吐出装置。
- 請求項1に記載の液体吐出装置において、圧力タンクを液面に垂直な方向で位置調整する高さ調整手段を具備したことを特徴とする液体吐出装置。
- 請求項1に記載の液体吐出装置において、液体を循環させて濾過を行う循環手段が設けられたことを特徴とする液体吐出装置。
- 請求項1に記載の液体吐出装置において、液体を循環させて脱気を行う循環手段が設けられたことを特徴とする液体吐出装置。
- 請求項1に記載の液体吐出装置において、各吐出ヘッドが、他の一種又は複数種の液体をそれぞれ吐出する吐出ヘッドと共にユニット体に一体で保持され、他種類の液体の吐出ヘッドにはそれぞれ他の圧力タンクから液体が供給されるようにしたことを特徴とする液体吐出装置。
- 請求項7に記載の液体吐出装置において、液体が複数種の色インクであり、ユニット体の各吐出ヘッドに各色のインクが対応付けられていることを特徴とする液体吐出装置。
- 請求項1又は請求項7に記載の液体吐出装置において、吐出ヘッド又はユニット体がXYガイド機構に搭載され、XYガイド機構の駆動に伴い吐出ヘッドのノズル孔から液体を被塗布体に向かって吐出することにより、被塗布体の表面に所定のパターンを形成するようにしたことを特徴とする液体吐出装置。
- 請求項1に記載の液体吐出装置において、吐出ヘッドのノズル孔の先端を観察する観察手段が設けられたことを特徴とする液体吐出装置。
- 請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の液体吐出装置を用いたことを特徴とするカラーフィルタの製造装置。
- 液体を圧力タンク内に貯留し、圧力タンクから液体を複数個の吐出ヘッドへと各導管を通して送り、圧力タンクの液面と異なる位置に配置された各吐出ヘッドのノズル孔の先端から被塗布体に向かって液滴を吐出する液体吐出方法において、上記圧力タンク内に、上記各吐出ヘッドに対応してそれぞれ液体を溜める区画室と、全区画室に通じる連通室とを形成し、上記各区画室と上記各吐出ヘッドとをそれぞれ上記導管で連結して、上記圧力タンク内に正圧又は負圧を加えることにより、上記各区画室から上記各吐出ヘッドのノズル孔の先端へと液体を供給することを特徴とする液体吐出方法。
- 請求項12に記載の液体吐出方法において、液体のメニスカスを全吐出ヘッドのノズル孔の先端に形成せしめ、圧力タンクの各区画室内の液高をそれぞれ調整して、上記各吐出ヘッドのノズル孔から所定量の液体を吐出することを特徴とする液体吐出方法。
- 請求項12に記載の液体吐出方法において、液体を循環させつつ濾過を行うことを特徴とする液体吐出方法。
- 請求項12に記載の液体吐出方法において、液体を循環させつつ脱気を行うことを特徴とする液体吐出方法。
- 請求項12乃至請求項15のいずれかに記載の液体吐出方法を用いたことを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
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JP (1) | JP2009240962A (ja) |
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2008
- 2008-03-31 JP JP2008092052A patent/JP2009240962A/ja active Pending
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