JP2009238971A - ダイヤモンド薄膜形成用基板、該基板を用いてなる半導体基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シリコン基板上に緻密なダイヤモンド薄膜を形成させるためのシリコン基板及びその製造方法であって、1000℃以上の高温でも孔形態が変化せず、核発生密度も維持でき、熱膨張係数差に伴う応力の緩和機構も備えたダイヤモンド薄膜形成用シリコン基板およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】サブミクロン〜ミクロンサイズの柱状多孔質層とナノサイズシリコン粒子層からなる2層構造を、所定濃度のフッ酸系電解液中で、シリコン単結晶基板を陽極酸化する電解酸化することによって、シリコン単結晶基板表面に設ける。
【選択図】図1
【解決手段】サブミクロン〜ミクロンサイズの柱状多孔質層とナノサイズシリコン粒子層からなる2層構造を、所定濃度のフッ酸系電解液中で、シリコン単結晶基板を陽極酸化する電解酸化することによって、シリコン単結晶基板表面に設ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、ダイヤモンド薄膜形成用のシリコン基板に関し、更に詳細には、その上にダイヤモンド薄膜を形成しても剥がれが無く、表面が平滑で応力緩和が可能なダイヤモンド薄膜形成用基板及びその製造方法に関する。
ダイヤモンドは宝石として貴重であると同時に、全ての物質の中で最高の硬度や、高い熱伝導率、絶縁耐圧、および広い光透過波長帯、高い化学的安定性を有している事から、これらの特性を生かした次世代電子デバイスへの幅広い応用が期待されている。
近年、シリコン基板上へのダイヤモンド薄膜のヘテロエピタキシャル成長技術に関する報告が活発になされてきており、これまでに熱フィラメントCVD法、マイクロ波プラズマCVD法、高周波プラズマCVD法、直流放電プラズマCVD法等の気相成長に関する技術が開発されている。
いずれの気相成長技術においてもダイヤモンド薄膜を結晶成長させる初期工程、すなわち結晶核生成の工程が重要であり、ダイヤモンド薄膜を形成するのに先立って核生成のための前処理を行うのが通例となっている。例えば、ダイヤモンドパウダーを用いたスクラッチ法が良く知られているが、該方法では核生成密度が小さく、大面積基板上に均一な密度と大きさの核を生成させにくいという問題がある。
そこで最近、この問題を解決するために、シリコン基板を電解酸化する事によって基板表面から内部にかけてナノメートルオーダーの大きさを有する多孔質シリコン層を形成せしめ、これを核としてダイヤモンド薄膜を作製する方法が特許文献1に開示されている。
しかしこの方法では、多孔質シリコン層が300℃から微視的に変化しはじめ、更に温度を上げるとシリコン原子のマイグレーションが生じて、その多孔質形態が維持されずに1000℃以上の高温ではマイクロメートルサイズの孔形態に変化するため、ダイヤモンド層形成において核生成密度が低下して良質なダイヤモンド薄膜が形成されないという温度制約の問題が有る。
この問題を解決に対し、特許文献2では多孔質シリコン層上に800℃以下で低温成長させたダイヤモンド状炭素を中間層として設けて形態変化を低減し、800℃以上の高温でダイヤモンド薄膜層を成長させるという方法が開示されている。
ダイヤモンド薄膜を次世代デバイスに用いるには、より緻密なダイヤモンド薄膜形成を実現する必要が有り、核発生密度として1010個/cm2以上を実現する技術の確立が重要とされる。そして、更に高品質なダイヤモンド薄膜を得るためには、ダイヤモンド薄膜とシリコン基板の熱膨張係数差に伴う応力への緩和機構が必要となる。
このような観点から、上記中間層を設ける特許文献2に開示された方法では、たとえ中間層で孔形態変化を生じにくくしても、例えば1000℃以上の高温ではその形態変化を完全に抑制しきれず、核発生密度を維持できないため、良質なダイヤモンド薄膜を形成する事が困難である。
また、ダイヤモンド薄膜層を2層必要とするため、工程が煩雑になり手間がかかる。
本発明の目的は、1000℃以上の高温でもダイヤモンドの核発生密度を維持し、熱膨張係数差に伴う応力の緩和機構も備えた多孔質層を有するシリコン基板およびその製造方法を提供する事にある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、シリコン単結晶基板表面にサブミクロン〜ミクロンサイズの柱状多孔質層とナノサイズのシリコン粒子層とからなる2層構造を電解酸化法によって設ける事により、前記ナノサイズシリコン粒子層の存在が1000℃以上の高温成長下においてもダイヤモンドの核生成密度を維持せしめ、前記柱状多孔質層が孔形態変化しにくいが故に、ダイヤモンドとシリコン基板の熱膨張係数の違いによる応力の緩和を実現できる事を見出し、本発明を完成するに至った。
よって本発明は以下の(1)〜(14)に示すものである。
(1)シリコン単結晶基板上に、サブミクロンないしミクロンサイズの柱状構造の多孔質シリコン層、ついでナノサイズのシリコン粒子の層が順次設けられてなることを特徴とするダイヤモンド薄膜形成用基板。
(2)前記柱状構造が、0.1ないし10μmの孔径を有する事を特徴とする前記(1)に記載のダイヤモンド薄膜形成用基板。
(3)前記シリコン粒子が、5ないし50nmの粒径である事を特徴とする前記(1)又は(2)に記載のダイヤモンド薄膜形成用基板。
(4)前記柱状構造の多孔質シリコン層の厚さが2ないし50μmであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のダイヤモンド薄膜形成用基板。
(5)前記シリコン単結晶基板の厚さが0.3ないし2mmであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のダイヤモンド薄膜形成用基板。
(6)前記(1)〜(5)のいずれかに記載のダイヤモンド薄膜形成用基板上にダイヤモンド薄膜が形成されてなることを特徴とする半導体基板。
(7)前記ダイヤモンド薄膜が、単結晶あるいは多結晶である事を特徴とする前記(6)に記載の半導体基板。
(8)1乃至100Ω・cmの範囲の体積抵抗率を有するN型シリコン単結晶基板を、水あるいはエタノールを含むフッ酸溶液もしくは水及びエタノール双方を含むフッ酸溶液からなる電解液中にて電解酸化することで、サブミクロンないしミクロンサイズの柱状構造の多孔質シリコン層とナノサイズシリコン粒子層とからなる2層構造が形成されることを特徴とするダイヤモンド薄膜形成用基板の製造方法。
(9)前記電解液中のフッ酸濃度が35容量%以下である事を特徴とする前記(8)に記載のダイヤモンド薄膜形成用基板の製造方法。
(10)前記電解酸化工程において、電流密度を1乃至200mA/cm2にて電解することを特徴とする前記(8)又は(9)のいずれかに記載のダイヤモンド薄膜形成用基板の製造方法。
(11)前記電解酸化工程において、光照射無しで電解酸化する事を特徴とする前記(8)〜(10)のいずれかに記載のダイヤモンド薄膜形成用基板の製造方法。
(12)前記電解酸化工程において、温度20℃以上の電解液浴下にて電解酸化することを特徴とする前記(8)〜(11)のいずれかに記載のダイヤモンド薄膜形成用基板の製造方法。
(13)前記(8)〜(12)のいずれかの項に記載の製造方法により得られたダイヤモンド薄膜形成用基板上に、ダイヤモンド薄膜を気相成長法により形成させること特徴とする半導体基板の製造方法。
(14)前記ダイヤモンド薄膜の気相成長温度が、700ないし1200℃である事を特徴とする前記(13)に記載の半導体基板の製造方法。
本発明のダイヤモンド薄膜形成用基板によれば、高温かつ還元雰囲気下での形態変化が無いため、該条件下でも大面積に均一で高密度のダイヤモンド核生成を実現でき、加えて、熱膨張係数差に伴う応力を緩和する事ができる。このため、表面が平滑で歪みの少ない高品質のダイヤモンド薄膜を有する半導体基板を作製する事ができる。
本発明のダイヤモンド薄膜形成用基板およびその製造方法について詳細に説明する。
本発明におけるダイヤモンド薄膜形成用基板は、孔径がサブミクロン〜ミクロンサイズの柱状多孔質シリコン層とナノサイズのシリコン粒子層からなる2層構造を有していることを特徴とする。
本発明に用いることができるダイヤモンド薄膜形成用基板としては、単結晶シリコン基板を用いることができ、好ましくは、リン、アンチモン、ヒ素等がドープされたN型半導体基板を用いることができる。
また、用いるシリコン単結晶基板の厚さは0.3〜2mmであることが好ましい。0.3mm未満であるとダイヤモンド薄膜の応力により形状が変化して取り扱いづらくなり、2mmを超える場合、ウェーハ単価が高くなって非経済的である。
また、その体積抵抗率は1乃至100Ω・cmの範囲である基板であることが、ナノサイズ粒子の発生およびサブミクロン〜ミクロンサイズの柱状孔形成の面から好ましい。
また、用いるシリコン単結晶基板の厚さは0.3〜2mmであることが好ましい。0.3mm未満であるとダイヤモンド薄膜の応力により形状が変化して取り扱いづらくなり、2mmを超える場合、ウェーハ単価が高くなって非経済的である。
また、その体積抵抗率は1乃至100Ω・cmの範囲である基板であることが、ナノサイズ粒子の発生およびサブミクロン〜ミクロンサイズの柱状孔形成の面から好ましい。
該シリコン基板は表面に、上記したように孔径がサブミクロン〜ミクロンサイズの柱状多孔質シリコン層を有していることが好ましい。
ここで、サブミクロン〜ミクロンサイズとは、具体的には孔径が、0.1〜30μmのことを示し、より好ましくは、0.1〜10μmの範囲である。
孔径が0.1μmに満たない場合、結晶成長雰囲気下でマイグレーションにより形態変化して孔が埋まるため、ダイヤモンド薄膜の応力を緩和するに足る多孔質構造を維持できず、10μmを超えるとダイヤモンド薄膜が孔を埋め尽くす事が困難となり、ダイヤモンド薄膜の平坦性を損なうためである。
また、前記柱状とは、基板表面から裏面に向かって真っ直ぐにエッチングされた孔の形態を示し、その柱状多孔質層の厚さは2〜50μmであることが好ましい。2μm未満であると、応力の緩和に支障をきたし、50μmを超えるとダイヤモンド膜の平坦性が損なわれるためである。
また、前記柱状多孔質シリコン層の孔密度が、100〜400個/mm2の孔密度である事が好ましい。
孔径が0.1μmに満たない場合、結晶成長雰囲気下でマイグレーションにより形態変化して孔が埋まるため、ダイヤモンド薄膜の応力を緩和するに足る多孔質構造を維持できず、10μmを超えるとダイヤモンド薄膜が孔を埋め尽くす事が困難となり、ダイヤモンド薄膜の平坦性を損なうためである。
また、前記柱状とは、基板表面から裏面に向かって真っ直ぐにエッチングされた孔の形態を示し、その柱状多孔質層の厚さは2〜50μmであることが好ましい。2μm未満であると、応力の緩和に支障をきたし、50μmを超えるとダイヤモンド膜の平坦性が損なわれるためである。
また、前記柱状多孔質シリコン層の孔密度が、100〜400個/mm2の孔密度である事が好ましい。
前記シリコン基板上にナノサイズ粒子の発生および孔径がサブミクロン〜ミクロンサイズの柱状多孔質シリコン層を形成する方法としては、前記シリコン基板を電解酸化法によって形成する方法が挙げられる。
電解酸化は、電解液を張った電解槽中にて、シリコン基板を陽極とし、白金電極等を外部陰極として所定の電解条件にて行う。
この際、電流密度は1乃至200mA/cm2の範囲で電解することが好ましい。1mA/cm2未満では、電界強度が足りず、サブミクロン〜ミクロンサイズの柱状多孔質層を得ることが困難になり、200mA/cm2超では電解電圧が高くなるため、容量の大きな整流器を使用しなければならない上に使用電力量が大きくなって非経済的である。
本発明に用いる電解酸化用の電解液としては、水あるいはエタノールを含むフッ酸溶液、もしくは水及びエタノール双方を含むフッ酸溶液からなることが好ましく、このとき少なくとも35容量%以下のフッ酸を含んだ電解液とする。より好ましくは15〜35容量%のフッ酸を含んだ電解液である。フッ酸の含有量が35容量%を超える場合、ナノサイズのシリコン粒子層および柱状多孔質層を均一にウェーハ面内に形成する事が困難となる。また15容量%に満たない場合、電解電圧が高くなるため、容量の大きな整流器を使用しなければならない上に使用電力量が大きくなって非経済的である。
更に、本発明における電解酸化では、例えばハロゲンランプによる光照射は避けることが好ましい。なぜならば、光照射により、柱状多孔質シリコン層が形成されにくくなり、Siナノ粒子層のみが得られるからである。
前記柱状多孔質層は、その孔径が0.1〜30マイクロメートル程度と大きいため、1000℃以上の高温下において形態変化しない。このため、高温成長下においてダイヤモンドの核発生密度が低下する事なく、応力の緩和も可能となる。
次いで、前記柱状多孔質層上にナノサイズのシリコン粒子層について説明する。
作製方法は、基本的に上記段落0035〜0040に記載された方法に加え、電解液温度を20℃以上の範囲とし、より好ましくは25〜50℃の範囲とする。電解液温度が50℃を超える場合、ナノ粒子のサイズのコントロールが難しくなり、20℃に満たない場合、冷却装置による電解液の冷却が必要となって非経済的である。
前記ナノサイズのシリコン粒子層については、粒径が5nm〜50nm程度であり、粒子サイズはダイヤモンドの核生成密度を高める点からできるだけ小さい方が好ましく、その形状は球状に近い。尚、5nmに満たないものが得られる事は殆ど無く、50nmを超える粒径については、核生成密度が頭打ちとなるため好ましくない。
以上説明したようにして、本発明である孔径がサブミクロン〜ミクロンサイズの柱状多孔質シリコン層とナノサイズのシリコン粒子層からなる2層構造を有したダイヤモンド薄膜形成用基板を得ることができる。
該ダイヤモンド薄膜形成用基板に、ダイヤモンド薄膜層を形成する手法としては、熱フィラメントCVD法、マイクロ波プラズマCVD法、高周波プラズマCVD法、直流放電プラズマCVD法等の気相成長をあげる事ができる。
好ましくは、
等の方法によりダイヤモンド薄膜層を形成することができる。
前記気相成長法によるダイヤモンド薄膜の気相成長温度については、700〜1200℃であることが好ましい。該温度が700℃に満たない場合、ダイヤモンドライクカーボンやアモルファスカーボンが得られ、1200℃を超えるとSi基板の融点(1412±2℃)に近づいてくるため、基板形状の維持が難しくなって問題がある。
気相成長法により形成するダイヤモンド薄膜は単結晶あるいは多結晶であることが好ましい。
好ましくは、
等の方法によりダイヤモンド薄膜層を形成することができる。
前記気相成長法によるダイヤモンド薄膜の気相成長温度については、700〜1200℃であることが好ましい。該温度が700℃に満たない場合、ダイヤモンドライクカーボンやアモルファスカーボンが得られ、1200℃を超えるとSi基板の融点(1412±2℃)に近づいてくるため、基板形状の維持が難しくなって問題がある。
気相成長法により形成するダイヤモンド薄膜は単結晶あるいは多結晶であることが好ましい。
次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例により何ら制約されるものではない。
実施例
水/フッ酸/エタノール混合溶液(容量組成比50:25:25)が準備された電解槽中、リンがドープされ体積抵抗率が2.0〜3.0Ω・cmのN型シリコン単結晶(111)基板を陽極、白金電極を陰極として、ハロゲンランプによる光照射は実施せずに、電解液温度を30℃として、電流密度50mA/cm2にて12分間通電して陽極酸化する事により、表面にナノサイズのシリコン粒子層と柱状多孔質シリコン層とからなる2層構造が形成された基板が得られた。
水/フッ酸/エタノール混合溶液(容量組成比50:25:25)が準備された電解槽中、リンがドープされ体積抵抗率が2.0〜3.0Ω・cmのN型シリコン単結晶(111)基板を陽極、白金電極を陰極として、ハロゲンランプによる光照射は実施せずに、電解液温度を30℃として、電流密度50mA/cm2にて12分間通電して陽極酸化する事により、表面にナノサイズのシリコン粒子層と柱状多孔質シリコン層とからなる2層構造が形成された基板が得られた。
次に、作製した該基板を、直流放電プラズマCVD装置の反応炉内にセットし、出力1.5KW、メタンと水素の混合キャリアガス(メタン:3mL/min、水素:97mL/min)を流しながら、該基板温度を1000℃とし、厚さ3μmの多結晶ダイヤモンド薄膜を成長させた。
得られた多結晶ダイヤモンド薄膜は、平滑で緻密であり、剥がれが無い良質なダイヤモンド薄膜であった。
比較例
電解液である30重量%HF液(エチルアルコールとHFの混合液(容量比1:1))中、ボロンがドープされ、体積抵抗率が0.01Ω・cmのP型シリコン(111)を陽極、白金電極を陰極として、電流密度1mA/cm2で8分間通電して、P型シリコン上に第1多孔質シリコン層を形成させた。実施例のナノサイズシリコン粒子層が、数nm〜50nmの粒子の層であるのに対して、該多孔質シリコン層は、FE−SEMによる断面観察でも確認できないほどの数nmレベルの孔を有する多孔質構造で、その厚みは0.46μmであった。
電解液である30重量%HF液(エチルアルコールとHFの混合液(容量比1:1))中、ボロンがドープされ、体積抵抗率が0.01Ω・cmのP型シリコン(111)を陽極、白金電極を陰極として、電流密度1mA/cm2で8分間通電して、P型シリコン上に第1多孔質シリコン層を形成させた。実施例のナノサイズシリコン粒子層が、数nm〜50nmの粒子の層であるのに対して、該多孔質シリコン層は、FE−SEMによる断面観察でも確認できないほどの数nmレベルの孔を有する多孔質構造で、その厚みは0.46μmであった。
ついで、更に電流密度21mA/cm2で16分間通電して、第1多孔質シリコン層下のシリコン単結晶基板上面に、第2多孔質シリコン層を形成させ、2層構造よりなる多孔質シリコン層基板を作製した。この第2多孔質シリコン層は、孔サイズが5nm〜15nmの樹枝状構造で、実施例で示す柱状構造とは孔のサイズおよび形態において異なっており、その厚みは24μmであった。
次に、作製した該基板上に、実施例記載条件と同一条件にて多結晶ダイヤモンド薄膜を成長させた。
得られたダイヤモンド薄膜は、実施例記載の膜と比較して、剥がれやすい粗悪な膜であった。
本発明では、シリコン基板上に表面が平滑で歪みの少ない高品質のダイヤモンド薄膜を作製する事ができ、このようにして得られたシリコン基板は、ハイパワー高耐圧ICや通信用高速FET等の次世代デバイス用半導体として利用可能である。
1 ナノサイズシリコン粒子層
2 柱状多孔質シリコン層
3 シリコン基板
4 第1多孔質シリコン層
5 第2多孔質シリコン層
6 ダイヤモンド薄膜
2 柱状多孔質シリコン層
3 シリコン基板
4 第1多孔質シリコン層
5 第2多孔質シリコン層
6 ダイヤモンド薄膜
Claims (14)
- シリコン単結晶基板上に、サブミクロンないしミクロンサイズの柱状構造の多孔質シリコン層、ついでナノサイズのシリコン粒子の層が順次設けられてなることを特徴とするダイヤモンド薄膜形成用基板。
- 前記柱状構造が、0.1ないし10μmの孔径を有する事を特徴とする請求項1に記載のダイヤモンド薄膜形成用基板。
- 前記シリコン粒子が、5ないし50nmの粒径である事を特徴とする請求項1又は2に記載のダイヤモンド薄膜形成用基板。
- 前記柱状構造の多孔質シリコン層の厚さが2ないし50μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のダイヤモンド薄膜形成用基板。
- 前記シリコン単結晶基板の厚さが0.3ないし2mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のダイヤモンド薄膜形成用基板。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のダイヤモンド薄膜形成用基板上にダイヤモンド薄膜が形成されてなることを特徴とする半導体基板。
- 前記ダイヤモンド薄膜が、単結晶あるいは多結晶である事を特徴とする請求項6に記載の半導体基板。
- 1乃至100Ω・cmの範囲の体積抵抗率を有するN型シリコン単結晶基板を、水あるいはエタノールを含むフッ酸溶液もしくは水及びエタノール双方を含むフッ酸溶液からなる電解液中にて電解酸化し、サブミクロンないしミクロンサイズの柱状構造の多孔質シリコン層とナノサイズシリコン粒子層とからなる2層構造が形成されることを特徴とするダイヤモンド薄膜形成用基板の製造方法。
- 前記電解液中のフッ酸濃度が35容量%以下である事を特徴とする請求項8に記載のダイヤモンド薄膜形成用基板の製造方法。
- 前記電解酸化工程において、電流密度を1乃至200mA/cm2にて電解することを特徴とする請求項8又は9に記載のダイヤモンド薄膜形成用基板の製造方法。
- 前記電解酸化工程において、光照射無しで電解酸化する事を特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のダイヤモンド薄膜形成用基板の製造方法。
- 前記電解酸化工程において、温度20℃以上の電解液浴下にて電解酸化することを特徴とする請求項8〜11に記載のダイヤモンド薄膜形成用基板の製造方法。
- 請求項8〜12のいずれかの項に記載の製造方法により得られたダイヤモンド薄膜形成用基板上に、ダイヤモンド薄膜を気相成長法により形成させること特徴とする半導体基板の製造方法。
- 前記ダイヤモンド薄膜の気相成長温度が、700ないし1200℃である事を特徴とする請求項13に記載の半導体基板の製造方法。
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WO2021048184A1 (fr) * | 2019-09-11 | 2021-03-18 | Diarotech Sa | Procédé et dispositif de synthèse de diamant et toutes autres formes allotropiques de carbone par synthèse en phase liquide |
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2008
- 2008-03-27 JP JP2008082297A patent/JP2009238971A/ja active Pending
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