JP2009238572A - 燃料電池に用いられるセパレータ、および、セパレータの製造方法 - Google Patents

燃料電池に用いられるセパレータ、および、セパレータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池に用いられ、導電性を有する第1のプレートと、導電性を有する第2のプレートと、第1のプレートおよび第2のプレートによって挟持されるとともに、第1のプレートおよび第2のプレートに加熱溶着される中間部材と、を備えるセパレータにおいて、第1のプレートおよび第2のプレートと、中間部材とを加熱溶着する際の熱による中間部材の変形を抑制する。
【解決手段】カソード対向プレート42およびアノード対向プレート44と、中間部材43とを加熱溶着することによってセパレータを構成する。中間部材43は、第1の樹脂からなる基材層43bと、第1の樹脂よりも融点が低い第2の樹脂からなり、基材層43bの両面に形成された接着層43aと、を備える。カソード対向プレート42およびアノード対向プレート44と、中間部材43とは、第2の樹脂の融点よりも高く、かつ、第1の樹脂の融点よりも低い温度で加熱溶着される。
【選択図】図5

Description

本発明は、燃料電池に用いられるセパレータ、および、このセパレータの製造方法に関するものである。
燃料ガス(例えば、水素)と酸化剤ガス(例えば、酸素)との電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。この燃料電池は、電解質膜の両面にそれぞれガス拡散電極を接合してなる膜電極接合体を、セパレータで挟持することによって構成される。
そして、このセパレータに関し、従来、種々の技術が提案されており、近年では、導電性を有する2枚のプレートと、両プレートによって挟持される中間部材とを備える多層構造のセパレータも提案されている。このようなセパレータでは、セパレータの内部に、燃料ガスや、酸化剤ガスや、冷却媒体を流すための流路が形成される。さらに、このような構造を有するセパレータでは、軽量化や、低コスト化のため、中間部材を樹脂によって構成することも提案されている。
特開2007−157595号公報 特開2007−115445号公報 特開2007−149427号公報 特開2005−78827号公報 特開2005−56584号公報
上述した中間部材を樹脂によって構成した多層構造を有するセパレータでは、中間部材と各プレートとは、加熱溶着されることが多い。しかし、中間部材と各プレートとを加熱溶着する際に、中間部材が熱によって変形し、所望の厚さが得られない場合があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池に用いられ、導電性を有する第1のプレートと、導電性を有する第2のプレートと、第1のプレート、および、第2のプレートによって挟持されるとともに、第1のプレート、および、第2のプレートに加熱溶着される中間部材と、を備えるセパレータにおいて、第1のプレート、および、第2のプレートと、中間部材とを加熱溶着する際の熱による中間部材の変形を抑制することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]燃料電池に用いられ、導電性を有する第1のプレートと、導電性を有する第2のプレートと、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートによって挟持されるとともに、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートに加熱溶着される中間部材と、を備えるセパレータであって、前記中間部材は、第1の樹脂からなる基材層と、前記第1の樹脂よりも融点が低い第2の樹脂からなり、前記基材層の両面に形成された接着層と、を備える、セパレータ。
適用例1のセパレータでは、中間部材は、第1の樹脂からなる基材層と、第2の樹脂からなる接着層とを備えており、基材層の融点は、接着層の融点よりも高い。したがって、第1のプレートおよび第2のプレートと、中間部材とを加熱溶着するときの温度を基材層の融点よりも低くすれば、基材層の変形を抑制することができる。この結果、セパレータの厚さの精度を向上させることができる。
なお、中間部材において、基材層の厚さ、および、接着層の厚さは、任意に設定可能ではあるが、セパレータの厚さの精度を向上させる観点から、接着層の厚さは、できるだけ薄くすることが好ましい。例えば、接着層の厚さは、基材層の厚さの1/2以下であることが好ましい。また、各プレートと中間部材とを加熱溶着する際には、これらの位置決めを行うために、一般に、位置決め用の治具が用いられるため、加熱溶着時に溶融した接着層を構成する樹脂がセパレータの周縁部からはみ出しても治具に触れないように、中間部材の周縁部の少なくとも治具と対応する位置にセットバック部を設けるようにすることが好ましい。
[適用例2]適用例1記載のセパレータであって、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートと、前記中間部材とは、前記第2の樹脂の融点よりも高く、かつ、前記第1の樹脂の融点よりも低い温度で加熱溶着されている、セパレータ。
適用例2のセパレータでは、第2の樹脂の融点よりも高い温度で、第1のプレートおよび第2のプレートと、中間部材とを加熱溶着するので、第2の樹脂の融点よりも低い温度で加熱溶着する場合よりも、第1のプレートおよび第2のプレートと、中間部材との接着性を向上させることができる。
[適用例3]適用例1または2記載のセパレータであって、前記第1の樹脂と、前記第2の樹脂とは、同一種類の樹脂であり、かつ、前記第1の樹脂の分子量は、前記第2の樹脂の分子量よりも大きい、セパレータ。
適用例3のセパレータによって、中間部材における基材層の融点を、接着層の融点よりも高くすることができる。また、基材層と接着層とが同一種類の樹脂からなるので、これらが異なる樹脂からなる場合よりも、基材層と接着層との接着性を向上させることができる。
[適用例4]適用例1ないし3のいずれかに記載のセパレータであって、前記中間部材は、前記燃料電池を冷却するための冷却媒体が流れる冷却媒体流路形成部を有しており、前記セパレータは、さらに、導電性を有し、前記冷却媒体流路形成部の内部に配置されるとともに、前記第1のプレート、および、前記第2のプレートによって挟持され、前記冷却媒体流路形成部の内部に前記冷却媒体の流路を形成する冷却媒体流路形成部材を備えるセパレータ。
適用例4のセパレータでは、第1のプレート、および、第2のプレートと、導電性を有する冷却媒体流路形成部材とが当接するので、第1のプレートと、第2のプレートとの間の電気的導通を確保することができる。
[適用例5]適用例1ないし3のいずれかに記載のセパレータであって、前記中間部材は、前記燃料電池を冷却するための冷却媒体が流れる冷却媒体流路形成部を有しており、前記第1のプレート、および、前記第2のプレートの少なくとも一方は、前記冷却媒体流路形成部の内部において、前記中間部材を挟んで対向するプレートと当接するとともに、前記冷却媒体の流路を形成する凸部を備える、セパレータ。
適用例5のセパレータでは、第1のプレート、および、第2のプレートの少なくとも一方に備えられた凸部が、中間部材を挟んで対向するプレートと当接するので、第1のプレートと、第2のプレートとの間の電気的導通を確保することができる。
[適用例6]燃料電池に用いられるセパレータの製造方法であって、第1の樹脂からなる基材層の両面に、前記第1の樹脂よりも融点が低い第2の樹脂からなる接着層を形成した中間部材を作製する中間部材作製工程と、前記中間部材を、導電性を有する第1のプレート、および、導電性を有する第2プレートによって挟持し、前記第1のプレート、および、前記第2のプレートと、前記中間部材とを、前記第2の樹脂の融点よりも高く、かつ、前記第1の樹脂の融点よりも低い温度で、加熱溶着する加熱溶着工程と、を備える製造方法。
なお、本適用例のセパレータの製造方法において、先に示した種々の付加的要素を適用することができる。また、本発明は、上述のセパレータとしての構成の他、上述のセパレータを備える燃料電池の発明として構成することもできる。
以下、本発明の実施の形態について、実施例に基づき説明する。
A.第1実施例:
A1.燃料電池スタックの構成:
図1は、本発明の第1実施例としての燃料電池スタック100の概略構成を示す斜視図である。この燃料電池スタック100は、概ね、プロトン伝導性を有する電解質膜の両面に、それぞれ、アノード、および、カソードを接合してなる膜電極接合体を、セパレータを介在させて、複数積層させたスタック構造を有している。本実施例では、電解質膜として、固体高分子膜を用いるものとした。電解質として、固体酸化物等、他の電解質を用いるものとしてもよい。また、本実施例では、セパレータは、後述するように、3層構造を有しており、セパレータ内には、アノードに供給すべき燃料ガスとしての水素の流路や、カソードに供給すべき酸化剤ガスとしての空気の流路や、冷却媒体(水、エチレングリコール等)の流路が形成されている。なお、燃料電池スタック100における膜電極接合体の積層数は、燃料電池スタック100に要求される出力に応じて任意に設定可能である。
燃料電池スタック100は、図示するように、一端から、エンドプレート10a、絶縁板20a、集電板30a、複数の単セル40、集電板30b、絶縁板20b、エンドプレート10bの順に積層することによって構成されている。本実施例では、これらは、それぞれ略矩形形状を有している。そして、燃料電池スタック100内部には、水素や、空気や、冷却媒体を、それぞれ各膜電極接合体に分配して供給するための供給マニホールド(水素供給マニホールド、空気供給マニホールド、冷却媒体供給マニホールド)や、各膜電極接合体のアノードおよびカソードからそれぞれ排出されるアノードオフガスおよびカソードオフガスや、冷却媒体を集合させて燃料電池スタック100の外部に排出するための排出マニホールド(アノードオフガス排出マニホールド、カソードオフガス排出マニホールド、冷却媒体排出マニホールド)が形成されている。
そして、図示するように、エンドプレート10aの下側長辺の内側には、下側長辺に沿って、空気供給マニホールドを構成する空気供給口12iが形成されている。また、エンドプレート10aの上側長辺の内側には、上側長辺に沿って、カソードオフガス排出マニホールドを構成するカソードオフガス排出口12oが形成されている。また、エンドプレート10aの左側短辺の内側には、水素供給マニホールドを構成する水素供給口14i、および、冷却媒体供給マニホールドを構成する冷却媒体供給口16iが、上下に互いに隣接して形成されている。また、エンドプレート10aの右側短辺には、冷却媒体排出マニホールドを構成する冷却媒体排出口16o、および、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出口14oが、上下に互いに隣接して形成されている。なお、これらの数や配置は、任意に設定可能である。
水素供給口14iには、図示しない水素タンクから、燃料ガスとしての水素が供給され、燃料電池スタック100のアノードから排出されるアノードオフガスは、アノードオフガス排出口14oから排出される。また、空気供給口12iには、図示しないエアコンプレッサによって圧縮された酸化剤ガスとしての酸素を含む空気がそれぞれ供給され、燃料電池スタック100のカソードから排出されるカソードオフガスは、カソードオフガス排出口12oから排出される。また、冷却媒体供給口16iには、図示しないラジエータによって冷却され、ポンプによって加圧された冷却媒体が供給され、燃料電池スタック100の内部を流れて、冷却媒体排出口16oから排出されて循環する。
単セル40は、膜電極接合体、および、シールガスケットを一体的に備えるユニットと、セパレータとによって構成されている。この単セル40については、後述する。
エンドプレート10a,10bは、剛性を確保するために、鋼等の金属によって形成されている。また、絶縁板20a,20bは、ゴムや、樹脂等の絶縁性部材によって形成されている。また、集電板30a,30bは、緻密質カーボンや、銅板などのガス不透過な導電性部材によって形成されている。集電板30a,30bには、それぞれ出力端子32a,32bが設けられており、燃料電池スタック100で発電した電力を出力可能となっている。
燃料電池スタック100において、複数の単セル40等は、スタック構造のいずれかの箇所における接触抵抗の増加による電池性能の低下を抑制したり、ガスの漏洩を防止したりするために、スタック構造の積層方向に所定の締結荷重が加えられた状態で締結されている。本実施例では、絶縁板20a,20b、集電板30a,30b、複数の単セル40の四隅に、それぞれ矩形形状を有する切り欠き部が設けられている。そして、これらは、各切り欠き部に四角柱状の締結部材50を当接させ、スタック構造の積層方向に締結荷重を加えつつ、各締結部材50の両端部を、ボルト52によってエンドプレート10a,10bの四隅にそれぞれ固定することによって締結されている。
なお、燃料電池スタック100における上述した締結荷重は、例えば、エンドプレート10aと、絶縁板20aとの間や、エンドプレート10bと、絶縁板20bとの間にスペーサを挿入し、このスペーサの厚さを調節したり、絶縁板20a,20bの厚さを調節したりすることによって調整可能である。また、締結部材50の長さは、予め規定されているので、燃料電池スタック100の積層方向の長さは、上述した締結荷重の大きさに関わらず、一定となる。また、本実施例の燃料電池スタック100では、絶縁板20a,20b、集電板30a,30b、複数の単セル40の四隅に設けられた各切り欠き部に、それぞれ締結部材50を当接させることによって、それぞれの位置決めを行うことができる。各締結部材50は、剛性を確保するため、鋼等の金属によって形成されている。そして、これらの表面には、各単セル40間、および、単セル40とエンドプレート10a,10bとの間の絶縁を確保するために、絶縁性を有する皮膜がコーティングされている。
A2.単セルの構成:
燃料電池スタック100を構成する各単セル40は、膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)の周囲にシールガスケットを配置したユニット(以下、シールガスケット一体型MEAと呼ぶ)の両面を、後述するセパレータ41によって挟持することによって構成されている。なお、本実施例において、膜電極接合体は、電解質膜の一方の面に、カソードとして、触媒層、および、ガス拡散層が接合され、他方の面にアノードとして、触媒層、および、ガス拡散層が接合されたものである。なお、アノード、および、カソードの少なくとも一方のガス拡散層を省略するようにしてもよい。以下、シールガスケット一体型MEA46、および、セパレータ41について説明する。
A2.1.シールガスケット一体型MEA:
図2は、シールガスケット一体型MEA46の概略構造を示す説明図である。図2(a)に、シールガスケット一体型MEA46のカソード側から見た平面図を示した。また、図2(b)には、図2(a)におけるA−A断面図を示した。
図2(a)に示したように、シールガスケット一体型MEA46は、略矩形形状を有しており、矩形形状を有するMEA461の周囲に、シリコーンゴムからなるシールガスケット460を一体形成したものである。MEA461は、図2(b)に示したように、電解質膜461mの両面に、それぞれカソード461c、および、アノード461aを接合したものである。そして、図2(a)に示したように、シールガスケット460の四隅には、それぞれ、先に説明した締結部材50が当接する切り欠き部460cが形成されている。なお、本実施例では、シールガスケット460として、シリコーンゴムを用いるものとしたが、これに限られず、ガス不透過性、弾力性、耐熱性を有する他の部材を用いるものとしてもよい。
そして、シールガスケット460の下側長辺部のMEA461の近傍領域には、空気供給マニホールドを構成する空気供給用貫通孔462iが、シールガスケット460の下側長辺に沿って形成されている。シールガスケット460における空気供給用貫通孔462iの形成位置は、エンドプレート10aに形成された空気供給口12iの形成位置と対応している。
また、シールガスケット460の上側長辺部のMEA461の近傍領域には、カソードオフガス排出マニホールドを構成するカソードオフガス排出用貫通孔462oが、シールガスケット460の上側長辺に沿って形成されている。シールガスケット460におけるカソードオフガス排出用貫通孔462oの形成位置は、それぞれカソードオフガス排出口12oの形成位置と対応している。
また、シールガスケット460の左側短辺部のMEA461の近傍領域には、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔464iと、冷却媒体供給マニホールドを構成する冷却媒体供給用貫通孔466iとが、上下に配置して形成されている。シールガスケット460における水素供給用貫通孔464i、および、冷却媒体供給用貫通孔466iの形成位置は、それぞれエンドプレート10aに形成された水素供給口14i、および、冷却媒体供給口16iの形成位置と対応している。
また、シールガスケット460の右側短辺部のMEA461の近傍領域には、冷却媒体排出マニホールドを構成する冷却媒体排出用貫通孔466oと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔464oとが、上下に配置して形成されている。シールガスケット460における冷却媒体排出用貫通孔466o、および、アノードオフガス排出用貫通孔464oの形成位置は、それぞれエンドプレート10aに形成された冷却媒体排出口16o、および、アノードオフガス排出口14oの形成位置と対応している。
また、シールガスケット460における、上述した各貫通孔、および、MEA461の周囲には、図2(b)に示したように、シールガスケット460の両面にライン状の突起部を形成することによって、シールラインSLがそれぞれ形成されている。このシールラインSLによって、シールガスケット一体型MEA46と後述するセパレータ41とを積層したときに、上述した各貫通孔内を流れる水素や、空気や、冷却媒体、および、MEA461の表面を流れる水素や、空気の外部へ漏洩を抑制することができる。
A2.2.セパレータ:
図3は、セパレータ41の構成部品の平面図である。本実施例におけるセパレータ41は、それぞれ複数の貫通孔が設けられた2枚の金属製のプレート、すなわち、カソード対向プレート42、および、アノード対向プレート44と、樹脂からなる中間部材43と、セパレータ41内に冷却媒体流路を形成するための金属製の冷却媒体流路形成部材45とから構成されている。そして、セパレータ41は、後述するように、中間部材43、および、冷却媒体流路形成部材45を、カソード対向プレート42と、アノード対向プレート44とによって挟み、カソード対向プレート42およびアノード対向プレート44と、中間部材43とを加熱溶着することによって作製されている。
本実施例では、カソード対向プレート42と、アノード対向プレート44とは、シールガスケット一体型MEA46と同一の略矩形形状を有するステンレス鋼製のプレートを用いるものとした。また、冷却媒体流路形成部材45もステンレス鋼からなるものとした。カソード対向プレート42と、アノード対向プレート44と、冷却媒体流路形成部材45として、ステンレス鋼の代わりに、チタンやアルミニウム等、他の金属を用いるものとしてもよい。中間部材43に適用可能な樹脂としては、例えば、PP,PE,IO,PV,EVA,EAA,EMAA,EMA,PET,PBT,EMMA,EEA,EVOI−1,PMPなどが挙げられる。中間部材43を樹脂で構成することによって、金属で構成する場合よりも、加工が容易であるとともに、セパレータ41の軽量化を図ることができるという利点がある。なお、本実施例では、中間部材43は、後から詳述するように、基材層43bと、基材層43bの両面に形成された接着層43aからなる3層構造を有している。
図3(a)は、シールガスケット一体型MEA46のカソード側の面と当接するカソード対向プレート42の平面図である。図中の破線で囲った領域は、先に説明したシールガスケット一体型MEA46におけるMEA461に対応する領域を表している。
図示するように、カソード対向プレート42の四隅には、シールガスケット一体型MEA46と同様に、それぞれ、先に説明した締結部材50が当接する切り欠き部42cが形成されている。そして、カソード対向プレート42には、シールガスケット一体型MEA46に形成された各貫通孔と対応する位置に、空気供給マニホールドを構成する空気供給用貫通孔422iと、カソードオフガス排出マニホールドを構成するカソードオフガス排出用貫通孔422oと、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔424iと、冷却媒体供給マニホールドを構成する冷却媒体供給用貫通孔426iと、冷却媒体排出マニホールドを構成する冷却媒体排出用貫通孔426oと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔424oとが形成されている。これらの各貫通孔の形状は、シールガスケット一体型MEA46において、これらと対応する各貫通孔の形状と同じである。
また、カソード対向プレート42には、図示するように、空気供給用貫通孔422i近傍のMEA461の下端部と対向する位置に配置された複数の空気供給口422hiと、カソードオフガス排出用貫通孔422o近傍のMEA461の上端部と対向する位置に配置された複数のカソードオフガス排出口422hoとが形成されている。本実施例では、複数の空気供給口422hiと、複数のカソードオフガス排出口422hoとは、すべて直径が同一の円形であるものとした。
図3(b)は、中間部材43の平面図である。図中の破線で囲った領域は、先に説明したシールガスケット一体型MEA46におけるMEA461に対応する領域を表している。
図示するように、中間部材43の四隅には、シールガスケット一体型MEA46と同様に、それぞれ、先に説明した締結部材50が当接する切り欠き部43cが形成されている。そして、中間部材43には、シールガスケット一体型MEA46に形成された各貫通孔と対応する位置に、空気供給マニホールドを構成する空気供給用貫通孔432iと、カソードオフガス排出マニホールドを構成するカソードオフガス排出用貫通孔432oと、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔434iと、冷却媒体供給マニホールドを構成する冷却媒体供給用貫通孔436iと、冷却媒体排出マニホールドを構成する冷却媒体排出用貫通孔436oと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔434oとが形成されている。これらの各貫通孔の形状は、シールガスケット一体型MEA46において、これらと対応する各貫通孔の形状と同じである。
また、中間部材43において、空気供給用貫通孔432iには、これら空気供給用貫通孔432iから、カソード対向プレート42に形成された複数の空気供給口422hiに、それぞれ空気を流すための複数の空気供給用流路形成部432ipが櫛歯状に設けられている。また、カソードオフガス排出用貫通孔432oには、カソード対向プレート42に形成された複数のカソードオフガス排出口422hoから、カソードオフガス排出用貫通孔432oに、それぞれカソードオフガスを流すための複数のカソードオフガス排出用流路形成部432opが櫛歯状に設けられている。また、水素供給用貫通孔434iには、この水素供給用貫通孔434iから、後述するアノード対向プレート44に形成された複数の水素供給口444hiに、それぞれ水素を流すための複数の水素供給用流路形成部434ipが櫛歯状に設けられている。また、アノードオフガス排出用貫通孔434oには、後述するアノード対向プレート44に形成された複数のアノードオフガス排出口444hoから、アノードオフガス排出用貫通孔434oに、それぞれアノードオフガスを流すための複数のアノードオフガス排出用流路形成部434opが櫛歯状に設けられている。これら各流路形成部を櫛歯状に形成することによって、各流路形成部間にリブが形成されるので、このリブによって、セパレータ41とシールガスケット一体型MEA46とを積層したときに、シールガスケット460に形成されたシールラインSLによる押圧力を支持(バックアップ)し、十分なシール性を確保することができる。
また、中間部材43の、シールガスケット一体型MEA46におけるMEA461のほぼ全体に対応する領域には、冷却媒体供給用貫通孔436iと冷却媒体排出用貫通孔436oとを連結し、セパレータ41において、冷却媒体流路となる貫通孔である冷却媒体流路形成部435が形成されている。そして、この冷却媒体流路形成部435の内部には、詳細な図示は省略しているが、冷却媒体供給用貫通孔436iから冷却媒体排出用貫通孔436oへ、冷却媒体が流れるように形成された、連続矩形凹凸の断面形状を有する波板状の冷却媒体流路形成部材45が配置される。冷却媒体流路形成部材45の厚さ方向の寸法は、中間部材43の厚さと同じである。こうすることによって、セパレータ41において、冷却媒体流路形成部材45は、カソード対向プレート42、および、アノード対向プレート44と当接し、カソード対向プレート42と、アノード対向プレート44との電気的導通を確保することができる。
なお、カソード対向プレート42およびアノード対向プレート44と、中間部材43とを加熱溶着する際には、これらの位置決めを行うために、位置決め用の治具が用いられるため、これらの加熱溶着時に溶融した、中間部材43の接着層43aを構成する樹脂がセパレータ41の周縁部からはみ出しても治具に触れないように、中間部材43の周縁部の位置決め用の治具と対応する位置に、セットバック部438が設けられている。
図3(c)は、シールガスケット一体型MEA46のアノード側の面と当接するアノード対向プレート44の平面図である。図中の破線で囲った領域は、先に説明したシールガスケット一体型MEA46におけるMEA461に対応する領域を表している。
図示するように、アノード対向プレート44の四隅には、シールガスケット一体型MEA46と同様に、それぞれ、先に説明した締結部材50が当接する切り欠き部44cが形成されている。そして、アノード対向プレート44には、シールガスケット一体型MEA46に形成された各貫通孔と対応する位置に、空気供給マニホールドを構成する空気供給用貫通孔442iと、カソードオフガス排出マニホールドを構成するカソードオフガス排出用貫通孔442oと、水素供給マニホールドを構成する水素供給用貫通孔444iと、冷却媒体供給マニホールドを構成する冷却媒体供給用貫通孔446iと、冷却媒体排出マニホールドを構成する冷却媒体排出用貫通孔446oと、アノードオフガス排出マニホールドを構成するアノードオフガス排出用貫通孔444oとが形成されている。これらの各貫通孔の形状は、シールガスケット一体型MEA46において、これらと対応する各貫通孔の形状と同じである。
また、アノード対向プレート44には、図示するように、水素供給用貫通孔444i近傍のMEA461の左端部と対向する位置に配置された複数の水素供給口444hiと、アノードオフガス排出用貫通孔444o近傍のMEA461の右端部と対向する位置に配置された複数のアノードオフガス排出口444hoとが形成されている。本実施例では、複数の水素供給口444hiと、複数のアノードオフガス排出口444hoとは、すべて直径が同一の円形であるものとした。
なお、本実施例の単セル40において、シールガスケット一体型MEA46とセパレータ41との積層時には、MEA461とセパレータ41との間に、水素供給マニホールドから供給された水素や、空気供給マニホールドから供給された空気を、MEA461のアノード461a、および、カソード461cに供給するためのガス流路を構成するガス流路構成部材として、後述するように、金属多孔体47がそれぞれ介装される。金属多孔体としては、例えば、発泡金属焼結体や、エキスパンドメタルや、金属メッシュ等、導電性、および、ガス拡散性を有する部材を用いることができる。
図4は、セパレータ41の平面図である。このセパレータ41は、後述するように、中間部材43の冷却媒体流路形成部435内に、冷却媒体流路形成部材45を配置して、カソード対向プレート42およびアノード対向プレート44と、中間部材43とを、加熱溶着することによって形成されている。ここでは、アノード対向プレート44側から見た様子を示した。
図5は、セパレータ41の断面構造を示す説明図である。図4におけるA−A断面図を示した。
セパレータ41において、中間部材43は、先述したように、3層構造を有しており、基材層43bと、この基材層43bの両面に形成された接着層43aとを備えている。本実施例では、基材層43bを構成する樹脂と、接着層43aを構成する樹脂とは、同一種類の樹脂であり、かつ、基材層43bを構成する樹脂の分子量(重合度)が、接着層43aを構成する樹脂の分子量(重合度)よりも大きいものとした。
こうすることによって、基材層43bを構成する樹脂の融点を、接着層43aを構成する樹脂の融点よりも高くすることができる。基材層43bを構成する樹脂の融点、および、接着層43aを構成する樹脂の融点は、基材層43bを構成する樹脂の融点が接着層43aを構成する樹脂の融点よりも高いとうい条件下で、任意に設定可能であり、本実施例では、基材層43bを構成する樹脂の融点を160(℃)とし、接着層43aを構成する樹脂の融点を135(℃)とした。また、基材層43bと、接着層43aとは、同一種類の樹脂からなるので、これらが異なる種類の樹脂からなる場合よりも、基材層43bと、接着層43aとの接着性を向上させることができる。基材層43bを構成する樹脂、および、接着層43aを構成する樹脂は、それぞれ、本発明における第1樹脂、および、第2の樹脂に相当する。
そして、本実施例では、カソード対向プレート42およびアノード対向プレート44と、基材層43bとの加熱溶着の温度を150(℃)とした。すなわち、加熱溶着の温度は、接着層43aを構成する樹脂の融点よりも高く、かつ、基材層43bを構成する樹脂の融点よりも低いものとした。こうすることによって、加熱溶着の温度が基材層43bの融点よりも低いので、カソード対向プレート42およびアノード対向プレート44と、中間部材43とを加熱溶着する際に、熱による基材層43bの変形を抑制することができる。また、加熱溶着の温度が接着層43aの融点よりも高いので、接着層43aの融点よりも低い場合よりも、カソード対向プレート42およびアノード対向プレート44と、中間部材43との接着性を向上させることができる。また、加熱溶着時に溶融した接着層43aを構成する樹脂が、櫛歯状に形成された複数の空気供給用流路形成部432ipや、カソードオフガス排出用流路形成部432opや、水素供給用流路形成部434ipや、アノードオフガス排出用流路形成部434op(図3,4参照)にはみ出して、これらの幅を狭めたり、閉塞したりしまうことを抑制することができる。これは、各流路形成部の幅が、各流路形成部間の幅よりも狭い場合に特に有効である。
なお、中間部材43において、基材層43bの厚さ、および、接着層43aの厚さは、任意に設定可能ではあるが、セパレータ41の厚さの精度を向上させる観点から、接着層43aの厚さは、できるだけ薄くすることが好ましい。例えば、接着層43aの厚さは、基材層43bの厚さの1/2以下であることが好ましい。
A2.3.単セルの断面構造:
図6は、単セル40の断面構造を示す説明図である。セパレータ41と、シールガスケット一体型MEA46とを積層させたときの、図4におけるB−B断面図を示した。
シールガスケット一体型MEA46において、MEA461のアノード側の金属多孔体47は、シールガスケット一体型MEA46と、セパレータ41とを積層させたときに、セパレータ41のアノード対向プレート44と当接するように配置されている。また、MEA461のカソード側の金属多孔体47は、シールガスケット一体型MEA46と、セパレータ41とを積層させたときに、セパレータ41のカソード対向プレート42と当接するように配置されている。また、シールガスケット460に形成されたシールラインSLは、カソード対向プレート42、および、アノード対向プレート44と当接する。
図中に矢印で示したように、単セル40において、アノード対向プレート44の空気供給用貫通孔442iから供給された空気は、中間部材43の空気供給用貫通孔432iから分岐して、空気供給用流路形成部432ipを通り、カソード対向プレート42の空気供給口422hiから、MEA461の表面に対して垂直な方向に供給される。そして、この空気は、カソード側の金属多孔体47中、および、カソード461cのガス拡散層中を拡散しつつ流れ、カソード対向プレート42のカソードオフガス排出口422hoから、MEA461の表面に対して垂直な方向に排出され、中間部材43のカソードオフガス排出用流路形成部432op、カソードオフガス排出用貫通孔432oを通って、アノード対向プレート44のカソードオフガス排出用貫通孔442oから排出される。
なお、ここでは、単セル40において、MEA461のカソードに供給される空気の流れについてのみ示したが、MEA461のアノード461aに供給される水素の流れも同様である。
A3.セパレータの製造工程:
図7は、セパレータ41の製造工程を示す説明図である。まず、先に説明したアノード対向プレート44と、カソード対向プレート42と、中間部材43と、冷却媒体流路形成部材45とを用意する(ステップS100)。次に、中間部材43の冷却媒体流路形成部435の内部に冷却媒体流路形成部材45を配置し、これらと、アノード対向プレート44と、カソード対向プレート42とを重ね合わせる(ステップS110)。そして、アノード対向プレート44およびカソード対向プレート42と、中間部材43とを加熱接着する(ステップS120)。以上の工程によって、セパレータ41を製造することができる。
以上説明した第1実施例の燃料電池スタック100によれば、セパレータ41において、中間部材43が、樹脂からなる基材層43b、および、接着層43aを備えており、基材層43bを構成する樹脂の融点は、接着層43aを構成する樹脂の融点よりも高い。そして、カソード対向プレート42およびアノード対向プレート44と、中間部材43とは、基材層43bを構成する樹脂の融点よりも低く、かつ、接着層43aを構成する樹脂の融点よりも高い温度で加熱溶着されている。したがって、先に説明したように、中間部材43における基材層43bの変形を抑制することができる。この結果、セパレータ41の厚さの精度を向上させることができる。
B.第2実施例:
第2実施例の燃料電池スタックの構成は、図1に示した燃料電池スタック100の構成とほぼ同じである。ただし、第2実施例の燃料電池スタックでは、単セル40Aを構成するセパレータ41Aの構成が、第1実施例と異なっている。以下、第2実施例のセパレータ41A、および、単セル40Aについて説明する。
図8は、セパレータ41Aの構成部品の平面図である。また、図9は、セパレータ41Aの平面図である。図8に示したように、第2実施例のセパレータ41Aは、それぞれ複数の貫通孔が設けられた2枚の金属製のプレート、すなわち、カソード対向プレート42、および、アノード対向プレート44Aと、樹脂からなる中間部材43とから構成されている。なお、セパレータ41Aは、第1実施例のセパレータ41における冷却媒体流路形成部材45を備えていない。そして、セパレータ41Aは、中間部材43を、カソード対向プレート42と、アノード対向プレート44Aとによって挟み、第1実施例のセパレータ41と同様に、カソード対向プレート42およびアノード対向プレート44Aと、中間部材43とを加熱溶着することによって作製されている。
図8(a),(b)に示したように、カソード対向プレート42、および、中間部材43の構成は、第1実施例のセパレータ41におけるカソード対向プレート42、および、中間部材43の構成と同じである。また、図8(c)に示したように、アノード対向プレート44Aの構成も、第1実施例のセパレータ41におけるアノード対向プレート44とほぼ同じである。ただし、第2実施例のセパレータ41Aは、第1実施例のセパレータ41とは異なり、冷却媒体流路形成部材45を備えていないため、アノード対向プレート44Aには、カソード対向プレート42と、中間部材43と、アノード対向プレート44Aとを重ね合わせて熱溶着したときに、中間部材43に形成された冷却媒体流路形成部435において、カソード対向プレート42と当接し、冷却媒体の流路を形成する複数の凸部448が、等間隔で千鳥状に配置されて形成されている。つまり、各凸部448の高さは、中間部材43の厚さとほぼ等しい。こうすることによって、セパレータ41Aにおいて、カソード対向プレート42と、アノード対向プレート44Aとの電気的導通を確保することができる。また、第2実施例の41Aでは、冷却媒体流路形成部材45を備えていないので、第1実施例のセパレータ41よりも軽量化を図ることができる。
図10は、第2実施例の単セル40Aの断面構造を示す説明図である。セパレータ41Aと、シールガスケット一体型MEA46とを積層させたときの、図9におけるB−B断面図を示した。
単セル40Aにおける空気や、水素の流れは、第1実施例の単セル40と同じである。図中に矢印で示したように、単セル40Aにおいて、アノード対向プレート44Aの空気供給用貫通孔442iから供給された空気は、中間部材43の空気供給用貫通孔432iから分岐して、空気供給用流路形成部432ipを通り、カソード対向プレート42の空気供給口422hiから、MEA461の表面に対して垂直な方向に供給される。そして、この空気は、カソード側の金属多孔体47中、および、カソード461cのガス拡散層中を拡散しつつ流れ、カソード対向プレート42のカソードオフガス排出口422hoから、MEA461の表面に対して垂直な方向に排出され、中間部材43のカソードオフガス排出用流路形成部432op、カソードオフガス排出用貫通孔432oを通って、アノード対向プレート44のカソードオフガス排出用貫通孔442oから排出される。
以上説明した第2実施例の燃料電池スタックによっても、第1実施例の燃料電池スタック100と同様に、セパレータ41Aにおいて、中間部材43が、樹脂からなる基材層43b、および、接着層43aを備えており、基材層43bを構成する樹脂の融点は、接着層43aを構成する樹脂の融点よりも高い。そして、カソード対向プレート42およびアノード対向プレート44Aと、中間部材43とは、基材層43bを構成する樹脂の融点よりも低く、かつ、接着層43aを構成する樹脂の融点よりも高い温度で加熱溶着されている。したがって、中間部材43における基材層43bの変形を抑制することができる。この結果、セパレータ41Aの厚さの精度を向上させることができる。
C.変形例:
以上、本発明のいくつかの実施の形態について説明したが、本発明はこのような実施の形態になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々なる態様での実施が可能である。例えば、以下のような変形が可能である。
C1.変形例1:
図11は、変形例としてのセパレータの一部を示す説明図である。このセパレータでは、カソード対向プレート42、および、アノード対向プレート44の表面の少なくとも一方に、シールガスケットが、射出成形によって形成されている。図11(a)は、カソード対向プレート42の表面に、シールガスケット42gが形成されている様子を示している。また、図11(b)は、アノード対向プレート44の表面に、シールガスケット44gが形成されている様子を示している。また、図11(c)は、カソード対向プレート42、および、アノード対向プレート44の表面に、それぞれ、シールガスケット42g,44gが形成されている様子を示している。そして、中間部材43における基材層43bは、その融点が、シールガスケット42gや、シールガスケット44gの射出成形時の温度よりも高くなるように形成されている。こうすることによって、シールガスケット42gや、シールガスケット44gを射出成形するときの温度によって、中間部材43における基材層43bの変形を抑制することができる。なお、本変形例では、カソード対向プレート42や、アノード対向プレート44への、シールガスケット42gや、シールガスケット44gの射出成形時に、MEA461、および、金属多孔体47を一体的に固定するようにしてもよい。
C2.変形例2:
上記実施例では、中間部材43において、接着層43aは、基材層43bの全面に形成されているものとしたが、本発明は、これに限られない。例えば、中間部材43において、各種マニホールドを構成する貫通孔の周囲のみに、接着層43aを形成するようにしてもよい。
C3.変形例3:
上記実施例では、中間部材43において、基材層43bと、接着層43aとは、同一種類の樹脂からなるものとしたが、本発明は、これに限られない。本発明では、基材層43b、および、接着層43aは、一般に、基材層43bを構成する樹脂の融点が、接着層43aを構成する樹脂の融点よりも高くなるように形成されていればよく、基材層43bと、接着層43aとが、互いに異なる種類の樹脂からなるものとしてもよい。
C4.変形例4:
上記第1実施例では、中間部材43を単一の部材で構成するものとしたが、本発明は、これに限られない。中間部材43を複数(例えば、2つ)に分割した部材で構成するものとしてもよい。この場合、セパレータ41の製造工程において、カソード対向プレート42と、冷却媒体流路形成部材45と、アノード対向プレート44とをホットプレス接合した後に、カソード対向プレート42と、アノード対向プレート44との間に、中間部材43を構成する複数の部材を挿入して、これらをカソード対向プレート42およびアノード対向プレート44と加熱溶着するようにしてもよい。こうすることによって、カソード対向プレート42と、冷却媒体流路形成部材45と、アノード対向プレート44とが、単に接触するのではなく、接合されるので、単に接触させるだけの場合と比較して、セパレータ41の電気抵抗を小さくすることができる。
C5.変形例5:
上記第2実施例では、セパレータ41Aにおいて、アノード対向プレート44Aには、複数の凸部448が、等間隔で千鳥状に配置されて形成されているものとしたが、本発明は、これに限られない。複数の凸部448を異なる間隔で配置するようにしてもよい。例えば、燃料電池スタックによる発電時のMEA461の面内における温度分布に基づいて、MEA461の温度が高い領域に対向する領域に流れる冷却媒体の流量が、MEA461の温度が低い領域に対向する領域に流れる冷却媒体の流量よりも多くなるように、複数の凸部448を配置するようにしてもよい。こうすることによって、MEA461の温度分布の均一化を図ることができる。
C6.変形例6:
上記第2実施例では、セパレータ41Aにおいて、アノード対向プレート44Aに複数の凸部448を形成するものとしたが、本発明は、これに限られない。複数の凸部は、アノード対向プレート44A、および、カソード対向プレート42の少なくとも一方に形成するようにすればよい。
本発明の第1実施例としての燃料電池スタック100の概略構成を示す斜視図である。 シールガスケット一体型MEA46の概略構造を示す説明図である。 セパレータ41の構成部品の平面図である。 セパレータ41の平面図である。 セパレータ41の断面構造を示す説明図である。 単セル40の断面構造を示す説明図である。 セパレータ41の製造工程を示す説明図である。 セパレータ41Aの構成部品の平面図である。 セパレータ41Aの平面図である。 単セル40Aの断面構造を示す説明図である。 変形例としてのセパレータの一部を示す説明図である。
符号の説明
100…燃料電池スタック
10a,10b…エンドプレート
12i…空気供給口
12o…カソードオフガス排出口
14i…水素供給口
14o…アノードオフガス排出口
16i…冷却媒体供給口
16o…冷却媒体排出口
20a,20b…絶縁板
30a,30b…集電板
32a,32b…出力端子
40,40A…単セル
41,41A…セパレータ
42…カソード対向プレート
42c…切り欠き部
422i…空気供給用貫通孔
422o…カソードオフガス排出用貫通孔
422hi…空気供給口
422ho…カソードオフガス排出口
424i…水素供給用貫通孔
424o…アノードオフガス排出用貫通孔
426i…冷却媒体供給用貫通孔
426o…冷却媒体排出用貫通孔
42g…シールガスケット
43…中間部材
43a…接着層
43b…基材層
43c…切り欠き部
432i…空気供給用貫通孔
432ip…空気供給用流路形成部
432o…カソードオフガス排出用貫通孔
432op…カソードオフガス排出用流路形成部
434i…水素供給用貫通孔
434ip…水素供給用流路形成部
434o…アノードオフガス排出用貫通孔
434op…アノードオフガス排出用流路形成部
435…冷却媒体流路形成部
436i…冷却媒体供給用貫通孔
436o…冷却媒体排出用貫通孔
438…セットバック部
44,44A…アノード対向プレート
44c…切り欠き部
442i…空気供給用貫通孔
442o…カソードオフガス排出用貫通孔
444i…水素供給用貫通孔
444o…アノードオフガス排出用貫通孔
444hi…水素供給口
444ho…アノードオフガス排出口
446i…冷却媒体供給用貫通孔
446o…冷却媒体排出用貫通孔
448…凸部
44g…シールガスケット
45…冷却媒体流路形成部材
46…シールガスケット一体型MEA
460…シールガスケット
460c…切り欠き部
461…MEA
461m…電解質膜
461a…アノード
461c…カソード
462i…空気供給用貫通孔
462o…カソードオフガス排出用貫通孔
464i…水素供給用貫通孔
464o…アノードオフガス排出用貫通孔
466i…冷却媒体供給用貫通孔
466o…冷却媒体排出用貫通孔
47…金属多孔体
50…締結部材
52…ボルト
SL…シールライン

Claims (6)

  1. 燃料電池に用いられ、導電性を有する第1のプレートと、導電性を有する第2のプレートと、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートとによって挟持されるとともに、前記第1のプレートおよび前記第2のプレートに加熱溶着される中間部材と、を備えるセパレータであって、
    前記中間部材は、
    第1の樹脂からなる基材層と、
    前記第1の樹脂よりも融点が低い第2の樹脂からなり、前記基材層の両面に形成された接着層と、
    を備えるセパレータ。
  2. 請求項1記載のセパレータであって、
    前記第1のプレートおよび前記第2のプレートと、前記中間部材とは、前記第2の樹脂の融点よりも高く、かつ、前記第1の樹脂の融点よりも低い温度で加熱溶着されている、
    セパレータ。
  3. 請求項1または2記載のセパレータであって、
    前記第1の樹脂と、前記第2の樹脂とは、同一種類の樹脂であり、かつ、
    前記第1の樹脂の分子量は、前記第2の樹脂の分子量よりも大きい、
    セパレータ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のセパレータであって、
    前記中間部材は、前記燃料電池を冷却するための冷却媒体が流れる冷却媒体流路形成部を有しており、
    前記セパレータは、さらに、
    導電性を有し、前記冷却媒体流路形成部の内部に配置されるとともに、前記第1のプレート、および、前記第2のプレートによって挟持され、前記冷却媒体流路形成部の内部に前記冷却媒体の流路を形成する冷却媒体流路形成部材を備える、
    セパレータ。
  5. 請求項1ないし3のいずれかに記載のセパレータであって、
    前記中間部材は、前記燃料電池を冷却するための冷却媒体が流れる冷却媒体流路形成部を有しており、
    前記第1のプレート、および、前記第2のプレートの少なくとも一方は、前記冷却媒体流路形成部の内部において、前記中間部材を挟んで対向するプレートと当接するとともに、前記冷却媒体の流路を形成する凸部を備える、
    セパレータ。
  6. 燃料電池に用いられるセパレータの製造方法であって、
    第1の樹脂からなる基材層の両面に、前記第1の樹脂よりも融点が低い第2の樹脂からなる接着層を形成した中間部材を作製する中間部材作製工程と、
    前記中間部材を、導電性を有する第1のプレート、および、導電性を有する第2プレートによって挟持し、前記第1のプレート、および、前記第2のプレートと、前記中間部材とを、前記第2の樹脂の融点よりも高く、かつ、前記第1の樹脂の融点よりも低い温度で、加熱溶着する加熱溶着工程と、
    を備える製造方法。
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