JP2009238292A - 光記録装置、光記録方法、光記録再生装置、及び光記録再生方法 - Google Patents

光記録装置、光記録方法、光記録再生装置、及び光記録再生方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コリニア方式において、空間光変調器における参照光パターンの表示位置に応じて位相が変調された参照光を利用してホログラムの記録や再生を行う、新規な光記録装置、光記録方法、光記録再生装置、及び光記録再生方法を提供する。
【解決手段】空間光変調器20の固定配置された信号光領域20Sに信号光パターンを表示すると共に、リング状の参照光領域20Rをスライドさせて、移動させた参照光領域20Rに参照光パターンを表示する。参照光パターンがx軸方向にa、y軸方向にbずれたとき、参照光の位相は|2π(μa+νb)|だけずれる。ずれ量a、bが一定であっても、空間周波数成分μ、νによって、変化する位相量が異なる。その結果、参照光パターンの表示位置をずらすと、表示位置をずらす前の参照光パターンから生成する参照光との位相相関が低い、別の参照光が生成する。
【選択図】図4

Description

本発明は、光記録装置、光記録方法、光記録再生装置、及び光記録再生方法に関する。
近時、ホログラフィックメモリの記録再生方式として、従来の二光束干渉方式と比較して光学系を大幅に簡素化でき、振動などの外乱に強い、サーボ機構の導入が容易等の利点を有する同軸記録方式(コリニア方式)が提案されている。このコリニア方式では、空間光変調器により変調されて生成された信号光と参照光とを、共通の光軸として同一のレンズにより集光し、信号光と参照光との干渉により形成される干渉縞(回折格子)を、光記録媒体にホログラムとして記録する。デジタルデータを二次元符号化した信号光パターンを空間光変調器に表示することで、信号光にはデジタルデータが重畳される。
ホログラムが記録された光記録媒体に、参照光を読出し光として照射することで、記録されたホログラムから信号光が再生される。この再生信号光を光検出器で検出して、重畳されたデジタルデータを復号することができる。ホログラムを多重記録する方式としては、種々の多重化方式がある。この中でも、位相が変調された参照光を利用したものとしては、コード化された位相分布を付与する「位相コード多重」、拡散板等を用いてランダム位相を付与する「スペックル多重」などが知られている。
特許文献1に記載の多重化方式は、「コリレーション多重(位相相関多重)」と称されている。コリレーション多重は、ランダム化された位相相関の少ない参照光を用いる点で、スペックル多重と同様の多重記録方式である。スペックル多重と同様の原理であるコリニア方式では、参照光は信号光と共に空間光変調器により変調されて生成されるが、従来は、用いる参照光パターンは同一で且つ空間光変調器の同じ表示位置に表示されていた。そのため、多重記録をするには、即ち、隣接ホログラムを記録した参照光の位相分布に対する相関を減らすためには、光記録媒体を移動させることで対処していた。また、2光束系での「スペックル多重」においては、参照光の位相を変化させるために、多重記録毎に異なる周波数分布をもつ拡散板を用いることも可能である。しかし、この場合は、参照光の位相を変調した結果、信号光と参照光との強度比率や重なりが変化する欠点もある。
米国特許5719691号明細書
本発明の目的は、コリニア方式において、空間光変調器における参照光パターンの表示位置に応じて位相が変調された参照光を利用してホログラムの記録や再生を行う、新規な光記録装置、光記録方法、光記録再生装置、及び光記録再生方法を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1に記載の光記録装置は、コヒーレント光を射出する光源と、xy平面に2次元状に配列された複数の画素部で構成され、前記光源から入射した光をページ毎に表示されたパターンに応じて画素毎に変調して、信号光及び参照光からなる記録光を生成する空間光変調器と、前記空間光変調器で生成された記録光をフーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光する集光光学系と、信号光パターンを前記空間光変調器の固定領域に表示し且つ複数の空間周波数成分を含む参照光パターンを前記固定領域を含まない可変領域に表示すると共に、ページ毎に前記可変領域がxy平面上の異なる場所に位置するように、前記空間光変調器の複数の画素部の各々を駆動制御する駆動制御部と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の光記録装置は、請求項1に記載の発明において、前記集光光学系は、前記空間光変調器で生成された記録光をフーリエ変換して得られたフーリエ変換成分から0次回折成分を除去する除去素子と、0次回折成分が除去された光を逆フーリエ変換するレンズと、逆フーリエ変換された光を再フーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光するレンズと、を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の光記録装置は、請求項1に記載の発明において、前記集光光学系は、前記空間光変調器で生成された記録光のうち少なくとも参照光にランダムな位相分布を付与する位相調整素子と、位相分布が付与された記録光をフーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光するレンズと、を備えたことを特徴とする。
請求項4に記載の光記録方法は、xy平面に2次元状に配列された複数の画素部で構成され、光源から入射した光をページ毎に表示されたパターンに応じて画素毎に変調する空間光変調器を用い、信号光パターンを前記空間光変調器の固定領域に表示して信号光を生成すると共に、複数の空間周波数成分を含む参照光パターンを前記固定領域を含まない可変領域に表示して参照光を生成し、前記空間光変調器で生成された信号光及び参照光からなる記録光をフーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光し、ページ毎に前記可変領域をxy平面上の異なる位置に移動させて、ページ毎に参照光パターンの表示位置を変更し、ページ毎に位相が異なる参照光を用いて、前記光記録媒体に複数ページのホログラムを多重記録する、ことを特徴とする。
請求項5に記載の光記録装置は、請求項4に記載の発明において、前記空間光変調器で生成された記録光をフーリエ変換して得られたフーリエ変換成分から0次回折成分を除去し、0次回折成分が除去された光を逆フーリエ変換し、逆フーリエ変換された光を再フーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光する、ことを特徴とする。
請求項6に記載の光記録装置は、請求項4に記載の発明において、前記空間光変調器で生成された記録光のうち少なくとも参照光にランダムな位相分布を付与し、位相分布が付与された記録光をフーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光する、ことを特徴とする。
請求項7に記載の光記録再生装置は、コヒーレント光を射出する光源と、xy平面に2次元状に配列された複数の画素部で構成され、信号光パターンを空間光変調器の固定領域に表示し且つ複数の空間周波数成分を含む参照光パターンを前記固定領域を含まない可変領域に表示し、前記光源から入射した光をページ毎に表示されたパターンに応じて画素毎に変調して、信号光及び参照光からなる記録光を生成する空間光変調器と、空間光変調器で生成された記録光をフーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光する集光光学系と、前記光記録媒体から再生された再生像を検出する光検出器と、1ページ分のホログラムを再生する場合に、該ページ記録時と同じ位置の可変領域に参照光パターンを表示し、空間光変調器で生成された第1参照光を読出し光として照射して、前記光検出器で第1再生像を検出すると共に、該ページ記録時とは異なる位置に移動された可変領域に参照光パターンを表示し且つ固定領域に無変調パターンを表示し、空間光変調器で生成された第1参照光とは位相の異なる第2参照光を読出し光として照射して、前記光検出器で第2再生像を検出するように、前記光源、前記空間光変調器、及び前記光検出器の各々を駆動制御する駆動制御部と、を備えることを特徴とする。
請求項8に記載の光記録再生装置は、請求項7に記載の発明において、前記参照光パターンは、前記空間光変調器で生成された参照光のフーリエ変換像の輝点がマトリクス状に分布するように、明部と暗部とが所定周期で配置された周期的パターンである、ことを特徴とする。
請求項9に記載の光記録再生装置は、請求項7又は8に記載の発明において、前記駆動制御部は、1ページ分のホログラムを記録する場合に、前記固定領域に信号光パターンを表示し且つ前記可変領域に参照光パターンを表示して、前記空間光変調器で信号光及び参照光からなる記録光を生成するように、前記光源及び前記空間光変調器の各々を駆動制御する、ことを特徴とする。
請求項10に記載の光記録再生装置は、請求項7〜9の何れか1項に記載の発明において、前記集光光学系は、空間光変調器で生成された記録光をフーリエ変換して得られたフーリエ変換成分のうち、少なくとも参照光の2次以上の回折成分を遮蔽する遮蔽部材と、前記遮蔽部材を透過した1次以下の回折成分を逆フーリエ変換するレンズと、逆フーリエ変換された光を再フーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光するレンズと、を備えたことを特徴とする。
請求項11に記載の光記録再生装置は、請求項10に記載の発明において、前記遮蔽部材は、0次回折成分も遮蔽することを特徴とする。
請求項12に記載の光記録再生装置は、請求項7〜11の何れか1項に記載の発明において、前記空間光変調器にデジタル・マイクロミラー・デバイスを用いて1ページ分のホログラムを再生する場合に、信号光パターンを表示する前記固定領域の画素部のスイング周期m(Hz)と、参照光パターンを表示する前記可変領域の画素部のスイング周期n(Hz)とが、k・n=m(kは1以上の整数)の関係を満たすようにした、ことを特徴とする。
請求項13に記載の光記録再生方法は、xy平面に2次元状に配列された複数の画素部で構成され、光源から入射した光をページ毎に表示されたパターンに応じて画素毎に変調する空間光変調器を用い、信号光パターンを前記空間光変調器の固定領域に表示して信号光を生成すると共に、複数の空間周波数成分を含む参照光パターンを前記固定領域を含まない可変領域に表示して参照光を生成し、前記空間光変調器で生成された信号光及び参照光からなる記録光をフーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光してホログラムを記録し、1ページ分のホログラムを再生する場合に、該ページ記録時と同じ位置の可変領域に参照光パターンを表示し、空間光変調器で生成された第1参照光を読出し光として照射して、第1再生像を検出し、該ページ記録時とは異なる位置に移動された可変領域に参照光パターンを表示し且つ固定領域に無変調パターンを表示し、空間光変調器で生成された第1参照光とは位相の異なる第2参照光を読出し光として照射して、第2再生像を検出する、ことを特徴とする。
請求項14に記載の光記録再生装置は、コヒーレント光を射出する光源と、xy平面に2次元状に配列された複数の画素部で構成され、信号光パターンを空間光変調器の固定領域に表示し且つ複数の空間周波数成分を含む参照光パターンを前記固定領域を含まない可変領域に表示し、前記光源から入射した光をページ毎に表示されたパターンに応じて画素毎に変調して、信号光及び参照光からなる記録光を生成する空間光変調器と、前記空間光変調器で生成された記録光をフーリエ変換して得られたフーリエ変換成分から0次回折成分を除去する除去素子と、0次回折成分が除去された光を逆フーリエ変換するレンズと、逆フーリエ変換された光を再フーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光するレンズと、を備えた集光光学系と、前記光記録媒体から再生された再生像を検出する光検出器と、1ページ分のホログラムを再生する場合に、該ページ記録時とは異なる第1位置に移動された可変領域に参照光パターンを表示し且つ固定領域に無変調パターンを表示し、空間光変調器で生成された第1参照光を読出し光として照射して、前記光検出器で第1再生像を検出すると共に、該ページ記録時とは異なる第2位置に移動された可変領域に参照光パターンを表示し且つ固定領域に無変調パターンを表示し、空間光変調器で生成された第1参照光とは位相の異なる第2参照光を読出し光として照射して、前記光検出器で第2再生像を検出するように、前記光源、前記空間光変調器、及び前記光検出器の各々を駆動制御する駆動制御部と、を備えることを特徴とする。
請求項15に記載の光記録再生装置は、請求項14に記載の発明において、前記参照光パターンは、前記空間光変調器で生成された参照光のフーリエ変換像の輝点がマトリクス状に分布するように、明部と暗部とが所定周期で配置された周期的パターンである、ことを特徴とする。
請求項16に記載の光記録再生装置は、請求項14又は15に記載の発明において、前記駆動制御部は、1ページ分のホログラムを記録する場合に、前記固定領域に信号光パターンを表示し且つ前記可変領域に参照光パターンを表示して、前記空間光変調器で信号光及び参照光からなる記録光を生成するように、前記光源及び前記空間光変調器の各々を駆動制御する、ことを特徴とする。
請求項17に記載の光記録再生方法は、xy平面に2次元状に配列された複数の画素部で構成され、光源から入射した光をページ毎に表示されたパターンに応じて画素毎に変調する空間光変調器を用い、信号光パターンを前記空間光変調器の固定領域に表示して信号光を生成すると共に、複数の空間周波数成分を含む参照光パターンを前記固定領域を含まない可変領域に表示して参照光を生成し、前記空間光変調器で生成された信号光及び参照光からなる記録光をフーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光してホログラムを記録し、1ページ分のホログラムを再生する場合に、該ページ記録時と異なる第1位置に移動された可変領域に参照光パターンを表示し且つ固定領域に無変調パターンを表示し、空間光変調器で生成された第1参照光を読出し光として照射して、第1再生像を検出し、該ページ記録時とは異なる第2位置に移動された可変領域に参照光パターンを表示し且つ固定領域に無変調パターンを表示し、空間光変調器で生成された第1参照光とは位相の異なる第2参照光を読出し光として照射して、第2再生像を検出する、ことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、コリニア方式において、空間光変調器における参照光パターンの表示位置に応じて位相が変調された参照光を利用して、光記録媒体を移動させることなく、ホログラムを多重記録することができる、という効果がある。
請求項2、3記載の発明によれば、参照光に共通の0次回折成分によるクロストークを防止でき、信号光対雑音比(SNR)が向上する、という効果がある。
請求項4記載の発明によれば、コリニア方式において、空間光変調器における参照光パターンの表示位置に応じて位相が変調された参照光を利用して、光記録媒体を移動させることなく、ホログラムを多重記録することができる、という効果がある。
請求項5、6記載の発明によれば、参照光に共通の0次回折成分によるクロストークを防止でき、信号光対雑音比(SNR)が向上する、という効果がある。
請求項7記載の発明によれば、コリニア方式において、空間光変調器における参照光パターンの表示位置に応じて位相が変調された参照光を利用して、液晶型の空間光変調器を使用する場合に限定されることなく、1枚のホログラムから複数の再生像を得ることができる、という効果がある。
請求項8記載の発明によれば、参照光の位相制御が容易になる、という効果がある。
請求項9記載の発明によれば、コリニア方式において、空間光変調器における参照光パターンの表示位置に応じて位相が変調された参照光を利用して、液晶型の空間光変調器を使用する場合に限定されることなく、1枚のホログラムから複数の再生像が得られるように、ホログラムを記録し再生することができる、という効果がある。
請求項10記載の発明によれば、参照光の位相制御が容易になると共に、記録領域の微小化が可能になる、という効果がある。
請求項11記載の発明によれば、参照光に共通の0次回折成分によるクロストークを防止でき、信号光対雑音比(SNR)が向上する、という効果がある。
請求項12記載の発明によれば、空間光変調器にデジタル・マイクロミラー・デバイスを用いて、コントラストが高い再生像を得ることができる、という効果がある。
請求項13記載の発明によれば、コリニア方式において、空間光変調器における参照光パターンの表示位置に応じて位相が変調された参照光を利用して、液晶型の空間光変調器を使用する場合に限定されることなく、1枚のホログラムから複数の再生像を得ることができる、という効果がある。
請求項14記載の発明によれば、コリニア方式において、空間光変調器における参照光パターンの表示位置に応じて位相が変調された参照光を利用して、液晶型の空間光変調器を使用する場合に限定されることなく、1枚のホログラムから複数の再生像を得ることができる、という効果がある。
請求項15記載の発明によれば、参照光の位相制御が容易になる、という効果がある。
請求項16記載の発明によれば、コリニア方式において、空間光変調器における参照光パターンの表示位置に応じて位相が変調された参照光を利用して、液晶型の空間光変調器を使用する場合に限定されることなく、1枚のホログラムから複数の再生像が得られるように、ホログラムを記録し再生することができる、という効果がある。
請求項17記載の発明によれば、コリニア方式において、空間光変調器における参照光パターンの表示位置に応じて位相が変調された参照光を利用して、液晶型の空間光変調器を使用する場合に限定されることなく、1枚のホログラムから複数の再生像が得られるように、ホログラムを記録し再生することができる、という効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
第1の実施の形態では、コリニア方式において、空間光変調器における参照光パターンの表示位置に応じて位相が変調された参照光を利用して、光記録媒体を記録光に対して相対移動させることなく(媒体非移動で)、ホログラムを多重記録する多重記録方式について説明する。以下では、この多重記録方式を「参照光パターンスライド多重」と称する。
(ホログラム記録再生装置)
図1は第1の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の構成を示す概略図である。このホログラム記録再生装置は、光軸を共通とする信号光と参照光とを、同じ方向から1光束の記録光として光記録媒体に照射する「同軸記録方式(コリニア方式)」のホログラム記録再生装置である。本実施の形態では、透過型の空間光変調器(SLM:spatial light modulator)と透過型の光記録媒体とを用いる「同軸透過型」のホログラム記録再生装置について説明する。
ホログラム記録再生装置には、コヒーレント光であるレーザ光を発振する光源10が設けられている。光源10としては、例えば、発振波長が532nmの緑色レーザ光を発振するレーザ光源が用いられる。光源10の光出射側には、光路に対し挿入又は退避(開閉)が可能なシャッター12、直交する直線偏光成分間に1/2波長の光路差を与える1/2波長板14、所定の偏光方向の光を通過させる偏光板16、及び拡大・コリメート光学系であるビームエキスパンダ18が、光源10の側から光路に沿ってこの順に配置されている。
光源10は、制御装置36に接続された駆動装置40により駆動されて発振する。駆動装置40は、CPU、ROM、RAM、記憶装置などを備えたパーソナルコンピュータ等で構成された制御装置36に接続され、制御装置36により制御されている。また、シャッター12は、制御装置36に接続された駆動装置38により駆動されて開閉する。
ビームエキスパンダ18の光透過側には、画素毎に入射光を変調する透過型の空間光変調器20が配置されている。透過型の空間光変調器20としては、液晶等の電気光学変換材料の両面に透明電極を形成した液晶型の空間光変調器等を用いることができる。空間光変調器20は、パターン発生器(図示せず)を介して制御装置36に接続されている。
パターン発生器は、制御装置36から供給されたデジタルデータを明暗画像で表して、空間光変調器20に表示する信号光パターンを生成する。信号光パターンは、例えば、二値のデジタルデータ「0,1」が「暗(黒画素)、明(白画素)」で表現されたデジタルパターン等である。空間光変調器20には、信号光パターンの外に、参照光パターンも表示される。参照光パターンは、例えば、ランダムパターン、チェッカーパターン等、複数の空間周波数成分を有するパターンである。空間光変調器20は、表示された信号光パターンや参照光パターンに応じて入射したレーザ光を変調して、信号光や参照光を生成する。空間光変調器20は、生成した信号光や参照光を、レンズ22側に射出する。
図2(A)は記録時に空間光変調器20に表示する記録用パターンの一例を示す図である。図2(A)に示すように、記録用パターン42は、信号光を生成する信号光パターンと、参照光を生成する参照光パターンと、を含んで構成されている。信号光パターンは、空間光変調器20の中央部分に表示される。参照光パターンは、この信号光パターンを取り囲むように、空間光変調器20の周辺部分に表示される。
図2(B)は空間光変調器20の平面図である。空間光変調器20は、平面視が矩形状の表示面20Aを備えている。表示面20Aには、複数の画素部がxy平面に2次元状に配列されている。表示面20Aには、信号光パターンを表示する矩形状の信号光領域20Sと、参照光パターンを表示するリング状の参照光領域20Rと、が設けられている。本実施の形態では、信号光領域20Sは、固定配置された固定領域である。一方、参照光領域20Rは、ページ毎にその位置がxy平面上の異なる位置に平行移動(スライド)する可変領域である。なお、信号光領域20Sの形状及び参照光領域20Rの形状は、記録用パターンに応じて適宜変更することができる。
空間光変調器20の光透過側には、一対のレンズ22、26、及び入射した光をフーリエ変換して光記録媒体30に集光するフーリエ変換レンズ28が、空間光変調器20側から光路に沿ってこの順に配置されている。レンズ22には、空間光変調器20で生成された信号光や参照光が入射する。レンズ22とレンズ26との間には、ビームウエスト近傍に、開口部(アパーチャ)24Aを備えた遮光板24が配置されている。なお、本実施の形態では、遮光板24は必須ではなく、適宜省略することができる。
フーリエ変換レンズ28の光出射側には、光記録媒体30を保持する保持ステージ(図示せず)が設けられている。保持ステージは、制御装置36に接続された駆動装置(図示せず)により駆動されて、光軸方向又は光軸と垂直な面方向に移動する。保持ステージは、例えば、光記録媒体30の表面近傍がフーリエ変換レンズ28の焦点位置となる位置で、光記録媒体30を保持する。
光記録媒体30は、光照射による屈折率変化によりホログラムを記録可能な光記録媒体である。このような光記録媒体30としては、例えば、フォトポリマー材料、フォトリフラクティブ材料、銀塩感光材料等の記録材料を用いた光記録媒体が挙げられる。
光記録媒体30の光透過側には、フーリエ変換レンズ32及び光検出器としてのセンサアレイ34が、光記録媒体30側から光路に沿ってこの順に配置されている。フーリエ変換レンズ32は、入射した光を逆フーリエ変換してセンサアレイ34に結像するフーリエ変換レンズである。センサアレイ34は、CCDやCMOSアレイ等の撮像素子で構成され、受光した再生光(回折光)を電気信号に変換して出力する。また、センサアレイ34は、制御装置36に接続されている。センサアレイ34は、受光面に結像された再生像を撮像し、得られた画像データを制御装置36に出力する。
(ホログラムの記録動作)
次に、図1に示すホログラム記録再生装置の記録動作について簡単に説明する。
ホログラムを記録する場合には、シャッター12を開いて、光源10からレーザ光を照射する。同時に、制御装置36からデジタルデータを所定のタイミングで出力して、空間光変調器20に記録用パターン(図2参照)を表示する。光源10から発振されたレーザ光は、シャッター12を通過し、1/2波長板14と偏光板16とにより光強度や偏光方向が調整される。偏光板16を通過した光は、ビームエキスパンダ18により大径の平行光に変換され、空間光変調器20に照射される。
空間光変調器20では、表示されたパターンに応じてレーザ光が変調され、信号光と参照光とが生成される。空間光変調器20で変調された記録光、即ち、信号光と参照光とは、レンズ22で集光され、遮光板24に照射される。レンズ22で集光された記録光は、不要な周波数成分が遮光板24でカットされ、残部がアパーチャ24Aを通過する。アパーチャ24Aを通過した記録光は、レンズ26により平行光に変換され、フーリエ変換レンズ28によりフーリエ変換されて集光され、光記録媒体30に同時に且つ同軸で照射される。信号光と参照光とが集光される位置において、信号光と参照光とが干渉して形成された干渉縞が、光記録媒体30にホログラムとして記録される。
図3(A)〜(C)は、複数ページを記録する場合にページ毎に表示する記録用パターンの一例を示す図である。本実施の形態の「参照光パターンスライド多重」では、記録するページ毎に参照光領域20Rの位置を変えて、参照光パターンを表示する。即ち、同じ参照光パターンがxy平面上で移動し、記録するページ毎にxy平面上の異なる位置に表示される。参照光パターンの表示位置に応じて、参照光の位相が変調される。ページ毎に位相分布が異なる参照光を用いることで、複数ページのホログラムを同じ位置に多重記録することができる。従って、「スペックル多重」のように、参照光の位相を変調するために参照光パターンを変更する必要はなく、信号光と参照光の強度比も一定に保持される。また、「シフト多重」のように、記録するページ毎に、記録光に対し光記録媒体を相対移動させる必要もない。
例えば、図3(A)に示すように、1ページ目を記録する場合には、固定配置された信号光領域20Sに信号光パターンを表示すると共に、表示面20Aの中心点に対し対称となるようにリング状の参照光領域20Rを配置して、この参照光領域20Rに参照光パターンを表示する。図3(B)に示すように、2ページ目を記録する場合には、固定配置された信号光領域20Sに信号光パターンを表示すると共に、リング状の参照光領域20Rを中心点に対し図面上で左下に移動するようにスライドさせて、左下に移動させた参照光領域20Rに参照光パターンを表示する。図3(C)に示すように、3ページ目を記録する場合には、固定配置された信号光領域20Sに信号光パターンを表示すると共に、リング状の参照光領域20Rを中心点に対し図面上で右上に移動するようにスライドさせて、右上に移動させた参照光領域20Rに参照光パターンを表示する。
また、「参照光パターンスライド多重」では、再生または記録時に1ページ処理するたびに光記録媒体を記録光に対して相対移動させることなく(媒体非移動で)、ホログラムを記録・再生できるので、再生時や記録時の高速化を狙うこともできる。
ここで、図4(A)及び(B)を参照して、参照光パターンの表示位置に応じて参照光の位相が変調される理由について説明する。図4(A)に示すように、信号光領域20Sの位置を固定したままで、参照光領域20Rをx軸方向に距離a、y軸方向に距離b移動させたとする。これにより、参照光パターンr(x,y)は、x軸方向に距離aだけシフトし、y軸方向に距離bだけシフトする。
図4(B)に示すように、参照光パターンに基づいて生成された参照光は、フーリエ変換レンズ28によりフーリエ変換される。ωω平面で表されるフーリエ変換面には、フーリエ変換像が結像される。例えば、参照光パターンとして、チェッカーパターンのような周期的パターンを用いた場合には、参照光のフーリエ変換像は、参照光の周期性に起因した回折パターンとなり、0次〜n次の回折成分を有している。ここでの次数とは、フーリエ変換レンズの焦点距離をfs、記録波長をλ、信号光を生成した空間光変調器の画素ピッチをd/2とした場合に、ω軸とω軸の交点である0次からζ=fsλ/dの距離ごとに現れる輝点の順位のことである。
パターンr(x,y)の参照光をフーリエ変換したときのフーリエ変換像F[r(x,y)]は、x軸方向の空間周波数をμ、y軸方向の空間周波数をνとして、下記式(1)で表される。
上述した通り、参照光パターンの表示位置のずれ量(シフト量)を、x軸方向にa、y軸方向にbとする。実空間におけるシフトが周波数空間における位相シフトと等価であるとするフーリエ変換のシフト定理により、0次〜n次の回折成分を有するフーリエ変換像の場合には、以下の関係式(2)が成立する。空間周波数μ、νは、次数に応じて複数存在する。この場合、x軸方向の空間周波数はμ〜μのn個であり、y軸方向の空間周波数はν〜νのn個である。参照光パターンのランダム性が高くなるほど、高次の回折成分が増加する。
0次〜1次の回折成分を有するフーリエ変換像とした場合(i=1)、上記式(2)から、参照光パターンがx軸方向にa、y軸方向にbずれたとき、参照光の1次の回折成分の位相は|2π(μa+νb)|だけずれることが分かる。位相のずれ量は、距離a、bと共に、空間周波数μとνにも依存する。従って、参照光パターンに含まれる空間周波数成分が複数あるときには、ずれ量a、bが一定であっても、空間周波数成分によって、変化する位相量が異なることになる。また、参照光の0次の回折成分では、μ=0かつν=0、であるから、ずれ量a、bによらず位相は変化しない。なお、強度分布は、振幅成分R(μ、ν)の二乗で表され、略一定である。
その結果、参照光パターンの表示位置をずらすと、表示位置をずらす前の参照光パターンから生成する参照光との位相相関が低い、別の参照光が生成する。この位相相関の低い参照光を用いて、十分小さなクロストークで、複数ページのホログラムを光記録媒体の同じ位置に多重記録することができる。なお、図4(B)では、0次〜2次の回折成分を図示している。点線で囲った範囲には0次〜1次の回折成分が存在する。
(ホログラムの再生動作)
光記録媒体30に記録されたホログラムから信号光を再生する場合には、シャッター12を開いて、光源10からレーザ光を照射する。同時に、制御装置36から参照光パターンを表示するためのデジタルデータを所定のタイミングで出力して、参照光だけが光記録媒体30に照射されるように、空間光変調器20の記録時と同じ位置に参照光領域20Rを配置し、参照光領域20Rに記録時と同じ参照光パターンを表示する。
図5(A)〜(C)は、「参照光パターンスライド多重」で記録された各ページを再生するときに表示する再生用パターンの一例を示す図である。図3(A)に示したように、1ページ目を記録する場合には、表示面20Aの中心点に対し対称となるようにリング状の参照光領域20Rを配置して、この参照光領域20Rに参照光パターンを表示した。この参照光パターンから生成した参照光を用いて記録された1ページ目を再生する場合には、図5(A)に示すように、図3(A)と同じ位置に参照光領域20Rを配置して、この参照光領域20Rに記録時と同じ参照光パターンを表示する。
同様に、図5(B)に示すように、2ページ目を再生する場合には、図3(B)と同じ位置に参照光領域20Rを配置して、この参照光領域20Rに記録時と同じ参照光パターンを表示する。また、図5(C)に示すように、3ページ目を再生する場合には、図3(C)と同じ位置に参照光領域20Rを配置して、この参照光領域20Rに記録時と同じ参照光パターンを表示する。このようにして、「参照光パターンスライド多重」で多重記録された複数ページの各々を、別々に再生することができる。
光源10から発振されたレーザ光は、記録の場合と同様にして、空間光変調器20に入射する。空間光変調器20では、表示されたパターンに応じてレーザ光が変調され、参照光が生成される。生成された参照光は、記録の場合と同様にして、光記録媒体30のホログラムが記録された領域に照射される。即ち、光記録媒体30には、参照光だけが読出し光として照射される。
照射された参照光は、光記録媒体30を透過するときに、ホログラムによって回折され、透過回折光(再生信号光)がフーリエ変換レンズ32側に射出される。一部の参照光は回折されずに光記録媒体30を透過する。光記録媒体30から射出された再生信号光と透過参照光とは、フーリエ変換レンズ32により逆フーリエ変換されて、センサアレイ34に入射する。
センサアレイ34は、受光した再生光(回折光)を電気信号に変換して出力する。即ち、センサアレイ34は、受光面に結像された再生像を撮像し、得られた画像データを制御装置36に出力する。制御装置36では、入力された画像データに基づいて、信号光に重畳されたデジタルデータが復号される。なお、センサアレイ34では、信号光データの1画素を複数の受光素子により受光する、オーバーサンプリングを実施することが好ましい。例えば、1ビットのデータを4個(2×2)の受光素子により受光する。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、参照光パターンの表示位置に応じて位相が変調された参照光から直流成分を除去して、「参照光パターンスライド多重」により複数ページのホログラムを多重記録する場合について説明する。
(ホログラム記録再生装置)
図6は第2の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の構成を示す概略図である。このホログラム記録再生装置は、周波数空間で参照光の直流成分を除去する「除去素子」としてマスク44を設けた以外は、図1に示した第1の実施の形態に係るホログラム記録再生装置と同じ構成であるため、同じ構成部分には同じ符号を付して説明を省略する。
マスク44は、レンズ22により参照光が集光される位置に配置されている。図6に示す例では、マスク44は、遮光板24のアパーチャ24Aの近傍に配置されている。また、マスク44は、制御装置36に接続された駆動装置46により駆動されて、参照光の光路に対し挿入又は光路から退避が可能に構成されている。マスク44としては、直流成分を選択的に反射する反射ミラー、直流成分を選択的に吸収する吸収部材、直流成分を選択的に減衰させるNDフィルタ等を用いることができる。
(ホログラムの記録動作)
ホログラムを記録する場合には、制御装置36により駆動装置46を制御してマスク44を駆動し、マスク44を参照光の光路に対し挿入する。また、シャッター12を開いて、光源10からレーザ光を照射する。同時に、制御装置36からデジタルデータを所定のタイミングで出力して、空間光変調器20に記録用パターン(図2参照)を表示する。
光源10から発振されたレーザ光は、第1の実施の形態と同様にして、空間光変調器20に入射する。空間光変調器20では、表示されたパターンに応じてレーザ光が変調され、信号光と参照光とが生成される。空間光変調器20で変調された記録光、即ち、信号光と参照光とは、レンズ22で集光され、遮光板24及びマスク44に照射される。レンズ22で集光された記録光は、不要な周波数成分が遮光板24でカットされ、直流成分がマスク44で除去されて、残部がアパーチャ24Aを通過する。
アパーチャ24Aを通過した記録光は、レンズ26により平行光に変換され、フーリエ変換レンズ28によりフーリエ変換されて集光され、光記録媒体30に同時に且つ同軸で照射される。信号光と参照光とが集光される位置において、信号光と参照光とが干渉して形成された干渉縞が、光記録媒体30にホログラムとして記録される。
参照光パターンの表示位置を変えて得られた位相の異なる参照光は、0次回折成分は位相がずれないために、共通の直流成分を有している。この共通の直流成分はクロストークの原因となる。参照光間にクロストークがあると、記録時にはノイズ・グレーティングが形成される。また、再生時には再生像のS/Nを劣化させることになる。従って、このクロストークを抑制するために、記録時に参照光の直流成分を除去することが望ましい。
(ホログラムの再生動作)
光記録媒体30に記録されたホログラムから元の信号光を再生する場合には、制御装置36により駆動装置46を制御してマスク44を駆動し、マスク44を参照光の光路から退避させる。また、再生された回折光に直流成分を補うための表示画像の輝度値を予め演算して、制御装置36の記憶部(図示せず)に記憶しておく。再生時には、シャッター12を開いて、光源10からレーザ光を照射する。
再生時には、シャッター12を開いて、光源10からレーザ光を照射する。同時に、制御装置36から参照光パターンを表示するためのデジタルデータを所定のタイミングで出力する。また、制御装置36から演算された輝度値を所定のタイミングで出力する。空間光変調器20の記録時と同じ位置に参照光領域20Rを配置し、参照光領域20Rに記録時と同じ参照光パターンを表示する。また、空間光変調器20の記録時と同じ位置に信号光領域20Sを配置し、信号光領域20Sに演算された輝度値を有する透過パターンを表示する。透過パターンにおいて、各画素の輝度値は一定である。
例えば、図7(A)に示すように、記録時に、固定配置された信号光領域20Sに信号光パターンを表示すると共に、表示面20Aの中心点に対し対称となるようにリング状の参照光領域20Rを配置して、この参照光領域20Rに参照光パターンを表示する(記録時のパターン例1)。この場合、再生時には、図7(B)に示すように、固定配置された信号光領域20Sに透過パターンを表示すると共に、記録時と同じ位置にリング状の参照光領域20Rを配置して、この参照光領域20Rに記録時と同じ参照光パターンを表示する(再生時のパターン例1)。
また、図7(C)に示すように、記録時に、固定配置された信号光領域20Sに信号光パターンを表示すると共に、リング状の参照光領域20Rを中心点に対し図面上で右上に移動するようにスライドさせて、右上に移動させた参照光領域20Rに参照光パターンを表示する(記録時のパターン例2)。この場合、再生時には、図7(D)に示すように、固定配置された信号光領域20Sに透過パターンを表示すると共に、記録時と同じ位置にリング状の参照光領域20Rを配置して、この参照光領域20Rに記録時と同じ参照光パターンを表示する(再生時のパターン例2)。
光源10から発振されたレーザ光は、記録の場合と同様にして、空間光変調器20に入射する。空間光変調器20では、表示されたパターンに応じてレーザ光が変調され、参照光と付与される直流成分とが生成される。生成された参照光と付与される直流成分とは、記録の場合と同様にして、光記録媒体30のホログラムが記録された領域に照射される。即ち、光記録媒体30には、参照光と付与された直流成分とが読出し光として照射される。
照射された参照光は、光記録媒体30を透過するときに、ホログラムによって回折され、透過回折光がフーリエ変換レンズ32側に射出される。付与された直流成分は回折されずに光記録媒体30を透過する。元の信号光パターンの再生は、ホログラムからの回折光と付与された直流成分との干渉の結果として実現される。即ち、干渉波(合成光)の振幅が増加するように、又はホログラムからの回折光の位相と付与された直流成分の位相が整合(位相差=0あるいはπ)するように、回折光と直流成分との位相差を設定することで、元の信号光パターンを反映した画像が再生される。ポジティブな再生像を得る場合には、位相差=0にし、ネガティブな再生像を得る場合には、位相差=πにする。直流成分の位相の設定は、空間光変調器20の信号光用画素の輝度値を適宜変更することにより行うことができる。
ホログラムからの回折光と付与された直流成分とは、フーリエ変換レンズ32により逆フーリエ変換されて、センサアレイ34に入射する。フーリエ変換レンズ32の焦点面では再生像を観察することができる。本実施の形態では、ホログラムの記録時に除去された直流成分が回折光に付与されるので、元の信号光と同じ成分の回折光が復元され、元の信号光パターン(ポジティブ画像)が再生される。
なお、透過パターンの輝度値の演算は、以下の手順で行う。ホログラムからの回折光の位相は、再生時の参照光の位相からずれ、そのずれ量は、ホログラムの種類によって決まる。使用する記録材料によってホログラムの種類は既知であるため、位相のずれ量は既知である。さらに、空間光変調器20の画素の輝度と生成される位相変調量とも既知である。従って、回折光の位相のずれ量と、付与される直流成分に付与する位相変調量との差が、以下の条件を満たすように、透過パターンの輝度値を設定する。
即ち、ホログラムからの再生像は、センサアレイ34により検出される。センサアレイ34の結像面のある位置rにおいて回折光の振幅が極大となる、ある時刻tの位相をφとする。その時刻t、位置rにおける直流成分の振幅、位相をそれぞれA、θとする。再生像としてポジティブ画像を得る(元の信号光を復元する)には、合成光の振幅をプラスの方向に移動させればよい。そのためには、直流成分の振幅Aがプラスになるように、即ち、下記式(3)を満たすようにθを設定する。
下記式(4)を満たすようにθを設定することがより望ましい。この条件下では、回折光の振幅の極大と直流成分の振幅の極大とが一致し、合成光の正の振幅が最大となる。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態では、参照光パターンの表示位置に応じて位相が変調された参照光に含まれる直流成分を拡散させて、「参照光パターンスライド多重」により複数ページのホログラムを多重記録する場合について説明する。
(ホログラム記録再生装置)
図8は第3の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の構成を示す概略図である。このホログラム記録再生装置は、実空間で参照光に位相分布を付与して直流成分を拡散させる「位相調整素子」として位相マスク48を設けた以外は、図1に示した第1の実施の形態に係るホログラム記録再生装置と同じ構成であるため、同じ構成部分には同じ符号を付して説明を省略する。
位相マスク48は、レンズ26とフーリエ変換レンズ28との間の焦平面(焦点面)に配置されている。位相マスク48としては、空間的にランダムな位相ずれを生じさせるランダム位相マスク等の位相変調フィルタを用いることができる。
(ホログラムの記録動作)
ホログラムを記録する場合には、シャッター12を開いて、光源10からレーザ光を照射する。同時に、制御装置36からデジタルデータを所定のタイミングで出力して、空間光変調器20に記録用パターンを表示する。
光源10から発振されたレーザ光は、第1の実施の形態と同様にして、空間光変調器20に入射する。空間光変調器20では、表示されたパターンに応じてレーザ光が変調され、信号光と参照光とが生成される。空間光変調器20で変調された記録光、即ち、信号光と参照光とは、レンズ22で集光され、遮光板24に照射される。レンズ22で集光された記録光は、不要な周波数成分が遮光板24でカットされ、残部がアパーチャ24Aを通過する。
アパーチャ24Aを通過した記録光は、レンズ26により平行光に変換され、位相マスク48を通過して位相変調される。位相マスク48を通過した記録光、即ち、信号光と参照光とは、フーリエ変換レンズ28によりフーリエ変換されて集光され、光記録媒体30に同時に且つ同軸で照射される。信号光と参照光とが集光される位置において、信号光と参照光とが干渉して形成された干渉縞が、光記録媒体30にホログラムとして記録される。
「参照光パターンスライド多重」では、記録するページ毎に空間光変調器20での参照光パターンの表示位置が異なるため、参照光が通過する位相マスク48の位置もページ毎に異なる。従って、位相マスク48によって拡散される直流成分もページ毎に異なる。よって、位相マスク48で直流成分を拡散させることで、光記録媒体30に対し0次回折成分が照射される位置も変化し、十分に低いクロストークで多重記録を実現できる。記録時に直流成分を除去する必要はない。また、位相マスク48による位相変調によって、信号光と参照光との重なりが改善されると共に、記録光の光強度分布が均一化され、光記録媒体のダイナミックレンジを有効に活用することができる。
(ホログラムの再生動作)
光記録媒体30に記録されたホログラムから信号光を再生する場合には、シャッター12を開いて、光源10からレーザ光を照射する。同時に、制御装置36から参照光パターンを表示するためのデジタルデータを所定のタイミングで出力して、参照光だけが光記録媒体30に照射されるように、空間光変調器20の記録時と同じ位置に参照光領域20Rを配置し、参照光領域20Rに記録時と同じ参照光パターンを表示する。
光源10から発振されたレーザ光は、第1の実施の形態と同様にして、空間光変調器20に入射する。空間光変調器20では、表示されたパターンに応じてレーザ光が変調され、参照光が生成される。生成された参照光は、レンズ22で集光され、遮光板24に照射される。レンズ22で集光された参照光は、不要な周波数成分が遮光板24でカットされ、残部がアパーチャ24Aを通過する。
アパーチャ24Aを通過した参照光は、レンズ26により平行光に変換され、位相マスク48で位相変調される。位相マスク48で位相変調された光は、フーリエ変換レンズ28によりフーリエ変換されて集光され、第1の実施の形態と同様にして、光記録媒体30のホログラムが記録された領域に照射される。即ち、光記録媒体30には、参照光だけが読出し光として照射される。
照射された参照光は、光記録媒体30を透過するときに、ホログラムによって回折され、透過回折光(再生光)がフーリエ変換レンズ32側に射出される。光記録媒体30から射出された再生光は、フーリエ変換レンズ32により逆フーリエ変換されて、センサアレイ34に入射する。こうして、ホログラムからの再生像は、センサアレイ34により検出される。
なお、第1〜第3の実施の形態では「参照光パターンスライド多重」を媒体非移動で行う好適な実施の形態について説明するが、参照光パターンの表示位置を変えると共に、記録光に対し光記録媒体を相対移動させて、複数ページのホログラムを異なる位置に多重記録してもよい。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態では、コリニア方式において、空間光変調器における参照光パターンの表示位置に応じて位相が変調された参照光を利用して、液晶型の空間光変調器を使用する場合に限定されることなく、1枚のホログラムからポジティブ画像及びネガティブ画像の2つの再生像が得られるように、ホログラムを記録し再生する記録再生方式について説明する。
(ホログラム記録再生装置)
第4の実施の形態に係るホログラム記録再生装置は、遮光板24のアパーチャ24Aの開口径を制御した以外は、図1に示した第1の実施の形態に係るホログラム記録再生装置と同じ構成であるため、異なる構成部分以外は説明を省略する。
遮光板24のアパーチャ24Aは、図4(B)に示したフーリエ変換像のうち、0次及び1次の回折成分(点線で囲んだ部分)を透過し、2次以上の回折成分を遮蔽するように、所定の開口径で形成されている。2次以上の回折成分を遮蔽することで、光記録媒体30には、0次及び1次の回折成分だけが照射される。x軸方向の空間周波数μとy軸方向の空間周波数νは各々1種類となり、後述する通り、参照光と付与される直流成分との位相差の制御が容易になる。また、記録領域も小さくなり、記録密度が向上する。
(ホログラムの記録動作)
ホログラムを記録する場合には、空間光変調器20には記録用パターンを表示する。例えば、図9(A)に示すように、固定配置された信号光領域20Sに信号光パターンを表示すると共に、表示面20Aの中心点に対し対称となるようにリング状の参照光領域20Rを配置して、この参照光領域20Rに参照光パターンを表示する。参照光の0次及び1次の回折成分しか使用しないので、参照光パターンとしては、チェッカーパターンのような周期的パターンを用いることが好ましい。
第1の実施の形態と同様にして、レーザ光を空間光変調器20に照射する。空間光変調器20では、表示された記録用パターンに応じてレーザ光が変調され、信号光と参照光とが生成される。空間光変調器20で変調された記録光、即ち、信号光と参照光とは、レンズ22で集光され、遮光板24に照射される。レンズ22で集光された記録光は、2次以上の回折光成分が遮光板24でカットされ、0次及び1次の回折成分がアパーチャ24Aを通過する。
アパーチャ24Aを通過した記録光は、レンズ26により平行光に変換され、フーリエ変換レンズ28によりフーリエ変換されて集光され、光記録媒体30に同時に且つ同軸で照射される。信号光と参照光とが集光される位置において、信号光と参照光とが干渉して形成された干渉縞が、光記録媒体30にホログラムとして記録される。
(ホログラムの再生動作)
本実施の形態では、記録された1枚のフーリエ変換ホログラムから、ポジティブ画像及びネガティブ画像の2枚の再生像を検出する。まず、元の信号光パターンと同じポジティブ画像を再生する場合には、シャッター12を開いて、光源10からレーザ光を照射する。同時に、制御装置36から参照光パターンを表示するためのデジタルデータを所定のタイミングで出力して、図9(B)に示すように、参照光だけが光記録媒体30に照射されるように、空間光変調器20の記録時と同じ位置に参照光領域20Rを配置し、参照光領域20Rに記録時と同じ参照光パターンを表示する。
光源10から発振されたレーザ光は、第1の実施の形態と同様にして、空間光変調器20に入射する。空間光変調器20では、表示されたパターンに応じてレーザ光が変調され、参照光が生成される。空間光変調器20で変調されて生成された参照光は、レンズ22で集光され、0次及び1次の回折成分だけがアパーチャ24Aを通過して、レンズ26により平行光に変換される。レンズ26により平行光に変換された参照光は、フーリエ変換レンズ28によりフーリエ変換されて集光され、光記録媒体30に照射される。即ち、光記録媒体30には、参照光だけが読出し光として照射される。
光記録媒体30に照射された参照光は、光記録媒体30を透過するときに、ホログラムによって回折され、透過回折光(再生光)がレンズ32側に射出される。光記録媒体30から射出された再生光は、レンズ32により平行光とされ、センサアレイ34の表面に結像される。センサアレイ34には、記録時に空間光変調器20に表示した元の信号光パターン、即ち、元の信号光パターンのポジティブ画像(以下、「ポジ画像」という。)が結像される。センサアレイ34が、この再生光を検出して、第1再生像(ポジ画像)が取得される。
次に、元の信号光パターンが反転したネガティブ画像を再生する場合には、シャッター12を開いて、光源10からレーザ光を照射する。同時に、制御装置36から参照光パターンを表示するためのデジタルデータを所定のタイミングで出力して、図9(C)に示すように、空間光変調器20のリング状の参照光領域20Rを中心点に対し図面上で右上に移動するようにスライドさせて、右上に移動させた参照光領域20Rに参照光パターンを表示する。
例えば、光記録媒体30をフォトポリマーで構成し、参照光パターンの表示位置のずれ量(シフト量)を、図4(A)に示すように、x軸方向にa、y軸方向にbとした場合について説明する。この場合は、ポジ画像の再生に用いた参照光との位相ずれ量が、|2π(μa+νb)|=π/2となるように、参照光パターンの表示位置をずらす。また、同時に、固定配置された信号光領域20Sに、所定の輝度値を有する透過パターンを表示する。透過パターンにおいて、各画素の輝度値は一定である。
光源10から発振されたレーザ光は、第1の実施の形態と同様にして、空間光変調器20に入射する。空間光変調器20では、表示されたパターンに応じてレーザ光が変調され、参照光と付与される直流成分とが生成される。生成された参照光と付与される直流成分とは、レンズ22で集光され、0次及び1次の回折成分だけがアパーチャ24Aを通過して、レンズ26により平行光に変換される。レンズ26により平行光に変換された参照光は、フーリエ変換レンズ28によりフーリエ変換されて集光され、光記録媒体30のホログラムが記録された領域に照射される。即ち、光記録媒体30には、参照光と付与された直流成分とが読出し光として照射される。
光記録媒体30に照射された参照光は、光記録媒体30を透過するときに、ホログラムによって回折され、透過回折光(再生光)がフーリエ変換レンズ32側に射出される。付与された直流成分は回折されずに光記録媒体30を透過する。元の信号光パターンの反転画像の再生は、ホログラムからの回折光と付与された直流成分との逆位相による干渉の結果として実現される。即ち、ホログラムからの回折光と付与された直流成分とが逆位相で干渉するように、回折光と直流成分との位相差を設定することで、元の信号光パターンの反転画像が再生される。直流成分の位相の設定は、空間光変調器20の信号光用画素の輝度値を適宜変更することにより行うことができる。
ホログラムからの回折光と付与された直流成分とは、フーリエ変換レンズ32により逆フーリエ変換されて、センサアレイ34に入射する。センサアレイ34には、記録時に空間光変調器20に表示した元の信号光パターンの反転パターン、即ち、元の信号光パターンのネガティブ画像(以下、「ネガ画像」という。)が結像される。センサアレイ34が、この再生光を検出して、第2再生像(ネガ画像)が取得される。
以上の通り、本実施の形態では、1枚のフーリエ変換ホログラムから、ポジ画像とネガ画像の2枚の再生像を検出することができる。なお、センサアレイ34は、検出した再生信号光を電気信号に変換して制御装置36に出力する。即ち、センサアレイ34は、検出されたアナログデータをA/D変換して、第1再生像の画像データと第2再生像の画像データとを制御装置36に出力する。第1再生像の画像データ、第2再生像の画像データは、制御装置36のRAM等の記憶部に保持される。
(ネガ画像生成の原理)
ここで、図9(C)に示すように、空間光変調器20のリング状の参照光領域20Rを移動させて、移動させた参照光領域20Rに参照光パターンを表示すると共に、固定配置された信号光領域20Sに、所定の輝度値を有する透過パターンを表示することで、ネガ画像が得られる理由について説明する。
付与する直流成分と参照光との位相差は、参照光パターンの表示位置を変えることで制御できる。本実施の形態では、x軸方向の空間周波数μとy軸方向の空間周波数νは各々1種類である。参照光パターンの表示位置のずれ量(シフト量)を、図4(A)に示すように、x軸方向にa、y軸方向にbとした場合に、ポジ画像の再生に用いた参照光との位相ずれ量は|2π(μa+νb)|となる。
一方、付与する直流成分を表示する位置は不変である。また、直流成分の位相は一定である。従って、参照光パターンの表示位置を変えることで、付与する直流成分と参照光との位相差を制御できる。これは次のことを意味する。即ち、再生像を形成するホログラムからの出射光に含まれる直流成分と高次成分との位相差を、参照光パターンの表示位置によって制御できる。
上述した通り、ホログラムからの回折光の位相は、再生時に使用した参照光の位相からずれる。そのずれ量は、ホログラムの種類によって決まる。使用する記録材料によってホログラムの種類は既知であるため、位相のずれ量は既知である。以下では、フォトポリマーを光記録媒体30に用いた場合で説明する。
ポジ画像の再生に用いた参照光との位相ずれ量が、|2π(μa+νb)|=π/2を満たすように、参照光パターンの表示位置を変化させたとする。この参照光によりホログラムから高次成分の回折光が出射する。フォトポリマーを用いた場合には、Coupled wave理論によると、ホログラムからの回折の際、この回折光にπ/2だけ位相シフトが起こる。一方、付与された直流成分はホログラムを透過するのみである。従って、付与された直流成分とホログラムから回折された高次成分との位相差はπとなる。即ち、付与された直流成分とホログラムから回折された高次成分は、互いに逆位相である。これにより、再生像は反転画像となる。
上記の例では、光記録媒体30にフォトポリマーを用いたため、回折で付与される位相シフトはπ/2としたが、どのような種類のホログラムであっても、付与された直流成分とホログラムから回折された高次成分との位相差がπとなるように、参照光パターンの表示位置を選択することで、反転画像を再生することができる。
(データの復号処理)
次に、第1再生像、第2再生像の画像データから、再生された信号光に重畳されたデジタルデータを復号する「復号処理」について説明する。この処理は、制御装置36によって実行される。上述した通り、制御装置36には、第1再生像の画像データと第2再生像の画像データとが入力されて、保持されている。これら2つの画像データを用いて、信号光パターンの各画素について輝度の差分を演算する。差分を演算することで、両画像データに共通するノイズが相殺される。演算された差分値(正負)により、各画素の符号が正確に判定され、元のデジタルデータが高いSNRで復号される。また、元のデジタルデータが高いSNRで復号されると、ビットエラーレート(BER)も低下する。
例えば、二値のデジタルデータ「1、0」が「明、暗」で表現された信号光パターンである場合には、第1再生像(ポジ画像)の画像データから第2再生像(ネガ画像)の画像データを減算処理して、信号光パターン(明暗画像)の各画素について輝度の差分を演算する。第2再生像(ネガ画像)は、元の明暗画像の反転画像であり、元の明暗画像の明部は暗く、暗部は明るくなっている。従って、第1再生像(ポジ画像)の輝度から第2再生像(ネガ画像)の輝度を減じたときの差分値は、元の明暗画像の明部では正となり、元の明暗画像の暗部では負となる。演算された差分値の符号「正、負」を「1、0」として復号すると、元のデジタルデータを高いSNRで復号することができる。
また、第1再生像(ポジ画像)の画像データから第2再生像(ネガ画像)の画像データを減算処理して第3再生像(ポジ画像)を生成し、この第3再生像を用いて復号処理を行うこともできる。演算された差分値の符号「正、負」を「明、暗」として、第3再生像(ポジ画像)を生成すると、減算処理して得られた第3再生像では、第1再生像、第2再生像の各々よりもコントラストが強調されることになる。この第3再生像(ポジ画像)を用いれば、元のデジタルデータを高いSNRで復号することができる。
また、上記の例では、第1再生像(ポジ画像)の画像データから第2再生像(ネガ画像)の画像データを減算処理する例について説明したが、それとは逆に、第2再生像(ネガ画像)の画像データから第1再生像(ポジ画像)の画像データを減算処理して、輝度の差分値を演算することもできる。輝度の差分値は、元の明暗画像の明部では負となり、元の明暗画像の暗部では正となる。演算された差分値の符号「正、負」を「0、1」として復号すると、元のデジタルデータを高いSNRで復号することができる。或いは、演算された差分値の符号「正、負」を「暗、明」として第3再生像(ポジ画像)を生成し、第3再生像を用いて、元のデジタルデータを高いSNRで復号することができる。
また、上述したオーバーサンプリングを実施している場合には、信号光用データの1つの画素がセンサアレイの複数画素(複数の受光素子)に対応しているので、信号光用データの1画素毎に輝度の差分値を演算する。即ち、対応するセンサアレイの複数画素について、輝度の差分値の平均値を演算する。
<第5の実施の形態>
第5の実施の形態では、コリニア方式において、反射型液晶パネル(LCOS:Liquid Crystal on Silicon)、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)等の反射型の空間光変調器を用い、この空間光変調器における参照光パターンの表示位置に応じて位相が変調された参照光を利用して、1枚のホログラムからポジティブ画像及びネガティブ画像の2つの再生像が得られるように、ホログラムを記録し再生する記録再生方式について説明する。
(ホログラム記録再生装置)
図10は第5の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の構成を示す概略図である。このホログラム記録再生装置は、光軸を共通とする信号光と参照光とを、同じ方向から1光束の記録光として光記録媒体に照射する「同軸記録方式(コリニア方式)」のホログラム記録再生装置である。本実施の形態では、反射型の空間光変調器(SLM)と反射型の光記録媒体とを用いる「同軸反射型」のホログラム記録再生装置について説明する。
このホログラム記録再生装置には、S偏光のコヒーレント光であるレーザ光を発振する光源50が設けられている。光源50のレーザ光出射側には、光路に対し挿入又は退避(開閉)が可能なシャッター52、直交する直線偏光成分間に1/2波長の光路差を与える1/2波長板54、所定の偏光方向の光を通過させる偏光板56、拡大・コリメート光学系であるビームエキスパンダ58、及び所定方向の偏光だけを透過すると共にそれ以外の偏光を反射する偏光ビームスプリッタ60が、光源50の側から光路に沿ってこの順に配置されている。以下では、偏光ビームスプリッタ60は、P偏光を透過し且つS偏光を反射するものとして説明する。
光源50は、駆動装置84により駆動されて発振する。駆動装置84は、CPU、ROM、RAM、記憶装置などを備えたパーソナルコンピュータ等で構成された制御装置82に接続され、制御装置82により制御されている。また、シャッター52は、制御装置82に接続された駆動装置84により駆動されて開閉する。
ビームエキスパンダ58から見て、偏光ビームスプリッタ60の光反射側には、画素毎に入射光を変調する反射型の空間光変調器62が配置されている。反射型の空間光変調器62としては、LCOSやDMD等を用いることができる。図10では、空間光変調器62としてLCOSを使用している場合を図示している。なお、空間光変調器としてDMDを利用する場合は、DMD反射面の斜め方向から光を入射し、その反射光を直接レンズ66に入射させる。従って、DMDを用いる場合には、偏光ビームスプリッタ60や後述する1/4波長板64を配置する必要がない。空間光変調器62は、パターン発生器(図示せず)を介して制御装置82に接続されている。
パターン発生器は、制御装置82から供給されたデジタルデータを明暗画像で表して、空間光変調器62に表示する信号光パターン及び参照光パターンを生成する。信号光パターンは、例えば、二値のデジタルデータ「0,1」が「暗(黒画素)、明(白画素)」で表現されたデジタルパターン等である。参照光パターンは、例えば、ランダムパターン、チェッカーパターン等、複数の空間周波数成分を有するパターンである。空間光変調器62は、表示された信号光パターンや参照光パターンに応じて入射したレーザ光を変調して、信号光や参照光を生成する。
空間光変調器62は、図2(B)に示した第1の実施の形態の透過型の空間光変調器20と同様に、平面視が矩形状の表示面20Aを備えている。表示面20Aには、複数の画素部がxy平面に2次元状に配列されている。表示面20Aには、信号光パターンを表示する矩形状の信号光領域20Sと、参照光パターンを表示するリング状の参照光領域20Rと、が設けられている。本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、信号光領域20Sは、固定配置された固定領域である。一方、参照光領域20Rは、ページ毎にその位置がxy平面上の異なる位置に平行移動(スライド)する可変領域である。
空間光変調器62で生成された信号光と参照光とは、偏光ビームスプリッタ60の方向に反射され、偏光ビームスプリッタ60を透過する。空間光変調器62から見て、偏光ビームスプリッタ60の光透過側には、直線偏光を円偏光に又は円偏光を直線偏光に変換する1/4波長板64、レンズ66、70、及びフーリエ変換レンズ72が、光路に沿ってこの順に配置されている。また、レンズ66とレンズ70との間には、ビームウエスト近傍に、開口部(アパーチャ)68Aを備えた遮光板68が配置されている。
遮光板68のアパーチャ68Aは、図4(B)に示したフーリエ変換像のうち、0次及び1次の回折成分(点線で囲んだ部分)を透過し、2次以上の回折成分を遮蔽するように、所定の開口径で形成されている。2次以上の回折成分を遮蔽することで、光記録媒体74には、0次及び1次の回折成分だけが照射される。x軸方向の空間周波数μとy軸方向の空間周波数νは各々1種類となり、参照光と付与される直流成分との位相差の制御が容易になる。また、記録領域も小さくなり、記録密度が向上する。
フーリエ変換レンズ72の光出射側には、光記録媒体74を保持する保持ステージ(図示せず)が設けられている。光記録媒体74は、反射層74Aと、光照射による屈折率変化によりホログラムを記録可能な光記録層74Bと、を備えた光記録媒体である。反射層74Aは、金属や半金属を蒸着した反射率の高い薄膜で構成されている。光記録層74Bには、例えば、フォトポリマー材料、フォトリフラクティブ材料、銀塩感光材料等の記録材料が用いられる。
保持ステージは、制御装置82に接続された駆動装置(図示せず)により駆動されて、光軸方向又は光軸と垂直な面方向に移動する。保持ステージは、例えば、光記録媒体74の反射層74Aと光記録層74Bとの界面が、フーリエ変換レンズ72の焦点位置となる位置で、光記録媒体74を保持する。フーリエ変換レンズ72は、入射した光をフーリエ変換して光記録媒体74に集光する。
1/4波長板64から見て、偏光ビームスプリッタ60の光反射側には、CCDやCMOSアレイ等の撮像素子で構成され、受光した再生光(回折光)を電気信号に変換して出力する光検出器としてのセンサアレイ80が配置されている。また、センサアレイ80は、制御装置82に接続されている。センサアレイ80は、受光面に結像された再生像を撮像し、得られた画像データを制御装置82に出力する。
(ホログラムの記録動作)
ホログラムを記録する場合には、空間光変調器20には記録用パターンを表示する。例えば、図9(A)に示すように、固定配置された信号光領域20Sに信号光パターンを表示すると共に、表示面20Aの中心点に対し対称となるようにリング状の参照光領域20Rを配置して、この参照光領域20Rに参照光パターンを表示する。参照光の0次及び1次の回折成分しか使用しないので、参照光パターンとしては、チェッカーパターンのような周期的パターンを用いることが好ましい。
ホログラムを記録する場合には、シャッター52を開いて、光源50からレーザ光を照射する。同時に、制御装置82からデジタルデータを所定のタイミングで出力して、空間光変調器62に記録用パターン(図9(A)参照)を表示する。光源50から発振されたレーザ光は、シャッター52を通過し、1/2波長板54と偏光板56とにより光強度や偏光方向が調整される。偏光板56を通過した光(S偏光)は、ビームエキスパンダ58により大径の平行光に変換されて、偏光ビームスプリッタ60により反射され、空間光変調器62に照射される。
空間光変調器62では、表示されたパターンに応じてレーザ光が変調され、信号光と参照光とが生成される。空間光変調器62で変調された記録光、即ち、信号光と参照光とは、偏光ビームスプリッタ60側に反射され、P偏光に変換されて偏光ビームスプリッタ60に入射する。P偏光の信号光と参照光とは、偏光ビームスプリッタ60を透過して、1/4波長板64で円偏光に変換され、レンズ66で集光され、遮光板68に照射される。
レンズ66で集光された記録光は、2次以上の回折光成分が遮光板68でカットされ、0次及び1次の回折成分がアパーチャ68Aを通過する。アパーチャ68Aを通過した記録光(信号光と参照光)は、レンズ70により平行光に変換され、フーリエ変換レンズ72によりフーリエ変換されて集光され、光記録媒体74に同時に且つ同軸で照射される。信号光と参照光とが集光される位置において、信号光と参照光とが干渉して形成された干渉縞が、光記録媒体74にホログラムとして記録される。
(ホログラムの再生動作)
本実施の形態では、記録された1枚のフーリエ変換ホログラムから、ポジティブ画像及びネガティブ画像の2枚の再生像を検出する。まず、元の信号光パターンと同じポジティブ画像を再生する場合には、シャッター52を開いて、光源50からレーザ光を照射する。同時に、制御装置82から参照光パターンを表示するためのデジタルデータを所定のタイミングで出力して、図9(B)に示すように、参照光だけが光記録媒体74に照射されるように、空間光変調器62の記録時と同じ位置に参照光領域20Rを配置し、参照光領域20Rに記録時と同じ参照光パターンを表示する。
光源50から発振されたレーザ光は、記録時と同様にして、空間光変調器62に入射する。空間光変調器62では、表示されたパターンに応じてレーザ光が変調され、参照光が生成される。空間光変調器62で変調されて生成された参照光は、偏光ビームスプリッタ60側に反射され、P偏光に変換されて偏光ビームスプリッタ60に入射する。P偏光の信号光と参照光とは、偏光ビームスプリッタ60を透過して、1/4波長板64で円偏光に変換され、レンズ66で集光され、遮光板68に照射される。
レンズ66で集光された参照光は、0次及び1次の回折成分だけがアパーチャ68Aを通過して、レンズ70により平行光に変換される。レンズ70により平行光に変換された参照光は、フーリエ変換レンズ72によりフーリエ変換されて集光され、光記録媒体74に照射される。即ち、光記録媒体74には、参照光だけが読出し光として照射される。
光記録媒体74に照射された参照光は、光記録層74Bを透過するときに、ホログラムによって回折され、透過回折光(再生光)が反射層74Aで反射されて、レンズ72側に射出される。光記録媒体74から射出された再生光は、レンズ72により逆フーリエ変換され、レンズ70、66によりリレーされ、1/4波長板64で直線偏光(S偏光)に変換されて、偏光ビームスプリッタ60に入射する。
偏光ビームスプリッタ60に入射した再生光(S偏光)は、偏光ビームスプリッタ60でセンサアレイ80側に反射されて、センサアレイ80の表面に結像される。センサアレイ80には、記録時に空間光変調器62に表示した元の信号光パターン、即ち、元の信号光パターンのポジティブ画像(以下、「ポジ画像」という。)が結像される。センサアレイ80が、この再生光を検出して、第1再生像(ポジ画像)が取得される。
次に、元の信号光パターンが反転したネガティブ画像を再生する場合には、シャッター52を開いて、光源50からレーザ光を照射する。同時に、制御装置82から参照光パターンを表示するためのデジタルデータを所定のタイミングで出力して、図9(C)に示すように、空間光変調器62のリング状の参照光領域20Rを中心点に対し図面上で右上に移動するようにスライドさせて、右上に移動させた参照光領域20Rに参照光パターンを表示する。同時に、固定配置された信号光領域20Sに、所定の輝度値を有する透過パターンを表示する。
光源50から発振されたレーザ光は、記録時と同様にして、空間光変調器62に入射する。空間光変調器62では、表示されたパターンに応じてレーザ光が変調され、参照光と付与される直流成分とが生成される。生成された参照光と付与される直流成分とは、偏光ビームスプリッタ60側に反射され、P偏光に変換されて偏光ビームスプリッタ60に入射する。P偏光の参照光と付与される直流成分とは、偏光ビームスプリッタ60を透過して、1/4波長板64で円偏光に変換され、レンズ66で集光され、遮光板68に照射される。
レンズ66で集光された参照光と付与される直流成分とは、0次及び1次の回折成分だけがアパーチャ68Aを通過して、レンズ70により平行光に変換される。レンズ70により平行光に変換された参照光と付与される直流成分とは、フーリエ変換レンズ72によりフーリエ変換されて集光され、光記録媒体74に照射される。即ち、光記録媒体74には、参照光と付与される直流成分とが読出し光として照射される。
光記録媒体74に照射された参照光は、光記録層74Bを透過するときに、ホログラムによって回折され、透過回折光(再生光)が反射層74Aで反射されて、フーリエ変換レンズ72側に射出される。付与された直流成分は回折されずに反射層74Aで反射される。元の信号光パターンの反転画像の再生は、ホログラムからの回折光と付与された直流成分との干渉の結果として実現される。即ち、ホログラムからの回折光と付与された直流成分とが逆位相で干渉するように、回折光と直流成分との位相差を設定することで、元の信号光パターンの反転画像が再生される。この位相差の設定は、空間光変調器62における、参照光パターンの表示位置のずれ量により行うことができる。
ホログラムからの回折光と付与された直流成分とは、フーリエ変換レンズ72により逆フーリエ変換されて、レンズ70、66によりリレーされ、1/4波長板64で直線偏光(S偏光)に変換されて、偏光ビームスプリッタ60に入射する。偏光ビームスプリッタ60に入射した再生光(S偏光)は、偏光ビームスプリッタ60でセンサアレイ80側に反射されて、センサアレイ80の表面に結像される。センサアレイ80には、記録時に空間光変調器62に表示した元の信号光パターンの反転パターン、即ち、元の信号光パターンのネガティブ画像(以下、「ネガ画像」という。)が結像される。センサアレイ80が、この再生光を検出して、第2再生像(ネガ画像)が取得される。
なお、ネガ画像が得られる理由は、第4の実施の形態で説明した通りである。反射型の空間光変調器62としてDMDを用いる場合には、ホログラムのネガ画像を再生するときに、ホログラムからの回折光と付与された直流成分との逆位相による干渉が大きくなるように、各画素部の振動周期が同期することが好ましい。例えば、信号光パターンを表示する信号光領域20Sの画素部のスイング周期m(Hz)と、参照光パターンを表示する参照光領域20Rの画素部のスイング周期n(Hz)とを、k・n=m(kは1以上の整数)の関係を満たすように設定する。
また、本実施の形態では、第4の実施の形態と同様に、1枚のフーリエ変換ホログラムから、ポジ画像とネガ画像の2枚の再生像を検出することができる。センサアレイ80は、第1再生像の画像データと第2再生像の画像データとを制御装置82に出力する。第1再生像の画像データ、第2再生像の画像データは、制御装置82のRAM等の記憶部に保持される。
本実施の形態においても、第4の実施の形態と同様に、第1再生像の画像データと第2再生像の画像データ、これら2つの画像データを用いて、信号光パターンの各画素について輝度の差分を演算する。差分を演算することで、両画像データに共通するノイズが相殺される。演算された差分値(正負)により、各画素の符号が正確に判定され、二次元符号化された元のデジタルデータが高いSNRで復号される。また、元のデジタルデータが高いSNRで復号されると、ビットエラーレート(BER)も低下する。
<第6の実施の形態>
第6の実施の形態では、コリニア方式において、空間光変調器における参照光パターンの表示位置に応じて位相が変調された参照光を利用して、液晶型の空間光変調器を使用する場合に限定されることなく、1枚のホログラムからポジティブ画像及びネガティブ画像の2つの再生像が得られるように、ホログラムを記録し再生する記録再生方式について説明する。
(ホログラム記録再生装置)
第6の実施の形態に係るホログラム記録再生装置は、遮光板24のアパーチャ24Aの開口径を制御した以外は、図6に示した第2の実施の形態に係るホログラム記録再生装置と同じ構成であるため、異なる構成部分以外は説明を省略する。
遮光板24のアパーチャ24Aは、図4(B)に示したフーリエ変換像のうち、0次及び1次の回折成分(点線で囲んだ部分)を透過し、2次以上の回折成分を遮蔽するように、所定の開口径で形成されている。2次以上の回折成分を遮蔽することで、光記録媒体30には、0次及び1次の回折成分だけが照射される。x軸方向の空間周波数μとy軸方向の空間周波数νは各々1種類となり、後述する通り、参照光と付与される直流成分との位相差の制御が容易になる。また、記録領域も小さくなり、記録密度が向上する。
(ホログラムの記録動作)
ホログラムを記録する場合には、制御装置36により駆動装置46を制御してマスク44を駆動し、マスク44を参照光の光路に対し挿入する。また、シャッター12を開いて、光源10からレーザ光を照射する。同時に、制御装置36からデジタルデータを所定のタイミングで出力して、空間光変調器20に記録用パターンを表示する。
例えば、図11(A)に示すように、固定配置された信号光領域20Sに信号光パターンを表示すると共に、表示面20Aの中心点に対し対称となるようにリング状の参照光領域20Rを配置して、この参照光領域20Rに参照光パターンを表示する。参照光の0次及び1次の回折成分しか使用しないので、参照光パターンとしては、チェッカーパターンのような周期的パターンを用いることが好ましい。
光源10から発振されたレーザ光は、第1の実施の形態と同様にして、空間光変調器20に入射する。空間光変調器20では、表示されたパターンに応じてレーザ光が変調され、信号光と参照光とが生成される。空間光変調器20で変調された記録光、即ち、信号光と参照光とは、レンズ22で集光され、遮光板24及びマスク44に照射される。
レンズ22で集光された記録光は、2次以上の回折光成分が遮光板24でカットされ、0次回折成分がマスク44で除去されて、1次の回折成分だけがアパーチャ24Aを通過する。アパーチャ24Aを通過した記録光(信号光と参照光)は、レンズ26により平行光に変換され、フーリエ変換レンズ28によりフーリエ変換されて集光され、光記録媒体30に同時に且つ同軸で照射される。信号光と参照光とが集光される位置において、信号光と参照光とが干渉して形成された干渉縞が、光記録媒体30にホログラムとして記録される。
本実施の形態では、第2の実施の形態と同様に、記録するページ毎に参照光領域20Rの位置を変えて、参照光パターンを表示する「参照光パターンスライド多重」を実施することができる。即ち、同じ参照光パターンがxy平面上で移動し、記録するページ毎にxy平面上の異なる位置に表示される。参照光パターンの表示位置に応じて、参照光の位相が変調される。ページ毎に位相分布が異なる参照光を用いることで、複数ページのホログラムを同じ位置に多重記録することができる。
参照光パターンの表示位置を変えて得られた位相の異なる参照光は、0次回折成分は位相がずれないために、共通の直流成分を有している。この共通の直流成分はクロストークの原因となる。参照光間にクロストークがあると、記録時にはノイズ・グレーティングが形成される。また、再生時には再生像のS/Nを劣化させることになる。本実施の形態では、記録時に参照光の直流成分が除去されるので、このクロストークを抑制することができる。
(ホログラムの再生動作)
本実施の形態では、記録された1枚のフーリエ変換ホログラムから、ポジティブ画像及びネガティブ画像の2枚の再生像を検出する。まず、元の信号光パターンと同じポジティブ画像を再生する場合には、シャッター12を開いて、光源10からレーザ光を照射する。同時に、制御装置36から参照光パターンを表示するためのデジタルデータを所定のタイミングで出力して、図11(B)に示すように、空間光変調器20のリング状の参照光領域20Rを中心点に対し図面上で左下に移動するようにスライドさせて、左下に移動させた参照光領域20Rに参照光パターンを表示する。また、同時に、固定配置された信号光領域20Sに、所定の輝度値を有する透過パターンを表示する。
例えば、光記録媒体30をフォトポリマーで構成し、参照光パターンの表示位置のずれ量(シフト量)を、図4(A)に示したのとは逆に、x軸方向に−a、y軸方向に−bとした場合について説明する。この場合は、記録時に用いた参照光との位相ずれ量が、|2π(μa+νb)|=π/2で、大きさは図4(A)の場合と同じであるが、絶対値をはずした場合の値の符号が逆となるように、参照光パターンの表示位置をずらす。
光源10から発振されたレーザ光は、第1の実施の形態と同様にして、空間光変調器20に入射する。空間光変調器20では、表示されたパターンに応じてレーザ光が変調され、参照光と付与される直流成分とが生成される。空間光変調器20で変調されて生成された参照光と付与される直流成分とは、レンズ22で集光され、1次の回折成分だけがアパーチャ24Aを通過して、レンズ26により平行光に変換される。レンズ26により平行光に変換された参照光と付与される直流成分とは、フーリエ変換レンズ28によりフーリエ変換されて集光され、光記録媒体30に照射される。即ち、光記録媒体30には、参照光と付与される直流成分とが読出し光として照射される。
光記録媒体30に照射された参照光は、光記録媒体30を透過するときに、ホログラムによって回折され、透過回折光(再生光)がフーリエ変換レンズ32側に射出される。付与された直流成分は回折されずに光記録媒体30を透過する。元の信号光パターンの復元は、ホログラムからの回折光と付与された直流成分との干渉の結果として実現される。即ち、ホログラムからの回折光と付与された直流成分とが同位相で干渉するように、回折光と直流成分との位相差を設定することで、元の信号光パターンと同じ画像が再生される。この位相差の設定は、空間光変調器20における、参照光パターンの表示位置のずれ量により、行うことができる。
ホログラムからの回折光と付与された直流成分とは、フーリエ変換レンズ32により逆フーリエ変換されて、センサアレイ34に入射する。センサアレイ34には、記録時に空間光変調器20に表示した元の信号光パターンと同じパターン、即ち、元の信号光パターンのポジ画像が結像される。センサアレイ34が、この再生光を検出して、第1再生像(ポジ画像)が取得される。
次に、元の信号光パターンが反転したネガティブ画像を再生する場合には、シャッター12を開いて、光源10からレーザ光を照射する。同時に、制御装置36から参照光パターンを表示するためのデジタルデータを所定のタイミングで出力して、図11(C)に示すように、空間光変調器20のリング状の参照光領域20Rを中心点に対し図面上で右上に移動するようにスライドさせて、右上に移動させた参照光領域20Rに参照光パターンを表示する。また、同時に、固定配置された信号光領域20Sに、所定の輝度値を有する透過パターンを表示する。
例えば、光記録媒体30をフォトポリマーで構成し、参照光パターンの表示位置のずれ量(シフト量)を、図4(A)に示すように、x軸方向にa、y軸方向にbとした場合について説明する。この場合は、記録時に用いた参照光との位相ずれ量が、|2π(μa+νb)|=π/2となるように、参照光パターンの表示位置をずらす。
光源10から発振されたレーザ光は、ポジ画像の場合と同様にして、空間光変調器20に入射する。空間光変調器20では、表示されたパターンに応じてレーザ光が変調され、参照光と付与される直流成分とが生成される。生成された参照光と付与される直流成分とは、レンズ22で集光され、1次の回折成分だけがアパーチャ24Aを通過して、レンズ26により平行光に変換され、フーリエ変換レンズ28によりフーリエ変換されて集光され、光記録媒体30のホログラムが記録された領域に照射される。即ち、光記録媒体30には、参照光と付与された直流成分とが読出し光として照射される。
光記録媒体30に照射された参照光は、光記録媒体30を透過するときに、ホログラムによって回折され、透過回折光(再生光)がフーリエ変換レンズ32側に射出される。付与された直流成分は回折されずに光記録媒体30を透過する。元の信号光パターンの反転画像の再生は、ホログラムからの回折光と付与された直流成分との干渉の結果として実現される。即ち、ホログラムからの回折光と付与された直流成分とが逆位相で干渉するように、回折光と直流成分との位相差を設定することで、元の信号光パターンの反転画像が再生される。この位相差の設定は、空間光変調器20における、参照光パターンの表示位置のずれ量により、行うことができる。
ホログラムからの回折光と付与された直流成分とは、フーリエ変換レンズ32により逆フーリエ変換されて、センサアレイ34に入射する。センサアレイ34には、記録時に空間光変調器20に表示した元の信号光パターンの反転パターン、即ち、元の信号光パターンのネガ画像が結像される。センサアレイ34が、この再生光を検出して、第2再生像(ネガ画像)が取得される。
また、本実施の形態では、第4の実施の形態と同様に、1枚のフーリエ変換ホログラムから、ポジ画像とネガ画像の2枚の再生像を検出することができる。センサアレイ34は、第1再生像の画像データと第2再生像の画像データとを制御装置36に出力する。第1再生像の画像データ、第2再生像の画像データは、制御装置36のRAM等の記憶部に保持される。
本実施の形態においても、第4の実施の形態と同様に、第1再生像の画像データと第2再生像の画像データ、これら2つの画像データを用いて、信号光パターンの各画素について輝度の差分を演算する。差分を演算することで、両画像データに共通するノイズが相殺される。演算された差分値(正負)により、各画素の符号が正確に判定され、二次元符号化された元のデジタルデータが高いSNRで復号される。また、元のデジタルデータが高いSNRで復号されると、ビットエラーレート(BER)も低下する。
なお、上記の第4〜第6の実施の形態においても、参照光パターンの表示位置を変えて参照光の位相を変調するので、「参照光パターンスライド多重」と同様に、再生または記録時に1ページ処理するたびに光記録媒体を記録光に対して相対移動させることなく(媒体非移動で)、ホログラムを記録・再生できるので、再生時や記録時の高速化を狙うこともできる。
第1の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の構成を示す概略図である。 (A)は記録時に空間光変調器に表示する記録用パターンの一例を示す図である。(B)は空間光変調器の平面図である。 (A)〜(C)は、複数ページを記録する場合に表示する記録用パターンの一例を示す図である。 (A)及び(B)は、参照光パターンの表示位置に応じて参照光の位相が変調される理由を説明する図である。 (A)〜(C)は、「参照光パターンスライド多重」で記録された各ページを再生するときに表示する再生用パターンの一例を示す図である。 第2の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の構成を示す概略図である。 (A)〜(D)は、複数ページを記録する場合に表示する記録用パターン及び再生用パターンの一例を示す図である。 第3の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の構成を示す概略図である。 (A)〜(C)は、1枚のホログラムから複数の再生像を得る場合に表示する記録用パターン及び再生用パターンの一例を示す図である。 第5の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の構成を示す概略図である。 (A)〜(C)は、1枚のホログラムから複数の再生像を得る場合に表示する記録用パターン及び再生用パターンの他の一例を示す図である。
符号の説明
10 光源
12 シャッター
14 1/2波長板
16 偏光板
18 ビームエキスパンダ
20 空間光変調器
20R 参照光領域
20S 信号光領域
20A 表示面
22 レンズ
24A アパーチャ
24 遮光板
26 レンズ
28 フーリエ変換レンズ
30 光記録媒体
32 フーリエ変換レンズ
32 レンズ
34 センサアレイ
36 制御装置
38 駆動装置
40 駆動装置
42 記録用パターン
44 マスク
46 駆動装置
48 位相マスク
50 光源
52 シャッター
54 1/2波長板
56 偏光板
58 ビームエキスパンダ
60 偏光ビームスプリッタ
62 空間光変調器
64 1/4波長板
66 レンズ
68A アパーチャ
68 遮光板
70 レンズ
72 フーリエ変換レンズ
72 レンズ
74 光記録媒体
74A 反射層
74B 光記録層
80 センサアレイ
82 制御装置
84 駆動装置

Claims (17)

  1. コヒーレント光を射出する光源と、
    xy平面に2次元状に配列された複数の画素部で構成され、前記光源から入射した光をページ毎に表示されたパターンに応じて画素毎に変調して、信号光及び参照光からなる記録光を生成する空間光変調器と、
    前記空間光変調器で生成された記録光をフーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光する集光光学系と、
    信号光パターンを前記空間光変調器の固定領域に表示し且つ複数の空間周波数成分を含む参照光パターンを前記固定領域を含まない可変領域に表示すると共に、ページ毎に前記可変領域がxy平面上の異なる場所に位置するように、前記空間光変調器の複数の画素部の各々を駆動制御する駆動制御部と、
    を備えたことを特徴とする光記録装置。
  2. 前記集光光学系は、
    前記空間光変調器で生成された記録光をフーリエ変換して得られたフーリエ変換成分から0次回折成分を除去する除去素子と、
    0次回折成分が除去された光を逆フーリエ変換するレンズと、
    逆フーリエ変換された光を再フーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光するレンズと、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光記録装置。
  3. 前記集光光学系は、
    前記空間光変調器で生成された記録光のうち少なくとも参照光にランダムな位相分布を付与する位相調整素子と、
    位相分布が付与された記録光をフーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光するレンズと、
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光記録装置。
  4. xy平面に2次元状に配列された複数の画素部で構成され、光源から入射した光をページ毎に表示されたパターンに応じて画素毎に変調する空間光変調器を用い、
    信号光パターンを前記空間光変調器の固定領域に表示して信号光を生成すると共に、複数の空間周波数成分を含む参照光パターンを前記固定領域を含まない可変領域に表示して参照光を生成し、
    前記空間光変調器で生成された信号光及び参照光からなる記録光をフーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光し、
    ページ毎に前記可変領域をxy平面上の異なる位置に移動させて、ページ毎に参照光パターンの表示位置を変更し、ページ毎に位相が異なる参照光を用いて、前記光記録媒体に複数ページのホログラムを多重記録する、
    ことを特徴とする光記録方法。
  5. 前記空間光変調器で生成された記録光をフーリエ変換して得られたフーリエ変換成分から0次回折成分を除去し、0次回折成分が除去された光を逆フーリエ変換し、逆フーリエ変換された光を再フーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光する、ことを特徴とする請求項4に記載の光記録方法。
  6. 前記空間光変調器で生成された記録光のうち少なくとも参照光にランダムな位相分布を付与し、位相分布が付与された記録光をフーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光する、ことを特徴とする請求項4に記載の光記録方法。
  7. コヒーレント光を射出する光源と、
    xy平面に2次元状に配列された複数の画素部で構成され、信号光パターンを空間光変調器の固定領域に表示し且つ複数の空間周波数成分を含む参照光パターンを前記固定領域を含まない可変領域に表示し、前記光源から入射した光をページ毎に表示されたパターンに応じて画素毎に変調して、信号光及び参照光からなる記録光を生成する空間光変調器と、
    空間光変調器で生成された記録光をフーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光する集光光学系と、
    前記光記録媒体から再生された再生像を検出する光検出器と、
    1ページ分のホログラムを再生する場合に、該ページ記録時と同じ位置の可変領域に参照光パターンを表示し、空間光変調器で生成された第1参照光を読出し光として照射して、前記光検出器で第1再生像を検出すると共に、該ページ記録時とは異なる位置に移動された可変領域に参照光パターンを表示し且つ固定領域に無変調パターンを表示し、空間光変調器で生成された第1参照光とは位相の異なる第2参照光を読出し光として照射して、前記光検出器で第2再生像を検出するように、前記光源、前記空間光変調器、及び前記光検出器の各々を駆動制御する駆動制御部と、
    を備えることを特徴とする光記録再生装置。
  8. 前記参照光パターンは、前記空間光変調器で生成された参照光のフーリエ変換像の輝点がマトリクス状に分布するように、明部と暗部とが所定周期で配置された周期的パターンである、ことを特徴とする請求項7に記載の光記録再生装置。
  9. 前記駆動制御部は、1ページ分のホログラムを記録する場合に、前記固定領域に信号光パターンを表示し且つ前記可変領域に参照光パターンを表示して、前記空間光変調器で信号光及び参照光からなる記録光を生成するように、前記光源及び前記空間光変調器の各々を駆動制御する、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の光記録再生装置。
  10. 前記集光光学系は、
    空間光変調器で生成された記録光をフーリエ変換して得られたフーリエ変換成分のうち、少なくとも参照光の2次以上の回折成分を遮蔽する遮蔽部材と、
    前記遮蔽部材を透過した1次以下の回折成分を逆フーリエ変換するレンズと、
    逆フーリエ変換された光を再フーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光するレンズと、
    を備えたことを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の光記録再生装置。
  11. 前記遮蔽部材は、0次回折成分も遮蔽することを特徴とする請求項10に記載の光記録再生装置。
  12. 前記空間光変調器にデジタル・マイクロミラー・デバイスを用いて1ページ分のホログラムを再生する場合に、信号光パターンを表示する前記固定領域の画素部のスイング周期m(Hz)と、参照光パターンを表示する前記可変領域の画素部のスイング周期n(Hz)とが、k・n=m(kは1以上の整数)の関係を満たすようにした、ことを特徴とする請求項7〜11の何れか1項に記載の光記録再生装置。
  13. xy平面に2次元状に配列された複数の画素部で構成され、光源から入射した光をページ毎に表示されたパターンに応じて画素毎に変調する空間光変調器を用い、
    信号光パターンを前記空間光変調器の固定領域に表示して信号光を生成すると共に、複数の空間周波数成分を含む参照光パターンを前記固定領域を含まない可変領域に表示して参照光を生成し、
    前記空間光変調器で生成された信号光及び参照光からなる記録光をフーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光してホログラムを記録し、
    1ページ分のホログラムを再生する場合に、該ページ記録時と同じ位置の可変領域に参照光パターンを表示し、空間光変調器で生成された第1参照光を読出し光として照射して、第1再生像を検出し、
    該ページ記録時とは異なる位置に移動された可変領域に参照光パターンを表示し且つ固定領域に無変調パターンを表示し、空間光変調器で生成された第1参照光とは位相の異なる第2参照光を読出し光として照射して、第2再生像を検出する、
    ことを特徴とする光記録再生方法。
  14. コヒーレント光を射出する光源と、
    xy平面に2次元状に配列された複数の画素部で構成され、信号光パターンを空間光変調器の固定領域に表示し且つ複数の空間周波数成分を含む参照光パターンを前記固定領域を含まない可変領域に表示し、前記光源から入射した光をページ毎に表示されたパターンに応じて画素毎に変調して、信号光及び参照光からなる記録光を生成する空間光変調器と、
    前記空間光変調器で生成された記録光をフーリエ変換して得られたフーリエ変換成分から0次回折成分を除去する除去素子と、0次回折成分が除去された光を逆フーリエ変換するレンズと、逆フーリエ変換された光を再フーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光するレンズと、を備えた集光光学系と、
    前記光記録媒体から再生された再生像を検出する光検出器と、
    1ページ分のホログラムを再生する場合に、該ページ記録時とは異なる第1位置に移動された可変領域に参照光パターンを表示し且つ固定領域に無変調パターンを表示し、空間光変調器で生成された第1参照光を読出し光として照射して、前記光検出器で第1再生像を検出すると共に、該ページ記録時とは異なる第2位置に移動された可変領域に参照光パターンを表示し且つ固定領域に無変調パターンを表示し、空間光変調器で生成された第1参照光とは位相の異なる第2参照光を読出し光として照射して、前記光検出器で第2再生像を検出するように、前記光源、前記空間光変調器、及び前記光検出器の各々を駆動制御する駆動制御部と、
    を備えることを特徴とする光記録再生装置。
  15. 前記参照光パターンは、前記空間光変調器で生成された参照光のフーリエ変換像の輝点がマトリクス状に分布するように、明部と暗部とが所定周期で配置された周期的パターンである、ことを特徴とする請求項14に記載の光記録再生装置。
  16. 前記駆動制御部は、1ページ分のホログラムを記録する場合に、前記固定領域に信号光パターンを表示し且つ前記可変領域に参照光パターンを表示して、前記空間光変調器で信号光及び参照光からなる記録光を生成するように、前記光源及び前記空間光変調器の各々を駆動制御する、ことを特徴とする請求項14又は15に記載の光記録再生装置。
  17. xy平面に2次元状に配列された複数の画素部で構成され、光源から入射した光をページ毎に表示されたパターンに応じて画素毎に変調する空間光変調器を用い、
    信号光パターンを前記空間光変調器の固定領域に表示して信号光を生成すると共に、複数の空間周波数成分を含む参照光パターンを前記固定領域を含まない可変領域に表示して参照光を生成し、
    前記空間光変調器で生成された信号光及び参照光からなる記録光をフーリエ変換して光記録媒体に同軸で集光してホログラムを記録し、
    1ページ分のホログラムを再生する場合に、該ページ記録時と異なる第1位置に移動された可変領域に参照光パターンを表示し且つ固定領域に無変調パターンを表示し、空間光変調器で生成された第1参照光を読出し光として照射して、第1再生像を検出し、
    該ページ記録時とは異なる第2位置に移動された可変領域に参照光パターンを表示し且つ固定領域に無変調パターンを表示し、空間光変調器で生成された第1参照光とは位相の異なる第2参照光を読出し光として照射して、第2再生像を検出する、
    ことを特徴とする光記録再生方法。
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