JP2009237842A - 印刷装置、印刷システム、印刷実行方法 - Google Patents

印刷装置、印刷システム、印刷実行方法 Download PDF

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Abstract

【課題】暗号化認証印刷システムにおいて、ユーザが印刷実行操作を行ってから、印刷が実行されるまでの時間を短縮する。
【解決手段】 印刷システム20は、クライアントであるコンピュータPCと、認証印刷装置であるプリンタPRT1と、暗号化された暗号化印刷データを一時的に記憶するサーバSVとがローカルエリアネットワークLANで接続されて構成される。プリンタPRT1のCPU30は、例えば、サーバSVが新たな暗号化印刷データをコンピュータPCから受信した旨を示す受信通知を受けた場合、サーバSVから暗号化印刷データを受け取り、その一部を復号化して、復号データ記憶領域41に記憶する。ユーザがプリンタPRT1で認証を完了し、印刷実行指示を行うと、プリンタPRT1のCPU30は、復号データ記憶領域41に記憶された復号化印刷データから印刷を開始する。
【選択図】図5

Description

本発明は、暗号化された印刷データである暗号化印刷データの印刷を実行する印刷実行技術に関する。
認証印刷システムにおいては、ユーザが、パーソナルコンピュータ等のクライアントで印刷命令を行うと、印刷データが、当該クライアントとネットワークを介して接続されたサーバに一時的にスプールされる。そして、ユーザが、サーバとネットワークを介して接続されたプリンタの設置場所に移動して、プリンタに付属する認証装置で認証を行い、印刷実行操作を行うと、プリンタがサーバから印刷データを受け取って、印刷が実行される。かかる認証印刷システムは、印刷実行指示を行ったユーザの目の前で、印刷が実行されるため、機密性の高い情報が記載された印刷物が他人の手に渡るといった問題がない。また、ネットワークを介して送受信される印刷データが他人に傍受されるなどのセキュリティ上の問題に対しては、印刷データを暗号化して送受信することが行われる。
かかる暗号化認証印刷システムでは、ユーザが印刷実行操作を行ってから、プリンタが暗号化された印刷データを取得して復号化し、復号化された印刷データに基づいて、印刷を実行するので、印刷実行操作が行われてから、印刷が開始されるまでに長時間を要することが問題となっていた。なお、通常、プリンタに搭載されるCPUは、パーソナルコンピュータなどに搭載されるCPUと比べて処理速度が遅いことが一般的であり、復号化処理に係る待ち時間は、ユーザにとって大きな問題であった。
かかる問題に対して、下記特許文献2では、プリンタが、ユーザの印刷実行操作に先立って、サーバから、暗号化されたページ記述言語で構成される印刷データを受信しておき、これを復号化し、イメージデータに変換した後、再度、暗号化して、記憶しておく技術を開示している。これにより、ユーザが印刷実行操作を行ってから、印刷が実行されるまでの時間について、ページ記述言語からイメージデータへの変換に係る時間分を短縮すると共に、印刷データに係るセキュリティについても確保することができる。
特開平9−134264号公報 特開2006−41625号公報
しかしながら、特許文献2の技術では、ページ記述言語からイメージデータへの変換に係る時間分を短縮しているに過ぎず、依然として、復号化処理に係る時間は必要であり、上述の問題の根本的な解決にはなっていなかった。
上述の問題を踏まえ、本発明が解決しようとする課題は、暗号化認証印刷システムにおいて、ユーザが印刷実行操作を行ってから、印刷が実行されるまでの時間を短縮することである。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]暗号化された印刷データである暗号化印刷データを保持する印刷データ保持装置から該暗号化印刷データを受け取って、印刷を実行する印刷装置であって、
前記印刷装置において利用者を認証する認証処理を行う認証手段と、
前記認証処理の完了に先立って、前記暗号化印刷データの一部または全部を前記印刷データ保持装置から取得する取得手段と、
前記認証処理の完了に先立った所定の第1のタイミングで、前記暗号化印刷データの一部を復号化して、復号化印刷データとして記憶する復号・記憶手段と、
前記認証処理が完了した後に、前記復号化印刷データから印刷を開始する印刷実行手段と
を備えた印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、認証処理の完了に先立って、印刷データ保持装置が保持する暗号化印刷データの一部を復号化して、復号化印刷データとして記憶し、認証処理が完了したときに、復号化印刷データから印刷を開始する。したがって、認証処理の完了から印刷開始までの間で行われる暗号化印刷データの復号化に要する時間を短縮することができる。すなわち、印刷が実行されるまでの時間を短縮することができる。また、暗号化印刷データの一部のみを復号化して記憶するので、暗号化印刷データのセキュリティも一定レベルで確保することができる。
[適用例2]第1のタイミングは、印刷装置が、印刷データ保持装置が新たな暗号化印刷データを保持したとの通知を受けたときである適用例1記載の印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、新たな暗号化印刷データについても、認証処理の完了から印刷開始までの時間を短縮することができる。
[適用例3]第1のタイミングは、印刷装置において、暗号化印刷データの印刷が実行される可能性が高まったことを推測できるイベントが発生したときである適用例1または適用例2記載の印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、暗号化印刷データの印刷が実行される可能性が高まったと推測できるときに、暗号化印刷データの一部を復号化して記憶するので、セキュリティに配慮しつつ、認証処理の完了から印刷開始までの時間を短縮することができる。
[適用例4]復号・記憶手段は、暗号化印刷データに係るユーザについての、印刷装置の利用履歴に基づいて、暗号化印刷データを復号化し、記憶する量を決定する適用例1ないし適用例3のいずれか記載の印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、ユーザの利用履歴に基づいて、復号化する量を決定するので、印刷装置の記憶領域を効率的に使用しつつ、認証処理の完了から印刷開始までの時間を短縮することができる。また、利用頻度の高いユーザの復号化印刷データを優先的に記憶するなど、柔軟な運用が行え、利便性が向上する。
[適用例5]復号・記憶手段は、印刷装置が備える記憶領域の空き容量に基づいて、暗号化印刷データを復号化し、記憶する量を決定する適用例1ないし適用例4のいずれか記載の印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、記憶領域の空き容量に基づいて、復号化する量を決定するので、有限である記憶領域を効率的に使用しつつ、認証処理の完了から印刷開始までの時間を短縮することができる。
[適用例6]復号・記憶手段は、印刷装置における印刷の実行時間に係る時間的要素の履歴に基づいて、暗号化印刷データを復号化し、記憶する量を決定する適用例1ないし適用例5のいずれか記載の印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、印刷の実行時間に係る時間的要素の履歴に基づいて、復号化する量を決定するので、認証処理の完了から印刷が実行されるまでの時間を短縮するために必要な復号化すべき量を、実績に基づき、精度良く決定することができる。
[適用例7]更に、認証処理の完了に先立った所定の第2のタイミングで、第2のタイミングに対応する、復号・記憶手段が記憶する復号化印刷データを削除する削除手段を備えた適用例1ないし適用例6のいずれか記載の印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、第2のタイミングで、記憶する復号化印刷データを削除するので、復号化印刷データについてのセキュリティを確保することができる。
[適用例8]第2のタイミングは、印刷装置が、印刷データ保持装置が保持している暗号化印刷データの削除の指示を受け付けたとの通知を受けたときである適用例7記載の印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、印刷データ保持装置において暗号化印刷データが削除されるときには、対応する復号化印刷データを削除するので、印刷実行可能性の低い復号化印刷データをいつまでも記憶しておくことがなく、セキュリティを確保することができる。
[適用例9]第2のタイミングは、印刷装置において、暗号化印刷データの印刷が実行される可能性が低下したことを推測できるイベントが発生したときである適用例7または適用例8記載の印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、暗号化印刷データの印刷が実行される可能性が低下したと推測できるときに、復号化印刷データを削除するので、セキュリティを確保することができる。
[適用例10]削除手段は、暗号化印刷データに係るユーザについての、印刷装置の利用履歴に基づいて、復号化印刷データを削除する量を決定する適用例7ないし適用例9のいずれか記載の印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、ユーザの利用履歴に基づいて、復号化印刷データの削除する量を決定するので、有限である記憶領域を効率的に利用することができる。
[適用例11]削除手段は、印刷装置が備える記憶領域の空き容量に基づいて、復号化印刷データを削除する量を決定する適用例7ないし適用例10のいずれか記載の印刷装置。
かかる構成の印刷装置は、記憶領域の空き容量に基づいて、復号化印刷データの削除する量を決定するので、有限である記憶領域を効率的に利用することができる。
また、本発明は、印刷装置としての構成のほか、印刷データ保持装置と印刷装置とを備えた印刷システム、印刷実行方法、コンピュータプログラム、記憶媒体等としても実現することができる。
本発明の実施例について説明する。
A.実施例:
A−1.印刷システムの概略構成:
本発明の実施例としての印刷システム20の構成を図1に示す。印刷システム20は、コンピュータPCと、サーバSVと、プリンタPRT1,PRT2とが、ローカルエリアネットワークLANに接続されて構成される。なお、本実施例においては、コンピュータPC、サーバSV及びプリンタPRT1,PRT2は、ローカルエリアネットワークLANで接続されているが、これらは、通信可能な通信手段により接続されていればよく、例えば、インターネットなどを介して接続されていてもよいし、サーバSVとプリンタPRT1,PRT2とが、USBケーブルなどによりローカル接続されていてもよい。
印刷システム20は、暗号化された印刷データのやり取りにより認証印刷を行う暗号化認証印刷システムであり、その概要は、以下の通りである。コンピュータPCは、汎用のパーソナルコンピュータであり、サーバSVは、印刷ジョブをスプールする印刷サーバである。また、プリンタPRT1,PRT2は、認証機能付きのプリンタである。ユーザが、PCを用いて、印刷指示を出すと、PCは、印刷データを暗号化して、コンピュータPCのユーザと対応付けて、サーバSVに送信する。サーバSVは、コンピュータPCから暗号化された印刷データを受け取ると、当該印刷データを、一旦、スプールする。そしてユーザが、所望のプリンタ、例えば、プリンタPRT1の設置現場まで移動して、プリンタPRT1に対応付けられた認証装置で認証を行うと、プリンタPRT1は、認証を行ったユーザと対応付けられた印刷データをサーバSVから受け取り、当該データを復号化して、印刷を実行する。
A−2.プリンタの構成:
プリンタPRT1の概略構成を図2に示す。プリンタPRT1は、図示するように、CPU30、EEPROM40、ROM51、RAM52、印刷機構53、
入力機構54、認証機構56、インタフェース57を備えており、それぞれがバスで接続されている。なお、プリンタPRT2は、プリンタPRT1と同様の構成であり、説明を省略する。
CPU30は、EEPROM40やROM51に記憶されたファームウェアやOSをRAM52に展開して実行することで、プリンタPRT1全体の制御を司る。また、CPU30は、EEPROM40に記憶されたプログラムを実行することで、取得部31、復号・記憶部32、印刷実行部33、削除部34として機能する。この機能部の詳細については、後述する。
EEPROM40は、書き込み可能な不揮発性のメモリであり、プリンタPRT1により復号化された印刷データを記憶する復号データ記憶領域41と、プリンタPRT1における印刷の実行に係る動作の履歴を記憶する動作履歴記憶領域42と、ユーザIDと対応付けられて設定された暗号鍵を記憶する暗号情報記憶領域43とが確保されている。これらの詳細については、後述する。印刷機構53は、本実施例においては、レーザ式の印刷機構である。入力機構54は、キーボードとUIを表示するディスプレイとからなり、UIを操作することにより、サーバSVにスプールされた印刷データを示すリストである印刷データリストをサーバSVから受け取って、ディスプレイに表示させ、表示された印刷データのうち、所望の印刷データの印刷を実行させる操作が可能である。
認証機構56は、ICカード式の認証装置である。ユーザは、ICチップの認証情報を認証機構56に読み込ませて、認証に成功すると、プリンタPRT1にログインできる。なお、認証方式は、ICカード式に限らず、パスワード式やバイオメトリクス式など、他の方式であってもよい。インタフェース57は、プリンタPRT1をローカルエリアネットワークLANに接続するためのインタフェースであり、プリンタPRT1は、インタフェース57を介してローカルエリアネットワークLANに接続されている。
A−3.サーバの構成:
サーバSVの概略構成を図3に示す。サーバSVは、CPU60、ハードディスクドライブ70、ROM81、RAM82、インタフェース87を備えており、それぞれがバスで接続されている。
CPU60は、ハードディスクドライブ70やROM81に記憶されたファームウェアやOSをRAM82に展開して実行することで、サーバSV全体の制御を司る。また、CPU60は、ハードディスクドライブ70に記憶されたプログラムを実行することで、通知部61として機能する。この機能部の詳細については、後述する。
ハードディスクドライブ70には、上述のOSやプログラムが記憶されているほか、コンピュータPCから受け取った印刷データをスプールする暗号化印刷データ保持領域71が確保されている。
インタフェース87は、ローカルエリアネットワークLANに接続するためのインタフェースであり、サーバSVは、インタフェース87を介してローカルエリアネットワークLANに接続されている。
A−4.復号化データ記憶・削除処理
印刷システム20における復号データ記憶・削除処理について説明する。復号化データ記憶・削除処理とは、ユーザが認証機構56を用いて行う認証処理に先立って、プリンタPRT1,PRT2が、サーバSVから暗号化された暗号化印刷データを受け取って、印刷実行の準備として、復号化して、復号化印刷データとして記憶したり、セキュリティの観点から、その記憶したデータを削除したりする処理である。なお、プリンタPRT1とプリンタPRT2とで行われる処理は、同一内容の処理であり、以下では、プリンタPRT1とサーバSVとの間の処理として説明する。
まず、この処理の前提について説明する。まず、ユーザが、コンピュータPCを操作して、印刷対象データを指定して、印刷指示を行う。すると、コンピュータPCの印刷ドライバは、印刷対象データをページ記述言語に変換し、さらに暗号化して暗号化印刷データを生成し、ユーザ名を示すユーザIDと対応付けてサーバSVに送信する。
なお、本実施例においては、ユーザ名は、コンピュータPCが備える読込装置において、ユーザのICカードから読み込んだユーザ名としたが、コンピュータPCに登録されたユーザ名や、ユーザが印刷指示時に、コンピュータPCが備える入力機構を用いて入力したものなどであってもよい。また、本実施例においては、暗号化には、共通鍵方式を用いたが、暗号化方式は、特に限定するものではなく、秘密鍵方式など、他の方式を用いてもよい。また、印刷ドライバが変換するデータ形式は、ページ記述言語に限るものではなく、他の方式、例えば、プリンタPRT1が印刷実行可能なイメージデータに変換するものであってもよい。
一方、サーバSVのCPU60は、コンピュータPCから暗号化印刷データを受信すると、ユーザIDと対応付けて、暗号化印刷データ保持領域71に記憶する。なお、本実施例においては、CPU60は、新たな暗号化印刷データをコンピュータPCから受信した場合には、通知部61の処理として、その旨を示す受信通知をプリンタPRT1に送信する構成としている。また、CPU60は、サーバSVの暗号化印刷データ保持領域71に記憶された暗号化印刷データのうちから、所望の暗号化印刷データを削除する指示をコンピュータPCから受信した場合には、その旨を示す削除指示通知をプリンタPRT1に送信する構成としている。
また、プリンタPRT1の暗号情報記憶領域43には、プリンタPRT1を用いた印刷の実行の権限が与えられたユーザのユーザIDごとに設定された暗号鍵が予め登録されている。この暗号鍵は、ユーザがプリンタPRT1の入力機構54を用いて、登録してもよいし、認証機構56に、ユーザのICカードに書き込まれた暗号鍵の情報を読み込ませて、登録してもよい。なお、暗号情報記憶領域43に記憶している情報は、暗号鍵に限らず、暗号鍵を生成するための暗号情報であってもよい。
かかる前提のもと、プリンタPRT1において、復号化データ記憶・削除処理が開始されると、図4に示すように、プリンタPRT1のCPU30は、認証機構56を用いた認証処理に先立って、所定のイベントが発生したか否かを判断する(ステップS110)。ここで、所定のイベントとは、プリンタPRT1が、サーバSVの暗号化印刷データ保持領域71に記憶された暗号化印刷データの一部を復号化した復号化印刷データを復号データ記憶領域41に記憶する処理や、当該記憶された復号化印刷データを復号データ記憶領域41から削除する処理を行う契機として、予め設定されたイベントである。これらの処理の具体的内容については、後述する。なお、以降、復号化印刷データとして記憶する処理の契機としてのイベントを「復号化イベント」(請求項の第1のイベントに該当)、削除する処理を行う契機としてのイベントを「削除イベント」(請求項の第2のイベントに該当)という。
復号化イベントとしては、暗号化印刷データの印刷が実行されることを推測できる種々のイベントを設定することができる。復号化イベントの具体例を図6(a)に示す。復号化イベントは、例えば、図示するように、「サーバSVから暗号化印刷データの受信通知を受けた」とすることができる。ユーザは、印刷を実行するためにコンピュータPCにおいて印刷指示を行い、その結果、サーバSVに、暗号化印刷データが記憶されたからである。また、図示するように、「プリンタPRT1が省電力モードから印刷可能状態に移行した」や、「プリンタPRT1でエラーが解除確認中になった」、「他のプリンタ(ここでは、プリンタPRT2)で印刷が中断された」、「他のプリンタで印刷が中止された」などであってもよい。これらのイベントは、プリンタPRT1が印刷実行可能な状態に移行したことや、他のプリンタで印刷が実行できない状態になったことを示しており、暗号化印刷データがプリンタPRT1で実行される可能性が高まったことを推測できるからである。なお、図示するIDは、イベントの内容を示すイベントIDを示している。
なお、「他のプリンタで印刷が中断された」、「他のプリンタで印刷が中止された」を復号化イベントとするためには、プリンタPRT2が、所定の印刷データの印刷を実行中に、印刷が中断されたり、中止されたりした時に、その中断または中止を、当該印刷データと対応付けて、プリンタPRT1に通知し、プリンタPRT1がそれを受信する構成が必要である。あるいは、プリンタPRT2が上述の通知をサーバSVに対して行い、サーバSVは、その受信した内容をプリンタPRT1に通知する構成としてもよい。
また、図6(a)に示した復号化イベントは、例示に過ぎない。例えば、コンピュータPCに認証装置が付属し、ユーザがコンピュータPCを離れる際には、コンピュータPCがログアウトする構成となっており、さらに、プリンタPRT1が、当該ログアウトの通知を受け取ることができる構成となっている場合には、当該ログアウトの通知を復号化イベントとしてもよい(図示せず)。コンピュータPCにて印刷指示を行ったユーザが、コンピュータPCを離れることは、印刷を実行するためにプリンタPRT1の設置場所に移動した可能性が高いと考えられるからである。
また、削除イベントとしては、暗号化印刷データの印刷が実行されないことを推測できる種々のイベントや、暗号化印刷データのセキュリティを高める必要性が大きくなったことを推測できる種々のイベント、復号データ記憶領域41を効率的に利用する必要性が高くなったことを推測できるイベントなどを設定することができる。削除イベントの具体例を図6(b)に示す。削除イベントは、例えば、「サーバSVから暗号化印刷データの削除指示通知を受けた」とすることができる。ユーザは、印刷を実行しないことを決定したためにコンピュータPCにおいて削除指示を行ったからである。また、図示するように、「プリンタPRT1が印刷可能状態から省電力モードに移行した」、「プリンタPRT1でエラーが発生した」、「他のプリンタ(ここでは、プリンタPRT2)で印刷が開始された」などであってもよい。これらのイベントは、プリンタPRT1が印刷実行不可能な状態に移行したことや、他のプリンタで印刷が既に実行されていることを示しており、暗号化印刷データがプリンタPRT1で実行される可能性が低下したことを推測できるからである。なお、図示するIDは、イベントの内容を示すイベントIDを示している。
なお、「他のプリンタで印刷が開始された」を削除イベントとするためには、復号化イベントと同様に、プリンタPRT2が所定の印刷データの印刷の実行を開始した時に、その旨を当該印刷データと対応付けて、プリンタPRT2から、プリンタPRT1に直接、または、サーバSVなどを介して通知する構成が必要である。
また、図6(b)に示した削除イベントは、例示に過ぎない。例えば、復号化印刷データが復号データ記憶領域41に記憶されてから所定時間が経過した、復号データ記憶領域41の空き容量が所定値以下まで低下したなどであってもよい(図示せず)。
所定のイベントの発生の判断の結果、イベントが発生していなければ(ステップS110:NO)、発生するまで待機し、イベントが発生すれば(ステップS110:YES)、CPU30は、発生したイベントに対応するユーザID及びイベントIDを取得する(ステップS120)。
例えば、図6(a)に示すイベントID「1」のイベントが生じた場合には、CPU60は、サーバSVから受信した受信通知を解釈し、サーバSVが新たに記憶した暗号化印刷データに対応するユーザIDと、イベントID「1」とを取得する。イベントID「11」、「13」のイベントが生じた場合には、CPU60は、暗号情報記憶領域43を参照し、暗号情報記憶領域43に記憶された暗号鍵に対応付けられたユーザIDと、イベントID「11」または「13」を取得する。図6(b)に示すイベントID「21」、「22」のイベントが生じた場合には、CPU60は、プリンタPRT2からの印刷中断または印刷中止の通知を解釈し、それに含まれるユーザIDと、イベントID「21」または「22」を取得する。このように、特定のユーザIDと対応付けられたイベントが発生した場合には、取得するユーザIDは、イベントに対応付けられたイベントIDを取得し、特定のユーザIDと対応付けられていないイベントが発生した場合には、暗号情報記憶領域43に記憶された暗号鍵に対応付けられた、全てのユーザIDを取得するのである。
ユーザIDとイベントIDとを取得すると、CPU30は、取得したユーザIDと一致するユーザIDに対応付けられた暗号化鍵(あるいは、暗号情報)が暗号情報記憶領域43に記憶されているか否かを判断する(ステップS130)。その結果、一致する暗号化鍵がなければ(ステップS130:NO)、取得したユーザIDのユーザは、プリンタPRT1で印刷を実行する権限がないということであり、CPU30は、復号化データ記憶・削除処理を終了する。
一方、一致する暗号化鍵があれば(ステップS130:YES)、CPU30は、続いて、発生イベントが復号化イベントであるのか、それとも削除イベントであるのかを判断する(ステップS140)。この判断は、EEPROM40に記憶された、イベントIDと復号化イベントまたは削除イベントとを対応付けたテーブルを参照することにより行うことができる。
その結果、発生イベントが削除イベントであれば(ステップS140:NO)、取得したユーザIDに対応する暗号化印刷データの印刷が実行されないことが推測されるので、また、それにより、セキュリティを高める必要性が大きくなったことが推測されるので、CPU30は、削除部34の処理として、取得したユーザIDと一致する復号化印刷データを復号データ記憶領域41から削除し(ステップS160)、復号化データ記憶・削除処理を終了する。なお、この処理は、後述する復号化データ記憶処理によって、記憶された復号化印刷データが復号データ記憶領域41に記憶されている場合に行われるものである。
一方、発生イベントが復号化イベントであれば(ステップS140:YES)、取得したユーザIDに対応する暗号化印刷データの印刷が実行されることを推測できるので、CPU30は、さらに、復号データ記憶領域41に、ユーザIDに対応する復号化印刷データが復号データ記憶領域41に既に記憶されているか否かを判断する(ステップS150)。
その結果、復号化印刷データが記憶されていれば(ステップS150:YES)、新たに当該復号化印刷データを記憶する必要がないので、CPU30は、暗号情報記憶領域43に記憶された当該復号化印刷データの受信日時を現在時刻に更新し(ステップS170)、復号化データ記憶・削除処理を終了する。このように受信時を更新するのは、図5で後述する復号化データ記憶処理のステップS210において用いるためであり、その詳細は、後述する。
一方、復号化印刷データが記憶されていなければ(ステップS150:NO)、新たに当該復号化印刷データを記憶する必要があるので、CPU30は、復号化データ記憶処理を行って、復号データ記憶領域41に復号化印刷データを記憶する(ステップS200)。
この復号化データ記憶処理については、図5を用いて詳しく説明する。この処理が開始されると、CPU30は、印刷対象データの印刷データの1ページ目の印刷中に復号化が可能なデータ量D1を算出する(ステップS210)。このデータ量D1は、1ページ目の印刷時間は、印刷データの内容によらず一定であると仮定した場合のデータ量であり、次式(1)により算出する。
データ量D1=(1ページの印刷時間−暗号化印刷データの到着時間)/1バイト当たりの復号化処理時間・・・(1)
ここで、1ページの印刷時間、暗号化印刷データの到着時間(サーバSVから暗号化印刷データを受信するのに要する時間)、1バイト当たりの復号化処理時間は、過去の印刷実行動作に係る実績値であり、ここでは、過去の所定回数の印刷実行動作における平均値を算出して用いる。これらの実績値は、サーバSVから暗号化印刷データを受信し、これを復号化して、印刷を実行するたびに、暗号情報記憶領域43に記憶されるものである。
なお、1ページの印刷時間は、印刷が実行されるたびに、CPU30が、印刷開始日時と印刷終了日時と印刷したページ数とを動作履歴記憶領域42に記憶し、印刷開始日時と印刷終了日時とから、印刷に要した時間を算出し、さらに、これを印刷したページ数で除して算出される。また、暗号化印刷データの到着時間は、サーバSVに暗号化印刷データの送信要求を行い、暗号化印刷データを取得するたびに、CPU30が、送信要求を行った日時と暗号化印刷データを受信した日時とを動作履歴記憶領域42に記憶し、これらから算出される。また、1バイト当たりの復号化処理時間は、暗号化印刷データの復号化を行うたびに、CPU30が、復号化処理の開始日時及び終了時刻と、復号化されたデータのデータ量とを記憶し、これらから算出される。
データ量D1を算出すると、CPU30は、取得部31の処理として、サーバSVに対して、上記ステップS120において取得したユーザIDとユーザIDが一致する暗号化印刷データの送信要求を行う(ステップS220)。
一方、サーバSVでは、CPU60が、送信要求を受信すると、暗号化印刷データ保持領域71を参照し、送信要求に含まれるユーザIDと一致するユーザIDに対応付けられた暗号化印刷データをプリンタPRT1に送信する(図示せず)。
一方、プリンタPRT1では、送信要求を行うと、CPU30は、サーバSVから暗号化印刷データを受信したか否かを判断しており、受信しなければ(ステップS230:NO)、受信するまで待機する。そして、暗号化印刷データを受信すると(ステップS230:YES)、CPU30は、復号・記憶部32の処理として、受信した暗号化印刷データを先頭から復号化し、データ量D1と、復号化された印刷データの1ページ目のデータ量D2とのうち、大きい方のデータ量DmaxまでをEEPROM40に一時的に記憶する(ステップS240)。なお、図示していないが、この時、CPU30は、上記ステップS220の送信要求を行った日時と、暗号化印刷データを受信した日時とを、暗号化印刷データの到着時間を算出するために、暗号情報記憶領域43に記憶する。また、1ページ目の復号化に要した時間と、復号化されたデータ量とを、復号化した1バイト当たりの復号化時間を算出するために、暗号情報記憶領域43に記憶する。
復号化印刷データをデータ量Dmaxまで一時的に記憶すると、CPU30は、復号データ記憶領域41の空き容量が、全体容量の50%未満であるか否かを判断する(ステップS250)。その結果、空き容量が50%未満であれば(ステップS250:YES)、空き容量に余裕がないということであり、CPU30は、さらに、データ量D1とデータ量D2とのうち、小さい方のデータ量Dminが空き容量よりも大きいか否かを判断する(ステップS260)。その結果、データ量Dminが空き容量よりも大きければ(ステップS260:YES)、このままでは、データ量Dminを新たに記憶できないということであり、新たに記憶する容量を確保するために、CPU30は、所定の優先順位に基づいて、既に記憶されている古い復号化印刷データを削除する(ステップS270)。
本実施例においては、ステップS270においては、動作履歴記憶領域42に記憶された、暗号化印刷データに係るユーザのプリンタPRT1の利用回数に基づいて、CPU30が、ユーザのランクを設定し、ランクに応じて定められた以下に示す(1)〜(3)の優先順位に基づいて、古い復号化印刷データを削除するものとした。
(1)対象復号化印刷データに係るユーザよりも、低いランクのユーザに係る復号化印刷データが既に記憶されていれば、そのうち、低ランクユーザの復号化印刷データを1件、全削除する。
(2)対象復号化印刷データに係るユーザと同一ランクのユーザに係る復号化印刷データが既に記憶されており、そのデータ量がデータ量Dminよりも大きければ、その大きい部分を削除する(データ量Dminは、復号化印刷データ毎に再計算する)。
(3)対象復号化印刷データに係るユーザと同一ランクのユーザに係る復号化印刷データが既に記憶されていれば、そのうち、同一ランクユーザの復号化印刷データを1件、全削除する。
このように、ユーザの利用回数に基づく優先順位で、既に記憶されている復号化印刷データを削除することで、過去の利用実績を反映して、有限である復号データ記憶領域41を効率的に利用することができる。
古い復号データを削除すると、CPU30は、データ量Dminを新たに記憶する記憶容量を確保できたか否かを判断する(ステップS280)。その結果、容量が確保できていれば(ステップS280:YES)、上記ステップS240において一時的に記憶したデータ量Dmaxのうち、データ量Dminだけを復号データ記憶領域41に記憶し(ステップS290)、復号化データ記憶処理を終了する。逆に、容量が確保できていなければ(ステップS280:NO)、データ量Dminを新たに記憶できないということであり、そのまま、復号化データ記憶処理を終了する。
一方、上記ステップS260において、データ量Dminが空き容量以下であれば(ステップS260:NO)、データ量Dminを新たに記憶できるということであり、CPU30は、処理を上記ステップS290に進めて、上記ステップS240において一時的に記憶したデータ量Dmaxのうち、データ量Dminだけ復号データ記憶領域41に記憶する。
さらに、上記ステップS250において、空き容量が50%以上あれば(ステップS250:NO)、空き容量に余裕があるということであり、CPU30は、さらに、データ量Dmaxが空き容量よりも大きいか否かを判断する(ステップS300)。その結果、データ量Dmaxが空き容量以下であれば(ステップS300:NO)、データ量Dmaxを新たに記憶可能であるということであり、CPU30は、上記ステップS240において一時的に記憶したデータ量Dmaxのうち、データ量Dmaxの全てを復号データ記憶領域41に記憶し(ステップS310)、復号化データ記憶処理を終了する。逆に、データ量Dmaxが空き容量より大きければ(ステップS300:YES)、CPU30は、データ量Dmaxの全てを新たに記憶するだけの空き容量が復号データ記憶領域41にはないということであり、処理をステップS260に進め、上述したステップS260〜S290の処理を行う。
かかる復号化データ記憶処理について、さらに、具体例を図7に示す。図7(a)は、動作履歴記憶領域42に記憶された、プリンタPRT1についてのユーザA〜Eの利用回数の履歴と、それに基づき定められたユーザのランクを示している。この例では、利用回数の多いユーザA及びBは、最も高いランク「1」に設定され、利用回数が中程度のユーザC及びDは、2番目に高いランクの「2」に設定され、利用回数が最も少ないユーザEは、最も低いランクの「3」に設定されている。なお、ここでは、上述の利用回数とは、プリンタPRT1で印刷を実行した回数であるが、ログイン回数など、他の回数としてもよい。
このようなランク設定のもと、図7(b)に示すように、復号データ記憶領域41の全体容量が10000KBであり、ランク「1」であるユーザAの復号化印刷データ4000KBが既に記憶されている状況(空き容量は6000KB)を考える。ここで、図7(c)に示すように、ランク「2」であるユーザCの、データ量D1=5000KB、データ量D2=2000KB(データ量Dmax=5000KB、データ量Dmin=2000KB)である、暗号化印刷データを受信すると、空き容量は全体の50%以上であり(ステップS250:NO)、データ量Dmax(=5000KB)は、空き容量(6000KB)以下であるので(ステップS300:NO)、CPU30は、ユーザCの復号印刷データをデータ量Dmaxだけ記憶する。
そして、図7(d)に示すように、ランク「2」であるユーザDの、データ量D1=5000KB、データ量D2=2000KB(データ量Dmax=5000KB、データ量Dmin=2000KB)である、暗号化印刷データを受信すると、空き容量は全体の50%未満であり(ステップS250:YES)、データ量Dmin(=2000KB)は、空き容量(1000KB)よりも大きいので(ステップS260:YES)、上述の優先順位に基づき、古い復号化印刷データを削除することとなる(ステップS270)。
具体的には、ユーザDのランクは「2」であり、既に記憶されている古い復号化印刷データに係るユーザA及びCのランクは、それぞれ「1」、「2」であり、ユーザDよりも低いランクのユーザに係る復号化印刷データは存在しないので、優先順位(1)の適用はない。次に、ユーザDと同一ランクのユーザCに係る復号化印刷データが存在し、そのデータ量は、データ量Dmin(2000KB)よりも大きい5000KBであるので、優先順位(2)が適用され、CPU30は、ユーザCに係る復号化印刷データのうち、データ量Dmin(2000KB)よりも大きい部分(3000KB)を削除するのである。
その結果、4000KBの空き容量が確保されるので(ステップS280:YES)、CPU30は、ユーザDに係る復号化印刷データのうち、データ量Dmin(2000KB)だけを記憶するのである(ステップS290)。
また、上述の図7(d)に代えて、図7(e)に示すように、ランク「3」であるユーザEの、データ量D1=3000KB、データ量D2=2000KB(データ量Dmax=3000KB、データ量Dmin=2000KB)である、暗号化印刷データを受信する場合においても、空き容量は全体の50%未満であり(ステップS250:YES)、データ量Dmin(=2000KB)は、空き容量(1000KB)よりも大きいので(ステップS260:YES)、上述の優先順位に基づき、古い復号化印刷データを削除することとなる(ステップS270)。
ここでは、ユーザEのランクは「3」であり、既に記憶されている古い復号化印刷データに係るユーザA及びCのランクは、それぞれ「1」、「2」であり、ユーザDよりも低いランクまたは同一ランクのユーザに係る復号化印刷データは存在しないので、優先順位(1)〜(3)の適用はない。すなわち、ステップS270においては、古い復号化印刷データの削除は行われない。その結果、空き容量は確保されないので(ステップS280:NO)、CPU30は、ユーザEに係る復号化印刷データを記憶せずに、復号化データ記憶処理を終了するのである。
かかる復号化印刷データ記憶・削除処理が実行された後、ユーザの印刷実行処理は、以下のような流れで行うことができる。まず、プリンタPRT1の復号データ記憶領域41に復号化印刷データが記憶されている間に、ユーザが、プリンタPRT1の設置位置に移動し、認証機構56を用いて認証を行って、プリンタPRT1にログインし、入力機構54のディスプレイに表示された印刷データリストから所望の印刷データを選択して、印刷実行指示を行う。これに対し、印刷対象データの復号化印刷データが復号データ記憶領域41に記憶されている量が、データ量D2(1ページ目のデータ量)以上である場合には、プリンタPRT1のCPU30は、印刷実行部33の処理として、選択された印刷データに対応する復号データ記憶領域41に記憶された復号化印刷データをイメージデータに変換し、当該イメージデータをもとに印刷を開始する。また、CPU30は、復号化印刷データの印刷を実行している間に、サーバSVに対して、選択された印刷データに対応する暗号化印刷データの送信要求を行い、これを取得して、順次、復号化し、イメージデータに変換する。そして、復号データ記憶領域41に記憶された復号化印刷データの印刷が完了すると、これに続く2ページ目以降のイメージデータの印刷を開始する。なお、印刷が完了すると、CPU30は、印刷開始日時及び終了日時と、ユーザの利用回数を動作履歴記憶領域42に記憶する。
一方、印刷対象データの復号化印刷データが復号データ記憶領域41に記憶されている量が、データ量D2(1ページ目のデータ量)未満である場合には、CPU30は、サーバSVに対して、選択された印刷データに対応する暗号化印刷データの送信要求を行い、これを取得して、復号データ記憶領域41に記憶された復号化印刷データに続く部分から順次、復号化する。そして、復号データ記憶領域41に記憶された復号化印刷データと、新たに復号化したデータとの合計がデータ量D2(1ページ目のデータ量)以上となった時点で、これをイメージデータに変換して、印刷を開始する。また、この1ページ目の印刷中には、CPU30は、2ページ目以降の暗号化印刷データの復号化及びイメージデータへの変換を行い、1ページ目の印刷が完了すると、続けて、2ページ目以降の印刷を開始する。
なお、上述のように、復号データ記憶領域41に記憶された復号化印刷データの量によって、プリンタPRT1の動作が異なるのは、プリンタPRT1が、ページ単位で印刷を行うレーザ式プリンタであるからである。プリンタPRT1が、データ単位で印刷を行うインクジェット式プリンタなどであれば、前者の動作だけでも足りる。
かかる構成の印刷システム20は、認証処理の完了から印刷開始までの間で行われる暗号化印刷データの復号化に要する時間を短縮することができる。すなわち、印刷が実行されるまでの時間を短縮することができる。また、暗号化印刷データの一部のみを復号化して記憶するので、暗号化印刷データのセキュリティも一定レベルで確保することができる。
また、サーバSVは、復号化印刷データを復号データ記憶領域41に記憶した後であっても、暗号化印刷データの印刷が実行されないことを推測できる種々のイベントや、暗号化印刷データのセキュリティを高める必要性が大きくなったことを推測できる種々のイベントなどが発生すると、記憶していた復号化印刷データを削除するので、復号化印刷データについてセキュリティを確保することができる。
B.変形例:
上述した実施例の変形例について説明する。
B−1.変形例1:
実施例では、図5に示した復号化データ記憶処理において、ユーザのプリンタPRT1の利用回数の履歴、復号データ記憶領域41の空き容量、印刷の実行時間に係る時間的要素(印刷時間・復号化処理時間・暗号化印刷データの到着時間)の履歴を総合的に反映して、復号データ記憶領域41に記憶する復号化印刷データの量を決定する構成としたが、これらは、一例であり、例えば、上述の要素の1つや2つのみに基づいて、記憶する復号化印刷データの量を決定する構成としてもよい。あるいは、記憶する復号化印刷データの量を一律、例えば、印刷対象データの1ページ目のデータ量を記憶する構成であってもよい。
また、上述した記憶する復号化印刷データの量を決定する要素は、一例に過ぎず、種々の構成が考えられる。例えば、図6(a)に例示したイベントの種類に応じて、記憶する復号化印刷データの量を変化させる構成としてもよいし、ユーザの属性や、印刷対象のデータ形式(例えば、画像ファイル、テキストファイルなど)などに応じて、記憶する復号化印刷データの量を変化させる構成としてもよい。ユーザの印刷実行可能性や、復号データ記憶領域41の利用効率性、印刷の実行時間に影響を与える要因などを反映して、記憶する復号化印刷データの量を変化させればよいのである。このようにすることで、より効率的に、有限である復号データ記憶領域41を利用することができる。また、印刷実行操作が行われてから、印刷が開始されるまでに、ユーザの待ち時間が極力発生しないように、適切な復号化印刷データの量を記憶することができる。
B−2.変形例2:
実施例では、図4に示したステップS160において、ユーザIDに対応する復号化印刷データを全て削除する構成としたが、実施例や変形例1に示した復号化データ記憶処理と同様に、種々の要素を考慮して、削除する量を決定してもよい。
B−3.変形例3:
実施例では、復号データ記憶領域41に記憶する復号化印刷データの量を、印刷対象の印刷データの1ページ分を目安にして、決定した。これは、プリンタPRT1が、レーザ式プリンタであるために、ページ単位の印刷を行うことと、セキュリティへの配慮とから、印刷の最小単位を目安とする構成としたためである。ただし、記憶する復号化印刷データの量は、このような例に限るものではなく、例えば、2ページ分や3ページ分を目安としてもよいし、印刷対象データの全体の半分のページ分を目安としてもよい。もとより、インクジェット式プリンタなど、データ単位で印刷を行うプリンタであれば、所定のデータ単位、例えば、ラスタ単位などとしてもよい。
B−4.変形例4:
実施例では、図5に示したステップS230において、プリンタPRT1は、サーバSVから暗号化印刷データをファイル単位で受信し、ステップS240において、そのうち、必要な一部の暗号化印刷データを復号化して、一時的に記憶する構成としたが、このような構成に限るものではない。プリンタPRT1は、サーバSVから、暗号化印刷データの一部分、例えば、先頭の2ページ分の暗号化印刷データを受信し、プリンタPRT1は、その全部または一部を復号化して、記憶する構成としてもよい。
また、あるいは、プリンタPRT1は、サーバSVから暗号化印刷データの全体を認証処理の完了に先立ってEEPROM40に記憶しておき、そのうちの一部について、復号化して復号データ記憶領域41に記憶したり、削除したりする構成としてもよい。
B−5.変形例5:
実施例では、サーバSVから受け取った暗号化印刷データについて、データの先頭から所定の量について、復号化し、記憶する構成としたが、復号化し、記憶する部分は、データの途中からであってもよい。例えば、図6(a)に例示したイベント「他のプリンタ(プリンタPRT2)で印刷が中断された」(イベントID「21」)の発生により、復号化データ記憶処理を行う場合であって、印刷未実行の部分がプリンタPRT2から通知される場合には、印刷が未実行の部分から、復号化し、記憶してもよい。
B−6.変形例6:
実施例においては、プリンタPRT1は、復号データ記憶領域41においては、復号化されたページ記述言語で構成されるデータが記憶される構成としたが、ページ記述言語で構成されるデータを、さらにイメージデータに変換して記憶しておいてもよい。こうすれば、ユーザの印刷実行指示から、印刷開始までの時間を、さらに短縮することができる。
B−7.変形例7:
実施例においては、印刷データ保持装置としてのサーバSVと、印刷装置としてのプリンタPRT1とを分離した構成としたが、このような構成に限るものではなく、サーバSVとプリンタPRT1とは一体的な構成であってもよい。例えば、プリンタPRT1がサーバSVの機能を兼ね備えるものであってもよい。
B−8.変形例8:
実施例では、サーバSVの暗号化印刷データ保持領域71に記憶された復号化印刷データの一部を復号化した復号化印刷データを、プリンタPRT1の復号データ記憶領域41で記憶する構成としたが、かかる復号化印刷データをサーバSV側で記憶してもよい。この場合、例えば、サーバSVのCPU60は、コンピュータPCから暗号化印刷データを受信した時点で、その一部を復号化し、記憶しておく。そして、プリンタPRT1から、印刷データの要求があった場合に、復号化印刷データと、それに続く暗号化印刷データを送信する構成としてもよい。また、プリンタPRT1は、例えば、図6(a),(b)に示したイベントが発生した場合に、その旨を示す通知をサーバSVに送信し、サーバSVは、これを受信して、実施例や上述の変形例に示した、復号化データ記憶・削除処理を実行する構成としてもよい。かかる構成としても、実施例や上述の変形例と同様の効果を得ることができる。また、プリンタPRT1は、復号データ記憶領域41を確保する必要がないので、大きな記憶容量を持つ必要がない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。例えば、本発明は、印刷システム20やプリンタPRT1としての構成のほか、印刷実行方法、プログラム、記憶媒体等の形態でも実現することができる。
印刷システム20の概略構成を示す説明図である。 プリンタPRT1の概略構成を示す説明図である。 サーバSVの概略構成を示す説明図である。 復号化データ記憶・削除処理の流れを示すフローチャートである。 復号化データ記憶処理の流れを示すフローチャートである。 復号化イベント及び削除イベントの具体例を示す説明図である。 復号化データ記憶処理の具体例を示す説明図である。
符号の説明
20...印刷システム
30...CPU
31...取得部
32...復号・記憶部
33...印刷実行部
34...削除部
40...EEPROM
41...復号データ記憶領域
42...動作履歴記憶領域
43...暗号情報記憶領域
51...ROM
52...RAM
53...印刷機構
54...入力機構
56...認証機構
57...インタフェース
60...CPU
61...通知部
70...ハードディスクドライブ
71...暗号化印刷データ保持領域
81...ROM
82...RAM
87...インタフェース
PRT1,PRT2...プリンタ
PC...コンピュータ
SV...サーバ
LAN...ローカルエリアネットワーク

Claims (14)

  1. 暗号化された印刷データである暗号化印刷データを保持する印刷データ保持装置から該暗号化印刷データを受け取って、印刷を実行する印刷装置であって、
    前記印刷装置において利用者を認証する認証処理を行う認証手段と、
    前記認証処理の完了に先立って、前記暗号化印刷データの一部または全部を前記印刷データ保持装置から取得する取得手段と、
    前記認証処理の完了に先立った所定の第1のタイミングで、前記暗号化印刷データの一部を復号化して、復号化印刷データとして記憶する復号・記憶手段と、
    前記認証処理が完了した後に、前記復号化印刷データから印刷を開始する印刷実行手段と
    を備えた印刷装置。
  2. 前記第1のタイミングは、前記印刷装置が、前記印刷データ保持装置が新たな暗号化印刷データを保持したとの通知を受けたときである請求項1記載の印刷装置。
  3. 前記第1のタイミングは、前記印刷装置において、前記暗号化印刷データの印刷が実行される可能性が高まったことを推測できるイベントが発生したときである請求項1または請求項2記載の印刷装置。
  4. 前記復号・記憶手段は、前記暗号化印刷データに係るユーザについての、前記印刷装置の利用履歴に基づいて、前記暗号化印刷データを復号化し、記憶する量を決定する請求項1ないし請求項3のいずれか記載の印刷装置。
  5. 前記復号・記憶手段は、前記印刷装置が備える記憶領域の空き容量に基づいて、前記暗号化印刷データを復号化し、記憶する量を決定する請求項1ないし請求項4のいずれか記載の印刷装置。
  6. 前記復号・記憶手段は、前記印刷装置における印刷の実行時間に係る時間的要素の履歴に基づいて、前記暗号化印刷データを復号化し、記憶する量を決定する請求項1ないし請求項5のいずれか記載の印刷装置。
  7. 更に、前記認証処理の完了に先立った所定の第2のタイミングで、該第2のタイミングに対応する、前記復号・記憶手段が記憶する復号化印刷データを削除する削除手段を備えた請求項1ないし請求項6のいずれか記載の印刷装置。
  8. 前記第2のタイミングは、前記印刷装置が、前記印刷データ保持装置が保持している暗号化印刷データの削除の指示を受け付けたとの通知を受けたときである請求項7記載の印刷装置。
  9. 前記第2のタイミングは、前記印刷装置において、前記暗号化印刷データの印刷が実行される可能性が低下したことを推測できるイベントが発生したときである請求項7または請求項8記載の印刷装置。
  10. 前記削除手段は、前記暗号化印刷データに係るユーザについての、前記印刷装置の利用履歴に基づいて、前記復号化印刷データを削除する量を決定する請求項7ないし請求項9のいずれか記載の印刷装置。
  11. 前記削除手段は、前記印刷装置が備える記憶領域の空き容量に基づいて、前記復号化印刷データを削除する量を決定する請求項7ないし請求項10のいずれか記載の印刷装置。
  12. 暗号化された印刷データである暗号化印刷データを保持する印刷データ保持装置と、該暗号化印刷データの印刷を実行する印刷装置とを備えた印刷システムであって、
    前記印刷装置において利用者を認証する認証処理を行う認証部と、
    前記認証処理の完了に先立った所定の第1のタイミングで、前記暗号化印刷データの一部を復号化して、復号化印刷データとして記憶する復号・記憶手段と、
    前記認証処理が完了した後に、前記復号化印刷データから印刷を開始する印刷実行手段と
    を備えた印刷システム。
  13. 更に、前記認証処理の完了に先立った所定の第2のタイミングで、該第2のタイミングに対応する、前記復号・記憶手段が記憶する復号化印刷データを削除する削除手段を備えた請求項12に記載の印刷システム。
  14. 暗号化された印刷データである暗号化印刷データを保持する印刷データ保持装置から、該暗号化印刷データを受け取って、印刷装置が印刷を実行する印刷実行方法であって、
    前記印刷装置において利用者を認証する認証処理の完了に先立って、前記暗号化印刷データの一部または全部を前記印刷データ保持装置から取得し、
    前記認証処理の完了に先立った所定のタイミングで、前記暗号化印刷データの一部を復号化して、復号化印刷データとして記憶し、
    前記認証処理が完了した後に、前記復号化印刷データから印刷を開始する
    印刷実行方法。
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