JP2009237544A - 光導波路フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

光導波路フィルムおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来技術に比べて、工程数の簡略化による低コスト生産が可能となるだけでなく、コアの形状を一定に保持したままフィルム幅方向に周期的に規則正しく微細なコアを配列させることが可能であり、コアの光損失性に優れた光導波路フィルムを提供すること。さらに、繰り返し屈曲・高温高湿環境下でも信頼性に優れた光導波路フィルムを提供することができる。
【解決手段】断面形状としてクラッドとなる熱可塑性樹脂Bに周りを囲まれたコアとなる熱可塑性樹脂Aからなる分散体(コア)がフィルム長手方向に延在しながらフィルム幅方向に4個以上配列した構造である光導波路フィルムであって、コアとクラッド間の境界面のコア表面の平均粗さRaが100nm以下である光導波路フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、導光路を有した樹脂フィルムに関するものである。
近年、インターネットの普及による通信トラフィックの爆発的な増加に伴って、コンピュータや電子交換機などの装置間・内に用いられていた金属配線から、低ノイズ性、高速大容量伝送に優れた光ファイバーやポリマ光導波路を用いた光配線へと変わりつつある。中でも、省スペース、軽量化の点で優れているフレキシブルなポリマ光導波路を用いた光インターコネクション化に注目が集まっており、各社で開発が推し進められている。特に、このポリマ光導波路は、ボード間、ボード内、チップ間、チップ内における光インターコネクション材料としての展開が期待されている。
ポリマ光導波路の製造方法としては、例えば、選択重合法、反応性イオンエッチング(RIE)とフォトリソグラフィーを組み合わせた方法(特許文献1)、直接露光法(特許文献2)、型を用いた射出成形法をもとにした方法(特許文献3)、フォトブリーチング法(特許文献4)などが知られている。しかしながら、これらの製造方法は、工程数が非常に多く、製造時間が長いために製造コストが高く、生産収率が低いことが問題となっていた。また、ポリマ光導波路を構成するコア・クラッドは、光硬化および熱硬化性樹脂の反応現象を利用しているため、大面積かつ長尺化が困難であった。さらに、これらの製造方法は、コアを形成する際に、物理的および化学的エッチング工程、もしくは型の転写工程などが用いられていたため、コアとクラッド界面に凹凸が生じ、プラスチック光ファイバーに比べて光損失が大きくなる問題があった。
一方、プラスチック光ファイバーに類似した溶融押出法によるポリマ光導波路の製造方法としては、ダイを用いてコアをフィルム幅方向に規則正しく一括成形する方法などが提案されている。(特許文献5、特許文献6)この製造方法は、低コストで大面積・長尺化が可能であるが、コアの形状を一定に保持したままフィルム幅方向に周期的に規則正しく配列させることが難しく、コアのサイズを微細化することは困難であった。
特開2004−206016号公報 特開2003−185860号公報 特開2003−172841号公報 特開2004−012635号公報 特開平04−043304号公報 特開平05−70571号公報
従来技術に比べて、工程数の簡略化による低コスト生産が可能となるだけでなく、コアの形状を一定に保持したままフィルム幅方向に周期的に規則正しく微細なコアを配列させることが可能であり、コアの光損失特性に優れた光導波路フィルムを提供することができる。
断面形状としてクラッドとなる熱可塑性樹脂Bに周りを囲まれたコアとなる熱可塑性樹脂Aからなる分散体(コア)がフィルム長手方向に延在しながらフィルム幅方向に4個以上配列した構造である光導波路フィルムであって、コアとクラッド間の境界面のコアの平均粗さRaが100nm以下である光導波路フィルム。
本発明によれば、低コストで大面積化・長尺化が容易であり、複数のコア形状が均一で、かつそのコアの位置がフィルム幅方向に規則正しく周期的に配列しているために光接続が容易となるばかりでなく、従来のポリマ導波路に比べて極めて光損失が小さい光導波路フィルムを提供することが可能である。さらに、繰り返し屈曲・高温高湿環境下でも信頼性に優れた光導波路フィルムを提供することができる。本発明の光導波路フィルムは、装置間、装置内ボード間、ボード内チップ間などの数cm〜数十mレベルの中短距離用光通信に好適である。
光導波路フィルムの幅方向(X)−厚み方向(Z)断面図 光導波路フィルムの幅方向(X)−長さ方向(光の進行方向)(Y)の図 コア径、コア間隔の説明図 一方の面に凹凸が存在する光導波路フィルムの断面図および全体図の例 フィードブロックの一例を示すYZ平面図 フィードブロックの一例を示すXY平面図 スリット板の一例を示す平面図 フィードブロック内の一例を示す流路図 ダイの一例を示す断面図 エッジガイドを備えたダイの斜視図 コア幅およびコア形状を制御するスリット板およびそれを用いて得られた光導波路フィルムの断面図 コア微細化プロセスの例
本発明の光導波路フィルムにおいて、断面形状としてクラッドとなる熱可塑性樹脂Bに周りを囲まれたコアとなる熱可塑性樹脂Aからなる分散体(コア)がフィルム長手方向に延在しながらフィルム幅方向に4個以上配列した構造である光導波路フィルムであることが必要である。
本発明の光導波路フィルムとは、熱可塑性樹脂から構成されており、フィルム内部に光が導波するコアが埋め込まれた光導波路のことである。
本発明である光導波路フィルムの断面図及び全体図の代表例を、それぞれ図1および図2に示す。 図1は、光導波路フィルムの幅方向(X)−厚み方向(Z)断面図である。図2は、光導波路フィルムの幅方向(X)−長さ方向(光の進行方向)(Y)の図である。図1(a)では、厚み方向中央部付近に、クラッド壁2と熱可塑性樹脂Aからなるコア3がフィルム幅方向に規則正しく配列しており、次いで、その上下面にクラッド層1がある。このクラッド壁2とコアとクラッド層1で構成された部位が光導波路部となる。光は、コア中を図2のY方向に進行していく。なお、クラッド層1とクラッド壁2は、通常同材料を用いることが好ましく、場合によっては、クラッド層1は無くても良い。一方、図1(b)では、コア間隔調整部4が、コア間に存在する例である。コア間隔調整部4と熱可塑性樹脂Aからなるコア3は、同材料を用いることが製法上容易であるため好ましいが、別種の材料を用いることも可能である。なお、このように、コア間隔調整部4を含んでいる場合、例えコア3とコア間隔調整部4が同材料であっても、コア間隔調整部4は、コアとはみなさない。なぜなら、コア間隔調整部4は厚み方向と幅方向のアスペクト比が大きすぎるため、光通信用としての導波性能が著しく悪く、コアとしての光伝播性能を満たさないためである。但し、アスペクト比が、3以下の場合はコアとみなしても良い。アスペクト比とは、形状を表す指標であり、コア幅をコア高さ(コア厚み)で割った値である。例えば、図3(a)に示すように、フィルム幅方向に並ぶ2本の平行線とコア(あるいはコア間隔調整部)が接する間隔であるコア幅5をフィルム厚み方向に並ぶ2本の平行線とコア間隔調整部が接する間隔であるコア厚み6で割った値である。コア間隔調整部は、コアの間隔およびコア幅を調整することができ、さらに、フィルム幅方向にわたってコア形状の変化を抑制する効果も奏する。コア形状の変化を抑制することで、コア幅のムラの抑制にも繋がる。さらに、コネクタに光導波路フィルムをアセンブルする際に、フィルム幅方向に配列するコアの中央位置を基準としたとき、コア間隔調整部を寸法調整に用いることができる。特に、コア間隔調整部は、フィルム幅方向の両端部のみで利用することが好ましい。その数は、2個以上〜コア数の約1/2個以下が好ましい。少なくとも2個以上なければ、コア幅を調整することができない。また、コア間隔調整部が多すぎると意味をなさいないため、コア数の約1/2個以下が好ましい。コア幅の調整方法としては、ダイの吐出口の幅が一定なため、コア数、コアとクラッド壁の積層比およびコア間隔調整部の吐出量を制御することでコア幅を調整することができる。コア、クラッド壁、コア間隔調整部の吐出量は、コアおよびクラッドとクラッド壁を幅方向に積層するフィードブロックのスリット板の間隙を調整することで達成できる。一般に、1つのスリットから流れ出る樹脂の流量は、スリット間隙の3乗に比例することが知られている。図11(a)(α)にコア間隔調整部4がフィルム幅方向両端部に1つずつある場合のスリット板と、そのスリット板を用いることによって得られる光導波路フィルムの断面図を図11(b)(α)に示す。(α)の点線は、樹脂Aと樹脂Bの流れ方向の境界線42を模式的に表したものである。
コア幅を小さくする手段としては、光導波路フィルムを延伸することによって調整することができる。延伸することにより、ネックダウンが起こるためである。延伸には、口金から吐出されて冷却されるまでに行う溶融状態からの延伸と、一旦、キャスティングドラムで冷却固化した後に、光導波路フィルムを構成するコアとなる樹脂のガラス転移点+20℃以上で延伸する2通りの方法がある。コア幅を口金直下から1/10以下の微細化を達成するためには、前者の方法を用いることが好ましい。ただし、延伸においては、コア厚みの変化も伴う。コア厚みは、ダイのリップの間隙とキャスト速度で調整することができる。
その他、フィルム幅方向におけるコア形状の変化を抑制するには、2個以上のコア間隔調整部を用いて、その幅を端から中央部に向かって順に目的となるコア幅まで狭めることが好ましい。積層装置内のスリット板からでた直後の隣合う層流の流速が揃うためコア形状の変形も抑制されるからである。図11(a)(β)にコア間隔調整部4がフィルム幅方向両端部に4つずつある場合のスリット板と、そのスリット板を用いることによって得られる光導波路フィルムの断面図を図11(b)(β)に示す。
本発明の光導波路フィルムは、4個以上のコアを含んでなければならない。高速大容量の光伝送の観点から、好ましくは、16個以上である。より好ましくは32個以上である。さらに好ましくは64個以上である。コア数は、2個(nは2以上の自然数。)で表現されることが、情報通信に用いられる観点から好ましい。コアの数が多いほど、より多チャンネルでの通信が可能な高密度光配線となり、効率の良い光伝送が可能となる。コア数の上限については特に限定するものではないが、実用上の特性を維持するためには、3000個以下であることが好ましい。コアの数は、積層装置(フィードブロック)のコアとクラッド壁の積層数を調整することにより、容易に任意の数を達成することができる。また、コアの長さは、短〜中距離用通信用途に用いる観点から、少なくとも1cm以上であることが好ましい。より好ましくは、10cm以上である。最も好ましくは、必要な長さのみ取り出して利用できるように、数十〜数百m以上の長さでロール状に巻かれていることである。
コア形状は、モード数の関係からコア径にも依存するが、円、楕円、四角、台形、星型などのいかなる幾何学図形でも良い。情報通信用途に用いる場合は、コア形状に依存したモード分散が発生する観点から、できるだけ対称性が良い図形であることが好ましく、最も好ましい形状は、円形である。次いで、正方形、台形である。対称性には、線対称、点対称などがある。本発明においては、四角形になり易く、その場合、コアの偏心率は、高速情報通信の観点から0.6以上が好ましく、より好ましくは、0.8以上である。偏心率は、コアの面積をコアの外接四角形の面積で除した値であり、四角形であれば1となる。達成方法は、コアとクラッドのレオロジーの組合せにも依存するが、コアとクラッドの溶融粘度差によるコアとクラッドの界面のストレスを少なく観点から、コアとクラッドの押出温度での溶融粘度差が、剪断速度100S^(−1)において1900poise以下であることが好ましい。また、ダイからキャストの間で延伸することも、ダイ内部で歪んだコア形状が緩和するため好ましい。コア径は、小さ過ぎると光量がすくなる観点から10μm以上が好ましく、一方、大きすぎるとコア内に光を閉じ込めることが難しくなる観点から、5mm以下が好ましい。より好ましくは、20μm以上1mm以下である。特に、情報通信用途に用いる場合は、マルチモード対応の観点から20μm以上200μm以下であることが好ましい。より好ましくは、30μm以上100μm以下である。ここでのコア径とは、図3(a)に示すように、フィルム厚み方向に並ぶ2本の平行線とコアが接する間隔であるコア厚み6とフィルム幅方向並ぶ2本の平行線とコアが接する間隔であるコア幅5の長さの平均値である。
また、本発明では、4個以上のコアの方向(光の進行方向)が、ほぼ並行であり、かつ該4個以上のコアの中心位置がフィルム表面に対しほぼ並行に配置されていることが好ましい。すなわち、フィルム幅方向にコアが等間隔に直線状に配列していることが好ましい。このような場合、高密度配線が可能であるとともに、光の入出力の調整が容易であり、光接続作業の時間を大幅に短縮することが可能である。
本発明の光導波路フィルムを構成する熱可塑性樹脂とは、ポリメチルメタクリレート(屈折率nが1.49、以下、屈折率はn)およびメチルメタクリレートを主成分とするコポリマー(n=1.47〜1.50)、例えば、メタクリレート・スチレン共重合体(n=1.53)、メタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(n=1.58)、ポリスチレン(n=1.58)およびスチレンを主成分とするコポリマー(n=1.50〜1.58)、例えばスチレン・ブタジエン共重合体(n=1.57〜1.58)、アクリルニトリル・スチレン・ブタジエン共重合体(n=1.51〜1.54)、ポリエチレン(n=1.51〜1.54)、ポリ塩化ビニル(n=1.54)、ポリプロピレン(n=1.47〜1.52)、ポリ乳酸(n=1.47)、ノルボルネン系の脂環式オレフィン(n=1.51〜1.53)、スチレンアクリロニトリルコポリマー(n=1.56)、ポリ4−メチルペンテン1(n=1.46〜1.47)、ポリビニルアルコール(n=1.49〜1.53)、エチレン/酢ビコポリマー(n=1,46〜1.50)、ナイロン6,11,12,66(n=1.53)、ポリカーボネート(n=1.50〜1.57)、ポリエチレンテレフタレート(n=1.58〜1.68)、ポリエチレンテレフタレートコポリマー(n=1.54〜1.66)、フルオレン共重合ポリエチレンテレフタレート(n=1.6〜1.66)、ポリエチレンナフタレート(n=1.65〜1.81)、ポリクロロスチレン(n=1.61)、ポリ塩化ビニリデン(n=1.63)、ポリ酢酸ビニル(n=1.47)、メチルメタククリレート/スチレン、ビニルトルエン又はα−メチルスチレン/無水マレイン酸三元コポリマー又は四元コポリマー(n=1.50〜1.58)、ポリジメチルシロキサン(n=1.40)、ポリアセタール(n=1.48)、ポリエーテルサルフォン(n=1.65〜1.66)、ポリフェニレンスルフィド(n=1.6〜1.70)、ポリイミド(n=1.56〜1.60)、フッ化ポリイミド(n=1.51〜1.57)、ポリテトラフルオロエチレン(n=1.35)、ポリフッ化ビニリデン(n=1.42)、ポリトリフルオロエチレン(n=1.40)、パーフルオロプロピレン(n=1.34)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(n=1.36〜1.4)、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレン共重合体(n=1.36〜1.4)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(n=1.36〜1.4)、ポリクロロトリフルオロエチレン、およびこれらフッ化エチレンの二元系、又は三元系コポリマー(n=1.35〜1.40)、ポリフッ化ビニリデンとポリメチルメタクリレート・ブレンドポリマー(n=1.42〜1.46)、CF=CF−O−(CF−CF=CFモノマーの重合体(n=1.34)およびフッ化エチレンのコポリマー(n=1.31〜1.34)、CF=CF−O−(CF)−O−CF=CFモノマーの重合体(n=1.31)およびフッ化エチレンのコポリマー(n=1.31〜1.34)、一般式CH=C(CH)COORfで表わされるフッ化メタクリレートを主成分とするコポリマーで、基Rfが(CH(CF)mHであるコポリマー(n=1.37〜1.42)、Rfが(CH(CFFのもの(n=1.37〜1.40)、RfがCH・(CFのもの(n=1.38)、RfがC(CFのもの(n=1.36) 、RfがCHCFCHFCFのもの(n=1.40) 、RfがCHCF(CFのもの(n=1.37)、およびこれらのフッ化メタクリレートのコポリマー(n=1.36〜1.40)、およびこれらのフッ化メタクリレートとメチルメタクリレートコポリマー(n=1.37〜1.43)、一般式CH=CH・COORf’で表わされるフッ化アクリレートを主成分とするポリマ、但しRf’が(CH(CFFのもの(n=1.37〜1.40)、Rf’が(CH(CFHのもの(n=1.37〜1.41)、Rf’がCHCFCHF・CFのもの(n=1.41)、Rf’がCH(CHのもの(n=1.38) 、およびこれらフッ化アクリレートコポリマー(n=1.36〜1.41)、およびこれらフッ化アクリレートと前記フッ化メタクリレートコポリマー(n=1.36〜1.41)、およびこれらフッ化アクリレートとフッ化メタクリレートとメチルメクレートコポリマー(n=1.37〜1.43)、一般式CH=CF・COORf”で表わされる2−フルオロアクリレートを主成分とするポリマ、およびそのコポリマー(n=1.37〜1.42)(但し、式中Rf”はCH、(CH(CFF、(CH(CFH 、CHCFCHFCF、C(CFを示す)などがある。代表的なフッ化ポリメタクリレートとしては、例えば、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロブチルメタクリレートポリマー、トリフルオロエチルメタクリレートポリマー、ヘキサフルオロプロピルメタクリレートポリマー、フルオロアルキルメタクリレートポリマーなどのフッ素が含有されたポリメチルメタクリレートコポリマー(n=1.38〜1.42)などである。なお、l、m、xはそれぞれ独立に好ましく2〜16の正の整数である。
nは、波長590nmにおける屈折率を示す。光を導光させる観点から、コアとなる熱可塑性樹脂Aの屈折率は、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bより、大きいことが必要である。光の曲げ損失を少なくする観点から、開口数NAは、0.4以上であることが好ましい。より好ましくは、0.6以上である。開口数とは、コアの屈折率の二乗からクラッドの屈折率の二乗を差し引いた値の平方根で表される。
これらの樹脂としては1種類の繰り返し単位でなる樹脂であってもよく、共重合または2種類以上の樹脂の混合物であってもよい。これらの中で、強度・耐熱性・透明性・低損失性の観点から、熱可塑性樹脂Aは、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、脂環式オレフィン、ポリスチレン、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、およびこれらの共重合体、熱可塑性樹脂Bは、ポリ(4−メチルペンテン−1)、エチレンプロピレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン66、フッ化ポリマ、およびこれらの共重合体であることが好ましい。また、光の波長1310nmと1550nmにおける光損失を低下させる観点から、コアとなる熱可塑性樹脂の水素原子が重水素化されていることがより好ましい。また、本発明の光導波路フィルムを保護する役割として、クラッド層の外側にナイロン、塩化ビニル、ポリエチレンに被覆されていることが好ましい。中でも耐熱性の観点からナイロンおよび架橋ポリエチレンが最も好ましい。また、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、無機粒子、有機粒子、減粘剤、熱安定剤、滑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、屈折率調整のためのドープ剤などが熱可塑性樹脂に添加されていてもよい。
本発明の光導波路フィルムの90wt%以上が熱可塑性樹脂からなっていると、レーザー加工、ダイヤモンドナイフ加工、熱圧縮加工などの表面加工が容易となるため、装置間、装置内ボード間、ボード内チップ間光の接続がさらに容易となり低コストな光情報伝送システムを提供できる。
本発明である光導波路フィルムのコアとクラッド間の境界面のコア表面の平均粗さRaが100nm以下であることが必要である。コアの平均粗さRaが、100nm以上であると光散乱が大きくなるため、光損失が大きくなる。より好ましくは、50nm以下であり、さらに好ましくは、10nm以下である。コア材料の吸収特性に依存することはもとより、本発明では、特に溶融押出法によりコアとクラッドを形成する製造方法によって達成することができる。より効果的には、コアおよびクラッド側の樹脂特性を適宜調整することにより達成することができる。樹脂特性とは、溶融粘度および結晶性のことである。具体的には、コアとクラッドの溶融粘度差によるコアとクラッドの界面のストレスを少なく観点から、コアとクラッドの押出温度での溶融粘度差が、剪断速度100S^(−1)について、5000poise以下であることが好ましい。より好ましくは、2000poise以下、さらに好ましくは、1000poise以下である。溶融粘度は、公知のフローテスターを用いて測定することができる。また、コア材料に非晶性ポリマーを用いることは、周知の事実であるが、クラッド材料においても結晶性が低いポリマー、ひいては非晶性ポリマーを用いることが好ましい。コア・クラッド界面にゲルや混入物などの異物残留による突起物が発生するため、真空ベントおよびフィルタの精度を高くすることにより除去することが好ましい。さらに、樹脂が流路内で乱れることなく流れる観点から、ポリマ流路の壁面の表面粗さを0.8S以下とすることが好ましい。このようにする事で、コアの表面粗さが小さくなる。より好ましくは、0.2S以下である。
より効果的な達成方法としては、本発明の光導波路フィルムを延伸する事により達成される。延伸方法としては、本発明の光導波路フィルムが溶融状態で口金リップから吐出され、冷却固化されるキャスティングドラムに到達するまでに行う延伸方式、およびキャスティングドラムで、一旦、冷却後、次いで、熱可塑性樹脂AまたはBのガラス転移点Tg+20℃で延伸を行うロール間延伸方式とがある。前者後者の延伸方向は、長手方向である。延伸によりコアとクラッド間の界面が平滑化されるためコア表面の平均粗さRa20nm以下を容易に達成することができる。また、クラッドが結晶性樹脂の場合であっても、延伸配向により微結晶化されるため、コア表面の平滑性が維持される。さらに加熱試験後でもコアとクラッドの界面が粗面化することなく、コア表面の平滑性が維持される。延伸倍率は、前者の方式は、コアが一軸伸長的に延伸されるため、所望のコアサイズに合わせて、LD(リップ−キャストドラム)間距離とドラフト比で調整を行う。LD間距離は、溶融状態から延伸させる観点からリップ幅の3倍以上が好ましく、より好ましくは5倍以上である。また、ドラフト比は、10以上が好ましく、より好ましくは30以上である。ここでのドラフト比とは、リップ間隙を光導波路フィルムの厚みで除した値である。フィルム製膜の常識とは異なり、このような溶融紡糸に類似した製膜方法をとることで、コア表面の平均粗さが極端に低く、かつコア幅が50μm以下の微細化したコアを容易に得ることができる。一方、後者の方式は、溶融状態ではないため、延伸によりフィルム幅方向でコアの形状の均一性が崩れたり複屈折が発生したりする恐れがあるため、1.05倍以上3倍以下が好ましい。より好ましくは、1.1倍以上2倍以下である。コアを微細化するためには、これらの方式を組み合わせることが最も効果的である。
また、本発明の光導波路フィルムのコアとクラッド間の境界面のコア表面の最大高さRmaxが200nm以下であることが好ましい。最大高さRmaxが、200nmを超えると光散乱が大きくなるため、光損失が大きくなる。より好ましくは、用いる光の波長の1/10程度以下であることが光散乱を抑制させる観点から、80nm以下が好ましい。コア表面とは、クラッド層に隣接しているコア表面であっても、クラッド壁に隣接しているコア表面であっても良い。その達成方法としては、コア表面の平均粗さを低減する方法と同様の方法や粗大突起となる異物や金属触媒をフィルタを介してカットする方法で達成することができる。ここで、Ra、Rmaxとは、それぞれ中心線平均粗さ、最大粗さの事である。Raは、粗さ曲線からその中心の方向に測定長さL部分をとり、この抜き取りの中心線をX軸、縦軸をYとし、粗さ曲線をY=f(x)で表したとき、下記(1)式で与えられる。
Ra=1/L∫L 0|f(x)|dx ・・・(1)式
また、Rmaxは、粗さ曲線の測定長さ内における最大の山と最深の谷の距離を表す。これらの値は、針の先端を利用した方式や光を用いた非接触式測定方法で求めることができる。例えば、前者は接触式の3次元表面粗さ計や非接触式の走査型プローブ顕微鏡(SPM)がある。SPMとしては、走査型トンネル顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)、走査型近接場光学顕微鏡(SNOM)があり、これらを用いて測定することができる。一方、後者は、レーザー顕微鏡、各種光学顕微での観察画像から2次元、3次元画像処理による表面粗さ測定が可能である。その他、非破壊でコアとクラッド界面のコア表面の粗さを測定する方法としては、垂直走査白色干渉法 (VSI: Vertical Scanning Interferometry) がある。これは、光源に可干渉距離の短い白色光を使用して、顕微鏡のZ軸を垂直走査すると、測定光路と参照光路の距離が一致する場合に干渉縞の変調が最大となる。この原理を利用して、通常、光導波路フィルムの表面となるクラッド側しかできない測定でも、クラッドの裏面に当たるコア表面の平均粗さも測定できることになる。この装置としては、例えば、東レエンジニアリング社製の薄膜対応表面形状測定装置SP−700がある。
本発明の光導波路フィルムのクラッドとなる熱可塑性樹脂Bの結晶融解エンタルピーΔHmは、35J/g以下であることが好ましい。35J/g以上であると、コアとクラッド界面のクラッド側に結晶化による凹凸が発生しやすくなり、光散乱が大きくなる。そのため、光損失が大きくなる。より好ましくは、20J/g以下である。さらに好ましくは、10J/g以下である。最も好ましくは、結晶融解ピークがない非晶性ポリマを用いることで達成される。結晶性や半結晶性ポリマの結晶融解エンタルピーΔHmを低減させる方法としては、異種材料のアロイ化などが挙げられる。アロイ化することにより、結晶性ポリマーの脆性を改善することができる。例えば、ナイロン6とポリプロピレンをカルボン酸変性ポリプロピレンを相溶化剤としてアロイ化すると、本来結晶性であるナイロン6とポリプロピレンの結晶化度が低下する。耐熱性および耐高温高湿性の向上の観点から、配合比としては、ナイロン6が5〜35重量部、ポリプロピレンが65〜95重量部、カルボン酸変性ポリプロピレンが1〜10重量部で混練されたポリマーは、元のポリプロピレンのΔHmを低減させることができる。これらは、DSCやμTMAを用いて測定することができる。
本発明の光導波路フィルムのクラッドとなる熱可塑性樹脂Bの結晶粒サイズは、20nm以下であることが好ましい。結晶粒サイズが、20nm以上であると、コアとクラッド界面のコア側に凹凸が発生しやすくなり、光散乱が大きくなる。そのため、光損失が大きくなる。より好ましくは、10nm以下である。ここでの結晶粒サイズとは、X回折測定によって得られた回折ピークの半値幅からシェラーの式に基づいて求められる値である。これらの達成方法は、クラッドとなる樹脂の選択、クラッド樹脂のポリマーアロイ、結晶核剤の調整および製造プロセス条件の最適化で達成できる。
本発明の光導波路フィルムの熱可塑性樹脂Aからなるコアと同一組成の分子骨格あるいは官能基を含んでなる熱可塑性樹脂Bからなるクラッドであることが好ましい。ここで分子骨格とは、樹脂を構成する繰り返し単位のことであり、例えば、一方の樹脂がポリエチレンテレフタレートの場合は、エチレンとテレフタレートが分子骨格である。また別の例としては、一方の樹脂がポリエチレンの場合、エチレンが分子骨格である。
官能基とは、エーテル基、ヒドロキシ基、ケトン基、カルボキシル基(カルボン酸)、アルデヒド基、アミド基、スルホ基などのことである。熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bが同一の分子骨格あるいは官能基を含む樹脂であると、コアとクラッドの境界面で相溶性がよく、界面(層間)での剥離が生じにくくなる。
本発明の光導波路フィルムは、無水カルボン酸変性ポリオレフィンを含んでなることが好ましい。コアおよびクラッド、あるいはどちらか一方のみに含まれていても良い。無水カルボン酸の界面活性剤的な働きによって、コアとクラッド界面が相溶するために、コアとクラッド間での剥離が生じ難くなる。無水カルボン酸とは、2分子のカルボン酸を脱水縮合させた化合物 (R-CO-O-CO-R') のことである。無水カルボン酸としては、無水マレイン酸が最も好ましい。コアの光損失を低下させない観点から、クラッドに含まれていることが好ましい。より好ましくは、クラッドが、ポリオレフィンと無水カルボン酸を含んでなる変性ポリオレフィンとで構成された熱可塑性樹脂である。また、ポリオレフィンとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、シクロオレフィンのホモ、あるいは共重合体であることが好ましい。この場合のコアとしては、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネートのホモ、ポリエステル、ナイロンなどの共重合体が好ましい。
本発明の光導波路フィルムの導光路中に45度ミラーを含んでいることが好ましい。ここでの45度ミラーとは、コアの延びる方向(Y)に対して45度の傾斜面をもつ切れ込みが入っていることをいう。45度の傾斜面は、ダイヤモンドナイフなどの切削加工、レーザーによるアブレーション加工により達成することができる。レーザーとしては、エキシマレーザ、YAGレーザー、炭酸ガスレーザ、フェムト秒レーザーのいかなるレーザーを用いてもよい。レーザーの選定方法は、紫外線吸収のあるコア材料の場合は、エキシマレーザ、第4高調波を利用した波長266nmのYAGレーザーが好ましい。コア材料としは、ポリエステルなどのベンゼン環を有する材料や紫外線吸収剤の添加によって、精度良くエキシマレーザによる加工が可能となる。エキシマレーザでは、ビーム形状が矩形波のため、ワークのコアに焦点を合わせて斜め入射することで達成することができ、一方、YAGレーザーは、ガウシアンビーム形状をしているため、垂直入射で45度の傾斜面を形成することができる。また、この際、異物を発生させない観点から、アシストガスとして窒素、酸素、アルゴン、ヘリウムなどを用いることが好ましい。後処理として、切削加工やレーザー加工後の表面を炭酸ガスレーザを用いて僅かに溶融させると平滑面が得られるため好ましい。このようなミラーを得ることにより、直角に光路変換できるためボードのPDやVCSELと光導波路フィルムを容易に接続しやすくなる。
本発明の光導波路フィルムのフィルム幅方向全てにおいて、コア幅のムラが10%以下であることが好ましい。より好ましくは、5%以下である。ここでのコア幅5とは、図3(a)に示すようにフィルム幅方向に並ぶ2本の平行線とコアが接する間隔を示す。コア幅のムラとは、フィルム幅方向全てのコア幅の最大と最小の差をフィルム幅方向中央部のコア幅で割り、100を乗じた値である。 また、本発明の光導波路フィルムのフィルム幅方向全てにおいて、コア間隔のムラが10%以下であることが好ましい。より好ましくは、5%以下である。ここでのコア間隔7とは、図3(b)に示すように、隣接するコアについて、各コア幅の中点を結んだ距離である。コア間隔のムラとは、フィルム幅方向全てのコア間隔の最大と最小の差を平均コア間隔で割り、100を乗じた値である。それらの達成方法は、樹脂の粘弾性特性の最適化であり、具体的には、コアとクラッドの溶融粘度差によるコアとクラッド間の界面のストレスを少なくし、フィルム幅方向でのコアの形状変形を抑制する観点から、コアとクラッドの押出温度での溶融粘度差が、剪断速度100S^(−1)について、5000poise以下であることが好ましい。より好ましくは、2000poise以下、さらに好ましくは、1000poise以下である。但し、樹脂の弾性項によっても、コア形状は変化するのでこの限りではない。また、ネックダウンによるフィルム幅方向端部付近で起こるコア形状の変化を抑制するためにフィルム幅方向両端部に緩衝材的な働きとしてコア間隔調整部を設けることが好ましい。コア間隔調整部1つの流量は、コア1つの流量の5倍以上であることが好ましい。その数は、2個以上が好ましい。コア間隔調整部の隣のクラッド壁、次隣のコアとの流速差が大きいとコア形状が変形する。流速を合わせる観点から、6個以上のコア間隔調整部を用いて、端部から徐々に流速をコアに合わせることが好ましい。コア間隔調整部8個の例のスリット板と得られた光導波路フィルム断面の構造とを、それぞれ図11の(a)(β)と(b)(β)に示す。
本発明によれば、光接続を容易に行う観点から、少なくとも一方のフィルム表面に谷と尾根となる凹凸構造がフィルム幅方向に周期的に存在しながらフィルム長手方向に延在する光導波路フィルムであることが好ましい。
この概略図の例を図4に示す。各コア間に位置するクラッド部が陥没することにより、フィルム長手方向において、各コア間に存在するクラッド部が谷となる凹とコア部が尾根となる凸となることによって、フィルム表面に凹凸構造が存在している。(なお、陥没箇所は、コア部であっても良い。)この凹凸構造は、フィルム幅方向においてフィルム表面に周期的に存在しながら、フィルム長手方向に延在する。その凹凸差は、3μm以上あることが好ましい。凹凸差10とは、隣り合う尾根8と谷9の、それぞれ、最大点と最小点の差の事である。これを図4中の10で示す。本発明では、複数ある凹凸のうち、フィルム幅方向中央部のコア付近の凹凸差を採用する。この凹凸をコネクタ接続時のガイドとして利用することで、正確な調芯が可能となる。凹凸差が3μmよりも小さいと、コネクタ接続のガイドとして使用することが困難となる。より好ましくは、20μm以上である。また、あまり凹凸差が大きすぎると、支持性がなくなるためコア厚みの半分以下であることが好ましい。本発明では、フィルム切断時に凹部をガイドとすることで、簡便かつ正確にフィルムを切断することが可能となる。また、凹凸構造はフィルムの両面に存在してもかまわない。この達成方法としては、コア、クラッドの押出温度、粘弾性特性、押出量の違いにより達成することができる。また、コアに非晶性樹脂、クラッド壁に結晶性樹脂を用いることも好ましい。
本発明の光導波路フィルムは、85℃ 1000時間の耐熱試験後の光損失変化量が0.5dB以下であることが好ましい。光損失変化量が0.5dBを超えると、発信された光信号を正しく受信することが難しくなるためである。より好ましくは、0.3dB以下である。コア材料のガラス転移点(Tg)を90℃以上とすることで達成される。より好ましくは、130℃以上である。Tgが90℃以上のコア材料としては、フルオレン共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレンがあり、120℃以上では、ポリエチレンナフタレート共重合体、シクロオレフィンコポリマー、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネートが好ましい。クラッド材料としても、熱劣化し難い観点から、フッ素ポリマー、ポリプロピレン、エチレンプロピレンコポリマー、ナイロン6が好ましい。また、延伸による配向付与、次いで90℃以上の熱処理も耐熱性付与の観点から好ましい。
次いで、本発明の光導波路フィルムは、70℃/90%RH 1000時間の高温高湿試験後の光損失変化量が0.5dB以下であることが好ましい。より好ましくは、0.3dB以下である。達成方法は、コア材料に耐熱性と吸湿性が低い材料を選択することで達成することができる。また、クラッド材料としては、ガスバリアー性のある材料を選ぶことで達成することができる。耐熱性の観点から、コア材料は、ガラス転移点が90℃以上が好ましく、より好ましくは、130℃以上である。吸湿性の低いコア材料としては、シクロオレフィンコポリマー、シクロオレフィンポリマーが好ましい。クラッド材料としては、ポリエチレンやポリプロピレンやナイロン、およびこれらのアロイおよび共重合体が好ましい。
本発明の光導波路フィルムは、R=3mmでの繰り返し曲げ試験後の光損失変化量が0.5dB以下であることが好ましい。コアに靱性を付与する観点から、コアの延伸倍率を1.3倍以上とすることで達成される。より、好ましくは、2倍以上である。さらに好ましくは3倍以上である。
本発明の光導波路フィルムを通信用途に用いる場合、光の波長は可視〜近赤外光線領域(400nm〜1550nm)であることが好ましい。特に1200nm以下であることが好ましい。通常、長距離光通信に用いられる波長は、1.55μm、1.31μmなどの近赤外領域であるが、本発明では熱可塑性樹脂を用いているため、一般的に、前記した近赤外線領域に光吸収端をもつことが多い。そのため、光吸収が小さく、かつ伝送容量が多い特徴を有する波長600〜1100nmが好ましく、特に1000nm、850nmや650nmの光を用いることが本発明の光導波路フィルムには好適である。
また、本発明の光導波路フィルムは、できるだけ遠くまで光を導光させるため伝搬損失が低いことが重要である。光伝搬損失が低いことにより、遠方まで正確な光情報を伝達することができる。そのため、好ましくは、0.25dB/cm以下である。より好ましくは、0.1dB/cm以下である。さらに好ましくは、0.05dB/cm以下である。光散乱、吸収損失が少ないポリメチルメタクリレート、シクロオレフィンコポリマー、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂の選択、対称性の良いコア形状、コアサイズを形成し、コアとクラッド界面のコア表面の平均粗さを50nm以下、最大高さを100nm以下、製造プロセスを最適化することにより達成することができる。
本発明の光導波路フィルムを用いた光モジュールとしては、光I/Oが内蔵されたシステムのことである。なお、光モジュールとは、一般に光と電気を相互に変換する電子部品のことである。例えば、光を送信する側である面発光型半導体レーザー(VCSEL)− ポリマ光導波路である光導波路フィルム − 光を受信するフォトダイオードの基本構成を有したシステムのことである。より具体的には、例えば、本構成が、ルータ・サーバなどの装置間・ボード間接続の光バックプレーン、携帯電話のディスプレイ部とCPU間接続、ハイエンドのパーソナルコンピューターなどのプリント回路基板上のメモリ−CPU間接続、スイッチLSIのパッケージ、およびカーナビゲーションシステムなどの制御と駆動間接続に搭載されたシステムのことである。
本発明の光導波路フィルムの用途は、ディスプレイ部材、太陽電池部材、装飾部材、照明部材、情報通信部材などの用途に用いることができる。光導波路フィルムは、フィルム面直方向から光を照射すると、コア間隔に依存して異方拡散や回折現象などが発生するため、光が特定方向へ広がる。そのため、ディスプレイ部材であるLCDの異方拡散板や視野角制御フィルム、さらには偏光フィルムなどとして利用することもできる。また、面内に光を入れる光導波路として用いる場合は、導光板として利用することができる。さらに、本発明の光導波路フィルム表面にエンボス加工、高濃度粒子のコーティングなどをさらに加えることにより、より前記効果を奏する。特に、導光性能を利用する場合は、LCDバックライトのエッジライド型の導光板として用いることができる。レンズなどと組み合わせることにより、光を効率的に導波路内に採光できるため、光電変換を必要とする太陽電池部材として用いることもできる。例えば、コアとフレネルレンズを接合させ、太陽光を採取し、太陽電池セルまで光を光導波路フィルムで導くことができる。導波させる光源の色を赤、青、黄、緑色とすることで、看板などの意匠用途しても用いることができる。また、レーザー、ハロゲンランプ、白色LED、太陽光などの光を採光し、目的の位置まで光導波路フィルムで導波させて、照射することにより、照明部材として用いることもできる。特に光源からの熱や紫外線を嫌う美術品などの展示品への間接照明、車載内のルームランプなどとして利用することができる。特に、本発明の光導波路フィルムは、装置間通信や装置内通信などの短〜中・長距離用の光導波路に好適に用いることができる。
ゆえに、本発明の光導波路フィルムは、照明装置、通信装置、表示装置に用いられることが好ましい。また、コネクタ付きライトガイドとして用いられることも好ましい。コネクタ規格としては、マルチコアタイプの汎用性の観点から、MTコネクタ、MPOコネクタ、MPXコネクタ、PMTコネクタ、PT光コネクタなどを用いることが好ましい。
その他、本発明の光導波路フィルムは、イメージガイド、光センサシンシング部材として用いることができる。また、その光源としては、VCSEL、LDやLEDでも良い。
次に、本発明の光導波路フィルムの好ましい製造方法を以下に説明する。
2種類の熱可塑性樹脂AおよびBをペレットなどの形態で用意する。また、より損失を低くするためには、熱可塑性樹脂の重合系と製膜系を閉鎖系とすることが好ましい。この場合、ペレットである必要はかならずしもない。ペレットは、必要に応じて、事前乾燥を熱風中あるいは真空下で行った後、押出機に供給する。押出機内において、加熱溶融された熱可塑性樹脂は、ギヤポンプ等で熱可塑性樹脂の押出量を均一化され、フィルタ等を介して異物や変性した熱可塑性樹脂などを取り除く。
押出機には、単軸押出機と二軸押出機のどちらを用いても良い。本発明に用いる熱可塑性樹脂の屈折率を調整する手段として、2種以上の異なる屈折率の熱可塑性樹脂をナノレベルで相溶(アロイ)化することにより屈折率の調整を可能とする混練化技術がある。このような場合は、スクリュー構成が非常に重要である。例えば、アロイ化を行う際は、単軸スクリューでは、ダルメージタイプ、マドックスタイプが好ましく、二軸スクリューでは、パドルの組合せにより練りを強くしたスクリュー構成にすることが好ましい。一方、1台の押出機から1種の熱可塑性樹脂を押出す場合は、余り混練が強すぎると、光損失の原因となる異物が発生するため、フルフライトスクリューやダブルフライトを用いた単軸押出機が好ましい。そのスクリューのL/Dは、28以下であることが好ましく、より好ましくは、24以下である。また、スクリューの圧縮比は、3以下であることが好ましく、より好ましくは、2.5以下である。また、光損失の原因となる異物を除去する方法としては、真空ベント押出や濾過フィルタなどの公知の技術を用いることが効果的である。真空ベントの圧力は、差圧で1〜300mmHg程度が好ましい。また、濾過フィルタとしては、溶融押出中にFSS(Fiber Sintered Stereo)リーフディスクフィルタを用いることにより、高精度濾過することができる。異物の大きさや量などの発生状態、及び樹脂粘度による濾圧に依存したフィルタの濾過精度を適宜変更することが好ましいが、本発明においては10μm以下の濾過精度フィルタを用いることが好ましい。より好ましくは、5μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。また、その際の押出機先端の樹脂圧は、樹脂漏れを少なくする観点から、10MPa以下が好ましく、よりこの好ましくは、5MPa以下である。
これらの2台以上の押出機を用いて異なる流路から送り出された熱可塑性樹脂は、次にピノール一体型のフィードブロックに送り込まれる。本発明の好ましいピノール一体型のフィードブロックの一例を、図5に示す。図5は、ピノール一体型フィードブロックの平面図である。ピノール一体型フィードブロック11は、クラッド層となる樹脂Bを供給する側板12、13、次に、クラッド層となる樹脂Bの液溜部14、クラッド層となる樹脂Bの液溜部を併せ持つ樹脂A供給部15、スリット板16、クラッド層となる樹脂Bの液溜部を併せ持つ樹脂B供給部17、クラッド層となる樹脂Bの液溜部18からなり、これらを一体化せしめて使用する。図5、6のピノール一体型フィードブロックは、クラッド層となる樹脂Bの液溜部を併せ持つ樹脂A供給部15,クラッド層となる樹脂Bの液溜部を併せ持つ樹脂B供給部17に由来して2つの樹脂導入口20、およびクラッド層を形成するための樹脂導入口33を一つ有する。ここで、スリット板16に存在する複数のスリットに導入される樹脂の種類は、クラッド層となる樹脂Bの液溜部を併せ持つ樹脂A供給部15およびクラッド層となる樹脂Bの液溜部を併せ持つ樹脂B供給部17、それぞれの液溜部21の底面と各スリット板における各スリットの端部との位置関係により決定される。以下、その機構を説明する。
図7(a)はスリット部16を拡大したものである。スリット23aの形状を示すp−p’断面が同図の(b)であり、スリット23bの形状を示すq−q’断面が同図の(c)である。(b)および(c)に示すように各スリットの稜線26はスリット板の厚み方向に対して傾斜を有する。
図8では、ピノール一体型フィードブロックのうち、クラッド層となる樹脂Bの液溜部を併せ持つ樹脂A供給部15、スリット部16、クラッド層となる樹脂Bの液溜部を併せ持つ樹脂B供給部17を示している。そして、クラッド層となる樹脂Bの液溜部を併せ持つ樹脂A供給部15、クラッド層となる樹脂Bの液溜部を併せ持つ樹脂B供給部17、それぞれにおける液溜部の底面32および30の高さは、スリット部に存在する稜線29の上端部28と下端部27との間の高さに位置する。このことにより、前記稜線29が高い側からは液溜部32より樹脂が導入されるが(図8中、矢印31)、前記稜線29が低い側からはスリットが封鎖された状態となり樹脂は導入されない。
図示していないが、図8で注目したスリットに隣接したスリットでは、スリットの稜線が図8とは逆の角度に配置されており、クラッド層となる樹脂Bの液溜部を併せ持つ樹脂B供給部17からはスリット板16へ導入される。かくして各スリットごとに樹脂Aまたは樹脂Bが選択的に導入されるので、樹脂Bをクラッド形成材料とし、樹脂Aをコア形成材料および/またはコア間隔調整部とすると、複数のコアとクラッド壁が配列した構造を有する樹脂の流れがスリット板16中に形成され、当該部材16の下方の流出口22より流出することとなる。すなわち、図1中のコア3、クラッド壁2が配列した構造の元が形成される。一方、クラッド層は、クラッド層となる樹脂Bを供給する側板12の樹脂流入口33から導入された樹脂Bは、側板13で2方向の流路34に2分岐される。次いで、それぞれ、クラッド層となる樹脂Bの液溜部35に流入し、均一に拡幅されて、コアとクラッド壁が配列した構造を有する樹脂流れの表層部となるように合流し、流出口22より流出する。この合流のタイミングは、できるだけ早い方が好ましい。すなわち、スリットの先端(頂部)から合流点までの距離は、100mm以下が好ましい。より好ましくは、50mm以下である。
このようなピノール一体型フィードブロックを用いると、コアの個数はスリットの個数で容易に調整できる。また、コア径はスリットの形状(長さ、間隙)、流体の流量、幅方向の圧縮度合いにて容易に調整可能である。特に、コア幅の微細化には、図11(a)で示したようなスリット板のフィルム幅方向両端のスリット間隙を広くすることで対応することができる。あるいは、コアのスリットの間隙を狭くすることでも対応することができる。コア厚みに関しては、キャスト速度を調整することで達成できる。一方、コアの形状については、基本的には角型となるものであるが、樹脂Aと樹脂Bの粘度差を調整することにより、角型形状が流動過程で変形し、楕円となったり、円としたりすることが可能である。なお、好ましいスリットの個数としては、ひとつのスリット板に5個以上3000個以下である。5個より少ないと、コアの数が少なすぎるために、スケール的に効率が悪い。一方、3000個より多いと、流量むらの制御が困難となり、フィルム幅方向でのコア径の精度が不足するため、光の接続が困難となる。より好ましくは、50個以上1000個以下である。この範囲では、コア径を高精度に制御しつつ、非常に効率よい多チャンネルの光導波路を提供することが可能となる。なお、200個以上のコアを有する場合には、別個に2個以上のスリット板を有するフィードブロックを用いることが好ましい。これは、1つのスリット板のなかに400個以上(コアとして200個以上)スリットが存在すると、各スリットの流量を均一にすることが困難となるためである。
かくして得られた樹脂Aと樹脂Bの配列構造、さらに樹脂Bのクラッド層を有する流体は、流出口22に直結した図9に示すダイにて、幅方向の縮流はなく厚み方向の縮流のみを経て、本発明の態様を有する構造体を形成する。図9は、本発明に使用するダイの一例を示した断面図である。図9のダイでは、1個の流入口を有し、厚み方向の縮流部37の角度φの縮流を経て、ダイ吐出口となるダイリップ38からなる構成となっている。厚み方向の縮流部37の角度φは、余り大きいとコア幅、コア間隔ムラを誘発するため出来るだけ緩いテーパとなっていることが好ましい。好ましいφは、60度以下である。より好ましくは30度以下である。さらに好ましくは15度以下である。また、ポリマ流路の壁面は、コア幅、コア間隔ムラを抑制する観点から、表面粗さが0.8S以下、より好ましくは、0.2S以下の鏡面仕上げである。鏡面仕上げは、ニッケルやハードクロム鍍金処理や高精度研磨で達成することができる。
上記ピノール一体型フィードブロックとダイを用いることにより、ダイから吐出されたシートは、図1および図11(b)に示すような本願の好ましい態様である光導波路フィルムの構造を有するものとなる。
その後、0.2Sレベルの表面粗さのキャスティングドラム上に冷却固化されることによって、コアが長手方向に延在し、フィルム幅方向にコアが4個以上配列した光導波路フィルムが得られる。なお、ピノール一体型フィードブロック内のポリマ流路の断面形状は、均一な幅方向積層とする観点から、角型が好ましく、特にアスペクト比(流路断面のフィルム幅方向の長さ/厚み方向の長さ)が4以上であることが好ましい。より好ましくは、15以上である。また、得られるフィルムの平面性を保つために、冷却固化の際は、ワイヤー状、テープ状、針状あるいはナイフ状等の電極を用いて、静電気力によりキャスティングドラム等の冷却体に密着させる静電印加法を用いることが好ましい。静電印加法とは、タングステンなどのワイヤーに3〜10kV程度の電圧をかけることにより、電界を発生させて、溶融状態のシートをキャスティングドラムに静電密着させて、冷却固化されたシート得る方法のことである。その他、スリット状、スポット状、面状の装置からエアーを吹き出してキャスティングドラム等の冷却体に密着させる方法、公知の表面粗さが0.4〜0.2SレベルのHCrメッキのタッチロールなどにより、カレンダリングキャストしても良い。かくして得られた吐出シートは、キャスティングドラムやカレンダリングロール等にて、冷却固化される。ダイからの吐出の際、ネックダウン現象によって、コア間隔が変動することがあるため、図10に示すようにダイリップ端部にエッジガイド39を設けることが好ましい。エッジガイドの樹脂との接触面の材質は、鏡面仕上げされたSUS、銅、真鍮などのいかなる金属でも良い。また、フッ素加工を接液面となる表面に施すことも好ましい。より好ましくは、耐熱性、摺動性、離型性を兼ね備えたテフロン(登録商標)が好ましい。特に好ましくは、ニッケルメッキ中にフッ素樹脂の皮膜を形成したものが、自己潤滑性、摺動性向上および適度な離型性により、目やになど発生することなく、フィルムエッジが安定したキャストが実現するため、高いコア間隔精度を達成することができる。但し、クラッドがフッ素樹脂からなる場合は、この限りではない。また、エッジガイドは、目やに発生防止と高いコア間隔精度を達成する観点から、ヒータ機能を兼ね備えたものを用いることが好ましい。エッジガイドとは、ダイから吐出された樹脂フィルムの端部を拘束するべく、図9に示すようにダイリップ38と冷却体41の間に設けられたものであり、エッジガイドと樹脂がわずかに接触することにより、表面張力にてネックダウン現象が抑制される。こうすることにより、ダイから吐出された樹脂フィルムは、吐出量と引き取り速度の関係によって、厚み方向には薄膜化されるものの、幅方向寸法は殆ど変化しなくなるため、コア幅、コア間隔の幅方向の位置精度が向上する。
一方、ダイの外でコア幅を微細化する場合は、エッジガイド39を設けることなく、図12に示したように光導波路フィルムのダイリップから冷却媒体41の着地点までの距離であるLD間距離46が、ダイのリップ幅の3倍以上となるように設定し、ネックダウンをともなった一軸伸長を行い冷却媒体で冷却固化を行う。ここでの着地点とは、キャストドラム上に光導波路フィルが接地している着地線のうち、幅方向中央部の位置である。コア幅を50μm未満の微細化する観点からは、LD間距離は、ダイのリップ幅の3倍以上、より好ましくは5倍以上とすることである。次いで、冷却ロール43を得て、延伸ロール44へ導かれる。
得られた本発明の光導波路フィルム40は、必要に応じて延伸、熱処理等を行い、ワインダーにて巻きとられる。延伸および熱処理は、コアとクラッドの界面のコア表面の粗さを低減させる観点から好ましい。延伸温度は、コアとクラッドの熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg)の温度以上、融点以下であることが好ましい。延伸倍率は、フィルム幅方向でコアの複屈折が発生させずに耐屈曲性を付与する観点から、1.05倍以上3倍以下が好ましい。より好ましくは、1.1倍以上2倍以下である。延伸方式は、公知のロール間延伸方式が好ましいが、ネックダウンを抑制する観点からゾーン延伸を採用することが好ましい。ゾーン延伸とは、適度な距離をとったロール間に配置された近赤外線ヒータ45を用いてフィルム幅方向に一様に局所加熱を行い、ネックダウンを殆ど発生させない延伸方式のことである。一方、延伸によりコア幅およびコア間隔の微細化を行う場合は、延伸区間をフィルム幅の3倍以上とり、延伸倍率を2倍以上とすることにより厚みと幅方向に等縮尺で微細化される。等縮尺で微細化されるためには、延伸温度が、コアのガラス転移点以上であり、コアのガラス転移点>クラッドのガラス転移点の関係を満たしていることが好ましい。より好ましくは、延伸温度>コアのガラス転移点>クラッドの融点の関係を満たしていることである。コアおよびクラッドとも一軸伸長的に伸ばされるためである。
一方、熱処理は、通常のノズルによる吹き付けオーブンを通過することで達成することができる。熱処理温度は、コアの軟化点以上で実施することが、コア表面の粗さを低減させる観点から好ましい。また、熱寸法安定性を付与する観点から、フィルム長手方向に5%以下の弛緩処理を施すことも好ましい。より好ましくは2%以下である。
また、次いで、本発明の光導波路フィルムを保護するためのジャケットを被覆することも好ましい。ジャケット特性として、難燃性と柔軟性が求められるため、ナイロン、ポリエチレン、塩化ビニルが好ましい。また、ジャケットには、外光がコアへ侵入するのを遮断する観点から、カーボンブラックなどの色素顔料が含まれていることが好ましい。
本発明に使用した物性値の評価法を記載する。
(物性値の評価法)
(1)光導波路フィルムの断面構造の観察
フィルムの断面構造は、カッターで切り出した断面(幅方向−厚み方向断面)に対して研磨による前処理を行った後に、光学顕微鏡を用いて断面観察を行った。研磨方法は、切り出したサンプルをシート用の特別な冶具を用いて固定して日新化成社製のポリシング装置NAP-240VRを用いて研磨を行った。研磨条件は、研磨紙#800〜#10000、研磨液:水。
次いで、Leica社製光学顕微鏡DMLMを用いて、フィルムの厚み方向−幅方向断面全てについて撮影した。撮影条件は、鮮明な画像が得られるように透過/反射モード、対物レンズ:×10〜×100、焦点距離を適宜調整し、観察倍率は、厚み方向全てが視野に入るように適宜調整した。この撮影により、コア数、クラッド壁数を測定した。撮影した画像は、付属のソフトAxioVision3.0で画像データとしてコンピュータへ保存した。
なお、コア径、凹凸差、コア幅、コア厚みなどの各種距離の測定には、保存した画像データを用いて、画像処理ソフト Image-Pro Plus ver.4(販売元 プラネトロン(株))により測長を行った。測長はスケーリングを行った後に、各種距離の定義に従ってマニュアル測定モードで測長した。測長箇所は、フィルム幅方向中央部のコアとした。
(2)コア幅のムラ、コア間隔のムラ、コアの偏心率
得られたサンプルのフィルム幅方向の全てのコアについて、評価方法(1)項の手順にしたがって、コア幅を測長した。ここでのコア幅とは、図3(a)に示すようにフィルム幅方向に並ぶ2本の平行線とコアが接する間隔を示す。コア幅のムラは、フィルム幅方向全てのコア幅の最大と最小の差をフィルム幅方向中央部のコア幅で割り、100を乗じた値として求めた。
一方、コア間隔については、評価方法(1)項により得られたフィルム幅方向すべてのコア画像から以下手順で評価した。まず、必要であれば、画像処理を行った。画像処理は、コアの形状を鮮明にするために行うものであり、ソフト付属の2値化およびローパスフィルタ処理などである。
続いて、画像解析にて、平行シックプロファイルモードで、フィルム厚み方向の2本の平行ライン間に全てのコアが挟まれるよう配置し、位置とライン間の平均明るさとの関係を、数値データとして読み取った。表計算ソフト(Excel2000)を用いて、位置(μm)と明るさのデータに対してサンプリングステップ6(間引き6)でデータ採用した後に、3点移動平均の数値処理を施した。さらに、フィルム幅方向の長さに対して得られた明るさが変化するデータを微分し、VBAプログラムにより、その微分曲線の極大値と極小値を読み込み、コアの両端部に位置する極値2つの中点をコア中心位置として全てについて算出した。次いで、隣り合うこれらの間隔を図3(b)に示したコア間隔7として算出した。この操作を光導波路フィルムのフィルム厚み方向−幅方向断面すべての写真について行い、コア間隔のムラを求めた。
コア間隔のムラ(Vl)は、下記の式(2)のように定義する。
Vl=(Lmax−Lmin)/Lave×100(%) 式(2)
Vl:コア間隔のムラ
Lmax:最大コア間隔
Lmin:最小コア間隔
Lave :コア間隔の平均値
なお、コア間隔のムラは、光導波路フィルムのフィルム幅方向両端部のコア間隔調整部などは対象外とした。
さらに、フィルム幅方向すべてのコア画像から、付属の画像処理ソフト Image-Pro Plus ver.4(販売元 プラネトロン(株))を用いてコアの偏心率を求めた。全てのコアに対する偏心率の平均値を求めた。
(3)コア表面の平均粗さRa、最大高さRmax
フィルム幅方向中央部から幅方向2cm×長手方向6cmサイズでサンプルを切り出し、さらに、クラッド層に切れ込みを入れてコア部のみを光導波路フィルムから取り出した。サンプル長4cm。このサンプルをテープでSiウエハ上に固定した。次いで、装置:走査型共焦点(コンフォーカル)レーザー顕微鏡(オリンパス社製ols3000)を用いて 、5〜100xの対物レンズでクラッド層に隣接していたサンプル表面を観察し、長手方向の走査範囲100μmにおける表面粗さRa、Rmaxを装置付属のソフト(ver.5)で解析した。測定回数は、3回としてその平均を採用した。但し、コア表面の観測面は、切れ込みの反対側を用いた。
(4)結晶粒サイズ
結晶粒サイズは、理学電機(株)製薄膜X線回折装置RAD-Cを用いて測定した。X線源の測定条件は、線源CuKα、電圧40kV、電流30mA、走査範囲(2θ) 5〜55°、走査速度2°/min、X線入射は、through viewとした。
スペクトル解析は、本測定により確認される2θ=10〜30°までに観測されるメインピークを用いた。結晶粒サイズは、メインピークである20°近辺に現れる(110)面から式(3)のシェラーの式を用いて求めた。なお、表1中の「−」の記載は、回折ピークが存在しなかったことを意味する。実施例19と20と21については、ナイロン6ではなく、エチレン−プロピレン共重合体について、結晶粒サイズを求めた。
結晶粒サイズ=0.9*λ/(B*cosθ) 式(3)
(但し、B:半値幅,λ:1.5406オングストローム)
(5)屈折率
樹脂の屈折率は、JIS K7142(1996)A法に従って測定した。なお、本発明における樹脂の屈折率は、光導波路フィルムを構成する各樹脂単体について測定した。この値を用いて、NA値を算出した。測定用のサンプルは、各樹脂を乾燥後、溶融プレスすることでシートを得た。
(6)融解エンタルピーΔH、結晶融解温度Tm
光導波路フィルムからクラッド部を切り出し、サンプルを電子天秤で5mg計量し、アルミパッキンで挟み込みセイコーインスツルメント社(株)製SSC/5200熱示差走査計を用いて、JIS−K−7121および7122(1987年)に従って測定及び算出を行った。まず、はじめに1st Runで、25℃から300℃まで20℃/min.で昇温した後、25℃まで急冷した。引き続き、2nd Runでは、25℃から300℃まで20℃/min.で昇温した。樹脂の融解エンタルピーΔH、結晶融解温度Tmは2nd Runにおける融解ピークを解析して求めた。なお、表1中の「−」の記載は、融解ピークが存在しなかったことを意味する。
装置:セイコー電子工業(株)製”ロボットDSC−RDC220”
データ解析”ディスクセッションSSC/5200”
(7)伝搬損失
25℃、65%RHの環境下で、JIS C6823(1999)カットバック法(IEC60793−C1A)に準じて行った。サンプルは、試験長10cm、9cm、8cm、7cmと準備し、各サンプルの挿入損失を測定した。光源には、波長850nmのLED(アンリツ製0901A)を用い、モードスクランブラを介してサンプルに光入力を行った。光ファイバーは、入力側φ50μmのマルチモードファイバ型GI(NA0.21)、検出側コア径0.2mmのSIタイプ(NA0.22)を用いた。サンプルのコア径が40μm未満のサンプルについては、入力側をφ10μmのシングルモードファイバーを利用した。なお、光の入出力には、調芯器を用いて光軸合わせを行った。また、検出器には、光パワーセンサ(アンリツ社製MA9421A)を用いた。伝搬損失は、長さに対する挿入損失をプロットし、最小二乗法により決定した。すなわち、得られた直線式の傾きを伝播損失とした。また、最小二乗の際、寄与率Rが0.99以上のときのみ伝播損失として採用した。0.99以下の場合は、再調芯、再サンプル調整などの再測定を繰り返すことによって、0.99以上の値を得た。測定に用いたコアは、フィルム幅方向中央部のコアとした。なお、サンプルの光入出部端面は、損失測定前に鏡面研磨、および超音波水洗浄の前処理を行った。前処理方法は、評価方法の(1)項に準ずる。以下の評価において、光損失測定を行うサンプルについては、同様の前処理を行った。
(8)剥離試験
JIS K5600(2002年)に従って試験を行った。なお、フィルムを硬い素地とみなし、2mm間隔で25個の格子状パターンを切り込んだ。また、約75mmの長さに切ったテープを格子の部分に接着し、テープを60°に近い角度で0.5〜1.0秒の時間で引き剥がした。ここで、テープにはセキスイ製セロテープ(登録商標)No.252(幅18mm)を用いた。評価の基準を下記する。
◎:格子部も1つも剥がれなかった場合。
○:格子部はいくつか剥がれたが、格子以外の箇所は剥がれなかった場合。
×:格子部以外も剥がれた場合。
(9)符号誤り率評価
25℃、65%RHの環境下で計測を行った。パルスパターンジェネレーター(アンリツ社製 MP1800A)にて発生するパスルパターンを電気―光変換器(New Focus社製1780 E/O 850nm VICSEL Type)を用いて光信号に変換後、フィルム長手方向に20cm切り出した光導波路フィルムに光入力を行った。光ファイバーは入力側、出力側ともにGI型のφ50μmマルチモードタイプ(NA0.21)を用いた。なお、光の入出力には、調芯器を用いて光軸合わせを行った。検出した光は光―電気変換器(New Focus社製1580―B O/E 850nm)を用いて電気信号に変換後、エラーディテクター(アンリツ社製MP1800A)にて検出した。
なお、符号誤り率の評価は10GHzの信号を入力したときのエラーレートを検出し、以下の基準で判断した。また、測定に用いたコアはフィルム幅方向中央部のコアとした。
◎:1×10―15未満
○:1×10―15以上 1×10―12未満
△:1×10―12以上 1×10―9未満
×:1×10―9以上。
(10)溶融粘度差
コアとなる熱可塑性樹脂Aおよびクラッドとなる熱可塑性樹脂Bともに、オーブンにて90℃で4時間以上乾燥し、前処理を行った。測定条件は以下の通りである。
装置 :島津製作所(株)島津フローテスタCFT-500形A
試料 :約数g
溶融温度 :表1記載の押出温度
荷重 :100,150,200kgf(サンプルセットを始めて5分後に荷重スタート)
試験回数 :3
ダイス :φ1mm、L=10mm
データは、試験回数3回の平均を採用した。また、熱可塑性樹脂A、Bとも剪断速度100S^(―1)の値を採取し、その差の絶対値を融粘度差(poise)とした。なお、100での値が読みとれないときは、線形近似を行い直線の数式から値を読み取った。
(11)高温高湿試験
サンプルの試験長は、長さ方向に10cmとした。サンプル端面の前処理を行い、幅方向の中央部のコアについて、高温高湿試験前に光損失測定を行った。測定方法は、評価項目(7)に準ずる。次いで、温度70℃、湿度90%の恒温恒湿槽(タバイ社製 labostar humidity cabinet LHU-112)の環境下で、1000時間放置した後に、同じコアについて光損失測定を行った。試験前後の損失差を損失変化量として、以下の基準で評価した。試験方法の詳細は、JPCA−PE02−05−01S(2008)6.1の記載に従った。
○:損失変化量が0.5dB未満
△:損失変化量が0.5dB以上2dB未満
×:損失変化量が2dB以上。
(12)長期耐熱試験
サンプルの試験長は、長さ方向に10cmとした。サンプル端面の前処理を行い、幅方向の中央部のコアについて、耐熱試験前に光損失測定を行った。測定方法は、評価項目(7)に準ずる。次いで、温度85℃のギアオーブン(TABAI社製GHPS-222)の環境下で、1000時間放置した後に、同じコアについて光損失測定を行った。試験前後の損失差を損失変化量として、以下の基準で評価した。
○:損失変化量が0.5dB未満
△:損失変化量が0.5dB以上2dB未満
×:損失変化量が2dB以上。
(13)繰り返し曲げ試験
サンプルの試験長は、長さ方向に10cmとし、サンプル幅は10mmとした。サンプル端面の前処理を行い、幅方向の中央部のコアについて、耐熱試験前に光損失測定を行った。測定方法は、評価項目(7)に準ずる。次いで、曲げ半径R=5mm、屈曲角度135度、1000回の繰り返し曲げ試験後に、同じコアについて光損失測定を行った。試験前後の損失差を損失変化量として、以下の基準で評価した。試験方法の詳細は、JPCA−PE02−05−01S(2008)6.1の記載に従った。
○:損失変化量が0.5dB未満
△:損失変化量が0.5dB以上2dB未満
×:損失変化量が2dB以上。

相溶化剤として以下のものを準備した。
相溶化剤:三洋化成工業社製
無水カルボン酸変性ポリオレフィン ユーメックス1010
ユーメックス2000
表1中の相溶化剤における「−」の記載は、無添加であることを意味する。
(実施例1)
コアとなる熱可塑性樹脂Aにガラス転移点100℃のポリメチルメタクリレート(PMMA)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bにガラス転移点−35℃のフッ化ビニリデン(VDF)成分80mol%、テトラフルオロエチレン(TFE)成分20mol%の共重合フッ素ポリマを準備し、温度90℃で8時間以上の乾燥を行った。
次に、3ベントを有するベント式押出機1に樹脂Aを、ベント式押出機2に樹脂Bを供給し、ベント式押出機3に樹脂Bを供給し、それぞれの押出機にて240℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよび2μカットの高精度フィルタを介した後、図5〜8のごときピノール一体型フィードブロックに樹脂Aと樹脂Bを流入させた。なお、ベントは、差圧で200mmHgで異物を吸引。この際、ピノール一体型フィードブロックにて、樹脂Aがスリット板の両端になるように熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bを交互に幅方向に積層せしめて301層の積層体、さらに、押出機3からの供給された樹脂Bからなるクラッド層1が表層となるように該積層流に合流し、図9のごときダイへ導いた。この際、ピノール一体型フィードブロックからダイまでのポリマ流路形状のフィルム幅方向の寸法変化はなく、ダイ内部で厚み方向の縮流のみ行われ、ダイリップからシート状に吐出された。この厚み方向の縮流部37のテーパ角φは、15度とした。また、ピノール一体型フィードブロックからダイリップまでのポリマ流路壁面の表面粗さは、0.5Sとした。スリット先端からクラッド層1が合流するまでの距離は、50mmとした。
両端部の熱可塑性樹脂Aは、コア間隔調整部とし、図11の(a)(β)スリット板のごとき、端から段階的にコア幅が狭くなり、目的となるコア幅が得られるように設計した。コア間隔調整部の流量は、コア1つの流量に対して、端から20倍、15倍、10倍、5倍、2倍の設計とした。ダイから吐出されたシートは、接液面がテフロン(登録商標)加工された表面粗さ0.8Sの銅製のエッジガイドにて端部を拘束されながら、電圧7KVのSI(静電印加)法によりキャストドラム上に密着し、25℃で急冷固化した。次いで、コア間隔調整部をトリミングした後に縦延伸機へ導かれ、ロール間に配置された近赤外線ヒータの局所加熱により150℃の延伸温度で延伸倍率1.3となるようゾーン延伸を施され、オーブンにて170℃の熱処理温度で弛緩処理を施されて、ワインダーにて巻き取られた。得られた光導波路フィルムは、冷却媒体の回転速度を変更することで調整し、100μmの厚みを得た。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。なお、凹凸差は、5μmであった。
(実施例2)
コアとなる熱可塑性樹脂Aにガラス転移点100℃のポリメチルメタクリレート(PMMA)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bにガラス転移点―35℃のポリフッ化ビニリデン(PVDF)を準備し、温度90℃で8時間以上の乾燥を行った。
両端部の熱可塑性樹脂Aは、コア間隔調整部とし、図11の(a)(α)スリット板のごとき、両端部のコア間隔調整部の流量は、コア1つの流量に対して、50倍の設計とした。
表1に示す変更内容以外は、実施例1と同様にして、25℃のキャスティングドラム上で冷却固化した光導波路フィルムを得た。なお、延伸および熱処理は行わなかった。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。なお、凹凸差は、10μmであった。
(実施例3)
コアとなる熱可塑性樹脂Aにポリメチルメタクリレート(PMMA)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bにガラス転移点89℃の非晶性のフルオロアルキルメタクリレート重合体を準備し、温度90℃で8時間以上の乾燥を行った。
以下、表1に示す変更内容以外は、実施例1と同様にして、25℃のキャスティングドラム上で冷却固化した後、延伸、熱処理を施した光導波路フィルムを得た。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。なお、凹凸差は、10μmであった。
(実施例4)
コアとなる熱可塑性樹脂Aにガラス転移点100℃のポリメチルメタクリレート(PMMA)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bにガラス転移点が25℃以下であるフッ化ビニリデン(VDF)成分80mol%、テトラフルオロエチレン(TFE)成分15mol%、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)成分5mol%の共重合フッ素ポリマを準備し、温度90℃で8時間以上の乾燥を行った。
以下、表1に示す変更内容以外は、実施例2と同様にして、光導波路フィルムを得た。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。なお、凹凸差は、9μmであった
(実施例5)
コアとなる熱可塑性樹脂Aにガラス転移点79℃のヘキサメチレンジメタノール成分が30mol%のポリエチレンテレフタレート共重合体(PET/G)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bに1重量%ユーメックス1010を添加したガラス転移点−20℃のエチレン成分が4mol%のエチレンプロピレン共重合体(EPC)を準備し、温度90℃で8時間以上の乾燥を行った。
以下、表1に示す押出温度280℃に変更し、コア間隔調整部の数を変更する以外は、実施例2と同様にして、光導波路フィルムを得た。両端部から4個目までの熱可塑性樹脂Aはコア間隔調整部とし働き、4:3:2:1の流量比で端から吐出されることにより、コア形状の変化を抑制しながら、コア幅を調整した。具体的には、図11(a)(β)のごときスリット板を用いて、コア間隔調整部の流量は、コア1つの流量に対して、端から20倍、15倍、10倍、5倍の設計とした。但し、キャスト時に静電印加は行わなかった。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。なお、凹凸差は、6μmであった。
また、該コアにYAGレーザーを照射して、45度ミラーを作製した。YAGレーザーは、スペクトラフィジックス社の発振器HIPPOを用いた。条件を下記する。なお、熱による異物の発生を抑制するために、パルス波を細切れに照射することによりコアに45度の傾斜面を作製した。得られた傾斜面には異物もなく、また、傾斜面の反対側から波長650nmの赤LED光を端面から入射すると導波路内に光が伝搬し、傾斜面から面直方向へ光が出射することを確認した。
出力 : 0.36W MASK : □1mm
波長 : 266nm 縮小率 :1/14.7
周波数 : 50kHz アシストガス: He 20l/min
(実施例6)
相溶化剤を添加しないこと以外は、表1に示す変更内容以外は、実施例5と同様にして、光導波路フィルムを得た。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。なお、凹凸差は、3μmであった。
(実施例7)
コアとなる熱可塑性樹脂Aにガラス転移点79℃のヘキサメチレンジメタノール成分が30mol%のポリエチレンテレフタレート共重合体(PET/G)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bにガラス転移点80℃のスピログリコール成分が21mol%、ヘキサメチレンジカルボン酸成分が29mol%のポリエチレンテレフタレート共重合体(SPG共重合PET)を準備し、温度90℃で8時間以上の乾燥を行った。
以下、表1に示す変更内容以外は、実施例6と同様にして、光導波路フィルムを得た。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。なお、凹凸差は、2μmであった。
(実施例8)
クラッドとなる熱可塑性樹脂Bに1重量%ユーメックス2000を添加したガラス転移点135℃のシクロオレフィンコポリマー(COC:トパス5013ポリプラスチック製)を準備すること以外は、表1に示す変更内容以外は、実施例5と同様にして、25℃のキャスティングドラム上で急冷固化した。次いで、縦延伸機へ導かれ、ロール間に配置された近赤外線ヒータの局所加熱により170℃の延伸温度で延伸倍率1.2となるようゾーン延伸を施され、オーブンにて170℃の熱処理温度で弛緩処理を施されて、ワインダーにて巻き取られた。光導波路フィルムを得た。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。なお、凹凸差は、4μmであった。
(実施例9)
クラッドとなる熱可塑性樹脂Bにガラス転移点が−20℃のエチレン成分が4mol%のエチレンプロピレン共重合体(EPC)を用い、表1に示す変更内容以外は、実施例8と同様にして、光導波路フィルムを得た。但し、キャスト時に静電印加は行わなかった。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。なお、凹凸差は、7μmであった。
(実施例10)
クラッドとなる熱可塑性樹脂Bにガラス転移点が25℃以下の低密度ポリエチレン(LDPE)を用い、延伸・熱処理を行わないこと以外は、実施例8と同様にして、光導波路フィルムを得た。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。なお、凹凸差は、7μmであった。
(実施例11)
コアとなる熱可塑性樹脂Aにガラス転移点150℃のポリカーボネート(PC)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bにポリプロピレン(PP)を準備し、温度90℃で8時間以上の乾燥を行った。
表1に記載の条件の変更以外は、実施例10と同様にして、光導波路フィルムを得た。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。なお、凹凸差は、8μmであった。
(実施例12)
クラッドとなる熱可塑性樹脂Bに1重量%ユーメックス1010を添加したポリプロピレン(PP)を用いる以外は、実施例11と同様にして、光導波路フィルムを得た。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。なお、凹凸差は、8μmであった。
(実施例13〜15)
表1に記載の条件の変更以外は、実施例9と同様にして、光導波路フィルムを得た。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。
(実施例16)
コアとなる熱可塑性樹脂Aにガラス転移点100℃のポリスチレン(PS)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bにガラス転移点93℃のメタクリレート・ブタジエン・スチレン共重合体(MBS:TH−11電気化学工業製)を準備し、温度90℃で8時間以上の乾燥を行った。表1に記載の条件の変更以外は、実施例10と同様にして、光導波路フィルムを得た。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。なお、凹凸差は、5μmであった。
(実施例17)
コアとなる熱可塑性樹脂Aにガラス転移点100℃のポリスチレン(PS)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bにガラス転移点103℃のスチレン・ブタジエンブロック共重合体(SBC:210M電気化学工業製)を準備し、温度90℃で8時間以上の乾燥を行った。表1に記載の条件の変更以外は、実施例10と同様にして、光導波路フィルムを得た。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。なお、凹凸差は、5μmであった。
(実施例18)
コアとなる熱可塑性樹脂Aにガラス転移点135℃のシクロオレフィンコポリマー(COC:トパス5013ポリプラスチック製)、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bにガラス転移点−20℃のエチレン成分が4mol%のエチレンプロピレン共重合体(EPC)を準備し、温度90℃で8時間以上の乾燥を行った。
次に、3ベントを有するベント式押出機1に樹脂Aを、ベント式押出機2に樹脂Bを供給し、ベント式押出機3に樹脂Bを供給し、それぞれの押出機にて280℃の溶融状態とし、ギヤポンプおよび2μカットの高精度フィルタを介した後、図5〜8に示すようなピノール一体型フィードブロックに樹脂Aと樹脂Bを流入させた。なお、ベントは、差圧で200mmHgで異物を吸引した。この際、ピノール一体型フィードブロックにて、樹脂Aがスリット板の両端になるように熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bを交互に幅方向に積層せしめて301層の積層体、さらに、押出機3からの供給された樹脂Bからなるクラッド層1が表層となるように該積層流に合流し、図9のごときダイへ導いた。この際、ピノール一体型フィードブロックからダイまでのポリマ流路形状のフィルム幅方向の寸法変化はなく、ダイ内部で厚み方向の縮流のみ行われ、ダイリップからシート状に吐出された。この厚み方向の縮流部37のテーパ角φは、15度とした。また、ピノール一体型フィードブロックからダイリップまでのポリマ流路壁面の表面粗さは、0.5Sとした。スリット先端からクラッド層1が合流するまでの距離は、50mmとした。
両端部の熱可塑性樹脂Aは、コア間隔調整部とし、図11の(a)(β)スリット板のごとき、端から段階的にコア幅が狭くなり、コア間隔調整部の流量は、コア1つの流量に対して、端から20倍、15倍、10倍、5倍、2倍の設計とした。 ダイから吐出されたシートは、ダイのリップ幅の6倍のLD(リップ−ドラム)間距離で、図12に示すような電圧7KVのSI(静電印加)法によりキャストドラム上に密着し、25℃で急冷固化した。ドラフト比は30。次いで、フィルム幅の5倍のロール間距離でロール間に配置された近赤外線ヒータの局所加熱により150℃の延伸温度で延伸倍率3.3となるよう延伸を施され、オーブンにて170℃の熱処理温度で弛緩処理を施されて、ワインダーにて巻き取られた。得られた光導波路フィルムは、冷却媒体の回転速度を変更することで調整し、60μmの厚みを得た。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。なお、凹凸差は、3μmであった。従来にない非常に狭いコア間隔、およびフィルム幅方向に均一に四角形を有する光導波路フィルムを得ることができた。
(実施例19)
ユーメックス1010を2重量部、ガラス転移点35℃、融点225℃のナイロン6を10重量部、ガラス転移点−20℃のエチレン成分が4mol%のエチレンプロピレン共重合体(EPC)を90重量部として、ドライブレンドし、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bとした。実施例18と同様にして、光導波路フィルムを得た。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。なお、凹凸差は、8μmであった。
(実施例20)
コアとなる熱可塑性樹脂Aにガラス転移点150℃のポリカーボネート(PC)を用い、表1に示した内容以外は、実施例19と同様にして、25℃のキャスティングドラム上で冷却固化した。ドラフト比は30。次いで実施例19と同様な方式で、延伸温度185℃で延伸し、次いで185℃の温度で熱処理を施した後に、光導波路フィルムを得た。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。なお、凹凸差は、10μmであった。
(実施例21)
実施例19と同様のコアとクラッド樹脂を用いて、表1に記載の内容に変更した以外は、実施例9と同様にしてダイからシート状に吐出し、エッジガイドを用いずに25℃のキャスティングドラム上で冷却固化した。ダイから吐出されたシートは、ダイのリップ幅の3倍のLD間で、図12のごとき、溶融状態から延伸しながら、電圧7KVのSI(静電印加)法によりキャストドラム上に密着し、25℃で急冷固化した。ドラフト比は20である。次いで、ロール間に配置された近赤外線ヒータの局所加熱により150℃の延伸温度で延伸倍率2.2となるよう延伸を施され、オーブンにて170℃の熱処理温度で弛緩処理を施されて、ワインダーにて巻き取られた。得られた光導波路フィルムは、冷却媒体の回転速度を変更することで調整し、100μmの厚みを得た。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。なお、凹凸差は、3μmであった。従来にない非常に狭いコア間隔、およびフィルム幅方向に均一に四角形を有する光導波路フィルムを得ることができた。
(比較例1)
厚み16μmのPETフィルム(東レ製:タイプFB50)上にメタバーを用いて、厚み20μmとなるように下部クラッド層(電気化学工業製OP−1120LN)を形成し、紫外線露光により光硬化させた。次いで、コア層50μmをラミネートし、その上からパターン長さ10cmのLine/Space=50μm/100μmのフォトマスクを介して、紫外線露光を行った。次いで、現像を行った。評価方法(3)に従ってコア表面の粗さを測定した。コア層は、2官能アクリレートであるビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート(BPFE−A)とビスフェノールアクリレートを光重合化合物とし、モノマー成分として、ビスフェノールA共重合体、重合開始剤としては、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノンと5 2,2−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールを用いた。次いで、洗浄後、下部クラッド層と同様の厚み20μmに調整した上部クラッド層をラミネートし、紫外線露光および90℃の熱処理施し、光導波路フィルムを得た。得られた光導波路フィルムの製造条件・構造および評価結果を表1に示す。
(比較例2)
熱可塑性樹脂Aにポリエチレンテレフタレートを用い、熱可塑性樹脂Bにイソフタレート成分が10mol共重合したポリシクロヘキシレンジメチルレンテレフタレートを用いた。熱可塑性樹脂AおよびBは、共に無粒子であり、それぞれの二軸ベント式押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後(濾過精度5μm)、ギヤポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=5/1になるように計量しながら、公知の3層ピノール(合流器)にて合流させて、厚み方向に交互にB/A/Bの順で積層された3層積層体とした。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸シートである光デバイス基材を得た。なお、このときのドラフト比は8であり、得られたシート厚みは、75μmであった。層の構成を表1に示す。
次いで、200Hz、加工エネルギー1J/cmのエキシマレーザを用いて、深さ63μm×巾50μm×長さ10cmの溝を50μm間隔で2本形成し、凹凸凹の形状を形成した。(凸の巾50μm)、この際、コアとなる凸部の壁面の表面粗さを測定した。次いで、ポリエステル系低分子量化合物を酢酸エチルに溶解させ、それらをその溝に流し込み、100℃未満の温度で乾燥することにより、クラッド壁を得た。よって、長さ10cmの埋込型光導波路を得た。層の構成および得られた光導波路フィルムの結果を表1に示す。
Figure 2009237544
Figure 2009237544
本発明は、通信、照明、意匠、ライトガイド用途へ適用できる。通信用途では、特に装置間光通信やチップ間・ボード間の装置内光通信などの短〜中・長距離用の光導波路に好適に用いることができる。具体的には、フラットパネルディスプレイ、スーパーコンピュータ、ルータ・サーバ、携帯電話、ゲーム機、複写機、車載内、家庭内光通信用途などに利用することができる。照明用途では、LCDバックライトの導光板および異方拡散板、美術館などの展示品への間接照明、ルームランプなどの車載内照明として利用できる。意匠用途では、看板、イルミネーションとして用いることができる。ライトガイドとしては、内視鏡などのイメージガイド、および検査機などのセンサーとして利用できる。
1: クラッド層
2: クラッド壁
3: コア
4: コア間隔調整部
5: コア幅
6: コア厚み
7: コア間隔
8: 尾根
9: 谷
10: 凹凸差
11: ピノール一体型フィードブロック
12: クラッド層となる樹脂Bを供給する側板
13: クラッド層となる樹脂Bを供給する側板
14: クラッド層1となる樹脂Bの液溜部
15: クラッド層1となる樹脂Bの液溜部を併せ持つ樹脂A供給部
16: スリット板
17: クラッド層1となる樹脂Bの液溜部を併せ持つ樹脂B供給部
18: クラッド層1となる樹脂Bの液溜部
19: 側板
20: 樹脂流入口
21: 液溜部
22: 流出口
23a、23b: スリット
24: 各スリットの頂部の稜線の下端部
25: 各スリットの頂部の稜線の上端部
26: スリット稜線
27: 下端部
28: 上端部
29: スリット稜線
30: 液溜部
31: 流体流れ方向
32: 液溜部
33: 樹脂流入口
34: 流路
35: 液溜部
36: ダイの一例
37: 厚み方向の縮流部
38: ダイリップ
39: エッジガイド
40: 光導波路フィルム
41: 冷却媒体
42: 樹脂Aと樹脂Bの流れ方向の境界線
43: 冷却ロール
44: 延伸ロール
45: 近赤外線ヒータ
46: LD間距離

Claims (15)

  1. 断面形状として、クラッドとなる熱可塑性樹脂Bに周りを囲まれた熱可塑性樹脂Aからなるコアが、フィルム長手方向に延在しながらフィルム幅方向に4個以上配列した構造である光導波路フィルムであって、コアとクラッド間の境界面のコア表面の平均粗さRaが100nm以下である光導波路フィルム。
  2. コアとクラッド間の境界面のコア表面の最大高さRmaxが200nm以下である請求項1に記載の光導波路フィルム。
  3. クラッドとなる熱可塑性樹脂Bの結晶融解エンタルピーΔHmが35J/g以下である請求項1または2に記載の光導波路フィルム。
  4. クラッドとなる熱可塑性樹脂Bの結晶粒サイズが20nm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の光導波路フィルム。
  5. 熱可塑性樹脂Aからなるコアと同一組成の分子骨格あるいは官能基を含んでなる熱可塑性樹脂Bからなるクラッドである請求項1〜4のいずれかに記載の光導波路フィルム。
  6. 無水カルボン酸変性ポリオレフィンを含んでなる請求項1〜5のいずれかに記載の光導波路フィルム。
  7. 導光路中に45度ミラーを含んでなる請求項1〜6のいずれかに記載の光導波路フィルム。
  8. 接続コネクタが取付けられている請求項1〜7のいずれかに記載の光導波路フィルム。
  9. 85℃ 1000時間の耐熱試験後の光損失変化量が0.5dB以下である請求項1〜8のいずれかに記載の光導波路フィルム。
  10. 70℃/90%RH 1000時間の高温高湿試験後の光損失変化量が0.5dB以下である請求項1〜9のいずれかに記載の光導波路フィルム。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の光導波路フィルムを用いた照明装置。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の光導波路フィルムを用いた通信装置。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載の光導波路フィルムを用いた表示装置。
  14. 請求項1〜10のいずれかに記載の光導波路フィルムを用いたライトガイド。
  15. LD間距離がダイのリップ幅の3倍以上であることを特徴とする光導波路フィルムの製造方法。
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