JP2009235939A - スクロール型流体機械の加工装置及び加工方法 - Google Patents

スクロール型流体機械の加工装置及び加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ラップ高さを容易にして高精度に加工することができ、ひいてはラップの加工コストを低減することができるスクロール型流体機械の加工装置及び加工方法を提供する。
【解決手段】スクロール型流体機械の加工装置は、可動スクロールまたは固定スクロールのうち少なくとも一方の鏡板をラップの高さ方向のみで固定するクランプ手段と、このクランプ手段により固定された鏡板のラップを同一の切削加工治具にて所定のラップ高さに加工する切削加工手段とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、冷凍空調機やヒートポンプ式給湯機に組み込まれて好適なスクロール型流体機械の加工装置及び加工方法に関する。
この種のスクロール型流体機械、例えば密閉型スクロール圧縮機は、ハウジング内で固定スクロールに対し可動スクロールが公転旋回運動することにより、作動流体の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施するスクロールユニットを備えている。
詳しくは、可動及び固定スクロールの鏡板の鏡板面には、それぞれ渦巻き状のラップが立設され、これらラップが協働してラップ間に作動流体の圧縮室を形成し、この圧縮室がラップの最内周部に向けてその容積を減少させながら移動することにより上記一連のプロセスを実施している。
そして、ラップの先端をラップ中心に向け所定の傾斜角でラップの渦巻き状に沿って直線的に減少させた傾斜面とするラップ高さ加工を施すことにより、ラップが熱膨張してもラップの先端面と対向する鏡板面との間のスラスト方向ギャップを適正に保持することにより、圧縮機の圧縮効率及び耐久性を向上することができる技術が公知である(例えば、特許文献1参照)。
特許3046486号公報
ところで、上記従来技術では明確にされていないものの、上記ラップ高さ加工は一般にラップの先端を研磨してラップ高さを高精度に加工するためのラッピング加工と、ラップの先端に上記傾斜面を形成するためのスパイラル加工とが異なる切削加工治具を有する異なる旋盤にて異なる切削加工工程にて行われる。
また、旋盤による切削加工は、少なくとも鏡板の外周を2箇所と、ラップの高さ方向を1箇所との合計3箇所をクランプによりチャック固定してから行われ、その加工基準面は鏡板の鏡板面の反対側の面である背面となるのが一般的である。
しかしながら、このような加工方法では、ラップ高さ加工に2工程を要する為にラップ高さを高精度に加工し難い。
また、クランプによるチャック固定が上記3箇所により行われることにより、直交する2方向から鏡板が押圧されてたわみ変形し、このように鏡板が変形した状態において、精度を要求されない鏡板の背面がラップ高さ加工のための切削加工の加工基準面となるため、結果としてラップ高さに大幅な誤差が生じ、やはりラップ高さを高精度に加工できず、ラップの加工工程が煩雑になり、加工コストも増大するとの問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、ラップ高さを容易にして高精度に加工することができ、ひいてはラップの加工コストを低減することができるスクロール型流体機械の加工装置及び加工方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するべく、請求項1記載のスクロール型流体機械の加工装置は、鏡板の鏡板面に渦巻き状のラップが対をなしてそれぞれ立設された固定及び可動スクロールを備え、固定スクロールに対し可動スクロールが公転旋回運動することにより、ラップ間に作動流体の圧縮室を形成し、この圧縮室がラップの最内周部に向けてその容積を減少させながら移動するスクロール型流体機械の加工装置であって、可動スクロールまたは固定スクロールのうち少なくとも一方の鏡板をラップの高さ方向のみで規制し固定するクランプ手段と、このクランプ手段により固定された鏡板のラップを同一の切削加工治具にて所定のラップ高さに加工する切削加工手段とを備えたことを特徴としている。
また、請求項2記載の発明では、請求項1において、クランプ手段は、鏡板の鏡板面の反対側の面である背面を鏡板面側に向けて押圧する押圧手段と、この押圧手段により押圧された鏡板を鏡板面の少なくとも3箇所以上に当接させて支持する支持部材とからなることを特徴としている。
更に、請求項3記載の発明では、請求項2において、支持部材は、鏡板の径方向の移動を阻止する側部と、この側部からラップの最内周部に向けて屈曲される鍔部とから構成され、この鍔部は押圧手段により鏡板面が当接される支持面を有することを特徴としている。
更にまた、請求項4記載の発明では、請求項3において、押圧手段は、ばねによる所定の弾性力により鏡板を支持面に向けて押圧することを特徴としている。
また、請求項5記載の発明では、請求項3において、押圧手段は、所定の空気圧により鏡板を支持面に向けて押圧することを特徴としている。
また、請求項6記載のスクロール型流体機械の加工方法は、鏡板の鏡板面に渦巻き状のラップが対をなしてそれぞれ立設された固定及び可動スクロールを備え、固定スクロールに対し可動スクロールが公転旋回運動することにより、ラップ間に作動流体の圧縮室を形成し、この圧縮室がラップの最内周部に向けてその容積を減少させながら移動するスクロール型流体機械の加工方法であって、可動スクロールまたは固定スクロールのうち少なくとも一方の鏡板をラップの高さ方向のみで規制し固定するクランプ工程と、このクランプ工程で固定された鏡板のラップを同一の切削加工治具にて所定のラップ高さに加工する切削加工工程と、からなることを特徴としている。
更に、請求項7記載の発明では、請求項6において、切削加工工程では、ラップ高さをラップの中央部が最も低くなるように凹面加工することを特徴としている。
従って、請求項1記載の本発明のスクロール型流体機械の加工装置によれば、可動スクロールまたは固定スクロールのうち少なくとも一方の鏡板をラップの高さ方向のみで規制し固定するクランプ手段と、このクランプ手段により固定された鏡板のラップを同一の切削加工治具を用いて所定のラップ高さに加工する切削加工手段とを備える。これにより、クランプ手段による鏡板のたわみ変形を防止して切削加工の加工基準面を少なくとも平坦化することができ、ラップ高さを加工するための切削加工を同一の切削加工治具を用いた1工程とすることができるため、ラップ高さを容易にして高精度に加工することができ、ひいてはラップの加工コストを低減することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、クランプ手段は、鏡板の鏡板面の反対側の面である背面を鏡板面側に向けて押圧する押圧手段と、この押圧手段により押圧された鏡板を鏡板面の少なくとも3箇所以上に当接させて支持する支持部材とからなる。これにより、鏡板を3点支持にて確実に平坦化して固定することができ、更に、予め高精度に平坦化された鏡板面を切削加工の加工基準面とすることができるため、ラップ高さを更に高精度に加工することができる。
更に、請求項3記載の発明によれば、支持部材は、鏡板の径方向の移動を阻止する側部と、側部からラップの最内周部に向けて屈曲される鍔部とから構成され、この鍔部は押圧手段により鏡板面に当接される支持面を有する。これにより、鏡板の径方向の移動を阻止しつつ支持部材による鏡板の支持を面接触により行うことができるため、ラップ高さをより一層高精度に加工することができる。
更にまた、請求項4、5記載の発明によれば、押圧手段は、ばねによる所定の弾性力により(請求項4)、または、所定の空気圧により(請求項5)、鏡板を支持面に向けて押圧する。これにより、ばねや空気圧の設定を変えるだけで鏡板に対する押圧力を容易にして調整することができるため、ラップ高さを容易にして高精度に加工することができて好ましい。
また、請求項6の本発明のスクロール型流体機械の加工方法によれば、鏡板の鏡板面に渦巻き状のラップが対をなしてそれぞれ立設された固定及び可動スクロールを備え、固定スクロールに対し可動スクロールが公転旋回運動することにより、ラップ間に作動流体の圧縮室を形成し、この圧縮室がラップの最内周部に向けてその容積を減少させながら移動するスクロール型流体機械の加工方法であって、可動スクロールまたは固定スクロールのうち少なくとも一方の鏡板をラップの高さ方向のみで規制し固定するクランプ工程と、このクランプ工程で固定された鏡板のラップを同一の切削加工治具にて所定のラップ高さに加工する切削加工工程と、からなる。これにより、クランプ工程によって鏡板のたわみ変形を防止して切削加工の加工基準面を少なくとも平坦化することができ、切削加工工程によって切削加工を同一の切削加工治具を用いた1工程とすることができるため、ラップ高さを容易にして高精度に加工することができ、ひいてはラップの加工コストを低減することができる。
具体的には、請求項7記載の発明によれば、切削加工工程では、ラップ高さをラップの中央部が最も低くなるように凹面加工することにより、ラップが熱膨張してもラップの先端面と対向する鏡板面との間のスラスト方向ギャップを適正に保持することができて好ましい。
以下、図面により本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るスクロール型流体機械の一例として、密閉型のスクロール圧縮機のスクロールユニット2の縦断面図を示しており、当該ユニット2は、図示しない密閉容器内に収容され、回転軸4を介して図示しない電動モータにより駆動される。
当該圧縮機は、冷凍空調装置やヒートポンプ式給湯機などの冷凍回路に組み込まれ、当回路は作動流体の一例である二酸化炭素冷媒(以下、冷媒という)が循環する経路を備え、圧縮機1は経路から冷媒を吸入し、圧縮して経路に向けて吐出する。この際、ユニット2は冷媒の吸入、圧縮及び吐出の一連のプロセスを実施する。
詳しくは、ユニット2は可動スクロール6及び固定スクロール8から構成され、可動スクロール6は鏡板10を備え、この鏡板10の鏡板面10aには固定スクロール8の鏡板12に向けて延びる渦巻き状のラップ14が立設され、一方、固定スクロール8の鏡板12の鏡板面12aにも鏡板10に向けて延びる渦巻き状のラップ16が立設されている。
そして、これらラップ14,16が互いに協働し、鏡板12の外周側に形成された冷媒の吸入ポート18から冷媒を吸入して圧縮室20を形成する。圧縮室20は、固定スクロール8に対する可動スクロール6の公転旋回運動により、これらラップ14,16の径方向の最外周側から中心である最内周側に向けて移動しながらその容積が減少される。
可動スクロール6に公転旋回運動を付与するため、鏡板10の背面側にはボス22が形成され、ボス22は軸受24を介して回転軸4の上端側に一体形成される偏心軸26に回転自在に支持されている。なお、可動スクロール6の自転は図示しない自転阻止ピンにより阻止されている。
一方、固定スクロール8は密閉容器の内側に固定される図示しないフレームに支持、固定されており、固定スクロール8の中央部分には圧縮室20に連通可能な吐出孔28が穿設される。
上述した圧縮機によれば、回転軸26の回転に伴って可動スクロール6が自転することなく公転旋回運動することにより、吸入ポート18を介してユニット2に吸入した冷媒をユニット2の内方に向けて移動させながら圧縮した後に吐出孔28から吐出する。そして、吐出孔28から吐出された冷媒は密閉容器内を循環した後に図示しない吐出ポートを介して圧縮機外へ送出される。
ところで、図2の可動スクロール6の縦断面図に示されるように、本実施形態のラップ14はラップ14の最外周側に形成されるフラット部30と、ラップ14の最内周部32側に形成される凹面部34とから形成されている。
図3に示される可動スクロール6の鏡板面10a側からみた平面図も参照すると、フラット部30はラップ14のうち、最外周側の1巻と略半巻目となる部分に該当し、鏡板面10aから先端までのラップ高さHが最大となり、その先端は平坦なフラット面30aとなっており、可動スクロール6を固定スクロール8と組合わせたときに、フラット面30aと固定スクロール8の鏡板面12aとの間には最小のスラスト方向ギャップGMINを残して最外周側の圧縮室20が形成される。
一方、凹面部34はラップ14のうち、フラット部30よりも最内周部32側の全巻部分に該当し、図3中に斜線で示されており、ラップ14の先端により形成される面が所定の曲率kとなる回転楕円面または球面をなす凹面34aを形成している。
凹面部34におけるラップ14のラップ高さHはフラット部30から最内周部32にかけて滑らかに放物線状に減少し、最内周部32において最小となっている。換言すると、凹面34aと対向する鏡板面とのスラスト方向ギャップGはフラット部30から最内周部32にかけて滑らかに放物線状に増大し、最内周部32において最大のギャップGMAX(例えば6マイクロメートル程度)となる。
また、図3に示される凹面部34とフラット部30との境界部36は凹面34aとフラット面30aとが段差無く滑らかに連続しており、曲率kはこのような境界部36を形成するべくを予め設定される。なお、凹面部34からフラット部30にかけ曲率kを連続的に変化させて境界部36を形成しても良い。そして、可動スクロール6を固定スクロール8と組合わせたときには、可動スクロール6のラップ14と対向する固定スクロール8の鏡板面12aとの間のスラスト方向ギャップGがフラット部30から最内周部32にかけて滑らかに放物線状にて変化し、圧縮機の圧縮運転時におけるラップ14,16の熱膨張時には、フラット部30の場合と同様に、最小のスラスト方向ギャップGMINを残して最内周部32側の圧縮室20が形成される。
以下、凹面部34を形成するための凹面加工工程について説明する。
先ず、アルミ系材料からなる鏡板6に対して切削加工を施すことにより、先端がフラット面30aとなるフラット部30のみを有するラップ14を形成する。
次に、図4に示される旋盤38のクランプ機構(クランプ手段)40に鏡板10を固定し(クランプ工程)、フラット部30の内周側に対して、ダイヤモンドなどの高硬度を有する刃部42を備えた切削加工治具44による切削加工を施す(切削加工手段、切削加工工程)。
この切削加工では、ラップ14の渦巻き中心Oを加工中心とし、切削加工治具44である例えば旋盤加工用のバイトやインサートチップの刃部42をラップ14の先端に押圧しながら切削または研磨することにより、フラット部30を最外周側のみ残して図4中の点線部分が椀形状に削られ、ラップ14の最内周部32側のみに凹面34aを有する凹面部34を形成している。
ここで、クランプ機構40は、鏡板10の鏡板面10aの反対側の面である背面10bを鏡板面10a側に向けて押圧する押圧機構(押圧手段)46と、この押圧機構46により押圧された鏡板10を鏡板面10aにて支持する支持部材48とから構成されている。
支持部材48は、鏡板10の径方向の移動を阻止する側部48aと、側部48aからラップ14の最内周部32側に向けて屈曲される鍔部48bとから構成され、鍔部48bは押圧機構46により鏡板面10aが当接される支持面50を有している。
一方、押圧機構46は、ボス22の端面22aに当接される当接部46aと、側部48aの内周に固定される固定部46bと、当接部46aと固定部46bとを連結し、当接部46aを介して鏡板10を支持面50に対して所定の弾性力で押圧するばね52とから構成されている。
図5は支持部材48を図4のA方向からみた平面図であり、この図から明らかなように、支持部材48には鍔部48bが略等間隔に3箇所に形成されており、押圧機構46により押圧された鏡板10はその鏡板面10aが3箇所の支持面50に当接されて支持される。また、支持部材48の内径Diは側部48a内に鏡板10を挿入可能な大きさであって、押圧機構46によって鏡板10が押圧されても鏡板10をその径方向にがたつかない程度に規制して固定可能なはめあいに設定されている。なお、このようながたつきを防止するために、鏡板10の外周を若干チャック固定する効果が得られるように内径Diを設定しても良い。
このようにして形成されたラップ14を有する圧縮機の圧縮運転開始初期には、各ラップ14,16はほぼ常温の状態にある。そして、フラット面30aが鏡板面12aとの間に最小となるスラスト方向ギャップGMINを介して対向しているから、吸込ポート側への漏れがない状態で最外周側の圧縮室20に冷媒を確実に封じ込めることができる。
次に、当該圧縮機が暖機され、定格状態となったときには、吸込ポートから吸込まれた冷媒は、最外周側の圧縮室20から最内周部32側の圧縮室20に順次送り込まれて圧縮され、このときに発生する圧縮熱等により、ラップ14,16は最外周側の1巻目から最内周部32側の4巻目に亘って放射状に高温をなした温度分布となる。
詳しくは、各圧縮室20内の圧力は最外周側の圧縮室20から最内周部32側の圧縮室20に向けて圧力が順次高くなるため、最内周部32側の圧縮室20は最外周側の圧縮室20よりも高温になり、各ラップ14,16も最外周側から最内周部32側に向けて高温になる。
また、ユニット2や軸受24等を潤滑するための高温高圧の潤滑油が回転軸26内を軸線方向に穿孔される図示しない給油路を上昇し、回転軸26の上端から供給されることも、各ラップ14,16の最内周部32側が最外周側よりも高温になる要因の1つである。そして、この温度上昇により各ラップ部14,16は熱膨張し、特にラップ14の凹面部34は最内周部32側に向けて漸次大きく熱膨張し、最内周部32近傍は最大の熱膨張状態となる。しかし、凹面部34を有することにより、凹面部34の凹面34aの曲率kを圧縮機の圧縮運転時におけるラップ14の熱膨張量に合わせ、圧縮運転時のラップ14と対向する鏡板面12aとの間のスラスト方向ギャップGを段差無く適正に保持することができ、ラップ14,16間のかじりや冷媒の漏れを確実に防止することができるため、圧縮機の圧縮効率及び耐久性を向上することができる。
以上のように、本実施形態では、旋盤38は鏡板10をラップ14の高さ方向のみで規制し固定するクランプ機構40を備え、旋盤38により凹面部34を加工するための切削加工工程では、クランプ機構40により固定された鏡板10のラップ14を同一の切削加工治具44を用いて所定のラップ高さに加工して凹面部34を形成する。これにより、クランプ機構40による鏡板10のたわみ変形を防止して切削加工の加工基準面を少なくとも平坦化することができ、切削加工工程を同一の切削加工治具44を用いた1工程とすることができるため、ラップ高さを容易にして高精度に加工することができ、ひいてはラップ14の加工コストを低減することができる。
また、クランプ機構が押圧機構46と、この押圧機構46により押圧された鏡板10を鏡板面10aの3箇所に当接させて支持する支持部材48とからなることにより、鏡板10を3点支持にて確実に平坦化して固定することができ、更に、予め高精度に平坦化された鏡板面10aを切削加工の加工基準面とすることができるため、ラップ高さを更に高精度に加工することができる。
更に、支持部材48が側部48aと鍔部48bとから構成され、鍔部48bは押圧機構46により鏡板面10aが当接される支持面50を有することにより、鏡板10の径方向の移動を阻止しつつ支持部材48による鏡板10の支持を面接触により行うことができるため、ラップ高さをより一層高精度に加工することができる。
更にまた、押圧機構46は、ばね52による所定の弾性力により鏡板10を支持面50に向けて押圧することにより、ばね52を変えるだけで鏡板10に対する押圧力を容易に調整することができるため、ラップ高さを容易にして高精度に加工することができて好ましい。
以上で本発明の一実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。
例えば、上記実施形態では、図5に示されるように、鏡板10を3点支持にて確実に平坦化して固定するために、支持部材48には鍔部48bが3箇所に形成されているが、これに限らず、鏡板10を確実に平坦化して固定することができるのであれば、3箇所以上に形成しても良い。また、支持面50を形成せずに点接触にて鏡板10を支持するようにしても良い。
また、上記実施形態では、押圧機構46にばね52による弾性力を利用しているが、これに限らず、例えばポンプによる加圧装置を設け、これにより加圧された所定の空気圧により鏡板10を支持面50に向けて押圧するようにしても、空気圧の設定を変えるだけで鏡板10に対する押圧力を容易にして調整することができる。
更に、上記実施形態では、可動スクロール6のラップ14に凹面部34を形成することとしているが、ラップ14の熱膨張が吸収され、スラスト方向ギャップGが適正に保持されれば良く、ラップ14をフラット部30のみで形成し、固定スクロール8のラップ16に凹面部を形成しても良い。この場合にも上記と同様に圧縮機の製造コストを低減しつつその圧縮効率及び耐久性を向上することができるという効果を奏する。
更にまた、上記実施形態では、ラップ14に凹面部34を形成するための切削加工方法や加工装置について説明しているが、これらの加工方法及び加工装置は、これに限らず、様々なラップ加工に適用できることは勿論である。
本発明の一実施形態に係るスクロール型圧縮機のスクロールユニットを示した縦断面図である。 図1の可動スクロールを示した縦断面図である。 図2の可動スクロールを鏡板面側からみた平面図である。 図2の凹面部の加工方法及び加工装置を示した縦断面図である。 図4の支持部材を図4のA方向からみた平面図である。
符号の説明
6 可動スクロール
8 固定スクロール
10,12 鏡板
10a,12a 鏡板面
10b 背面
14,16 ラップ
20 圧縮室
32 最内周部
40 クランプ機構(クランプ手段)
44 切削加工治具
46 押圧機構(押圧手段)
48 支持部材
48a 側部
48b 鍔部
50 支持面
52 ばね

Claims (7)

  1. 鏡板の鏡板面に渦巻き状のラップが対をなしてそれぞれ立設された固定及び可動スクロールを備え、前記固定スクロールに対し前記可動スクロールが公転旋回運動することにより、前記ラップ間に作動流体の圧縮室を形成し、該圧縮室が前記ラップの最内周部に向けてその容積を減少させながら移動するスクロール型流体機械の加工装置であって、
    前記可動スクロールまたは前記固定スクロールのうち少なくとも一方の前記鏡板を前記ラップの高さ方向のみで規制し固定するクランプ手段と、該クランプ手段により固定された該鏡板の該ラップを同一の切削加工治具にて所定のラップ高さに加工する切削加工手段とを備えたことを特徴とするスクロール型流体機械の加工装置。
  2. 前記クランプ手段は、前記鏡板の前記鏡板面の反対側の面である背面を該鏡板面側に向けて押圧する押圧手段と、該押圧手段により押圧された該鏡板を該鏡板面の少なくとも3箇所以上に当接させて支持する支持部材とからなることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型流体機械の加工装置。
  3. 前記支持部材は、前記鏡板の径方向の移動を阻止する側部と、該側部から前記ラップの前記最内周部に向けて屈曲される鍔部とから構成され、該鍔部は前記押圧手段により前記鏡板面が当接される支持面を有することを特徴とする請求項2に記載のスクロール型流体機械の加工装置。
  4. 前記押圧手段は、ばねによる所定の弾性力により前記鏡板を前記支持面に向けて押圧することを特徴とする請求項3に記載のスクロール型流体機械の加工装置。
  5. 前記押圧手段は、所定の空気圧により前記鏡板を前記支持面に向けて押圧することを特徴とする請求項3に記載のスクロール型流体機械の加工装置。
  6. 鏡板の鏡板面に渦巻き状のラップが対をなしてそれぞれ立設された固定及び可動スクロールを備え、前記固定スクロールに対し前記可動スクロールが公転旋回運動することにより、前記ラップ間に作動流体の圧縮室を形成し、該圧縮室が前記ラップの最内周部に向けてその容積を減少させながら移動するスクロール型流体機械の加工方法であって、
    前記可動スクロールまたは前記固定スクロールのうち少なくとも一方の前記鏡板を前記ラップの高さ方向のみで規制し固定するクランプ工程と、
    該クランプ工程で固定された該鏡板の該ラップを同一の切削加工治具にて所定のラップ高さに加工する切削加工工程と、からなることを特徴とするスクロール型流体機械の加工方法。
  7. 前記切削加工工程では、前記ラップ高さを該ラップの中央部が最も低くなるように凹面加工することを特徴とする請求項6に記載のスクロール型流体機械の加工方法。
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